| 【発明の名称】 |
液晶表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】智者 哲也
【氏名】村上 晃
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| 【要約】 |
【課題】液晶表示パネルに対して、適度な熱を加えて液晶の応答速度を高めながら、必要以上の熱を与えないようにする。
【解決手段】液晶表示パネル2を保持する上ベゼル51と、液晶表示パネル2に向けて光を出射する導光板6、この側方に配された光源5および導光板6の裏面側に配された反射板7を保持する下ベゼル60とを連結した構造にして、導光板6の光出射部57を液晶表示パネル2に近接あるいは接触させる。導光板6の光出射部57の外側に形成された長溝56に枠体50が嵌め込まれ、光源5から熱が液晶表示パネル2に直接伝わらないように断熱して、光出射部57から液晶表示パネル2に光源5からの熱を伝達する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶表示パネルと、これを保持する第1保持体と、前記液晶表示パネルに向けて光を出射する導光板と、この側方に配された光源と、前記導光板の裏面側に配された反射板と、前記導光板、光源および反射板を保持する第2保持体とを備え、前記導光板の光出射部が前記液晶表示パネルに近接あるいは接触するように前記第1保持体と第2保持体とが連結され、前記光源から熱が前記液晶表示パネルに直接伝わらないように断熱する断熱手段が設けられ、前記光源からの熱は前記光出射部から液晶表示パネルに伝達されることを特徴とする液晶表示装置。 【請求項2】 導光板の光出射部の外側に長溝が形成され、光源の上方および前記光出射部の周囲を覆う枠体が前記長溝に嵌め込まれ、前記枠体の上方に液晶表示パネルの周縁が配置され、前記枠体が、前記光源と液晶表示パネルの周縁とを断熱する断熱手段とされたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。 【請求項3】 液晶表示パネルは、周縁に回路基板を有し、該回路基板と枠体との間に、断熱性および弾力性を有するスペーサが設けられたことを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。 【請求項4】 光源は、第2保持体に着脱自在とされたホルダー内に収納され、該ホルダーは、前記光源の熱を蓄熱できるように厚肉とされたことを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置。 【請求項5】 第1保持体と第2保持体とを着脱自在に連結する係合手段が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器、AV機器および広告表示器等の表示装置に用いられる液晶表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】液晶表示装置の液晶表示パネルは、樹脂フィルムやガラス板等からなる一対の透明基板の間に液晶を注入し、両基板の内面にITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極を形成した構造となっている。そして、対向する透明電極に電圧を印加することにより、この対向する透明電極間にある液晶が応答し、つまりその液晶の配列を変化させて画像を表示する。 【0003】このような液晶表示装置における液晶の温度に対する応答時間は、温度が低くなる程応答時間が長く、すなわち応答速度が遅くなる。したがって、周囲温度が低い環境で液晶表示装置を使用すると、表示すべき画像の動きに対して液晶の応答速度が遅くなり、画質の低下が著しく、周囲温度が高い場合に比較して表示性能が低下する。 【0004】単純マトリックスSTN液晶は、アクティブマトリックスのTN液晶に比べ液晶分子が捩れているため、応答速度が遅いという欠点があり、従来から単純マトリックス液晶の応答速度を高めるために液晶に熱を加える対策が講じらてきた。この液晶表示パネルの応答時間性を高める対策として、下記のようになされてきた。 【0005】まず、従来の液晶表示装置の構造としては、図9〜11に示すように、照明装置1と液晶表示パネル2とに分離され、照明装置1と液晶表示パネル2を覆うように上ベゼル3を被せ、照明装置1を装着した下ベゼル4に上ベゼル3をヒンジでかしめ固定した一体化構造をとっている。 【0006】照明装置1は、光源5と、光源5からの光を液晶表示パネル2へ導く導光板6と、光源5からの光を導光板6へ向けて反射する反射シート7と、光源5、導光板6および反射シート7を覆って互いに固定する枠体8とを備え、エッジライト方式とされている。光源5には、直管型の蛍光管、例えば熱陰極管(CCFT)、冷陰極管を用い、図9に示す単灯式光源の場合、導光板6の片側に近接して配置され、図12に示す多灯式光源の場合、導光板6の両側にホルダー9に装着されて近接して配置される。導光板6の裏面側には反射シート7が配され、さらに導光板6の裏面に乱反射部材10がドット状に形成されている。乱反射部材10としては、導光板6の裏面に直接凹凸をつけたり、ガラスビーズを配合したインクを印刷したりして形成され、また端部から中央に向かって密度が高くなっている。そして、導光板6の表面は開口11を有するプラスチック製の枠体8に覆われ、液晶表示パネル2の表示領域に対向する導光板6表面の領域が光出射部12とされる。 【0007】液晶表示パネル2は、液晶を一対のガラス基板13,14の間に封入し、両基板13,14の外面に偏光板15を貼り付けた液晶表示素子と、この周囲に設けられた回路基板16,17およびTCP(Tape Carrier Package)18とから構成されている。一方のガラス基板13には複数の信号電極が形成され、他方のガラス基板14には複数の走査電極が形成され、両電極はマトリックス状に重畳される。そして、信号電極に表示信号を供給するための信号側回路基板16が信号側TCP18によって信号電極ガラス基板13に接続され、走査電極に走査信号を供給するための走査側回路基板17が走査側TCP18によって走査電極ガラス基板14に接続されている。 【0008】この液晶表示パネル2は、枠体8の上面に案内部材19を介して位置決めされて取り付けられ、液晶表示パネル2の表面上に、表示窓20が形成された上ベゼル3を載置して、上ベゼル3を下ベゼル4に係合することにより液晶表示パネル2および照明装置1が保持される。 【0009】上記の液晶表示装置では、光源5で発生する熱を利用して、液晶に熱を加えている。すなわち、液晶表示パネル2と照明装置1とは一体化構造をとっているので、光源5からの熱は、光源5の上方にある枠体8を介して回路基板16,17へ伝達され、また導光板6を伝わって液晶表示パネル2へ伝達される。 【0010】光源の熱を利用する従来例1として、特開昭59−214074号公報では、図13に示すように、表示部に対応した表示窓21が形成された熱伝導部材の外枠体22で導光板23の両側の光源24と液晶表示パネル25を覆って、光源24の光を遮光すると共に液晶表示パネル25を支持するように構成されており、さらにこの外枠体22を液晶表示パネル25の表面に密着させて、光源24の熱を液晶表示パネル25に伝達するようにしている。この技術では、液晶表示素子の低温時における応答性の低下を配慮し、光源24の熱を外枠体22によって伝達することにより、液晶表示パネル25に光源24から熱を加えている。 【0011】次に、液晶表示パネルを加熱して応答時間の短縮化を図ることを目的とし、光源に代わる発熱源を使用して液晶表示パネルに熱を加え、液晶表示パネルと照明装置との間の空間を熱でこもらせた従来例2として、発熱素子や発熱パネルを使用して、液晶表示パネルに熱を加えたり、液晶表示パネルに設けたガラス電極端子の抵抗値を利用して、ジュール熱を発生させ液晶表示素子を加熱し、液晶応答時間を早めていた。 【0012】例えば、特開平8−171084号公報には、図14に示すように、ケース30内に装着された液晶表示パネル31の下面側に、透光性の発熱パネル32が設けられている。発熱パネル32の下側にはバックライトユニット33が設けられている。発熱パネル32は、透明な樹脂フィルム基板にITOからなる発熱用配線パターンを形成したものである。また、液晶表示パネル31の上面側に、発熱パネルを設けることもある。このように、液晶表示パネル31の直下に発熱素子や発熱パネル32を設けた構造にして、液晶表示パネル31の裏面から熱を加えていた。なお、34は光源、35は導光板である。 【0013】上記の各従来例のように、熱を直接液晶表示パネルに加えると、表示品位を損ねる可能性があるため、液晶表示パネルへの熱的影響を及ぼさない構造の従来例3として、例えば特開平3−50591号公報には、図15に示すように、一端部を光源40の周囲に直接密着させ、他端部を導光板41と導光板41裏面に設けられたフレーム42との間に挟み込むように熱伝導性シリコンゴムを使用した放熱部材43を設け、光源40の熱をフレーム42に伝導放熱させるとともに、光源40と液晶表示パネル44との間に断熱シート45を設置して、光源40の熱が直接液晶表示パネル44に加えられることを防いでいる。なお、46はキャビネットである。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来技術では下記の問題が生じる。すなわち、液晶の応答時間温度依存性を利用して、上記従来技術で示すように温度を上げることにより応答時間を早めていたが、その反面、温度が必要以上に加わりすぎて、液晶表示パネルの表示品位に影響を及ぼし、特に白ヌケなどの表示に関する発色ムラを生じ、表示品位に悪影響を及ぼしていた。 【0015】従来の上ベゼルで液晶表示パネルと照明装置を覆った構造では、上ベゼル内において光源からの熱や回路基板からの熱が蓄熱され、内部での温度が上がる。液晶表示装置の外部へ放熱される割合は、液晶表示装置内部で蓄熱される割合より低いため、この蓄熱が液晶表示パネルに影響を及ぼしていた。 【0016】具体的に言えば、回路基板を支持する枠体の下方に直接光源が配置されていると、光源から発生する熱が銅箔を配線に使用した熱伝導性および蓄熱性のある回路基板に伝達されてたまり、液晶表示パネルに対して必要以上の熱が伝わり、この熱は上ベゼル外部へ放散しにくく、結果的に照明装置の上部に蓄熱されてしまう。これは、液晶表示パネルを枠体で支持し、その上から照明装置ごと上ベゼルで覆う構造に起因するものであり、液晶表示パネルと照明装置との間の空間に熱の逃げ場所がないため、熱がこもっていくことになる。そのため、液晶表示パネル側へ熱的影響を及ぼし、白ヌケなどといった、表示品位を損ねる原因となる。 【0017】また、回路基板に蓄熱されることもあり、照明装置の上部での液晶表示パネル付近の熱分布は均等化を図ることができない。つまり、液晶表示パネルに熱が伝わりにくい状態になっている。 【0018】この従来構造における光源の熱による液晶表示パネル内での温度分布を図16,17に示す。図16は単灯式光源の場合、図17は4灯式光源の場合である。35℃の最低温度を基準として、導光板の長辺側両端面に光源を2灯ずつ設けた4灯式では30℃〜40℃の範囲でバラツキがあり、導光板の長辺端面に光源を1灯だけ設けた1灯式では25℃〜35℃の範囲でバラツキがある。この温度のバラツキが表示品位に影響し、また液晶表示パネルの熱分布が均一でなく、35℃を下まわるところが液晶表示パネルの中央に集中するため、顕著な応答速度の向上がみられない。 【0019】従来例1の液晶表示装置では、熱伝導部材の外枠体を液晶表示パネルに接触させて、光源の熱を外枠体を介して液晶表示パネルの端部付近より伝えることにより、液晶表示パネルの応答性を向上させようとしているが、液晶表示パネルに対して不均一に熱が伝わり、特に液晶表示パネルの周囲部に白ヌケ、表示ムラの生じる可能性がある。すなわち、光源の熱を熱伝導性のよい外枠体から液晶表示パネルに伝達しているが、まず液晶表示パネルの端部に伝わり、光源に近い部分の温度が上昇することにより、液晶表示パネルの中央と周囲との温度差によって液晶表示の発色のムラを生じる。また、照明装置と液晶表示パネルが外枠体で一体的に組み込まれているので、内部に熱がこもり易く、熱をうまく逃がせない構造になっている。 【0020】従来例2の液晶表示装置では、液晶表示パネルの裏面に発熱パネルを設けて、液晶表示パネルに熱を与える構造であるが、発熱パネルを組み込むことによる液晶表示装置自体の透過率低下の問題や、発熱させることによる消費電力の増加の問題が生じる。また、液晶表示パネルのガラス基板上に発熱素子を設けると、液晶表示パネルの良品率の低下が生じたり、発熱素子を別途設けることによってコストアップにつながる。 【0021】また、従来例3の放熱部材および断熱シートを設けて、液晶表示パネルの光源側端部の温度上昇を抑えたものでも、光源の熱を直接液晶表示パネルへ伝わらない方向に伝達させ放熱させているが、照明装置や液晶表示パネルは構造的に一体化されており、経時的にみれば液晶表示装置内部で熱が蓄熱されることになる。そのため、液晶表示パネルに必要以上に熱が伝わり、表示品位に蓄熱による悪影響が及ぼされる。 【0022】本発明は、上記に鑑み、液晶表示パネルに対して、適度な熱を加えることにより液晶の応答速度を高めながら、必要以上の熱を与えることのない構造を有する液晶表示装置の提供を目的とする。 【0023】 【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手段は、液晶表示パネルと、これを保持する第1保持体と、前記液晶表示パネルに向けて光を出射する導光板と、この側方に配された光源と、前記導光板の裏面側に配された反射板と、前記導光板、光源および反射板を保持する第2保持体とを備え、前記導光板の光出射部が前記液晶表示パネルに近接あるいは接触するように前記第1保持体と第2保持体とが連結され、前記光源から熱が前記液晶表示パネルに直接伝わらないように断熱する断熱手段が設けられ、前記光出射部から液晶表示パネルに光源からの熱を伝達するようにしたものである。 【0024】ここで、光源は液晶表示パネルの周縁の下方に位置しているので、断熱手段としては、光源の上方と液晶表示パネルの周縁との間に配された断熱性部材である。具体的には、光源の上方および導光板の光出射部の周囲を覆う枠体とされ、この枠体は、導光板の光出射部の外側に形成された長溝に嵌め込まれる。 【0025】上記の構造にすることによって、第1保持体に装着された液晶表示パネルと第2保持体に装着された照明装置とは、熱的に独立させることができる。しかしながら、導光板の光出射部と液晶表示パネルとの距離は短縮されるので、光源からの熱は光出射部を通してのみ液晶表示パネルに伝達されることになり、適度な熱が加えられて、液晶の応答速度が高まる。また、第2保持体内部に光源の熱は蓄熱されるが、第2保持体を熱伝導性のよい材料から形成することにより、外部に放熱され、必要以上の熱を与えることがなくなる。 【0026】そして、液晶表示パネルの周縁には熱伝導性および蓄熱性のある回路基板が存在しているので、回路基板と枠体との間に、断熱性および弾力性を有するスペーサが設けられる。これによって、枠体に蓄熱されても、回路基板には熱は伝達されず、第2保持体から第1保持体への熱伝達の防止となる。また、第1保持体と第2保持体とが外部からの衝撃により衝突したとしても、スペーサが緩衝材として働き、その衝撃が緩和され、両保持体および内部の部品を保護できる。 【0027】また、光源は第2保持体に着脱自在とされたホルダー内に収納されているので、取り扱いが容易となり、交換しやすくなる。しかも、ホルダーによって光源の熱が蓄熱され、液晶表示パネル、特にその回路基板への熱の伝達を防げる。 【0028】 【発明の実施の形態】本実施形態の液晶表示装置を図1〜3に示す。この液晶表示装置は、バックライトとしてエッジライト方式の照明装置1を有するものであり、液晶表示パネル2と、これを保持する第1保持体と、液晶表示パネル2に向けて光を出射する導光板6と、この側方に配された光源5と、導光板6の裏面側に配された反射板(反射シート)7と、光源5の上方および導光板6の周囲を覆う枠体50と、導光板6、光源5および反射板7からなる照明装置1を保持する第2保持体とを備えている。第1保持体と第2保持体とはそれぞれ別々に設けられ、両者は係合手段により着脱自在に連結される。これにより、各保持体は熱的に独立させることが可能となる。なお、図9,12に示した従来の液晶表示装置と同じ構成部材には同符号を付しいる。 【0029】液晶表示パネル2は、従来と同じ構成であり、第1保持体、すなわち上ベゼル51に着脱可能に装着されている。上ベゼル51は、液晶表示パネル2の周縁を支持する金属シャーシであり、その中央が表示窓52となっている。そして、液晶表示パネル2の長手方向と平行な両長辺側は、内方向に折り曲げられ、信号電極ガラス基板13の表裏面に取り付けられた案内部材53がそれぞれ上ベゼル51の内面に摺接して、液晶表示パネル2を上ベゼル51に対してスライド可能としている。上ベゼル51の一方の短辺側には挿入口54が形成されており、ここから液晶表示パネル2を着脱できる。また、液晶表示パネル2の信号側回路基板16および信号側TCP18は上ベゼル51に周囲を覆われ、走査側回路基板17および走査側TCP18も同様に上ベゼル51に周囲を覆われている。 【0030】光源5には、冷陰極管あるいは熱陰極管が使用され、熱を必要以上にいる場合は、熱陰極管を使用したり、冷陰極管を複数用いる。ここでは、4本の熱陰極管を使用して、導光板6の両側に長辺に沿って平行に、かつ導光板6の厚み方向に並べて配置している。そして、各光源5は、ランプホルダー55に保持されている。ランプホルダー55は、例えばポリカーボネート(PC)樹脂やABS(Acrylonitrile-butadiene-styrene)などの高反射性を有するプラスチックで断面コ字状に成形されている。 【0031】導光板6は、例えばポリメチルアクリレート(PMMA)樹脂等のアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明プラスチックを使用して凸型に成形され、光源5が配される長辺側の表面に長溝56が形成されている。したがって、導光板6の中央の突出した部分が液晶表示パネル2の表示領域に対向する光出射部57とされ、液晶表示パネル2の表示領域に対応する。 【0032】導光板6の裏面には、従来と同じ乱反射部材10がドット状に形成されている。さらに導光板6の裏面に配置された反射板7は、例えば酸化チタン(TiO2)、硫酸化バリウム(BaSO4)等の白色顔料にガラス、シリカ、ガラスビーズなどの反射材料を配合した塗料をポリエチレンテレフタレートからなる支持シートの片面もしくは両面に塗布したもの、あるいはポリエチレンテレフタレートからなる支持シートにアルミニウム、銀などを蒸着したものである。反射板7を配置する際には、導光板6の裏面との間に光拡散性を持たせるため空気層を設けるとよい。 【0033】なお、導光板6の表面上には光学部材を設けていないが、高輝度化の観点からレンズシート、拡散シートを導光板6上に設けることが可能である。すなわち、導光板6の光出射部57の表面に拡散シートを密接して配置し、拡散シート上にレンズシートを1枚または2枚配置する。拡散シートとしては、例えば透明樹脂に酸化チタンなどの光拡散材料を含有させた樹脂配合物からなるシートや、拡散剤含有塗料を透明シートの片面または両面に塗付したものである。 【0034】枠体50は、導光板6の光出射部57以外の表面を覆うような大きさの開口58を有した長方形の枠であり、開口周縁部59をABSなどの断熱樹脂で形成し、本体部分をポリカーボネート樹脂で形成している。そして、開口周縁部59が光出射部57の側面と若干の隙間をあけて長溝56に嵌まり込み、枠体50は導光板6に載置されることになり、この状態で光出射部57と枠体50とは同一高さである。また、枠体50は光源5の上方を覆うことになるが、この部分には断熱樹脂が使用されているので、この枠体50のうち開口周縁部59が断熱性部材としての機能を果たし、光源5から液晶表示パネル2の回路基板16,17に熱が直接伝導することを防止する。このような導光板6および枠体50の構造にすることによって、導光板6を液晶表示パネル2に近づけながら、光源5と液晶表示パネル2とを熱的に分離することができる。 【0035】そして、反射板7、導光板6、光源5および枠体50は、第2保持体、すなわち下ベゼル60に内装される。下ベゼル60は、上面が開放され四方を取り囲まれた金属シャーシである。短辺側の両端に、ランプホルダー55を挿入するために切り欠かれた挿通口61が形成され、ランプホルダー55は導光板6と下ベゼル60の側壁との間の空間に収納される。 【0036】この下ベゼル60と上ベゼル51とは係合手段により連結されており、係合手段としては、例えば図1に示すように、枠体50に上下一対の係合爪62を形成し、上ベゼル51および下ベゼル60に係合爪62が嵌まる係合孔63を形成して、枠体50を利用して両者を連結する。あるいは、上ベゼル51を枠体50を介して下ベゼル60にビスにより固定してもよい。また、図2,3に示すように、上ベゼル51の長辺側に下向きに突出したヒンジ64を形成し、下ベゼル60の長辺側側壁にヒンジ64を挿入可能な孔65を形成して、挿入されたヒンジ64の両端を内側に折り曲げることによって上ベゼル51と下ベゼル60とを係合する。 【0037】このように、上ベゼル51と下ベゼル60とが連結されたとき、上ベゼル51は枠体50上に載置される。そこで、枠体50上に、断熱性および弾力性を有するスペーサ66を設ける。スペーサ66は、断熱性を有した緩衝性のあるスポンジ系のもので、例えばシリコーン樹脂(商品名、ポロン)、ポリカーボネート樹脂(商品名、レキサン)を使用することができる。このスペーサ66を設けることによって、上ベゼル51と下ベゼル60を連結する際、両ベゼル51,60のたわみによる接触を減らし、外部から衝撃が加わっても互いの衝突による損傷を防ぐことができ、さらに断熱効果も得られる。 【0038】また、このとき、導光板6の光出射部57は液晶表示パネル2に近接しており、その間には光および熱を液晶表示パネル2に伝達するための伝達空間67が形成される。この距離は0.4〜1mmである。なお、このような伝達空間67を形成せず、両者が接触するように光出射部57の高さを設定してもよい。 【0039】次に、上記の液晶表示装置の組み立て方法を説明する。まず、上ベゼル1の挿入口54に液晶表示パネル2を挿入して、組み込む。また、下ベゼル60に、反射板7、導光板6を組み込んでいき、枠体50を長溝56に嵌め込んで導光板6の上に枠体50を載置する。そして、下ベゼル60の挿通口61から光源5を保持したランプホルダー55を差し込んで、光源5を下ベゼル60内に収納する。このように、液晶表示パネル2と照明装置1とはそれぞれ個別のユニットとして扱えるので、輸送形態において個別に搬送することができ、効率のよい輸送を行える。 【0040】その後、上ベゼル51と下ベゼル60とは、係合孔63に係合爪62を嵌めたり、ビスで固定したりして連結され、一体化される。両者を連結することによって、液晶表示装置の組み立てが完了し、導光板6の光出射部57と液晶表示パネル2とが向かい合って近接して配置される。 【0041】また、液晶表示パネル2や照明装置1に不良があった際、個別に修理することができ、さらに使用中にこれらに不具合が生じても上ベゼル51と下ベゼル60とは分離可能なので、容易に取り外して修理することができる。したがって、修理工数、コスト面の削減をすることができる。しかも、ランプホルダー55自体抜き差し型にしているため、光源5の交換も容易に行うことができる。 【0042】そして、図4に示すように、光源5から出射された光は、直接にまたはランプホルダー55で反射されて導光板6の側面から入射され、導光板6の裏面に設けられた反射板7と枠体50の開口周縁部59の裏面との間で反射が繰り返される。導光板6の光出射部57に導かれた光は伝達空間67を通って液晶表示パネル2へ出射される。ここで、導光板6の内部に入射した光は、反射板7によって全反射を繰り返しながら、導光板6の光出射部57の中央、つまり液晶表示パネル2の有効表示領域へ導かれるので、導光板6の光出射部57での面輝度均一化を図ることができる。また、導光板6の裏面の乱反射部材10は中心に向かって密度が高くなっているので、光源5からの光を光出射部57付近に集中的に集めることができる。なお、光源5を多灯式にしているので、光学的にも熱的にもバランスがとれている。この結果、導光板6には拡散シート、レンズ等の光学部材が必要なく、部品点数の削減や加工工程の簡素化を図ることができ、コストを低減できる。 【0043】具体的な光路としては、導光板6の側面から入射角θで導光板6内部に入射した光は、導光板6の屈折率を1.5とすると、スネルの法則により導光板6内部において、θ’=sin-1{(sinθ)/1.5} の角度で進行する。θ=−90゜〜90゜であるから、θ’=−42゜〜42゜となる。そして、導光板6内での臨界角φは、φ=sin-1(1/1.5)≒42゜であり、全反射条件:φ>42゜、屈折条件:φ≦42゜の基で、導光板6内を光が進行する。すなわち、導光板6の光出射部57において上記全反射条件を満たすならば、導光板6の裏面側に戻り、屈折条件を満たすならば、液晶表示パネル2側へ進行して行く。 【0044】次に、光源5から発生した熱の動きについて説明する。光源5から放射された熱のうち導光板6に伝達された熱は、内部を伝導されて光出射部57に達して、伝達空間67に放射され、液晶表示パネル2に伝達される。また、一部の熱は、導光板6内部を通らず、枠体50の開口周縁部59に沿って導光板6の長溝56との間を通り、直接伝達空間67に達し、液晶表示パネル2に伝達される。一方、ランプホルダー55に向かって放射された熱は、ランプホルダー55に伝達されて、その肉厚のために蓄熱されるとともに、下ベゼル60に伝達されて外部に放熱される。 【0045】ランプホルダー55の肉厚は、光源5の熱を蓄熱する効果があり、さらに上方の枠体50の開口周縁部59は断熱性を有しているため、ここでも蓄熱される。そのため、枠体50から伝熱性の高い回路基板16,17に光源5の熱は直接伝達されない。したがって、ランプホルダー55の肉厚によって熱容量が変わることから、これを利用して導光板6への熱の伝達量を調節することができ、液晶表示パネル2に必要以上の熱を加えすぎることを防げる。 【0046】ここで、熱は伝達空間67にこもるが、光出射部57と液晶表示パネル2との距離はできるだけ小さくされているので、熱は液晶表示パネル全体にわたって均一に伝わりやすい。すなわち、導光板6の光出射部57と液晶表示パネル2とを最近接させることにより、熱的な効果が上がる。なお、液晶表示パネル2と導光板6との間に拡散シート、レンズなどの光学部材が設けられている場合、これらはサイズ的に液晶表示素子よりも大きく設けられるので、蓄熱性を高める役割をし、液晶表示パネル2の均熱化に寄与する。 【0047】このように、光源5からの熱は伝達空間67に蓄熱され、また下ベゼル60へ伝わった熱は外部へ放散されるとともに、導光板6にも伝達され、伝達空間67に達する。したがって、上記液晶表示装置の構造によれば、液晶表示パネル2に伝えるべき熱は伝え、不必要な熱は上ベゼル51または下ベゼル60を介して外へ放散させるか、下ベゼル60内部に閉じ込めて一旦蓄熱しておき、適所すなわち光出射部57から液晶表示パネル2に対して適度な熱を放出することが可能とされる。また、液晶表示パネル2の周縁を断熱することにより、光出射部57以外のところからは熱が伝達されにくい構造となり、液晶表示パネル2に対して表示品位を損ねない程度の熱を加えることができ、必要以上の熱を加えることを防止できる。 【0048】そして、導光板6の両側に光源5を配することにより、大量の熱を液晶表示パネル2に加えることができ、液晶に素早く均一な温度を与え、液晶の応答時間を急速に早めることができる。したがって、光学的には輝度が向上し、熱的には均熱効果が得られる。 【0049】図5に液晶の応答時間と温度との関係を示す。この図では、応答時間温度依存性を示しているが、35℃付近で応答時間はほぼ一定となり、液晶表示パネル2に熱を加えることにより応答時間は200msから150msに短縮することができる。しかし、必要以上に液晶に熱が加わっても、応答時間の短縮にはならず、逆に液晶表示パネル2の表示品位に影響してくる。そのため、液晶の温度は、35℃から40℃の範囲にすれば、応答時間で50msの短縮化が図れる。 【0050】図6は、上記構造の液晶表示装置における液晶表示パネル2の表示領域の温度分布を示している。図に示すように、液晶表示パネル2上での温度分布は、中央部において35℃(応答速度最適温度)でほぼ均一になっている。つまり、表示領域内での液晶の応答速度を向上させることができ、温度分布バラツキが少なくなり、表示品位の均一性を保つことができる。 【0051】このように、光源5の熱を利用して液晶の応答速度を速くすることができるので、周囲温度が低い環境で使用しても表示性能が低下せず、しかも表示品位の良好な表示が得られる。したがって、このような環境での使用に適した液晶表示装置を提供することができる。 【0052】なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、単灯式の光源を用いた照明装置に上記の構造を適用してもよい。 【0053】また、光源5と液晶表示パネル2の回路基板16,17との間に配する断熱性部材としては、図7に示すように、下ベゼル60の上部を内側に折り曲げて枠体の代わりとし、下ベゼル60上に断熱性樹脂からなるスペーサ66を設ける。あるいは、図8に示すように、導光板6の光出射部57を液晶表示パネル2に接触させる場合、枠体50と上ベゼル51との間に断熱用空間68を形成し、さらに上ベゼル51に放熱用孔69を形成する。 【0054】 【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明によると、液晶表示パネルを保持する第1保持体と、照明装置を保持する第2保持体とが連結されることにより、導光板の光出射部が液晶表示パネルに近接あるいは接触する構造となり、しかも光源から熱が液晶表示パネルに直接伝わらないように断熱しているので、光出射部から液晶表示パネルに適度な熱を伝達することができる。したがって、液晶の応答速度を高めることができ、低温環境で使用しても、画質の低下を防止できる。しかも、光源の熱は第2保持体内部に蓄熱されたり、あるいはこれから放熱されるので、液晶表示パネルに必要以上の熱を加わらず、液晶表示パネルの温度分布のバラツキをなくすことができ、表示品位がよくなる。 【0055】そして、光出射部の外側に長溝を設けた、いわゆる凸形状に導光板をすることによって、光出射部は液晶表示パネルに近接あるいは接触され、光源の熱を有効にかつ均等に利用することができる。そのため、発熱パネル等の別部材を設ける必要がなく、簡単な構造にでき、小型化を阻害するものではない。 【0056】また、第1保持体と第2保持体とは互いに分離された構造となっているので、係合手段を設けることによって容易に連結して組み立てることができ、作業性がよくなる。そして、これらを輸送したり保管する場合には、それぞれ個別に輸送、保管でき、輸送効率がよくなったり保管スペースも少なくてすみ、コスト低減を図れる。しかも、故障等の不良が発生しても、簡単に分離できるので不良品の交換が容易である。さらに、光源をホルダー内に収納して、第2保持体に着脱自在としているので、交換頻度の多い光源の交換作業を容易に行うことができる。 【0057】また、エッジライト方式の照明装置では、光源の上方と液晶表示パネルの周縁との間に断熱性および弾力性を有するスペーサを設けることにより、熱伝導性および蓄熱性のある液晶表示パネルの回路基板に対する熱の伝達を防ぐことができ、液晶表示パネルに必要以上の熱が伝わず、しかも温度分布のバラツキもなくせる。そして、これは第1保持体と第2保持体との緩衝材となり、外部からの衝撃から両保持体および内部の部品を保護することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月10日(1998.7.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077780 【弁理士】 【氏名又は名称】大島 泰甫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−29004(P2000−29004A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月28日(2000.1.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−195311 |
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