| 【発明の名称】 |
流れを可視化する方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田 村 雅 之
【氏名】鳥 海 良 一
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| 【要約】 |
【課題】流れの可視化技術において、測定場の温度に依存した適用の限界を打破して、広い温度条件において適用を可能せしめる様な流れを可視化する方法及び装置の提供。
【解決手段】トレーサ(GL)を測定場に供給し、シート状に整形されたレーザー光(LS)を照射し、トレーサがレーザ光を照射されてレーザ誘起蛍光を発した状態を観察し、レーザを照射するに際して、トレーサ(GL)が所望のエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発せしめる様にレーザー光(LS、LO)の波長を選択して発振する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トレーサを測定場に供給するトレーサ供給工程と、シート状に整形されたレーザー光を照射するレーザ照射工程と、トレーサがレーザ光を照射されてレーザ誘起蛍光を発した状態を観察する工程とを含み、前記レーザ照射工程では、トレーサが所望のエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発せしめる様にレーザー光の波長を選択して発振することを特徴とする流れを可視化する方法。 【請求項2】 シート状に整形されたレーザ光を照射するレーザ照射機構と、トレーサを測定場に供給するトレーサ供給機構とを有し、前記レーザ照射機構は、トレーサが所望のエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発せしめる様にレーザー光の波長を選択して発振する様に構成されていることを特徴とする流れを可視化する装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種流れを可視化して、その挙動等を観察、研究するための流れを可視化する方法及び装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】流れを可視化する従来の技術が、図3で示されている。図3において、レーザ1からパルス状に射出されたレーザー光LOは、レンズ群2においてシート状に整形されて、測定場3に入射される。この測定場3には、一酸化窒素(NO)のボンベ6に接続されたチューブ4の一端4Eが位置しており、チューブ4にON−OFF弁として作用する電磁弁5が介装されている。 【0003】「燃焼の科学と技術」(1996年)第116−117巻(Combustion Science and Technology(1996) Vols.116−117)の第541頁から第566頁に発表の論文「燃焼システムの設計及び最適化のためのレーザを用いた非接触診断ツール(New Nonintrusive Laser Diagnostic Tools for Design and Optimization of Technically Applied Combustion Systems)」(A.Luczak、 V.Beushausen、 S.Eisenberg、 M.Knapp、 H.Schlueter、 P.Andresen、 M.Malobabic、 A.Schmidt)において記載されている様に、一酸化窒素は、レーザー光が照射されるとレーザ誘起蛍光を発し(紫外発光)、そのレーザ誘起蛍光は紫外域に感度を有するカメラでとらえる事により、視認可能である。従って、可視化して観察するべき流れに一酸化窒素を混入してレーザー光を照射すれば、レーザ誘起蛍光によってトレーサとして作用し、それをカメラ7により撮影すれば、流れの可視化が実現するのである。そして、一酸化窒素をトレーサとして有効にレーザ誘起蛍光を発生せしめるため、電磁弁5のON−OFFのタイミングは、レーザ1から射出或いは照射されるパルスレーザの射出(照射)タイミングに同期するように制御されている。 【0004】この様な流れの可視化は、流れ場の観察或いは測定一般について非常に有効であり、特に、燃焼場の観察、測定については非常に有効な技術である。 【0005】ここで、従来技術においては、レーザー1としては、KrFエキシマレーザを光源とするのが一般的であった。そのため、例えば一酸化窒素をトレーサとして用いた場合には、振動エネルギー状態が比較的高いもの(v〃=2)について、レーザ誘起蛍光を発する。 【0006】しかし、室温或いは常温程度の比較的低温な測定場3においては、一酸化炭素の振動エネルギーは低いものが大半である。そのため、レーザ誘起蛍光による信号の強度が著しく低下し、流れの可視化が殆ど不可能となってしまうという問題が存在する。 【0007】そして、室温或いは常温程度の比較的低温な測定場3においては流れの可視化が殆ど不可能となってしまうことから、図3を参照して示す従来技術は、実質的には、火炎の内部の様な高温領域における流れの可視化のみが適用可能であり、測定或いは観察に適用される範囲が非常に限られてしまう(室温或いは常温程度の測定場では流れの可視化が事実上不可能)という問題も有している。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、流れの可視化技術において、測定場の温度に依存した適用の限界を打破して、広い温度条件において適用を可能せしめる様な流れを可視化する方法及び装置の提供を目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の流れを可視化する方法は、トレーサを測定場に供給するトレーサ供給工程と、シート状に整形されたレーザー光を照射するレーザ照射工程と、トレーサがレーザ光を照射されてレーザ誘起蛍光を発した状態を観察する工程とを含み、前記レーザ照射工程では、トレーサが所望のエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発せしめる様にレーザー光の波長を選択して発振することを特徴としている。また本発明の流れを可視化する装置は、シート状に整形されたレーザ光を照射するレーザ照射機構と、トレーサを測定場に供給するトレーサ供給機構とを有し、前記レーザ照射機構は、トレーサが所望のエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発せしめる様にレーザー光の波長を選択して発振する様に構成されていることを特徴としている。 【0010】本発明の実施に際して、トレーサとしては、例えば一酸化窒素が好ましい。 【0011】また、トレーサが所望のエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発せしめる様にレーザー光の波長を選択して発振する様に構成されている前記レーザ照射機構としては、レーザとして色素レーザを使用するシステムか、或いは、オプティカルパラメトリック発振機(OPO)を有するOPOシステムを採用することが好ましい。 【0012】かかる構成を有する本発明によれば、前記レーザ照射機構は、トレーサが所望のエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発せしめる様にレーザー光の波長を選択して発振する様に構成されているので、レーザにおいては、「励起」と「波長選択して発振」という作用が行われる。そして「波長選択して発振」に際して、測定場の温度に合わせて、最適な一酸化窒素の振動エネルギー準位を選択する事が出来る。例えば、226nm付近の振動エネルギー準位が比較的低い数値にかかる遷移を用いれば、火炎中等の高温領域に限定されることなく、室温或いは常温程度の比較的低温の測定場についても、可視化が可能となる。 【0013】その結果、室温或いは常温程度の比較的低温の測定場について一酸化窒素をトレーサとして用いたとしても、一酸化窒素は低いエネルギー凖位においてレーザ誘起蛍光を発せしめる。 【0014】この様に本発明によれば、従来技術ではレーザ誘起蛍光を発しない様な低温環境測定場においても、適用可能となるのである。換言すれば、測定場の温度に依存して適用可能か否かが判断されていた一酸化窒素のレーザ誘起蛍光による流れの可視化技術の適用範囲を飛躍的に拡大することが出来る。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態に付いて説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかる流れを可視化する装置を示している。図1において、全体を符号10で示す本発明の第1実施形態にかかる流れを可視化する装置は、パルス状にレーザー光LOを射出するレーザ11と、レーザ11から射出されたレーザー光LOをシート状のパルスレーザー光に整形するためのレンズ群12とを備えており、レンズ群12によりシート状に整形されたレーザー光LSは測定場13に入射される。 【0016】また前記装置10は、トレーサである一酸化窒素(NO)のボンベ16を有しており、ボンベ16はチューブ14(トレーサを測定場に供給するトレーサ供給通路)と接続している。このチューブ14は、その先端が測定場13に位置しており、該先端とボンベ16との間の領域にON−OFF弁として作用する電磁弁15が介装されている。ここで、レーザ11、レンズ群12は、「シート状に整形されたレーザ光を照射するレーザ照射機構」を構成し、チューブ14、電磁弁15、一酸化窒素ボンベ16は「トレーサを測定場に供給するトレーサ供給機構」を構成する。 【0017】一酸化窒素は、前述した通りレーザ誘起蛍光を発して所謂トレーサととして作用する。また、電磁弁15のON−OFFのタイミングは、レーザ11から射出或いは照射されるパルスレーザの射出(照射)タイミングに同期するように制御される。なお、符号17は、シート状レーザー光LSが照射されて、トレーサである一酸化窒素(符号GL)が誘起蛍光を発行した状態を記録するためのカメラ(紫外域に感度を有するカメラ)を示している。また符号tは、可視化して観測するべき流体の流線を示している。 【0018】ここまでの構成は従来技術と概略同様であるが、図1の実施形態においては、レーザー光LOを射出(照射)するためのレーザ11が、色素レーザ或いはオプティカルパラメトリック発振機(以下、「OPO」と略記する)を有するOPOシステムとして構成されている。 【0019】そして、レーザ11を色素レーザ或いはOPOシステムとした事により、レーザ11においては、「励起」と「波長選択して発振」という作用が行われ、測定場13の温度に合わせて、最適な一酸化窒素の振動エネルギー準位を使用する事が出来る。例えば、226nm付近の振動エネルギー準位が比較的低い数値にかかる遷移を用いれば、火炎中等の高温領域に限定されることなく、室温或いは常温程度の比較的低温の測定場についても、可視化が可能となる。そのため、流れ場における観察、測定が極めて良好に行われるのである。 【0020】そして、シート状のレーザー光LSが照射されると、レーザー光LSの波長は、レーザ11によって一酸化窒素が低いエネルギー凖位でレーザ誘起蛍光を発する様な波長(例えば226nm)に選択されているので、測定場13が常温であっても一酸化窒素はレーザ誘起蛍光を発する。それをカメラ17(観察工程を行う観察手段)で撮影すれば、流れの可視化が行われる。 【0021】図2は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態は図1の第1実施形態と概略同一であるが、チューブ14の先端(測定場側の先端)に、多孔質部材或いは比較的目が細かい金属製網の様な「圧力損失が高く以って流速を減速せしめる構造」20が取り付けられている。 【0022】電磁弁15が「開(或いはON)」状態となった時にチューブ14の先端から測定場13内へ一酸化窒素が噴出しようとするが、ボンベ16内の圧力により付加されたヘッドは、「圧力損失が高く以って流速を減速せしめる構造」20を通過する際に圧力損失により相殺されて、消失する。 【0023】そのため、(圧力損失が高く以って流速を減速せしめる構造20を通過して)測定場13内に供給された一酸化窒素(図2において、符号GLで示す)は、それ自体は殆ど流速を有していない。そのため、可視化して測定するべき流れ(図2において、符号tで示す流線を持つ流れ)が、一酸化窒素GLの流れにより撹乱される事が無く、流れの可視化が正確且つ良好に行われる。 【0024】なお、図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を制限する趣旨のものではない事を付記する。 【0025】 【発明の効果】本発明の作用効果を以下に列挙する。 【0026】(1) 可視化して測定するべき流れが、測定場の温度に依存すること無く、確実に可視化される。 (2) 常温或いは室温の比較的低温の測定場であっても、一酸化窒素がレーザ誘起蛍光を発し、流れの可視化が好適に行われる。 (3) 従来の流れの可視化装置に対して、大幅な改造を施す必要が無いので、導入コストが極めて低く抑えられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220262 【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年8月5日(1998.8.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071696 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−55780(P2000−55780A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月25日(2000.2.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−221964 |
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