| 【発明の名称】 |
反射型液晶表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】増田 岳志
【氏名】角田 行広
【氏名】海老 毅
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| 【要約】 |
【課題】表示認識が容易でかつ表示品位の高い反射型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】光源41並びに上記光源41から光を入射する入射面42aと入射した光を反射型液晶セル30へ出射する出射面42bと上記出射面42bに対向する対向面42cとを有する導光体42を備えたフロントライト40を、上記導光体42の出射面42bから出射された光を制御する反射部材12を有する反射型液晶セル30の前面に備えた反射型液晶表示装置の導光体42の対向面42cに、防眩性を有する保護部材50を配置する。上記保護部材50の曇価は3.0%以上、25%以下である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】光源並びに上記光源から光を入射する入射面と入射した光を反射型液晶素子へ出射する出射面と上記出射面に対向する対向面とを有する導光体を備えた照明装置を、上記導光体の出射面から出射された光を制御する反射手段を有する反射型液晶素子の前面に備えた反射型液晶表示装置であって、上記導光体の対向面に防眩性を有する保護手段を備え、かつ、上記保護手段の曇価が3.0%以上、25%以下であることを特徴とする反射型液晶表示装置。 【請求項2】上記反射型液晶素子の画素が周期的に配置され、かつ、該画素に太陽光が入射される場合に、上記保護手段の曇価が5.0%以上、25%以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液晶モニタ付きビデオカメラ、モバイルコンピュータ、および情報表示システム等に用いられる反射型液晶表示装置に関するものであり、より詳しくは、補助光源として照明装置を反射型液晶素子の前面に備えた反射型液晶表示装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】液晶表示装置(Liquid Crystal Display:以下、LCDと称する)は、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、あるいはEL(Electro Luminescence)といった他のディスプレイとは異なり、液晶そのものは発光せずに、外部光源から照射された光の透過量あるいは反射光量を制御することによって文字や画像を表示する。このため、従来の液晶表示装置は、透過型LCDと、反射型LCDとに大別される。 【0003】透過型LCDは、透過型液晶セルにおける光の入射側と出射側とに各々偏光板が配置され、入射側の偏光板を介して入射した直線偏光の偏光状態を液晶層で変調し、出射側の偏光板を透過する光量を制御することで画像を表示する。このため、一般的には、入射側に、透過型液晶セルを後方(入射側)から照明するバックライトと呼ばれる照明装置が配置されて使用される。 【0004】一方、反射型LCDは、例えば一枚の偏光板と反射板とを備えた反射型液晶セルを備え、偏光板を介して入射した直線偏光が反射板で反射され、再度偏光板に到達する過程で、直線偏光の偏光状態が液晶層で変調されることによって偏光板を出射する光量が制御される。このため、周囲光を利用して表示を行うことが可能であり、バックライトを必要とせず、消費電力が少ないという利点がある。さらに、直射日光の当たるような非常に明るい場所では、発光型ディスプレイや透過型LCDは表示がほとんど見えなくなるのに対し、反射型LCDではより鮮明に見える。このため、反射型LCDは、近年益々需要が高まっている携帯情報端末やモバイルコンピュータに適用されている。 【0005】但し、反射型LCDは、上述した利点を有する一方で、以下のような問題点を有している。つまり、反射型LCDは周囲光を利用するので、表示輝度が周辺環境へ依存する度合いが非常に高く、特に、夜間等の暗闇では、表示が全く認識できないこともある。特に、カラー化のためにカラーフィルタを用いた反射型LCDや、偏光板を用いた反射型LCDにおいて、上述の問題は大きく、十分な周囲光が得られない場合に備えて補助照明が必要となる。 【0006】しかしながら、反射型LCDは、液晶層の背面に反射板が設置されており、透過型LCDのようなバックライトを用いることはできないことから、反射型液晶セルを前方から照明するフロントライトと呼ばれる照明装置が、従来より、補助照明として種々提案されている。 【0007】上記フロントライトは、一般的に、導光体と、上記導光体の側面に配置された光源とを備えている。上記導光体は、図7に示すように、例えば、光源101から光を入射する入射面102aと入射した光を出射する出射面102bと上記出射面102bに対向する対向面102cとを備え、対向面102cに、伝搬部102dと反射部102eとからなる周期構造が形成されている。 【0008】上記構成を有するフロントライトでは、入射面102aから入射した光源101からの光は、直接、または、出射面102bや対向面102cの主に伝搬部102dで全反射され、導光体102内部を伝搬して対向面102cの主に反射部102eに到達し、出射面102bに向かって反射され、出射面102bから、反射型液晶セル103側へ出射することにより、光源101からの光が反射型液晶セル103に照射される。 【0009】そして、反射型液晶セル103に照射された光は、該反射型液晶セル103を構成する例えば偏光板103aおよびガラス基板103bを介して液晶層103cを透過しながら表示情報に応じて調光され、液晶層103cの背面側に設けられたガラス基板103eと液晶層103cとの間に配置された反射板103dで反射されることによって、再び導光体102を透過して観察者側へ出射される。これにより、観察者は、周囲光量が不十分なときでも、表示の認識が可能となる。 【0010】尚、このようなフロントライトは、例えば特開平5−158034号公報、SID DIGEST P.375(1995)等に開示されている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のフロントライトを備えた反射型LCDは、以下の問題点を有している。つまり、反射型LCDにフロントライトを配設する場合、フロントライトが反射型液晶セル103前面に配設されることから、図7に示すように反射型液晶セル103が偏光板103aを有するタイプであったとしても、導光体102の対向面102cは剥き出し状態にあることから、周囲光が、導光体102の対向面102cで反射することによって周囲の景色の映り込みが発生し易くなる。また、剥き出し状態にある導光体102の対向面102cが汚れたり破損し易くなり、この結果、フロントライトの光学性能や反射型液晶セル103の表示品位が損なわれるという問題を招来する。 【0012】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、表示認識が容易でかつ表示品位の高い反射型液晶表示装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記載の反射型液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、光源並びに上記光源から光を入射する入射面と入射した光を反射型液晶素子(反射型液晶セル)へ出射する出射面と上記出射面に対向する対向面とを有する導光体を備えた照明装置(フロントライト)を、上記導光体の出射面から出射された光を制御する反射手段を有する反射型液晶素子の前面に備えた反射型液晶表示装置であって、上記導光体の対向面に防眩性を有する保護手段(保護部材)を備え、かつ、上記保護手段の曇価が3.0%以上、25%以下であることを特徴としている。 【0014】反射型液晶素子前面に照明装置を備えた反射型液晶表示装置は、周囲光量が不十分なときでも表示の認識が可能となるが、照明装置における導光体の対向面が剥き出し状態となる。しかしながら、保護手段が該導光体の対向面に配置されることによって、導光体の対向面を保護し、該対向面の汚れや破損を防止することができる。また、上記保護手段の曇価が最適化されていることで、表示の解像度やコントラストを低下させることなく保護手段の表面での反射光を低減し、透過率を向上させて周囲の景色の映り込みを低減することができる。従って、上記の構成によれば、表示認識が容易でかつ表示品位の高い反射型液晶表示装置を提供することができる。 【0015】本発明に係る請求項2記載の反射型液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の反射型液晶表示装置において、上記反射型液晶素子の画素が周期的に配置され、かつ、該画素に太陽光が入射される場合に、上記保護手段の曇価が5.0%以上、25%以下に設定されていることを特徴としている。 【0016】上記の構成によれば、反射型液晶素子の画素が周期的に配置され、かつ、例えば反射手段が凹凸構造を有する場合や反射手段表面が平坦であり反射型液晶素子の対向電極基板に拡散シートが設けられていない場合等、上記反射型液晶素子の画素に太陽光が拡散されずにそのまま入射される場合に、導光体の対向面に設置する保護手段の曇価を5.0以上とすることで、太陽光の拡散性を高め、干渉縞を発生し難くすることができる。従って、上記保護手段の曇価を5.0%以上、25%以下とすることで、干渉縞が発生し難く、しかも、周囲の景色の映り込みを低減することができ、かつ、表示の解像度やコントラストが良好である反射型液晶表示装置を提供することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。 【0018】本実施の形態に係る反射型液晶表示装置(反射型LCD)は、図1に示すように、反射型液晶セル30(反射型液晶素子)、フロントライト40(照明装置(補助照明))、および保護部材50(保護手段)を備えている。これら反射型液晶セル30、フロントライト40、および保護部材50は、筐体60に収納され、筐体60前面、即ち、観察者(使用者)側から、保護部材50、フロントライト40、反射型液晶セル30の順で配置されている。 【0019】反射型液晶セル30は、図1に示すように、一対の電極基板31a・31bにより液晶層32を挟持し、さらに、表示面側である電極基板31b側に位相差板33と偏光板34とを備えると共に、上記電極基板31bに対向して設けられた液晶層32の背面側の電極基板31aが、基本的に、ガラス基板1上に反射部材12(反射手段)を備えた構成を有している。 【0020】以下、反射型液晶セル30の構成について、図5を参照して詳細に説明する。図5は反射型液晶セル30のスイッチング素子近傍の概略構成を示す断面図である。 【0021】電極基板31aには、光透過性を有するガラス基板1上に、互いに絶縁性を保持し、かつ直交する図示しない走査線および信号線が配置され、これら走査線および信号線が交差することによって形成される各画素領域に、液晶を駆動するためのスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(以下、TFTと称する)2…が配置されている。該TFT2は、ゲート電極3、ゲート絶縁膜4、半導体層5、オーミック層としてのn+ a−Si層6・7、ソース電極8、およびドレイン電極9を順次積層することにより構成されている。上記構成において、ゲート絶縁膜4はガラス基板1上に形成されたゲート電極3を覆うように形成され、このゲート絶縁膜4を介して、上記ゲート電極3上に半導体層5が形成されている。この半導体層5のソース部側にはn+ a−Si層6を介してソース電極8が形成され、ドレイン部側にはn+ a−Si層7を介してドレイン電極9が形成されている。 【0022】上記TFT2…の表面は、層間絶縁膜10によって覆われ、該層間絶縁膜10上には、液晶層32を駆動する液晶駆動電極と反射手段とを兼ねる反射画素電極としての反射部材12…が、マトリクス状に配置されている。この反射部材12は、上記層間絶縁膜10を貫くコンタクトホール11を介して上記ドレイン電極9に接続されている。また、ゲート電極3およびソース電極8は、各々、走査線、信号線に接続されている。 【0023】また、上記層間絶縁膜10の表面には複数の凹凸部10aが形成されており、この層間絶縁膜10を覆っている反射部材12の表面にも複数の凹凸部12aが形成されている。さらに、上記反射部材12上には、該反射部材12を覆うように、ラビング処理が施された液晶配向膜13が形成されている。 【0024】上記の反射部材12としては、例えば反射特性の優れたアルミニウム(Al)反射電極等が用いられる。また、上記層間絶縁膜10は有機レジストにて形成され、上記層間絶縁膜10におけるコンタクトホール11や凹凸部10a・12aは例えばフォトリソグラフィーにより形成される。上記電極基板31aにおける反射電極12上に形成されている凹凸部12aのパターン(即ち、層間絶縁膜10の凹凸部10aのパターン)は、不規則に形成することによって、反射型液晶セル20に入射する入射光を特定方向に拡散反射するように形成している。 【0025】尚、上記電極基板31aを構成する各部材の材質や形成方法等は、特に限定されるものではなく、従来公知の材料および常用の方法を用いることができる。 【0026】一方、液晶層32を挟んで上記電極基板31aに対向して設けられた電極基板31b(対向電極基板)は、例えば、光透過性を有するガラス基板21上に、カラーフィルタ22およびブラックマトリクス23が形成され、その上に、図示しないオーバーコート膜等を介して、反射画素電極としての反射部材12に対向すると共に透光性を有する対向電極24が設けられ、該対向電極24を覆うように、ラビング処理が施された液晶配向膜25が形成されている。上記のカラーフィルタ22は、反射画素電極としての反射部材12毎に配置される赤(R)・緑(G)・青(B)の各色のカラーフィルタを含んでなる。これらR・G・Bの各色のカラーフィルタは、上記反射画素電極としての反射部材12に対応して、画素の水平方向、即ち、走査線が形成されている方向に沿って順に配置されている。 【0027】電極基板31a・31bは、液晶配向膜13・25が対向すると共に、ラビング処理の方向が平行且つ逆向き(いわゆる反平行)になるように配置され、接着剤等を用いて貼り合わされ、その空隙に液晶を導入することにより、液晶層32が形成されている。 【0028】さらに、表示側の電極基板31bにおけるガラス基板21の外側には、位相差板33および偏光板34が配置されるが、上記位相差板33は、図1および図5に示すように1枚のみ備えられていてもよく、2枚以上であってもよく、また、備えられていなくてもよい。 【0029】次に、上記反射型液晶セル30の前面に配置されるフロントライト40の構成並びに該フロントライト40の動作原理について、図1および図2を参照してより詳細に説明する。 【0030】フロントライト40は、主として光源41および導光体42によって構成されている。光源41としては、例えば蛍光灯(蛍光管)等の線状光源を用いることができる。また、導光体42は、均一に減衰無く導光でき、屈折率が適当な値を有する透明樹脂やガラス等を適宜用いて、例えば射出成形により形成することができる。上記の透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートや、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等を用いることができる。 【0031】光源41は、図1および図2に示すように、導光体42の側面に沿って配設されている。これにより、導光体42は、光源41配設側の側面を入射面42aとし、該入射面42aにおいて、光源41から光を入射するようになっている。さらに、導光体42は、入射した光を被照明物である反射型液晶セル30へ出射する出射面42bと上記出射面42bに対向する対向面42cとを備えている。導光体42の出射面42b、即ち、液晶セル30側の界面は平坦に形成されている。一方、対向面42cには、傾斜部42dと、該傾斜部42dとは逆方向に傾斜する傾斜部42eとが交互に配置されてなる複数の凹凸部42fを有している。 【0032】上記凹凸部42fにおいて、傾斜部42dは、主として、光源41からの光を伝搬する伝搬面として作用する。一方、傾斜部42eは、主として、光源41からの光を反射し、出射面42bに向けて出射する反射面として作用する。 【0033】ここで、フロントライト40の動作原理について説明する。光源41から入射面42aを介して導光体42へ入射した光は、導光体42内で、図2に示すように、大きく分けて二通りの挙動を示す。一つは、光源41から入射面42aを介して導光体42へ入射した光は、対向面42cに形成された凹凸部42fの傾斜部42e(反射面)に直接到達し、出射面42bに向かって反射され、該出射面42bから反射型液晶セル30へ出射する。二つめには、光源41から入射面42aを介して導光体42へ入射した光は、出射面42bによって全反射されたり、対向面42cに形成された凹凸部42fの傾斜部42d(伝搬面)で全反射され、導光体42内部を伝搬する過程で、導光体42の対向面42cに形成された凹凸部42fの傾斜部42e(反射面)に到達し、出射面42bに向かって反射され、該出射面42bから反射型液晶セル30へ出射する。このように、光源41から導光体42への入射光の殆ど全ての成分は、傾斜部42eで反射され、出射面42bを通って反射型液晶セル30へ出射する。 【0034】反射型液晶素子30は、その反射電極12により、導光体42の出射面42bから出射された光、あるいは、周囲から入射した光を受け、その反射率を画素毎に制御することによって画像を表示する。 【0035】本実施の形態では、上記導光体42の対向面42cは、図1および図2に示すように、傾斜部42d…および傾斜部42e…からなる凹凸部42f…が、光源41の長手方向を法線とする断面において、光源41から遠ざかるほど下がってゆく階段状に形成されている。このように導光体42の対向面42cが階段状に形成されていれば、入射面42aから入射した光のうち、入射面42aに垂直な成分は、全て、反射面である傾斜部42eに直接入射して出射面42bへ向けて反射する。これにより、入射面42aに対向する面からの導光体42外部への光の出射を抑制し、光の損失を抑制することで、光の利用効率を高めることができる。 【0036】また、上記凹凸部42fは、反射型液晶セル30の画素の水平方向、即ち、走査線形成方向と特定の角度をなすように設けられている。以下に、上記凹凸部42fと反射型液晶セル30の画素との関係について、図3および図4を参照して説明する。 【0037】反射型液晶セル30の画素の配列パターンは、図3に示すようにストライプ配列であり、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の各カラーフィルタ22に対応した画素が、走査線形成方向である水平方向と信号線形成方向である垂直方向に繰り返されて構成されている。 【0038】このように反射型液晶セル30の画素がマトリクス状である場合、画素の周期により光の干渉が生じ、モアレ縞と呼ばれる明暗縞が発生し、反射型液晶セル30の表示品位を著しく劣化させる原因となる。 【0039】しかしながら、導光体22の凹凸部42fを反射型液晶セル30の画素とある特定の角度をなす方向に形成することによって、モアレ縞の周期が短くなり、やがて観察されなくなる。 【0040】図4は、このような現象によってモアレ縞が観察されなくなる導光体凹凸周期(凹凸部42fの周期であり、傾斜部42d・42d間または傾斜部42e・42e間の間隔に等しい)と、凹凸部42fが反射型液晶セル30の画素の水平方向に対してなす角度との関係を示すグラフであり、導光体42の凹凸部42fを、図4に示すグラフにおける太線で示す条件を満たすように形成することで、モアレ縞の発生を防止することができる。 【0041】次に、保護部材50について図1を参照して以下に説明する。上記保護部材50は、導光体42の前面、即ち、導光体42の対向面42cに配置され、上記導光体42の対向面42cを保護するようになっている。 【0042】つまり、照明装置を備えた反射型LCDは、反射型液晶セルが偏光板を備えた構成であったとしても、反射型液晶セル前面に照明装置が配置されることにより、反射型LCD表面、即ち、照明装置における導光体の対向面が剥き出し状態となる。このため、周囲光が、導光体の対向面で反射することによって周囲の景色の映り込みが発生し易くなったり、剥き出し状態にある導光体の対向面が汚れたり破損し易くなり、照明装置の光学性能や反射型液晶セルの表示品位が損なわれるという問題を招来する。特に、照明装置における導光体の対向面に凹凸や段差が形成されている場合には顕著である。 【0043】そこで、本発明では、反射型液晶セル30前面に配置されたフロントライト40における導光体42の対向面42cに保護部材50を配置し、導光体42の対向面42cを保護することで、該対向面42cの汚れや破損を防止し、反射型液晶セル30の表示品位の低下を防止している。 【0044】上記保護部材50は、防眩性を有し、例えば、図1に示すように、透明樹脂やガラス等からなる、シート状、フィルム状、または板状の透明基材51上に防眩層52が積層された構成を有している。 【0045】上記透明基材51に用いられる透明樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロースブチレート、ポリスチレン、ポリカーボネート等、透明性を有する従来公知の樹脂を用いることができる。 【0046】上記の防眩層52は、例えば、透明基材51表面に、プラスチックビーズ等のマット材をバインダー樹脂に添加した防眩性塗料を塗布して防眩性塗膜を形成する方法(方法1)により形成することができる。上記防眩層52の他の形成方法としては、表面に微細な凹凸を有するマット状の賊型フィルムを用いて透明基材51表面に凹凸形状(賊型)を形成する方法(方法2)や、上記方法1と方法2とを併用する方法(方法3)等を採用することができる。 【0047】上記防眩層52上には、干渉作用によって反射エネルギーを低下させる反射防止層(図示せず)がさらに形成されていてもよい。該反射防止層は、例えば、MgF2 、SiO2 等の金属化合物を、膜厚約1μmとなるように蒸着またはスパッタリングすることにより形成することができる。 【0048】そして、このように防眩層52や反射防止層が形成された保護部材50は、ハード性を付与すべく、ハードコートがなされていることが好ましく、具体的には、透明基材51上に反応硬化型樹脂を塗布したり、防眩層52のバインダー樹脂に反応硬化型樹脂を用いる等の方法でハード性を付与することが好ましい。本発明でハード性とは、JIS K 5400に示される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものを示す。 【0049】また、本発明では、JIS K 7105に基づいて測定した上記保護部材50の曇価(ヘイズ(Haze)値)が、3.0%以上、25%以下、好ましくは5.0%以上、25%以下、さらに好ましくは6.0%以上、15%以下となるように設定されている。上記のヘイズ値が3.0%未満であると、高い解像度や高いコントラストを維持することはできても、周囲の景色の映り込みを減少させることができない。一方、ヘイズ値が25%を越えると、光拡散性が高くなり、周囲の景色の映り込みは低減されるが、表示の解像度やコントラストを著しく低下させてしまう。 【0050】尚、国際公開特許公報WO95/31737号には、各種表示装置に用いられる防眩性フィルムについて、画像の解像度やコントラストの低下を起こすことなく防眩高価を発揮させるため、防眩フィルムのヘイズ値を3.0%〜35%に設定することが望ましいことが開示されている。 【0051】しかしながら、上記の防眩性フィルムを本発明の反射型LCDに適用しても、ヘイズ値の範囲が適切でないため、表示画像のコントラストが低下したり、干渉が起こる等、かえって表示が見え難くなるという問題を招来する。 【0052】つまり、国際公開特許公報WO95/31737号では偏光板に防眩性フィルムを配置しているように、従来、防眩フィルムは液晶素子の基板に配置されていた。 【0053】ところが、本発明では、導光体42の対向面42cに配置される保護部材50が防眩性を有する構成であるため、上記従来の防眩フィルムをそのまま適用したのでは、導光体42の厚みの分、光拡散性が強くなって表示の解像度を低下させてしまう。さらに、反射型液晶セル30のカラー表示、つまり、反射型液晶素子のカラー表示(階調表示)は、透過型液晶素子のカラー表示や反射型液晶素子の白黒表示等に比べてコントラストが低い。 【0054】そこで、これらの点を検討した結果、本発明では、上記保護部材50のヘイズ値を3.0%以上、25%以下とすることで、周囲の景色の映り込みを低減し、かつ、表示の解像度やコントラストを良好に維持することができることが判った。 【0055】また、本発明の反射型LCDでは、反射型液晶素子の画素が周期的に配置され、かつ、該画素に太陽光が入射される場合には、導光体42の対向面42cに配置する保護部材50の曇価は、5.0以上(即ち、5.0以上、25%以下)とすることが好ましい。 【0056】つまり、図6に示すように、反射型液晶セル30が、反射画素電極である反射部材12がマトリクス状に形成されたアクティブマトリクス型の反射型液晶セルである場合等、反射型液晶素子の画素が周期的に配置されている場合に、反射光を散乱させることによってペーパーホワイト表示すべく反射部材12の凹凸部12aのように反射手段に多数の微小な突起が形成されているときには、太陽光のように平行度の高い周囲光のもとでは、このような凹凸構造と画素の周期とによる干渉縞が発生する。 【0057】その他にも、反射手段表面が平坦である場合でも、反射型液晶素子の表示面側の電極基板(対向電極基板)に拡散シートが設けられていない場合には、太陽光のように平行度が高い光(周囲光)は拡散されずにそのまま入射されて干渉縞を発生する。 【0058】そこで、反射型液晶素子の画素が周期的に配置され、かつ、本実施の形態に示すように反射板あるいは反射画素電極等の反射手段が凹凸構造を有する場合や、反射手段表面が平坦であっても反射型液晶素子の表示面側の電極基板に拡散シートが設けられていない場合等のように、反射型液晶素子の画素に太陽光が入射される場合(つまり、干渉光の発生原因を有する場合)に、導光体42の対向面42cに設置する保護部材50のヘイズ値を5.0以上とすることで、太陽光の拡散性を高め、干渉縞を発生し難くすることができる。この結果、太陽光のように平行度の高い周囲光のもとでも干渉縞が発生し難く、しかも、周囲の景色の映り込みを低減することができ、かつ、表示の解像度やコントラストが良好である反射型LCDを提供することができる。 【0059】また、上記保護部材50のヘイズ値を6.0%以上、15%以下に設定すれば、反射型液晶素子の表示がどのようなものであったとしても、例えば階調表示であったり自然画等を表示するものであったとしても、最適な表示を得ることできる。しかしながら、上記保護部材50のヘイズ値が15%よりも高ければ、低解像度の文字や図面、色数の少ないマルチカラーの表示であれば問題ないが、階調表示や自然画等の表示に適用した場合、コントラストの低下によって霞んだ表示となる傾向にある。また、上記保護部材50のヘイズ値が6.0%未満であれば、階調表示や自然画等の表示に適用した場合、高い解像度や高いコントラストを維持することはできても、干渉縞が目立ったり表面反射が目立ち、表示が見難くなる傾向にある。 【0060】つまり、本発明では、上記保護部材50のヘイズ値が最適化されていることで、表示の解像度やコントラストを低下させることなく、保護部材50の表面での反射光を低減し、透過率を向上させて周囲の景色の映り込みを低減することができる。従って、表示認識が容易でかつ表示品位の高い反射型LCDを提供することができる。 【0061】本発明の反射型LCDは、反射型液晶セル30の前面に、フロントライト40が配置され、さらにその前面に保護部材50が配置されて製造される。 【0062】上記反射型液晶セル30の前面にフロントライト40を配置する際には、反射型液晶セル30の偏光板34上に上記フロントライト40の導光体42が積層される。光源41は、導光体42の入射面42aに対向するように配置される。 【0063】尚、反射型液晶セル30の偏光板34と導光体42との間には、スペーサ(図示せず)が予め散布されることにより、このスペーサの粒径にほぼ等しい均一な厚みで空隙が形成されている。つまり、導光体42の界面は、光学的には、ポリメチルメタクリレートと空気層との界面に相当する。尚、この空隙は、光の波長の約100倍程度の厚みを持つため、空隙による干渉等の発生は抑えられている。 【0064】さらに、上記保護部材50は、導光体42の対向面42cに対向するように配置され、これら保護手段50、フロントライト40、および反射型液晶セル30が前記筐体60に収納される。また、上記保護部材50は、筐体60の開口部近傍に突部60aを設けることによって保護部材50を導光体42の対向面42cに押し付けることによって固定される。 【0065】尚、上記保護部材50の固定方法としては、これに限定されるものではなく、突部60aの代わりに、ゴムシート等の弾性体を設置することによって、この弾性体に突部60aと同様の機能を持たせて保護部材50を固定してもよい。 【0066】上記の工程により、保護部材50が導光体42の対向面42cに配置され、導光体42の対向面42cにおける凹凸部42fを保護するとともに、反射型液晶セル30の表示品位を劣化させることなく周囲の景色の映り込みを低減させることができる反射型LCDを得ることができる。 【0067】上記構成を有する反射型LCDでは、上述したように、導光体42の入射面42aから入射した光源41からの光は、直接、または、出射面42bや対向面42cの傾斜部42dで全反射され、導光体42内部を伝搬して対向面42cの傾斜部42eに到達し、出射面42bに向かって反射され、出射面42bから、反射型液晶セル30側へ出射することにより、光源41からの光が反射型液晶セル30に照射される。 【0068】そして、反射型液晶セル30に照射された光は、該反射型液晶セル30を構成する偏光板34、位相差板33、および電極基板31bを介して液晶層32を透過しながら表示情報に応じて調光され、液晶層32の背面側に設けられた反射部材12で反射されることによって、再び導光体42を透過して観察者側へ出射される。これにより、観察者は、周囲光量が不十分なときでも、表示の認識が可能となる。 【0069】この反射型LCDは、周囲光が不十分なときは、フロントライト40を点灯した照明モードで使用し、十分な周囲光が得られるときは、フロントライト40を消灯した反射モードで使用することができる。 【0070】さらに、上記の反射型LCDは、透過型LCDやCRT、PDP等の自発光型のディスプレイと比較して、より明るい表示が可能であるという利点がある。即ち、本実施の形態に係る反射型LCDでは、照明モードで使用する場合、フロントライト40からの補助光と周囲光とが、液晶セル30の反射部材12にて反射され、補助光と周囲光との和に相当する成分が観察者に認識される。これにより、暗い場所だけでなく例えば日中の屋外のような明るい場所でも、より明るい表示が実現される。 【0071】そして、本実施の形態に係る反射型LCDは、導光体42の対向面42cに防眩性を有する保護部材50を備え、かつ、上記保護部材50の曇価(ヘイズ値)が上述した範囲に設定されていることで、表示の解像度やコントラストを低下させることなく保護部材50表面での反射光を低減し、透過率を向上させて周囲の景色の映り込みを低減することができる。従って、本実施の形態に係る反射型LCDは、表示認識が容易でかつ表示品位が高いものとなっている。 【0072】尚、本実施の形態では、導光体42の対向面42が階段状になっている場合について述べたが、直線状になっている場合についても同様の効果が得られる。 【0073】また、本実施の形態では、画素の配列パターンとしてストライプ配列を行った場合について述べたが、デルタ配列であっても、同様の効果が得られる。さらに、ブラックマトリクスがあってもなくても同様の効果がある。 【0074】また、本実施の形態では、反射型液晶素子の画素がマトリクス状に形成された例として、液晶駆動電極(画素電極)を兼ねる反射手段である反射部材12がマトリクス状に形成されている場合について述べたが、例えば、反射手段が画素電極とは別個に設けられた反射板であり、画素電極がマトリクス状に形成された構成であってもよく、反射型液晶素子の画素をマトリクス状とするために必要な構成については特に制限されない。 【0075】ここで、上記反射型LCDの効果について検証した結果の一具体例について説明する。但し、本願の反射型LCDは、以下の具体例に限定されるものではなく、その構成およびヘイズ値は、上述した範囲で種々変更が可能である。また、以下の具体例に記載の反射型LCDの構成は、上述した実施の形態に記載した構成と同じである。 【0076】ここでは、上記反射型液晶セル30として、8.4型、画素サイズ89×270μm、画素数640×R・G・B×240のビデオグラフィックス配列(VGA:video graphics array)のものを使用した。また、光源41には、蛍光灯(蛍光管)を使用し、導光体42はポリメチルメタクリレートを用いて射出成形によって形成した。 【0077】また、上記の導光体42は、図4に示すグラフに従って、図2に示すように、傾斜部42dと傾斜部42eとからなる凹凸部42fの周期を500μmとし、該凹凸部42fが反射型液晶セル30の画素の水平方向とのなす角度を25°(deg) に設定した。 【0078】さらに、筐体60は、厚さ0.4mmのステンレスで形成し、保護部材50としては、日東電工株式会社製のTAC−AG30を使用した。TAC−AG30は厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムからなる透明基材51上に防眩層52を形成したフィルムであって、ヘイズ値は6.0%である。 【0079】この結果、得られた反射型LCDの解像度並びにコントラストの低下は見受けられず、また、周囲の景色の映り込みは、上記保護部材50を配置しない場合と比較して低減されていた。また、この反射型LCDでは、モアレ縞や干渉縞は観察されなかった。そして、上記の反射型LCDは、導光体42の対向面42c前面に保護部材50が配置されていることで、上記対向面42cに形成された凹凸部42fを汚れや破損から保護することができ、光学特性の劣化を防止することができた。従って、上記の具体例では、表示認識が容易でかつ表示品位の高い反射型LCDが得ることができた。 【0080】〔比較例〕保護部材50のヘイズ値が30%であるフィルムを使用して、上記の具体例と同様にして比較用の反射型LCDを作製した。この結果、周囲光の映り込みは発生しないが、コントラストの低下が大きく、霞んだ表示になった。 【0081】 【発明の効果】請求項1記載の発明に係る反射型液晶表示装置は、以上のように、光源並びに上記光源から光を入射する入射面と入射した光を反射型液晶素子へ出射する出射面と上記出射面に対向する対向面とを有する導光体を備えた照明装置を、上記導光体の出射面から出射された光を制御する反射手段を有する反射型液晶素子の前面に備えた反射型液晶表示装置であって、上記導光体の対向面に防眩性を有する保護手段を備え、かつ、上記保護手段の曇価が3.0%以上、25%以下である構成である。 【0082】上記の構成によれば、保護手段が導光体の対向面に配置されることによって、導光体の対向面を保護し、該対向面の汚れや破損を防止することができる。また、上記保護手段の曇価が最適化されていることで、表示の解像度やコントラストを低下させることなく保護手段の表面での反射光を低減し、透過率を向上させて周囲の景色の映り込みを低減することができる。従って、上記の構成によれば、表示認識が容易でかつ表示品位の高い反射型液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。 【0083】請求項2記載の発明に係る反射型液晶表示装置は、以上のように、上記反射型液晶素子の画素が周期的に配置され、かつ、該画素に太陽光が入射される場合に、上記保護手段の曇価が5.0%以上、25%以下に設定されている構成である。 【0084】上記の構成によれば、反射型液晶素子の画素が周期的に配置され、かつ、該画素に太陽光が入射される場合に、導光体の対向面に設置する保護手段の曇価を5.0以上、25%以下とすることで、請求項1に記載の効果に加えて、太陽光の拡散性を高め、干渉縞を発生し難くすることができるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月9日(1998.7.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080034 【弁理士】 【氏名又は名称】原 謙三
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| 【公開番号】 |
特開2000−29008(P2000−29008A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月28日(2000.1.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−194528 |
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