| 【発明の名称】 |
波長分散測定装置及び方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 泰夫
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| 【要約】 |
【課題】光ファイバの波長分散を簡易に測定し、零分散波長を容易に決定できる測定方法及びその装置を提供する。
【解決手段】被測定ファイバ17に波長可変光源12からの信号光と波長可変光源15からの励起光とを入力する。励起光と信号光の少なくとも一方は、被測定ファイバ内で四光波混合現象を引き起こす程度に大きなパワーを有するようにする。これにより、被測定ファイバ内でFWM光が発生する。受信側では、FWM光と信号光のパワーを測定し、FWM光の発生効率を算出する。そして、FWM光の発生効率が被測定ファイバの分散値に依存するので、この依存関係を使用して、FWM光の発生効率から被測定ファイバの分散値を得る。測定は、オペレータによる手動で行っても良いし、自動で行えるように構成しても良い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】被測定ファイバに、分散値を測定すべき波長と同じ波長を有する第1の光を入力する第1の光源と、該被測定ファイバに第2の光を入力する第2の光源とを備え、該第1及び第2の光が被測定ファイバ内で四光波混合の効果によって生成する四光波混合光の発生効率を測定し、該被測定ファイバの波長分散値を決定することを特徴とする波長分散測定装置。 【請求項2】前記第1及び第2の光は無変調の直流光であることを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 【請求項3】更に、透過波長可変の帯域通過フィルタを備え、前記四光波混合光と前記第2の光を該帯域通過フィルタを制御することにより取り出すことを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 【請求項4】前記第1及び第2の光の波長を変化させ、波長を変化させる度に発生する四光波混合光の波長を算出し、前記帯域通過フィルタの通過帯域を自動的に制御する手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の波長分散測定装置。 【請求項5】前記第1及び第2の光を送出する送信部と、被測定ファイバを伝播してきた光を受信する受信部とを備え、第1及び第2の光の波長をモニタし、四光波混合光の波長を算出し、該モニタした波長の値と算出した波長を受信部に送ることにより自動測定を可能にすることを特徴とする請求項4に記載の波長分散測定装置。 【請求項6】四光波混合光の発生効率(η)を算出する算出手段を有し、該算出手段でη=−(第2の光のパワーレベル(Ps1)−四光波混合光のパワーレベル(Pc1))の関係式を用いてηを算出することを特徴とする請求項3に記載の波長分散測定装置。 【請求項7】ηの算出時に帯域通過フィルタの損失分を補正して算出することを特徴とする請求項6に記載の波長分散測定装置。 【請求項8】前記ηと、前記第1の光の波長情報を用いて、前記第1の光の波長におけるファイバの波長分散を決定することを特徴とする請求項6に記載の波長分散測定装置。 【請求項9】前記ηと第1の光の波長情報を用いて被測定ファイバの零分散波長を決定することを特徴とする請求項6に記載の波長分散測定装置。 【請求項10】異なる地点に送信部と受信部を設置し、送信部設置地点からの帯域通過フィルタ制御情報をうけて受信部の帯域通過フィルタ設定を手動で行うことを特徴とする請求項5に記載の波長分散測定装置。 【請求項11】前記第2の光を変調することにより、帯域通過フィルタ制御信号を受信部に送り自動測定することを特徴とする請求項5に記載の波長分散測定装置。 【請求項12】前記第1の光を変調することにより、帯域通過フィルタ制御信号を受信部に送り自動測定することを特徴とする請求項5に記載の波長分散測定装置。 【請求項13】被測定ファイバ内へ光波長多重で帯域通過フィルタ制御信号を入力し、受信部へ送ることを特徴とする請求項5に記載の波長分散測定装置。 【請求項14】電気/光変換器及び、光/電気変換器を有し、被測定ファイバとは別の通信回線を用いて帯域通過フィルタ制御信号を受信部に送り、自動測定することを特徴とする請求項5に記載の波長分散測定装置。 【請求項15】前記送信部において、前記第1及び第2の光を合波した後に光アンプと帯域消去フィルタを置き、光アンプで発生するノイズのうち四光波混合光の波長帯域に相当する波長帯域のノイズを消去することを特徴とする請求項5に記載の波長分散測定装置。 【請求項16】前記第1の光の波長とその波長での波長分散値を求め、被測定ファイバの波長分散分布図を示すことを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 【請求項17】前記第1及び第2の光の波長間隔と四光波混合光の発生効率との関係及びその時の被測定ファイバの波長分散値との関係を示す特性を基にして被測定ファイバの分散値を決定することを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 【請求項18】第2の光の波長が零分散波長の近辺と高分散領域のいずれに設定されているかによって、被測定ファイバを伝播してきた光のパワーの測定レンジを変えることを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 【請求項19】高分散領域の測定時には、前記第1及び第2の光の波長間隔を狭く設定して被測定ファイバの分散値を測定することを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 【請求項20】四光波混合光の発生効率が最大となり、前記第1及び第2の光の波長間隔に該発生効率が依存しない前記第1の光の波長を零分散波長値とすることを特徴とする請求項1に記載の波長分散測定装置。 【請求項21】被測定ファイバに、分散値を測定すべき波長と同じ波長を有する第1の光を入力するステップと、該被測定ファイバに第2の光を入力するステップとを備え、該第1及び第2の光が被測定ファイバ内で四光波混合の効果によって生成する四光波混合光の発生効率を測定し、該被測定ファイバの波長分散値を決定することを特徴とする波長分散測定方法。 【請求項22】前記第1及び第2の光は無変調の直流光であることを特徴とする請求項21に記載の波長分散測定方法。 【請求項23】前記第1及び第2の光の波長を変化させるステップと、波長を変化させる度に発生する四光波混合光の波長を算出するステップと、を更に備えることを特徴とする請求項21に記載の波長分散測定方法。 【請求項24】四光波混合光の発生効率(η)を算出するステップにおいて、 η=−(第2の光のパワーレベル(Ps1)−四光波混合光のパワーレベル(Pc1))の関係式を用いてηを算出することを特徴とする請求項23に記載の波長分散測定方法。 【請求項25】前記ηと、前記第1の光の波長情報を用いて、前記第1の光の波長におけるファイバの波長分散を決定することを特徴とする請求項24に記載の波長分散測定方法。 【請求項26】前記ηと第1の光の波長情報を用いて被測定ファイバの零分散波長を決定することを特徴とする請求項24に記載の波長分散測定方法。 【請求項27】前記第1の光の波長とその波長での波長分散値を求め、被測定ファイバの波長分散分布図を示すことを特徴とする請求項21に記載の波長分散測定方法。 【請求項28】前記第1及び第2の光の波長間隔と四光波混合光の発生効率との関係及びその時の被測定ファイバの波長分散値との関係を示す特性を基にして被測定ファイバの分散値を決定することを特徴とする請求項21に記載の波長分散測定方法。 【請求項29】高分散領域の測定時には、前記第1及び第2の光の波長間隔を狭く設定して被測定ファイバの分散値を測定することを特徴とする請求項21に記載の波長分散測定方法。 【請求項30】四光波混合光の発生効率が最大となり、前記第1及び第2の光の波長間隔に該発生効率が依存しない前記第1の光の波長を零分散波長値とすることを特徴とする請求項21に記載の波長分散測定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ伝送路の分散値測定装置及びその方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、高速通信網の整備に伴って、光ファイバを用いた光通信システムが構築されつつある。ところで、2.4Gb/sを越えるDense波長多重システムや、超高速光伝送システムでは、光ファイバ伝送路の波長分散特性が重要なシステムパラメータとなる。すなわち、光ファイバ伝送路の波長分散特性が悪いと伝送光信号の波形劣化を引き起こし、受信側で正しく信号を受信することが不可能となる。従って、光ファイバを用いた光通信システムを構築する場合には、使用される光ファイバの分散特性を把握する必要がある。 【0003】特に、光ファイバの零分散波長の把握が、システム設計のポイントとなる場合がある。光ファイバの分散値や零分散波長は、ITU−T等で規格が決められており、光ファイバの製造業者は、この規格に基づいて光ファイバを製造しているが、製造バラツキは避けることが出来ず、実際の光ファイバの分散値や零分散波長を測定することは重要である。 【0004】従来の技術では、光パルスを光ファイバ中を伝送させ、波長分散によって引き起こされる波長の違いによる伝搬速度の差異から生じる光パルスの伝搬速度の違い、すなわち、受信端での群遅延時間差を測定し、波長分散を求めることが知られており、次の二つの方法が採用されていた。 【0005】位相シフト法異なる波長の光源をいくつか用意して、異なる波長の光変調波形の相対位相をファイバ伝送後に精密に測定する。 【0006】干渉法分光した白色光(低コヒーレント光)を用い、マイケルソン干渉計の片側のポートに被測定ファイバを入れて遅延時間を測定する。 【0007】また、光パルス試験器(OTDR)を用いて、ファイバの両端から測定する方法も発表されている。 双方向OTDR法光ファイバ中で発生する後方散乱光をOTDRで測定し、測定波形を計算処理する。双方向OTDR法については、NTT、R&D:「光ファイバ伝送路の波長分散分布測定技術」に記載されている。 【0008】これらにより、測定したファイバ全長の波長分散の平均値あるいは長手方向の分布を評価していた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】従来の技術は波形の速度差を測定したり、波形の解析が必要であり、測定システムが大掛かりになる(測定装置も大型になる)という問題点があった。 【0010】従って、測定装置を移動することが困難で、敷設された光ファイバの分散値を測定するということは困難であった。すなわち、光ファイバが、敷設後、何らかの作用により、敷設前に測定した分散値と異なる分散特性を示すようになっても、これを測定することが困難なので、通信システムを敷設された光ファイバの分散特性に併せて調整するということが難しい。 【0011】本発明の課題は、光ファイバの波長分散を簡易に測定し、零分散波長を容易に決定できる測定方法及びその装置を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の波長分散測定装置は、被測定ファイバに、分散値を測定すべき波長と同じ波長を有する第1の光を入力する第1の光源と、該被測定ファイバに第2の光を入力する第2の光源とを備え、該第1及び第2の光が被測定ファイバ内で四光波混合の効果によって生成する四光波混合光の発生効率を測定し、該被測定ファイバの波長分散値を決定することを特徴とする。 【0013】また、本発明の波長分散測定方法は、被測定ファイバに、分散値を測定すべき波長と同じ波長を有する第1の光を入力するステップと、該被測定ファイバに第2の光を入力するステップとを備え、該第1及び第2の光が被測定ファイバ内で四光波混合の効果によって生成する四光波混合光の発生効率を測定し、該被測定ファイバの波長分散値を決定することを特徴とする。 【0014】本発明は、ファイバ中で発生する四光波混合の発生効率がファイバの波長分散値に依存することに着目し、四光波混合の発生効率を測定することでファイバの波長分散値を知るようにしたものである。 【0015】本発明によれば、使用する光は直流光でよいので、従来のように、光パルスの位相や波形などの解析を行う必要がなく、測定装置が簡易かつ小型になる。従って、実験室の中のみではなく、実際に光ファイバが敷設されている地点に出向き、光ファイバの分散値を測定することが出来るので、光ファイバを使った通信システムの構築の際に、光ファイバの特性を見ながら通信システムの各パラメータ(例えば、分散補償器の分散補償量)を調整することが出来る。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明では、ファイバ中で発生する四光波混合を利用する。四光波混合(FWM)の発生効率がファイバの波長分散値に依存することを利用し、被測定ファイバのFWM発生効率をいくつかの波長で測定することにより零分散波長を求める。 【0017】このとき、測定用の光は無変調の直流光で良く、光パルス化の必要はない。従って、光パルスの測定や波形解析は行う必要がなく、簡易な測定システムとなる。 【0018】図1は本発明の原理構成図である。本発明では、光ファイバの非線形効果の一つである四光波混合(FWM)を利用する。信号光(λs)と励起光(λp)を光カプラを介して被測定ファイバに入力し、被測定ファイバの中でFWMを発生させる。信号光のパワーレベルは任意に定めれば良いが、励起光のパワーは、光ファイバ内でFWMが発生する程度に大きくしておく。FWMによって生じた光をFWM光と呼ぶ。 【0019】本発明の装置は、送信部10と受信部11とからなり、この間に被測定ファイバが接続される。送信部10は、波長λsの信号光を発生する波長可変光源12と波長λpの励起光を発生する波長可変光源15とからなっている。信号光発生用の波長可変光源12の次段には、偏波スクランブラ13が設けられている。これは、FWM光の発生効率が、信号光の偏波状態と励起光の偏波状態に依存するので、発生効率の偏波状態による不確定さをなくすために、信号光に偏波スクランブルをかけているものである。 【0020】偏波スクランブルをかけられた信号光と波長可変光源15からの励起光は光カプラ14で合波され、光アンプ16で増幅された後、被測定ファイバ17に入力される。 【0021】なお、ここで、信号光に、偏波スクランブルをかける構成を例に示したが、励起光に偏波スクランブルをかけるようにしてもよく、また、信号光と励起光の偏波の相対関係を一定に保つように、偏波制御装置を設けても良い。偏波制御装置を設ける場合には、偏波スクランブルを行う場合よりもFWM光の発生効率を高くすることが出来るので有効である。 【0022】受信部11は、被測定ファイバ17を伝播してきた光を光カプラ18でFWM光(λc1)と信号光(λs1)とに分岐する。さらに、バンドパスフィルタ19を使って波長λcのFWM光のみを抽出すると共に、バンドパスフィルタ20を用いて波長λsの信号光のみを抽出する。それぞれの光は光パワー測定器21、22でパワー測定され、η算出部23で信号光のパワーとFWM光のパワーとの差が求められ、FWM光の発生効率が求められる。以下では、ηはFWM光の発生効率を表すものとする。η算出部23で求められたFWM光の発生効率は、D分布処理部24で対応する分散値に読み替えられ、測定された光ファイバの分散値が、例えば、グラフ表示部25にグラフとして表示される。また、零分散測定の場合には、D分布処理部24での処理の結果がλD0決定部26に送られ、後述する処理を経た結果、零分散波長を取得して、表示部27に表示する。 【0023】なお、分散値の表示は、必ずしもグラフ表示でなくてもよく、測定が行われた波長に対してそれぞれの分散値を数値で表示するものであってもよい。FWM光(λc)の発生効率は被測定ファイバの分散値に依存するため、発生効率を測定すれば分散値(D)を決定できる。 【0024】図2に信号光と励起光のチャネル間隔とFWM光の発生効率の関係を示す。同図に示されるように、FWM光の発生効率は、光ファイバの分散値の大きさに従って、信号光と励起光の波長間隔に対する依存性が変化する。同図によれば、励起光の波長における分散値が0.0ps/nm/kmである場合(すなわち、零分散波長である場合)には、信号光と励起光の波長間隔の変化に対してFWM光の発生効率がほとんど変化しない。一方、励起光の波長における分散値が±0.01ps/nm/kmの時には、信号光と励起光の波長間隔が広くなるに連れて効率が徐々に下がっていく。更に、励起光の波長における分散値が大きくなると、信号光と励起光の波長間隔が広がるにつれて発生効率の変化が大きくなることが示されている。 【0025】従って、零分散波長を探すときは、信号光と励起光の波長間隔を変化させて、FWM光の発生効率がほとんど変化しなくなるような励起光の波長を探すようにする。また、零分散波長以外の波長での分散値を測定したい場合には、励起光と信号光の波長間隔を一定に保っておき、測定したい波長に励起光を設定して、FWM光の発生効率を測定するようにする。特に、図2に示されるように、分散値が大きいと、信号光と励起光の波長間隔を僅かに広げただけでもFWM光の発生効率が急激に小さくなるので、零分散波長以外の波長で分散値を測定する場合には、信号光と励起光の波長間隔をある程度小さく設定しておく必要がある。例えば、同図では、分散値が18.0ps/nm/kmまで測定しようとする場合には、信号光と励起光の波長間隔を1nm以下に設定しなくてはならない。 【0026】図3は、FWM光の発生効率と分散値の関係を示した図である。同図では、横軸にFWM光の発生効率(デシベル単位)を取っており、縦軸には分散値を対数表示している。また、励起光波長を1552nm、波長間隔を2nmとした場合の発生効率と分散値の関係が示されている。 【0027】ここで、励起光の波長は分散値を測定したい波長であり、同図では、発生効率と分散値がほぼ直線関係になっている。また、発生効率と分散値の関係は、測定したい波長、すなわち、励起光の波長を変化させてもほとんど変化することはなく、1つの測定波長に対して同図のようなグラフを設けておけば、光伝送に使用する帯域の全ての波長に対して分散値を求めることが出来る。 【0028】なお、同図のグラフは、データとして本発明を実現する装置内に記憶されるが、データは離散値となるので、データとデータの間の値は外挿処理などによって値を求めるようにする。 【0029】図4は、測定波長に対する発生効率の変化を示した図である。同図に示されるように、発生効率は、励起光と信号光の波長間隔を一定に保っておいたまま、測定波長(励起光の波長)を変化させると山型の変化を示す。最も発生効率の良い波長は、測定されている光ファイバの零分散波長である。従って、零分散波長を求める場合には、励起光と信号光の波長間隔を一定に保っておいたまま、励起光の波長を変化させて最も発生効率の良くなる波長を探す。そして、図2で示したように、信号光と励起光の波長間隔を変化させ、発生効率が変化しないか否かを判断して、最終的に零分散波長を決定する。 【0030】以上から分散値の決定方法は次の通りに行う。 (1)励起光の波長は、分散値を測定したい波長及び被測定ファイバの種類(SMF、DSF)に応じて設定する。各種の光ファイバの公称分散特性はITU−Tによって定められているので、分散値あるいは零分散波長の測定を行う場合の初期設定波長の設定の際に参考にする。 【0031】先ず、各種ファイバの公称零分散波長の近傍に初期値を決める。シングルモードファイバ(SMF)の場合は、1310nm近辺、分散シフトファイバ(DSF)、非零分散シフトファイバ(NZ−DSF)の場合は1552nm近辺とする。励起光は直流光でよい。 (2)信号光の波長(λs)は、励起光(λp)に対して数nm離れた波長に設定する。図3に示されたデータを使用する場合には、2nmに設定する。信号光も直流光で良い。 (3)この励起光と信号光を被測定ファイバに同時に入力すると、ファイバ中では非線形効果でFWM光(λc)が発生する。特定の波長での分散値を求めるときは、励起光の波長を分散値を求めたい波長と同じ波長にして、FWM光の発生効率ηを測定する。 【0032】この励起波長における被測定ファイバの分散値を決定することができる。 ここで、η=−(Ps1−Pc1)・・・・・(式1) の関係を用いる。ここで、Ps1が信号光のパワーであり、Pc1がFWM光のパワーである。なお、ηを求める場合に、信号光及びFWM光を抽出するのに使った帯域フィルタの損失分を予め測定しておき、上記式1にこの損失分の補正項を含めれば、より精度の高い測定を行うことが出来る。 【0033】波長間隔を一定にしたときの、FWM光の発生効率と分散値の関係が図3から求められる。 (4)励起光、信号光、FWM光の波長の関係は次の通りとなり、これを利用すればFWM光の波長が容易に分かるので、可変バンドパスフィルタの通過帯域を自動的に調整することによって、分散値の自動測定が簡易に行える。 【0034】λc=2λp−λs・・・・・(式2) (5)零分散波長を求めるときは、λpとλsを数nm(例えば、2nm)離して設定し、波長λpの励起光と波長λsの信号光をその波長間隔を一定に保ったまま変化させ、発生効率を測定する。そして、発生効率が最大となる励起光の波長を求める。この後、励起光は発生効率が最大となる波長に設定しておき、信号光の波長を数nmづつ励起光の波長から離していく。この時、発生効率の変化が少なければ、この励起光波長を被測定ファイバの零分散波長として表示する。発生効率の変化が多ければ、励起光の波長を未測定の波長域に設定して、再度(1)からの測定を繰り返す。 (7)以上の測定で決定された分散値は、測定波長(励起光の波長)における被測定ファイバの長手方向の平均値となる。 【0035】図5は本発明の第1の実施形態を示す図である。同図は、同一の地点で被測定ファイバの入力と出力を測定系に接続できる場合の例を示している。 【0036】本実施形態は、送信部50と受信部51からなり、この間に測定すべき光ファイバ52が接続されている。送信部50には、波長可変光源53と波長可変光源58とが設けられている。波長可変光源53は、信号光を生成し、波長可変光源58は、励起光を生成する。信号光及び励起光の内、少なくとも一方は光ファイバ内で四光波混合を引き起こす程度に大きな強度を有するようにする。また、信号光は偏波スクランブラ54によって偏波スクランブルを受けており、四光波混合によるFWM光の発生効率が励起光の偏波状態との関係で不安定にならないようにしている。前述したように、偏波スクランブルは励起光に行っても良いし、信号光と励起光の偏波状態を能動的に制御して、FWM光の発生効率を安定させても良い。 【0037】偏波スクランブルを受けた信号光と励起光は光カプラ55で合波され、光アンプ56によって増幅された後、被測定ファイバ52に入力される。被測定ファイバ52から出力される光は受信部51の光カプラ61で分岐され、通過帯域を変化させることが出来るバンドパスフィルタ62、64に入力される。バンドパスフィルタ62、64は、それぞれFWM光と信号光とを通過させるように、それぞれのドライバ63、65によって制御される。FWM光と信号光がどのような波長を有しているかは、送信部50のバンドパスフィルタ・コントローラ(BPF CONT)60から通知される。BPF CONT60は、波長可変光源53と58からそれぞれの光源が出力している光の波長を情報として取得し、前述の(式2)により、FWM光の波長を計算して、受信部51のドライバ63、65に必要な情報を与えている。 【0038】バンドパスフィルタ62、64で通過されたFWM光と信号光は光パワー測定部66、67でパワー検出される。η算出部68では、光パワー測定部66、67で得られた信号光とFWM光のパワーから上記(式1)を使って、FWM光の発生効率を算出し、D分布部69にデータを送信する。D分布部69では、受け取ったFWM光の発生効率から分散値を算出するとともに、内蔵のCPUによって各波長での分散値(D分布)あるいは、零分散波長(λD0)の測定シーケンスを制御するために、D分布部69は、測定のシーケンスを制御するため、CPUバスラインを介して、バンドパスフィルタ62、64やη算出部68、グラフ表示部70、λD0表示部71等に波長制御や算出処理、あるいはデータの表示タイミング等を指示する。 【0039】送信部50では、λCONT部59が内蔵のCPUを介して、測定波長の決定及び測定手順の指示と、波長可変光源53、58の制御を行う。λCONT部59は、送信部50における波長可変光源53、58の出力波長の制御や、受信部51のバンドパスフィルタ62、64の波長情報などを提供するものである。内蔵のCPUは、測定波長の決定及び測定手順を波長の切り替えタイミング信号等をCPUバスラインを介して各部に提供することによって、λCONT部59の測定手順の制御機能をになう。 【0040】BPF CONT60はλsとλpのモニタ情報を基にして、式2からλcを算出するλcの設定情報をバンドパスフィルタBPF62の波長設定部DRVに送出し、バンドパスフィルタBPF62の通過帯域をλcに設定する。また、λsの設定情報をバンドパスフィルタBPF64の波長設定部DRVに送出し、バンドパスフィルタBPF64の通過帯域λsに設定する。 【0041】バンドパスフィルタBPF62、64は波長可変の帯域通過フィルタである。BPF CONT60からの制御信号により駆動部DRVを制御して通過帯域を変化させる。音響効果を用いたTE−TMモード変換型ニオブ酸リチウムチューナブルフィルタ(AOTF)などを用いる。また、機械的な可変機構によるものでも良い。 【0042】バンドパスフィルタBPF62、64を通過したλc、λsの光レベルを光パワー測定部で測定する。このとき、バンドパスフィルタBPF62、64の通過損失は予め補正値として確認しておき、計算に用いる。η算出部で式1からηを算出する。 【0043】λCONT部59は測定波長を変え、上記の測定を繰り返させる。D分布部69では、測定波長(励起光の波長λp)におけるηから分散値の分布を決定する。これをグラフ表示部70でグラフ表示しても良い。λD0表示部71では、D分布データ(分散値の分布を表すデータ)を受け、ピーク値となる波長を零分散波長として決定する。これを表示する。 【0044】なお、光パワー測定部66、67は、光のパワーの測定レンジを可変にしておくことが望ましい。すなわち、FWM光の発生効率は、励起光の波長が零分散波長にあるか、その他の分散値の高い波長帯域にあるかによって、大きく異なるからである。これは、図3に示されるように、図3は横軸及び縦軸ともに、スケールが対数になっていることから、線形スケールに直してグラフを書くと、分散値の変化に対して、発生効率の変化が非常に大きくなってしまう。対数表示すれば、発生効率と分散値の関係は直線で良く近似できるが、対数表示は、データを記載するために人間によって便宜上導入されたものであって、光パワー測定部66、67は、線形スケールでパワーを測定するので、分散値の違いによって検出しなければならないパワーが何桁も変わってしまうということが起こる。従って、光パワー測定部66、67は、パワーの測定レンジを変えることが出来るように構成しておくことが望ましいということになる。 【0045】図6は、λCONT部の構成例を示した図である。λCONT部は、論理設定部80とCPU部86とを主要構成としている。論理設定部80は、手動入力によって入力される測定条件を受け取って、CPU部86にどのような測定を行うかに関する情報を提供するものである。入力項目としては、測定対象となるファイバの種類と、零分散波長の測定か指定波長の分散値の測定かがある。測定対象となるファイバの種類としてはSMFとDSFの2種類が有り、これをオペレータは手動入力する。更に、測定項目の入力として、零分散波長の測定か、指定波長での分散値の測定かをオペレータが入力する。零分散波長の測定の場合には、これを指示する信号とファイバ種別を表す信号とのANDがそれぞれAND回路81、82で取られ、AND条件判断部83、84で、AND演算の結果、信号の論理が“1”を示しているか否かが判断される。SMFか、DSFに対して、零分散波長の測定を行うべき旨が入力された場合には、AND回路81、82のいずれかの出力が論理“1”となるので、零分散波長の測定をSMFあるいは、DSFについて行うべきことがCPU部86に入力される。いずれのAND回路81、82の出力も論理“1”とならない場合には、指定波長での分散値の測定であるとして、AND条件判定部83、84から指定波長入力部85をオンにする指示が出力される。オペレータはこれにしたがって、特定波長の入力を行う。指定波長が入力されると、この波長において分散値を測定すべき旨がCPU部86に入力される。また、CPU部86には、受信部のD分布部から測定波長の変更要求が入力される。これは、ある波長範囲について分散値の分布を取得するための測定を行うための要求である。 【0046】CPU部86からは、BPF CONTに対し、励起光の波長λpと信号光の波長λsが送信され、受信部のバンドパスフィルタの制御に使用される。また、可変波長光源53、58に対しては、そのドライバに波長設定インタフェース部を介して、可変波長光源53、58が出力すべき光の波長の設定信号が出力される。 【0047】CPU部86に接続されているCPUバスには、分散値の測定に際し各部の設定波長を切り替えるタイミング等を指示する測定シーケンス制御信号が出力される。 【0048】図7は、D分布部の構成例を示す図である。同図(a)に示されるように、D分布部では、η算出部から発生効率ηを受け取り、メモリ90に記憶する。メモリ90からは、測定が行われるごとに測定回数カウンタ91に信号が送られ、測定回数がカウントされる。測定回数はCPU97に入力されると共に、測定回数が所定の回数に至っていない場合には、測定回数カウンタ91及びCPU97からλCONT部へ測定続行指示が送信される。また、メモリ90に記憶された発生効率ηは照合部92に送られる。照合部92では、ηの値をRAM93に一旦記憶した後、照合・演算部94で演算と規格値ROM95(一般にはn個のROMが設けられる:nは整数)の規格値との照合が行われ、照合結果がCPU97に通知される。照合・演算部94には、CPU97からηの値の読み出しと照合の指示が与えられ、また、ROM制御部96には、規格値ROM95にどの規格値を照合・演算部94に送るか等の制御を行うべきかの指示が入力される。規格値ROM95からの規格値の読み出しはROM制御部96の指示によって行われる。 【0049】また、CPU97には、λCONTより測定制御情報が入力され、測定のシーケンスの制御が行われると共に、CPU97からはグラフ表示部等に分散値の表示や、零分散波長λD0の表示、あるいは印刷の命令が出力される。CPU97に接続されているCPUバスには、測定シーケンスを制御するための、各部への動作タイミングを示す信号が出力される。 【0050】同図(b)は、照合・演算部の行う照合処理を表として示した図である。先ず、零分散波長の測定の場合には、複数の励起光の波長に対し発生効率を測定し(同図(b)の場合には、10個の測定を行うことを例示している)、得られた発生効率の最大値と最小値の差を演算する。この演算結果を例えば、ROM1の10dBという値と照合し、10dB以上の差が得られているかを判断する。次に、測定された複数個の発生効率のうちピークを示す値を見つけて、例えば、ROM2の−20dBよりも大きいかいなかを判断する。−20dBよりも大きい場合には、零分散を示している可能性が高いとして、次に、励起光と信号光の波長間隔を変化させて、発生効率を測定する(同図(b)では、η11〜η18の8個の発生効率を取得している)。そして、波長間隔を変化させて得られた発生効率の最大値と最小値の差を演算し、例えば、ROM3に記憶されている5dBよりも小さいか否かが判断される。もし、5dBよりも小さい場合には、励起光の波長が零分散波長に一致しているとして、励起光の波長を零分散波長として出力する。 【0051】前述のような照合の結果、励起光の波長が零分散の値になっていないと判断された場合には、励起光の波長を変化させて更に測定を繰り返す。特定波長の分散値を測定する場合には、励起光の波長を測定したい波長に設定し、発生効率ηを取得し、例えば、図3で示したような発生効率と分散値の関係を示すグラフをデータ化したものをROM4に記憶しておき、得られた発生効率から分散値を求める。グラフはデータ化したことにより、離散的になっているので、発生効率がデータとデータの間の値になった場合には、外挿処理を行って分散値を得る。図8、9は、零分散波長の測定処理を示すフローチャートである。 【0052】先ず最初に、手動入力で、ファイバの種類(図8では、SMFかDSF)を入力する。ステップS1で、λCONT部において、励起光の波長λpを設定する。λpは、公称分散値から選択したファイバの種類に応じて零分散値の値を取得し、その近辺で測定を行う。例えば、SMFを選択した場合には、λpは1310nmに、DSFを選択した場合には、λpは1552nmに設定する。図8では、ファイバの種類としてDSFを選択した場合を示す。 【0053】ステップS2で、λCONT部において、信号光の波長λsを設定する。信号光の波長λsは、励起光の波長λpから所定波長間隔ずれた値を設定する。例えば、図8の場合は、λsとλpの間隔を2nmとしている。測定の感度を高くしたい場合には、この波長間隔をより狭く設定するようにする。ステップS3で、λCONT部はλpとλsをBPF CONT部へ情報1として通知する。また、励起光と信号光のそれぞれの光源をモニタして得た、発振波長を情報2として取得し、ステップS4で情報1と情報2とを照合する。この時点では、装置が正常に動作している場合には、各光源が、設定されたλs及びλpの波長の光を出力しているはずなので、ステップS5で一致したことが検出されるはずである。一致していない場合には、装置に故障が有るとして、故障警報を出して処理をストップする。 【0054】一致が得られた場合には、BPF CONT部で、上記式2よりλcの算出を行い(ステップS6)、受信部の2つのバンドパスフィルタにλsとλcの設定を指示すると共に、D分布部へλpを通知する(ステップS7)。FWM光を通過させるバンドパスフィルタBPF1では、透過帯域をλcに設定し(ステップS8)、信号光を通過させるバンドパスフィルタBPF2では、透過帯域をλsに設定する(ステップS9)。バンドパスフィルタBPF1、2を通過したFWM光と信号光は、それぞれ、光パワー測定部でそのパワーPcとPsが測定される(ステップS10、S11)。これらのパワーの測定値からη算出部でFWM光の発生効率ηが算出される(ステップS12)。そして、1回毎の測定で得られた発生効率は、その測定のときの励起光の波長とともにそれぞれメモリに記憶される。ステップS14では、所定回数の測定が終了したか否かが判断される。図8の場合には10回の測定を行うとしている。この回数はオペレータによって適宜設定されるべきものである。所定回数の測定が終わっていない場合には、ステップS1に戻って測定を繰り返し、測定するごとに結果をメモリに記憶しておく。各測定の度にどの様に波長λpを設定するかは、オペレータによって適切に設定されるべきものであるが、図8では、ステップS14で所定回数の測定が終わったと判断された場合には、図9のステップS15に進む。 【0055】ステップS15では、D分布部でこれまでに測定したFWM光の発生効率をメモリから取り込み、ステップS16で、ピーク値となる値があるか否かが判断される。図9では他の発生効率より10dB以上大きな値を示すものをピーク値とすることとしている。ピーク値が存在しない場合には、図8のステップS1に戻って、励起光の波長λpを設定し直して、再度測定を繰り返す。ステップS16で、ピーク値が認められた場合には、ステップS17で、ピーク値が−20dB以上の値を示しているか否かを判断し、示していない場合には、図8のステップS1に戻って、励起光の波長λpを設定し直して測定をやり直す。 【0056】ステップS17で条件を満たすピーク値があった場合には、ステップS18で、D分布部はλCONT部に対し、零分散波長λD0の確認測定を指示する。λCONTでは、ステップS19で、FWM光の発生効率が上記で得られた最大の発生効率ηmax1となる波長に励起光の波長を合わせる。ステップS20で、λCONTは、信号光の波長を励起光の波長から所定の波長間隔ずれた位置(図9では、0.4nm)に設定する。そして、ステップS21でD分布部が発生効率ηを測定し、メモリに信号光の波長と共に、発生効率をメモリに記憶する。ステップS22で、所定回数(図9では、8回)の測定が終了したか否かが判断され、測定が終わっていない場合には、ステップS20に戻って測定を繰り返す。ステップS22で測定が終わったと判断された場合には、ステップS23で、D分布部が各λs(信号光の波長)での発生効率ηを読み込み、ステップS24で、各ηの値の変動幅が所定の範囲(図9では、−10〜−15dBの範囲)に収まっているか否かが判断される。収まっていない場合には、ステップS17でピーク値と認められた発生効率に対応する励起光の波長の他に零分散波長の候補となりうる値に励起光の波長を設定し直して(ステップS19)、処理を繰り返す。ステップS24で、ステップS20〜S22で得られた各ηの値が所定の範囲に収まっている場合には、零分散波長が得られたとして、ステップS25で、現在の励起光の波長を零分散波長として決定し、、ステップS26で表示あるいは印刷する。 【0057】なお、図9では、信号光の波長を0.2nm刻みで変化させるように示しているが、必ずしもこれには限られず、オペレータが適宜設定すべきものである。図10、11は、特定波長での分散値測定を行う場合のフローチャートである。 【0058】先ず、処理を始める前に、分散値を測定したい波長を手動で設定する。ステップS30で、λCONT部は、この設定された波長に励起光の波長λpを設定する。次に、ステップS31で、信号光の波長λsを励起光の波長λpから所定の波長間隔だけずれた値に設定する。図10の場合、波長間隔は2nmとしている。λCONT部は、ステップS32でλp及びλsをBPF CONT部へ情報1として通知する。また、BPF CONT部は、励起光と信号光の光源の発する光のモニタ情報を情報2として取得し、ステップS33で、情報1と情報2とを照合する。ステップS34で、両者が一致しているか否かが判断され、一致していない場合には、故障発生として故障警報を出力する。一致している場合には、正常に装置が動作しているとして、ステップS35に進む。 【0059】ステップS35で、BPF CONT部は前述の式2を使って、λcを算出し、信号光とFWM光を通過させるバンドパスフィルタBPF1、2にそれぞれλsとλcを設定指示する。これにより、バンドパスフィルタBPF1、2は、それぞれλsとλcのみを通過させるようになる(ステップS37、S38)。ステップS39、S40で、光パワー測定部は、それぞれFWM光のパワーPcと信号光のパワーPsとを測定し、η算出部に送る。η算出部では、FWM光のパワーと信号光のパワーとから発生効率ηを算出し(ステップS41)、D分布部に送信する。 【0060】D分布部は測定されたηを取り込み(ステップS42)、ROMに記録されている、変化効率対分散値の特性データと照合し(ステップS43)、分散値を決定する(ステップS44)。このとき、データの外挿処理等を行う必要がある場合には、公知の手段で外挿処理を行い、分散値を決定する。分散値が決定したら、これを表示、印刷等して結果を出力する(ステップS45)。なお、図10、11の処理を複数の励起光の波長について行って、被測定ファイバの特定の波長領域における分散値をグラフとして表示しても良い。 【0061】図12は本発明の第2の実施形態を示す図である。なお、同図で図5と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。同図は、被測定ファイバ52の入力と出力が異なる地点に敷設されている場合の例を示している。被測定ファイバ52が1芯だけの場合、両地点にそれぞれ測定者をおき、電話回線やオーダワイヤ(OW)などで測定手順、BPF設定などを連絡しあい、手動で測定する方法である。 【0062】同図の場合は、実際に敷設されている光ファイバの分散値を測定しようとする場合に生じるケースである。λCONT59は、信号光と励起光を発する波長可変光源53と58を制御し、測定の際に信号光や励起光の波長を適切な値に設定する。信号光は偏波スクランブラ54によって偏波スクランブルされ、光カプラ55によって励起光と合波される。前述したように、偏波スクランブルは励起光にかけても良いし、信号光と励起光の偏波を一致あるいは、一定の関係になるように自動制御する方法を採用しても良い。 【0063】光カプラ55で合波された信号光と励起光は、光アンプ56によって増幅され、被測定ファイバ52に入力される。被測定ファイバ内では四光波混合の効果で、FWM光が生じ、これら3種類の光が受信部51’に送られる。光カプラ61では、光を分岐し、透過波長可変バンドパスフィルタ62、64によってFWM光と信号光とが抽出される。バンドパスフィルタ62、64は、それぞれドライバ63、65によって制御されるが、制御の為のコマンドは手動で入力される。すなわち、送信部50’と受信部51’は離れた地点に設置されているので、直接制御信号を印加することができない。そこで、送信部50’の近くにいるオペレータがBPF CONT60で取得された、励起光、信号光の波長と、上述の式2より求められたFWM光の波長とを取得して、電話回線、あるいはオーダワイヤなどによって、受信部51’の側にいるオペレータにバンドパスフィルタをどのように設定すべきかを伝える。受信部51’の側にいるオペレータは、BPF CONT120を手動で操作して、バンドパスフィルタ62、64の透過帯域が適切となるように設定する。また、BPF CONT120の設定値はD分布部69に通知される。 【0064】バンドパスフィルタ62、64を通過したFWM光と信号光は、光パワー測定部66、67でパワーが測定され、η算出部68に送られる。η算出部68では、光パワー測定部66、67で得られたパワー値からFWM光の発生効率を算出し、D分布部69に通知する。D分布部69は、得られた発生効率ηに対して、前述のフローチャートに示される処理を行って、分散値をグラフ表示部70に送って、グラフ表示させたり、零分散波長表示部71に送って、零分散波長λD0の値を表示させたり、印刷させたりする。 【0065】同図の実施形態の場合には、測定シーケンスの制御はオペレータが行うことになる。図13は本発明の第3の実施形態を示す図である。 【0066】なお、同図で前述の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。同図は、被測定ファイバの入力と出力が異なる地点に敷設されている場合の例を示している。被測定ファイバのほかに使用できるファイバ芯線がある場合、それを使用してA、B両地点の通信回線を設け、自動測定を行わせる。 【0067】λCONT59で設定された信号光の波長と励起光の波長は、波長可変光源53と58から取得され、BPF CONT60に入力される。励起光、信号光及びFWM光の波長は、BPF CONT60から電気信号として電気/光変換器132に印加され、光信号に変換された後、通信用ファイバ131を使って受信部51’’の光/電気変換器133に送られる。そして、ここで、光信号から電気信号に変換されて、BPF CONT130に各信号の波長が通知される。BPF CONT130は、この通知を受けて自動的にバンドパスフィルタ62及び64の制御信号をドライバ63、65に与える。 【0068】その他の動作は図12と同じである。このように、通信用回線(同図では光ファイバであるが、電気回線でも良い)を確保することが出来れば、これを送信部50’’及び受信部51’’のBPF CONT60、130間の通信用に使用することにより、自動的に分散値及び零分散波長の測定を行うことが出来る。 【0069】図14は本発明の第4の実施の形態を示す図である。なお、同図において、前述の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。 【0070】同図の場合は、被測定ファイバの入力と出力が異なる地点に敷設されている場合の例を示している。被測定用ファイバに光波長多重で両地点の通信用回線を作り、自動測定させる。 【0071】BPF CONT60で取得される、励起光、信号光、及びFWM光の波長に関する情報は、電気のデータ信号として電気/光変換部140で光信号に変換され、励起光、信号光、及びFWM光の波長とは異なる波長を使って光カプラ55で波長多重され、光アンプ56で増幅されて被測定ファイバ52に入力する。被測定ファイバ52から出力された光及び光信号は、受信部151の光カプラ61’によって分岐され、バンドパスフィルタ62、64でFWM光と信号光が抽出されると共に、BPF CONT60からの光信号が分岐されて、光/電気変換器141に入力される。光/電気変換器141で電気信号に変換された励起光、信号光、及びFWM光の波長に関する情報は、BPF CONT130に通知される。この情報は、バンドパスフィルタ62、64の透過帯域を適切な波長に設定するために使用される。 【0072】このように、被測定ファイバ52を使用して、測定に必要な情報を受信部151に送信することによって、送信部150と受信部151が離れた別個の場所に配置されている場合にも、分散値の測定及び零分散波長の特定を自動的に行うことが出来る。 【0073】その他の部分については前述の実施形態と同じ動作をするので、説明を省略する。図15は本発明の第5の実施形態を示す図である。 【0074】なお、同図において、前述の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。同図は、被測定ファイバの入力と出力が異なる地点に敷設されている場合の例を示している。信号光または励起光を変調することでBPF制御信号を受信側に送出する方式である。 【0075】同図の実施形態においては、BPF CONT60’で収集された、励起光、信号光、及びFWM光の波長に関する情報等は、波長可変光源58から出力される直流光である励起光を外部変調器152で変調することによって励起光とともに被測定ファイバ52を通って受信部151’に送られる。外部変調器152を駆動する信号は、BPF CONT60’から出力される。外部変調器152が励起光に変調をかける方法としては強度変調が一例として挙げられる。 【0076】被測定ファイバ52を受信部151’まで伝送された、変調された励起光は、光カプラ61’’によって分岐され、光/電気変換器141によって電気信号に変換される。この電気信号にのせられている情報を取得することによって、BPF CONT130は、FWM光と信号光の波長を取得し、バンドパスフィルタ62、64の透過帯域を制御すると共に、励起光の波長をD分布部69に入力する。なお、励起光を変調する代りに信号光を変調するようにしてもよい。 【0077】その他の部分については、前述の実施形態と同じ動作をするので、説明を省略する。図16は本発明の第6の実施形態を示す図である。 【0078】なお、同図において、前述の実施形態と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。同図においては、送信部150’’の光アンプの後に帯域消去フィルタ(BEF:Band Elimination Filter )160を持ち、光アンプのASE光のうちλc相当の波長帯域を抑圧する方式である。 【0079】BPF CONT60からの波長値等に関する情報は、電気/光変換器140で光信号に変換された後に光カプラ55で波長多重されて送出される。この光信号は、受信部151’’の光カプラ61’で分岐され、光/電気変換器141によって電気信号に変換されて、情報がBPF CONT130に通知される。ところで、光カプラ55の後段には光アンプ56があり、増幅されるが、この時、ノイズであるASE(Amplified Spontaneous Emission)光が累積される。従って、被測定ファイバ52内部で発生するFWM光もこのノイズの上に重なって生成されることになり、FWM光のS/N比が悪くなってしまう。FWM光のパワーが大きいときは問題はないが、FWM光の発生効率が低くなると、FWM光が発生してもノイズに埋もれてしまって、受信部151’’でFWM光のパワーを測定できない場合が生じうる。そこで、信号光と励起光の波長からFWM光の発生が予想される波長の部分の帯域を消去してやり、光アンプ56によって加えられたASE光を取り除いてやる。このようにしておけば、FWM光の発生効率が小さく、FWM光のパワーが小さい場合でも、ノイズに埋もれさせることなく、パワー測定を行うことが出来る。 【0080】BEFとしては、音響光学フィルタ等のスルーポートを被測定ファイバへの送出ポートとして使い、消去したい帯域の光のみをドロップポートに出力させるようにしてやればよい。音響光学フィルタは印加する電気信号の周波数を変化させることによって、ドロップする光の周波数を変化させることができるので、BPF CONT60からの波長情報を基に、BEFの消去帯域を調整すれば、所望の機能が得られる。 【0081】なお、他の部分の動作は前述の実施形態と同じであるので説明を省略する。 【0082】 【発明の効果】本発明によれば、光ファイバ伝送路の分散値あるいは零分散波長の測定システムの構成が簡易になる。更に、敷設済のファイバでも、装置が簡易且つ小さく構成可能なので、現地で簡易に分散値や、零分散波長を測定できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005223 【氏名又は名称】富士通株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年6月30日(1998.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074099 【弁理士】 【氏名又は名称】大菅 義之 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−19068(P2000−19068A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−184088 |
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