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【発明の名称】 半導体圧力センサ
【発明者】 【氏名】安田 正治

【要約】 【課題】半田接合部分の半田の熱収縮があっても正確な圧力測定のできる半導体圧力センサを提供する。

【解決手段】ダイアフラム11を有する半導体基板1とダイアフラム11に圧力を導入するための圧力導入孔21が形成された台座2とを接合し、台座2の半導体基板1との接合面と反対側の面に金属薄膜4を形成し、金属薄膜4の形成された面とパッケージ3のダイ31とを半田接合してなる半導体圧力センサにおいて、前記半田接合個所に部分的に半田の接合されないボイド9を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ダイアフラムを有する半導体基板と前記ダイアフラムに圧力を導入するための圧力導入孔が形成された台座とを接合し、該台座の前記半導体基板との接合面と反対側の面に金属薄膜を形成し、該金属薄膜の形成された面とパッケージのダイとを半田接合してなる半導体圧力センサにおいて、前記半田接合個所に部分的に半田の接合されないボイドを設けたことを特徴とする半導体圧力センサ。
【請求項2】 前記台座の金属薄膜の形成された面に、部分的に半田と接合しない材料により薄膜を形成することによりボイドを設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサ。
【請求項3】 前記台座の金属薄膜の形成された面側に、部分的に凹部を設け、該凹部の側面と底面の内、少なくともいずれかの面に前記金属薄膜が形成されないようにすることにより、ボイドを設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサ。
【請求項4】 前記凹部の形状を逆テーパ状としたことを特徴とする請求項3記載の半導体圧力センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台座を介してダイアフラムの形成された半導体基板とパッケージのダイとを接合してなる半導体圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、産業上の様々な分野で圧力センサが用いられている。中でも、信頼性、コスト、小型軽量化の点から車載関係や家電製品等において半導体圧力センサの使用が急増している。
【0003】この半導体圧力センサは、図6に示すように、ダイアフラム11を形成したシリコンチップ(半導体基板)1の一方の面にピエゾ抵抗12を形成した構造が使用される。このシリコンチップ1は台座2を介してパッケージ3のダイ31に接合される。シリコンチップ1と台座2とは陽極接合により接合されており、台座2のシリコンチップ1との接合面と反対側の面とパッケージ3のダイ31とは半田6により半田接合されている。これらの接合により、物理的に強固な接合を得ることができる。なお、台座2にはダイアフラム11に圧力を導入するための圧力導入孔21が形成されている。
【0004】台座2はパッケージ3等からシリコンチップ1へ及ぼされる応力を緩和するためのものであり、材料としては、シリコンチップ1と熱膨張係数の近いガラスやシリコン基板が使用される。台座2のパッケージ3のダイ31との接合面には半田と容易に共晶接合する材料からなる金属薄膜層4が形成され、ダイ31の台座2との接合面は半田と容易に共晶接合する材料からなるメッキ層5が施されている。
【0005】シリコンチップ1表面の電極パッド13とリード7とは金又はアルミ製のワイヤ8で接続されている。シリコンチップ1の表面には、複数のピエゾ抵抗12が拡散により形成されており、複数のピエゾ抵抗12を互いに結線することによりホイートストンブリッジ回路を形成している。リード7から電流等をホイートストンブリッジ回路に供給し、ピエゾ抵抗12の抵抗値の変化を電圧の変化として検出することにより、圧力導入管32を介して伝わる圧力変化33を電気的な信号の変化として取り出すことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような半導体圧力センサにあっては、上記の半田6による接合に際して、半田6の融点より高い温度で接合する必要がある。この温度では、半田6、パッケージ3のダイ31、台座2、シリコンチップ1との間で互いに応力を及ぼし合うということはないが、融点より高い温度(一般的には200℃より高温)であるため、半導体圧力センサを使用する温度まで冷却するにつれて、半田6とシリコンチップ1が接合された台座2との物理的な特性が異なるために、お互いに力を及ぼし合う状態となる。
【0007】一般的には、シリコンチップ1や台座2よりも半田6の熱膨張係数の方が大きく、室温レベルにおいては半田6がシリコンチップ1や台座2よりも収縮している。そして、半田6の収縮に伴って、半田6が盛り上がり、シリコンチップ1と接合された台座2を下から突き上げるような力を及ぼし、その力の一部がシリコンチップ1に作用し、ダイアフラム11に形成されたピエゾ抵抗12自体を歪ませてしまう。従って、検出対象とする圧力媒体以外からの応力を受けた状態で半導体圧力センサを使用することになり、正確な圧力の検出ができないことになる。また、半導体圧力センサの使用温度が広くなれば、半田6からの応力が温度によって異なり、半導体圧力センサの温度特性に歪み(直線性の低下)を生じさせてしまうという問題があった。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、半田接合部分の半田の熱収縮があっても正確な圧力測定のできる半導体圧力センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、ダイアフラムを有する半導体基板と前記ダイアフラムに圧力を導入するための圧力導入孔が形成された台座とを接合し、該台座の前記半導体基板との接合面と反対側の面に金属薄膜を形成し、該金属薄膜の形成された面とパッケージのダイとを半田接合してなる半導体圧力センサにおいて、前記半田接合個所に部分的に半田の接合されないボイドを設けたことを特徴とするものである。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記台座の金属薄膜の形成された面に、部分的に半田と接合しない材料により薄膜を形成することによりボイドを設けるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記台座の金属薄膜の形成された面側に、部分的に凹部を設け、該凹部の側面と底面の内、少なくともいずれかの面に前記金属薄膜が形成されないようにすることにより、ボイドを設けるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記凹部の形状を逆テーパ状としたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。本発明の半導体圧力センサは、図6に示した従来の半導体圧力センサと基本的構成は同等であるので、同一個所には同一符号を付して説明を省略する。
【0014】図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体圧力センサの概略構成を示す断面図である。本実施形態では、図6に示した半導体圧力センサにおいて、台座2の金属薄膜層4を形成した面の圧力導入孔21の開口部と外側エッジとの中間部分に、半田6と接合しない材料からなる薄膜9を形成している。薄膜9としては、例えば、半田6としてAu−Sn半田を使用する場合には、Al等の薄膜とするのが良い。なお、半田6としてAu−Sn半田を使用する場合には、金属薄膜層4としてはAuが用いられ、メッキ層5としてはAuメッキが用いられる。
【0015】本実施形態によれば、薄膜9の部分では、台座2と半田6とが接着せず、台座2と半田6との接合面に部分的にボイドが形成されたことになる。従って、半田6が熱収縮した場合に、収縮した半田6がボイドの部分を埋めることになり、台座2を持ち上げるような作用が防止され、ピエゾ抵抗12に及ぼす影響が緩和される。この状態で圧力導入管32を介して伝わる圧力変化を検出できるので、媒体以外の要因を含まない正確な圧力の検出が可能となる。また、広範囲の温度で使用することのできるようになるのである。
【0016】図2は本発明の第2の実施形態に係る半導体圧力センサの概略構成を示す断面図である。本実施形態では、図6に示した半導体圧力センサにおいて、台座2の金属薄膜層4を形成する面の圧力導入孔21の開口部と外側エッジとの中間部分に、凹部となる溝22を形成する。図3に示すように、金属薄膜層4は、溝22の底面22bには形成されるが、側面22aには形成されないようにしておく。
【0017】本実施形態によれば、溝22の側面22aには金属薄膜層4が形成されていないので、この部分では台座2と半田6とが接着せず、台座2と半田6との接合面に部分的にボイドが形成されたことになる。従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0018】図4は本発明の第3の実施形態に係る半導体圧力センサの概略構成を示す断面図である。本実施形態では、図6に示した半導体圧力センサにおいて、台座2の金属薄膜層4を形成する面の圧力導入孔21の開口部と外側エッジとの中間部分に、凹部となる逆テーパ状の溝23を形成する。図5に示すように、金属薄膜層4は、溝23の底面23bには形成されるが、側面23aには形成されないようにしておく。逆テーパ状の溝23の形成方法としては、例えば、台座2の溝23を形成したい個所に、予め凹凸構造を形成しておき、その後、ボロン等の不純物を注入して、フッ酸等でエッチングすることにより形成することができる。
【0019】本実施形態によれば、溝23の側面23aには金属薄膜層4が形成されていないので、この部分では台座2と半田6とが接着せず、台座2と半田6との接合面に部分的にボイドが形成されたことになる。従って、第1、第2の実施形態と同様の効果を奏する。
【0020】なお、上記第2及び第3の実施形態では、溝22、23の側面22a、23aに金属薄膜層4が形成されないようにしているが、底面22a、22bに金属薄膜層4が形成されないようにしても良いし、両面ともに金属薄膜層4が形成されないようにしても良い。
【0021】
【発明の効果】以上のように、請求項1乃至請求項4記載の発明によれば、ダイアフラムを有する半導体基板と前記ダイアフラムに圧力を導入するための圧力導入孔が形成された台座とを接合し、該台座の前記半導体基板との接合面と反対側の面に金属薄膜を形成し、該金属薄膜の形成された面とパッケージのダイとを半田接合してなる半導体圧力センサにおいて、前記半田接合個所に部分的に半田の接合されないボイドを設けたので、温度変化により、前記半田接合における半田が熱収縮した場合でも前記ボイドで吸収されることになり、半田接合部分の半田の熱収縮があっても正確な圧力測定のできる半導体圧力センサが提供できた。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成11年1月26日(1999.1.26)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外3名)
【公開番号】 特開2000−214026(P2000−214026A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−16402