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【発明の名称】 異物検出装置および異物検出装置を含むプロセスライン
【発明者】 【氏名】▲高▼木 昌広

【要約】 【課題】簡単で安価な異物検出装置、およびそれを含むプロセスラインを提供する。

【解決手段】本発明の異物検出装置は、主面を有する被検査物を受容するステージと、該ステージを搬送軸方向に搬送する搬送機構と、該搬送軸方向に搬送されている該ステージ上の該被検査物の該主面に平行な第1方向に第1光線を出射する第1投光光学系と、該ステージ上の該被検査物の該主面上を通過した該第1光線を受光する第1受光光学系と、該第1受光光学系が受光した該第1光線の強度をリアルタイムで検出し、該強度に応じた第1検出信号を出力する検出器と、該第1検出信号の大きさと規定値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を示す異物検出信号を出力する、判定回路とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主面を有する被検査物を受容するステージと、該ステージを搬送軸方向に搬送する搬送機構と、該搬送軸方向に搬送されている該ステージ上の該被検査物の該主面に平行な第1方向に第1光線を出射する第1投光光学系と、該ステージ上の該被検査物の該主面上を通過した該第1光線を受光する第1受光光学系と、該第1受光光学系が受光した該第1光線の強度をリアルタイムで検出し、該強度に応じた第1検出信号を出力する検出器と、該第1検出信号の大きさと規定値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を示す異物検出信号を出力する、判定回路と、を有する、異物検出装置。
【請求項2】 前記搬送軸方向に搬送されている該ステージ上の該被検査物の該主面に平行で、かつ前記第1方向とは異なる第2方向に第2光線を出射する第2投光光学系と、該ステージ上の該被検査物の該主面上を通過した該第2光線を受光する第2受光光学系を更に有し、前記検出器は、該第2受光光学系が受光した該第2光線の強度をリアルタイムで検出し、該強度に応じた第2検出信号を出力し、前記判定回路は、該第2検出信号の大きさと規定値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を示す異物検出信号を出力する、請求項1に記載の異物検出装置。
【請求項3】 光線方向変換素子を更に有し、前記第1投光光学系から前記第1方向に出射され、かつ、前記ステージ上の前記被検査物の前記主面上を通過した前記第1光線の進行方向が、該光線方向変換素子によって該第1の方向とは異なる第2の方向に変換され、前記第1受光光学系は、該第2方向に進行し、該ステージ上の該被検査物の該主面上を再度通過した該第1光線を受光する、請求項1に記載の異物検出装置。
【請求項4】 前記第1方向と前記第2方向とのなす角が90度である、請求項2または3に記載の異物検出装置。
【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の異物検出装置と、該異物検出装置の後に設けられたプロセス処理装置とを有し、複数の被検査物を連続的に処理するプロセスラインであって、前記異物検出信号が異物ありを示すときに、該異物検出装置が該異物検出信号に基づいて搬送を中断するプロセスライン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示装置の基板等の被検査物表面に付着した異物等を欠陥として検出する異物検出装置および異物検出装置を含むプロセスラインに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置の基板や半導体ウェハ表面上の異物を検出する様々な装置が開発されている。
【0003】特開昭63−204140号公報は、図8に示されるように、物体(被検査物)表面を平行光線で照射し、表面からの散乱光をビデオカメラを用いて検出することによって、物体表面に存在する異物を検出する方法を開示している。半導体ウェハ(被検査物)15は、モータ43によって軸A回りに回転するホルダ40上に置かれる。半導体ウェハ15の表面13上の領域が、光源発生部12に含まれるレーザ光源から出射されたレーザ光によって照射される。半導体ウェハ15の表面13上の領域は、入射接線角でレーザ光線によって照明される。レーザ光線によって照射される表面13上の領域が方形状になるように、レーザ光線は垂直方向に膨張され、かつ水平方向に走査される。照射された領域上に存在する異物によって散乱された散乱光は、物体15の上部に配置されたビデオカメラ39により検出され、コンピュータ51で処理され、ディスプレイ53に表示される。
【0004】特開昭58−079240号公報は、光透過性の被検査物上に付着した異物を光ビームで走査することにより検出する異物検出装置を開示している。特開昭58−079240号公報の異物検出装置においては、被検査物からの反射光と透過光とを吸収する光学部材および光吸収体を設ける。このことにより、光電手段に達する迷光を防止し、異物の検査能力を向上させる。
【0005】特開平2−067715号公報は、試料表面およびマスク面を異物検査する機能を備え付けた露光装置をクリーンチャンバ内に設置することを開示している。このことにより、試料のパターン欠陥を防止し、厚膜・薄膜回路やプリント基板等の歩留まりを向上させる。
【0006】特開平3−188491号公報は、被検査物の液晶パネルの表面側および裏面側に投光光学系と受光光学系からなる2組の検出光学系が対称に配設された、液晶パネルの表面欠陥検査装置を開示している。被検査物の作用表面上をレーザ走査し、作用表面の散乱光、裏面の散乱光の検出信号を比較することにより、作用表面の異物が欠陥として判定され、欠陥信号が出力される。裏面の異物は、検出されないようにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来技術においては、微小異物の形状が球体に類似するとの仮定に基づいて異物からの散乱光を検出し、異物寸法の同定を行っている。このような検出感度は極めて高く、サブミクロン径の異物を安定して検出することができる。
【0008】フラットディスプレイやプリント基板等において、不良原因となる異物の寸法は大半の工程で、約20μm以上である。このような異物としては、例えば、人により運搬される繊維、人から出る角質皮膚片、設備から発生する駆動ベルト、摺動金属片、あるいは、レジスト材料などの凝固物などが挙げられる。上記オーダーの異物は、形状が千差万別で、また、異物表面が滑らかではない。従って、散乱光の強さや散乱方向にバラツキが生じ、上記の寸法の異物を1個と判断できず、異物群として検出してしまうという課題がある。
【0009】特にプロキシミィティ法による露光装置では高さ方向の寸法がポイントとなり(露光マスクに異物が転移することにより、不良品が大量に発生する)、必要以上に検出感度を上げることなく、検出対象とする異物を区分判定することが重要な課題である。
【0010】本願発明は上記の課題を解決するためのものであり、従来技術より簡単で安価な異物検出装置を提供することを目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、構造や機構の複雑化を避け、低コストな、上記異物検出装置を含むプロセスラインを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の異物検出装置は、主面を有する被検査物を受容するステージと、該ステージを搬送軸方向に搬送する搬送機構と、該搬送軸方向に搬送されている該ステージ上の該被検査物の該主面に平行な第1方向に第1光線を出射する第1投光光学系と、該ステージ上の該被検査物の該主面上を通過した該第1光線を受光する第1受光光学系と、該第1受光光学系が受光した該第1光線の強度をリアルタイムで検出し、該強度に応じた第1検出信号を出力する検出器と、該第1検出信号の大きさと規定値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を示す異物検出信号を出力する、判定回路と、を有し、このことにより、上記の目的が達成される。
【0013】前記搬送軸方向に搬送されている該ステージ上の該被検査物の該主面に平行で、かつ前記第1方向とは異なる第2方向に第2光線を出射する第2投光光学系と、 該ステージ上の該被検査物の該主面上を通過した該第2光線を受光する第2受光光学系を更に有し、前記検出器は、該第2受光光学系が受光した該第2光線の強度をリアルタイムで検出し、該強度に応じた第2検出信号を出力し、前記判定回路は、該第2検出信号の大きさと規定値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を示す異物検出信号を出力してもよい。
【0014】光線方向変換素子を更に有し、前記第1投光光学系から前記第1方向に出射され、かつ、前記ステージ上の前記被検査物の前記主面上を通過した前記第1光線の進行方向が、該光線方向変換素子によって該第1の方向とは異なる第2の方向に変換され、前記第1受光光学系は、該第2方向に進行し、該ステージ上の該被検査物の該主面上を再度通過した該第1光線を受光してもよい。
【0015】前記第1方向と前記第2方向とのなす角が90度であることが好ましい。
【0016】本発明のプロセスラインは、上記に記載の異物検出装置と、該異物検出装置の後に設けられたプロセス処理装置とを有し、複数の被検査物を連続的に処理するプロセスラインであって、前記異物検出信号が異物ありを示すときに、該異物検出装置が該異物検出信号に基づいて搬送を中断し、このことにより、上記の目的が達成される。
【0017】以下、作用を説明する。
【0018】本発明の異物検出装置においては、第1投光光学系が搬送軸方向に搬送されているステージ上の被検査物の主面に平行な第1方向に第1光線を出射し、第1受光光学系が被検査物の主面上を通過した第1光線を受光し、検出器において第1受光光学系が受光した第1光線の強度をリアルタイムで検出しさらに強度に応じた第1検出信号を出力し、判定回路において第1検出信号の大きさと規定値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を示す異物検出信号を出力するので、様々な形状の、表面が滑らかではない異物や、約20μm以上の大きさの異物でも、異物を異物群としてではなく、個別に区分判定し、さらに、簡単で安価に異物検出を行うことができる。また、容易にプロセスライン(例えば液晶パネルの製造)に挿入することができる。
【0019】また、異物検出装置が、搬送軸方向に搬送されているステージ上の被検査物の主面に平行でかつ第1方向とは異なる第2方向に第2光線を出射する第2投光光学系と、被検査物の主面上を通過した第2光線を受光する第2受光光学系とを更に有すれば、上記第1光線の光軸に対して、平行な方向に幅を有さないような異物が被検査物の主面上に付着している場合でも、第2光線によって異物を検出できるので、感度が低下することなく、異物検出を行うことができる。
【0020】異物検出装置が光線方向変換素子を更に有し、第1投光光学系から第1方向に出射され、かつ、ステージ上の被検査物の主面上を通過した第1光線の進行方向が、光線方向変換素子によって第1の方向とは異なる第2の方向に変換され、第1受光光学系は、第2方向に進行し、ステージ上の被検査物の主面上を再度通過した第1光線を受光すれば、上記第1光線の光軸に対して、平行な方向に幅を有さないような異物が被検査物の主面上に付着している場合でも、第2光線によって異物を検出できるので、感度が低下することなく、異物検出を行うことができる。また、光線方向変換素子として、ミラーやプリズム等を使用すれば、1対の投光/受光光学系で2つの異なる方向の光線を生成することができ、装置のコストをさらに抑えることができる。
【0021】上記第1方向と第2方向とのなす角が90度であれば、これら2つの方向の光線が相補的に異物を検出することができるので、異物の形状によらず、確実な異物検出が実現される。第1方向と第2方向とのなす角は90度が最も好ましいが、装置の構造を考慮して最適に変更できる。
【0022】上記異物検出装置と、異物検出装置の後に設けられたプロセス処理装置とを有し、複数の被検査物を連続的に処理するプロセスラインにおいて、異物検出信号が異物ありを示すときに、異物検出装置が異物検出信号に基づいて搬送を中断すれば、不良品発生頻度を抑制することができる。また、処理装置に入る前に不良品を取り出すことができるので、後続の製品に悪影響を与えることがない。上記プロセス処理装置は、露光機、レジスト塗布機(ラミネート方式を含む)、印刷機、ラビング機等を含む。搬送を中断するとは、ライン停止すること、異物ありとされた被検査物のリジェクトをオペレータに要求すること、さらに不良品を判定し、バッファカセット等に自動的にリジェクト又は、前プロセス装置に振り戻し、再処理すること等を含む。異物ありとされた被検査物を再処理、さらに救済すれば、良品率の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1(a)は、本発明の実施形態1の異物検出装置100の一部上面概略図を示し、図1(b)は図1(a)の側面図を示す。また、図2は、異物検出方法のフローチャート、図6は、信号処理のブロックダイアグラムの一例を示す。
【0024】実施形態1の異物検出装置100は、主面102を有する被検査物120を受容するステージ110と、ステージ110を搬送軸方向に搬送する搬送機構130と、第1投光光学系142と、第1受光光学系144と、第1検出信号を出力する検出器192(図6)と、異物検出信号を出力する判定回路194(図6)とを有する。
【0025】第1投光光学系142は、搬送軸方向に搬送されているステージ110上の被検査物120の主面102に平行な光線を出射し、第1受光光学系144は、ステージ110上の被検査物120の主面102上を通過した第1光線140を受光する(図2の200)。
【0026】投光光学系142から出射された光線140の光軸から一定の距離を維持しながらステージを搬送軸方向に搬送する。被検査物表面上の異物を確実に捕らえるために、光軸とステージ上の被検査物表面との間の距離は、約−0.3mm、すなわち、光線140の下部の約0.3mmが被検査物に遮光されるように配置されることが好ましい。なお、被検査物による遮光量は予め判定基準値に反映しておく。被検査物120はステージ110に、例えば真空吸着によって保持される。
【0027】ステージを搬送軸方向に搬送するための装置としては、例えば、定盤上に取り付けられた直動スライドガイドにステージが搭載され、パルスモータまたはサーボモータとステージがボールネジで連結されている装置が挙げられる。この装置は、モータの駆動によるボールネジの回転によって、ステージを直動ガイドに沿ってスライド移動させる。スライド移動時の上下方向のぶれや一定の搬送速度が得られることが、この搬送装置のポイントになる。搬送速度は、A/D変換器のサンプリング時間と異物寸法との兼ね合いにより、上限が決定される。サンプリング時間は、投光光学系と受光光学系との安定性を得るために、受光光量の積算する時間である。例えば、異物検出の最小分解能を5μmとすると、搬送速度は100mm/sec以下が好ましい。通常50mm/sec以下が好ましい。
【0028】投光光学系142には、例えば、半導体レーザーやCO2レーザー等の指向性の高い発光素子が使用される。例えば、投光光学系から出射されるビームの断面積は、約0.75mm2(ビーム直径約1mm)、光量は約3mWである。。受光光学系144には例えばフォトダイオードが使用される。
【0029】投光光学系142をマイクロステージ等に取付ければ、投光光学系142の高さをミクロン単位で調整することが可能である。また、ある立体角θの範囲内で自由に光の出射角度を変えられる機構上に投光光学系142を取付けてもよい。受光光学系144も投光光学系142と同様の調整機構を有し、最大光量が得られる様に調整されることが好ましい。
【0030】被検査物120の表面に異物106が存在すると、第1投光光学系142から出射された光線140が、異物106によって遮光(反射/散乱)される。その結果、被検査物120を通過して受光光学系に入射する光量が低下する。
【0031】検出器は第1受光光学系144が受光した第1光線140の強度をリアルタイムで検出して強度に応じた第1検出信号を出力する(図2の202)検出器192は、図6に示すように、例えば、アンプ180およびA/D(アナログ/デジタル)変換器182を含む。第1光線の強度に応じた出力電圧は、アンプ180で増幅され得る。増幅後、A/D変換器182でアナログデータからデジタルデータへと変換され得る。アンプ180とA/D変換器182との間にバンドパスフィルター(不図示)を挿入して、スパイク状ノイズを除去しても良い。
【0032】スパイク状ノイズを簡単に説明する。スパイク状ノイズとは、図9に示されるような信号に対して、高周波で信号強度が変動するもので、縦軸に信号強度を横軸に時間をとると、スパイク状の波形となることからこのように呼ばれている。S/N比が高ければ問題ないが、信号強度が弱い場合、何らかの信号およびノイズ分離処理が必要とされる。
【0033】上記スパイク状ノイズの発生原因としては、光電素子および電気回路が挙げられる。光電素子は、例えば、素子の熱じょう乱による発光強度および光起電圧の変動を引き起こす。また、電気回路は、例えば、電気・電子部品の熱じょう乱による素子特性の変動を引き起こしたり、空間電磁波の影響を受ける。熱じょう乱ノイズとは、素子の温度を低下させれば低減し、絶対温度0K(または、超伝導温度)で0となるものである。
【0034】なお、A/D変換後は、数値として信号量を扱うので、このようなスパイク状ノイズを無視して良い。スパイク状ノイズは、A/D(アナログ/デジタル)変換器182においてデジタルデータに変換後、後述する判定回路194に含まれ得るデータ処理回路184で、隣接するデータ値の比較から削除しても、隣接データを足し合わせる一般的なスムージング処理で消してしまっても良い。 スムージング処理について、説明する。スムージング処理として、例えば、データがアナログ量であるときに行う方法とデジタル量に変換後に行う方法とがある。
【0035】アナログ量におけるスムージングは、一般的に、データ量を増加させてS/N比を上昇させる方法をとる。具体的には受光時間を増加させて受光光量を増大させるために、被検査物の搬送速度を低下させるか、あるいは、デジタル量に変換するためのサンプリング時間を増大させる。ただし、後者の場合には、検出分解能は低下する恐れがある。また、検出分解能は低下する恐れがあるが、バンドパスフィルター(ハイカットフィルター)を使用して信号の高周波成分であるスパイクノイズを除去してもよい。
【0036】一方、デジタル量におけるスムージングは、A/D変換後の数値を取り扱って行う。例えば、図9に示したような信号の場合、時間軸を均等に区分した領域の信号強度の積算分(面積)を数字に置き換えてデジタル値に変換する。この数値の内、例えば両隣の数値と比較して、その数値が設定範囲よりも大きいかあるいは小さい場合、異物検出による信号量の増減ではないと判断し、その数値を無視する。この場合、その数値の増減が最低2つ以上連続することが条件である。この他には、両隣の数値を足し合わせて、平均をとる(2つ以上連続して増減する信号であれば、足し合わせても数値は小さくならない)などの数学的手法もある。
【0037】アナログ量のスムージングは、物理的に行われるため、その入り口で信号の変形を伴う。A/D変換後のスムージングは、原信号はそのまま残したままで、信号の状況に応じた取り扱いが可能であるので、より良好な方法であるといえる。
【0038】判定回路は、第1検出信号の大きさと規定値とを比較する(図2の204)。
【0039】下記に、判定回路の例を説明する。判定回路としては、アナログ量をそのまま扱う場合には、電圧比較回路などを使用するが、デジタル量を扱う場合には、信号値とあらかじめ設定された基準値とを単に数値比較する論理演算回路を使用する。異物によって遮光された光強度は、定常時よりもその強度が減少する。サンプリングした時間区分で、その前後の信号値との差分をとり、設定値よりもこの差分が大きくなる箇所を「異物の検出」と判定し、不良信号を発信する。
【0040】判定回路による判定例を挙げる。例えば、信号強度を256階調でA/D変換した場合の信号列が、....205、204、204、202、200、205、184、172、174、176、192、198、199、188、196、194、196......であるとする。検出対象を、信号差分が10以上かつ、信号幅が2個以上とする。この場合、上記信号列において、「184、172、174、176」が「異物あり」と判定される。信号差分について、前後の信号と比較する段階において、すぐ両隣のものと比較するのか、少し離れたものと比較するかなどのパラメータ的な説明は、通常、別にもつ。上記信号列において、「188」は、信号幅が1個であるので、ノイズの処理の残り、または異物が小さすぎることなどによる検出非対象と判定され得る。
【0041】次に、規定値の設定の一例を説明する。規定値は、実際に検出したい異物を検査機にかけて、その信号差分がどの程度あるのかをみて設定され得る。基準値として、信号強度の差分(異物の高さが最も影響を与える)、あるいは、信号の幅(異物の光軸に垂直な方向の幅)などを設定できる。
【0042】判定回路によって比較が行われ(図2の204)、さらに、比較結果に基づいて異物106の有無を示す異物検出信号を出力する。例えば、第1検出信号の大きさが規定値よりも大きい場合には「異物なし」の異物検出信号を出力し(図2の206)し、第1検出信号の大きさが規定値よりも小さい場合には「異物あり」の異物検出信号を出力する(図2の208)。このように、異物が検出対象を越える大きさである場合には、「異物あり」と判定されるが、被検査物に異物が存在しない、または、検出対象に満たない大きさの異物(第1受光光学系144に受光される光の強度の低下が十分でない)については、「異物なし」と判定される。
【0043】図6に示すように判定回路194がデータ処理回路184を含み、データ処理回路184に予め規定値が設定・入力されていてもよい。データ処理回路184は、具体的には、例えば、データメモリ回路、スムージング回路、あるいは、比較回路などである。データメモリ回路は、A/D変換後のデータや処理途中のデータを必要に応じて記憶する。スムージング回路は、ノイズ成分の除去を目的とする論理演算回路である。比較回路は、規定値との比較を行う論理演算回路である。
【0044】なお、第1投光光学系から出射される第1光線の方向(光軸)および被検査物を受容しているステージとの位置関係、また、第1検出信号の大きさに対する比較対象である規定値等は、検出対象となる異物の大きさによって調整され得る。
【0045】上述のように実施形態1によると、投光光学系から出射された光線の異物による遮光(散乱/反射)度合によって、異物の検出判定を行うので、従来のような散乱光を用いて異物の検出を行う方式よりも、異物の形状・表面反射率の影響を受けず、検出レベルの安定性を得ることができる。また、異物の不良対象サイズでの良否の判定が容易である。従って、約20μm以上の異物(上限なし)で検出可能であり、安定した判定を与えることができる。
【0046】また、異物検出装置の構造を従来技術より簡単なものにし、異物検出装置のコストを大幅に低減することができる。さらに、プロセスラインに取り付けるための取付機構にも特別なもの、高精度ものを必要とせず、取付の容易な異物検出装置を提供することができる。
【0047】(実施形態2)図3は、実施形態2の異物検出装置300の概略上面図を示す。
【0048】異物検出装置300は、図1と同様に、第1方向に第1光線305を出射する第1投光光学系142と、第1光線305を受光する第1受光光学系144とに加えて、搬送軸方向に搬送されているステージ110上の被検査物120の主面102に平行で、かつ第1方向とは異なる第2方向に第2光線306を出射する第2投光光学系302と、被検査物120の主面102上を通過した第2光線306を受光する第2受光光学系304を有する。
【0049】第1受光光学系144および第2受光光学系304が受光した第1光線305および第2光線306の強度は、リアルタイムで検出され、強度に応じた第1検出信号および第2検出信号が検出器によって出力される。
【0050】判定回路において、第1検出信号および第2検出信号の大きさと規定値とが比較され、比較結果に基づいて異物の有無を示す異物検出信号が出力される。
【0051】本実施形態2の異物検出装置300のように、2対の投光/受光光学系を有すれば、上記第1光線の光軸に対して、平行な方向に幅を有さないような異物が平行に並んで被検査物の主面上に付着している場合でも、第2光線によって異物を検出できるので、感度が低下することなく、異物検出を行うことができる。
【0052】投光/受光光学系は、2対およびそれ以上でもよく、その数は適宜選択される。
【0053】上記第1方向と第2方向とのなす角が90度であれば、これら2つの方向の光線が相補的に異物を検出することができるので、異物の形状によらず、確実な異物検出が実現される。第1方向と第2方向とのなす角は90度が最も好ましいが、装置の構造を考慮して最適に変更できる。
【0054】実施形態2においても上述した実施形態1と同様の効果が得られる。
【0055】(実施形態3)図4は、実施形態3の異物検出装置400の概略上面図を示す。
【0056】異物検出装置400は、実施形態1の異物検出装置100に光線方向変換素子402を更に有する。
【0057】第1投光光学系142から第1方向404に出射され、かつ、ステージ110上の被検査物120の主面102上を通過した第1光線408の進行方向は、光線方向変換素子402によって第1の方向404とは異なる第2の方向406に変換される。第1受光光学系144は、第2方向406に進行し、ステージ110上の被検査物120の主面102上を再度通過した第1光線408を受光する。
【0058】異物検出装置400によれば、実施形態2の異物検出装置300と同様に、第1光線の光軸に対して、平行な方向に幅を有さないような異物が被検査物の主面上に付着している場合でも、第2光線によって異物を検出できるので、感度が低下することなく、異物検出を行うことができる。また、光線方向変換素子として、ミラーやプリズム等を使用すれば、1対の投光/受光光学系で2つの異なる方向の光線を生成することができ、装置のコストを抑えることができる。
【0059】実施形態3においても上述した実施形態1と同様の効果が得られる。
【0060】光線の光軸に対して、平行な方向の幅が小さい異物(但し、高さ、長さは不良対象にする寸法を有している異物)が光軸に沿って存在する場合(即ち長手辺が光軸に平行となり、光束で切られる異物の断面積が最小となる場合)における、上述の実施形態1から3における光線140(図1)、光線305および306(図3)および408(図4)の信号波形をそれぞれ図7(a)から(d)に示す。なお、図7において、ベースラインが傾いているが、これは被検査物の厚みの変動およびステージ装置部の精度変動により生じる。通常、液晶表示装置用の基板の厚みのばらつきは、約±50μm、ステージ装置部の精度は約±10μmである。
【0061】光線の光軸に対して、平行な方向の幅が小さい異物の検出においては、光線140(図1)の出力信号の低下は小さく、明確な信号出力差として得られにくい。これに対して、光線305および306(図3)、あるいは、光線408の往路(投光光学系〜光線方向変換素子)と復路(光線方向変換素子〜受光光学系)との組合わせ(図4)においては、検出感度の低下が軽減されることが分かる。
【0062】(実施形態4)本発明の複数の被検査物を連続的に処理するプロセスラインを図5に示す。図5に示される複数の被検査物を連続的に処理するプロセスラインにおいて、異物検出装置100、300あるいは400は、プロセス処理装置504の前に配置される。プロセスラインにおいて、上流より送られてきた、例えば、基板(被検査物)120は、ステージ110に受容される。ステージ110に受容された基板120は、上述の実施形態1から3で説明したように、異物検査される。
【0063】異物検出信号が「異物あり」を示すときに、異物検出装置が異物検出信号に基づいて搬送を中断する。搬送を中断するとは、例えば、ライン停止すること、異物ありとされた被検査物のリジェクトをオペレータに要求すること、さらに不良品を判定し、バッファカセット等に自動的にリジェクト又は、前プロセス装置に振り戻し、再処理することを含む。異物ありとされた被検査物を再処理、さらに救済すれば、良品率の向上を図ることができる。
【0064】例えば、異物検出信号はシーケンサー186に出力される。「異物あり」とされた基板は、不良品として上流側へ戻され、バッファ502(収納装置)に収納される。「異物なし」とされた基板は、次のプロセス処理装置190に送られる。
【0065】シーケンサー186について説明する。シーケンサーとは、機械が所定の動作を予め定めた順序に行うために個々の動作を機械言語にプログラムし、そのソフトウェアーに沿って各駆動機器に動作信号および停止信号を繰り出す制御機器である。シーケンサーは、隣接する機械同士、または何らかの検出装置などからの信号の授受をも行う。この場合、検出装置からの良否判定信号をトリガーとして、「良」のときには所定のある動作を、「否」のときには他の所定の動作を機械に行わせるように各々のプログラムに沿った信号を出力する。
【0066】なお、図5において、収納装置の例として、バッファ502を基板の流れ方向の上流側に配置するように図示しているが、検査完了位置510で基板の搬送方向に垂直となる方向の横並びの位置に配置しても、あるいは処理装置内をプロセス処理することなく、素通りさせて下流側で収納する配置としても構わない。
【0067】本発明の異物検出装置は、液晶パネルの製造ラインに好適に用いられる。このとき被検査物は液晶パネルや基板であり、プロセス処理装置には例えば、露光機、レジスト塗布機(ラミネート方式を含む)、印刷機、ラビング機等がある。
【0068】また、複数の被検査物を連続的に処理するプロセスラインにおいて、異物検出装置をプロセス処理装置の前に配置すれば、不良品発生頻度を抑制することができる。
【0069】
【発明の効果】上述のように、本発明によると、従来のような散乱光を用いて異物の検出を行う方式よりも、異物の形状・表面反射率の影響を受けず、検出レベルの安定性を得ることができると共に、異物の高さ方向に検出判定基準を持つ異物検出装置を提供することができる。
【0070】また、異物検出装置の構造を従来技術より簡単なものにし、異物検出装置のコストを大幅に低減することができる。さらに、プロセスラインに取り付けるための取付機構にも特別なもの、高精度ものを必要とせず、取付の容易な異物検出装置を提供することができる。
【0071】さらに、構造や機構の複雑化を避け、低コストな、上記異物検出装置を含むプロセスラインを提供することができる。
【0072】本発明の異物検出装置は、具体的利用としては、例えば、フラットディスプレイ用基板、及びプリント配線基板等の板状基板にマスクを用いて所定のパターンを焼付ける露光装置、レジスト塗布装置(ラミネート方式を含む)、印刷機及びラビング装置等処理機の前に好適に組み込まれ得る。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成11年1月20日(1999.1.20)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
【公開番号】 特開2000−214102(P2000−214102A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−12528