| 【発明の名称】 |
圧力センサ |
| 【発明者】 |
【氏名】一瀬 弘志
【氏名】栗林 裕
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】測定対象の圧力を受けて撓みを生ずるダイヤフラムと、このダイヤフラムに固定された第1の磁石と、この第1の磁石に対向して固定された同極性の第2の磁石と、上記第1,第2の磁石の間に配置されたホール素子とを備えた圧力センサにおいて、前記ダイヤフラムは、中心部に開口が形成されると共に概ね円板形状を呈し、その内周部には前記第1の磁石をこのダイヤフラムに固定するために固定用具によって挟持される厚肉の磁石固定部が形成され、その外周部にはこのダイヤフラムをこの圧力センサのケース内に挟持し固定するための厚肉の外周固定部が形成され、これら厚肉の磁石固定部と外周固定部との間に薄肉の梁部が形成されたことを特徴とする圧力センサ。 【請求項2】請求項1において、前記厚肉の磁石固定部と外周固定部のそれぞれと薄肉の梁部との間の表面に滑らかな曲面が形成されたことを特徴とする圧力センサ。 【請求項3】請求項2において、前記滑らかな曲面は、前期厚肉の磁石固定部と外周固定部のそれぞれと前記薄肉の梁部との段差と同等以上の曲率半径を有する円弧状の断面形状を有することを特徴とする圧力センサ。 【請求項4】請求項1乃至3のそれぞれにおいて、前記外周固定部の内周側の端部の径は、この外周固定部を前記ケース内に挟持し固定するための部品の内周側の端部の径よりも大きな値に設定されたことを特徴とする圧力センサ。 【請求項5】請求項1乃至4のそれぞれにおいて、前記磁石固定部の外周側の端部の径は、前記磁石ホルダーの外周側の端部の径よりも小さな値に設定されたことを特徴とする圧力センサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、流体の圧力を検出する圧力センサに関するものであり、特に、測定対象の圧力を受けて撓みを生じるダイヤフラム上に磁石を固定し、この磁石の変位量をホール素子で電気特性に変換する形式の圧力センサに関するものである。 【0002】 【従来の技術】特開昭56ー155824号公報には、半導体ホール素子と磁石とダイヤフラムとを組合せた圧力センサが開示されている。この圧力センサは、同極性の1対の磁石の一方を基体上に、他方をダイヤフラムの中心にそれぞれ固定することによってそれぞれを互いに対向させて配置すると共に、これら磁石の中間にホール素子を配置し、上記ダイヤフラムを検出対象の圧力により変位させる構成となっている。 【0003】このダイヤフラムに加えられる圧力が変化すると、その中心に固定された磁石の位置が変化し、この結果、ホール素子を通過する磁界の強度が変化してその電気特性が変化する。この電気特性やその変化量が、圧力やこの圧力の変化量として検出される。 【0004】上記特許文献に開示されたホール素子を用いた圧力センサでは、蛇腹状ないしは波状の断面形状を有するダイヤフラムを用いた構造が好適な実施例として示されている。しかしながら、通常、この様な波状の断面形状を有するダイヤフラムは、その曲げ剛性の管理が困難と見られ、このため、このような形状のダイヤフラムに作用する圧力とその中心に固定された磁石の変位との間に再現性の良い関係を設定することが困難と見られる。 【0005】特開平8ー327483号には、上記ホール素子を用いた圧力センサとして、中心部に磁石を保持する剛体のプレッシャープレートと、このプレッシャープレートの周辺に形成された可撓性部材から成るダイヤフラムを用いた構造が開示されている。更に、この圧力センサでは、ダイヤフラムの上下にスプリング(コイルバネ)が配置されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記特開平8ー327483号に開示された圧力センサは、ダイヤフラムの上下両側にコイルバネを配置している。この結果、圧力とダイヤフラムの撓み量の関係がダイヤフラムとコイルバネのそれぞれの弾性を考慮した複雑なものとなり、また、各弾性のバランスのさせ方次第では良好な直線性を実現できなくなるおそれがある。従って、本発明の一つの目的は、直線性の良好な圧力センサを提供することにある。 【0007】また、上記先行技術の圧力センサでは、車両上エンジンのインテークマニホールドの負圧などを測定対象としているため、ダイヤフラムも、このダイヤフラムを内部に保持するケースも小さな剛性と強度の樹脂から構成されている。この先行技術の圧力センサを油圧など数十Kgf/cm2 もの大きな液圧を測定対象とする圧力センサに応用する場合、素材である樹脂を十分に大きな剛性と強度を有する鋼などに置き換える必要がある。 【0008】ダイヤフラムの素材を鋼に置き換えると、外周固定・内周固定片のダイヤフラム支持構成部も同等の強度を有する素材が必要となり、材料費や加工費などがかさみ製品が高価になるという問題がある。従って、本発明の他の目的は、ダイヤフラム支持構成部に加わる応力を緩和させることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解決する本発明の圧力センサによれば、ダイヤフラムは中心部に開口が形成されると共に概ね円板形状を呈している。そして、このダイヤフラムの内周部には磁石をこのダイヤフラムに固定するために固定用具によって挟持される厚肉の磁石固定部が形成され、その外周部にはこのダイヤフラムをこの圧力センサのケース内に挟持し固定するための厚肉の外周固定部が形成される。そして、これら厚肉の磁石固定部と外周固定部との間に薄肉の梁部が形成される。 【0010】本発明の好適な実施の形態によれば、厚肉の磁石固定部と外周固定部のそれぞれと薄肉の梁部との間に、厚肉の磁石固定部及び外周固定部と薄肉の梁部との間の表面に、段差と同等以上の曲率半径を有する円弧状の断面形状を有する滑らかな曲面などから成る滑らかな曲面が形成される。 【0011】本発明の更に他の好適な実施の形態によれば、ダイヤフラムの外周固定部の内周側の端部の径がこの外周固定部をケース内に挟持し固定するための部品の内周側の端部の径よりも大きな値に設定されると共に、磁石固定部の外周側の端部の径が磁石ホルダーの外周側の端部の径よりも小さな値に設定される。 【0012】 【実施例】図1は、本発明の一実施例の圧力センサの構成を示す断面図であり、図2はその部分拡大断面図である。図1と図2において、1はダイヤフラム、2は磁石ホルダー、3はカラー、4は磁石、5はケース、6はブッシュ、7はハウジング、8は磁石、9はホールIC、10は薄板バネ、11はシム、12は回路基板、13はホールICの端子、14は封止剤、16はハウジングのコネクタ部である。 【0013】ダイヤフラム1は、中心部に開口が形成された円板形状を呈しており、その素材として大きな強度と剛性とを有する金属、例えば、ステンレス鋼などの金属が使用されている。これは、測定対象の圧力として数十kgf/cm2 程度の油圧が想定されているためである。 【0014】このダイヤフラム1の中心部分には肉厚の磁石固定部1bが形成され、この磁石固定部1bの中心に円形の開口が形成されている。この開口の内部に磁石ホルダー2の胴部(ボス部)が挿入せしめられ、この胴部の先端部分がこの胴部を囲んで配置されたカラー3の下端面上にかしめられることによって、磁石ホルダー2がダイヤフラム1の中心部分の肉厚の磁石固定部1bを強固に固定する。 【0015】磁石ホルダー2の頭部に形成された開口の内部に円柱形状の磁石4が挿入されると共に、この頭部の側壁面の先端部分が磁石4の上部端面上にかしめられることにより磁石4が磁石ホルダー2の内部に強固に保持される。磁石ホルダー2とカラー3の素材の一例としては、ステンレスなどの金属が使用される。 【0016】円板形状のダイヤフラム1の外周部には、このダイヤフラム1をケース5の内部に挟持し、固定するための厚肉の外周固定部1cが形成されている。この厚肉の外周固定部1cは、低炭素鋼などの金属を素材とするケース5の内部に形成された肩部5cに精密溶接方法によって固定されることにより、機械的な固定と気密封止とが行われる。この後、円環形状のブッシュ6がケース内に押圧される。ダイヤフラム1は、上述のように肩部5cに溶接によって固定されたうえに、上記ブッシュ6と薄板バネ10とを介してハウジング7によって肩部5cに押圧される。 【0017】上記ダイヤフラム1の外周固定部1cに対するハウジング7による押圧は、ハウジング7がケース5の上部からこのケース5内に挿入されたのち、このケース5の上端部5eがハウジング7の肩部にかしめられることにより、このケース5とハウジング7との結合が完成する際に行われる。ダイヤフラム1の厚肉の磁石固定部1bと外周固定部1cの間には薄肉の梁部1aが形成される。 【0018】ハウジング7の中心部の奥に形成された小径の円形の溝の内部に円柱形状の磁石8が保持され、この溝の内部にシム11を介してホールIC9が保持され、このホールIC9が薄板バネ10によってハウジング7の内部側に押圧されることにより、第2の磁石8とホールIC9とがハウジング7の内部に保持される。 【0019】ハウジング7の内部には、更に、湿気を防止するための封止剤14に上下を覆われた状態でプリント配線板12が保持されている。プリント配線板12上には、ホールICのサージ高電圧用保護回路などが形成される。 【0020】このプリント配線板12とホールIC9との間がホールICの端子13によって接続され、この端子13の他端部分は、封止剤14を通してハウジング7のコネクタ部16のピン16a,16bに接続されている。ケース16aをハウジング7のコネクタ部16には、図示しないコネクタを介してケーブルが接続され、電気特性に変換された検知圧力がそのケーブルを介して転送される。 【0021】ケース5の内部は、ダイヤフラム1によって2個の室5aと5bとに仕切られており、室5aは圧力導入管5dを通して検出対象の圧力源に連通せしめられると共に、室5bは大気圧に保たれる。このため、ダイヤフラム1と磁石ホルダー2との間は、レーザーを利用した精密溶接方法によって気密封止が行われる。圧力導入管5dの外側には、この圧力センサを車両の機関部や機能部位に直接取付けできるよう、ネジ溝が形成されると共に、圧力漏れを防止するためのOリング17が備えられる。 【0022】図2は、ダイヤフラム1とブッシュ6との接合箇所を拡大して示す部分拡大断面図である。ダイヤフラム1の厚肉の外周固定部1cと薄肉の梁部1aとの間に滑らかな曲線が形成される。すなわち、外周固定部1cと梁部1aとの間の段差をδとすれば、例示する楕円形状に近い滑らかな曲線が形成された部分の長さαが段差δと同等以上で、かつ、外周固定部の厚みよりは小さな値に設定される。この滑らかな曲線を円弧で実現する場合は、その曲率半径が段差δと同等以上であるように設定される。 【0023】この段差と滑らかの曲線の形状との関係は、梁部1aと内周側の厚肉の磁石固定部1bとの間に形成される曲線部分についても上述した外周固定部1cにおける関係と同様である。段差δの値は、ダイヤフラムの素材となる鋼の引張り強さ、熱処理後の硬度などの機械的性質や、鍛造プレス加工であるかあるいは機械切削加工であるかなどの製法などから最適の値が設定される。 【0024】ダイヤフラムの厚肉部分の厚みは、例えば、板材や条材などの素材の厚みそのものによって設定され、薄肉の梁部1aの厚みはこの部分に鍛造プレス加工や、機械切削加工などを行うことによって設定される。 【0025】図2に示すように、外周固定部1cの内周側の端部(曲線形状への移行点)の径は、ブッシュ6の底面の内周側端部の径よりもβだけ大きな値となるように、すなわち、外周固定部1cの内周側の端部の端部がブッシュ6の底面の内周側端部よりも外周側に後退するように設計されている。この結果、ダイヤフラム1の外周固定部1cの全てがブッシュ6の底面によって押圧され、厚肉部分と曲線部分とを形成したことに伴う応力の緩和が実現される。このことは、磁石ホルダー2とダイヤフラム1の結合部に関しても同様である。 【0026】図3は計算機シミュレーションの対象であるダイヤフラムの形状と、圧力の印加時に発生する引張/圧縮応力の計算対象の箇所を示している。中央の薄肉部分(梁)の厚みは0.3mm 、両側の厚肉部分の厚みは0.5mm 、梁の部分の内径は5.4mm 、外径は15.6mm、ダイヤフラム全体の内径は2.4mm 、外径は21.4mmである。印加圧力は20kgf/cm2 である。厚肉部と薄肉部との境界には円弧形状の曲線部分が形成されている。 【0027】梁部の4個の端点a,b,c,dに発生する引張/圧縮応力と、保持側の磁石ホルダー2、カラー3、ケース5及びブッシュ6内の対応の4個の点A,B,C,Dに発生する引張/圧縮応力の計算結果が図4に示されている。ダイヤフラム側の各点に対応する支持側の各点の発生応力は、支持側の対応の各箇所においてほぼ8分の1に低下している。 【0028】図5は、比較のため行った均一な厚みのダイヤフラムの形状と、圧力の印加時に発生する引張/圧縮応力の計算対象の箇所を示している。均一なダイヤフラムの厚みは0.3mm 、梁の部分の内径は5.4mm 、外径は15.6mm、ダイヤフラム全体の内径は2.4mm 、外径は21.4mmである。印加圧力は20kgf/cm2 である。 【0029】梁部の4個の端点a' ,b' ,c' ,d' に発生する引張/圧縮応力と、支持側の磁石ホルダー2、カラー3、ケース5及びブッシュ6内の対応の4個の点A' ,B' ,C' ,D' に発生する引張/圧縮応力の計算結果が図6に示されている。ダイヤフラム側の各点に対応する支持側の対応の各箇所の発生応力は、わずかに低下するだげ、大きな値を保っている。 【0030】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の圧力センサは、内周の磁石固定部と外周固定部とこれらの中間の梁部から成る円板形状を呈しているので、先行技術による蛇腹の形状やコイルバネとの組合せによるダイヤフラムの構造に比べて、形状と機構が簡易で、高い再現性と直線性の良好な圧力センサが実現できるという利点がある。 【0031】更に、本発明の圧力センサによれば、内周の磁石固定部と外周固定部の厚みがこれらの中間の部分の梁部の厚みよりも増大せしめられる構成であるから、磁石の固定用具とケースの固定部とに発生する応力が大幅に緩和される。この結果、各固定部分に大きな強度を有することから高価で加工の手間がかかる素材を使用する必要がなくなり、安価で高い信頼性を有する圧力センサを提供することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月28日(1999.1.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088786 【弁理士】 【氏名又は名称】櫻井 俊彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−214036(P2000−214036A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月4日(2000.8.4) |
| 【出願番号】 |
特願平11−20641 |
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