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【発明の名称】 ニュートリノビーム通信装置
【発明者】 【氏名】浦本 上進

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】電子層と正イオン層が対じする、いわゆる電気二重層を有するいろいろな装置で、電気二重層に平行な磁場をかけてニュートリノビームを発生させる方法。
【請求項2】電気二重層を有するいろいろな装置で電気二重層に垂直にニュートリノビームを受けて、2次的に負粒子電流を増大させてニュートリノビームを検出する方法。
【請求項3】電子ビーム、または正イオンビームの中に平行にニュートリノビームを受けて、2次的に正粒子電流(電子と逆方向)、または負粒子電流(電子と同方向)を増大させ、ニュートリノビームを検出する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】[産業上の利用分野]と[学術上の応用]
ニュートリノは極めて物質貫通力の大きな素粒子なので(地球を貫いても全く減衰しない程)、もし連続的で簡単に発生させ、検出する方法が発明されれば、地球の裏側への通信のような、電磁波にできない領域への通信に利用できる。加うるに、何物にもさえぎられず直進するので、盗聴や妨害が不可能である。また、直進と光速で走っていることを利用し、原子時計で通過時間を測定すると、位置と二点間の距離を極めて正確に決定できる。従って、測量点をふやせば地殻変動の観測による地震の予知や精密な地図作りにも貢献する。学術上の応用としては、最近注目を集めている太陽ニュートリノを簡単に検出し、太陽から来ていることを証明できる。また、ニュートリノの質量の有無に関係するニュートリノ振動も検出可能である。
【0002】[従来の技術]この発明のニュートリノの発生は、従来(1)巨大な加速器による方法、(2)原子炉を利用する方法が主であり、巨額(100億円以上)の建設費と巨大な建造物を要した。また検出法も(1)約600トンのCCl溶液による方法(塩素37の実験)、(2)約3000トンの純水と1000本以上の光電子増倍管によるチェレンコフ光の検出(カミオカンデの実験)、(3)100トン以上のGaCl水溶液による方法(ガリウム71の実験)であり、いづれも巨額(100億円以上)の建設費と巨大な建造物を要した。他に、ニュートリノのエネルギーが233keV以上でないと検出できないのもニュートリノの応用装置の普及に障害となっている。次に我々が最近開発し、特許出願(平10−76405)した装置も、ニュートリノ発生源と検出器共に真空排気装置を使用するので、可成りの大きさになり移動に不便である。また多少高価(〜1000万円以上)にもなる。従って、ニュートリノ通信装置として普及させるにはやはり問題が多い。
【0003】[発明が解決しようとする課題]ニュートリノ発生・検出の原理を更に追求し、真空排気装置を使用せず、小型で持ち運びが簡単であり、且つ安価な発生源と検出器を開発することである。検出器に関しては、低エネルギー(〜1eV)から高エネルギー(〜1MeV)まで簡単にカバーできるようにすることも課題である。
【0004】[課題を解決するための手段]Aニュートリノの発生機構を極限まで追求すると、先の特許願(平10−76405)で述べたように電子の塊と正イオンの塊の間の大きな相互作用に帰着する。これは見方を変えると電子層と正イオン層の対じする「電気二重層」の存在とその二重層内の荷電粒子の運動を制御する手段を講じることである。かくて、いろいろな既存の電気二重層に平行に磁場をかけて電子の運動を主に制御する方法を試みる。
[課題を解決するための手段]Bニュートリノを簡単に検出するには、先の特許願(平10−76405)で述べたように、電子ビームか正のイオンビームの中を平行に走らせる(逆行でもよい)ことである。このときニュートリノは一種の触媒作用を示して通過し、電子ビームのときは正のミューオンを発生させ、正イオンビームのときは負のミューオンを発生させて行くことはすでに発表されている。それ故、電子ビームの電流は正(粒子)電流で減少し、正イオンビームの電流は負(粒子)電流で減少する。この電流の変動分を観測すればニュートリノの到達が検出される。しかし、電子ビーム・正イオンビームを発生させるのに真空排気装置を使用すると、先の[0003]の課題の解決が不可能になる。従ってオーディオ増幅器用の電子管内の電子ビームに注目する。また更に原理的につきつめて、いろいろな電気二重層(磁場をかけないか、かけても二重層に垂直に)の中での局所的なイオンビームの発生を利用する。
【0005】[作用と実施例]A−1(発生源)
電気二重層を簡単につくれるのは電池である。その中で、もっとも簡単な電池で大面積にも発展可能なのは歴史的にも有名なボルタの電堆である。その例(電圧約1.0Vのもの)を図1aに示す。このボルタの電堆の陽極と陰極を抵抗(5kΩ)で接続すると(電流約200μA)、陰極(Al板)から電子が外部回路を通って陽極(Cu板)に移動する。一方、電池の内部では正イオン(水素とナトリウムイオン)が発生し陽極の近くに集中する。かくて陽極の内部表面で電子層と正イオン層が対じする。これはまさに電気二重層である。次に、その陽極表面に平行に弱磁場(〜10ガウス)をかけると電子の運動が制限される。(電子のサイクロトロン半径はイオンのそれよりずっと小さい)。この磁場は図1に示したように、ボルタ電堆の周辺に巻いたコイルの電流でできる(永久磁石の利用も当然考えられる)。このときニュートリノビームはボルタ電堆の陽極表面に垂直に発生する。この事実は図2に示したもう一のボルタ電堆(磁場なし)で検証できる。
[作用と実施例]A−2(検出器)
図2aに磁場をかけない第2のボルタ電堆(先の第1のボルタ電堆と同じ構造)を示した。この第2のボルタ電堆の陽極近傍には、外部抵抗で電流を流すと電気二重層が生じて、内部で局所的に正イオンビームが発生する。第2のボルタ電堆の陽極表面を図3に示したように、第1のボルタ電堆に向けて、面と面が向き合うようにすると、図2aの放電電流に増大電流(電子流と同じ極性)が現われる。即ち、第1のボルタ電堆を配置しないときは単なる第2のボルタ電堆の放電の直流電流(〜1μA)が流れるだけであるが、第1のボルタ電堆を配置し向き合わせたとき、この放電直流電流にニュートリノビームによる2次的な増分が加えられる。この場合は図2bに示したようにコンデンサーでその直流分をカットしてわかるように、10MHz前後の高周波成分を持った脈流(電子電流と同符号の変動)で生じている。図2bの回路にすると第1のボルタ電堆からのニュートリノビームによる増分のみがガルバノメーターで読めるので便利である。
[作用と実施例]A−3(発生源と検出器――通信装置)
図3に示したように、第1のボルタ電堆を固定し、第2のボルタ電堆を正確に向き合せて、二つの距離を増大して行く実験を行った。先づ、実験室内で1m、7mと離す。次に外に出て30m、100m、1kmと地図を使って市街地(平面続きだが、建物が多くある)で第2のボルタ電堆を移動したとき、第1のボルタ電堆からのニュートリノ信号による電流増分が検出できた。この地図に引いた直線上の地点で高さを調節して、固定した第1のボルタ電堆の表面に合ったときのみ(20cm〜30cm以内)約10nAの電流増分が検出された。現在、地形(平面が続かないと測量技術が難しくなる)の関係で最高約7kmの地点でニュートリノによる増分電流を検出している。かくて、その直進性、何物にもさえぎられない(第2のボルタ電堆も貫通して行く)性質が、古典的荷電粒子や電磁波、光でない、即ち、ニュートリノ以外にないことを実証している。図3のスイッチで第1のボルタ電堆の放電をオン/オフするとこの増分電流もオン/オフするのでモールス通信は直ちに可能である。
[作用と実施例]B(いろいろな発生源)
電気二重層が発生する他の例として、図4に示したように、a:気体放電(蛍光燈を使えば簡単)の陰極の(蛍光燈の交流点火ならどちらでもいい)表面に平行な磁場(放電路には垂直)をかける。b:鉛蓄電池(カーバッテリー)を外部回路で放電させて磁場をかける。c:電気分解(手軽には硫酸銅CuSo)の陰極側に磁場をかける。d:太陽電池を外部回路で放電させ、表面に平行な磁場をかける。e:磁場に沿った水素(H)、重水素(D)放電の外側の境界(金属にして)と放電陽極の間に電圧をかけて、内部の境界表面に電気二重層を形成する。一般に磁場に沿った水素(重水素)放電の外側では負イオンH(D)ができるのでプラズマの電子密度は正イオン密度に比較して1/10以下に低下する。このとき、H(D)の密度がH(D)と同等になるので一種のガスの電解質(H、Hのみの)となる。(他の気体では電子密度が正イオン密度と同等になるので、放電の外側からはニュートリノの発生は観測されなかった。即ち、プラズマ電子で正イオンが中和されて電気二重層が境界で生じない。但し、陰極側では全ての気体放電で電気二重層が生じ、ニュートリノ発生源となる。)
以上の図4のa〜eはボルタ電堆と同様にニュートリノビームを発生していることが確められている。但し、電気二重層の維持電圧が高いaの気体放電(数10V)の陰極側、eの水素(重水素)放電の外側(10数V)からのニュートリノの検出器としては次に述べる電子管型が必要であった。
[作用と実施例]C(高エネルギー対応検出器)
気体放電型のニュートリノ及び太陽からのニュートリノは前述の電池型検出器では内部のイオンビームが低エネルギー(〜1eV前後)であり、高いエネルギーのニュートリノを検出できなった。即ち、入射ニュートリノのエネルギー(eV)の1/4程度以上の加速電圧(V)で加速された電子ビーム・イオンビームが必要なのである(特許願平10−76405)。イオンビームの生成には排気装置が必要となるので、電子ビーム型に注目し、オーディオ増幅器用の電子管6CA7の利用を考えた。図5aに6CA7の内部構造を示す。陰極が長方形の管なので、その長辺の面を利用した。図5bのようにして、太陽にこの面を向けたとき、図6の回路で6CA7の陽極への電子電流の上にニュートリノによる正粒子電流が加え合わされた(その電子電流が減少)。このときその電子加速電圧Vにしきい値があり、V>200Vが必要であった。図7aに示したように、太陽の位置に合わせて6CA7の陰極の長辺面を向けると正粒子電流が太陽の南中時に図7bのように観測できた。また1998年11月20日〜21日の一日に渡っての太陽の追跡では図8のような、時間に対する水平と高度角で正粒子電流が現われた。注目すべきは日没後高度が地平線下になり高度角θ<0になるときである。θ<0で正粒子電流が現われるのはニュートリノビームが地球を貫通して来ることを実証している。太陽からの更に高エネルギーのニュートリノを観測するには6CA7の電子加速電圧を上げるか、高電圧電子ビーム管をつくればよい。また、線型加速器を利用すれば可成り高エネルギー領域(宇宙から来るような)のニュートリノビームまで検出できる。
[作用と実施例]D(平面コンデンサー型発生源と検出器)
一般にコンデンサーに直流電源を接続すると分極現象を生ずる。これは見方を変えると静的な電気二重層である。この節のA〜Cまでは電子ビーム・イオンビームを生ずるような動的な電気二重層について述べたが、コンデンサーの分極、即ち静的電気二重層も動的電気二重層に変り得る。何故なら、コンデンサーに使用する誘電体(絶縁体)の中でもわずかながら電子、イオンが定常に動けるからである。かくて、現実の誘電体は電界の下では電気分解の電解液と同様な作用を示すのである。また、金属板との接点では放電の陰極降下と同様な高い電圧維持機構も存在すると考えられる。これは局所的イオンビーム発生の要因でもある。さて、大きな平面コンデンサーに上述の現象を期待して、直流電源に接続したのが図9aである。ここでは2枚の20cm×30cmの銅板の間にマイラーフィルム(0.2mm厚)をはさんで直流電源に接続し、実施例Aの第1ボルタ電堆の場合と同様なソレノイドコイルで銅板表面に平行な磁場(〜10ガウス)を加えた。次に、やはり第2ボルタ電堆の場合と同様に、図9bのような磁場をかけない第2の平面コンデンサーを配置し、第1の平面コンデンサーに向き合せて二つの平面コンデンサーの距離を変えた。結果は第2のボルタ電堆と同様な電気回路で負の粒子電流の増分を約10nA検出した。ここで注意すべきは、第1の平面コンデンサーにかける直流電圧Vと第2の平面コンデンサーにかける直流電圧Vの関係である。結果として、V>V/3が検出の必要條件であった。これはすでに電子ビーム・イオンビーム型検出器で示された結果(特許願平10−76405)と同様であった。この第2の平面コンデンサーの表面を太陽に向けたとき、やはり実施例Dと同様な條件V>200Vが必要であった。かくて、真空管を使用しなくても、簡単に太陽からのニュートリノビームが観測できる方法が確立した。この二つの平面コンデンサーによるニュートリノ発生・検出方式は、ボルタの電堆やその他の方法と比較して次の利点がある。
■平面コンデンサーを形成する金属板の化学的、物理的消耗が起きないので永続的に使用できる。
■第2平面コンデンサーにかける直流電圧を上げることができるので高いエネルギーのニュートリノが検出できる。例として、気体放電からの数10eV、太陽からの1keV近いニュートリノが電子管を使用しなくても検出された。(ボルタ電堆、その他の電池は数eV以下のニュートリノに限定される)。
■装置的に簡単であり、大面積への発展も容易である。電源としては小容量の高電圧の積層乾電池で充分である。
【0006】[発明の効果]本発明によって(1)巨大で巨額の建設費を要する加速器や検出器を使わなくても、また、真空排気装置なしで、極めて簡単、安価にニュートリノの発生・検出が可能になった。(2)ニュートリノの低エネルギー側の発生・検出が可能になりニュートリノ研究に革新をもたらした。(3)ニュートリノ通信が可能になり、電波や光で不可能な領域との通信の道が開けた。(4)二点間の距離、位置が従来より高い精度で決定できるので測量の革新につながった。
【出願人】 【識別番号】391010194
【氏名又は名称】浦本 上進
【出願日】 平成11年1月20日(1999.1.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−214295(P2000−214295A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−51363