| 【発明の名称】 |
イオン注入装置及びイオン注入方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】村山 栄一
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| 【要約】 |
【課題】測定時と実際の注入時とのエネルギーコンタミネーション量の誤差が小さいイオン注入装置及びイオン注入方法を提供する。
【解決手段】制御された量の窒素を処理室21内に供給する窒素供給部31が設けられている。このため、被処理体にイオン12を注入する際にレジストから放出されるガスの量に対応する量の窒素を処理室21内に供給することができ、被処理体に実際にイオン12を注入している状態に近い気圧状態で、エネルギーコンタミネーション量を予め測定することができる。従って、所望の特性に近い特性を有する半導体装置等を製造することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被処理体にイオンが注入される処理室と、制御された量の気体を前記処理室内に供給する気体供給部と、前記被処理体に注入されるべき前記イオンの量及びこのイオンとは価数の異なる前記イオンの量を前記処理室内で測定するイオン量測定部とを具備することを特徴とするイオン注入装置。 【請求項2】 前記イオンの加速エネルギーと前記イオンのビームによる電流との積、及び前記イオンの種別に基づいて前記供給の量を制御する制御部を具備することを特徴とする請求項1記載のイオン注入装置。 【請求項3】 被処理体にイオンを注入する際にこの注入に対するマスクから放出される気体の量に対応する量の気体を前記被処理体の雰囲気として供給する工程と、前記被処理体に注入されるべき前記イオンの量及びこのイオンとは価数の異なる前記イオンの量を前記供給状態で測定する工程とを具備することを特徴とするイオン注入方法。 【請求項4】 前記イオンの加速エネルギーと前記イオンのビームによる電流との積、及び前記イオンの種別に基づいて前記供給の量を制御する工程を具備することを特徴とする請求項3記載のイオン注入方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願の発明は、半導体装置等を製造するためのイオン注入装置及びイオン注入方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3は、イオン注入装置の一従来例の要部を示している。この一従来例のイオン注入装置11では、イオン源(図示せず)において生成され引出し電極(図示せず)によってイオン源から引き出されたイオンのうちから所望の質量を有するイオンのみが質量分析部(図示せず)によって取り出され、このイオン12が静電偏向器13に入射する。 【0003】静電偏向器13は半導体ウェハ等の被処理体の全面にイオン12を注入するためにイオン12を偏向させ、偏向されたイオン12のみがドリフトチャンバ14を通過し、偏向されなかった中性粒子15はドリフトチャンバ14で除去される。ドリフトチャンバ14を通過したイオン12は、レンズ磁石16で屈折され、加速部17で所望の加速エネルギー、例えば80keVまで加速されて、処理室21に入射する。 【0004】処理室21内には被処理体を保持するためのプラテン22と矢印で示されている様に並進可能なファラデーカップ23とが設けられており、処理室21内等を真空状態にするためのクライオポンプ24がゲート弁25を介して処理室21に接続されている。また、ドリフトチャンバ14及び処理室21には冷陰極電離真空計26が設けられている。 【0005】ところで、イオン注入においては、所望の不純物濃度プロファイルを得て所望の特性を有する半導体装置等を製造することができる様に、上述の様に加速部17で所望の加速エネルギーまでイオン12を加速している。また、低い加速電圧で大きな加速エネルギーを得ることができる様に、一価のイオン12a、12bではなく二価のイオン12cを用いる場合がある。 【0006】しかし、イオン12の経路の真空度が十分ではないと、二価のイオン12cが中性粒子15や一価のイオン12a、12bになる。静電偏向器13よりも前に発生した中性粒子15はドリフトチャンバ14で除去されるが、静電偏向器13よりも前に発生した一価のイオン12aやレンズ磁石16等で発生した一価のイオン12bは、ドリフトチャンバ14では除去されず、処理室21まで到達して被処理体に注入される。 【0007】そして、加速部17で加速された後は二価のイオン12cの加速エネルギーに比べて一価のイオン12a、12bの加速エネルギーが低いので、この状態のイオン注入装置11にはエネルギーコンタミネーションが生じている。そして、エネルギーコンタミネーション量が多いと、所望の不純物濃度プロファイルを得ることができなくて、所望の特性を有する半導体装置等を製造することができない。 【0008】ところで、イオン12は静電偏向器13で偏向され更にレンズ磁石16で屈折されるが、図3中にも示されている様に、二価のイオン12cの進行方向が水平方向に制御されるのに対して、一価のイオン12a、12bの進行方向は二価のイオン12cの進行方向とは異なり、その結果、二価のイオン12cと一価のイオン12a、12bとでは被処理体への入射位置も異なる。 【0009】そこで、この一従来例のイオン注入装置11では、被処理体に実際にイオン12を注入する前に、ファラデーカップ23を並進させ、全体のイオン12の量に対する一価のイオン12a、12bの量を測定することによってエネルギーコンタミネーション量を予め測定し、真空度等を制御することによって、測定しているエネルギーコンタミネーション量を所定量以下に保持した状態で被処理体に実際にイオン12を注入していた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ところが、被処理体に実際にイオン12を注入する際は、選択的な領域にのみイオン12を注入するために、パターニングされたレジスト等のマスクを被処理体上に形成し、この状態で被処理体にイオン12を注入するのが一般的である。しかし、レジスト等のマスクを被処理体上に形成した状態で被処理体にイオン12を注入すると、レジスト等のマスクからガスが放出され、処理室21等の真空度が悪化して、一価のイオン12a、12bの量が増加する。 【0011】これに対して、被処理体に実際にイオン12を注入する前にエネルギーコンタミネーション量を予め測定する場合には、レジスト等のマスクを被処理体上に形成していないので、エネルギーコンタミネーション量の測定に際して処理室21等の真空度が悪化することはない。 【0012】このため、予め測定したエネルギーコンタミネーション量と実際の注入時におけるエネルギーコンタミネーション量との誤差が大きい。しかも、加速部17でイオン12に与えた加速エネルギーとファラデーカップ23で測定したイオン12のビームによる電流との積であるビームパワーと、イオン12の種別とによっても、レジスト等のマスクから放出されるガスの量が変動するので、上述の誤差が更に大きくなっていた。 【0013】この結果、測定しているエネルギーコンタミネーション量を所定量以下に保持した状態で被処理体に実際にイオン12を注入しても、所望の特性を有する半導体装置等を製造することが困難であった。特に、電界効果トランジスタの閾値電圧を制御するためにチャネル領域に二価のイオン12cを注入する工程では、一価のイオン12a、12bがチャネル領域の浅い部分に注入されて、エネルギーコンタミネーション量の変動が閾値電圧の変動に連動する可能性があった。 【0014】従って、本願の発明は、測定時と実際の注入時とのエネルギーコンタミネーション量の誤差が小さくて、所望の特性に近い特性を有する半導体装置等を製造することができるイオン注入装置及びイオン注入方法を提供することを目的としている。 【0015】 【課題を解決するための手段】請求項1に係るイオン注入装置では、制御された量の気体を気体供給部によって処理室内に供給することができるので、被処理体にイオンを注入する際にこの注入に対するマスクから放出される気体の量に対応する量の気体を気体供給部によって処理室内に供給することができる。このため、被処理体に実際にイオンを注入している状態に近い気圧状態で、被処理体に注入されるべきイオンの量及びこのイオンとは価数の異なるイオンの量を測定することができ、従って、エネルギーコンタミネーション量を予め測定することができる。 【0016】請求項2に係るイオン注入装置では、気体供給部が処理室内に供給する気体の量を、イオンの加速エネルギーとイオンのビームによる電流との積、及びイオンの種別に基づいて制御部が制御するので、イオンビームパワー及びイオン種が異なってもエネルギーコンタミネーション量を予め正確に測定することができる。 【0017】請求項3に係るイオン注入方法では、被処理体にイオンを注入する際にこの注入に対するマスクから放出される気体の量に対応する量の気体を被処理体の雰囲気として供給し、この供給状態で、被処理体に注入されるべきイオンの量及びこのイオンとは価数の異なるイオンの量を測定する。このため、被処理体に実際にイオンを注入している状態に近い気圧状態でエネルギーコンタミネーション量を予め測定することができる。 【0018】請求項4に係るイオン注入方法では、被処理体の雰囲気として供給する気体の量を、イオンの加速エネルギーとイオンのビームによる電流との積、及びイオンの種別に基づいて制御するので、イオンビームパワー及びイオン種が異なってもエネルギーコンタミネーション量を予め正確に測定することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本願の発明の一実施形態を、図1、2を参照しながら説明する。図1が、本実施形態のイオン注入装置の要部を示している。本実施形態のイオン注入装置11も、処理室21内に窒素を供給する窒素供給部31が設けられていることを除いて、図3に示した一従来例のイオン注入装置11と同様の構成を有している。 【0020】窒素供給部31は、マイクロコンピュータ(図示せず)と、このマイクロコンピュータによって窒素の流量を制御される質量流量制御装置32と、弁33、34とを有している。窒素供給部31のマイクロコンピュータは、被処理体に実際にイオン12を注入する際のパラメータから既述のビームパワーを算出し、このビームパワーとイオン12の種別とから、図2に示す様に、被処理体に実際にイオン12を注入する際にレジスト等のマスクから放出されるガスの量に対応する窒素の流量を求める。 【0021】この様な本実施形態のイオン注入装置11では、まず、窒素供給部31のマイクロコンピュータで求めた窒素の流量を質量流量制御装置32に設定し、この質量流量制御装置32を介して処理室21内に窒素を供給し、この状態でエネルギーコンタミネーション量を測定する。そして、測定しているエネルギーコンタミネーション量を所定量以下に保持し、弁33、34によって処理室21内への窒素の供給を停止した後、被処理体に実際にイオン12を注入する。 【0022】なお、以上の様な本実施形態のイオン注入装置11には、処理室21内に窒素を供給する窒素供給部31が設けられているが、窒素以外の不活性ガス等の気体を処理室21内に供給する気体供給部が窒素供給部31の代わりに設けられていてもよい。 【0023】 【発明の効果】請求項1に係るイオン注入装置では、被処理体に実際にイオンを注入している状態に近い気圧状態でエネルギーコンタミネーション量を予め測定することができるので、この測定時と実際の注入時とのエネルギーコンタミネーション量の誤差が小さい。このため、測定しているエネルギーコンタミネーション量を所定量以下に保持した状態で被処理体に実際にイオンを注入することによって、所望の特性に近い特性を有する半導体装置等を製造することができる。 【0024】請求項2に係るイオン注入装置では、イオンビームパワー及びイオン種が異なってもエネルギーコンタミネーション量を予め正確に測定することができるので、所望の特性に更に近い特性を有する半導体装置等を製造することができる。 【0025】請求項3に係るイオン注入方法では、被処理体に実際にイオンを注入している状態に近い気圧状態でエネルギーコンタミネーション量を予め測定することができるので、この測定時と実際の注入時とのエネルギーコンタミネーション量の誤差が小さい。このため、測定しているエネルギーコンタミネーション量を所定量以下に保持した状態で被処理体に実際にイオンを注入することによって、所望の特性に近い特性を有する半導体装置等を製造することができる。 【0026】請求項4に係るイオン注入方法では、イオンビームパワー及びイオン種が異なってもエネルギーコンタミネーション量を予め正確に測定することができるので、所望の特性に更に近い特性を有する半導体装置等を製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月10日(1998.7.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065950 【弁理士】 【氏名又は名称】土屋 勝
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| 【公開番号】 |
特開2000−30656(P2000−30656A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月28日(2000.1.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−211981 |
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