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【発明の名称】 ガイドレール後付け式電子回路パッケージ実装機構
【発明者】 【氏名】高橋 照正

【要約】 【課題】プリンタなどの電子機器に機能拡張用の電子回路パッケージを実装するための電子回路パッケージ実装機構において、過剰な部品装備を削減することを目的とする。

【解決手段】機能拡張用パッケージ(30)を案内するためのガイドレール(26)は必要に応じてパッケージ単位で後付け可能な単体にする。電子機器のシャシー(20)の縁(24)を切り欠くことによりガイドレール支持部(28)を形成し、ガイドレール(26)の手前側端部を支持する。ガイドレール(26)の先端はバックパネル(56)に形成した角穴(62)に支持する。パッケージ(30)を追加するには、一対のガイドレール(26)を後付けにより装着した上で、パッケージを差し込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子機器のシャシーに形成した四角形のパッケージ実装用開口の対向2辺に隣接してシャシーに形成した第1のガイドレール支持部と、前記開口に対応して電子機器の内側に離間配置したバックパネルと、前記第1ガイドレール支持部に対応して前記バックパネルに形成した第2のガイドレール支持部と、電子回路パッケージの側縁を摺動自在に案内する単一の溝を夫々備えた後付け可能な少なくとも一対のガイドレールとの組合せからなり、電子回路パッケージを追加するにあたり、シャシーの前記第1ガイドレール支持部とバックパネルの第2ガイドレール支持部との間に前記一対のガイドレールを後付けにより架設し、斯く架設された一対のガイドレールに沿って電子回路パッケージを差し込むようにしたことを特徴とする電子回路パッケージ実装機構。
【請求項2】 前記第1ガイドレール支持部は、シャシーを形成する板金を折り曲げ加工することによりパッケージ実装用開口に隣接する縁を形成し、ガイドレールを受け入れる切欠きを前記縁に設けることにより形成されていることを特徴とする請求項1に基づく電子回路パッケージ実装機構。
【請求項3】 ガイドレールを装着したときにガイドレールを第1ガイドレール支持部に係止する手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に基づく電子回路パッケージ実装機構。
【請求項4】 ガイドレールは前記係止手段の釈放を容易にする手段を備えていることを特徴とする請求項3に基づく電子回路パッケージ実装機構。
【請求項5】 前記第2ガイドレール支持部はバックパネルに形成した切欠きからなる請求項1から4のいづれかに基づく電子回路パッケージ実装機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピュータやプリンタのような電子機器に電子回路パッケージを実装するための電子回路パッケージ実装機構に関する。本発明は、特に、ガイドレール後付け方式のパッケージ実装機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パーソナルコンピュータやプリンタのような電子機器には拡張スロットと呼ばれる電子回路パッケージ実装機構が組み込んであり、機器制御用或いは機能拡張用などの追加的な電子回路パッケージを後から追加できるようになっている。このため、機器の背面などにはパッケージ実装用の開口が形成してあり、機器の外側からパッケージを差し込むことができるようになっている。電子機器の内部には接続コネクタを備えたバックパネルが配置してあり、電子回路パッケージの接続コネクタを接続するようになっている。
【0003】パッケージの装着を容易にするため、特に、パッケージの接続コネクタをバックパネルの接続コネクタに差し込むのを容易にするため、従来のパッケージ実装機構には、図9に示したように、電子回路パッケージを摺動挿入するための複数の案内溝1を備えた左右のガイドレール部材2が設けてある。これら左右のガイドレール部材2は天板3によって互いに連結されている。左右のガイドレール部材2と天板3は、図9に示したように別々の部品として製作されることもあるし、プラスチックの成形または板金加工により一体的に形成されることもある。夫々のガイドレール部材2にはねじ挿通穴を備えた固定用片4が設けてあり、ガイドレール部材2はこれらの固定用片4に通したネジによって電子機器のシャシー又はマザーボードにネジ止めされる。ガイドレール部材2の奥には接続コネクタ5を備えたバックパネル6が配置してある。
【0004】電子回路パッケージを実装しない時には、パッケージ実装用入口開口は図面に基づいて後述するようにブランクプレートによって閉鎖されている。機能拡張用などの電子回路パッケージを追加するには、ブランクプレートを取り外した上で、ガイドレール部材2の対をなす案内溝1にパッケージ(図示せず)を挿入し、その接続コネクタをバックパネル6の接続コネクタ5に差し込む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、従来のパッケージ実装機構においては、左右のガイドレール部材2はプリンタなどの電子機器の標準仕様の内容に含まれており、プリンタなどはこれらのガイドレール部材が予め組み込まれた状態で出荷される。これらのガイドレール部材は、予定する最大実装数の電子回路パッケージを収納できるような構造・寸法に設計されている。このように、標準仕様の電子機器には、出荷時の機器には本来必要としない電子回路パッケージのためのガイドレール部材が最初から配置してあるので、部品装備が過剰となり、余計な設備投資を必要とし、製造コストが高くなる。本発明の目的は、過剰な部品装備を削減することの可能な電子回路パッケージ実装機構を提供することにある。本発明の他の目的は、設備投資と製造コストを最小限に抑制することの可能な電子回路パッケージ実装機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、電子回路パッケージを案内するためのガイドレールをパッケージ単位で後付け可能にしたことにある。即ち、本発明の電子回路パッケージ実装機構は、電子機器のシャシーに形成した四角形のパッケージ実装用開口の対向2辺に隣接してシャシーに形成した第1のガイドレール支持部と、この第1ガイドレール支持部に対応してバックパネルに形成した第2のガイドレール支持部と、後付け可能な少なくとも一対のガイドレールとの組合せからなる。夫々のガイドレールには電子回路パッケージの側縁を摺動自在に案内する溝が1つだけ設けてあり、1枚の電子回路パッケージに対して左右2本のガイドレールが使用される。
【0007】出荷時の標準仕様の電子機器には、ガイドレールは含まれておらず、ガイドレールは電子回路パッケージの付属品として供給することができる。電子機器に電子回路パッケージを追加するに際しては、シャシーの第1ガイドレール支持部とバックパネルの第2ガイドレール支持部との間に一対のガイドレールを後付けにより架設し、斯く架設された一対のガイドレールに沿って電子回路パッケージを差し込む。更に1枚の電子回路パッケージを追加するには、他の一対のガイドレール更に増設すればよい。
【0008】このように、標準仕様の電子機器にはガイドレールは含まれておらず、ガイドレールは増設すべきパッケージ毎に後付けされるので、出荷時の部品装備は最小限となる。ユーザーは、電子回路パッケージの増設や機能拡張などが必要になった時点で、ガイドレールと電子回路パッケージを追加することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】添付図面には本発明の電子回路パッケージ実装機構をプリンタに組み込んだ実施例を示す。図1および図2を参照するに、プリンタ10は、操作盤11、給紙カセット12、印刷済み用紙受け部13などを備え、背面部には電源供給用および入出力信号供給用の外部接続用コネクタ14が配置されている。プリンタ10の背面部においてプリンタの樹脂製外部筺体と内部シャシーには四角形のパッケージ実装用開口(パッケージスロット部)16が形成してあり、この開口16に臨んで電子回路パッケージ実装機構18が配置してある。
【0010】図5および図6を参照するに、プリンタ10のシャシー20を形成する板金のうちパッケージ実装用開口16の両側辺の内側の部分は断面L字形に折り曲げ加工してあり、奥行き方向壁22と内向き縁部24が形成してある。シャシー20の内向き縁部24には板金を矩形に打ち抜くことによりガイドレール26を支持するための矩形のガイドレール支持部(第1支持部)28が形成してある。図示した実施例では、最大限3枚の電子回路パッケージ30(図8)を追加実装できるようにするため、シャシー20には上下方向等間隔に離間した3つのガイドレール支持部28が形成してある。図3および図4に示したようにガイドレール26を装着した時には、各ガイドレール26の手前側端部はガイドレール支持部28に嵌合し、上下方向に位置決めされ且つ支持される。
【0011】図7から良く分かるように、夫々のガイドレール26の中央には、電子回路パッケージ30の左右の側縁32(図8)を摺動自在に案内する長手方向溝34が形成してある。ガイドレール26の手前側端部には、係止手段として作用する弾性変形可能なクリップ36が一体成形などにより形成してある。クリップ36は奥行き方向に延長する弾性変形可能なアーム38と、ガイドレール26本体に向かって突出した鈎部40からなる。
【0012】図5および図6に示したように、ガイドレール26のクリップ36に対応する位置においてシャシー20と奥行き方向壁22には矩形の切欠き42が形成してあり、ガイドレール26を装着した時にガイドレール26のクリップ36がこの切欠き42を横断するようになっている。各切欠き42はクリップ36の弾性変形を可能にするに充分な横幅を有する。シャシー20の奥行き方向壁22には、ガイドレール支持部28の切欠きに連なる切欠きが打ち抜いてあり、ストッパとして作用するエッジ44が形成されている。また、奥行き方向壁22に打ち抜いた前記切欠き42により、奥行き方向壁22には他方のストッパとして作用するエッジ46が形成されている。エッジ44とエッジ46との間の距離は、クリップ36のアーム38の自由区間の長さに等しくしてある。従って、ガイドレール26を取付けたときには、そのクリップ36の付け根部48(図7)がエッジ46に当接することによりガイドレール26の前後方向の位置決めが行われ、クリップ36の鈎部40がエッジ44に背後から係合することによりガイドレール26が装着位置に係止される。
【0013】図7に示したように、クリップ36の鈎部40に対向する位置においてガイドレール26には貫通孔50が設けてあり、ドライバーやピンのような工具をこの貫通孔50に差し込んでクリップ36の鈎部40を押し広げることができるようになっている。各切欠き42に隣接してシャシー20には電子回路パッケージ30やブランクプレートを固定する際に使用するネジ穴52が設けてある。
【0014】図3から図5を参照するに、プリンタのマザーボード54(又はシャシー20)には、パッケージ実装用開口16に対向する位置において、バックパネル56がネジ58によって固定してある。バックパネル56は例えば3つの接続コネクタ60を備えている。各接続コネクタ60の両側においてバックパネル56にはガイドレール26の先端部を受け入れるための角穴62が形成してある。これらの角穴62はガイドレール26を支持するための第2のガイドレール支持部として作用する。
【0015】図8(A)はパッケージ実装機構18に装着される電子回路パッケージ30の一例を示す。このパッケージ30は電子部品(図示省略)が実装されたプリント基板64と前面パネル66と接続コネクタ68を備え、前面パネル66には手で把持するためのハンドル70と固定用ネジ72を通すための穴74が設けてある。
【0016】標準仕様のプリンタ10にはガイドレール26を装着しておかず、ガイドレール26は例えば電子回路パッケージ30の付属品としてパッケージ毎に一対をユーザーに供給することができる。標準仕様のプリンタ10においては、ネジ穴52に螺合したネジ72により図8(B)に示したようなブランクプレート76がシャシー20に固定してあり、パッケージ実装用開口16は閉鎖されている。
【0017】機能拡張などのために電子回路パッケージ30を装填するに際しては、先ず、ネジ72を弛めてパッケージ実装用開口16に取付けてあるブランクプレート76を取り外し、スロットを開放する。次に、パッケージ30に付属する一対のガイドレール26を取り出し、ガイドレール支持部28に案内係合させながら各ガイドレール26をバックパネル56に向かってプリンタ内部に挿入し、ガイドレール26の先端をバックパネル56の角穴62に嵌合させる。同時に、ガイドレール26のクリップ36を切欠き42内に進入させる。ガイドレール26を更に押し込むにつれてそのクリップ36は弾性変形し、クリップ36の鈎部40は壁22を乗り越えてエッジ44の背後に係合する。これによりガイドレール26は暫定的にシャシー20に係止される。
【0018】こうして一対のガイドレール26が装着されると、それらの溝34に案内させながら電子回路パッケージ30を挿入し、その接続コネクタ68をバックパネル56の接続コネクタ60に差し込む。最後に、電子回路パッケージ30の前面パネル66に通した固定用ネジ72をシャシー20のネジ穴52に螺合することにより、ガイドレール26とパッケージ30が固定される。
【0019】装着したガイドレール26を取り外したい場合には、ガイドレール26に設けた貫通孔50にドライバーやピンのような工具を差し込み、クリップ36の鈎部40を押し広げることにより、鈎部40をストッパエッジ44から釈放させ、ガイドレール26を手前方向に引き出すことにより、ガイドレール26を取り外すことができる。
【0020】以上には本発明の特定の実施例を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の修正や変更を施すことができる。例えば、パッケージ実装機構18は縦横いづれの向きに配置してもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明の第1の効果は、ガイドレールを標準装備とせず、必要に応じて必要なだけ後付けできるようにしたので、電子機器の過剰な部品装備を削減し、部品点数を削減することができるということである。その結果、設備投資と製造コストを最小限に抑制し、生産性を向上させることができる。また、パッケージ実装機構を小型、軽量および簡素にすることができる。本発明の他の効果は、機器の外側から機器カバー類を外すことなくガイドレールおよび電子回路パッケージを実装できることである。その理由は、ガイドレールの装着ガイドおよび支持部が装置外面に近い位置に設けてあり、しかも固定構造はプリンタ装置の筐体又はシャシーに一体化形成しているためである。
【出願人】 【識別番号】000232047
【氏名又は名称】日本電気エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成11年2月15日(1999.2.15)
【代理人】 【識別番号】100090099
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 宏
【公開番号】 特開2000−236182(P2000−236182A)
【公開日】 平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願番号】 特願平11−35574