| 【発明の名称】 |
音響再生装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大西 将秀
【氏名】今野 文靖
【氏名】長谷川 昭典
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| 【要約】 |
【課題】周囲騒音とスピーカユニットから発生する信号との合成音から、スピーカユニットから発生する信号を除去し、正確に周囲騒音を抽出し、より自然なマスキング補正ができる音響再生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】スピーカユニット13のボビン16に検出コイル17を設け、更にスピーカユニット13の周辺にマイクロフォン15を配置し、検出コイル17、マイクロフォン15のそれぞれの出力信号をフィルタ等による処理後に加算処理した信号にもとづき入力信号の大きさを調整するように構成したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力信号を増幅する電力増幅器と、この電力増幅器の出力信号を再生するバッフルに取り付けられたスピーカユニットと、このスピーカユニットのボイスコイルの運動を検出する検出手段と、上記スピーカユニットの周辺に配置されたマイクロフォンと、上記検出手段からの出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器からの出力信号の帯域通過手段と、この帯域通過手段からの出力信号を入力する移相器と、この移相器からの出力信号と周囲騒音及び上記スピーカユニットの再生信号を含む上記マイクロフォンからの出力信号の低域成分と電気的に加算する加算手段と、この加算手段からの交流信号を直流信号に変換する変換手段と、上記電力増幅器の入力側に設けられ、上記スピーカユニットの周囲騒音によって上記スピーカユニットからの再生音がマスキングされないように上記変換手段からの直流信号に応じて上記入力信号の大きさを自動的に調整する制御手段とを備えた音響再生装置。 【請求項2】 検出手段は、スピーカユニットのボイスコイルが巻かれたボビンに設けられた検出コイルである請求項1に記載の音響再生装置。 【請求項3】 帯域通過手段は、低域通過フィルタと高域通過フィルタとからなる請求項1または2に記載の音響再生装置。 【請求項4】 加算手段の入力側とマイクロフォンの出力側の間に低域通過フィルタを備えた請求項1乃至3のいずれかに記載の音響再生装置。 【請求項5】 変換手段は、整流回路である請求項1乃至4のいずれかに記載の音響再生装置。 【請求項6】 制御手段は、変換手段からの直流信号により入力信号の増幅度を制御する利得可変回路である請求項1乃至5のいずれかに記載の音響再生装置。 【請求項7】 マイクロフォンは、スピーカユニットの前方に配置される請求項1記載の音響再生装置。 【請求項8】 マイクロフォンは、スピーカユニットの後方に配置される請求項1記載の音響再生装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は周辺騒音の比較的大きな場所で良好な再生信号を得られる音響再生装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図8に従来の音響再生装置のブロック図を示す。図8において、入力端子1から入力された信号は利得可変回路2を介して電力増幅器3に入力されて電力増幅され、上記電力増幅器3からの出力信号はバッフル5に取り付けられたスピーカユニット4に入力されて再生される。一方、上記スピーカユニット4の周辺に配置されたマイクロフォン6はスピーカユニット4から放射される信号とバッフル5の周囲の騒音との和を集音する。このマイクロフォン6からの出力信号は上記電力増幅器3の出力信号とともに減算器7に入力され、上記マイクロフォン6で集音されたスピーカユニット4から放射される信号と周囲の騒音との和から入力信号成分を減算処理し、周囲の騒音成分を抽出する。上記減算器7の周囲騒音に比例した出力信号は低域通過フィルタ8を介して周囲騒音の帯域を制限し、低域通過フィルタ8の出力信号は整流回路9で交流から直流へ変換され、上記電力増幅器3の前段に設けられた利得可変回路2に加えられる。これにより、スピーカユニット4の周囲の騒音の大小に応じて入力信号に対する増幅度を利得可変回路2で自動的に変化させ、周囲の騒音にスピーカユニット4から放射される信号がマスキングされないように作用する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の音響再生装置においては、スピーカユニット4から放射される信号成分と、電力増幅器3から出力される信号成分とに差があり、減算器7でスピーカユニット4からの放射される信号成分を除去しきれず、スピーカユニット4の周囲騒音成分を抽出する事が困難で、ごく限られた帯域の騒音のみで制御しなければならないという問題があった。 【0004】本発明は、スピーカユニットからの放射信号を正確に除去し、周囲騒音に適応して利得を変化させる音響再生装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明の音響再生装置は、周囲騒音成分の抽出を、スピーカユニットの周辺に配設したマイクロフォンと、スピーカユニットのボイスコイルの運動を検出する検出手段とで行なう構成としたものである。これにより、正確にスピーカユニット周囲の騒音成分の抽出が可能となり、マスキングに対して自然な補正ができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、入力信号を増幅する電力増幅器と、バッフルに取り付けられたこの電力増幅器の出力信号を再生するスピーカユニットと、このスピーカユニットのボイスコイルの運動を検出する検出手段と、上記スピーカユニットの周辺に配置されたマイクロフォンと、上記検出手段からの出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器からの出力信号の帯域通過手段と、この帯域通過手段からの出力信号を入力する移相器と、この移相器からの出力信号と周囲騒音及び上記スピーカユニットの再生信号を含む上記マイクロフォンからの出力信号の低域成分とを電気的に加算する加算手段と、この加算手段からの交流信号を直流信号に変換する変換手段と、上記電力増幅器の入力側に設けられ、上記スピーカユニットの周囲騒音によって上記スピーカユニットからの再生音がマスキングされないように上記変換手段からの直流信号に応じて入力信号の大きさを自動的に調整する制御手段とを備えているため、スピーカ周囲の騒音成分を正確に抽出可能となり、マスキングに対する自然な補正ができるという作用を有する。 【0007】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、検出手段は、スピーカユニットのボイスコイルが巻かれたボビンに設けられた検出コイルであるため、スピーカユニットのボイスコイルの運動を正確に検出でき、スピーカユニットから放射される信号成分をより忠実に摘出し、マスキングに対する補正精度が向上するという作用を有する。 【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、帯域通過手段は低域通過フィルタと高域通過フィルタから構成されているため、マスキング補正に使用するためのスピーカユニットから放射される信号成分の中から所望の帯域通過信号を抽出しやすいという作用を有する。 【0009】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、加算手段の入力側とマイクロフォンの出力側の間に低域通過フィルタを備えているため、マスキング補正のための騒音成分を抽出しやすいという作用を有する。 【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、変換手段は整流回路であるため、入力信号の大きさを自動的に調整する制御手段への制御信号として最適となるという作用を有する。 【0011】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、制御手段は利得可変回路である音響再生装置であり、直流成分である制御信号にもとづく利得制御に有利であるという作用を有する。 【0012】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、マイクロフォンはスピーカユニットの前方に配置されているため、騒音源がスピーカユニットの前方にある場合に正確に騒音成分を抽出でき、より自然にマスキングに対して補正ができるという作用を有する。 【0013】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、マイクロフォンはスピーカユニットの後方に配置されているため、騒音源がスピーカユニットの後方にある場合に正確に騒音成分を抽出でき、より自然にマスキングに対して補正ができるという作用を有する。 【0014】以下、本発明の実施の形態について図1から図7を用いて説明する。 【0015】(実施の形態)図1は本発明の音響再生装置の実施の形態におけるブロック図を示す。図1において、入力端子10に入力された信号は利得可変回路11に加えられており、この利得可変回路11は後述する周囲騒音に応じた信号により制御される。上記利得可変回路11の出力は電力増幅器12に入力され、電力増幅器12の出力信号はバッフル14に取り付けられたスピーカユニット13に接続される。このスピーカユニット13の前方周辺にマイクロフォン15を配置し、スピーカユニット13から放射される信号とスピーカユニット13の前方周囲の騒音との和を集音する。さらにスピーカユニット13のボイスコイルが巻かれているボビン16には検出コイル17が設けられており、ボイスコイルの振動速度に比例した信号を出力する。この検出コイル17の出力は増幅器18で増幅された後、高域通過フィルタ19と第1の低域通過フィルタ20によりスピーカユニットから放射された信号成分の中からマスキング補正に使用するための所望の帯域通過信号が得られる。また、マイクロフォン15の出力から第2の低域通過フィルタ22により騒音成分が抽出される。次に、第1の低域通過フィルタ20の出力を移相器21を通過させ、第2の低域通過フィルタ22の出力と互いに逆位相にする。この移相器21の出力と、第2の低域通過フィルタ22の出力を加算手段としての加算器23に入力するとスピーカユニット13から放射される信号成分は除去され、マイクロフォン15で集音したスピーカユニット13の前方周囲の騒音のみを取り出すことができる。この加算器23の出力で得られたスピーカユニット13の前方周囲の騒音成分を整流回路24に加え交流信号から直流信号に変換し、この整流回路24の直流出力信号を利得可変回路11に加えることで、スピーカ周囲の騒音に応じて自動的に利得を変化させることが可能となり、より自然なマスキング補正ができる。以下により具体例を用いて説明する。 【0016】図2は検出コイル17の出力信号の周波数及び位相特性を示す。検出コイル17の出力信号はボイスコイルが巻かれたボビン16の振動速度に比例した特性を示す。図2において、位相が0°となる周波数は87Hzである。次に、遮断周波数が87Hzである2次の高域通過フィルタ19を通過させた後の検出コイル17の出力信号の周波数及び位相特性を図3に示す。図3において、位相が45°となる周波数は118Hzである。次に、遮断周波数が118Hzである1次の第1の低域通過フィルタ20を通過させた後の検出コイル17の出力信号の周波数及び位相特性を図4に示す。 【0017】図5は、マイクロフォン15の出力信号の周波数及び位相特性を示す。図5に示すようにスピーカユニット13から放射される信号は2次の高域通過フィルタと同様な特性となる。次に、遮断周波数が118Hzである1次の第2の低域通過フィルタ22を通過させたマイクロフォン15の出力信号の周波数及び位相特性を図6に示す。図6において、位相特性が−180°となる周波数は100Hzである。次に、100Hzで位相が0°となるように設定した移相器21を通過させた後の検出コイル17の出力信号の周波数及び位相特性を図7に示す。図6,図7にそれぞれ示すように検出コイル17の出力信号とマイクロフォン15の出力信号の周波数特性はほぼ同じ帯域通過特性となり、位相は互いに逆位相の関係となる。これらの信号を加算手段である加算器23に入力することにより、スピーカユニット13から放射される信号成分は除去され、マイクロフォン15で集音したスピーカユニット13の前方周囲の騒音のみを取り出すことができる。 【0018】尚、本実施の形態においては騒音源がスピーカユニット前方にあると仮定してマイクロフォン15をスピーカユニット13の前方周辺に配置した場合について説明したが、騒音源がスピーカユニット13の後方にある場合はマイクロフォン15をスピーカユニット13の後方周辺に配置した方が騒音に対してより正確にマスキング補正ができることは言うまでもない。この場合には、検出コイル17の接続方法や増幅器18の種類の選択によってそれぞれの信号が電気的に逆位相の関係が成立するように設定することで同様の効果を奏する。 【0019】尚、本実施の形態においては、検出手段として検出コイルを用いる例について説明したが、ボイスコイルの動きに応じて電荷を発生する圧電ピックアップやボイスコイルの動きによる応力変化を抵抗変化に変える素子であっても構わない。この場合にも、検出手段からの出力とマイクロフォン15からの出力が同じ帯域通過特性、逆位相の関係が成立するように、高域通過フィルタ19、第1の低域通過フィルタ20、移相器21、第2の低域通過フィルタ22を適宜調整することで同様の効果を奏する。 【0020】 【発明の効果】以上の様に本発明によれば、スピーカユニットのボイスコイルの運動の検出手段と、スピーカユニットの周辺に配置したマイクロフォンのそれぞれの出力にフィルタ処理を施してスピーカユニットから出力される信号成分を除去し、スピーカの周囲騒音のみを正確にとり出して整流回路で直流に変換後に入力段に設けられた利得可変回路に加え、スピーカの周囲騒音に応じて利得を自動的に変化させ、周囲の騒音にマスキングされない音響再生が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月1日(1998.7.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078204 【弁理士】 【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−23282(P2000−23282A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−185973 |
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