| 【発明の名称】 |
リモ―トシ―ルダイアフラム付差圧伝送器 |
| 【発明者】 |
【氏名】星野 幸男
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、組み立て後に確実にゼロ点補償を行って、周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれを調整し、温度誤差を極めて小さくすることを目的とする。
【解決手段】高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体を移動させて高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムを所定量変位させる受圧ダイアフラム変位手段15を設けたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された低圧側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に前記高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体を移動させて前記高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムを所定量変位させる受圧ダイアフラム変位手段を設けてなることを特徴とするリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項2】 前記受圧ダイアフラム変位手段として、締め込み量に応じて前記高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体封入部の内容積を可変するねじプラグを用いてなることを特徴とする請求項1記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項3】 被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された低圧側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側圧力伝達媒体と前記低圧側圧力伝達媒体とを連通する通路を設け、この通路の途中に前記高圧側圧力伝達媒体と前記低圧側圧力伝達媒体の封入量の割合を可変する弁機構を設けてなることを特徴とするリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項4】 前記弁機構として、ニードル弁を用いてなることを特徴とする請求項3記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項5】 前記通路を前記ハウジングの外側にパイプを用いて形成し、このパイプの途中に前記弁機構を設けてなることを特徴とする請求項3記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項6】 被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された出口側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に前記高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの受圧径を可変する受圧径可変手段を設けてなることを特徴とするリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項7】 前記受圧径可変手段として、前記高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの周端部を所定量拘束する着脱可能のリング部材を用いてなることを特徴とする請求項6記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項8】 被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された低圧側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側受圧部内部と大気との間及び前記低圧側受圧部内部と大気との間に、当該高圧側受圧部及び低圧側受圧部の内圧変化量を吸収する弾性部材をそれぞれ設け、この弾性部材の剛性を可変するように構成してなることを特徴とするリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項9】 前記弾性部材としてベローズを用い、このベローズを剛性可変の板ばねに応働させて当該ベローズの剛性を可変するように構成してなることを特徴とする請求項8記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。 【請求項10】 前記弾性部材としてダイアフラムを用い、このダイアフラムを剛性可変の板ばねに応働させて当該ダイアフラムの剛性を可変するように構成してなることを特徴とする請求項8記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、UV殺菌装置の流量測定用等に用いるリモートシールダイアフラム付差圧伝送器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】UV殺菌装置の流量測定用に用いられる従来のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器としては、例えば、図11に示すようなものがある。UV殺菌装置1は、仕切板2で下部がつながった状態で仕切られた入口側の槽3と出口側の槽4の2つの槽と、出口側に設けられた殺菌用UVランプ5により構成されている。殺菌される水は、入口側の槽3に入り、仕切板2の下部を通って出口側の槽4に入り、殺菌用UVランプ5で殺菌された後、壁6を越えて排出される。排出された処理水の流量はリモートシールダイアフラム付差圧伝送器7によって入口側の槽3と出口側の槽4の水位差を検知することによって入口側水圧と出口側水圧の差圧を検出し、この差圧を図示省略のストレインゲージ等によって電気信号に変換して測定するようになっている。図12は、高圧側受圧部及び低圧側受圧部の部分の構成を拡大して示している。高圧側受圧部8と低圧側受圧部9とがハウジング10としての円柱部材の両端面に形成され、入口側の槽3と出口側の槽4の水位差を検知するのに最適な一体構造となっている。高圧側受圧部8は、入口側水圧を検知する高圧側受圧ダイアフラム11を備え、この高圧側受圧ダイアフラム11とハウジング10との間の液室に高圧側圧力伝達媒体13が封入されている。また、低圧側受圧部9は、出口側水圧を検知する低圧側受圧ダイアフラム12を備え、この低圧側受圧ダイアフラム12とハウジング10との間の液室に低圧側圧力伝達媒体14が封入されている。高圧側受圧ダイアフラム11及び低圧側受圧ダイアフラム12はステンレス鋼等の薄板が用いられ、波形に形成されている。 【0003】しかし、上記のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器は、微差圧領域を検出対象とするため、両圧力伝達媒体13,14等が周囲温度の影響を受けやすく、これがゼロ点誤差となって現れるという問題があった。 【0004】これに対し、特開平5−223674号公報には、内部に封入液が満たされたハウジングと、このハウジングの両側に設けられ、ハウジングと膨張係数の異なる1対シールダイアフラムと、シールダイアフラムが一定以上ハウジング側に変位するのを禁止するバックアッププレートと、ハウジング内に設けられた圧力−電気変換素子を有するシリコンダイアフラムと、ハウジングに差圧センサと共に高圧室、低圧室に2分するように設けられ、ハウジングと膨張係数が異なるセンタダイアフラムとを有する差圧伝送器において、温度変化による硬さの変化の割合をセンタダイアフラムとシールダイアフラムとで略等しくするように構成することにより、温度特性を改善するようにした差圧伝送器が開示されている。 【0005】また、実開平5−2043号公報には、受圧部と膨張係数が異なり波形を成すセンタダイアフラムと、このセンタダイアフラムとシリコンダイアフラムとにより2分された封入液室とを具備してなる差圧測定装置において、温度変化によるセンタダイアフラムの変位による内圧変化を小さくするように前記2個の封入液室の液量が相違するようにされた封入液を具備することにより、温度特性を改善するようにした差圧測定装置が開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、温度特性を改善するようにした従来の差圧伝送器及び差圧測定装置は、それぞれシールダイアフラムの硬さの変化の割合をセンタダイアフラムと予め略等しくしておく、高圧側と低圧側の封入液量を予め相違するようにしておく、というものであり、何れのものも組み立ての際に予め調整を施している。このため、組み立て後(封入液の封入後等)に、結果が悪い場合は修復することができない。 【0007】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、組み立て後に確実にゼロ点補償を行うことができて、周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれを調整して温度誤差を極めて小さくすることができ、また、組み立て後にゼロ点補償を行えることから、製造上のばらつきにより生じる規格外品を減らすことができてコスト低減を図ることができるリモートシールダイアフラム付差圧伝送器を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された低圧側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に前記高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体を移動させて前記高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムを所定量変位させる受圧ダイアフラム変位手段を設けてなることを要旨とする。この構成により、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器は、微差圧領域を検出対象とする。周囲温度が変化すると、高圧側受圧部及び低圧側受圧部に封入されている両圧力伝達媒体が膨張又は収縮し、両圧力伝達媒体の封入量又は高圧側、低圧側の両受圧ダイアフラムの剛性にアンバランスがあると、差圧のゼロ点出力にずれが生じる。受圧ダイアフラム変位手段により高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの初期位置を所定量可変調整することで、上記のアンバランス分が補正されてゼロ点出力のずれを抑えることが可能となる。受圧ダイアフラム変位手段の調整操作は、組み立て後に行うので確実なゼロ点補償が可能である。 【0009】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記受圧ダイアフラム変位手段として、締め込み量に応じて前記高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体封入部の内容積を可変するねじプラグを用いてなることを要旨とする。この構成により、ねじプラグの締め込み量に応じて受圧ダイアフラムが変位して、周囲温度変化によるゼロ点出力のずれが補償される。 【0010】請求項3記載の発明は、被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された低圧側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側圧力伝達媒体と前記低圧側圧力伝達媒体とを連通する通路を設け、この通路の途中に前記高圧側圧力伝達媒体と前記低圧側圧力伝達媒体の封入量の割合を可変する弁機構を設けてなることを要旨とする。この構成により、弁機構の開・閉操作により、高圧側、低圧側の両圧力伝達媒体の封入量のアンバランス分が調整されて、周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれが補償される。 【0011】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記弁機構として、ニードル弁を用いてなることを要旨とする。この構成により、高圧側、低圧側の両圧力伝達媒体の封入量のアンバランス分の調整が、比較的簡単な構成で容易確実に行われる。 【0012】請求項5記載の発明は、上記請求項3記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記通路を前記ハウジングの外側にパイプを用いて形成し、このパイプの途中に前記弁機構を設けてなることを要旨とする。この構成により、高圧側、低圧側の両圧力伝達媒体の封入量のアンバランス分の調整を、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において、外部から容易に行うことが可能となる。また、弁機構には、市販のバルブ等を適用することが可能である。 【0013】請求項6記載の発明は、被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された出口側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に前記高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの受圧径を可変する受圧径可変手段を設けてなることを要旨とする。この構成により、高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの受圧径を可変することで、高圧側、低圧側の両受圧ダイアフラムの剛性のアンバランス分が補正されて周囲温度変化によるゼロ点出力のずれが補償される。 【0014】請求項7記載の発明は、上記請求項6記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記受圧径可変手段として、前記高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの周端部を所定量拘束する着脱可能のリング部材を用いてなることを要旨とする。この構成により、受圧径の可変は、具体的には、受圧ダイアフラムの外周部にリング部材を着脱することにより行われる。このリング部材の着脱はリモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において行われる。 【0015】請求項8記載の発明は、被測定流体の入口側流体圧を検知する高圧側受圧ダイアフラムを備え高圧側圧力伝達媒体が封入された高圧側受圧部と、前記被測定流体の出口側流体圧を検知する低圧側受圧ダイアフラムを備え低圧側圧力伝達媒体が封入された低圧側受圧部とをハウジングの両側面に有し、前記入口側流体圧と出口側流体圧の差圧を検出することにより前記被測定流体の流量を測定するためのリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記高圧側受圧部内部と大気との間及び前記低圧側受圧部内部と大気との間に、当該高圧側受圧部及び低圧側受圧部の内圧変化量を吸収する弾性部材をそれぞれ設け、この弾性部材の剛性を可変するように構成してなることを要旨とする。この構成により、弾性部材の剛性を可変することで、等価的に高圧側、低圧側の受圧ダイアフラムの剛性が可変されて、この両受圧ダイアフラムの剛性のアンバランス分が補正され、周囲温度変化によるゼロ点出力のずれが補償される。 【0016】請求項9記載の発明は、上記請求項8記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記弾性部材としてベローズを用い、このベローズを剛性可変の板ばねに応働させて当該ベローズの剛性を可変するように構成してなることを要旨とする。この構成により、弾性部材としてのベローズの剛性可変が、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において板ばねの剛性を調整することで行われる。 【0017】請求項10記載の発明は、上記請求項8記載のリモートシールダイアフラム付差圧伝送器において、前記弾性部材としてダイアフラムを用い、このダイアフラムを剛性可変の板ばねに応働させて当該ダイアフラムの剛性を可変するように構成してなることを要旨とする。この構成により、弾性部材としてのダイアフラムの剛性可変が、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において板ばねの剛性を調整することで行われる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0019】図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、図1及び後述の各実施の形態を示す図において、前記図11、図12における部材等と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。 【0020】図1は、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器における受圧ダイアフラム変位手段部分の構成を示している。本実施の形態では、高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に、高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体を移動させて高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムを所定量変位させる受圧ダイアフラム変位手段15が設けられている。この受圧ダイアフラム変位手段15により、高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの初期位置を所定量可変調整することで、周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれ量を補償するようにしている。図2を用いて、そのメカニズムを説明する。受圧ダイアフラムは、一般に式(1)に示すように、印加圧力(差圧)ΔPと移動容積ΔVの関係は、3次の関係となり、位置に応じて剛性が変化する。 【0021】 ΔP=A・ΔV+B・ΔV3 …(1) 高圧側受圧部及び低圧側受圧部に封入されている圧力伝達媒体は、周囲温度変化によって膨張又は収縮するが、この膨張分又は収縮分が受圧ダイアフラムの変位によって吸収される。このとき、受圧ダイアフラムの剛性に応じて、圧力伝達媒体に加わる圧力が変化することになる。例えば、高圧側と低圧側の受圧ダイアフラムの剛性が同じとすると、高圧側圧力伝達媒体の封入量VH が低圧側圧力伝達媒体の封入量VL より多い場合には、周囲温度の上昇に伴って高圧側圧力伝達媒体と低圧側圧力伝達媒体の両方が膨張するが、高圧側圧力伝達媒体の封入量VHの多い分に対する膨張分と高圧側受圧ダイアフラムの剛性の作用によって高圧側受圧部の方の発生圧力が大きくなり、出力は正側にずれることになる。したがって、この場合には、高圧側に設けた受圧ダイアフラム変位手段15により、高圧側受圧ダイアフラムを凹ませることで、膨張したときの剛性を低圧側受圧ダイアフラムより小さくできるので、高圧側圧力伝達媒体の封入量が多い分による出力の正側へのずれを小さくすることができる。一方、低圧側圧力伝達媒体の封入量VL が高圧側圧力伝達媒体の封入量VH より多い場合には、高圧側受圧ダイアフラムを膨らませることで、差圧出力の負側へのずれを小さくすることができる。この受圧ダイアフラム変位手段15の調整操作は、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後に行えるので、確実なゼロ点補償が可能である。受圧ダイアフラム変位手段15は高圧側、低圧側の何れの側に設けてもよく、高圧側と低圧側の両方に設けてもよい。 【0022】図3には、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は、上記第1の実施の形態における受圧ダイアフラム変位手段15の具体的な実施例に相当する。即ち、本実施の形態では、受圧ダイアフラム変位手段15として、締め込み量に応じて高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体封入部の内容積を可変するねじプラグ16が用いられている。ねじプラグ16を締め込むことで、ねじプラグ16が移動した量だけ受圧ダイアフラムを変位させることができる。圧力伝達媒体13は、ねじプラグ16とハウジング10の間に設けられたOリング17によってシールされている。 【0023】図4には、本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態は、高圧側圧力伝達媒体13と低圧側圧力伝達媒体14とを連通する通路18を設け、この通路18の途中に、高圧側圧力伝達媒体13と低圧側圧力伝達媒体14の封入量の割合を可変する弁機構19を設けたものである。前記第1の実施の形態で述べたように、高圧側圧力伝達媒体の封入量と低圧側圧力伝達媒体の封入量との差により差圧出力のゼロ点にずれ量が発生するので、このずれ量から計算した封入圧力伝達媒体量の差分を弁機構19の開・閉操作で調整することによって差圧出力のずれ量を小さくすることができる。例えば、高圧側より低圧側の方が圧力伝達媒体封入量が多い場合には、その量を差圧出力のずれ量から求め、さらに、この量を低圧側に移動させるための差圧を求める。受圧部にこの差圧を加えた状態で弁機構19を開き、平衡した状態で閉じればよい。 【0024】図5には、本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態は、上記第3の実施の形態における弁機構19の具体的な実施例に相当する。即ち、本実施の形態では、弁機構19として、ニードル弁20が用いられている。圧力伝達媒体13,14は、ニードル弁20とハウジング10の間に設けられたOリング21によってシールされている。ニードル弁20におけるねじを回転させることで、高圧側と低圧側の通路18の開け閉めが行われて高圧側圧力伝達媒体13と低圧側圧力伝達媒体14の封入量の割合が可変される。本実施の形態は比較的簡単な構成で弁機構19を実現できる。 【0025】図6には、本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態は、前記第3の実施の形態における弁機構19の具体的な他の実施例に相当する。即ち、本実施の形態では、ハウジング10の外側に、高圧側圧力伝達媒体13と低圧側圧力伝達媒体14とを連通するパイプ22を設け、このパイプ22の途中に、弁機構としてのバルブ23を設けたものである。このように構成することで、高圧側圧力伝達媒体13と低圧側圧力伝達媒体14の封入量のアンバランス分の調整を、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において、外部から容易に行うことができる。また、バルブ23には市販のものが適用できるとともに外部リークに対しては信頼性の高い構成にすることができる。 【0026】図7には、本発明の第6の実施の形態を示す。上記の各実施の形態では、周囲温度変化による差圧出力のずれ量を調整するのに高圧側圧力伝達媒体13と低圧側圧力伝達媒体14との間で封入量を移動させることで高圧側圧力伝達媒体13と低圧側圧力伝達媒体14のアンバランス分を少なくしているが、本実施の形態では、受圧径可変手段により高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの受圧径を変えることにより、その受圧ダイアフラムの剛性を調整するようにしている。受圧ダイアフラムの圧力−移動容積に対する剛性Aと受圧径dの間には、次の関係がある。 【0027】 A∝1/d6 …(2) 即ち、受圧径dが小さくなると剛性Aは大きくなる。例えば、周囲温度の上昇変化によって、ゼロ点出力が正側にずれた場合には、低圧側受圧ダイアフラムの有効径を小さくすることでゼロ点出力のずれ量を小さくすることができる。 【0028】図7は、受圧径可変手段の具体的な実施例を示している。受圧ダイアフラム11の外周部に、その受圧ダイアフラム11の外周部を所定量拘束するリング部材24を着脱自在に取り付けるようにしたものである。リング部材24は受圧ダイアフラム11の周端部φd に常に当てておくため、使用周囲温度内において受圧ダイアフラム11は外側に膨らんだ状態にしておく。リング部材24は高圧側、低圧側の何れの側に設けてもよく、高圧側と低圧側の両方に設けてもよい。 【0029】図8には、本発明の第7の実施の形態を示す。本実施の形態は、高圧側と低圧側両方の受圧部の内部と大気との間に剛性を可変できる弾性部材25,26を設けたものである。この弾性部材25,26は内部圧力と大気圧との差圧で変位し、内部圧力を吸収する働きをする。弾性部材25,26の剛性を変えることによって、等価的に高圧側、低圧側の受圧ダイアフラムの剛性を可変し、温度変化によって生じる内圧変化量をバランスさせることでゼロ点出力のずれを少なくできる。 【0030】図9には、本発明の第8の実施の形態を示す。本実施の形態は、上記第7の実施の形態の具体的な実施例に相当する。弾性部材としてベローズ27を用い、連結棒28で接続された板ばね29によってベローズ27の剛性を調整できるようにしている。31は溶接部である。例えば、周囲温度の上昇変化に対してゼロ点出力が正側にずれる場合には、低圧側の板ばねの剛性を大きくするか、高圧側の板ばねを薄くし、弾性部材全体の剛性を小さくすることでゼロ点のずれを少なくすることができる。 【0031】図10には、本発明の第9の実施の形態を示す。本実施の形態は、前記第7の実施の形態の具体的な他の実施例に相当する。弾性部材としてダイアフラム30を用い、連結棒28で接続された板ばね29によって剛性を変化できるようにしたものである。作用については、上記第8の実施の形態と同様である。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体を移動させて高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムを所定量変位させる受圧ダイアフラム変位手段を設けたため、高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの初期位置を所定量可変調整することで、高圧側、低圧側の両圧力伝達媒体の封入量又は高圧側、低圧側の両受圧ダイアフラムの剛性にアンバランスがあっても、このアンバランス分が補正されて周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれを抑えることができ、温度誤差を極めて小さくすることができる。受圧ダイアフラム変位手段の調整操作は、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後に行うので、確実なゼロ点補償を行うことができ、また、製造上のばらつきにより生じる規格外品を減らすことができてコスト低減を図ることができる。 【0033】請求項2記載の発明によれば、前記受圧ダイアフラム変位手段として、締め込み量に応じて前記高圧側又は低圧側の圧力伝達媒体封入部の内容積を可変するねじプラグを用いたため、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後に、ねじプラグの締め込み量を調節するだけで周囲温度変化によるゼロ点出力のずれを容易、確実に補償することができる。 【0034】請求項3記載の発明によれば、高圧側圧力伝達媒体と低圧側圧力伝達媒体とを連通する通路を設け、この通路の途中に前記高圧側圧力伝達媒体と前記低圧側圧力伝達媒体の封入量の割合を可変する弁機構を設けたため、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後に、弁機構の開・閉を調整するだけで、高圧側、低圧側の両圧力伝達媒体の封入量のアンバランス分を調整することができて、周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれを補償することができる。 【0035】請求項4記載の発明によれば、前記弁機構として、ニードル弁を用いたため、高圧側、低圧側の両圧力伝達媒体の封入量のアンバランス分の調整を、比較的簡単な構成で容易確実に行うことができる。 【0036】請求項5記載の発明によれば、前記通路を前記ハウジングの外側にパイプを用いて形成し、このパイプの途中に前記弁機構を設けたため、高圧側、低圧側の両圧力伝達媒体の封入量のアンバランス分の調整を、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において、外部から容易に行うことができる。また、弁機構には、市販のバルブ等、適宜のものを選択することができる。 【0037】請求項6記載の発明によれば、高圧側受圧部と低圧側受圧部の少なくとも一方に高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの受圧径を可変する受圧径可変手段を設けたため、高圧側、低圧側の両受圧ダイアフラムの剛性のアンバランス分を補正することができて、周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれを補償することができる。 【0038】請求項7記載の発明によれば、前記受圧径可変手段として、前記高圧側又は低圧側の受圧ダイアフラムの周端部を所定量拘束する着脱可能のリング部材を用いたため、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後に、受圧ダイアフラムの外周部にリング部材を着脱することで、高圧側、低圧側の両受圧ダイアフラムの剛性のアンバランス分を補正することができる。 【0039】請求項8記載の発明によれば、高圧側受圧部内部と大気との間及び低圧側受圧部内部と大気との間に、当該高圧側受圧部及び低圧側受圧部の内圧変化量を吸収する弾性部材をそれぞれ設け、この弾性部材の剛性を可変するように構成したため、等価的に高圧側、低圧側の受圧ダイアフラムの剛性を可変することができて、この両受圧ダイアフラムの剛性のアンバランス分を補正することができ、周囲温度変化による差圧のゼロ点出力のずれを補償することができる。 【0040】請求項9記載の発明によれば、前記弾性部材としてベローズを用い、このベローズを剛性可変の板ばねに応働させて当該ベローズの剛性を可変するように構成したため、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において、板ばねの剛性を調整することで弾性部材としてのベローズの剛性を可変することができて、等価的に高圧側、低圧側の受圧ダイアフラムの剛性を可変することができる。 【0041】請求項10記載の発明によれば、前記弾性部材としてダイアフラムを用い、このダイアフラムを剛性可変の板ばねに応働させて当該ダイアフラムの剛性を可変するように構成したため、リモートシールダイアフラム付差圧伝送器の組み立て後において、板ばねの剛性を調整することで弾性部材としてのダイアフラムの剛性を可変することができて、等価的に高圧側、低圧側の受圧ダイアフラムの剛性を可変することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成11年1月18日(1999.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−205985(P2000−205985A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−9689 |
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