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【発明の名称】 信号伝送装置及びこれを使用した信号伝送方法
【発明者】 【氏名】井上 良二

【氏名】鎌房 功二

【要約】 【課題】極性の異なる一対の信号線L1,L2による伝送において、発光ダイオード及びフォトトランジスタを使用した専用極性判定回路を使用せずに極性判定を適正に行って入出力の極性制御を行う。

【解決手段】外部からの判定パターンと内部発生した同波形の極性判断信号とを互いに反転して認識される信号線L1,L2に流し、これらの重畳受信の結果、これらが相殺されるかどうかを認識するだけで、信号切換スイッチ14の反転/非反転の切換状態と、外部の所定の機器からの両信号線L1,L2への入力信号との極性との適合/不適合を容易に判断し、これに基づいて信号切換スイッチ14の切換状態を容易に制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外部の所定の機器との間で信号の伝送を行う信号伝送装置であって、一対の伝送線が接続される第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)と、前記両信号線(L1,L2)のいずれか一方の信号線に反転せずに接続されるとともに他方の信号線に反転して信号の送受信を行う送受信手段(15)と、前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の前記送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を相互に切換える信号切換スイッチ(14)と、前記送受信ブロック(15)の送受信動作の指示を与えるとともに、及び前記送受信ブロック(15)で受信した受信信号に基づいて前記信号切換スイッチ(14)の接続切換を指示する制御部(11)とを備え、前記制御部(11)は、外部から前記伝送線を通じて前記第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)のいずれかに所定の判定パターンが与えられたときに、前記信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の前記一方の信号線へ前記判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を反転せずに与えるとともに、反転せずに接続されている側の前記一方の信号線の信号と反転接続されている前記他方の信号線の信号とを重畳して合成パターンとし、当該合成パターンの振幅が所定の振幅未満の場合にのみ前記信号切換スイッチ(14)に前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の前記送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えするよう指示することを特徴とする信号伝送装置。
【請求項2】 請求項1に記載の信号伝送装置であって、前記制御部(11)は、前記外部の所定の機器から前記判定パターンが与えられるタイミングを規定するタイミング調整手段(21)と、前記判定パターンの入力に同期して前記極性判断信号を前記送受信ブロック(15)を通じて反転せずに接続された側の前記一方の信号線に出力するよう前記送受信ブロック(15)に指示する極性判断信号出力指示手段(22)と、前記極性判断信号出力指示手段(22)で前記極性判断信号を出力したときの前記合成パターンの振幅が所定の振幅以上であるかどうかを検出する振幅レベル検出手段(23)と、前記振幅レベル検出手段(23)において上記合成パターンが所定の振幅レベルに満たない場合に前記信号切換スイッチ(14)の前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えするよう指示を与える切換制御手段24とを有せしめられたことを特徴とする信号伝送装置。
【請求項3】 請求項2に記載の信号伝送装置であって、前記タイミング調整手段(21)は、前記外部の所定の機器に対して前記判定パターンを送出するよう依頼し、当該依頼時点から後続して前記外部の所定の機器から受信されてきた信号を前記判定パターンとして、当該判定パターンの受信タイミングに同期して前記極性判断信号を前記送受信ブロック(15)を通じて反転せずに接続された側の前記一方の信号線に出力するよう前記送受信ブロック(15)に指示することを特徴とする信号伝送装置。
【請求項4】 外部から伝送線を通じて第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)のいずれかに所定の判定パターンが与えられたときに、信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の一方の信号線へ前記判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を反転せずに与える第1の工程と、前記第1の工程と並行して、反転せずに接続されている側の前記一方の信号線の信号と反転接続されている他方の信号線の信号とを重畳して合成パターンとし、当該合成パターンの振幅を認識する第2の工程と、前記合成パターンの振幅が所定の振幅以上である場合に、前記信号切換スイッチ(14)の前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を維持する一方、前記合成パターンの振幅が所定の振幅未満の場合に前記信号切換スイッチ(14)に前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の前記送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えする第3の工程とを備えることを特徴とする信号伝送方法。
【請求項5】 請求項4に記載の信号伝送方法であって、前記第1の工程は、前記外部の所定の機器に対して前記判定パターンを送出するよう依頼し、当該依頼時点から後続して前記外部の所定の機器から受信されてきた信号を前記判定パターンとし、当該判定パターンの受信タイミングに同期して、前記信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の前記一方の信号線へ前記判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を反転せずに与えることを特徴とする信号伝送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、少なくとも2以上の制御ユニットの間で信号伝送を行う信号伝送装置に関し、特に信号の無極化を行う信号伝送装置に係る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば空気調和装置において、リモートコントロール器(以下「リモコン」と略称する)、室内機及び室外機の間の信号伝送方式に2本の信号線を用いた平衡通信方式が採用されているものがある(特開平5−227568号公報等)。
【0003】この空気調和機において、2本の信号線のそれぞれには互いに逆の極性が割り当てられる。そして、プラグ接続時の誤接続等によって極性を正逆反対に接続してしまうことがしばしばあるため、このような正逆反対の接続を許容した上で、通信時に受信側の信号伝送装置において極性判定を行い、自動的に送受信ポートの極性切換を行い正しく通信する。
【0004】図10は、従来の信号伝送装置の例を示すブロック図である。この信号伝送装置では、信号線1,2に、所定の直流電圧を印加する整流ブロック3を接続し、信号線1,2と送受信ブロック4との間には、伝送信号を反転切り替えする信号切換スイッチ5を設けている。また、正側の信号線1の電位が負側の信号線2の電位より低い場合にのみ異極信号を出力する極性判定回路6を設けている。そして、極性判定回路6が異極信号を出力すると、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略称する)7内の切換制御部8からの切換信号に従って、信号切換スイッチ5が伝送信号を反転切換を行うようになっている。
【0005】ここで、上記極性判定回路6は、両信号線1,2の間に接続された一対の発光ダイオードPHD1,PHD2と、各発光ダイオードPHD1,PHD2からの光をそれぞれ受信して受信結果をマイコン7に伝達する一対のフォトトランジスタPHT1,PHT2とより構成されている。第1の発光ダイオードPHD1は、信号線1の電位が信号線2の電位より高い場合に発光し、逆に第2の発光ダイオードPHD2は、信号線2の電位が信号線1の電位より高い場合に発光するようになっている。
【0006】したがって、送受信ポートP,Nを通じて信号線1,2に伝送信号が入力された際に、これに基づいて両発光ダイオードPHD1,PHD2のいずれかが発光し、その発光状態を各フォトトランジスタPHT1,PHT2を通じてマイコン7で検出し、その検出結果に基づいて切換制御部8で信号切替スイッチ5のポート切換を行うことで、送受信ブロック4には正しい極性の信号を入出力させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の信号伝送装置では、極性判定回路6の発光ダイオードPHD1,PHD2及びフォトトランジスタPHT1,PHT2が故障し、これらの部品PHD1,PHD2,PHT1,PHT2を交換した場合において、次に信号伝送装置で信号の伝送動作を開始するときには、これより以前において最後に信号伝送装置の作動を終了した時点の送受信ポートP,Nの極性認識をマイコン7内の所定の記憶素子等に記憶させておき、この記憶内容に基づいて信号切替スイッチ5における送受信ポートP,Nの極性を初期定義して信号伝送装置の作動(即ち信号切替スイッチ5の切換動作)を行っていた。
【0008】このような信号伝送装置の作動開始を行ったとき、極性判定回路6の故障の前後において送受信ポートP,Nの接続を変更しなかった場合には正常な認識が行われる。しかしながら、故障時の部品PHD1,PHD2,PHT1,PHT2の交換時に、併せて送受信ポートP,Nに対するプラグを抜き差しした場合には、極性を正逆反対に入れ替えて接続してしまうこともあり得るため、上記のように部品PHD1,PHD2,PHT1,PHT2の交換前の送受信ポートP,Nの極性をそのまま適用すると、伝送信号の認識が困難となり、リモートコントロール器(以下「リモコン」と略称する)、室内機及び室外機の間の信号伝送が正しく行われないことになる。
【0009】そこで、この発明の課題は、従来における極性判定回路を省略しても容易に送受信ポートの極性認識を正しく行って信号切換スイッチの自動切換を容易に行うことの可能な信号伝送装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、外部の所定の機器との間で信号の伝送を行う信号伝送装置であって、一対の伝送線が接続される第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)と、前記両信号線(L1,L2)のいずれか一方の信号線に反転せずに接続されるとともに他方の信号線に反転して信号の送受信を行う送受信手段(15)と、前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の前記送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を相互に切換える信号切換スイッチ(14)と、前記送受信ブロック(15)の送受信動作の指示を与えるとともに、及び前記送受信ブロック(15)で受信した受信信号に基づいて前記信号切換スイッチ(14)の接続切換を指示する制御部(11)とを備え、前記制御部(11)は、外部から前記伝送線を通じて前記第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)のいずれかに所定の判定パターンが与えられたときに、前記信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の前記一方の信号線へ前記判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を反転せずに与えるとともに、反転せずに接続されている側の前記一方の信号線の信号と反転接続されている前記他方の信号線の信号とを重畳して合成パターンとし、当該合成パターンの振幅が所定の振幅未満の場合にのみ前記信号切換スイッチ(14)に前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の前記送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えするよう指示するものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記制御部(11)が、前記外部の所定の機器から前記判定パターンが与えられるタイミングを規定するタイミング調整手段(21)と、前記判定パターンの入力に同期して前記極性判断信号を前記送受信ブロック(15)を通じて反転せずに接続された側の前記一方の信号線に出力するよう前記送受信ブロック(15)に指示する極性判断信号出力指示手段(22)と、前記極性判断信号出力指示手段(22)で前記極性判断信号を出力したときの前記合成パターンの振幅が所定の振幅以上であるかどうかを検出する振幅レベル検出手段(23)と、前記振幅レベル検出手段(23)において上記合成パターンが所定の振幅レベルに満たない場合に前記信号切換スイッチ(14)の前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えするよう指示を与える切換制御手段24とを有せしめられたものである。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記タイミング調整手段(21)は、前記外部の所定の機器に対して前記判定パターンを送出するよう依頼し、当該依頼時点から後続して前記外部の所定の機器から受信されてきた信号を前記判定パターンとして、当該判定パターンの受信タイミングに同期して前記極性判断信号を前記送受信ブロック(15)を通じて反転せずに接続された側の前記一方の信号線に出力するよう前記送受信ブロック(15)に指示するものである。
【0013】請求項4に記載の発明は、外部から前記伝送線を通じて前記第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)のいずれかに所定の判定パターンが与えられたときに、前記信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の前記一方の信号線へ前記判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を反転せずに与える第1の工程と、前記第1の工程と並行して、反転せずに接続されている側の前記一方の信号線の信号と反転接続されている前記他方の信号線の信号とを重畳して合成パターンとし、当該合成パターンの振幅を認識する第2の工程と、前記合成パターンの振幅が所定の振幅以上である場合に、前記信号切換スイッチ(14)の前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の前記送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を維持する一方、前記合成パターンの振幅が所定の振幅未満の場合に前記信号切換スイッチ(14)に前記第1の信号線(L1)及び前記第2の信号線(L2)の前記送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えする第3の工程とを備えるものである。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記第1の工程は、前記外部の所定の機器に対して前記判定パターンを送出するよう依頼し、当該依頼時点から後続して前記外部の所定の機器から受信されてきた信号を前記判定パターンとし、当該判定パターンの受信タイミングに同期して、前記信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の前記一方の信号線へ前記判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を反転せずに与えるものである。
【0015】
【作用】上記課題を解決すべく、請求項1、請求項2及び請求項4に記載の発明では、まず、外部から伝送線を通じて第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)のいずれかに所定の判定パターンが与えられたときに、信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の一方の信号線へ判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を非反転で(反転せずに)与える。また、これと並行して、反転せずに接続されている側の一方の信号線の信号と反転接続されている他方の信号線の信号とを重畳して合成パターンとし、当該合成パターンの振幅を認識する。そして、合成パターンの振幅が所定の振幅以上である場合に、信号切換スイッチ(14)の第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)の送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を維持する一方、合成パターンの振幅が所定の振幅未満の場合に信号切換スイッチ(14)に第1の信号線(L1)及び第2の信号線(L2)の送受信手段(15)に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えする。即ち、判定パターンと極性判断信号との重畳受信の結果、これらが相殺されるかどうかを認識するだけで、信号切換スイッチ(14)の反転/非反転の切換状態と、外部の所定の機器からの両信号線(L1,L2)への入力信号との極性との適合/不適合を容易に判断でき、これに基づいて信号切換スイッチ(14)の切換状態を容易に制御できる。
【0016】請求項3及び請求項5に記載の発明では、外部の所定の機器に対して判定パターンを送出するよう依頼し、当該依頼時点から後続して外部の所定の機器から受信されてきた信号を判定パターンとし、当該判定パターンの受信タイミングに同期して、信号切換スイッチ(14)により反転せずに接続されている側の一方の信号線へ判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を非反転で与えるようにする。これにより、判定パターンと極性判断信号との同期を効率よくとることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】{第1の実施の形態}図1はこの発明の一の実施の形態に係る信号伝送装置を示す図である。この信号伝送装置は、例えば空気調和装置の室内機において設置され、送受信ポートP,Nに2本の図示しない伝送線が接続されて例えばリモコンとの相互間の信号伝送を行う。外部から送受信ポートP,Nを通じて信号線L1,L2に判定パターンが与えられたときに、これと同じタイミングでマイコン11から全く同じ波形の信号を信号線L1,L2に与えて、外部からの信号とマイコン11からの信号を重畳し、重畳された信号をマイコン11に帰還させ、信号が相殺されている場合には受信ポートP,Nに対して誤った接続がされていると判断する一方、相殺されていない場合は正常に接続されていると判断し、かかる判断結果に基づいて受信ポートP,Nから送受信ブロック15への信号の授受を切換えるものである。
【0018】具体的には、この信号伝送装置は、平衡通信の信号が与えられる信号線L1,L2と送受信ブロック15との間の接続を反転切り替えする信号切換スイッチ14が設けられ、この信号切換スイッチ14の切換は、マイコン11からの切換信号により切り換えられる。
【0019】信号線L1,L2を外部と接続するための受信ポートP,Nは、その形状が対称で、互いに区別が付かない従来のものと同一のものを採用することができる。ここで、第1の信号線L1は、原則として図2に示された正極の伝送信号P1のようなパルス波を送受信するための信号線であるのに対し、第2の信号線L2は原則として図2に示された伝送信号P2のような接地用の無パルス電圧に維持するための信号線である。
【0020】具体的には、正極の伝送信号P1は、リモコンに対する電源供給のための約16Vの基準電位Vavを基準電位として、この基準電位を中心に正負約5Vの振幅を有する無極性パルス波である。これに対し、伝送信号P2は原則としてグランド電位近傍に維持されており、送受信ブロック15に入力された後に図2中の符号P3のように正負が反転されるものである。ただし、これら両信号線L1,L2は、上述及び後述の通り、送受信ポートP,Nへの外部接続が誤って行われた場合には、信号切換スイッチ14の切換により、互いに入れ替えられた正逆反対の極性として送受信ブロック15に伝送されるものである。即ち、図2において伝送信号P1についてはこれが反転されて符号P4のようになる一方、伝送信号P2についてはこれが反転されずに符号P2のまま維持される。尚、各信号線L1,L2にはそれぞれ過電流防止用の抵抗R1,R2が接続されている。
【0021】信号切換スイッチ14は、図1では等価回路としてアナログスイッチを示しているが、実際にはトランジスタ等を使用した論理回路内におけるスイッチ素子が使用される。なお、信号切換スイッチ14と各信号線L1,L2との接続においては、図3の如く、信号切換スイッチ14の送信AポートPa1と受信AポートPa2が第1の信号線L1に接続されるとともに、信号切換スイッチ14の送信BポートPb1と受信BポートPb2が第2の信号線L2に接続されて、合計4ライン接続とされる。
【0022】送受信ブロック15は、信号切換スイッチ14の送信AポートPa1及び送信BポートPb1のうち、この信号切換スイッチ14により正極の端子として選択的に切り替えられたいずれか一方が接続される正極の送信A端子Qa1と、負極の端子として選択的に切り替えられた他方が接続される負極の送信B端子Qb1と、信号切換スイッチ14の受信AポートPa2及び受信BポートPb2のうち、この信号切換スイッチ14により正極の端子として選択的に切り替えられたいずれか一方が接続される正極の受信A端子Qa2と、負極の端子として選択的に切り替えられた他方が接続される負極の受信B端子Qb2とが形成されている。
【0023】ここで、送受信ブロック15が負極の送信B端子Qb1に出力する信号はグランド電圧を基準とした反転信号であり、また正極の送信A端子Qa1に出力する信号は反転されない(非反転信号である)。また、負極の受信B端子Qb2から受信ブロック15に入力される信号はグランド電圧を基準とした反転信号であり、また正極の受信A端子Qa2から入力される信号は非反転信号である。そして、受信ブロック15の内部において、受信AポートQa2及び受信BポートQb2の両入力に係る信号が重畳されて「合成パターン」として認識されるようになっている。
【0024】マイコン11は、外部のリモコンから判定パターンが受信信号として与えられるタイミングを規定するタイミング調整手段21と、この判定パターンに同期して極性判断のための専用信号(以下「極性判断信号」と称す)を送受信ブロック15を通じて信号線L1,L2に出力する極性判断信号出力指示手段22と、極性判断信号を出力して得られる両信号線L1,L2の信号が所定の振幅レベル以上かどうかを検出する振幅レベル検出手段23と、振幅レベル検出手段23において上記合成パターンが所定の振幅レベルに満たない場合に信号切換スイッチ14の切り換えを行うよう切換信号を出力する切換制御手段24とを有している。
【0025】タイミング調整手段21は、具体的には、信号伝送装置が作動を開始した時点で送受信ブロック15に指示を与えて送受信ポートP,Nに外部への発呼信号を与え、外部のリモコンに対して判定パターンの送信を依頼するものである。尚、外部のリモコンは、上記発呼信号に呼応して、この信号伝送装置に対して判定パターンを送信するようになっている。
【0026】極性判断信号出力指示手段22は、外部のリモコンから与えられた判定パターン(図5(A))と全く同じ波形の極性判断信号(図5(B))を正極の送信A端子Qa1から出力するよう、送受信ブロック15に指示を与えるものである。ここで、極性判断信号(図5(B))の送信タイミングは、上記判定パターン(図5(A))とほぼ同じタイミングに規定される。これにより、信号線L1,L2のうち信号切換スイッチ14によって送受信ブロック15の正極の送信A端子Qa1に接続された側の信号線に、判定パターンと同波形の極性判断信号が入力されることになる。
【0027】振幅レベル検出手段23は、送受信ブロック15に入力された信号を検出し、その信号の振幅値を認識して、一定の振幅値(例えば5V)以上であれば、信号切換スイッチ14の切換状態が送受信ポートP,Nの接続極性に対して「適合的」であると判断する一方、上記一定の振幅値未満であれば、信号切換スイッチ14の切換状態が送受信ポートP,Nの接続極性に対して「不適合的」であると判断するものである。
【0028】切換制御手段24は、振幅レベル検出手段23によって「不適合的」と判断された場合にのみ、信号切換スイッチ14の切換状態を変更するよう切換信号を出力するものである。
【0029】なお、図1中の符号25は、信号線L1,L2及び送受信ポートP,Nを通じて外部のリモコンに電源としての16Vの整流電流を供給する整流ブロックである。また、マイコン11は、ROMおよびRAM等が内蔵された一般的なMPU内において所定のソフトウェアプログラムによって動作する機能部品である。
【0030】上記構成の信号伝送装置の動作を図4のフローチャートに従って説明する。まず、信号伝送装置の電源投入時及びその後の所定の定期的なタイミングにおいて、マイコン11は、所定のソフトウェアプログラムの手順に従い、その時点で信号線L1,L2の極性が未判定であるかどうかを判定する(ステップS01)。既に判定済みであった場合は、判定処理をそのまま終了する。このため、信号切換スイッチ14の切換状態の変更は行われない。
【0031】一方、ステップS01において、信号線L1,L2の極性が未判定である場合は、タイミング調整手段21により送受信ブロック15に指示信号を出力し、送受信ブロック15から信号線L1,L2、送受信ポートP,N及び外部の伝送線(図示せず)を通じて外部のリモコンに判定パターンの送信依頼を出す(ステップS02)。そして、ステップS03において、リモコンからの判定パターンを受信するまで待機する。ここで、一向に判定パターンの受信がない場合(タイムアウト)は、リモコンとの接続状態が不良であるなどの理由により送受信できない状態であるから、そのまま処理を終了する。一方、判定パターンの受信が行われたときには、ステップS04において、マイコン11の極性判断信号出力指示手段22は、タイミング調整手段21によって調整されたタイミングで、判定パターンに同期して正極の送信A端子Qa1から極性判断信号を出力するよう、送受信ブロック15に指示を与える。
【0032】ここで、外部のリモコンとの接続において、正しい送受信ポートP,Nの外部接続、即ち、正側の送受信ポートP側に正極性の伝送路が、負側の送受信ポートNに負極性の伝送路がそれぞれ接続がされており(以下「正接続状態」と称する)、且つ、信号切換スイッチ14の切換状態が、「正接続状態」の極性に対して適合的な状態(以下「正切換状態」と称す)である場合には、第1の信号線L1には、外部のリモコンから送受信ポートPを通じて与えられた判定パターン(図5(A))と、送受信ブロック15の正極の送信A端子Qa1から信号切換スイッチ14を通じて与えられた極性判断信号(図5(B))とが重畳して入力されることになる。この判定パターン(図5(A))と極性判断信号(図5(B))とは、予め決められた波形として全く同じ波形とされているため、これらが重畳して合成パターンを形成する場合には、図6のように、振幅の大きな波形となって現れる。
【0033】かかる第1の信号線L1中の合成パターンは、信号切換スイッチ14を通じて送受信ブロック15の受信A端子Qa2に入力される。尚、この場合、受信B端子Qb2には第2の信号線L2の電圧レベルが反転して入力されるが、第2の信号線L2においては、ほぼグランド電圧に等しい電圧として外部のリモコンから与えられた定電圧の状態が維持されており、図6に示した合成パターンに与える影響はほとんどない。
【0034】一方、外部のリモコンとの接続において、正接続状態とは反対に送受信ポートP,Nの外部接続がなされている状態(以下「逆接続状態」という:即ち、この場合は正側の送受信ポートP側に負極性の伝送路が、負側の送受信ポートNに正極性の伝送路がそれ接続された状態)にも拘わらず、信号切換スイッチ14の切換状態が「正切換状態」(即ち、信号切換スイッチ14の切換状態が、逆接続状態に対して非適合的である状態)である場合には、第1の信号線L1には、ほぼグランド電圧に等しい電圧として外部のリモコンから与えられた定電圧の状態と、送受信ブロック15の正極の送信A端子Qa1から信号切換スイッチ14を通じて与えられた極性判断信号とが重畳して、図7(A)のような波形の信号が現れる。また、第2の信号線L2においては、外部のリモコンから与えられた図7(A)と同様な判定パターンがそのまま現れる。そして、各信号線L1,L2の信号が信号切換スイッチ14を通じて送受信ブロック15の受信A端子Qa2及び受信B端子Qb2にそれぞれ入力される際には、第1の信号線L1の波形は非反転信号として図7(A)の波形のまま維持されるが、第2の信号線L2の波形は反転されて図7(B)のようになり、両者は送受信ブロック15の内部で互いに重畳された合成パターンとして認識される。このとき、第1の信号線L1から非反転で入力された図7(A)の波形と、第2の信号線L2から反転されて入力された図7(B)の波形とは、相互に反転した波形となっていることから、これらは相互に相殺されて、図8のような振幅の極めて小さな合成パターンとなって現れる。
【0035】また、送受信ポートP,Nの外部接続が「正接続状態」であるにも拘わらず、信号切換スイッチ14の切換状態が、「逆接続状態」の極性に対して適合的な状態(以下「逆切換状態」と称す)である場合には、第1の信号線L1には、外部のリモコンから送受信ポートPを通じて与えられた判定パターン(図7(A))のみが現れるとともに、第2の信号線L2には、ほぼグランド電圧に等しい電圧として外部のリモコンから与えられた定電圧の状態と、送受信ブロック15の正極の送信A端子Qa1から信号切換スイッチ14を通じて与えられた極性判断信号とが重畳して、図7(A)と同様な波形の信号が現れる。そして、信号切換スイッチ14を通じて送受信ブロック15の受信A端子Qa2及び受信B端子Qb2に入力される際には、第2の信号線L2の波形は非反転信号として図7(A)の波形のまま維持されるが、第1の信号線L1の波形は反転されて図7(B)のようになり、両者は互いに重畳された合成パターンとして送受信ブロック15の受信A端子Qa2及び受信B端子Qb2に入力される。これらは相互に相殺されて、図8のような振幅の極めて小さな合成波形となって現れる。
【0036】さらに、送受信ポートP,Nの外部接続が「逆接続状態」であり、且つ、信号切換スイッチ14の切換状態が「逆切換状態」である場合には、第1の信号線L1は、ほぼグランド電圧に等しい電圧として外部のリモコンから与えられた定電圧の状態となる。また、第2の信号線L2には、外部のリモコンから送受信ポートPを通じて与えられた判定パターン(図5(A))と、送受信ブロック15の正極の送信A端子Qa1から信号切換スイッチ14を通じて与えられた極性判断信号(図5(B))とが重畳して入力されることになる。かかる第2の信号線L2中の合成パターンは、図6のように、振幅の大きな波形となって現れ、信号切換スイッチ14を通じて非反転入力信号として送受信ブロック15の受信A端子Qa2に入力される。また、受信B端子Qb2には、併せて第1の信号線L1の電圧レベルも反転して入力されるが、第1の信号線L1においては、上述のようにほぼグランド電圧に等しい電圧として外部のリモコンから与えられた定電圧の状態が維持されており、図6に示した合成パターンに与える影響はほとんどない。
【0037】これらの対応関係を図9に示す。図9の如く、送受信ポートP,Nが正接続状態とされ且つ信号切換スイッチ14が正切換状態のときと、送受信ポートP,Nが逆接続状態とされ且つ信号切換スイッチ14が逆切換状態のとき、即ち信号切換スイッチ14の切換状態が送受信ポートP,Nの接続状態に適合的な状態である場合には、送受信ブロック15の受信端子Qa2,Qb2で受信された後の合成パターンの振幅値は大となる。これに対して、送受信ポートP,Nが正接続状態とされているにも拘わらず信号切換スイッチ14が逆切換状態のときと、送受信ポートP,Nが逆接続状態とされているにも拘わらず信号切換スイッチ14が正切換状態のとき、即ち信号切換スイッチ14の切換状態が送受信ポートP,Nの接続状態に非適合的な状態である場合には、送受信ブロック15の受信端子Qa2,Qb2で受信された後の合成パターンの振幅値は0に近似する。
【0038】次に、図4中のステップS05において、ステップS04で送受信ブロック15に入力された合成パターンの振幅値をマイコン11内の振幅レベル検出手段23によって検出する。そして、一定の振幅値(例えば5V)以上であれば、図9の如く、送受信ポートP,Nが正接続状態とされ且つ信号切換スイッチ14が正切換状態のときか、あるいは、送受信ポートP,Nが逆接続状態とされ且つ信号切換スイッチ14が逆切換状態のときのいずれかの状態であって、即ち信号切換スイッチ14の切換状態が送受信ポートP,Nの接続状態に適合的な状態であると判断できるため、切換制御手段24による信号切換スイッチ14の切換状態の変更は行わず、極性をそのまま維持する(ステップS06)。
【0039】一方、ステップS05における振幅レベル検出手段23の判断の結果、一定の振幅値(例えば5V)未満であれば、図9の如く、送受信ポートP,Nが正接続状態とされ且つ信号切換スイッチ14が逆切換状態のときか、あるいは、送受信ポートP,Nが逆接続状態とされ且つ信号切換スイッチ14が正切換状態のときのいずれかの状態であって、即ち信号切換スイッチ14の切換状態が送受信ポートP,Nの接続状態に非適合的な状態であると判断できるため、切換制御手段24から信号切換スイッチ14に切換信号が送信され、信号切換スイッチ14の切換状態が変更されて、極性を反転させる(ステップS07)。
【0040】このようにして極性を確定し(ステップS08)、処理を終了する。以後、この信号伝送装置を通じて室内機とリモコンとの間で伝送信号の伝送を行って、所定の制御動作を行えばよい。
【0041】以上のように、この実施の形態に係る信号伝送装置では、起動時やその後の所定周期毎に、所定の判定パターンと極性判断信号とを照合して、合成パターンの振幅値を検出するだけで、送受信ポートP,Nの接続状態に対する信号切換スイッチ14の切換状態が適合的か否かを容易に極性判断信号できるので、従来のような発光ダイオード(PHD1,PHD2)及びフォトトランジスタ(PHT1,PHT2)を用いた高価な信号検出回路を使用しなくても、容易に信号切換スイッチ14の適合性を判断して自動的に切換制御を行うことができる。特に、極性判定回路を省略したことにより、従来において極性判定回路自身の故障時の対応を考慮する必要がなくなるという多大な利点がある。
【0042】尚、上記実施の形態においては、室内機内に設置されてリモコンとの伝送信号の送受信を行うためのものとして信号伝送装置を説明したが、その他、室内機内に設置されて室外機との伝送信号の送受信を行うためのものや、あるいは、室外機内に設置されて室内機との伝送信号の送受信を行うためのもの等に適用してもよい。特に、複数の室内機が単一または複数の室外機に所定のネットワークを通じて接続される場合においてこれらの室外機と室内機との間の信号伝送に適用するのが有効である。
【0043】
【発明の効果】請求項1、請求項2及び請求項4に記載の発明によれば、まず、外部から受信ポートを通じて第1の信号線及び第2の信号線のいずれかに所定の判定パターンが与えられたときに、信号切換スイッチにより反転せずに接続されている側の一方の信号線へ判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を非反転で与え、またこれと並行して、反転せずに接続されている側の一方の信号線の信号と反転接続されている他方の信号線の信号とを重畳して合成パターンとし、当該合成パターンの振幅を認識するとともに、合成パターンの振幅が所定の振幅以上である場合に、信号切換スイッチの第1の信号線及び第2の信号線の送受信手段に対する反転及び非反転の関係を維持する一方、合成パターンの振幅が所定の振幅未満の場合に信号切換スイッチに第1の信号線及び第2の信号線の送受信手段に対する反転及び非反転の関係を相互に変更切換えするようにしているので、判定パターンと極性判断信号との重畳受信の結果、これらが相殺されるかどうかを認識するだけで、信号切換スイッチの反転/非反転の切換状態と、外部の所定の機器からの両信号線への入力信号との極性との適合/不適合を容易に判断でき、故に従来のような発光ダイオード及びフォトトランジスタを使用した特別の極性判定回路を使用しなくても、信号切換スイッチの切換状態を容易に制御できる。
【0044】請求項3及び請求項5に記載の発明では、外部の所定の機器に対して判定パターンを送出するよう依頼し、当該依頼時点から後続して外部の所定の機器から受信されてきた信号を判定パターンとし、当該判定パターンの受信タイミングに同期して、信号切換スイッチにより反転せずに接続されている側の一方の信号線へ判定パターンと同じタイミングで且つ同波形の極性判断信号を非反転で与えるようにしているので、判定パターンと極性判断信号との同期を効率よくとることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成10年6月29日(1998.6.29)
【代理人】 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明 (外2名)
【公開番号】 特開2000−23270(P2000−23270A)
【公開日】 平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願番号】 特願平10−182138