| 【発明の名称】 |
コンバージェンス補正装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】青木 恭介
|
| 【要約】 |
【課題】画面上下の中間部のミスコンバージェンスを補正するために、ダイオードや可飽和リアクタを使って巻線分布を変えた場合、横方向も縦方向もどちらも変化してしまうので、巻線での分布調整としての自由度が少ない。
【解決手段】垂直偏向コイルLV1,LV2に対してサブコイルLS1,LS2と横方向のミスコンバージェンスを補正する4重極コイルL1〜L3とを直列に接続してコイル回路13を形成するとともに、順方向電圧が異なる2種類のダイオードD2,D4とD1,D3を用いた整流回路13で、垂直偏向コイルLV1,LV2を通して供給される垂直周期のノコギリ波電流に基づいて、垂直偏向の際の画面上下の中間部で電流量が大きくなる電流を生成し、この電流をサブコイルLS1,LS2および4重極コイルL1〜L3に流すようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 垂直偏向コイルに対して直列に接続されたサブコイルと、前記サブコイルと直列に接続され、横方向のミスコンバージェンスを補正する4重極コイルと、前記垂直偏向コイルを通して供給される垂直周期のノコギリ波電流に基づいて垂直偏向の際の画面上下の中間部で電流量が大きくなる電流を生成して前記サブコイルおよび前記4重極コイルに流す整流回路とを備えたことを特徴とするコンバージェンス補正装置。 【請求項2】 前記整流回路は、前記サブコイルおよび前記4重極コイルが直列に接続されてなるコイル回路の一端にカソードが、一方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続された第1のダイオードと、前記コイル回路の他端にカソードが、一方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続され、前記第1のダイオードよりも順方向電圧が低い第2のダイオードと、前記コイル回路の他端にカソードが、他方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続された第3のダイオードと、前記コイル回路の一端にカソードが、他方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続され、前記第3のダイオードよりも順方向電圧が低い第4のダイオードとを有し、2つの回路入力端間に前記垂直周期のノコギリ波電流が供給されることを特徴とする請求項1記載のコンバージェンス補正装置。 【請求項3】 前記整流回路は、前記第2のダイオードのアノードと一方の回路入力端との間に接続され、前記第1,第2のダイオードが共に導通状態のとき、これらのダイオードに流れる電流が等しくなるように抵抗値が設定された第1の抵抗を有することを特徴とする請求項2記載のコンバージェンス補正装置。 【請求項4】 前記整流回路は、前記第4のダイオードのアノードと他方の回路入力端との間に接続され、前記第3,第4のダイオードが共に導通状態のとき、これらのダイオードに流れる電流が等しくなるように抵抗値が設定された第2の抵抗を有することを特徴とする請求項2記載のコンバージェンス補正装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像機やディスプレイモニター等で使用するカラー陰極線管のミスコンバージェンスを補正するコンバージェンス補正装置に関し、特に画面上下の中間部の縦方向のミスコンバージェンスを補正するコンバージェンス補正装置に関する。 【0002】 【従来の技術】カラー陰極線管では、3つの電子ビーム、通常、緑色をセンタービームG、その両側の赤色、青色をサイドビームR,Bとするインライン配列の電子ビームを蛍光面上の同じ点に集中させる(コンバージェンス)ように作製されるが、製造上のバラツキ等によって設計通りに集中しないことがある。特に画面の周辺部では、電子ビームの偏向点とシャドウマスク面の距離が違ってくるのでミスコンバージェンスが生じ、このミスコンバージェンスを補正するために、電子ビームの偏向角に応じて磁界を変化させるコンバージェンス調整が必要となる。 【0003】このコンバージェンス調整を水平偏向コイルと垂直偏向コイルだけで行おうとすると、画面上下の中間部(画面センターと上下端との間の部分)でミスコンバージェンスが残ってしまう傾向にある。その対策として、従来は、ダイオードを使って画面の中間部を境にして外側と内側で偏向コイルの巻線分布を変える方法が採られていた(例えば、特開平6−215706号公報、特開平6−223741号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来技術では、偏向コイルの巻線分布の変化を利用していることから、縦方向および横方向のどちらのコンバージェンスも変化してしまうことになるため、巻線での分布調整としての自由度は少なく、全体を合わせようとするとき、コンバージェンス調整に限度がある。また、可飽和リアクタを用いた方法(例えば、実開昭61−53846号公報参照)もあるが、これも巻線分布の変化を利用しているため同様の課題がある。 【0005】本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、画面上下の中間部の縦方向のミスコンバージェンスだけを独立に補正できるようにしたコンバージェンス補正装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明によるコンバージェンス補正装置は、垂直偏向コイルに対して直列に接続されたサブコイルと、このサブコイルと直列に接続され、横方向のミスコンバージェンスを補正する4重極コイルと、垂直偏向コイルを通して供給される垂直周期のノコギリ波電流に基づいて垂直偏向の際の画面上下の中間部で電流量が大きくなる電流を生成してサブコイルおよび4重極コイルに流す整流回路とを備えた構成となっている。 【0007】特に、上記整流回路は、サブコイルおよび4重極コイルが直列に接続されてなるコイル回路の一端にカソードが、一方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続された第1のダイオードと、コイル回路の他端にカソードが、一方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続され、第1のダイオードよりも順方向電圧が低い第2のダイオードと、コイル回路の他端にカソードが、他方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続された第3のダイオードと、コイル回路の一端にカソードが、他方の回路入力端側にアノードがそれぞれ接続され、第3のダイオードよりも順方向電圧が低い第4のダイオードとを有し、2つの回路入力端間に垂直周期のノコギリ波電流が供給される回路構成となっている。 【0008】上記構成のコンバージェンス補正装置において、整流回路における第2,第4のダイオードは、第1,第3のダイオードよりも順方向電圧が低いことから、ノコギリ波電流を流したときの動作タイミングが第1,第3のダイオードよりも早い。整流回路は、この異なる2種類のダイオードの動作タイミングの違いを利用して、垂直偏向の画面の上下端と画面センターで0となり、画面上下の中間部でピークを持つ波形の電流を生成する。 【0009】この電流は、サブコイルおよび4重極コイルに流れる。このとき、画面上下の中間部で電流量が大きく、画面の上下端では電流が0に近い波形の電流がサブコイルに流れると、画面上下の中間部において、縦方向のミスコンバージェンスおよび横方向のミスコンバージェンスが生じる。そして、同じ電流が4重極コイルにも流れることで、中間部の横ミスコンバージェンスが補正される。その結果、縦方向のミスコンバージェンスが残る。換言すれば、画面上下の中間部の縦方向のミスコンバージェンスのみを独立して補正可能となる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。 【0011】図1は、本発明の一実施形態を示す回路図である。図1において、コイルLS1,LS2は、後述する垂直偏向コイルLV1,LV2のサブコイルであり、この垂直偏向コイルLV1,LV2に対して直列に接続される。このサブコイルLS1,LS2は、垂直偏向コイルLV1,LV2と同様にコアに巻回され、電流が流れることによってコンバージェンスが大きく変化するように巻線分布が決められている。 【0012】このサブコイルLS1,LS2に対して、横方向のミスコンバージェンスを補正するための4重極コイルL1〜L4が直列に接続されている。この4重極コイルL1〜L4は、カラー陰極線管のネック部11を挟むように設けられた略U字形状の一対のコア12a,12bに巻回されている。 【0013】これらのコイルLS1,LS2およびL1〜L4が直列接続されてなるコイル回路13の一端Pには第1,第4のダイオードD1,D4の各カソードが接続され、コイル回路13の他端Qには第2,第3のダイオードD2,D3の各カソードが接続されている。 【0014】ここで、ダイオードD2,D4としては、ダイオードD1,D3よりも順方向電圧が低いものが用いられる。順方向電圧が異なるということは、ノコギリ波電流を流したときに電流が流れ始める点、即ち動作点が違うことを意味する。すなわち、順方向電圧が低いダイオードD2,D4は、ダイオードD1,D3よりも動作点が早いということになる。 【0015】ダイオードD2,D4の各アノードには、抵抗R1,R2の各一端が接続されている。コイル回路13の両端Q,Pには、抵抗R3,R4の各一端が接続されている。これら抵抗R3,R4の各他端は共通に接続され、その接続点には抵抗R5,R6の各一端が接続されている。そして、ダイオードD1のアノードおよび抵抗R1,R5の各他端が共通に接続され、ダイオードD3のアノードおよび抵抗R2,R6の各他端が共通に接続されている。 【0016】以上により、順方向電圧が異なる2種類のダイオードD2,D4とD1,D3を用いて、垂直周期のノコギリ波電流に基づいて垂直偏向の際の画面上下の中間部で電流量が大きくなる電流を生成する整流回路14が構成されている。この整流回路14において、ダイオードD1のアノードおよび抵抗R1,R5の各他端の共通接続点Rが一方の回路入力端となり、ダイオードD3のアノードおよび抵抗R2,R6の各他端の共通接続点Sが他方の回路入力端となる。 【0017】上記構成の整流回路14の回路入力端R,S間には、図示せぬ垂直偏向回路から垂直偏向コイルLV1,LV2を通してノコギリ波形状の垂直偏向電流が供給される。なお、垂直偏向コイルLV1,LV2の各々には、抵抗RV1,RV2がそれぞれ並列に接続されている。 【0018】次に、上記構成の整流回路14の回路動作について、図2の波形図を用いて説明する。 【0019】この整流回路14において、サブコイルL1〜L4および4重極コイルL1〜L4のコイル回路13に流れる電流としては、ダイオードD2,D4を通して流れる電流I2,I4とダイオードD1,D3を通して流れる電流I1,I3とが考えられる。ここで、垂直偏向コイルLV1,LV2を通してノコギリ波形状の垂直偏向電流が流れたときに、コイル回路13に流れる電流がどのように変化するかを考える。 【0020】図2の波形図において、時刻aではダイオードD1,D2が共にオン(導通)状態にあり、これらのダイオードD1,D2を通して電流I1,I2が流れている。ここで、抵抗R1の抵抗値を電流I1と電流I2が等しくなるように設定しておく。すると、電流I1と電流I2とは、流れる向きが逆であることから相殺される。したがって、合計した電流は0となり、サブコイルL1〜L4および4重極コイルL1〜L4には電流は流れない。 【0021】時刻bでは、ダイオードD1がダイオードD2よりも順方向電圧が高く、その動作点が時刻bの電流値近傍であるとすると、ダイオードD1がカットオフ(非導通)状態となることから電流I1が0となる一方、ダイオードD2はそのままオン状態にあり、このダイオードD2を通して電流I2が流れている。したがって、この電流I2がそのまま合計の電流となり、サブコイルL1〜L4および4重極コイルL1〜L4には電流I2が流れる。 【0022】時刻cと時刻dでは、ダイオードD1,D2が共にカットオフ状態となることから電流I1,I2が共に0になるので、合計の電流も0となる。したがって、サブコイルL1〜L4および4重極コイルL1〜L4には電流は流れない。 【0023】時刻eでは、ダイオードD3がダイオードD4よりも順方向電圧が高く、その動作点が時刻eの電流値近傍であるとすると、ダイオードD3がカットオフ状態にあることから電流I3が0となる一方、先にオン状態となったダイオードD4を通して電流I4が流れている。したがって、この電流I4がそのまま合計の電流となり、サブコイルL1〜L4および4重極コイルL1〜L4には電流I4が流れる。 【0024】時刻fでは、ダイオードD3もオン状態となり、このダイオードD3を通して電流I3が流れるとともに、ダイオード4を通して電流I4が流れている。ここで、抵抗R2の抵抗値を電流I3と電流I4が等しくなるように設定しておく。すると、電流I3と電流I4とは、流れる向きが逆であることから相殺される。したがって、合計した電流は0となり、サブコイルL1〜L4および4重極コイルL1〜L4には電流は流れない。 【0025】今、垂直周期を考えると、図2の時間軸が画面のY軸(垂直方向の軸)に対応し、時刻aが画面の上端、時刻b,eが画面の中間部、時刻c,dの中間が画面センター、時刻fが画面の下端に相当する。そして、図2の全コイル電流の波形は、画面の上下端の位置である時刻aと時刻fおよび画面センターの位置である時刻c,d間では0となり、画面の中間部の位置である時刻bと時刻eでピークを持つ波形となる。 【0026】ところで、サブコイルLS1,LS2は、先述したように、電流を流した際にコンバージェンスが大きく変化するように巻線分布が決められている。このサブコイルLS1,LS2に、上述した画面上下の中間部で電流量が大きく、上下端では電流が0に近い波形の電流が流れると、図3に示すように、画面上下の中間部において、縦方向のミスコンバージェンスおよび横方向のミスコンバージェンスが生じる。 【0027】このサブコイルLS1,LS2と同じ電流、即ち画面上下の中間部で電流量が大きく、上下端では電流が0に近い波形の電流が、4重極コイルL1〜L4にも流れる。4重極コイルL1〜L4は横方向のミスコンバージェンスを補正するために設けられたものであることから、この4重極コイルL1〜L4に画面上下の中間部で電流量が大きい電流が流れることで、図3に示す中間部の横ミスコンバージェンスが補正される。 【0028】その結果、図4に示すように、縦方向のミスコンバージェンスが残る。逆に考えると、2種類のコイルを組み合わせることによって、画面上下の中間部の縦方向のミスコンバージェンスのみを独立して補正できると言える。 【0029】すなわち、垂直偏向コイルLV1,LV2のサブコイルLS1,LS2と、横方向のミスコンバージェンスを補正するための4重極コイルL1〜L4とを組み合わせ、これらのコイルLV1,LV2およびL1〜L4に対して、垂直偏向の際の画面上下の中間部で電流量が大きくなる電流を流すことで、画面の上下中間部の縦方向のミスコンバージェンスだけを独立して補正できることになる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、垂直偏向コイルに対してサブコイルと横方向のミスコンバージェンスを補正する4重極コイルとを直列に接続し、これらのコイルに対して垂直周期のノコギリ波電流に基づいて垂直偏向の際の画面上下の中間部で電流量が大きくなる電流を生成して流すようにしたことにより、画面上下の中間部の縦方向のミスコンバージェンスだけを独立して補正できる。 【0031】これにより、コンバージェンス調整の際に、軸端や画面コーナー部を合わせていく場合に、画面上下の中間部の縦方向のミスコンバージェンスが多少残っていても、これを独立して補正することができるため、全体的なコンバージェンス品位の向上が図れることになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年7月15日(1998.7.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086298 【弁理士】 【氏名又は名称】船橋 國則
|
| 【公開番号】 |
特開2000−30633(P2000−30633A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月28日(2000.1.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−200129 |
|