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【発明の名称】 ウォッチドッグタイマ監視装置
【発明者】 【氏名】酒井 秀樹

【氏名】堀井 秀聡

【要約】 【課題】マイクロコンピュータの動作を監視するウォッチドッグタイマ自身の動作状況を監視し、使用者に報知する。

【解決手段】マイクロコンピュータ12から出力される被観測パルスに異常が生じたことをウォッチドッグタイマの判定回路13が検出した場合、その旨を人が分かる形で表示する表示器31を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マイクロコンピュータが正常に動作しているときに該マイクロコンピュータから出力される被観測パルスを監視し、該被観測パルスに異常が生じたことを判定回路が検出した場合には該マイクロコンピュータをリセット状態に付け、その後、該マイクロコンピュータに対し電源が一旦遮断された後に再投入が行われた場合に該マイクロコンピュータの再起動を許すウォッチドッグタイマの動作状態を監視する装置であって;上記判定回路が上記異常を検出したときに稼動し、その旨を人が分かる形で表示する表示器を設けたこと;を特徴とするウォッチドッグタイマ監視装置。
【請求項2】 請求項1記載の装置であって;上記表示器は、上記判定回路の異常検出出力により発光する可視光発光手段であること;を特徴とする装置。
【請求項3】 請求項1記載の装置であって;上記表示器は、上記判定回路の異常検出出力により特定の文字表示をなし得るディスプレィ装置であること;を特徴とする装置。
【請求項4】 請求項1記載の装置であって;上記表示器は、上記判定回路の異常検出出力により鳴動する可聴音発生手段であること;を特徴とする装置。
【請求項5】 請求項1記載の装置であって;上記表示器は、上記マイクロコンピュータが組み込まれている機器の筐体とは離れた個所に設けられている別筐体に備えられていて、上記判定回路の異常検出出力を通信回路を介し該別筐体内で受信することで稼動すること;を特徴とする装置。
【請求項6】 請求項1記載の装置であって;上記ウォッチドッグタイマが動作した回数と頻度のいずれか一方または双方を記憶し、選択的に読み出すことのできる不揮発性記憶手段を設けたこと;を特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュータ(以下、単にマイコン)の動作を監視し、異常を検出した場合には当該マイコンをリセットするウォッチドッグタイマの動作状況を監視する装置に関する【0002】
【従来の技術】最近ではパーソナルコンピュータを始め、自動給湯器とか各種家電製品、車両制御用等々、極めて多岐な分野に亘りマイコンが各種の機器に搭載されるに至っているが、これが正しく動作しているか否かを常時監視する装置の一つとして、ウォッチドッグタイマと呼ばれる装置がある。これ自体も最早極めて周知な装置であるが、念のために代表的な回路構成例を図2に掲げて説明する。
【0003】商用交流電源( 図示せず) を整流するなどして得られる直流電源11から電力供給を受けて動作するマイコン12の特定のポートPoからは、当該マイコン12が正しく動作しているときには一定周期の被監視パルスが出力される。このパルスは一般にはマイコン内部で使用するクロックを分岐したもので、そうでなくても、少なくともそれと同期関係にある周期信号であって、一般にはウォッチドッグパルスと呼ばれている。
【0004】図示の回路構成では、当該ポートPoから出力される被監視パルスは微分コンデンサ14により微分パルス化され、これが、例えばNPNデジタルトランジスタにより構成されるスイッチング素子15を周期的にオンオフさせる。スイッチング素子15が図示のようにインバータ構成である場合、当該スイッチング素子の出力が低レベルとなる度に抵抗21を介し、コンデンサ16の蓄積電荷が放電される。ここで抵抗21の値は、微分パルスが発生している間、抵抗22,23により分圧されたコンパレータ13の正入力端子電圧より負入力端子電圧が低くなるように設定されており、従って微分パルスが発生している間はコンパレータ13の出力は高レベルを保ち、抵抗27,26を介してマイコン12のリセット入力RST に印加される信号も高レベルを維持するため、マイコン12は動作状態を維持する。コンパレータ13は、この回路でマイコンの動作状態が正常であるか否か(被観測パルスが正しく周期的に現れているか否か)を判定する判定回路となっている。
【0005】これに対し、マイコン12が暴走するとウォッチドッグパルスが停止する。こうなると、コンデンサ14を介しての周期的な微分パルスも停止するので、スイッチング素子15の出力は高レベルになったままとなり、コンデンサ16を周期的に放電することがなくなり、やがてコンデンサ16は十分に充電された状態になってしまう。そして、こうなったときにコンパレータ13の負入力端子電圧が正入力端子電圧を上回るように、抵抗22,23,24,25の値がそれぞれ設定されているので、コンパレータ13の出力は低レベルとなり、マイコン12のリセット入力電位は低レベルに引き落とされ、これによりマイコン12は動作を停止する。
【0006】この動作停止状態は、電源11を一旦落とし、再び投入しない限り維持され、換言すれば当該再投入により、動作を回復できる。電源11を再投入すると、抵抗24及びコンデンサ16により構成されるタイマ回路を介してコンデンサ16への充電が始まるが、それによってコンパレータ13の出力が低レベルになってしまうまでの時間より、マイコン12が動作を開始してウォッチドッグパルスが出力されるまでの時間の方が短くなるように、当該タイマ回路の時定数を設定しておくことで、マイコン12の再起動を可能とし得るのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来のウォッチドッグタイマでは、マイコンが暴走した場合、マイコンを停止状態に維持し、その結果、当該マイコンが組み込まれている機器の動作も停止するが、その状態は一旦電源を落とし、再投入しない限り、回復しない。例えば自動給湯器等、特に安全を確保せねばならない機器にとってはそのこと自体に特に問題はなく、むしろ、適当な処置かも知れない。しかし、一般使用者にとっては、ウォッチドッグタイマが動作したことが分かりがたい場合が多く、何故、機器が停止したのか、理解できずに混乱することがある。
【0008】本発明はこの点に着目してなされたもので、マイコンの動作監視用のウォッチドッグタイマをさらに監視し、マイコンないしそれを組み込んだ機器の使用者に対し、機器の停止した原因であるマイコンの暴走を報知できるようにせんとするものである。その上で、本発明はまた、機器のメインテナンスをなす側にも、マイコンのリセット頻度等、ウォッチドッグタイマの既動作状況を報知する手段を提供せんともする。これが実現すれば甚だ便利である。マイコンのリセット回数が余りに多い場合には、単なる一過性の暴走ではなく、明らかにいずれかの部位の故障と判断できるからである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、マイコンが正常に動作しているときにマイコンから出力される被観測パルスを監視し、このパルスに異常が生じたことを判定回路が検出するとマイコンをリセット状態に付け、その後、マイコンに対し電源が一旦遮断された後に再投入が行われた場合にマイコンの再起動を許すウォッチドッグタイマの動作状態を監視する装置として、ウォッチドッグタイマの判定回路が上記の異常を検出したときに稼動し、その旨を人が分かる形で表示する表示器を設けたウォッチドッグタイマ監視装置を提案する。この表示器は、判定回路の異常検出出力により発光する可視光発光手段であっても良いし、例えば「電源を一旦切って下さい」等、特定の文字表示をなし得るディスプレィ装置であっても良く、あるいはまた、判定回路の異常検出出力により鳴動する可聴音発生手段であっても良い。
【0010】また、自動給湯器等では、使用者が機器本体とは離れた所から種々の操作がなし得るように、機器本体とは別筐体のリモコンを有するものがある。このような場合には、上記した表示器は当該リモコン等、マイコンが組み込まれている機器の筐体とは離れた個所に設けられている別筐体に備えさせ、判定回路の異常検出出力を通信回路を介し当該別筐体内で受信することで、この表示器を稼動させるように構成できる。
【0011】さらに、ウォッチドッグタイマが動作した頻度と回数のいずれか一方または双方を記憶し、選択的に読み出すことのできる不揮発性記憶手段を設けておくと、メインテナンスをなす場合に極めて有意義な情報となる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1には、本発明に従って構成されたウォッチドッグタイマ監視装置( 実質的には要素31,32,33,34から成る) の一構成例が示されている。従来のウォッチドッグタイマのみからなる構成との対比がし易いように、図2に即して説明したウォッチドッグタイマ構成に対する改変となっている。
【0013】従って、図1の回路でもウォッチドッグタイマの動作自体は既に説明した通りであるが、マイコン12の出力ポートPoに周期的に現れている被観測パルスが停止し、ウォッチドッグタイマの判定回路13の出力がこの場合、低レベルとなると、本発明により追加されている発光ダイオード31による可視光発光手段31が点灯する。
【0014】そのため、この可視光発光手段31を使用者の目に付く位置に設けておけば、使用者はマイコン12、ないし少なくともこれを組み込んだ機器に異常が生じたことを知ることができ、混乱なく、電源遮断、再投入動作をなすことができる。
【0015】先に述べたように、マイコン12の組み込まれている機器の筐体とは別の筐体、例えばリモコンを有する機器にあっては、当該別筐体に表示部33を設け、ここに表示器を設けて、判定回路13の出力を通信回路32を介して別筐体に送り、これを受信することで表示部33中の表示器が稼動するようにすると良い。
【0016】表示器31は図示の場合、発光ダイオードであるが、これに限らず、任意の発光手段であって良いし、液晶ディスプレィその他、適当なる文字表示手段を用い、特定の文字列、例えば先にも述べたように、「電源を一旦切って下さい」等の表示をなし得るものであっても良い。また、音を発生するものでも良く、これら表示手段の幾つかまたは全てを任意に組み合わせて使用しても良い。
【0017】さらに図示の場合、マイコン12にはEEPROMによる不揮発性記憶手段が備えられていて、マイコン12への電源が再投入回数を記憶することでウォッチドッグタイマの動作回数を記憶するようになっている。記憶してある動作回数は、図示していないがメインテナンスを行う者の特定の操作により、特定の表示部にて表示することができる。
【0018】もちろん、特定のハードウエアにより、判定回路13の出力状態を直接に監視することで、当該出力が異常判定出力となる度に記憶回数をインクリメントして行くように構成しても良い。さらに、ウォッチドッグが動作した時間ないしマイコンへの電源が再投入された時間をも併せて記憶しておくことも良い。頻度が高い程、何らかの異常が生じている確率は高い。
【0019】以上、本発明の一実施形態につき述べたが、本発明を適用するウォッチドッグタイマの具体的な回路構成自体は任意であって良く、当該ウォッチドッグの異常検出出力により表示器を稼動させるように具体的な回路構成を起すこと自体は、当業者にとって極めて容易、設計的問題に帰する。
【0020】
【発明の効果】本発明によると、ウォッチドッグタイマにより監視されるマイコンを搭載した機器にあって、機器の動作停止となった要因であるウォッチドッグタイマの稼動を使用者に知らせることができ、混乱を避けることができる。また、本発明の特定の態様に従い、ウォッチドッグタイマの既動作回数ないし頻度をも記憶できるようにすれば、メインテナンス時に有力な情報となる。
【出願人】 【識別番号】000174426
【氏名又は名称】阪神エレクトリック株式会社
【出願日】 平成10年11月5日(1998.11.5)
【代理人】 【識別番号】100061642
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武通 (外2名)
【公開番号】 特開2000−148542(P2000−148542A)
【公開日】 平成12年5月30日(2000.5.30)
【出願番号】 特願平10−314917