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【発明の名称】 かな文字入力装置
【発明者】 【氏名】橋本 佳幸

【要約】 【課題】情報処理装置に日本語のかな文字を入力する装置に関し、操作領域が小さく従ってノートパソコンや電子手帳等に好適で、かつ習得が容易なかな文字入力装置を得る。

【解決手段】タッチパネルまたはキーボードの複数のキーの1個に5文字を定義し、キーの選択操作と選択した後の操作点ないし操作力の前後左右の移動方向とにより、1文字を選択する。具体的には、キーの1個に5個のかな文字を順序づけて対応させ、操作ないし押下されたキーに基づいて五十音配列の行を選択し、操作開始後の操作点ないし操作力の移動方向に基づいて五十音配列の段を選択することにより、かな1文字を選択する。1個のキーに5文字を定義できるので、文字キーの数を大幅に低減でき、従ってキーの大きさを小さくしなくても、タッチパネルやキーボードの面積を小さくできる。五十音配列に関連付けて入力操作を習得できるので、習得が容易である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タッチパネルへの複数のキーの表示手段と、表示したキーの1個に5個のかな文字を順序づけて対応させるキー定義手段と、操作開始時の操作点の座標と各キーの表示領域とを対比して選択されたキーを認識するキー認識手段と、操作開始点に対する操作点の移動方向とキーに定義された文字の順序とを関連づけた順序定義手段とを備え、操作開始点の座標に基づいて五十音配列の行を選択し、操作開始後の操作点の移動方向に基づいて五十音配列の段を選択することを特徴とする、かな文字入力装置。
【請求項2】 複数のキーを備えたキーボードと、キーボードのキーの1個に5個のかな文字を順序づけて対応させるキー定義手段と、キーの中心から偏倚した位置に配置された複数個の押下検出センサと、押下終了時の押下検出センサの信号出力状態とキーに定義した文字の順序とを関連づけた順序定義手段とを備え、押下されたキーに基づいて五十音配列の行を選択し、押下終了時の押下検出センサの信号出力状態により五十音配列の段を選択することを特徴とする、かな文字入力装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報処理装置に日本語のかな文字を入力する装置に関するもので、操作領域が小さく従って小型のパーソナルコンピュータや電子手帳等の携帯端末に好適で、かつ習得が容易なかな文字入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータその他の情報処理装置に対する日本語の入力は、かな文字を入力してかな漢字変換手段により漢字かな混じり文に変換するという方法が採られている。かな文字の入力はローマ字かな変換または直接入力で行われており、ローマ字かな変換を利用する方法が入力文字種が少ないので操作領域を小さくできるが、母音5文字(あいうえお)以外は2操作での入力となる。
【0003】入力装置としては、キーボード、キーを表示したタッチパネル、手書き文字認識装置等が用いられている。タッチパネルはディスプレイ表面に一体化した透明タッチパネルが一般的になってきており、ディスプレイの表示機能を利用してキーを表示する。どのキーが押されたかの認識は、マウスポインタやペン等のポインティングデバイスによって操作された座標と各キーの表示座標領域とを比較することによって行われる。手書き文字認識装置は、タブレット上のペン先の動的な移動パターンからかな文字を認識する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】キーボードを用いる入力は、10本の指を用いて入力できるため、入力効率が良い。しかし人の手の大きさに合わせた操作領域が必要であり、操作領域の小さい携帯端末などでは、小さなキーが密に配置されるため、1本の指先またはペン先で1個1個押下して入力するという操作になる。また10本の指を用いて入力するためには、それなりの習熟が必要であり、操作の習得に時間がかかる。
【0005】タッチパネルにキーを表示してペン等のポインティングデバイスで文字を指定する方法は、ローマ字かな変換を利用しても26種の文字キー表示が必要であり、ディスプレイにキーを表示させる方法では、他の情報(作成中の文書など)の表示領域を狭くし、作業性を低下させる。またローマ字かな変換のときは、母音以外は1文字に2操作が必要であり、かな文字の直接入力をするときは2倍近い数のキーが必要なため、ディスプレイの占有領域がさらに大きくなる。
【0006】手書き文字認識装置は、キーボードやタッチパネルによる文字入力に不慣れな人には最も馴染みやすいものではあるが、入力速度が遅く、文字を正確に書かないと認識率が低下する。さらに文字の認識処理が複雑になるため、処理速度の速い演算装置を必要とし、一般にCPU速度の遅い携帯端末では、1個1個の文字の認識に時間がかかる。
【0007】この発明は、タッチパネルやキーボードを用いた入力装置において、文字キーの数を大幅に低減することが可能で、従って日本語の入力時におけるキーの配置領域ないし表示領域を大幅に低減することが可能で、かつ入力操作の習得が容易なかな文字入力装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、タッチパネルに表示されているかまたはキーボードに配置された複数のキーの1個に5文字を定義し、キーの選択操作と選択した後の操作点ないし操作力の前後左右の移動方向とにより、1文字を選択可能にすることにより、上記課題を解決している。
【0009】請求項1のかな文字入力装置は、タッチパネルを用いたもので、タッチパネル2への複数のキーの表示手段と、表示したキーの1個に5個のかな文字を順序づけて対応させるキー定義手段と、操作開始時の操作点の座標と各キーの表示領域とを対比して選択されたキーを認識するキー認識手段と、操作開始点に対する操作点の移動方向とキーに定義された文字の順序とを関連づけた順序定義手段とを備え、操作開始点の座標に基づいて五十音配列の行を選択し、操作開始後の操作点の移動方向に基づいて五十音配列の段を選択することを特徴とするものである。
【0010】請求項2のかな文字入力装置は、キーボードを用いたもので、複数のキーを備えたキーボードと、キーボードのキーの1個に5個のかな文字を順序づけて対応させるキー定義手段と、キーの中心から偏倚した位置に配置された複数個の押下検出センサと、押下終了時の押下検出センサの信号出力状態とキーに定義した文字の順序とを関連づけた順序定義手段とを備え、押下されたキーに基づいて五十音配列の行を選択し、押下終了時の押下検出センサの信号出力状態により五十音配列の段を選択することを特徴とするものである。押下検出センサは、各キーに5個または4個設けるのが適当であるが、3個設けてそられのオンオフ状態の組合わせにより段を選択することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面に示す実施例を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1ないし4はこの発明の第1実施例を示したものである。図1において、ROM1には制御プログラムが記憶されている。タッチパネル2は透明フィルムに細かいピッチで多数の接点を配置した入力装置で、棒(ペン)の尖った先端部分でパネル面を押下することにより、押下された位置の座標が獲得される。タッチパネル2には、図2に示す10個の文字入力キー3と、1個の文字入力補助キー4と、漢字変換キー5とが表示されている。キートップに「あ」、「か」・・・と表示された文字キーのそれぞれは、図3に示すかな五十音表の各行に対応している。文字入力補助キー4は、入力された文字の濁音、半濁音、拗音への変換や、句読点の入力に用いる。漢字変換キー5は、入力されたかな文字を漢字かな混じり文に変換するのに用いる。
【0012】タッチパネル2は液晶パネルなどのディスプレイ装置の前面に添設して設け、図2に示した文字キー3はディスプレイの表示機能を用いて、日本語入力モードが選択されたときに表示させるようにする。なお、図2の文字キー群はあくまでも一つの例を示したもので、たとえばや行の3文字と「わ」及び「ん」を1個のキーに割り当てたり、濁音や半濁音の行をそれぞれ1個の文字キーに割り当てたり、句読点やスペースなどを1個の文字キーに割り当てる等の種々の変更が可能である。各文字キーには、最大5個の文字ないし記号が割り当てられる。
【0013】図1の記憶装置6には、ペン操作開始位置記憶エリア7と、ペン操作終了位置記憶エリア8と、文字選択テーブルの記憶エリア9とが設けられている。表示装置11は前述した液晶パネルなどのディスプレイ装置である。
【0014】この発明のかな文字入力装置では、操作されたキーと操作時のポインティングデバイス(ペン先)の移動方向とによって文字を選択するようになっており、五十音表の各段のかな文字がその行を表すキーに順序づけて割り当てられている。キーが単にタップされただけの場合、すなわちキーが操作された後ポインティングデバイスがそのまま離されたときには第1段の文字を選択し、ポインティングデバイスを右に移動して離したときには第2段の文字を選択し、下に移動して離したときには第3段の文字を選択し、左に移動して離したときには第4段の文字を選択し、上に移動して離したときには第5段の文字を選択するというように、キー操作中にポインティングデバイスを移動させなかった場合と四方向のそれぞれに移動させた場合とに対応させて、各キーに定義された五つの文字のうちの1個を選択するようにしている。すなわちこの発明のかな文字入力装置では、1個のキーで5種類の文字ないし記号を入力することが可能で、その選択はキー操作中のポインティングデバイスの移動方向によって行われる。
【0015】図4は文字の選択手順を示すフローチャートである。いずれかのキー(図ではボタンと表示されている)が押されたことが検出されると、操作開始位置の座標と各キーの表示座標範囲との比較により、押された文字キーの種類すなわち、「あかさたなはまやらわ」のどの行が選択されたかが認識される。そして最初のペンタッチすなわちキー操作開始位置の座標がペン操作開始位置記憶エリア7に記憶される。次にペンが離されるのを待ち、ペンが離されたときの座標をペン操作終了位置記憶エリア8に記憶する。次にペンが離されたときの座標が最初にペンが押されたときのキーの表示エリアの範囲内であるかどうかがチェックされ、もし当該キーの表示範囲内(ボタンの内部)であれば、当該キーの第1段に割り当てられている文字を選択する。ペンが離された座標がボタンの表示範囲外であれば、ペン操作開始位置とペン操作終了位置との座標からぺンの横方向移動と縦方向移動の大きさを比較し、横方向移動が大きければ右移動か左移動かを判別して、右移動であれば第2段の文字を、左移動であれば第4段の文字を選択する。一方横方向移動より縦方向移動が大きいときは、上方移動か下方移動かを判別し、下方移動であれば第3段の文字を、上方移動であれば第5段の文字を選択する。すなわち押されたキーと、キーが押された後のポインティングデバイスの移動方向とから、文字選択テーブルに配置された文字のうちの1個が選択されることになる。この操作を繰り返すことにより、所望のかな文字列が入力される。
【0016】文字入力補助キー4は、文字を選択した後タップすることによって、濁音や半濁音に変換できる文字であれば、清音、濁音、半濁音、清音のように変換し、拗音や促音に変換可能な文字であれば、タップすることによって拗音や促音に変換する。またタップした後左移動でバックスペース、右移動でスペース、下移動で句読点の入力を行わせるようにする。このようにして所望のかな文字列が入力されたら、漢字変換キー5をタップして漢字かな混じり文に変換する。
【0017】図5ないし8はこの発明の第2実施例を示したもので、図5はそのブロック図である。この第2実施例のものは第1実施例の入力タッチパネル2に代えてキーボード12が用いられている。このキーボード12は、携帯端末用の小型のキーボードで、その文字入力キー3には、1個のキーに対して上下左右の辺近くに偏倚させて4個の接点14ないし感圧センサが設けられ、中央にキーを復帰させるための弾性圧縮部材15が配置されている(図6参照)。図5には各キーの4個の接点14を一列に並べて示しているが、実際の配置は図6に示すように各キーの下面の中心から上下左右に偏倚した4箇所の位置である。なお、この4箇所の配置位置は、キーの斜め方向4箇所の位置とすることもできる。
【0018】記憶装置6には第1実施例のような座標記憶エリアは設けられておらず、文字選択テーブルの記憶エリア9が設けられているのみである。文字選択テーブルは、第1実施例に図3で示したものと同じものでよい。
【0019】図8は第2実施例における文字選択手順を示すフローチャートである。いずれかのキーが押されると、そのキーに割り当てられている行、すなわち「あかさたなはまやらわ」のどの行が選択されたかが認識される。次にキーが離されるのを待ち、キーが離されたときにどの接点が接触していたかにより制御を分岐させる。複数接点が同時に離れたとき(僅かの時間差で複数接点が離れたときを含む)は、当該キーの第1段に割り当てられている文字を選択する。他の接点が離れたあと時間をおいて、最後に右接点が離れたときは第2段の文字を、最後に下接点が離れたときは第3段の文字を、最後に左接点が離れたときは第4段の文字を、最後に上接点が離れたときは第5段の文字を選択する。すなわち押されたキーと、キーを押した後の指の前後左右への力の掛けかたから、文字選択テーブルに配置された文字のうちの1個が選択されることになる。この操作を繰り返すことにより、所望のかな文字列が入力される。
【出願人】 【識別番号】598137364
【氏名又は名称】株式会社金沢エンジニアリングシステムズ
【出願日】 平成10年10月7日(1998.10.7)
【代理人】 【識別番号】100078673
【弁理士】
【氏名又は名称】西 孝雄
【公開番号】 特開2000−112636(P2000−112636A)
【公開日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【出願番号】 特願平10−285333