| 【発明の名称】 |
電流検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】黒川 冬樹
【氏名】丸山 亮司
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| 【要約】 |
【課題】ホール素子の不平衡分の補償のために可変抵抗素子を用いることなく、D/Aコンバータに相当する回路のみでホール素子の不平衡成分を補償できる電流検出装置を提供する。
【解決手段】ホール素子3の端子間の電流検出信号Cを、コンパレータ7によってホール素子の出力電圧の不平衡分Offに従ってパルス幅変調し、このコンパレータ7の出力パルスDに従ってアップ/ダウン・カウンタ9でアップ/ダウン・カウントを行う。そして、補償値演算部10でカウンタ9のカウンタ値からホール素子の不平衡分を補償するための補償値を演算し、ラダー抵抗器12のスイッチ13を補償値に応じて制御し、ホール素子の出力電圧の不平衡成分を補償する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホール素子に被測定系の電流に正比例した磁界を加える手段と、一定の直流電圧を出力する定電圧発生手段と、前記ホール素子の電流端子間へ前記定電圧発生手段からの入力電圧に正比例した制御電流を流す電圧−電流変換手段と、前記ホール素子の電圧を検出するホール電圧検出手段と、前記ホール電圧検出手段で検出した前記ホール素子の出力電圧の不平衡分に従ってパルス幅変調を行うパルス幅変調手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスに従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行うアップ/ダウン・カウンタと、前記アップ/ダウン・カウンタのカウンタ値から前記ホール素子の出力電圧の不平衡分を補償するための補償値を算出する補償値演算手段と、前記ホール素子の2つの出力端子間に接続され、前記補償値演算手段で求められた前記補償値に応じてその分圧比を選択できるスイッチを備えたラダー抵抗器と、前記ラダー抵抗器の前記スイッチを制御するスイッチ制御手段と、前記アップ/ダウン・カウンタ、前記補償値演算手段及び前記スイッチ制御手段を制御する制御信号発生手段とを備えて成る電流検出装置。 【請求項2】 前記定電圧発生手段の出力電圧を一定周期で正転・反転して電圧−電流変換する第1の正転・反転手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスを前記第1の正転・反転手段の動作に合わせて正転・反転する第2の正転・反転手段と、前記第1、第2の正転・反転手段それぞれの正転・反転動作を制御する正転・反転制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。 【請求項3】 ホール素子に被測定系の電流に正比例した磁界を加える手段と、一定の直流電圧を出力する定電圧発生手段と、前記ホール素子の電流端子間へ前記定電圧発生手段からの入力電圧に正比例した制御電流を流す電圧−電流変換手段と、前記ホール素子の電圧を検出するホール電圧検出手段と、前記ホール電圧検出手段で検出した前記ホール素子の出力電圧の不平衡分に従ってパルス幅変調を行うパルス幅変調手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスに従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行う第1のアップ/ダウン・カウンタと、前記第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の正負に従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行う第2のアップ/ダウン・カウンタと、前記ホール素子の2つの出力端子間に接続され、前記第2のアップ/ダウン・カウンタのカウンタ値に応じてその分圧比を選択できるスイッチを備えたラダー抵抗器と、前記ラダー抵抗器のスイッチを制御するスイッチ制御手段と、前記第1のアップ/ダウン・カウンタ、前記第2のアップ/ダウン・カウンタ及び前記スイッチ制御手段を制御する制御信号発生手段とを備えて成る電流検出装置。 【請求項4】 前記パルス幅変調手段の出力を監視し、その正負変化の有無に応じて前記第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント数を変化させるカウンタ変化数選択手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電流検出装置。 【請求項5】 前記第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の変化に応じて前記第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント数を変化させるカウンタ変化数制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電流検出装置。 【請求項6】 前記補償値演算手段に代えて、前記アップ/ダウン・カウンタの極性の正負に応じて前記ホール素子の出力電圧の不平衡分を補償するための補償値を逐次比較により算出する逐次比較手段を備えて、前記制御信号発生手段は、前記アップ/ダウン・カウンタ、前記スイッチ制御手段及び前記逐次比較手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。 【請求項7】 前記定電圧発生手段の出力電圧を一定周期で正転・反転して前記電圧−電流変換手段に入力する第1の正転・反転手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスを前記第1の正転・反転手段の動作に合わせて正転・反転する第2の正転・反転手段と、前記第1、第2の正転・反転手段それぞれの正転・反転動作を制御する正転・反転制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電流検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ホール素子を用いて電流強度を検出する電流検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のホール素子を用いた電流検出装置は図13に示すような構成である。この従来の電流検出装置では、定電圧源1の出力電圧は、電圧−電流変換器2によって定電圧源1の出力電圧に正比例した電流に変換される。この電流は、ホール素子3に制御電流Aとして加えられる。 【0003】図16に示したように、ホール素子3はコア40のギャップに置かれ、コア40には被測定系の電流を入力する電流入力端子1S,1Lが設けられている。この電流入力端子1S,1Lには通常、5A,30A,120Aなどの交流電流が入力される。この電流は、コア40によってその電流に比例した磁界(図15−B)に変換され、ホール素子3に加えられる。 【0004】ホール素子3は、電流端子T1−T2間に流れる制御電流Aと加えられる磁界Bとの積に正比例した電圧を出力端子T3−T4間に出力する。ホール素子3の出力端子T3−T4間に出力される電圧は、減算器4によって増幅され、さらに反転増幅器5によって正負反転されて出力される。 【0005】ここで、ホール素子3自体が不平衡成分Offを持っている場合、電流検出結果は図15のCのようになり、高精度な電流検出ができなくなる。 【0006】これを防ぐため、従来は、図14に示すように、ホール素子3の端子T4−T2間に固定抵抗器R5を接続し、また端子T3−T2間に可変抵抗素子6を接続し、この可変抵抗素子6を電圧で制御することによって不平衡成分Offを取り除くようにしている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このような従来の構成では次のような問題点があった。可変抵抗素子6は制御端子に入力される電圧によって抵抗値が変化するもので、それにはFETやCdsフォトカプラなどが一般的に用いられているが、これらの素子はCMOS回路部とのワンチップ化が困難である問題点があった。また、これらの素子はアナログ電圧信号により制御されるため、補償値がディジタルで算出される場合、これをアナログ信号に変換するためのD/Aコンバータが必要になる問題点があった。 【0008】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ホール素子の不平衡分の補償のために可変抵抗素子を用いることなく、D/Aコンバータに相当する回路のみでホール素子の不平衡成分を補償できるようにした電流検出装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電流検出装置は、ホール素子に被測定系の電流に正比例した磁界を加える手段と、一定の直流電圧を出力する定電圧発生手段と、前記ホール素子の電流端子間へ前記定電圧発生手段からの入力電圧に正比例した制御電流を流す電圧−電流変換手段と、前記ホール素子の電圧を検出するホール電圧検出手段と、前記ホール電圧検出手段で検出した前記ホール素子の出力電圧の不平衡分に従ってパルス幅変調を行うパルス幅変調手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスに従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行うアップ/ダウン・カウンタと、前記アップ/ダウン・カウンタのカウンタ値から前記ホール素子の出力電圧の不平衡分を補償するための補償値を算出する補償値演算手段と、前記ホール素子の2つの出力端子間に接続され、前記補償値演算手段で求められた前記補償値に応じてその分圧比を選択できるスイッチを備えたラダー抵抗器と、前記ラダー抵抗器の前記スイッチを制御するスイッチ制御手段と、前記アップ/ダウン・カウンタ、前記補償値演算手段及び前記スイッチ制御手段を制御する制御信号発生手段とを備えたものである。 【0010】請求項1の発明の電流検出装置では、従来のD/Aコンバータに相当するスイッチを備えたラダー抵抗器とこれを制御するスイッチ制御手段によって直接にホール素子の不平衡分を補償する。これにより、従来では必須であったホール素子の端子間に接続する可変抵抗素子を使用しなくてもホール素子の不平衡分を補償できるようになる。 【0011】請求項2の発明の電流検出装置は、請求項1において、さらに、前記定電圧発生手段の出力電圧を一定周期で正転・反転して電圧−電流変換する第1の正転・反転手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスを前記第1の正転・反転手段の動作に合わせて正転・反転する第2の正転・反転手段と、前記第1、第2の正転・反転手段それぞれの正転・反転動作を制御する正転・反転制御手段とを備えたものである。 【0012】請求項2の発明の電流検出装置では、入出力信号を一定周期で正転・反転することによりホール素子による不平衡分以外の不平衡成分の影響をなくす。 【0013】請求項3の発明の電流検出装置は、ホール素子に被測定系の電流に正比例した磁界を加える手段と、一定の直流電圧を出力する定電圧発生手段と、前記ホール素子の電流端子間へ前記定電圧発生手段からの入力電圧に正比例した制御電流を流す電圧−電流変換手段と、前記ホール素子の電圧を検出するホール電圧検出手段と、前記ホール電圧検出手段で検出した前記ホール素子の出力電圧の不平衡分に従ってパルス幅変調を行うパルス幅変調手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスに従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行う第1のアップ/ダウン・カウンタと、前記第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の正負に従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行う第2のアップ/ダウン・カウンタと、前記ホール素子の2つの出力端子間に接続され、前記第2のアップ/ダウン・カウンタのカウンタ値に応じてその分圧比を選択できるスイッチを備えたラダー抵抗器と、前記ラダー抵抗器のスイッチを制御するスイッチ制御手段と、前記第1のアップ/ダウン・カウンタ、前記第2のアップ/ダウン・カウンタ及び前記スイッチ制御手段を制御する制御信号発生手段とを備えたものである。 【0014】請求項3の発明の電流検出装置では、ホール素子の不平衡分の補償値を第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の正負だけに従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行う第2のアップ/ダウン・カウンタによって決定する。これにより、被測定系の交流電流の振幅に依存しない補償値を算出してホール素子の不平衡分補償する。 【0015】請求項4の発明の電流検出装置は、請求項3において、さらに、前記パルス幅変調手段の出力を監視し、その正負変化の有無に応じて前記第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント数を変化させるカウンタ変化数選択手段を備えたものである。 【0016】請求項4の発明の電流検出装置では、カウンタ変化数選択手段がパルス幅変調手段の出力を監視し、その正負変化の有無に応じて第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント数を変化させることにより、より速く補償値を算出してホール素子の不平衡分を補償する。 【0017】請求項5の発明の電流検出装置は、請求項3において、さらに、前記第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の変化に応じて前記第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント数を変化させるカウンタ変化数制御手段を備えたものである。 【0018】請求項5の発明の電流検出装置では、カウンタ変化数制御手段が第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の変化に応じて第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント幅を変化させることにより、被測定系の交流電流の振幅に依存しない補償値をより速く算出してホール素子の不平衡分を補償する。 【0019】請求項6の発明の電流検出装置は、請求項1において、前記補償値演算手段に代えて、前記アップ/ダウン・カウンタの極性の正負に応じて前記ホール素子の出力電圧の不平衡分を補償するための補償値を逐次比較により算出する逐次比較手段を備え、前記制御信号発生手段が、前記アップ/ダウン・カウンタ、前記スイッチ制御手段及び前記逐次比較手段を制御するようにしたものである。 【0020】請求項6の発明の電流検出装置では、逐次比較手段によって被測定系の交流電流の振幅に影響されずに補償値算出してホール素子の不平衡分を補償する。 【0021】請求項7の発明の電流検出装置は、請求項1〜6において、さらに、前記定電圧発生手段の出力電圧を一定周期で正転・反転して前記電圧−電流変換手段に入力する第1の正転・反転手段と、前記パルス幅変調手段の出力パルスを前記第1の正転・反転手段の動作に合わせて正転・反転する第2の正転・反転手段と、前記第1、第2の正転・反転手段それぞれの正転・反転動作を制御する正転・反転制御手段とを備えたものである。 【0022】請求項7の発明の電流検出装置では、入出力信号を一定周期で正転・反転することによりホール素子による不平衡分以外の不平衡成分の影響をなくす。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の電流検出装置の構成を示している。第1の実施の形態の電流検出装置は、一定の直流電圧を出力する定電圧源1、ホール素子3の電流端子T1−T2間へ定電圧源1からの入力電圧に正比例した制御電流Aを流す電圧−電流変換器2を備えている。 【0024】ホール素子3には、従来と同様に図16に示したようにコア40が設けられていて、このコア40が被測定系の交流電流に正比例した磁界を加える。 【0025】電流検出装置はさらに、ホール素子3の端子T3−T4間の電圧信号を取り出して増幅する減算器4、この減算器4の出力をゲイン(−1)で増幅する反転増幅器5、この反転増幅器5から出力される電圧信号をホール素子3の出力電圧の不平衡分に従ってパルス幅変調するパルス幅変調手段としてのコンパレータ7を備えている。 【0026】またさらに、コンパレータ7の出力パルスDに従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行うアップ/ダウン・カウンタ9、このアップ/ダウン・カウンタ9のカウンタ値からホール素子3の出力電圧の不平衡分を補償するための補償値を算出する補償値演算部10、ホール素子3の2つの出力端子T3−T4間に接続され、補償値演算部10で求められた補償値に応じてその分圧比を選択できるスイッチ13を備えたラダー抵抗器12、このラダー抵抗器12のスイッチ13を制御するスイッチ制御部11、そして、これらのアップ/ダウン・カウンタ9、補償値演算部10及びスイッチ制御部11を制御する制御信号発生部8を備えている。 【0027】次に、上記構成の電流検出装置の動作を説明する。定電圧源1の出力電圧は電圧−電流変換器2によって、定電圧源1の出力電圧に正比例した電流(図2−A)に変換される。この電流は、ホール素子3に制御電流Aとして加えられる。 【0028】一方、図16に示したコア40に対する被測定系の電流入力端子1S,1Lは、被測定系の電流として通常、5A,30A,120Aなどの交流電流が入力される。この電流は、コア40によってこの電流に正比例した磁界(図2−B)に変換されてホール素子3に加えられる。 【0029】ホール素子3は、電流端子T1−T2間に流れる制御電流Aと加えられる磁界Bとの積に正比例した電圧を出力端子T3−T4間に出力する。ホール素子3の出力端子T3−T4間に出力される電圧は、減算器4によって増幅され、さらに反転増幅器5によって−1倍、つまり正負反転されて電圧信号Cとして出力される(図2−C)。 【0030】反転増幅器5の出力電圧Cは、出力端子30へ出力され、同時にコンパレータ7に入力される。コンパレータ7は、この電圧Cを基準電圧AGと比較し、反転増幅器5の出力電圧Cの方が高いときにはハイレベル、低いときにはローレベルの電圧を出力する。このコンパレータ7の出力信号は図2−Dに示してある。 【0031】コンパレータ7の出力信号は、16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9に入力される。このアップ/ダウン・カウンタ9のカウンタ値は、制御信号LD(図2−LD)がハイレベルのときに中心値(32768)にプリセットされ、制御信号EN(図2−EN)がハイレベルになると制御信号CLK(図2−CLK)のカウント動作を行う。カウント動作は、コンパレータ7の出力Dがハイレベルのときアップ・カウントを行い、コンパレータ7の出力Dがローレベルのときダウン・カウントを行う。つまり、ホール素子3の出力電圧の不平衡分Offの極性が正の時はアップ/ダウン・カウントを行った結果は中心値(32768)よりも大きくなり、不平衡分Offの極性が負のときはアップ/ダウン・カウントを行った結果は中心値(32768)よりも小さくなる。 【0032】アップ/ダウン・カウントを行った結果の値は、制御信号LCK(図2−LCK)の立上りで補償値演算部10に入力される。補償値演算部10は、アップ/ダウン・カウントを行った結果の値と中心値(32768)の差を計算し、この差からホール素子3の不平衡分Offを補償する補償値を求める。この補償値は制御信号SCK(図2−SCK)の立上りでスイッチ制御部11に入力される。 【0033】ホール素子3の2つの端子間に接続されたラダー抵抗器12のスイッチ13は、補償値に応じてスイッチ制御部11からのスイッチ制御信号S[7:0]によりオン/オフする。ラダー抵抗器12による分圧比は、ホール素子3の不平衡分がゼロになるように作用する。 【0034】ここでホール素子3の端子T2−T4間に接続されている抵抗器R5はホール素子3の不平衡成分となり、ホール素子3自体の不平衡成分を含めても不平衡成分の影響が一定方向になるような抵抗値のものである。ただし、ホール素子3自体の不平衡成分の影響が常に一定方向に決まっている場合は、抵抗器R5を必要としない。 【0035】この第1の実施の形態によれば、ラダー抵抗器12とスイッチ13がホール素子3の不平衡成分を補償するように自動的に動作するので、従来必要であった可変抵抗素子を使用しないでホール素子3の不平衡分を補償することができ、高精度な電流強度の検出を行う電流検出装置を得ることができる。 【0036】また、ラダー抵抗器12、スイッチ13及びスイッチ制御部11は一般的なR−2Rラダー抵抗器型D/Aコンバータと同様な回路構成を持つものであり、他のCMOS回路部とのワンチップLSI化が容易である。 【0037】次に、本発明の第2の実施の形態の電流検出装置を、図3及び図4に基づいて説明する。第2の実施の形態の特徴は、図1に示した第1の実施の形態で採用した補償値演算部10に代えて、D−フリップフロップ14と8ビット・アップ/ダウン(U/D)・カウンタ15を備えた点にある。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と共通であるので、以下、同一の部分には同一の符号を用いて説明する。 【0038】図4において、Aはホール素子3に加えられる制御電流波形であり、Bはホール素子3に加えられる磁界波形であり、Cは電流強度の検出結果である反転増幅器5の出力波形であり、そしてOffはホール素子3の不平衡分を示している。また、Dはパルス幅変調手段であるコンパレータ7の出力波形、EN,LD,CLKは第1のアップ/ダウン・カウンタである16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9の制御信号、LCKはD−フリップフロップ14の制御信号、QNはD−フリップフロップ9の出力信号、SCKはスイッチ制御部11の制御信号、S[7:0]はスイッチ制御信号である。 【0039】この第2の実施の形態の電流検出装置では、コンパレータ7から第1のアップ/ダウン・カウンタである16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9に入力される信号Dまでは第1の実施の形態と同じである。 【0040】そして、16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9の出力端子Q15の信号レベルは、制御信号の立上りでD−フリップフロップ14に保持される。D−フリップフロップ14の出力端子QN(図4−QN)には保持した信号レベルと反対極性の信号レベルが出力される。第2のアップ/ダウン・カウンタである8ビット・アップ/ダウン・カウンタ15は、D−フリップフロップ14の出力端子QNの信号レベルがハイレベルのとき制御信号LDの立上りでダウンカウントを行う。この8ビット・アップ/ダウン・カウンタ15のカウンタ値は、制御信号SCKの立上りでスイッチ制御部11に入力される。 【0041】ホール素子3の2つの端子間に接続されたラダー抵抗器12のスイッチ13は、スイッチ制御部11によりアップ/ダウン・カウンタ15のカウンタ値に応じてオン/オフする。 【0042】これにより、第2の実施の形態の電流検出装置では、第1の実施の形態と同様に、ラダー抵抗器12とスイッチ13がホール素子3の不平衡成分を補償するように自動的に動作するので、従来必要であった可変抵抗素子を使用しないでホール素子3の不平衡分を補償することができ、高精度な電流強度の検出を行う電流検出装置を得ることができる。 【0043】また、第1のアップ/ダウン・カウンタ9の出力端子のうち、その符号ビットQ15のみを参照するために、スイッチ制御部11の制御信号S[7:0]は常に1LSBずつ変化し、被測定系の交流電流の振幅に影響されないホール素子3の不平衡成分の補償ができる。 【0044】次に、本発明の第3の実施の形態の電流検出装置を図5及び図6に基づいて説明する。第3の実施の形態の特徴は、図3に示した第2の実施の形態の構成に対して、さらに、パルス幅変調手段であるコンパレータ7の出力Dを監視し、その正負変化の有無に応じて第2のアップ/ダウン(U/D)・カウンタ15のカウント幅を変化させるカウンタ変化数選択部16と、このカウンタ変化数選択部16の出力CKONがハイレベルにある間、制御信号発生部8のクロックCLKを第2のアップ/ダウン・カウンタ15に入力するためのアンドゲート17を備えた点にある。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態、図3に示した第2の実施の形態と共通であるので、以下、同一の部分には同一の符号を用いて説明する。 【0045】図6において、Aはホール素子3に加えられる制御電流波形、Bはホール素子3に加えられる磁界波形、Cは電流強度の検出結果である反転増幅器5の出力波形であり、そしてOffはホール素子3の不平衡分を示している。また、Dはパルス幅変調手段であるコンパレータ7の出力波形、EN,LD,CLKは第1のアップ/ダウン・カウンタである16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9の制御信号、LCKはD−フリップフロップ14の制御信号、QNはD−フリップフロップ9の出力信号、CKONはカウンタ変化数選択部16の出力制御信号、Eは第2のアップ/ダウン・カウンタ15のカウント波形、SCKはスイッチ制御部11の制御信号、S[7:0]はスイッチ制御信号である。 【0046】この第3の実施の形態の電流検出装置では、コンパレータ7の出力信号Dはカウンタ変化数選択部16によってモニタされる。そしてカウンタ変化数選択部16は、コンパレータ7の出力Dに変化がない場合にのみ、第2のアップ/ダウン・カウンタ15にクロックCLKを4カウントアップ/ダウンさせる。なお、この4カウントは一例であり、任意に変更設定できる。 【0047】これにより、第3の実施の形態では、コンパレータ7の出力に変化がある通常時には1カウントずつ、しかしながらコンパレータ7の出力に変化がない場合に4カウントずつ、第2のアップ/ダウン・カウンタ15にアップ/ダウン・カウントさせるので、ホール素子3の不平衡成分Offが大きい場合でもより速くホール素子3の不平衡成分を補償することができる。 【0048】次に、本発明の第4の実施の形態の電流検出装置を、図7及び図8に基づいて説明する。第4の実施の形態の特徴は、図5に示した第3の実施の形態に対して、カウンタ変化数選択部16に代えて、第1のアップ/ダウン・カウンタ9の極性の変化に応じて第2のアップ/ダウン(U/D)・カウンタ15のカウント数を変化させるカウンタ変化数制御部18を備えた点にある。その他の構成は、図5に示した第3の実施の形態と共通であるので、以下、同一の部分には同一の符号を用いて説明する。 【0049】図8において、Aはホール素子3に加えられる制御電流波形、Bはホール素子3に加えられる磁界波形、Cは電流強度の検出結果である反転増幅器5の出力波形であり、そしてOffはホール素子3の不平衡分を示している。また、Dはパルス幅変調手段であるコンパレータ7の出力波形、EN,LD,CLKは第1のアップ/ダウン・カウンタである16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9の制御信号、LCKはD−フリップフロップ14の制御信号、QNはD−フリップフロップ9の出力信号、CKONはカウンタ変化数制御部18の出力制御信号、Eは第2のアップ/ダウン・カウンタ15のカウント波形、SCKはスイッチ制御部11の制御信号、S[7:0]はスイッチ制御信号である。 【0050】この第4の実施の形態の電流検出装置では、D−フリップフロップ14の出力信号QNはカウンタ変化数制御部18によってモニタされる。そしてカウンタ変化数制御部18は、D−フリップフロップ14の出力信号QNが、(正−負−正)あるいは(負−正−負)と変化した場合に、それ以降、第2のアップ/ダウン・カウンタ15のカウント変化数を通常の16カウントから前回の1/2倍に変更する。例えば、16−16−16−8−4−2−1−1−1…と変化させるのである。 【0051】これにより、第4の実施の形態では、D−フリップフロップ14の出力信号QNの変化が、被測定系の交流電流の振幅(図8−B)に影響されることがなく、振幅の差に関係なく、より速くホール素子3の不平衡成分を補償することができる。 【0052】次に、本発明の第5の実施の形態の電流検出装置を図9及び図10に基づいて説明する。第5の実施の形態の特徴は、図1に示した第1の実施の形態に対して、補償値演算部10に代えて、逐次比較回路19を備えた点にある。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と共通であるので、以下、同一の部分には同一の符号を用いて説明する。 【0053】図10において、Aはホール素子3に加えられる制御電流波形であり、Bはホール素子3に加えられる磁界波形であり、Cは電流強度の検出結果である反転増幅器5の出力波形であり、そしてOffはホール素子3の不平衡分を示している。また、Dはパルス幅変調手段であるコンパレータ7の出力波形、EN,LD,CLKは16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9の制御信号、LCKは逐次比較回路19に対する制御信号、SGNはアップ/ダウン・カウンタ9の符号ビット出力、SCKはスイッチ制御部11の制御信号、S[7:0]はスイッチ制御信号である。 【0054】この第5の実施の形態の電流検出装置では、アップ/ダウン・カウンタ9の出力信号(図10−SGN)をもとに、逐次比較回路19がスイッチ制御部11に制御信号を送る。逐次比較回路19では、まずスイッチ制御信号S[7:0]を80[H]に設定し、ここで符号信号SGNがハイレベルならばS[7:0]=40[H]に設定し、ローレベルであればS[7:0]=C0[H]に設定する。このように、アップ/ダウン・カウンタ9の符号信号SGNのハイレベル/ローレベルに対応してスイッチ制御信号S[7:0]を1/2ずつの変化させるのである。 【0055】これにより、第5の実施の形態によれば、スイッチ制御部11の制御が逐次比較により行われるため、被測定系の交流電流の振幅(図10−B)や、ホール素子3の不平衡成分の大きさに関係なく、ホール素子3の不平衡成分を補償することができる。 【0056】次に、本発明の第6の実施の形態の電流検出装置を、図11及び図12に基づいて説明する。第6の実施の形態の特徴は、図1に示した第1の実施の形態に対して、通常の電圧−電流変換器2に代えて、定電圧源1の出力電圧を一定周期で正転・反転させて電圧−電圧変換する正転・反転切換付き電圧−電流変換器21を備え、また、コンパレータ7の出力パルスDをこの正転・反転切換付き電圧−電流変換器21の正転・反転動作に合わせて正転・反転する正転・反転切換器22を追加的に備え、さらに、これらの正転・反転切換付き電圧−電流変換器21と正転・反転切換器22との正転・反転動作を制御する正転・反転制御部20を備えた点にある。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と共通であるので、以下、同一の部分には同一の符号を用いて説明する。 【0057】図12において、Aはホール素子3に加えられる制御電流波形であり、Bはホール素子3に加えられる磁界波形であり、Cは電流強度の検出結果である反転増幅器5の出力波形であり、そしてOffはホール素子3の不平衡分を示している。また、Fはコンパレータ7の出力波形を正転・反転させた波形、EN,LD,CLKは16ビット・アップ/ダウン・カウンタ9の制御信号、LCKは補償値演算部10の制御信号、SCKはスイッチ制御部11の制御信号、S[7:0]はスイッチ制御信号である。 【0058】この第6の実施の形態では、制御電流Aとコンパレータ7の出力波形とは正転・反転制御部20の制御によりそれぞれ、正転・反転切換付き電圧−電流変換器21と正転・反転切換器22によって一定周期で正転・反転される。 【0059】これにより、入出力信号を一定周期で正転・反転することによってホール素子3による不平衡成分以外の不平衡成分の影響なしに、ホール素子3の不平衡成分を補償することができる。 【0060】なお、この正転・反転切換手段(20,21,22)の構成要素は、上記の第2の実施の形態〜第5の実施の形態のいずれに対しても適用することができる。 【0061】 【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、従来のD/Aコンバータに相当するスイッチを備えたラダー抵抗器とこれを制御するスイッチ制御手段によって直接にホール素子の不平衡分を補償するので、従来では必須であったホール素子の端子間に接続する可変抵抗素子を使用しなくてもホール素子の不平衡分を補償できる。 【0062】請求項2の発明によれば、入出力信号を一定周期で正転・反転することによりホール素子による不平衡分以外の不平衡成分の影響をなくすことができる。 【0063】請求項3の発明によれば、ホール素子の不平衡分の補償値を第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の正負だけに従ってアップ・カウント及びダウン・カウントを行う第2のアップ/ダウン・カウンタによって決定するので、被測定系の交流電流の振幅に依存しない補償値を算出してホール素子の不平衡分を補償することができる。 【0064】請求項4の発明によれば、カウンタ変化数選択手段がパルス幅変調手段の出力を監視し、その正負変化の有無に応じて第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント数を変化させることにより、より速く補償値を算出してホール素子の不平衡分を補償することができる。 【0065】請求項5の発明によれば、カウンタ変化数制御手段が第1のアップ/ダウン・カウンタの極性の変化に応じて第2のアップ/ダウン・カウンタのカウント幅を変化させることにより、被測定系の交流電流の振幅に依存しない補償値をより速く算出してホール素子の不平衡分を補償することができる。 【0066】請求項6の発明によれば、逐次比較手段によって被測定系の交流電流の振幅に影響されずに補償値算出してホール素子の不平衡分を補償することができる。 【0067】請求項7の発明によれば、入出力信号を一定周期で正転・反転することによりホール素子による不平衡分以外の不平衡成分の影響をなくすことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成11年3月3日(1999.3.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−249726(P2000−249726A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月14日(2000.9.14) |
| 【出願番号】 |
特願平11−56125 |
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