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【発明の名称】 半導体圧力センサ
【発明者】 【氏名】宮島 久和

【氏名】片岡 万士

【氏名】西條 隆司

【氏名】江田 和夫

【氏名】青木 亮

【要約】 【課題】低コストで高感度な半導体圧力センサを提供する。

【解決手段】単結晶シリコン(110)基板1の主表面側に、4つのピエゾ抵抗R1〜R4が形成された半導体センサチップ1を備えている。ピエゾ抵抗R1〜R4はブリッジ接続される。各ピエゾ抵抗R1〜R4がそれぞれダイアフラム部2の変形を検出する感圧素子を構成する。ダイアフラム部2の平面形状が矩形状に形成されている。ダイアフラム部2の平面形状において単結晶シリコン(110)基板1の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<001>方向に直交する方向に平行な辺の長さをH2とすると、上記比率H1/H2がダイアフラム部2の厚さに応じて所望の感度が得られるような値に設定されている。ダイアフラム部2の厚さが150μm、上記比率H1/H2が1.4であって、ダイアフラム部2の主表面の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 厚み方向の主表面側ほど開口面積が小さくなる凹所が裏面側に設けられることによって上記主表面側の中央部に薄肉のダイアフラム部が形成された半導体(110)基板と、該半導体基板の主表面側に配設されダイアフラム部の変形を検出する感圧素子とを備え、ダイアフラム部の平面形状は、矩形状であって互いに直交する辺の長さの比率が当該ダイアフラム部の厚みに応じて所望の感度が得られるような比率に設定されてなることを特徴とする半導体圧力センサ。
【請求項2】 ダイアフラム部は、当該ダイアフラム部の平面形状において半導体(110)基板の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<001>方向に直交する方向に平行な辺の長さをH2とすると、当該ダイアフラム部の厚さが10μmないし30μmのときにはH1/H2=1.2であることを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサ。
【請求項3】 ダイアフラム部は、当該ダイアフラム部の平面形状において半導体(110)基板の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<001>方向に直交する方向に平行な辺の長さをH2とすると、当該ダイアフラム部の厚さが120μmないし150μmのときにはH1/H2=1.4であることを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体圧力センサとして、図4に示すように、単結晶シリコン(110)基板1のダイアフラム部2の主表面側に、4つのピエゾ抵抗R1,R2,R3,R4が形成された半導体センサチップ10を備えた半導体圧力センサが提案されている。ここにおいて、4つのピエゾ抵抗R1〜R4は、図示しない配線によりブリッジ接続されており、ピエゾ抵抗R1,R3がブリッジの対角に位置し、ピエゾ抵抗R2,R4がブリッジの対角に位置する。なお、各ピエゾ抵抗R1〜R4がそれぞれダイアフラム部2の変形を検出する感圧素子を構成している。
【0003】ダイアフラム部2は、異方性エッチング技術などを利用して単結晶シリコン(110)基板1の裏面側に凹所3を設けることにより形成されている。ここにおいて、凹所3は、単結晶シリコン(110)基板1の厚み方向の主表面側ほど(図4(b)の上側ほど)開口面積が小さくなっている。要するに、凹所3は、断面台形状に形成されている。
【0004】なお、半導体センサチップ10は、裏面側にガラス台座6が接合された形でパッケージ(図示せず)に納装される。ここにおいて、ガラス台座6には、上記凹所3に連通し圧力を導入するための孔6aが穿孔されている。
【0005】ところで、上述の4つのピエゾ抵抗R1〜R4のうちの2つのピエゾ抵抗R1,R3はダイアフラム部2の中央部に形成され、残りの2つのピエゾ抵抗R2,R4はダイアフラム部2の端部近傍に形成されている。なお、図4(a)の右上の2つの矢印は図4(a)における単結晶シリコン(110)基板1の結晶の軸方向を示す。すなわち、ピエゾ抵抗R1,R3は<001>方向に沿って同一直線上に形成され、ピエゾ抵抗R2,R4は<−110>方向(図4(a)の右方向)に沿って同一直線上に形成されている。
【0006】また、ダイアフラム部2の平面形状は正方形状に形成されており、<001>方向に平行な辺の長さH1と、<−110>方向に平行な辺の長さH2とは略等しくなっている(H1≒H2)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構成の半導体圧力センサは、ダイアフラム部2の厚さを薄くすることにより感度を高めることが望まれる一方で、使用用途によってはダイアフラム部2の機械的な強度の観点からダイアフラム部2の厚さを厚くすることが望まれている。要するに、ダイアフラム部2の厚さは、使用用途などに応じて適宜設定される。
【0008】しかしながら、上記従来構成の半導体圧力センサでは、ダイアフラム部2の厚さによっては所望の感度を得ることができず、ダイアフラム部2の面積を増大させて感度を向上させる必要があった。このため、半導体センサチップ10のチップ面積が大きくなり、1枚のウェハからの半導体センサチップ10の収量が少なくなり、コストが高くなってしまうという不具合があった。
【0009】本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストで高感度な半導体圧力センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記目的を達成するために、厚み方向の主表面側ほど開口面積が小さくなる凹所が裏面側に設けられることによって上記主表面側の中央部に薄肉のダイアフラム部が形成された半導体(110)基板と、該半導体基板の主表面側に配設されダイアフラム部の変形を検出する感圧素子とを備え、ダイアフラム部の平面形状は、矩形状であって互いに直交する辺の長さの比率が当該ダイアフラム部の厚みに応じて所望の感度が得られるような比率に設定されてなることを特徴とするものであり、ダイアフラム部の矩形状に形成された平面形状において直交する辺の長さの比率を当該ダイアフラム部の厚みに応じて所望の感度が得られるように設定することにより、ダイアフラム部の平面形状が正方形状に形成されている場合に比べて、ダイアフラム部の面積を小さくしても感度を向上させることができ、結果として低コスト化および高感度化を図ることができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明において、ダイアフラム部は、当該ダイアフラム部の平面形状において半導体(110)基板の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<001>方向に直交する方向に平行な辺の長さをH2とすると、当該ダイアフラム部の厚さが10μmないし30μmのときにはH1/H2=1.2であるので、ダイアフラム部の厚さが10μmないし30μmの場合においてダイアフラム部の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1の発明において、ダイアフラム部は、当該ダイアフラム部の平面形状において半導体(110)基板の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<001>方向に直交する方向に平行な辺の長さをH2とすると、当該ダイアフラム部の厚さが120μmないし150μmのときにはH1/H2=1.4であるので、ダイアフラム部の厚さが120μmないし150μmの場合においてダイアフラム部の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】ところで、本願発明者らは、図4に示した従来構成の半導体圧力センサのダイアフラム部2の平面形状における面積を基準面積とし、ダイアフラム部3の平面形状における面積を一定としてダイアフラム部の平面形状において互いに直交する辺の長さの比率を種々変化させてピエゾ抵抗R1〜R4よりなるブリッジの出力電圧を測定した(一定の圧力を印加して測定を行った)。その結果の一例を図2に示す。図2は、横軸がダイアフラム部2の平面形状において半導体(110)基板の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<−110>方向に平行な辺(つまり<001>方向に直交する方向に平行な辺)の長さをH2としたときの比率H1/H2、縦軸が出力電圧を示す。また、図2は、半導体センサチップ10のチップサイズを2.6mm□、単結晶シリコン(110)基板1の厚さを0.3mmとし、ダイアフラム部2の厚さを150μm、ダイアフラム部2の主表面側の面積を0.365mm2一定とした場合の例であり、横軸の1.0が従来構成(ダイアフラム部2の平面形状が正方形)に相当する。
【0014】図2から、本願発明者らは、上記比率H1/H2を変化させることによりダイアフラム部2の面積を一定としたまま出力電圧を変化させることができる、つまり、上記比率H1/H2を変化させることによりダイアフラム部2の面積を一定としたまま感度を変化させることができるという知見を得た。
【0015】本願発明者らは、この知見に基づいて本発明を行った。
【0016】本実施形態の半導体圧力センサの基本構成は図4に示し従来構成と略同じであって、図1に示すように、ダイアフラム部2の平面形状が矩形状に形成され、上記比率H1/H2がダイアフラム部2の厚さに応じて所望の感度が得られるような値に設定されている点に特徴がある。なお、図4に示した従来構成と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0017】図1の半導体圧力センサは、ダイアフラム部2の厚さが150μm、上記比率H1/H2が1.4であって、図2から、ダイアフラム部2の主表面の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができることが分かる。
【0018】また、ダイアフラム部2の厚さが120μmないし150μmの場合には、上記比率H1/H2を1.4に設定することによって、ダイアフラム部2の主表面の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができる。
【0019】また、ダイアフラム部2の厚さを15μmとした場合には、図3に示すように、上記比率H1/H2を1.2に設定することによって、ダイアフラム部2の主表面の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができる。同様に、ダイアフラム部2の厚さが10μmないし30μmの場合には上記比率H1/H2を1.2に設定することによって、ダイアフラム部2の主表面の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができる。
【0020】しかして、本実施形態では、ダイアフラム部2の矩形状に形成された平面形状において直交する辺の長さH1,H2の比率H1/H2を当該ダイアフラム部2の厚みに応じて所望の感度が得られるように設定することにより、ダイアフラム部2の平面形状が正方形状に形成されている場合に比べて、ダイアフラム部2の面積を小さくしても感度を向上させることができ、半導体センサチップ10のチップ面積の増大を抑制することができるから、結果として低コスト化および高感度化を図ることができる。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明は、厚み方向の主表面側ほど開口面積が小さくなる凹所が裏面側に設けられることによって上記主表面側の中央部に薄肉のダイアフラム部が形成された半導体(110)基板と、該半導体基板の主表面側に配設されダイアフラム部の変形を検出する感圧素子とを備え、ダイアフラム部の平面形状は、矩形状であって互いに直交する辺の長さの比率が当該ダイアフラム部の厚みに応じて所望の感度が得られるような比率に設定されているので、ダイアフラム部の矩形状に形成された平面形状において直交する辺の長さの比率を当該ダイアフラム部の厚みに応じて所望の感度が得られるように設定することにより、ダイアフラム部の平面形状が正方形状に形成されている場合に比べて、ダイアフラム部の面積を小さくしても感度を向上させることができ、結果として低コスト化および高感度化を図ることができるという効果がある。
【0022】請求項2の発明は、請求項1の発明において、ダイアフラム部は、当該ダイアフラム部の平面形状において半導体(110)基板の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<001>方向に直交する方向に平行な辺の長さをH2とすると、当該ダイアフラム部の厚さが10μmないし30μmのときにはH1/H2=1.2であるので、ダイアフラム部の厚さが10μmないし30μmの場合においてダイアフラム部の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができるという効果がある。
【0023】請求項3の発明は、請求項1の発明において、ダイアフラム部は、当該ダイアフラム部の平面形状において半導体(110)基板の<001>方向に平行な辺の長さをH1、<001>方向に直交する方向に平行な辺の長さをH2とすると、当該ダイアフラム部の厚さが120μmないし150μmのときにはH1/H2=1.4であるので、ダイアフラム部の厚さが120μmないし150μmの場合においてダイアフラム部の面積を一定としたときに略最大の感度を得ることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成11年1月26日(1999.1.26)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2000−214023(P2000−214023A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−16382