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【発明の名称】 ランプアニール装置
【発明者】 【氏名】小林 博文

【要約】 【課題】ランプアニール装置において、加熱されるウェハの温度を全面で均一にするとともに、石英チャンバの内壁に付着する汚れを低減する。

【解決手段】ハロゲンランプ12から光熱が供給され、石英チャンバ11の所定位置に設置されたウェハ13が加熱される。石英チャンバ13内には、プロセスガスが吸気口14a,14bを介して送り込まれる。吸気口14aを介して送り込まれたプロセスガスは、ガス導入部16aを通り、このガス導入部16aに設けられた複数の噴射口17からウェハ13の上面全体に噴射される。同様に、吸気口14bを介して送り込まれたプロセスガスは、ガス導入部16bを通り、複数の噴射口17からウェハ13の下面全体に噴射される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 石英チャンバ内にガスを導入する吸気部と、この吸気部から導入された前記ガスを、前記石英チャンバ内に配置されるウェハの両面に供給するガス供給手段と、前記石英チャンバ内のガスを排出する排気部と、前記石英チャンバを加熱する加熱手段とを備えることを特徴とするランプアニール装置。
【請求項2】 前記ガス供給手段は、前記ウェハの両面全体に対し、前記ガスを均一に噴射することを特徴とする請求項1記載のランプアニール装置。
【請求項3】 前記ガス供給手段は、前記ガスを噴射する複数の噴射口を有し、この複数の噴射口を前記ウェハの両面に対向するように配置することを特徴とする請求項1または2記載のランプアニール装置。
【請求項4】 前記吸気部は、前記石英チャンバ内にガスを導入する複数の吸気口を有することを特徴とする請求項1、2または3記載のランプアニール装置。
【請求項5】 前記排気部は、前記石英チャンバ内のガスが排出される複数の排気口を有し、この複数の排気口は、それぞれ異なる方向に前記ガスを排出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項記載のランプアニール装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チャンバ内でウェハを加熱する装置に関し、特に、ハロゲンランプなどでウェハを加熱するランプアニール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウェハを加工して半導体装置を製造する工程において、アニール処理(annealing)を行う工程がある。この工程は、所望のプロセスガスを供給するとともに、チャンバ内に配置されたウェハを加熱する工程である。この工程で使用されるアニール装置のうち、加熱手段にハロゲンランプを使用するランプアニール装置の従来例を図5及び図6を参照して説明する。
【0003】図5は、ランプアニール装置3の垂直方向の断面を示し、図6は、ランプアニール装置3内におけるウェハの配置状態を説明するための図である。
【0004】ランプアニール装置3は、石英チャンバ31内にウェハ33を設置し、加熱手段を用いてウェハ33を加熱する装置である。なお、ウェハ33の設置部材は図面簡略化のため図示していない。ウェハ33を加熱する加熱手段としては、図5に示されるように、ハロゲンランプ32を石英チャンバ31の上面外部、及び下面外部に設けてこれを使用する。
【0005】予め石英チャンバ31に設けられている扉を介し、オペレータによりウェハ33が所定の位置に設置されると、ハロゲンランプ32に電流が供給される。ハロゲンランプ32は、電流の供給に応じて光熱を発生する。発生された光熱は、石英チャンバ31を介してウェハ33に照射され、ウェハ33が加熱される。石英チャンバ31内の温度は700〜1100℃まで上昇される。
【0006】この際、石英チャンバ31内には、常温のプロセスガスが吸気口34を介して送られるとともに、石英チャンバ31内のプロセスガスが排気口35を介して石英チャンバ31外に排出される。吸気口34と排気口35とは、石英チャンバ31を上部から見るとウェハ33を挟むように設けられている(図6参照)。また、プロセスガスには、N2 やN2O が用いられ、石英チャンバ31内には毎分4〜20リットルの量が送られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したランプアニール装置では、以下に説明する2つの問題点がある。
【0008】第1に、700〜1100℃の温度に達した石英チャンバ内に、吸気口を介して一方向から常温のプロセスガスが供給されるため、ウェハの温度が均一にならないことである。すなわち、従来のランプアニール装置では、吸気口に近い部分は、他の部分に比べてウェハの温度が低くなる。このため、アニール処理によるウェハ上の処理が均一にならず、ウェハの部分によっては製造される半導体装置が不良品となる場合がある。
【0009】第2の問題点は、ウェハから放出されるガス(不純物)により石英チャンバの内壁に汚れが付着してしまうことである。この内壁に付着した汚れのため、ハロゲンランプから放射される光熱がウェハに十分供給されない虞がある。
【0010】アニール処理を行う場合、石英チャンバ内に設置されたウェハには、PSG(Phosphor-Silicate Glass)膜やBPSG(Boron-doped Phosphor-Silicate Glass)膜などのリンやボロンを含んだ膜が形成されていることが多い。アニール処理中では、このような不純物を含んだ膜からガスが放出され、石英チャンバの内壁に汚れが付着する。
【0011】このような汚れのため、ハロゲンランプから放射される光熱がウェハに十分供給されない虞が生じる。さらに、温度測定を行うパイロメータを用いるタイプのランプアニール装置では、付着した汚れのため、石英チャンバ内の温度を正確に測定できない場合もある。このような不具合を回避するために、従来では、一月に2回程度の割合で石英チャンバ内を洗浄する必要がある。
【0012】そこでこの発明の課題は、加熱されるウェハの温度を全面で均一にするとともに、石英チャンバの内壁に付着する汚れを低減することが可能なランプアニール装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係るランプアニール装置は、石英チャンバ内にガスを導入する吸気部と、この吸気部から導入された前記ガスを、前記石英チャンバ内に配置されるウェハの両面に供給するガス供給手段と、前記石英チャンバ内のガスを排出する排気部と、前記石英チャンバを加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする。
【0014】前記ガス供給手段は、前記ウェハの両面全体に対し、前記ガスを均一に噴射するように構成することが好ましい。
【0015】また、前記ガス供給手段は、前記ガスを噴射する複数の噴射口を有し、この複数の噴射口を前記ウェハの両面に対向するように配置するように構成してもよい。
【0016】さらに、前記吸気部が、前記石英チャンバ内にガスを導入する複数の吸気口を有するように構成したり、前記排気部が、前記石英チャンバ内のガスが排出される複数の排気口を有し、この複数の排気口が、それぞれ異なる方向に前記ガスを排出するように構成してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照したこの発明に係るランプアニール装置の第1及び第2実施形態について説明する。
【0018】まず、図1及び図2を参照して第1実施形態について説明する。
【0019】図1は、ランプアニール装置1の断面を示し、図2は、石英チャンバ11内のガス導入部16a及びこれに設けられた複数の噴射口17と、設置されるウェハ13との配置関係を説明するための図である。
【0020】ランプアニール装置1は、石英を材料として形成された石英チャンバ11とハロゲンランプ12とにより構成されている。ハロゲンランプ12は、石英チャンバ11内に設置されるウェハ13の加熱手段として、石英チャンバ11の上面外部及び下面外部に石英チャンバ11を挟むように設けられている。
【0021】石英チャンバ11は、図示しない扉を介してウェハ13を設置することができる。なお、ウェハ13を石英チャンバ11内に固定設置する部材は図面簡略化のため図示していない。石英チャンバ11には、アニール処理中にプロセスガスを吸入するための2つの吸気口14a,14bと、石英チャンバ11内のプロセスガスを排出するための排気口15が設けられている。また、石英チャンバ11内には、吸気口14aを介して送り込まれたプロセスガスをウェハ13の上面全体に導くためのガス導入部16a、同じく、吸気口14bを介して送り込まれたプロセスガスをウェハ13の下面全体に導くためのガス導入部16bが設けられている。
【0022】ガス導入部16a,16bには複数のガス噴射口17がそれぞれ設けられている。例えば、ガス導入部16aには、図2に示されるように、ウェハ13(鎖線にて図示)の上面全体にガスが噴射されるように均等に複数のガス噴射口17が設けられている。なお、図示されてはいないがガス導入部16bについても同様である。また、プロセスガスには、N2 やN2O が用いられ、石英チャンバ11内には吸入口14a,14bそれぞれより、毎分約3リットルの量が送り込まれる。
【0023】ハロゲンランプ12は、電流の供給に応じて光熱を発生する。
【0024】次に、この第1実施形態の動作について説明する。
【0025】オペレータによりウェハ13が石英チャンバ11の所定の位置に設置されると、ハロゲンランプ12に電流が供給される。ハロゲンランプ12は、電流の供給に応じて光熱を発生する。発生された光熱は、石英チャンバ11及び導入部16a,16bを介してウェハ13に照射され、ウェハ13が加熱される。通常、石英チャンバ11内の温度は700〜1100℃まで上昇される。
【0026】この際、石英チャンバ13内には、常温のプロセスガスが吸気口14a,14bを介して送り込まれる。吸気口14aを介して送り込まれたプロセスガスは、ガス導入部16aを通り、このガス導入部16aに設けられた複数の噴射口17からウェハ13の上面全体に噴射される。同様に、吸気口14bを介して送り込まれたプロセスガスは、ガス導入部16bを通り、このガス導入部16bに設けられた複数の噴射口17からウェハ13の下面全体に噴射される。
【0027】ウェハ13の両面に噴射されたプロセスガスは、ハロゲンランプ12が設置されている側の内壁(上部、下部側の内壁)近傍を通ることなく、石英チャンバ11内のウェハ13とほぼ同じ位置の水平面にそって流れ、排気口15を介して石英チャンバ11外部に排出される。これらのプロセスガスの流れに沿って、ウェハ13から放出される不純物を含んだガスも排気口15を介して石英チャンバ11外部に排出される。
【0028】以上、この第1実施形態のランプアニール装置によれば、常温のプロセスガスがウェハ13の両表面に均一に噴射される。これにより、ウェハ13の温度均一性を保つことができ、製品不良の発生を低減することができる。さらに、ウェハ13から放出される不純物を含んだガスは、ウェハ13に噴射されたプロセスガスの流れに沿って排気口15から排出される。このため、ハロゲンランプ12から送られる光熱を通過させる内壁に、不純物を含んだガスがあたる割合が低減され、結果として石英チャンバ11の内壁に付着する汚れを低減することができる。
【0029】次に、この発明に係るランプアニール装置の第2実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。
【0030】図3は、第2実施形態のランプアニール装置2の断面を示す図であり、図4は、石英チャンバ21に設けられた複数の排気口25a〜25dと、ウェハ13との配置関係を説明するための図である。なお、上述した第1実施形態と同様の構成要素については、同じ参照符号を付して説明は省略する。
【0031】この第2実施形態のランプアニール装置2は、石英チャンバ21に設けられた排気口25a〜25dに特徴がある。図5及び図6に示される従来のランプアニール装置3では、排気口35が石英チャンバ31に一ヶ所しか設けられていない。このため、ウェハ13から放出される不純物を含んだガスが排気口35近傍に集中し、排気口35周辺の内壁が他の部分の内壁に比べて極度に汚れが付着する。このため、ウェハ33の排気口35に近い部分の温度低下が発生する。
【0032】このような不具合を防止するため、この第2実施形態では、前述した第1実施形態のランプアニール装置1では1つしか設けられていない排気口15を、石英チャンバ21の4つの側壁それぞれに排気口25a、25b、25c、及び25dとして設けている(図3及び図4参照)。
【0033】したがって、ウェハ13から放出される不純物を含んだガスは、ウェハ13に噴射されたプロセスガスの流れに沿って排気口25a〜25dから排出される。これにより、1つの排気口からプロセスガス及び不純物を含んだガスを排出する場合に比べて排気口付近の内壁に付着する汚れを分散することができる。これにより、ウェハ13の温度均一性を保持することができる。
【0034】また、前記第1実施形態と同様に、常温のプロセスガスがウェハ13の両表面に均一に噴射される。これにより、ウェハ13の温度均一性を保つことができ、製品不良の発生を低減することができる。さらに、ハロゲンランプ12から送られる光熱を通過させる内壁に、不純物を含んだガスがあたる割合が低減され、結果として石英チャンバ21の内壁に付着する汚れを低減することができる。
【0035】このランプアニール装置2の石英チャンバ21には、ウェハ13を出し入れするための扉を設ける必要がある。この扉を例えば排気口25a近傍に設ける場合には、この排気口25aの設けられている面に沿って石英チャンバ21の上面及び下面の2方向からプロセスガスを排出するように、排気口25aをさらに2つの排気口に分割してもよい。
【0036】なお、上述した第1及び第2実施形態は、OLC(Open Loop Control)処理を前提として説明しているが、パイロメータ及びウェハ接触式熱電対を用いたCLC(Closed Loop Control)処理を適用することもできる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、加熱されるウェハの温度を全面で均一にするとともに、石英チャンバの内壁に付着する汚れを低減することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成10年11月19日(1998.11.19)
【代理人】 【識別番号】100093388
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎 (外2名)
【公開番号】 特開2000−156355(P2000−156355A)
【公開日】 平成12年6月6日(2000.6.6)
【出願番号】 特願平10−329472