| 【発明の名称】 |
圧力計測装置、個人識別装置および個人識別方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 桂
【氏名】杉野 創
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| 【要約】 |
【課題】耐久性に優れ、簡便かつ低コストで被験者を識別可能な圧力計測装置、個人識別装置および個人識別方法を提供する。
【解決手段】コンピュータ2は、各圧力センサ4a〜4dからの圧力分布の時間変化から利用者Pの特徴情報を抽出し、その特徴情報と予め登録されている登録者の登録情報とを照合して利用者Pが登録者であるかどうかを判定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】流体が充填された可撓性容器、および前記可撓性容器を介して前記流体に加わる圧力を検出する検出素子からなるアレイ状に配列された複数の微小圧力センサを備えたことを特徴とする圧力計測装置。 【請求項2】前記複数の微小圧力センサは、椅子の座面上に配置された構成の請求項1記載の圧力計測装置。 【請求項3】登録者の動作の特徴を登録情報として記憶する記憶手段と、利用者の動作によって生じる圧力を時系列的に計測して圧力信号を出力する計測手段と、前記圧力信号の波形から前記利用者の特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、前記特徴情報と前記登録情報とを照合して前記利用者が前記登録者であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする個人識別装置。 【請求項4】前記特徴抽出手段は、前記特徴情報として少なくとも前記圧力信号の波形の振幅、あるいは前記圧力信号の波形のピークの間隔を抽出する構成の請求項3記載の個人識別装置。 【請求項5】前記計測手段は、複数の前記圧力信号を出力するアレイ状に配列された複数の微小圧力センサを備えた構成の請求項3記載の個人識別装置。 【請求項6】前記特徴抽出手段は、前記複数の微小圧力センサからの前記複数の圧力信号の平均値の時間変動から前記特徴情報を抽出する構成の請求項5記載の個人識別装置。 【請求項7】前記特徴抽出手段は、前記複数の微小圧力センサからの前記複数の圧力信号のうち最大値を示す前記圧力信号の波形から前記特徴情報を抽出する構成の請求項5記載の個人識別装置。 【請求項8】前記特徴抽出手段は、前記複数の微小圧力センサを複数の領域に分割し、前記領域毎に前記領域に属する複数の前記微小圧力センサからの複数の前記圧力信号の平均値の時間変動から前記特徴情報を抽出する構成の請求項5記載の個人識別装置。 【請求項9】前記計測手段は、流体が充填された可撓性容器、および前記可撓性容器を介して前記流体に加わる圧力を検出する検出素子からなるアレイ状に配列された複数の微小圧力センサを備えた構成の請求項3記載の個人識別装置。 【請求項10】前記記憶手段は、前記登録者について前記計測手段によって計測され、出力された前記圧力信号の波形から前記特徴抽出手段によって抽出された前記特徴情報を前記登録情報として記憶する構成の請求項3記載の個人識別装置。 【請求項11】登録者の動作の特徴を登録情報として登録し、利用者の動作によって発生する圧力を時系列的に計測して圧力信号を出力し、前記圧力信号の波形から前記利用者の特徴情報を抽出し、前記特徴情報と前記登録情報とを照合して前記利用者が前記登録者であるか否かを判定することを特徴とする個人識別方法。 【請求項12】前記圧力信号の出力は、前記利用者が無意識に起こす動作を計測する構成の請求項11記載の個人識別方法。 【請求項13】前記圧力信号の出力は、前記利用者の動作を複数の箇所で計測する構成の請求項11記載の個人識別方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人体が椅子や寝具等に接触する圧力を計測する圧力計測装置、およびコンピュータシステム,データ通信システム等のシステムへのアクセスをコントロールするのに好適な個人識別装置および個人識別方法に関し、特に、耐久性に優れた圧力計測装置、および簡便かつ低コストで被験者を識別可能な個人識別装置および個人識別方法に関する。 【0002】 【従来の技術】コンピュータシステム,データ通信システム等において、ハードウェア,ソフトウェア及び情報は、常に破壊や悪用等の危険に晒されている。このような危険からシステムを保護するために、システムの利用を登録者に限定して許可する個人識別装置が従来より用いられている。この個人識別装置には、利用者名とパスワードを予め登録し、利用者を限定して許可するパスワード方式が広く用いられている。 【0003】しかし、パスワードが盗用されたり、利用者がパスワードを忘れてしまう等の問題があるため、盗用,詐称の恐れの少ない本人の不変な生体情報(指紋、手形、顔形状、瞼、声紋等)を使った個人識別方法が、例えば、特開平5−224771号公報に開示されている。 【0004】この個人識別方法は、登録者の肉体的特徴に起因する固有の圧力分布情報を登録情報として予めメモリに格納しておき、電算機システムの利用時に利用者に係る圧力分布情報を計測し、この計測で得られた圧力分布情報と登録情報とを比較照合して利用者が登録者であるか否かを判定するものである。 【0005】しかし、人間は常に、動こうと意識をしなくても無意識に何かしら体を動かしている。従って、識別対象である被験者から得る圧力分布情報は常に変動しているため、従来の個人識別方法では、一定した固有の圧力分布情報を被験者から得るのは大変困難となり、個人を識別することは難しい。一方、被験者の動きを固定して一定した圧力分布情報を得ようとすると、被験者に対して大きな肉体的及び心理的負担を強いることになる。 【0006】そこで、このような欠点に鑑みてなされた従来の個人識別方法としては、例えば、特開平8−145825号公報に示されるものがある。 【0007】特開平8−145825号公報に示された個人識別方法は、物体が所定の面に接したときの圧力分布情報を圧力センサにより時系列的に取り込み、これにより得られた複数の圧力分布情報について位置の正規化を行い、位置正規化後の各圧力分布情報を重畳して重畳圧力分布画像を作成し、この重畳圧力分布画像から圧力分布形状の特徴を抽出し、物体の属性を識別するものである。この方法によれば、重畳圧力分布画像から圧力分布形状の特徴を抽出することにより、被験者が静止しているときの形状を推測できるため、被験者の動作に依らないで、ほぼ一定した圧力分布情報を得ることができる。 【0008】一方、圧力分布を計測する計測装置は、従来より主に椅子や寝具等の性能評価を目的に開発されている。この従来の計測装置としては、測定面上に帯状の布を格子状に並べ、その帯状の布が測定する圧力によって引かれる力を基に圧力分布を計測するものや、圧力を加えると色が変化する紙を用いて計測するもの、マトリックス状の一対の電極間に感圧抵抗性物質を格子状に塗布して圧力分布を計測するもの等がある。 【0009】感圧抵抗性物質を格子状に塗布して圧力分布を計測する計測装置は、他の装置に比べて実時間で計測が行え、計測装置を小型にできる等の点が優れている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の個人識別方法によれば、圧力分布情報の位置を正規化するための処理装置が必要であるため、コスト高を招くという問題がある。 【0011】従来の計測装置によれば、被験者が無意識に行う動作によって感圧抵抗性物質の感圧方向(電極に向かう方向)以外に圧力が加わるため、電極と感圧抵抗性物質が剥離して計測器の精度が低下し、耐久性に劣るという問題がある。また、計測器の精度を維持するためには、計測器を定期的に交換する必要があり、その結果、システムを維持するための費用が多く必要となる。 【0012】従って、本発明の目的は、耐久性に優れた圧力計測装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、簡便かつ低コストで被験者を識別可能な個人識別装置および個人識別方法を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、流体が充填された可撓性容器、および前記可撓性容器を介して前記流体に加わる圧力を検出する検出素子からなるアレイ状に配列された複数の微小圧力センサを備えたことを特徴とする圧力計測装置を提供する。上記構成のよれば、検出素子は可撓性容器に加わる圧力を流体を介して間接的に検出する。 【0014】本発明は、上記目的を達成するため、登録者の動作の特徴を登録情報として記憶する記憶手段と、利用者の動作によって生じる圧力を時系列的に計測して圧力信号を出力する計測手段と、前記圧力信号の波形から前記利用者の特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、前記特徴情報と前記登録情報とを照合して前記利用者が前記登録者であるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする個人識別装置を提供する。上記構成によれば、圧力信号の波形から特徴情報を抽出することにより、信号を正規化するための処理装置が必要なくなる。 【0015】本発明は、上記目的を達成するため、登録者の動作の特徴を登録情報として登録し、利用者の動作によって発生する圧力を時系列的に計測して圧力信号を出力し、前記圧力信号の波形から前記利用者の特徴情報を抽出し、前記特徴情報と前記登録情報とを照合して前記利用者が前記登録者であるか否かを判定することを特徴とする個人識別方法を提供する。 【0016】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係る個人識別システムを示す。この個人識別システム1は、コンピュータ本体2a,CRTディスプレイ2b,キーボード2c等を備えたコンピュータ2と、コンピュータ2を利用する利用者P用の椅子3と、椅子3の各部に設けられ、利用者Pから受ける圧力を検出する圧力センサ4a,4b,4c,4dとを有する。圧力センサ4a〜4dからは信号線44がコンピュータ本体2aに接続されている。 【0017】図2(a)は、圧力センサ4a〜4dが配置された椅子3を示す。圧力センサ4a〜4dは、同図(a)に示すように、椅子3の座面3a,背面3b,肘掛け面3c,足掛け面3d上に利用者Pに見えないように配置されている。これにより、利用者Pに計測されていることが分からないため、利用者Pの心理的な負担を無くし、利用者Pが自然な状態で椅子3に腰掛けるようになり、この結果、利用者Pが無意識に起こす動作によって生じる圧力を計測することが可能になる。また、椅子3の各部に圧力センサ4a〜4dを配置することにより、利用者Pがどんな姿勢をとっても対応することができる。 【0018】図2(b),(c)は、圧力センサ4a〜4dのうちの1つの圧力センサ4を示す。圧力センサ4は、同図(b)に示すように、マトリックス状に配設された多数の微小圧力センサ40によって構成される。微小圧力センサ40は、同図(c)に示すように、空気等の流体41が充填された可撓性容器42の中に流体41内の圧力に応じた圧力信号を出力する圧電素子43を望ませ、圧電素子43からコンピュータ本体2aに至る信号線44を導出している。 【0019】可撓性容器42は、気密性が高く、かつ柔軟性が高い素材であるものが望ましい。具体的には、コスト面などから考えるとゴムやポリエステルなどが望ましい。 【0020】流体41は、本実施の形態では空気を用いたが、これに限るものではなく、水,油,シリコン等の他の流体を用いることができる。可撓性容器42を介して流体41に間接的に圧力を伝えることにより、圧力を計測する際に与える被験者の負担を減らすことができる。また、間接的に圧力を伝えることにより、摩擦などの余分な力が計測系に加わらないため、計測精度の低下を防ぐことができる。 【0021】図3は、本システム1の主要な制御系を示す。このシステム1は、圧力センサ4a〜4dを制御して圧力分布を計測するセンサ制御部5と、圧力センサ4a〜4dからの複数の圧力信号を図示しないメモリに記憶するとともに、それらの圧力信号から特徴情報を抽出する特徴抽出部6と、特徴抽出部6によって抽出された特徴情報と登録情報記憶部7に記憶されている登録情報との照合を行う識別部8とを有する。これらのセンサ制御部5、特徴抽出部6、登録情報記憶部7および識別部8は、コンピュータ本体2a内に収容されている。登録情報記憶部7には、登録者を椅子3に座らせ、圧力センサ4a〜4dによって計測された複数の圧力信号から特徴抽出部6によって抽出された登録者の特徴情報が登録情報として記憶されている。 【0022】なお、圧力センサ4は、上記実施の形態では、個人識別装置に適用しているが、これに限らず、人体が椅子や寝具などに接触する圧力を測定する圧力計測装置に適用することができる。 【0023】次に、本システム1の動作を説明する。まず、利用者Pは、コンピュータ2を使用するため、椅子3に腰掛ける。利用者Pが椅子3に座り、圧力センサ4a〜4dに一定以上の圧力が加わると、センサ制御部5は、利用者Pが椅子3に触れる面に加わる加重分布をマトリックス状の圧力分布として計測を開始する。その後、センサ制御部5は、圧力分布を一定時間計測し、特徴抽出部6に出力する。 【0024】図4は、圧力の平均値の時間変動を示す。横軸が時間、縦軸が圧力であり、座面3aに設けられた圧力センサ4aを構成する微小圧力センサ40からの圧力の平均値の時間変動を示す。特徴抽出部6は、センサ制御部5から得られた圧力分布の時間変化から利用者の特徴情報を抽出する。すなわち、特徴抽出部6は、圧力センサ4a〜4d毎に圧力の平均値の時間変動を求める。特徴抽出部6は、平均の信号波形を微分処理して極小値を求め、その極小値とその直前の極大値との差を求め、その差が所定の値以上の極小値を抽出し(図4中×印で示す。)、所定の時間(例えば10分間)当たりの極小値の数(圧力変動数)を求める。このような特徴情報の抽出処理を行うことにより、図4に示す例では、人物Aは5回、人物Bは47回、人物Cは172回というデータが得られた。特徴抽出部6は、その圧力変動数を特徴情報として識別部8に出力する。 【0025】識別部8は、特徴抽出部6からの特徴情報と登録情報記憶部7に登録情報として登録されている圧力変動数との照合を行い、利用者が登録者であるかどうかを判定する。例えば、登録されている圧力変動数と抽出された圧力変動数との差が一定以下のものが登録情報に登録されている場合は、利用者は登録者であると判定する。 【0026】上述した本実施の形態によれば、圧力を流体41を介して間接的に検出しているので、圧電素子43に無理な力が加わらないため、優れた耐久性を有する。また、微小圧力センサを密接して配列しているので、その配列されている面に直交する方向の圧力のみを検出するので、正確な圧力を検出することが可能になる。また、圧力の変化から特徴情報を抽出しているので、従来の圧力分布情報による識別と異なり、被験者の動きを制限したり、計測器を被験者に固定して計測を行う必要がなくなるので、被験者に心理的,肉体的な負担を掛けずに圧力分布の計測が可能になる。また、圧力分布の変化を計測することにより、被験者の動きによって被験者の微小圧力センサ40に触れる位置が多少ずれても、圧力分布の変化から特徴情報を抽出することができ、圧力分布情報の位置を正規化するための処理装置が必要なくなるので、簡便かつ低コストで被験者を識別することが可能になる。 【0027】なお、本実施の形態では、圧力の平均値の時間変動を用いたが、最大振幅や振幅の平均値、振幅の分散値、ピークとピークの間隔の最大値、ピークとピークの間隔の平均値、ピークとピークの間隔の分散値等を測定し、これらによって利用者が登録者であるか否かを判定してもよい。また、本実施の形態では、椅子の面上に圧力センサを設置したが、圧力センサを設置する場所は椅子に限らず、登録者がシステム利用時に常に接している面であれば何処でもよい。例えば、システムを利用する利用者が必ず机を利用しているならば、机の作業面に設置をしてもよい。また圧力分布情報は時間的に連続していなくても構わない。変動する圧力分布が得られれば、離散的な情報でも可能である。 【0028】 【発明の効果】以上の説明のように、本発明の圧力計測装置によれば、圧力を流体を介して間接的に検出しているので、圧電素子に無理な力が加わらないため、耐久性に優れた圧力計測装置を提供できる。また、本発明の個人識別装置および個人識別方法によれば、圧力信号の波形から特徴情報を抽出しているので、信号を正規化するための処理装置が不要になり、簡便かつ低コストで被験者の識別可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005496 【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月8日(1999.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071526 【弁理士】 【氏名又は名称】平田 忠雄
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| 【公開番号】 |
特開2000−258268(P2000−258268A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−60335 |
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