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【発明の名称】 画面共有システム
【発明者】 【氏名】手塚 悟

【氏名】塚田 晃司

【氏名】星 徹

【氏名】塩澤 秀和

【氏名】野田 純也

【氏名】岡田 謙一

【氏名】松下 温

【要約】 【課題】複数のユーザが協調して作業を行うのに適した画面共有システムを提供する。

【解決手段】データ通信網と、非共有アプリケーションを実行するための非共有コンピュータと、共有アプリケーションを実行するための1以上の共有コンピュータとを有する。非共有コンピュータの画像制御部は、共有コンピュータの画像作成部が作成した共有アプリケーションの処理内容の画像の情報を、データ通信網を介して受け取り、画像表示部に背景画像1502a,1502b等として表示させる。そして、背景画像1502a,1502bの上に疑似3次元的に非共有アプリケーションの処理内容の画像1501aを表示させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】データ通信網と、該データ通信網に接続された、非共有アプリケーションを実行するための非共有コンピュータと、共有アプリケーションを実行するための共有コンピュータとを有し、前記非共有コンピュータは、画像表示部と、当該画像表示部に表示させるための画像を作成して表示させる画像制御部とを備え、前記共有コンピュータは、前記共有アプリケーションの処理内容を表示するための画像を作成する画像作成部を備え、前記画像制御部は、前記共有コンピュータの前記画像作成部が作成した前記共有アプリケーションの処理内容の画像の情報を、前記データ通信網を介して受け取り、前記非共有コンピュータの前記画像表示部に背景画像として表示させるとともに、前記背景画像の上に疑似3次元的に前記非共有アプリケーションの処理内容の画像を表示させることを特徴とする画面共有システム。
【請求項2】請求項1に記載の画面共有システムにおいて、前記非共有コンピュータの前記画像制御部は、前記疑似3次元的表示のために、前記共有コンピュータの画像作成部が作成した画像の大きさを予め定められた割合で小さくし、かつ、明るさを予め定めた割合で暗くする処理を行うことを特徴とする画面共有システム。
【請求項3】請求項1に記載の画面共有システムにおいて、前記共有コンピュータは、前記共有アプリケーションを2種類以上有し、前記共有コンピュータは、前記共有アプリケーションごとにその処理内容を表示するための画像を作成し、前記非共有コンピュータの前記画像制御部は、前記背景として奥行きのある疑似3次元画像を作成し、前記2種類以上の共有アプリケーションの画像をそれぞれ、前記背景の異なる奥行き位置に表示させることを特徴とする画面共有システム。
【請求項4】データ通信網に接続された第1のコンピュータで実行されるための処理プログラムを記憶した記憶媒体であって、前記処理プログラムは、前記データ通信網に接続された第2のコンピュータが作成した画像の情報を前記第1のコンピュータに受け取らせるステップと、前記受け取った画像を背景画像とし、前記第1のコンピュータが実行しているアプリケーションの処理内容を示す画像を、該背景画像の上に疑似3次元的に表示する画面を作成するステップとを有することを特徴とする処理プログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項5】データ通信網に接続するため通信網接続手段と、画像表示装置を接続するための画像表示装置接続手段と、アプリケーションを実行するための演算手段と、前記画像表示装置に表示させるための画像を作成して表示させる画像制御手段とを有し、前記画像制御手段は、前記通信網接続手段を介して、他の処理装置が作成した画像の情報を受け取り、受け取った画像を背景画像とし、前記演算手段が実行している前記アプリケーションの処理内容を示す画像を、該背景画像の上に疑似3次元的に表示する画面を作成し、前記画像表示装置接続手段から出力して前記画像表示装置に表示させることを特徴とする処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークに接続されたコンピュータを用いた協調作業支援のための画面共有システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、コンピュータ上で遠隔協調作業を支援するための、広い意味でのグループウェアシステムが数多く提案されている。これらのグループウェアシステムの構成要素としては、データベース機能などを用いて実現された複数のユーザによる情報の共有管理機構と、その共有情報を画面に表示し、それに対する操作を提供するユーザインタフェースがある。
【0003】共同描画システムなどの同期型のグループウェアアプリケーションや、統合的なグループウェアプラットフォームでは、共有デスクトップ画面や、共有キャンバスなどといった、複数のユーザがアクセスできる協調作業空間が提供される。その協調作業空間を各ユーザのコンピュータ上に画面領域として表示することで、情報の共有および伝達を実現している。たとえば、文献:M.Sohlenkamp and G.Chwelos. “Integrating communication, cooperation and awareness: The diva virtual office environment”, Proc. ACM CSCW ’94,1994 などには、グループウェアを実現するために、図1、図2に示すような画面共有方法が開示されている。図1の方法は、画面分割型であり、全画面101または1つのウィンドウを分割することによって、共有領域102と非共有領域103とを表示する。また、図2の方法は、ウィンドウ型であり、非共有背景201の上に共有ウィンドウ202と非共有ウィンドウ203が個別に表示され、自由に移動させることができるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の従来の図1のような画面分割型の画面共有方法は、共有領域のために相当の画面領域が使用されてしまい、非共有領域が狭くなってしまうので、共有画面を常に表示しておくのには適さない。
【0005】また、図2のウィンドウ型の画面共有方法は、画面上に個人で使っているアプリケーションと共有アプリケーションとが混在して表示されるため、ユーザの操作の混乱の原因となる。また、画面を共有する度に共有ウィンドウを起動しなければならないという問題もある。また、ウィンドウを自由に移動できるため、画面上での共有ウィンドウの位置関係が使用者ごとに異なり、グラフィカル ユーザ インターフェース(GUI:Graphical User Interface)に依存した協調作業(たとえば、共有ポインタを用いた共同描画作業など)では作業の支障となる。
【0006】本発明は、複数のユーザが協調して作業を行うのに適した画面共有システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のような画面共有システムが提供される。
【0008】すなわち、データ通信網と、該データ通信網に接続された、非共有アプリケーションを実行するための非共有コンピュータと、共有アプリケーションを実行するため共有コンピュータとを有し、前記非共有コンピュータは、画像表示部と、当該画像表示部に表示させるための画像を作成して表示させる画像制御部とを備え、前記共有コンピュータは、前記共有アプリケーションの処理内容を表示するための画像を作成する画像作成部を備え、前記画像制御部は、前記共有コンピュータの前記画像作成部が作成した前記共有アプリケーションの処理内容の画像の情報を、前記データ通信網を介して受け取り、前記非共有コンピュータの前記画像表示部に背景画像として表示させるとともに、前記背景画像の上に疑似3次元的に前記非共有アプリケーションの処理内容の画像を表示させることを特徴とする画面共有システムである。
【0009】なお、上記の画面共有システムにおいて、前記非共有コンピュータの前記画像制御部は、前記疑似3次元的表示のために、前記共有コンピュータの画像作成部が作成した画像の大きさを予め定められた割合で小さくし、かつ、明るさを予め定めた割合で暗くする処理を行うように構成することが可能である。
【0010】また、上記画面共有システムにおいて、前記共有コンピュータは、前記共有アプリケーションを2種類以上有し、前記共有コンピュータは、前記共有アプリケーションごとにその処理内容を表示するための画像を作成し、前記非共有コンピュータの前記画像制御部は、前記背景として奥行きのある疑似3次元画像を作成し、前記2種類以上の共有アプリケーションの画像をそれぞれ、前記背景の異なる奥行き位置に表示させる構成にすることが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態として、発明者らは、グループウエアシステムに適した新しい視覚化手法を提供する。
【0012】複数のユーザが協調して作業を行う空間は、図14に示すような階層的な構造を取り得る。ここでは例として3階層の構造の共有レベルがある場合を説明する。この構造では、それぞれのユーザは、主に個人作業空間1401a,1401bにおいて作業を行うが、そのためには、グループ作業空間1402a,1402bにある情報を参照する必要がある。また、各ユーザがグループ作業空間での作業を行う場合には、その1レベル上のグループ全体の共有空間1403の共有情報を参照する必要がある。
【0013】そこで発明者らは、作業者であるユーザの視点で図14を上から下へと見下ろすことによって、図15のように、最も頻繁に利用する個人作業のためのアプリケーション(個人作業空間1401a,1401b)のウインドウ1501a、1501bを、画面1504の最も手前に表示する。そして、その奥にグループの共有情報(グループ作業空間1402a,1402b)のウインドウ1502a、1502bを表示し、さらにその奥に最も使用頻度と参照頻度が少ない全体の共有情報(グループ全体共有空間1403)のウインドウ1503a、1503bを表示する。これにより、作業空間の視覚化を行う。なお、図15において、各ウインドウ1501a等に付した階層番号は、奥行きを示す番号であり、階層1は手前(個人)、階層2は中間(グループ)、階層3は奥(全体)を示す。
【0014】すなわち、本実施の形態の画面表示方法は、共有レベルを表現するために奥行きというパラメータを用いた視覚化方法である。3次元表示ではあるが、後述する具体例で示すように、縮小表示と重ね合わせによる疑似3次元表示によって容易に図15の画面1504を実現可能である。
【0015】単に、使用頻度と参照頻度の高い情報をより手前に表示するという考え方は、情報視覚化においてはよく用いられる手法である。情報視覚化では、種々の情報空間を限られた広さのスクリーン上に効率よく表示するために、数多くの方法が提案されている。しかしながら、本実施の形態では、単に使用頻度と参照頻度の高い情報をより手前に表示するだけではなく、表示すべき情報それぞれについてユーザから見た関心度(DOI:Degree Of Interest)を推定し、その関心度の大きさに応じて、情報を目立たせたり、間引いたりすることによって、効率のよい表示を実現しようとするものである。具体的には、ユーザに取って重要な情報ほど手前に表示するという透視法(遠近法)を利用する。また、遠くのものほど色を薄めたり暗く表示する手法を併用することもできる。
【0016】従来の2次元型の画面共有方式では、共有情報を表示するかしないかの選択しかできないものがほとんどであったが、本実施の形態では奥行き情報を利用することによって、個人情報に比べて関心度の低い共有情報を、目立たない程度に常に表示しておくことができる。
【0017】上述の関心度の概念は、グループウエアにおけるアウェアネスの伝達を支援するという点においても有効である。ここでいうアウェアネスとは、他人の無意識の動作状況に気づくことである。特に、複数のユーザが同時に一つの共有アプリケーション上で作業する同期型グループウェアシステムでは、ユーザのアウェアネスの伝達を支援することによって、必ずしも自分に対するコミュニケーションを意識していない相手の動作を把握することができるため、円滑なコミュニケーションが可能になる。例えば、共同描画ツールにおいては、他人のマウスポインタの位置を表示することによって、共同作業者との間で暗黙のコミュニケーションを取っているのを同じ効果が得られ、2人以上が同じ位置に同時に変更を加えたりすることが防止できる。また、アウェアネスをシステムで支援する上では、実社会でのアウェアネスと同様に適切な強度で情報を提示することが望ましい。すなわち、共有情報の更新がうるさくない形でなにげなく提示されることが望ましい。
【0018】本実施の形態の奥行きを用いた画面共有システムは、使用していないときにも背景画像として共有アプリケーションのウインドウを表示することができるため、他のユーザの作業を把握することができ、共有情報の更新も背景として把握することができるため、アウェアネスについても優れている。
【0019】共有画面環境においては、個人作業と協調作業のスムーズな切替ができることが望ましい。本実施の形態の奥行きを利用した画面共有システムは、3次元空間における前後左右の視点移動によってユーザは、直感的に個人空間と共有空間を区別し、切り替えることが可能である。すなわち、図16にしめすように、ユーザは主としてグループレベル(階層2、階層3)の情報を扱うときには、3次元空間内でユーザ視点を後ろに移動させればよい。すると、ユーザのコンピュータの画像上に個人空間が表示されなくなり、グループが共有するコンピュータのデスクトップ画面がそのユーザの画面に全画面表示されるようになるので、グループレベルの情報が扱いやすくなる。
【0020】また、ユーザの視点を左右に移動させることは、複数の共有コンピュータがある場合に、そのうちのいずれかを選択する意味を持つ。
【0021】このように、奥行きによって共有レベルを表すことによって、その切替えが、直観的なユーザの視点移動操作によって実現できる。
【0022】図17に本実施の形態の画面共有システムにおける実際の画面表示例を示す。図17では、図全体が個人の画像表示装置の全面のデスクトップ画面1504である。図17の各ウインドウで、図15のウインドウと同符号のものは同じウインドウを示す。最も手前の階層には、個人作業用のアプリケーションのウインドウ1501a,1501bと、個人作業空間用のアイコン1501cとが表示されている。つまり、最も手前の階層は、従来のGUIにおけるウインドウシステムそのものである。図17では、ウインドウ1501aには、ワープロソフトが起動されている。
【0023】グループ作業空間は、個人作業空間の背景(壁紙)として表示されている。すなわち、グループ作業空間は、グループ作業用と全体作業用の2階層にわかれており、中間の階層には、グループ作業用の2種類の共有アプリケーションのウインドウ1502a、1502bとグループ作業用のアイコン1502cが表示されている。最も奥の階層には、全体作業用の2種類の共有アプリケーションのウインドウ1503a,1503bと全体作業用のアイコン1503cが表示されている。図17では、ウインドウ1502a、1502bには、ワープロソフトが起動されており、ウインドウ1503aには、カレンダーソフトが起動されている。
【0024】ユーザは、個人作業用空間のアプリケーション1501a,1501bは、通常と同じようにウインドウ内で作業ができ、図18のようにウインドウ1501aの大きさを変更したり、ウインドウ1501bの位置を変更したりすることができる。また、グループ作業用空間のウインドウ1502a,1502b,1503a,1503bについても、そのウインドウ内にマウスポインタを移動させることにより、個人作業用のウインドウ1501a,1501bと同じようにその中で作業することができる。また、グループ作業空間のウインドウ1502a,1502b,1503a,1503bのアプリケーションは、ネットワークを介して接続しているユーザ全員の共有オブジェクトとなので、誰でもウインドウを開いたり、移動したりするように構成することも可能であるし、予め定めた特定のユーザのみが起動や終了をできる構成にすることも可能である。
【0025】本実施の形態では、グループ作業空間のうち中間の階層の大きさは、縦横とも、最も手前の個人用の作業空間の縦横のそれぞれ約7/8であり、共有コンピュータのウインドウシステムのデスクトップ画像をメモリに展開し、縮小することにより実現する。また、最も奥の階層の大きさは、縦横とも、中間の階層の縦横のそれぞれ約7/8である。
【0026】また、本実施の形態では、画面1504を1階層ずつ奥にいくほど色を20%程度暗く表示させる構成とする。これにより、ユーザが画面上のウインドウがどの階層にあるものかを把握しやすいようにしている。
【0027】また、階層の数は、理論的には無限に多くすることができるが、人間が使いやすく、必要にして十分なのは3階層程度であると思われる。
【0028】なお、画面上の作業空間の切り替えを容易にするために、例えば、ユーザがマウスポインタを画面上端までもっていきそこをクリックすれば、1階層奥の階層のウインドウに移動することができ、下端でクリックすれば、1階層手前の階層のウインドウに戻ることができるように構成することができる。
【0029】また、複数の個人作業空間を持っていたり、複数のグループ空間に所属している場合には、画面右端および左端にマウスポインタを移動してクリックすることにより、それらのウインドウ間を移動することができるように構成することができる。
【0030】さらに、図19のように、画面1504の手前側に表示されているウインドウ1501a、1502aの内容の表示をしないようにすることにより、これらのウインドウの枠1501d、1502dだけを表示させるようにすることが可能である。この場合、画面1504の奥側に表示されているウインドウ1503a、1503bを、枠1501d、1502dを透過して見て、その情報にアクセスすることがことができる。これにより、個人作業空間を全面に利用して作業を行っているユーザが、一時的に共有情報を参照するのが容易になる。
【0031】以下、本実施の形態の画面共有システムを具体的に説明する。
【0032】本実施の形態の画面共有システムの構成を図4および図10を用いて説明する。本実施の形態の画面共有システムは、図4のようにデータ通信網401には、非共有アプリケーション用コンピュータ403a、403bと、共有アプリケーション用コンピュータ404a、404bとを接続した構成である。以下、非共有アプリケーション用コンピュータを非共有コンピュータと称す。また、非共有アプリケーション用コンピュータを非共有コンピュータと称す。非共有コンピュータ403a、403bには、それぞれ画像表示装置402a、402bおよび入力装置406a、406bが接続されている。また、共有コンピュータ404a、404bには、それぞれ画像表示装置405a、405bおよび入力装置407a、407bが接続されている。
【0033】非共有コンピュータ403aは、図10のようにCPU1001、メモリ1002、画像表示制御インタフェース1004、ネットワークインタフェース1008、ディスク装置1003を内蔵している。また、非共有コンピュータ403aは、入力装置406aとしてキーボード1006とマウス1007を有している。非共有コンピュータ403bおよび入力装置406bも、コンピュータ403aおよび入力装置406aと同様の構成である。また、共有コンピュータ404aも、同様に、CPU1001、メモリ1002、画像表示制御インタフェース1004、ネットワークインタフェース1008、ディスク装置1003を内蔵している。共有コンピュータ404aは、入力装置407aとしてキーボードを備えている。共有コンピュータ404bおよび入力装置407bも、コンピュータ404aおよび入力装置407aと同様の構成である。
【0034】共有コンピュータ404a、404bは、それぞれ異なる種類の共有アプリケーションソフトを実行するためのコンピュータであり、ディスク装置1003にはその共有アプリケーション1015が格納されている。また、非共有コンピュータ403a、403bから、この共有アプリケーション1015の起動および終了を要求された場合にそれを許可するかどうかの判定を行う機能を有する起動処理プログラム1013と終了処理プログラム1014もディスク装置1003に格納されている。
【0035】一方、非共有コンピュータ403a、403bは、各ユーザが、個人のアプリケーションで作業を行うためのコンピュータであり、ディスク装置1003には、個人作業用の非共有アプリケーション1012が格納されている。また、ディスク装置1003には、自身の個人作業用非共有アプリケーション1012と、共有コンピュータ404a,404b内の共有アプリケーション1015とを起動および終了させるための起動処理プログラム1010と終了処理プログラム1011も格納されている。さらに、ディスク装置1003には、起動した非共有アプリケーション1012と共有アプリケーション1015とを、図17等で説明したような3階層の3次元表示させるための3次元表示処理プログラム1009も備えている。
【0036】各コンピュータ403a,403b,404a,404bは、データ通信網401およびネットワークインタフェース1008を介して、通信プロトコルとしてHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いる一般的な通信アプリケーションによって、互いに情報の送受信をおこなう。
【0037】つぎに、本実施の形態の画像共有システムの動作について説明する。
【0038】まず、非共有コンピュータ403a、403bを起動すると、3次元表示処理プログラム1009内の図5の起動処理プログラムが動作し、図3に示した共有背景302をそれぞれの画像表示装置402a,402bの画面1504に表示させる(図5のステップ502)。この共有背景画像302は、共有ウインドウ1503a、1502aと、図17のアイコン1501c、1502c、1503c(図3では図示を省略)を含んでいる。また、共有背景302には、画面に奥行きがあるように見えるように四隅から中央に向かって45度に線が引かれている。アイコン1501c、1502c、1503cは、図17のように手前の1階層目、中間の2階層目、最も奥の3階層目にそれぞれ位置するように見えるように大きさが変えられ、手前のものほど明るく、奥へいくほど暗く表示の明るさが変えられている。
【0039】このとき、最も奥の3階層目の共有ウインドウ1503aには、この時点ですでに共有コンピュータ404aの共有アプリケーション1015が起動されていれば、その画像表示装置405aに表示されている画面を、データ通信網401およびネットワークインタフェース1008を介して受け取り、大きさを49/64倍、明るさを16/25倍に変換して表示させる。この大きさと明るさの具体的な変換方法は、後述する図13の3次元表示処理の変換方法と同じである。また、共有コンピュータ404aの共有アプリケーション1015が起動されていなければ共有ウインドウ1503aが表示されるだけで、内容は表示されない。同様に、2階層目の共有ウインドウ1502aには、この時点ですでに共有コンピュータ404bの共有アプリケーション1015が起動されていれば、その画像表示装置405bに表示されている画面を、データ通信網401およびネットワークインタフェース1008を介して受け取り、大きさを7/8倍、明るさを4/5倍に変換して表示させる。共有コンピュータ404bの共有アプリケーション1015が起動されていなければ共有ウインドウ1502aが表示されるだけで、内容は表示されない。
【0040】このように共有背景302が表示された後、個人作業用の非共有ウインドウ1501aを画面1504に表示する(図5のステップ504)。
【0041】つぎに、非共有コンピュータ403a、403bにおいてアプリケーションを起動する処理について説明する。
【0042】非共有コンピュータ403a、403bにおいて、マウス1007によるアイコン1501c,1502c,1503cの操作や、キーボード1006の操作により、アプリケーションを起動操作を受けると、アプリケーション起動処理プログラム1010が動作し、図6のように、まず、起動操作を受けたアプリケーションが非共有アプリケーション1012か、共有アプリケーション1015かを判定する(ステップ602)。非共有アプリケーション1012である場合には、ディスク装置1003の非共有アプリケーション1012を起動させ(ステップ603)、ステップ701の画面更新処理により、非共有ウインドウ1501aの内容を更新し、非共有アプリケーション1012の処理内容を表示させる。
【0043】このステップ701の画面更新処理は、図7に示した処理であり、アプリケーションから画面更新の要求があった場合、更新を要求したアプリケーションが共有アプリケーション1015か非共有アプリケーション1012かを判定し(ステップ702)、非共有アプリケーション1012である場合には、非共有ウインドウ1501aの更新を行う(ステップ703)。共有アプリケーション1015である場合には、その共有アプリケーション1015に対応した共有ウインドウ1502a、1503aの画面更新を行う(ステップ704)。その際、3次元表示処理プログラム1009を実行する(ステップ1301)。
【0044】この3次元表示処理プログラムは、図13に示した処理であり、画面の最も奥の3階層目の共有ウインドウ1503aには、共有コンピュータ404aの画像表示装置405aに表示されている画面を表示させる(ステップ1302)。そのために、まず、共有コンピュータ404aの画像表示装置405aの画像情報を、データ通信網401およびネットワークインタフェース1008を介して受け取り、その画像の大きさを49/64倍、明るさを16/25倍に変換して表示させる。例えば、変換方法としては、具体的には、画像表示装置405aに表示されている画面のビットマップ情報を元に、縦方向、横方向とも64ドットごとに15ドットを間引き、ドットごとの明るさの値を16/25倍することで行うことができる。
【0045】また、2階層目の共有ウインドウ1502aには、共有コンピュータ404bの画像表示装置405bに表示されている画面を受け取り、大きさを7/8倍、明るさを4/5倍に変換して表示させる(ステップ1303)。非共有ウインドウ1501aには、非共有アプリケーション1012の画面をそのままの大きさおよび明るさで表示する(ステップ1304)。
【0046】また、上述した図6のステップ602で起動操作を受けたアプリケーションが共有アプリケーション1015である場合には、その共有アプリケーション1015に対応する共有コンピュータ404aもしくは共有コンピュータ404bに対して、データ通信網401とネットワークインタフェース1008を介して起動操作を要求する。これにより、共有コンピュータ404a、404bの共有アプリケーション起動処理プログラム1013が動作される。このプログラムは、図11のように、その共有アプリケーション1015の起動操作を要求した非共有コンピュータ403aもしくは403bが予め起動を許可されたコンピュータであるかどうかを非共有コンピュータ403a、403bのIP(Intenet Protocol)アドレス等の識別情報から判定する(ステップ1104)。起動を許可されているコンピュータである場合には、共有アプリケーション1015を起動する(ステップ1105)。これにより、その共有コンピュータ404aもしくは404bの画像表示装置405aもしくは405bには、画面全体にその共有アプリケーション1015が表示される。これとともに、非共有コンピュータ403a,403bの共有ウインドウ1502aもしくは1503aに、共有アプリケーション1015が画面更新により表示される。
【0047】また、図11にステップ1104で共有アプリケーション1015の起動操作を要求した非共有コンピュータ403aもしくは403bが起動を許可されていないコンピュータである場合には、何も処理をせずに終了する(ステップ1106)。
【0048】なお、共有アプリケーション1015は、その共有アプリケーション1015が表示されているすべての非共有コンピュータ403a,403bから、その共有アプリケーション1015の操作を受け付ける。具体的には、非共有コンピュータ403a,403bのマウス1007のポインタをそのウインドウ1502a,1503aの中に移動させ、操作することにより、データ通信網401とネットワークインタフェース1008を介して、共有アプリケーション1015を操作することができる。また、その共有アプリケーション1015が表示されているウインドウ1502a,1503aの大きさや位置の変更も受け付ける。これらの操作のマウスポインタの位置は、その共有アプリケーション1015が表示されているすべてのコンピュータの画面に表示される。また、その操作により共有アプリケーション1015の画面が更新された場合には、その共有アプリケーション1015が表示されているすべてのコンピュータの背景画像が画面更新処理によって更新される。したがって、背景画像は、ウインドウ1502a,1503aの大きさ、位置、表示内容ともすべての非共有コンピュータ403a,403bで共通になる。これにより、ユーザは、他のユーザの作業を背景の共有ウインドウ内の画像表示によって認識することができる。
【0049】つぎに、非共有コンピュータ403a、403bにおいてアプリケーションを終了する処理について説明する。
【0050】非共有コンピュータ403a、403bにおいて、マウス1007によるアイコン1501c,1502c,1503cの操作や、キーボード1006の操作により、アプリケーションを終了を受け付けると、アプリケーション終了処理プログラム1011が動作し、図8のように、まず、終了要求を受けたアプリケーションが非共有アプリケーション1012か、共有アプリケーション1015かを判定する(ステップ802)。非共有アプリケーション1012である場合には、非共有アプリケーション1012を終了させ(ステップ803)、すでに説明したステップ701の画面更新処理により、非共有ウインドウ1501aを消去する。
【0051】ステップ802で終了要求を受けたアプリケーションが共有アプリケーション1015である場合には、その共有アプリケーション1015に対応する共有コンピュータ404aもしくは共有コンピュータ404bに対して、データ通信網401とネットワークインタフェース1008を介して終了操作を要求する。これにより、共有コンピュータ404a、404bの共有アプリケーション終了処理プログラム1014が動作される。このプログラムは、図12のように、その共有アプリケーション1015の終了操作を要求した非共有コンピュータ403aもしくは403bが予め終了を許可されたコンピュータであるかどうかを非共有コンピュータ403a、403bの識別情報から判定する(ステップ1204)。終了を許可されているコンピュータである場合には、共有アプリケーション1015を終了させる(ステップ1105)。これとともに、非共有コンピュータ403a,403bの終了された共有ウインドウ1502a、1503aには、画面更新処理(ステップ701)により何も表示されなくなる。また、ステップ1204で終了操作を要求した非共有コンピュータ403a,403bが予め共有アプリケーション1015の終了を許可されていないコンピュータである場合には、なにも処理をせずに終了する。
【0052】つぎに、非共有コンピュータ403a、403bを終了操作した場合のシステムの終了動作について説明する。
【0053】この場合には、3次元表示処理プログラム1009内の図9の終了処理プログラムが動作し、まず、画面1504から非共有ウインドウ1501aを消去し(ステップ902)、その後、共有ウインドウ1502a,1503aおよびアイコン1501c,1502c,1503cを含む共有背景302を画面1504から消去する(ステップ502)。
【0054】上述してきたように、本実施の形態の画面共有システムでは、図3、図17、図18に示したように、個人作業用の非共有ウインドウ1501aの背景として、共有ウインドウ1502a,1503aを表示することができる。しかも、この共有ウインドウ1502a,1503aは、大きさと明るさの変換という簡単な表示処理により、奥行きのあるように見える疑似3次元空間上に表示されるため、ユーザは、どのウインドウが個人の非共有ウインドウでどのウインドウが共有ウインドウかを容易に認識することができる。しかも、共有ウインドウ1502a,1503a同士についても、3次元空間内の表示位置を大きさと明るさの変換という簡単な表示で最も奥の位置と、中間の位置という階層表示できるため、共有度の高いアプリケーションを表示するウインドウを奥側にすることにより、共有度の差についても容易に認識できる。
【0055】また、本実施の形態の画面共有システムでは、図7の画面更新処理により、共有アプリケーションで他のユーザが作業している場合にも、その処理状況を共有ウインドウ内容が更新されることでリアルタイムで認識することができる。このとき、共有ウインドウの内容は、画面の奥に存在するように表示されているため、文字や符号の大きさも小さく、しかも、暗く表示されているため、個人作業用の非共有ウインドウ1501aで作業しているユーザにとっては作業の妨げにならず、かつ、無意識に認識できるという利点がある。
【0056】上述してきたように、本実施の形態の画面共有システムにより、共有画面は背景であるため、画面領域を占有することはなく、常に表示することが可能となる。また、背景画面は、起動時から表示されるため、画面共有のために共有ウィンドウを起動することなく起動時から常に画面共有が可能となる。また、背景画面として共有しているので、使用者全員の共有ウィンドウの位置が統一され、共有ポインタを用いた共同描画作業などグラフィカル ユーザー インタフェース(Graphical User Interface)に依存した協調作業の支援が容易となる。
【0057】なお、本実施の形態の図4の画像共有システムは、2台の非共有コンピュータ403a,403bと2台の共有コンピュータ404a,404bとを備える構成であるが、これらはそれぞれ2台に限らず、2台以上にすることが可能である。共有コンピュータを3台以上にする場合には、図17の共有ウインドウ1502a,1502bのように、一つの階層に二つ以上のウインドウを設け、それぞれ異なる共有アプリケーションを表示させるようにすることも可能であるし、共有の階層を増やし、一つの階層に一つの共有ウインドウのみを表示させることも可能である。
【0058】
【発明の効果】上述してきたように本発明によれば、複数のユーザが協調して作業を行うのに適した画面共有システムを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】598121341
【氏名又は名称】学校法人慶應義塾
【出願日】 平成11年3月16日(1999.3.16)
【代理人】 【識別番号】100087170
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
【公開番号】 特開2000−267968(P2000−267968A)
【公開日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願番号】 特願平11−71056