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【発明の名称】 半導体露光装置およびデバイス製造方法
【発明者】 【氏名】河村 圭一朗

【要約】 【課題】基板上に回路パターンを焼き付けデバイスを製造する際に、自動的にマスキングブレードの駆動回数を最小にし、スループットを向上させる為のショット順番を自動で算出する。

【解決手段】あらかじめ決められたレイアウトに基づき基板上の複数ショットに対して露光を行う際に、マスキングブレードの駆動を行わず露光することができるショットのうち隣接したものを連続して露光するためのグループとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に回路パターンを焼き付けるための半導体露光装置において、あらかじめ決められたレイアウトに基づき前記基板上の複数ショットに対して露光を行う際に、マスキングブレードの駆動を行わず露光することができるショットのうち隣接したものを連続して露光するためのグループとする手段を有することを特徴とする露光装置。
【請求項2】 前記グループ内での全てのショットに対する露光が終了した後、他のグループの露光を行うためにグループ間の移動を行う際、前記マスキングブレードの駆動量が最小になるグループを選択する手段を有することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
【請求項3】 前記選択する手段は、選択したグループのショットの中で、最後に露光を行ったショット位置からの移動距離が最小になるショットを選択し、そのショット位置に移動するものであることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
【請求項4】 同一グループ内で次に露光するショットの位置へ移動する際に、ショット間の距離を参照して移動量が最小になるショットを選択し、そのショット位置へ移動する手段を有することを特徴とする請求項1〜3に記載の露光装置。
【請求項5】 前記グループ内での全てのショットに対する露光が終了した後、他のグループの露光を行うためにグループ間の移動を行う際、最後に露光を行ったショット位置から未露光の各グループにおける移動距離が最小になるショット位置への移動時間およびマスキングブレードの駆動に要する時間から、露光を行うまでに要する時間が最も短くなるグループを選択し、そのグループの前記移動距離が最小になるショット位置に移動する手段を有することを特徴とする請求項1または4記載の露光装置。
【請求項6】 基板上に回路パターンを焼き付けて半導体デバイスを製造する方法において、あらかじめ決められたレイアウトに基づき露光を行う際に、マスキングブレードの駆動を行わず露光することができる同一ショットのうち隣接したものをグループ化し、このグループ毎に露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の製造に用いられる半導体露光装置並びに該装置を用いたデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体露光装置において、マスキングブレードと呼ばれるレチクルパターンを覆う遮光板を使い露光範囲外部分を覆うことで、ユーザがあらかじめ指定したレイアウトの通りに露光範囲を変化させながら、ウエハ上に焼付けを行うことが出来る。
【0003】この工程において、従来はショットレイアウトがどのようなものであっても、露光順序はある一定方向からのみであった。すなわち、マスキングブレードの駆動する回数を必要以上に増大させ、スループットの点から言っても常に効率的な順序で露光が行われているとは言い難い面があった。しかし従来の技術では、これらを解消するための最も効率の良い露光順序を自動で算出する手段が無かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】マスキングブレードは駆動させる回数が多いほど、機械的な消耗による寿命の低下をもたらすだけでなく、スループットの低下にもつながる。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点を解決するべく、自動的にマスキングブレードの駆動回数を最小にするだけでなく、スループットを向上させる為のショット順番を自動で算出することが出来る露光装置および該装置を用いたデバイス製造方法を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、基板上に回路パターンを焼き付けるための半導体露光装置において、あらかじめ決められたレイアウトに基づき基板上の複数ショットに対して露光を行う際に、マスキングブレードの駆動を行わず露光することができるショットのうち隣接したものを連続して露光するためのグループとする手段を有することを特徴とする。
【0007】そして、グループ内での全てのショットに対する露光が終了した後、他のグループの露光を行うためにグループ間の移動を行う際には、マスキングブレードの駆動量が最小になるグループを選択してもよく、最後に露光を行ったショット位置から未露光の各グループにおける移動距離が最小になるショット位置への移動時間およびマスキングブレードの駆動に要する時間から、露光を行うまでに要する時間が最も短くなるグループを選択してもよい。
【0008】いずれの場合も、選択したグループのショットの中で、最後に露光を行ったショット位置からの移動距離が最小になるショットを選択し、そのショット位置に移動することが望ましい。
【0009】また、同一グループ内で次に露光するショットの位置へ移動する際にも、ショット間の距離を参照して移動量が最小になるショットを選択し、そのショット位置へ移動することが望ましい。
【0010】本発明のデバイス製造方法は、基板上に回路パターンを焼き付けて半導体デバイスを製造する方法であって、あらかじめ決められたレイアウトに基づき露光を行う際に、マスキングブレードの駆動を行わず露光することができる同一ショットのうち隣接したものをグループ化し、このグループ毎に露光を行うことを特徴とする。
【0011】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施例の露光装置の装置の構成を示す図である。RTは半導体素子製造用のパターンPTが形成されているレチクル、WFは多数のショットを有する半導体ウエハ、LNはレチクルRT上のパターンPTをウエハWFの一つのショットに縮小投影する投影レンズ、CUはステッパ全体を制御する制御ユニットである。また、STはウエハWFを移動するためのウエハステージ(XYステージ)であり、このウエハステージSTの位置はウエハステージ駆動系SMによって駆動される。
【0012】半導体ウエハWFは、以下の手順で露光される。まずレチクルRTが投影レンズLNに対して位置合わせされ、次に半導体ウエハWF上のいくつかのショットの上のアライメントマークの位置をアライメントスコープが検出する。この位置は、制御ユニットCUに記憶される。制御ユニットCUは、アライメントマークを検出したショット位置から全体のショットの位置を推定し、推定したショット位置が投影レンズLNの直下にくるように、順次ウエハステージSTを駆動しながら露光する。
【0013】図2は本実施例において使用するレチクルパターンである。完成した半導体デバイスになるとき、その性能が所望のものとなっているかどうかを調査する為に特性測定専用の素子を別に作るかLSIの一部に入れておいたりする。このような素子(部分)をTEG(test element group)と呼ぶ。
【0014】本実施例は、こういったTEG用ショットの混在したショットレイアウトにおいて、マスキングブレードMBの駆動量が最小になるように露光経路を算出し、露光を行うものである。
【0015】図2のT、B、L、RはTEGであり、TをTop TEG、BをBottom TEG、LをLeft TEG、RをRight TEGと呼ぶ。Aは通常ショットである。
【0016】このレチクルを用いてウエハ上に図3のレイアウトで露光を行うことをコンソールの画面から指定する。
【0017】本実施例の場合、図3のショットレイアウトからも分かるように、マスキングブレードMBを駆動させA+T、A+B、A+L、A+R、そしてAのみの5つのパターンのショットで露光を行うことになる。
【0018】次に、本実施例の露光装置における処理の流れを説明する。図7は本実施例における露光処理の流れを示すフローチャートである。まず、ステップF8−S1では、露光順の決定を行うために必要なパラメータを設定する。本実施例において必要なパラメータは、レチクルに関する情報、ショットレイアウトに関する情報である。
【0019】ステップF8−S2では、レイアウト上の複数のショットのうちマスキングブレードの駆動を行う必要のない、隣接したショットを同一グループとしてグループ化する処理である。この処理の詳細は後で述べる。
【0020】ステップF8−S3では、第1ショットを画面上で指定する。指定の仕方はさまざまな方法が考えられるが、画面上に表示された図3のショットレイアウトからマウスなどのポインティングデバイス等で指定する方法を取ることとする。本例の場合、図3の(X)の領域を第1ショットして指定する。
【0021】ステップF8−S4で、全てのグループの露光順番、即ち全てのショットにおいて露光順番が決定しているかどうかの判定を行い、決定していなければステップF8−S5において同一グループ内での露光を開始する。この処理の詳細は後で述べる。
【0022】同一グループ内での露光を終えた後、ステップF8−S6において他のグループへの移動を行う。この処理の詳細も後で述べる。ステップF8−S4からステップF8−S6までの処理を全てのグループにおいて露光順番の決定が終了するまで行う。最終的に図4に矢印で示したような露光順序が得られる。
【0023】<グループ化処理の詳細>図7のステップF8−S2におけるグループ化処理を図面を用いて詳細に説明する。図8は、ステップF8−S2のグループ化処理の処理の流れを示したフローチャートである。ただし、この処理を行う前に、ショットには各々番号付けがなされており、その番号順にこのグループ化処理が行われる。
【0024】まず、番号の最も小さいショットを現在のショットとする。ステップF9−S1では、現在のショットに隣接する上下左右4方向のショットに対し、マスキングブレードの駆動量を取得する。
【0025】ステップF9−S2では、ステップF9−S1で取得した上下左右4方向のショットのマスキングブレードの駆動量のなかに、現在のショットのマスキングブレード駆動量と同じものがあるかどうか比較する。同じものがあれば、ステップF9−S3へ進み、無ければステップF9−S4へ進む。
【0026】ステップF9−S3では、現在ショットとマスキングブレードの駆動量が同じものが存在する場合、そのマスキングブレード駆動量が同じであるショットが属しているグループに現在のショットを追加登録する。存在しない場合は、新規のグループを作成し、そのグループに現在のショットを登録する(ステップF9−S4)。
【0027】ステップF9−S5では、ステップF9−S1からステップF9−S4までの処理が全てのショットに対して行われたか、即ち全てのショットに対してグループ分けが行われたかを判断し、まだであればステップF9−S6より、次の番号のショットを現在のショットとしその情報を取得する。
【0028】<同一グループ内露光処理の詳細>ステップF8−S5における、同一グループ内ショットの露光に関する処理を図面を用いて詳細に説明する。図9はステップF8−S5の同一グループ内ショットの露光処理の流れを示したフローチャートである。
【0029】まず、ステップF10−S1では、同一グループ内において全てのショットの露光順番が決定しているかどうか判断する。終了していなければステップF10−S2へ進む。
【0030】ステップF10−S2では、同一グループ内において、現在のショットと隣接する上下左右のショットとの距離を測定する。距離の測定方法であるが、本実施例の場合、レイアウト上に図3のように座標軸を取り、各ショットの上右端の座標をそのショットの位置としてショット間の距離を測る。
【0031】ステップF10−S3は、ステップF10−S2の処理の結果、得られた上下左右のショット間の距離を各々比較し、最も距離の短いショットを次のショットとする。例えば、現在のショットが図3の(X)だとすると、上記処理により、次のショットは(Y)となる。
【0032】ステップF10−S1からステップF10−S3までの一連の処理をグループ内の全てのショットに対して行い、決定したショット順に従って全てのショットに対する露光が終了した時点でこの処理を終了する。
【0033】<グループ間移動処理の詳細>ステップF8−S6において、グループ内の露光が終了した後、他のグループヘ移動する際の処理を図面を用いて詳細に説明する。
【0034】図10はステップF8−S6のグループ間移動の処理の流れを示したフローチャートである。
【0035】ステップF11−S1において、露光の終了していない他のグループのショット情報を取得する。ここで取得した情報を参照して以下の処理の計算を行う。
【0036】ステップF11−S2において、現在のショットと未露光グループとのマスキングブレード駆動量の差分を計算する。
【0037】ステップF11−S3では、ステップF11−S2で得たマスキングブレード駆動量の差分が全てのグループにおいて求められたかどうかを判断し、全てのグループとのマスキングブレード駆動量の差分を求めるまでステップFll−SlからステップFll−S3までを繰り返す。
【0038】ステップF11−S4では、ステップFl1−S1からステップF11−S3において求められた現在ショットと全ての未露光グループとのマスキングブレードの駆動量差分が、最小であるグループを選択し、ステップF11−S5で、それらのグループのショット中、現在ショットに最近傍のショットを選択して、そのショットを現在のショットとする。
【0039】現在のショットが図3の(Z)だとすると、他のグループのマスキングブレード駆動量を考慮すると、次ショットは(Q)となる。
【0040】(実施例2)本発明における2つめの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本実施例はステップF8−S6のグループ間移動処理以外は、上述の実施例1と同じものである。すなわち、本実施例の露光装置はグループ内の露光順番の決定を終了しグループ間の移動を行う際、ショット間の距離、マスキングブレードの駆動に要する時間から、未露光グループの露光を行うまでに要する時間が最も短くなるように制御する手段を備えたことを特徴とするものである。
【0041】図11は本実施例におけるグループ間移動処理の詳細を示したフローチャートである。
【0042】ステップF12−S1では、露光の終了していない他グループの情報を取得する。ここで得られた情報はその後のステップで参照される。
【0043】ステップF12−S2では、現在のショットから未露光グループの最近傍ショットまでのステージ移動に要する時間(α)を算出する。この時間を算出するには、ショット間の距離、一定距離をステージが移動する時の平均時間といったパラメータが必要となる。ショット間の距離は先の実施例と同じ方法を用いて測定する。一定距離をステージが移動する時の平均時間は、露光装置毎に異なる値であるので、前もって測定が行われている必要がある。
【0044】ステップF12−S3では、現在のショットから未露光グループのショットのパターンヘ露光範囲を変化させる際、マスキングブレードの駆動に要する時間(β)を算出する。マスキングブレード駆動に要する時間は、露光装置毎に異なるので、前もって測定が行われている必要がある。
【0045】ステップF12−S4では、現在のから次ショット候補(各々の未露光グループの最近傍ショット)を露光するまでの準備にかかる時間を算出する。この露光準備時間は、マスキングブレードの駆動をウエハステージの駆動と同時に行う事が出来ないとすると、ステップF12−S2、ステップF12−S3より、以下のようになる。
露光準備時間=α+β【0046】ステップF12−S5では、全ての未露光グループにおいて上記情報を取得したかどうかを判断し、全ての未露光グループに対して露光準備時間が算出されるまで、ステップF12−S1からステップF12−S4までの処理が繰り返される。
【0047】ステップF12−S6では、ステップF12−S4において算出された露光準備時間を全ての未露光グループにおいて比較し、最短時間のものを次ショットとしてそのショット位置までの移動を行い、マスキングブレードの駆動を行う。以上の処理により、実施例1の時よりもスループットを向上させた露光を行う事が出来る。
【0048】(実施例3)本発明における3つめの実施例を図面に基づいて説明する。本実施例では、図5のようなレチクルを用いて図6のようなレイアウトの露光を行う。ここで、処理の流れは実施例2と同じなので省略する。本実施例の場合、ショット順番算出処理を終えた結果得られるショット順番は以下の表1のようになる。
【0049】
【表1】

【0050】(実施例4)次に、上記説明した露光装置を利用したデバイスの生産方法を説明する。図12は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップF13−S1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップF13−S2(マスク製作)では設計したパターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップF13−S3(ウエハ製造)ではシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造する。ステップF13−S4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップF13−S5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップF13−S4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップF13−S6(検査)では、ステップF13−S5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップF13−S7)される。
【0051】図13は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップF14−S11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップF14−S12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップF14−S13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップF14−S14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップF14−S15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップF14−S16(露光)では上記説明した露光の適否を確認する手段を有する露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップF14−S17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップF14−S18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップF14−S19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップF14−S11〜19を繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0052】本実施例ではこの繰り返しの各プロセスにおいて、露光時にマスキングブレードの駆動回数を最小に抑えることで機械的消耗による寿命の低下を抑え、且つスループットを向上させるための露光順番を自動で算出するため、半導体デバイスを効率的に製造することを可能としている。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体露光装置は、マスキングブレードを駆動させながらさまざまなショットパターンをウエハ上に露光する際、マスキングブレードの駆動回数を最小に抑えることで機械的消耗による寿命の低下を抑え、且つスループットを向上させるための露光順番を自動で算出することができる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成10年7月8日(1998.7.8)
【代理人】 【識別番号】100086287
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 哲也 (外2名)
【公開番号】 特開2000−31029(P2000−31029A)
【公開日】 平成12年1月28日(2000.1.28)
【出願番号】 特願平10−207088