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【発明の名称】 対物レンズ
【発明者】 【氏名】中村 信一

【要約】 【課題】小型になってもフレア除去効果を損なわないようにする。

【解決手段】光学部材の光学面の周縁に傾斜部を設けこの傾斜部に遮光手段を設け、この傾斜部を視野外光が保持部材の内面、光学部材の外周面にて反射して光学部材の光学面を通過する部分に位置するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光学部材が保持部材の内側に挿入保持されているレンズ系で、前記光学部材が光学面の周縁に傾斜部を有し、該傾斜部には遮光手段が設けられており、視野外光が前記保持部材の内面あるいは前記光学部材の外周面にて反射して光学部材の光学面を通過する部分に前記傾斜部が形成されていることを特徴とする対物レンズ。
【請求項2】 前記傾斜部を有する光学部材が平面又は凸面を有しこの平面又は凸面の周縁部に該傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1の対物レンズ。
【請求項3】 下記条件(1)、(2)を満足することを特徴とする請求項1又は2の対物レンズ。
(1) φ1<3mm(2) 0.6<φ2/φ1<0.95ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【請求項4】 物体側から順に、明るさ絞りと、像側の面が凸の第1の正レンズと、物体側の面が凸の第2の正レンズとを少なくとも備え、前記第2の正レンズが保持部材内に挿入保持されており、前記第2の正レンズがその物体側の面の周縁に傾斜部を有し、該傾斜部に遮光手段が設けられており、視野外光が前記保持部材の内面あるいは前記光学部材の外周面にて反射して光学部材の光学面を通過する部分に前記傾斜部が形成されていることを特徴とする対物レンズ。
【請求項5】 光学部材が保持部材の内側に挿入保持されているレンズ系で、前記光学部材がその光学面の周縁に傾斜部を有し、該傾斜部に遮光手段を設け、前記傾斜部を形成する光学面の位置が下記条件(3)を満足することを特徴とする対物レンズ。
(3) 0.5<D/f<2ただし、Dは傾斜部を形成した光学面から像面までの軸上空気換算長、fはレンズ系全系の焦点距離である。
【請求項6】 下記条件(2)を満足することを特徴とする請求項5の対物レンズ。
(2) 0.6<φ2/φ1<0.95ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡、電子カメラ、監視用カメラ等に好適な小型の対物レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は、人体内部、エンジン内部などの狭隘部分に挿入するため、外径をできる限り小さくすることが望まれている。このため、内視鏡先端部に配置される対物レンズのできる限り小型であることが要求される。
【0003】従来の、レンズ枚数が少なく比較的小型である対物レンズの例として特開平9−68647号公報や特開平7−84179号公報に記載されているような構成のものが知られている。
【0004】図8は、特開平9−68647号公報の実施例1のレンズ系で、物体側から、カバーガラスL1、明るさ絞り、正レンズL2、正レンズL3とより構成されている。なお、図8はレンズ保持枠まで想定してあり、同じ外径のカバーガラスL1と正レンズL2が明るさ絞りとともに1つの保持枠に固定され、この保持枠と外径の大きい正レンズL3が第2の保持枠に固定されて対物レンズユニットが構成されていると思われる。
【0005】図9は特開平7−84179号の実施例6で、物体側より、平凹レンズL1、明るさ絞り、正レンズL2、正レンズL3の順に配置された構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの対物レンズにおいて、通常は結像に寄与しない有害光を除去するためにフレア−絞りが設けられる。上記の従来例の中にはフレア−絞りに関する開示はないが、図8に示すように、一般的にはレンズL3の前に絞りを保持するための絞り受け部材を設け、ここにフレア−絞りを設ける場合が多い。これは、画角の大きい光線がレンズ保持枠で反射してレンズ側へ折り返す位置が正レンズL2とL3の間にある場合が多いからである。
【0007】しかしながら、小型化のためにレンズの外径を小さくすると、それに応じて絞り受け部材、フレア−絞り部材も小さくせざるを得ないが、これらはレンズとほぼ同じ外径の部材の中央に穴を空けたリング状の部材であり、あまりに小さくなるとリングの幅が細くなりすぎるなどの点で製造が困難になる。
【0008】本発明は、小型になってもフレア−除去効果を損なうことのない対物レンズを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の対物レンズは、光学部材を保持部材の内側に挿入保持するようにしたレンズ系で、光学部材の光学面の周縁に傾斜部を設け、この傾斜部に遮光部材を設けたものであって、視野外光が保持部材の内面あるいは光学部材の外周面にて反射された後に光学部材の光学面を通過する部分に前記傾斜部を設けるようにしたことを特徴としている。ここで光学部材とは、単レンズや接合レンズ等のレンズ成分、フィルターやカバーガラス等の平行平面板、あるいはこれらを適宜接合したものを含み、保持部材を必要とせずに一体化されているものである。そして、上記の傾斜面はこの一体化された光学部材の光学面から側面に及んで形成されるが、光学部材を保持部材に取り付けるために側面の一部が必ず残るように形成される。また、遮光手段は傾斜面に光吸収材料を塗布、印刷、蒸着、接着、密着等することにより形成することができるが、特に光吸収材料を含む接着剤を光学部材の傾斜面及び側面に塗布して保持枠に光学部材を接着固定するような工程を採用すると、接着工程と遮光手段形成工程を一工程にすることができ、工程を簡略化することができる。
【0010】又、本発明のレンズ系は、光学部材中の凸の光学面(例えば凸レンズの凸面)や平面(平行平面板の光学面や平凸レンズ等の平面を有するレンズの平面である光学面)の周縁に傾斜部を設けたことを特徴としている。
【0011】本発明のレンズ系は、光学部材の周辺部に傾斜面からなるフレア−除去手段を設けたため、超小型レンズ系においてもフレア−除去を確実に行うことができるものである。
【0012】なお、レンズの外径にある程度余裕があり、フレア−絞りや受け部材を用いることができる場合であっても、本発明を適用するとフレア−除去手段と光学部材が完全に一体化されるので、レンズ系を保持枠に組み込む場合などの作業が非常に簡略化でき好ましい。
【0013】又、本発明のレンズ系において、下記条件(1)、(2)を満足することが望ましい。
(1) φ1<3mm(2) 0.6<φ2/φ1<0.95ただし、φ1は傾斜部を形成した光学部材の外径、φ2は傾斜部を形成した光学部材の傾斜部を除いた光学面として残る部分の直径である。
【0014】本発明は条件(1)を満足するような超小型の光学系に用いて特に好適なものであり、上限の3mmを超えると光学部材の外径が大になりすぎるため好ましくない。
【0015】条件(2)の上限の0.95を超えると光学部材の外径に対する傾斜部以外の部分の径が大になり、つまり傾斜部が小になりフレアー光除去の効果が少なくなるか又は効果が得られなくなり好ましくない。又、条件(2)の下限の0.6を超えると光学部材の傾斜部以外の部分の径に対する外径が大になり、フレアー光除去の効果は得られるが光学部材の外径が大になりすぎるため好ましくない。
【0016】又、本発明のレンズ系において、条件(1)の代わりに下記条件(1−1)を満足すればより好ましい。
(1−1) φ1<2mm【0017】又、本発明のレンズ系において、条件(2)の代わりに下記条件(2−1)を満足すればより好ましい。
(2−1) 0.6<φ2/φ1<0.85【0018】即ち、前記の構成である光学部材よりなるレンズ系で、光学部材のうちの少なくとも一つがその光学面の周縁に傾斜部を有しこの傾斜部に遮光手段を設けたもので、前記の条件のうちの次の(A)、(B)、(C)、(D)の通りの各組み合わせのいずれかを満足することが望ましい。
【0019】(A) 条件(1)、(2)を満足する。
【0020】(B) 条件(1−1)、(2)を満足する。
【0021】(C) 条件(1)、(2−1)を満足する。
【0022】(D) 条件(1−1)、(2−1)を満足する。
【0023】又、本発明のレンズ系は、物体側より順に、明るさ絞りと、像側の面が凸面である正レンズと、物体側の面が凸面である正レンズとを少なくとも含んでいて、物体側の面が凸面の正レンズが保持部材内にて保持され、この正レンズの凸面の周縁に傾斜部を有し、この傾斜部に遮光手段を設け、この傾斜部が視野外光が保持部材の内面で反射して前記正レンズの物体側の凸面に入射する部分に形成されていることを特徴とするものである。
【0024】本発明のレンズ系は、レンズや平行平面板(フィルター等)その他の光学部材を含み、少なくとも一つの光学部材の光学面の周縁に傾斜面を有し、この傾斜面に遮光手段が設けられているもので、下記条件(3)を満足することを特徴とする。
(3) 0.5<D/f<2ただし、Dは傾斜部を形成した光学部材の面の頂点から像面までの軸上空気換算長である。
【0025】条件(3)は、フレア−除去手段として機能する傾斜部を設ける面の、像面からの距離を規定するもので、フレア−光を除去するために効果的な傾斜部の位置、換言すればフレア−光の発生しやすい位置を示すものである。明るさ絞りの像に、凸面を二つ備えた上記のタイプの対物光学系では、主光線が像面に向かって徐々に高くなる傾向にある。このため、条件(3)の上限を超えた位置では明るさ絞りに近くなるために光線高が低く、フレア−光が発生しにくい。このため、フレア−絞りを設ける位置としては適当ではなく、フレア−除去効果が充分発揮されなくなる。逆に、下限を超えるとフレアー除去手段が像面に近くなりすぎて、傾斜部より前方で発生するフレア−光を除去できなくなる。また、光線高が高くなった結像光束がけられるおそれがある。
【0026】なお、条件(3)に加えて更に前記条件(2)または条件(2−1)を満足するとより好ましい。
【0027】又、本発明のレンズ系は、保持部材の内側に挿入保持される光学部材を含み、この光学部材のうち前記の保持部材の最も像側に設けられた光学部材の光学面の周縁に傾斜部が形成され、この傾斜部に遮光手段が設けられている。この遮光手段は光吸収特性を有する接着剤又は塗料あるいは金属板にて構成されることができる。レンズ系が複数の光学部材と保持部材を有し、光学部材が複数の保持部材より分けて保持されている場合は、少なくとも一つの保持部材について、その保持部材に保持されている光学部材のうち最も像側にあるものが、上記の傾斜部からなるフレアー除去手段を有するものであればよい。
【0028】本発明のフレアー除去手段の特徴はレンズに一体化されていることである。従来のフレアー絞りは複数の光学要素の間に挟んで保持することが多いが、レンズ系の保持枠の端に設けられたレンズなどの光学部材は、片側に同じ保持枠に取り付けられた光学要素がないため、そこにはフレアー絞りを挟むことができない。このため、このような位置にフレアー除去手段が必要な場合には、本願のような構成を採用することが望ましい。
【0029】このレンズ系において、前記条件(2)又は条件(2−1)を満足することが望ましい。
【0030】以上述べた本発明のレンズ系で、光学部材の周縁に形成される傾斜部の傾き角(光軸とのなす角)は90°以下であることが望ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】次の本発明のレンズ系の実施の形態を図をもとに説明する。
【0032】第1の実施の形態は、図1に示す通りである。対物レンズは二つのレンズ群からなり、物体側の第1群は、一方の面に明るさ絞りを蒸着形成したカバ−ガラスC1と第1の正レンズL1とを、明るさ絞りを挟むようにして接合した接合レンズであり、これが第1の枠1に挿入され、接着固定されている。像側の第2群は第2の正レンズL2からなる。第1の枠1の外径と第2の正レンズL2の外径はほぼ等しく、これらが第2の枠2の両端部に挿入され、接着固定されている。第2の枠2の像側には撮像素子(CCDイメ−ジセンサ−)のカバ−ガラスC2がこの枠に保持されている。またカバ−ガラスC2の像側面が撮像面の位置である。
【0033】この第1の実施の形態のレンズ系は、第2の正レンズの物体側の凸面の周縁部が像側に向かって傾斜して削られており、この部分にレンズの側面まで及び同心円状の円錐状面からなる傾斜部A1が設けられている。そして、この傾斜部A1に遮光手段がが設けられてえる。ただし、第2の枠2に第2の正レンズL2を保持するために、像面の一部が傾斜面なることなく残されている。なお、図1において(A)はは断面図、(B)は傾斜部を有する光学部材の平面図である。傾斜面の内径はφ2であるが、これは結像光束が通過する部分を残すため、最大像高に向かう結像光束がけられることのないように設定される。
【0034】この実施の形態の光学部材(第2の正レンズL2)の外径φ1は1mmであり又傾斜部A1を除いた光学部材の径φ2は0.75mmであり、φ2/φ1=0.75である。又第2の正レンズの面R1の面頂から像面Iまでの空気換算光路長は0.6mmであり、レンズ系全系の焦点距離fはf=0.626mmであり、したがってD/f=0.6mm/0.626mm=0.96であり、条件(3)を満足している。
【0035】又、第1の実施の形態の第2の正レンズL2の傾斜部A1の傾斜角θ1は45°である。この傾斜部の傾斜角θは90°以下であることが望ましく、又 70°以下であれば一層望ましい。
【0036】この実施の形態のレンズ系では第2の正レンズL2を黒色の接着剤を用いて第2の枠2に接着して固定保持すると共に、この接着剤を前記のレンズの外周面(枠受け部)から傾斜部A1にかけて塗布して傾斜部A1の遮光手段も同時に兼ね備えている。
【0037】尚レンズ枠への接着は通常の接着剤を用い、傾斜部は反射防止のための黒色塗料を塗布して遮光手段とすることも可能である。
【0038】この第1の実施の形態のレンズ系は、内視鏡対物レンズや、電子カメラその他のレンズ系として用いられる。
【0039】この第1の実施の形態のレンズデーターは次の通りである。
1=∞ d1=0.2000 n1=1.51633 ν1=64.15r2=∞ d2=0.4500 n2=1.51633 ν2=64.15r3=-0.4420 d3=0.1600r4=0.9770 d4=0.5000 n3=1.51633 ν3=64.15r5=∞ d5=0.4000 n4=1.51633 ν4=64.15r6=∞ Fナンバー=5.2, IH(像高)=0.45, f=0.626【0040】本発明の第2の実施の形態は、図2に示す通りで、レンズ系がカバーガラスC1と第1の正レンズL1と第2の正レンズL2とCCDカバーガラスC2とよりなり、これらの光学部材が一つの枠3に挿入保持されている。これら光学部材のうち第2の正レンズL2の物体側の面に傾斜部が形成されこの傾斜部には遮光手段が設けられている。
【0041】この第2の実施の形態の第2の正レンズL2の傾斜面は、図2(B)に示すように幅の狭いリング状の円錐状傾斜面と図示しない撮像素子の撮像面の形状(四角形)の辺に対応する部分において四方から光学面に食い込んでいる平面的な傾斜面とからなる複合面として形成されている。
【0042】この実施の形態の第2のレンズL2の外径φ1は1.2mmであり又傾斜部を除いた部分の径φ2は0.84mmであり、φ2/φ1=0.7である。又第2のレンズL2の物体側面の面頂から像までの空気換算光路長Dは0.472mmであり、レンズ系全系の焦点距離fはf=0.66mmであり、したがってD/fは0.72である。
【0043】この第2の実施の形態のレンズデーターは次の通りである。
1=∞ d1=0.2000 n1=1.51633 ν1=64.15r2=∞ d2=0.6100 n2=1.88300 ν2=40.76r3=-0.8170 d3=0.41r4=1.1310 d4=0.3800 n3=1.88300 ν3=40.76r5=∞ d5=0.4000 n4=1.51633 ν4=64.15r6=∞ Fナンバー=5.5, IH(像高)=0.45, f=0.66【0044】本発明の第3の実施の形態は、図3に示す通りで、カバーガラスC1と第1の正レンズL1と第2の正レンズL2と赤外カットフィルタFとCCDカバーガラスC2とにて構成されている。そしてカバーガラスC1と第1の正レンズL1とが第1の枠1にて、又第2の正レンズL2と赤外カットフィルターFとは接合されていて第2の枠2に保持されている。又C2はCCDカバーガラスである。
【0045】この第3の実施の形態では、接合された第2の正レンズL2と赤外カットフィルターFとが接合されていて、一つの光学部材をなし、この光学部材の物体側面に傾斜部が設けられこの傾斜部A2に遮光手段が設けられている。したがって、第2のレンズL2については保持枠2に取りつけるための側面が残っていないが、一体化された光学部材として側面が残されていれば取り付けに支障はないので構わない。
【0046】この第3の実施の形態は、接合された光学部材の外径φ1は2.85mmであり又傾斜部を除いた部分の径φ2は2.28mmであり、したがってφ2/φ1=0.8である。又、接合された光学部材の物体側面の面頂から像面までの空気換算光路長Dは1.173mmであり、レンズ系の焦点距離fは1.239mmである。
【0047】この第3の実施の形態のレンズデーターは次の通りである。
1=∞ d1=0.1500 n1=1.88300 ν1=40.76r2=∞ d2=1.3875 n2=1.88300 ν2=40.76r3=-1.5367 d3=0.375r4=2.5485 d4=0.8325 n3=1.75500 ν3=52.32r5=∞ d5=0.7500 n4=1.49400 ν4=75.00r6=∞ d6=0.3000 n5=1.52287 ν4=59.89r7=∞ Fナンバー=6.9, IH(像高)=1.23, f=1.239【0048】第4の実施の形態は、図4に示す構成であって、図8に示す従来の光学系に本発明を適用したものである。
【0049】図4において、この実施の形態のレンズ系は、カバーガラスC3と、絞りSと、第1の正レンズL1と第2の正レンズL2とよりなる。そしてカバーガラスC3と絞りSと第1の正レンズL1を第1の枠1にて保持し、第2の正レンズL2を第2の枠2にて保持している。この実施の形態では、従来例のようにフレアー絞りを用いることなく、第2の正レンズL2の物体側の面の周縁部分に傾斜部を形成し、この傾斜部に黒色塗装したり黒のマジックを塗って遮光手段を設けたものである。
【0050】この実施の形態の第2の正レンズL2の外径φ1は0.5mmであり又傾斜部を除いた第2のレンズL2の径φ2は0.4mmであり、したがってφ2/φ1=0.8である。又第2の正レンズL2の物体側面の面頂から像面までの空気換算光路長Dは0.214mmであり、レンズ系全系の焦点距離fは0.32mmであり、したがってD/f=0.67である。
【0051】この第4の実施の形態のレンズデーターは次の通りである。
1=∞ d1=0.30 n1=1.88300 ν1=40.8r2=∞ d2=0.03r3=∞ d3=0.37 n2=1.88300 ν2=40.8r4=-0.346 d4=0.15r5=0.725 d5=0.37 n3=1.72916 ν3=54.7r6=∞ 【0052】図5に示す本発明のレンズ系の第5の実施の形態は、図9に示す従来例の実施例6と同じ構成のレンズ系に、本発明を適用したものである。即ち、物体側より順に、負レンズL1と、絞りSと、第1の正レンズL2と第2の正レンズL3とにて構成され、第2の正レンズL3の物体側の面に傾斜部を設け又この傾斜部に遮光手段を設けたものである。
【0053】この第5の実施の形態の第2の正レンズL2の外径φ1は1mm、この正レンズの傾斜部を除いた径φ2は0.85mmであり、したがってφ2/φ1=0.85である。又第2の正レンズL2の物体側面の面頂から像面までの空気換算長Dは0.798mmであり、レンズ系全系の焦点距離fは0.52mmであり、D/f=1.53である。
【0054】この第5の実施の形態のレンズデーターは次の通りである。
1=∞ d1=0.32 n1=1.51633 ν1=64.1r2=0.817 d2=0.13r3=∞(絞り)d3=0.03r4=-1.454 d4=0.58 n2=1.88300 ν2=40.8r5=-0.538 d5=0.06r6=1.653 d6=0.58 n3=1.88300 ν3=40.8r7=∞ 【0055】第6の実施の形態は図6に示す通りの構成である。
【0056】この第6の実施の形態は、平凹レンズの第1レンズL1と、平行平面板P1と、両凸レンズの第2レンズL2と、2枚の平行平面板P2、P3と、平凸レンズの第3レンズと、平行平面板P4と、CCDカバ−ガラスCとにて構成されている。
【0057】これら光学素子のうち、平面板P4は、CCDと一体化されたCCDカバ−ガラスと接着され、CCD部組を構成する。
【0058】前記部組とは、レンズ等の光学素子を枠に入れる前の状態で、一体になっているもので、例えば、接合レンズも部組である。特にCCD部組とは、CCDとCCDカバ−ガラスと貼り付けガラスまたはレンズを一体にしたものを指し、互いに接着されている。
【0059】このCCD部組付近は光線高が高く、フレア−が発生しやすい。従って、フレア−除去手段を必要であり、又、この付近は光線高が高いため外径が大きくなる部分であり、この部分に本発明を適用することは細径化にとって効果的である。
【0060】また、CCDカバ−ガラスに傾斜部を設けると、CCDカバ−ガラスの側面や枠内面、貼り付けガラスの側面で反射するフレア−を除去出来る。
【0061】貼り付けガラスまたはレンズに傾斜部を設けると、貼り付けカバ−ガラスまたはレンズの側面や枠内面で反射するフレア−を除去できる。
【0062】CCD部組直前の光学部材に傾斜部を設けると、CCD部組付近で発生するフレア−を予め除去出来る。CCD部組を保持する枠の内面や貼り付けガラスの側面、CCDカバ−ガラスの側面で反射するフレア−を除去出来る。
【0063】また、その他の光学部材は、第1の枠の物体側に第1レンズL1と平行平面板P1とがまたその像側には第2レンズL2と2枚の平行平面板P2、P3と第3レンズL3が保持され、また平行平面板P4は第2の枠により保持されている。
【0064】また、フレア−絞りFS1は、平行平面板P1の物体側、明るさ絞りSは、平行平面板P4の物体側、フレア−絞りFS2は、2枚平行平面板P2、P3の間保持され、他の平行平面板P3フレア−絞りFS3は、平行平面板P3の像側(平行平面板P3と第3レンズL3との間)に配置されている。
【0065】この第6の実施の形態は、枠1内に保持されている光学部材のうち、最も像側の端に位置するレンズL3の像側の面および最も像側の平行平面板P4の物体側の面の周縁に傾斜部を設けてあり、この傾斜部には遮光手段が設けられている。
【0066】このように、レンズの外径に比較的余裕があり、従来のものと同様のフレア−絞りを利用できる場合であっても、本発明を適用して傾斜面からなるフレア−除去手段を適用することができる。特に、フレア−絞りを保持しにくい部位などに用いると好適である。
【0067】この実施の形態の傾斜部を設けてある光学部材である第3レンズL3の外径φ1は1mmであり、この光学部材の傾斜部を除いた径φ2は0.9mmであり、したがってφ1/φ2=0.9である。又平行平面板P4の物体側の面から像面Iまでの空気換算光路長(後に示すレンズデータのr13からr17までの距離)Dは0.819mm、レンズ系全系の焦点距離fは0.573mmであり、したがってD/f=1.43である。又第3レンズL3の像側に設けた傾斜部の傾斜角θ1は40°である。
【0068】また、第3レンズL3は、枠1に入れた状態で、傾斜部から枠1の端部へ接着剤を塗ることにより固定されている。この接着剤は墨混ぜられているため黒く、したがってこの接着剤が遮光手段を兼ねてい配置されている。
【0069】また、この第6の実施の形態の傾斜部を設けてある他の光学部材である平行平面板P4の外径Φ1は1.3mmであり、この光学部材P4の傾斜部を除いた径はΦ2は1mmであり、したがってΦ2/1Φ=0.77である、また、平行平面板P4の物体側の面から像面Iまでの空気換算光路長(r15からr17までの距離)Dは0.529mmであり、D/f=0.92である。また、θは60°である。
【0070】この実施の形態のレンズ系のデータは下記の通りである。
1=∞ d1=0.2000 n1=1.88300 ν1=40.76r2=0.4270 d2=0.2400r3=∞(フレア絞り) d3=0.0300r4=∞ d4=0.4000 n2=1.52287 ν2=59.89r5=∞ d5=0.1000r6=2.4060 d6=0.5700 n3=1.90135 ν3=31.55r7=-0.9770 d7=0.1100r8=∞(明るさ絞り) d8=0.0300r9=∞ d9=0.4000 n4=1.51400 ν4=75.00r10=∞(フレア絞り) d10=0.0300r11=∞ d11=0.4000 n5=1.52287 ν5=59.89r12=∞(フレア絞り) d12=0.0300r13=∞ d13=0.4500 n6=1.88300 ν6=40.76r14=-2.6340 d14=0.2900r15=∞ d15=0.4000 n7=1.51633 ν7=64.15r16=∞ d16=0.4000 n8=1.51100 ν8=64.14【0071】本発明の第7の実施の形態は、図7に示すもので、平凹レンズの第1レンズL1と、平行平面板P1と、両凸レンズの第2レンズL2と、3枚の平行平面板P2、P3、P4と、平凸レンズの第3レンズL3と、CCDカバーガラスCとよりなる。第3レンズL3とCCDカバーがラストは接着されCCDとともに一体になったCCD部組を構成している。又明るさ絞りSは平行平面板P2の物体側の面に、フレアー絞りFS1は平行平面板P1の物体側の面に、他のフレアー絞りFS2、FS3は夫々平行平面板P2とP3の間およびP3とP4との間に配置されている。
【0072】この第7の実施の形態は、傾斜部を枠1の最も像側の光学部材の平行平面板P4の像側の面に形成したもので、この平行平面板P4の外径φ1は1mmであり、傾斜部を除いた径φ2は0.9mmであり、したがってφ2/φ1=0.9である。又平行平面板P4の像側面から像面Iまでの空気換算光路長(後に示すレンズデータのr14からr17までの距離)Dは0.879mmであり、レンズ系全系の焦点距離fが0.564mmであり、したがってD/f=1.56である。
【0073】尚、第3レンズL3の物体側の面にも傾斜部を設ければフレアー除去のためには一層望ましい。
【0074】又、この第7の実施の形態の平行平面板P4の物体側の面に設けた傾斜部の傾斜角θは50°である。
【0075】この実施の形態のレンズデータは次の通りである。
1=∞ d1=0.2000 n1=1.88300 ν1=40.76r2=0.4620 d2=0.2100r3=∞(フレア絞り) d3=0.0300r4=∞ d4=0.4000 n2=1.51633 ν2=64.14r5=∞ d5=0.0900r6=2.0490 d6=0.5700 n3=1.90135 ν3=31.55r7=-1.0090 d7=0.0200r8=∞(明るさ絞り) d8=0.0300r9=∞ d9=0.4000 n4=1.52287 ν4=59.89r10=∞(フレア絞り) d10=0.0300r11=∞ d11=0.4000 n5=1.52287 ν5=59.89r12=∞(フレア絞り) d12=0.0300r13=∞ d13=0.4000 n6=1.51400 ν6=75.00r14=∞ d14=0.3700r15=1.3920 d15=0.4600 n7=1.88300 ν7=40.76r16=∞ d16=0.4000 n8=1.51100 ν8=64.10【0076】本発明の対物レンズは、内視鏡をはじめとして、電子カメラ、監視カメラ、ドア−スコ−プなどの各種の小型対物レンズを必要とする光学機器に適用し得る。
【0077】以上述べたレンズ系で、特許請求の範囲に記載のもののほか次の各項に記載するものも発明の目的を達成し得る。
【0078】(1) 特許請求の範囲の請求項1、2、4又は5に記載する光学系で、下記条件(1−1)、(2)を満足することを特徴とする対物レンズ。
(1−1) φ1<2mm(2) 0.6<φ2/φ1<0.95ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【0079】(2) 特許請求の範囲の請求項1、2、4又は5に記載する光学系で、下記条件(1)、(2−1)を満足することを特徴とする対物レンズ。
(1) φ1<3mm(2−1) 0.6<φ2/φ1<0.85ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【0080】(3) 特許請求の範囲の請求項1、2、4又は5に記載する光学系で、下記条件(1−1)、(2−1)を満足することを特徴とする対物レンズ。
(1−1) φ1<2mm(2−1) 0.6<φ2/φ1<0.85ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【0081】(4) 前記の(3)の項に記載するレンズ系で、条件(2)の代わりに下記条件(2−1)を満足することを特徴とするレンズ系。
(2−1) 0.6<φ2/φ1<0.85ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【0082】(5) 保持部材と、該保持部材の内側に挿入されている複数の光学部材とを備え、前記複数の光学部材のうち最も像側に位置する光学部材が、その光学面の周縁部に遮光部を設けた光学部材であることを特徴とする対物レンズ。
【0083】(6) 前記の(5)の項に記載するレンズ系で、前記保持部材に挿入されている前記光学部材が複数備えられており、これら光学部材のうち最も像側に位置する光学部材の光学面の周縁部に遮光部を設けた光学部材であることを特徴とする対物レンズ。
【0084】(7) 前記の(6)の項に記載されたレンズ系で、前記遮光部が光学部材の周縁に設けた傾斜部と遮光手段とからなることを特徴とする対物レンズ。
【0085】(8) 特許請求の範囲の請求項1、2、3、4又は5あるいは前記(1)、(2)、(3)、(4)又は(6)に記載するレンズ系で、前記遮光手段が光吸収特性をもつ接着剤、塗料、金属蒸着物質である対物レンズ。
【0086】(9) 前記の(5)、(6)、(7)又は(8)に記載するレンズ系で、下記条件(2)を満足することを特徴とする対物レンズ。(2) 0.6<φ2/φ1<0.95ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【0087】(10) 前記の(9)の項に記載するレンズ系で、条件(2)の代わりに下記条件(2−1)を満足することを特徴とする対物レンズ。(2−1) 0.6<φ2/φ1<0.85ただし、φ1は光学部材の外径、φ2は傾斜部を除いた光学部材の径である。
【0088】(11) 特許請求の範囲の請求項1、2、3又は4あるいは前記の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)又は(10)に記載するレンズ系で、前記傾斜部を有する光学部材がCCDカバーガラス又はCCDカバーガラスの直前の光学部材又はCCD部組の直前の光学部材であることを特徴とする対物レンズ。
【0089】(12) 特許請求の範囲の請求項1、2、3、又は4に記載するレンズ系で、前記傾斜部を有する光学部材が硝材の転移点が530度以下で成形加工して製造されていることを特徴とする対物レンズ。
【0090】(13) 特許請求の範囲の請求項1、2、3、又は4に記載するレンズ系で、前記傾斜部を有する光学部材の1面が平面又は凸面であることを特徴とする対物レンズ。
【0091】
【発明の効果】本発明の対物レンズは、レンズ系を構成する光学部材の光学面の周縁に傾斜部を設けることにより視野外からの光をカットし得、しかも光学部材の外径を大にすることなく小型で簡単な構成にし得る。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成10年7月3日(1998.7.3)
【代理人】 【識別番号】100075867
【弁理士】
【氏名又は名称】向 寛二
【公開番号】 特開2000−19373(P2000−19373A)
【公開日】 平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願番号】 特願平10−202888