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【発明の名称】 トルク計測装置
【発明者】 【氏名】梅沢 修一

【氏名】齋藤 和郎

【氏名】黒田 英彦

【氏名】兼本 茂

【氏名】佐藤 道雄

【氏名】近藤 卓久

【氏名】落合 誠

【要約】 【課題】回転速度が微妙に変動する回転体に対して10nsより高い測定精度で回転毎に回転周期を求め、回転毎の回転速度およびトルクを高精度に計測可能なトルク計測装置を提供すること。

【解決手段】光線を照射する照射手段20と、この光線を複数の光線に分岐し、各光線のビーム径をそれぞれ調整して被測定体37に照射するビーム調整手段21と、被測定体37の表面に取り付けて複数の光線の反射状態をそれぞれ変化させる複数の反射手段22,23と、複数の光線のそれぞれの反射光の強度変化を検知する複数の検知手段24,25と、これら検知手段24,25の出力信号に基づいて回転周期を計算して被測定体37のトルクを求める信号処理手段26とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光線を照射する照射手段と、この光線を複数の光線に分岐し、各光線のビーム径をそれぞれ調整して被測定体に照射するビーム調整手段と、前記被測定体の表面に取り付けて前記複数の光線の反射状態をそれぞれ変化させる複数の反射手段と、前記複数の光線のそれぞれの反射光の強度変化を検知する複数の検知手段と、これら検知手段の出力信号に基づいて回転周期を計算して前記被測定体のトルクを求める信号処理手段とを備えたことを特徴とするトルク計測装置。
【請求項2】 請求項1記載のトルク計測装置において、照射手段の光線は、ビーム調整手段に光ファイバを通して伝送することを特徴とするトルク計測装置。
【請求項3】 請求項1記載のトルク計測装置において、複数の反射手段は、それぞれ光線の反射率が被測定体表面よりも低い低反射体であることを特徴とするトルク計測装置。
【請求項4】 請求項1記載のトルク計測装置において、複数の反射手段は、それぞれ光線の反射率が被測定体表面よりも高い高反射領域と、光線の反射率が前記高反射領域より低い低反射領域とを備えた反射体であることを特徴とするトルク計測装置。
【請求項5】 請求項1記載のトルク計測装置において、複数の反射手段は、それぞれ照射手段の光線を複数の検知手段の設置方向に反射させる反射領域と、前記照射手段の光線の少なくとも一部を前記複数の検知手段の設置方向以外に乱反射させる乱反射領域とを備えた反射体であることを特徴とするトルク計測装置。
【請求項6】 請求項1記載のトルク計測装置において、信号処理手段は、複数の検知手段の出力変動に合せて閾値を変えて検知信号を抽出する変動閾値設定手段を備えたことを特徴とするトルク計測装置。
【請求項7】 請求項1記載のトルク計測装置において、複数の検知手段の出力信号に対して検知信号以外の信号成分を除去するフィルタリング手段を設けたことを特徴とするトルク計測装置。
【請求項8】 請求項1記載のトルク計測装置において、複数の検知手段の出力を相関処理して被測定体のトルクを求める相関処理手段を設けたことを特徴とするトルク計測装置。
【請求項9】 請求項1記載のトルク計測装置において、複数の検知手段は第1および第2の検知手段を有し、前記第1の検知手段に取り付けて前記第2の検知手段をモニタ監視し、この第2の検知手段の位置変動を計測する位置変動計測手段を設けたことを特徴とするトルク計測装置。
【請求項10】 請求項1記載のトルク計測装置において、複数の検知手段は第1および第2の検知手段を有し、前記第1の検知手段に取り付けられて前記第2の検知手段に向って光線を照射する照射手段と、前記第2の検知手段に取り付けられて照射された光線を検知して前記第1の検知手段と前記第2の検知手段の位置変動を計測する位置変動計測手段とを備えたことを特徴とするトルク計測装置。
【請求項11】 請求項1から10のいずれかに記載のトルク計測装置において、被測定体の周方向に沿って装置本体を設置したことを特徴とするトルク計測装置。
【請求項12】 請求項1から11のいずれかに記載のトルク計測装置において、被測定体の軸方向に沿って装置本体を設置したことを特徴とするトルク計測装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機器の回転速度およびトルクを遠隔かつ非接触で計測するトルク計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転機器のトルクを非接触で計測する技術としては、特開平6−34462号公報に開示された「トルク検出装置」が知られている。このトルク検出装置は、自動車などの動力伝達装置のシャフト部に発生するトルクを検出するものである。
【0003】このトルク検出装置の構成を図17に示す。図17に示すように、トルク検出装置は被測定回転体であるシャフト1の外周面に効率良く光を反射する線状の光反射体2が設けられており、この光反射体2に相対して発光素子3a,4aおよび受光素子3b,4bを各1個ずつ備えて構成された第1および第2の検出部3,4が配置されている。これらの検出部3,4は、発光素子3a,4aによってシャフト1の軸方向の異なる2個所に光線をそれぞれ照射し、その反射光を受光素子3b,4bで検出するように構成されている。
【0004】したがって、シャフト1を回転させると、受光素子3b,4bは、一周期毎に光反射体2からの信号をそれぞれ検出する。そして、その検出信号を波形整形回路によって整形することにより、図18に示すように受光素子3bのパルス信号および受光素子4bのパルス信号を得ることができる。パルス信号の周期Tが、一周期の回転時間となる。また、受光素子3bのパルス信号に対する受光素子4bのパルス信号の遅れ時間tを用い、下記の式(1)に従ってトルク:Ft を計算することができる。
【数1】

【0005】このように上記トルク検出装置では、発光素子3a,4aからシャフト1に光を照射し、光反射体2の反射光を受光素子3b,4bで検知する。そして、図19に示す光反射体2の検知信号に基づいて図18に示すパルス信号を生成し、このパルス信号の周期から回転速度やトルクを算出するようにしている。
【0006】また、回転機器のトルクを計測可能な技術としては、特開平7−325095号公報に開示された「回転速度測定装置」が挙げられる。
【0007】この回転速度測定装置の構成を図20に示し、この図20では主要な部分のみに符号を付してある。図20に示す回転速度測定装置では、設定周波数でパルス発光させたレーザダイオード5の光線をコリメータレンズ6によって平行光にして被測定回転体7に照射する。この照射光の反射は、被測定回転体7表面に形成された凹凸8などによって変化するため、被測定回転体7の回転に応じて反射光が強度変化する。
【0008】そこで、この反射光をレンズ9を用いてフォトダイオード10で受光し、この受光信号を信号処理することによって回転速度を算出する。信号処理では、まず500kHzの周波数成分を通過させる帯域通過フィルタ(BPF)11によって、パルス変調させたレーザ光の反射光の信号を抽出する。この後、低域通過フィルタ(LPF)12によって、高周波の信号成分を除去する。除去後の信号の時間変化は、被測定回転体7の回転周期に対応した反射光の強度変化となる。
【0009】次に、制御回路13によって信号をデジタル化して高速フーリエ変換を行い、図21に示す周波数分布を求める。被測定回転体7の回転周波数は、分布頻度の大きい周波数f0 となる。回転周期Tは、1/f0 である。
【0010】トルクを計測する場合は、本回転速度測定装置を2個所に設置する。この場合、図18に示す検知信号の遅れ時間tは、式(2)に従って求めることができるので、式(1)を用いてトルクを計算することができる。
【0011】
【数2】

【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の回転機器のトルクを非接触で計測する装置では、図19に示す検知信号の立上り時間が通常数十μs程度である。したがって、この立上り時間より高い時間精度でパルス信号を生成してパルス信号の周期を求めることができない。このため、回転速度が回転毎に微妙に変化するような場合には、回転毎の回転速度やトルクを高精度に求めることができないという課題がある。例えば、軸径850mm、回転速度が3000rpmとなる発電機器では、発電効率を高精度に監視するため回転毎に100nsの測定精度でパルス信号の周期を計測してトルクを求めることが望まれている。
【0013】一方、後者の回転機器の回転速度を非接触で計測する装置では、被測定回転体7の回転周期に対応した信号を抽出してフーリエ変換し、その周波数分布から回転周波数f0 を特定する。この装置では、図21に示すように回転周波数f0 の分布頻度が大きい理想的な場合、回転周波数f0 の特定が可能となる。
【0014】しかしながら、一般に、回転体の回転速度は微妙に変動することが通常であり、図22に示すように回転周波数f0 を中心に拡がる分布を有する。このような周波数分布を示す場合は、回転周波数f0 の特定が困難であるため、式(1)および式(2)を使って高精度に回転速度やトルクを計算することができないという課題がある。また、本装置では、周波数分布から回転周波数f0 を特定するため、原理的に回転毎の回転速度を求めてトルクを計算することができないという課題がある。
【0015】そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもので、回転速度が微妙に変動する回転体に対して10nsより高い測定精度で回転毎に回転周期を求め、回転毎の回転速度およびトルクを高精度に計測可能なトルク計測装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、光線を照射する照射手段と、この光線を複数の光線に分岐し、各光線のビーム径をそれぞれ調整して被測定体に照射するビーム調整手段と、前記被測定体の表面に取り付けて前記複数の光線の反射状態をそれぞれ変化させる複数の反射手段と、前記複数の光線のそれぞれの反射光の強度変化を検知する複数の検知手段と、これら検知手段の出力信号に基づいて回転周期を計算して被測定体のトルクを求める信号処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】請求項1記載の発明によれば、ビーム調整手段によって光線を複数の光線に分岐し、各光線のビーム径を数μmに調整して被測定体に照射することができる。この被測定体には高効率で反射する複数の反射手段が設けられているため、複数の検知手段では回転毎に立上がり時間が急俊なパルス信号を得ることができる。このパルス信号の立上がり時間は、照射された光線のビーム径が数μmであるために非常に短くなる。前記被測定体が、例えば軸径850mm、回転速度3000rpmの回転体の場合、立上がり時間が10ns程度のパルス信号となる。信号処理手段では、パルス信号間の時間間隔を測定することによって所定の高い測定精度で回転周期を計測することができる。トルクは、複数の検知手段が出力するパルス信号から遅れ時間を計算して求めることができる。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、照射手段の光線は、ビーム調整手段に光ファイバを通して伝送することを特徴とするものである。
【0019】請求項2記載の発明によれば、光ファイバを用いることによって空間伝送することが困難な場所へ照射手段の光線を容易に伝送することができ、機器内部や狭隘部などでのトルク計測が可能となる。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、複数の反射手段は、それぞれ光線の反射率が被測定体表面よりも低い低反射体であることを特徴とするものである。
【0021】請求項3記載の発明によれば、反射率が極めて小さい低反射体を反射手段として被測定体に設けることによって、回転毎に一定時間だけ照射された光線の反射光を極端に小さくさせることができる。この反射光を検知手段で検知すると、反射手段での反射光強度が被測定体の表面における反射光強度と比較して非常に小さいため、立下がり時間が非常に短いパルス信号を回転毎に得ることができる。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、複数の反射手段は、それぞれ光線の反射率が被測定体表面よりも高い高反射領域と、光線の反射率が前記高反射領域より低い低反射領域とを備えた反射体であることを特徴とするものである。
【0023】請求項4記載の発明によれば、光線を高効率で反射する領域と吸収する領域を備えた反射体を反射手段として被測定体に設けることによって、回転毎に一定時間だけ照射された光線の反射光強度を極端に変動させることができる。この反射光を検知手段で検知すると、立上がりおよび立下がり時間が非常に短いパルス信号群を回転毎に得ることができる。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、複数の反射手段は、それぞれ照射手段の光線を複数の検知手段の設置方向に反射させる反射領域と、前記照射手段の光線の少なくとも一部を前記複数の検知手段の設置方向以外に乱反射させる乱反射領域とを備えた反射体であることを特徴とするものである。
【0025】請求項5記載の発明によれば、複数の反射手段は、複数の検知手段の設置方向に反射させる反射領域と、前記照射手段の光線の少なくとも一部を前記複数の検知手段の設置方向以外に乱反射させる乱反射領域とを備えた反射体であることによって、複数の検知手段に入射する反射光の強度を回転毎に一定時間だけ極端に変動させることができる。このため、複数の検知手段では、立上がりおよび立下がり時間が非常に短いパルス信号群を回転毎に得ることができる。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、信号処理手段は、複数の検知手段の出力変動に合わせて閾値を変えて反射手段の信号を抽出する変動閾値設定手段を備えたことを特徴とするものである。
【0027】請求項6記載の発明によれば、変動閾値設定手段によって、検知信号の振幅に対する割合から反射手段の信号を抽出する閾値を設定するため、検知信号の出力変動が考慮されたパルス信号を抽出することができる。このため、検知手段の出力変動が原因となる検知信号の時間的抽出精度の低下を防止することができる。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、複数の検知手段の出力信号に対して検知信号以外の信号成分を除去するフィルタリング手段を設けたことを特徴とするものである。
【0029】請求項7記載の発明によれば、フィルタリング手段によって複数の検知手段の出力信号からノイズ成分を除去することができる。このため、複数の検知手段では、ノイズ環境下でも立上がりおよび立下がり時間が非常に短いパルス信号群を回転毎に得ることができる。
【0030】請求項8記載の発明は、複数の検知手段の出力を相関処理して被測定体のトルクを求める相関処理手段を設けたことを特徴とするものである。
【0031】請求項8記載の発明によれば、複数の検出手段によって回転毎に得られるパルス信号を相関処理することで、高い測定精度で回転周期を計測することができる。トルクは、複数の検知手段が出力するパルス信号から遅れ時間を計算して求めることができる。
【0032】請求項9記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、複数の検知手段は第1および第2の検知手段を有し、前記第1の検知手段に取り付けて前記第2の検知手段をモニタ監視し、この第2の検知手段の位置変動を計測する位置変動計測手段を設けたことを特徴とするものである。
【0033】請求項9記載の発明によれば、第1の検知手段に取り付けられた位置変動計測手段によって、第2の検知手段をモニタ監視することができ、振動や衝撃などで発生する第1および第2の検知手段の位置変動を計測することができる。この結果、第1および第2の検知手段の位置変動が原因となって発生するトルク計測精度の低下を低減させることができる。
【0034】請求項10記載の発明は、請求項1記載のトルク計測装置において、複数の検知手段は第1および第2の検知手段を有し、前記第1の検知手段に取り付けられて前記第2の検知手段に向って光線を照射する照射手段と、前記第2の検知手段に取り付けられて照射された光線を検知して前記第1の検知手段と前記第2の検知手段の位置変動を計測する位置変動計測手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0035】請求項10記載の発明によれば、第1の検知手段に取り付けられた照射手段の光線を第2の検知手段に取り付けられた位置変動計測手段で検知することによって、振動や衝撃などで発生する第2の検知手段の位置変動を計測することができる。この結果、第1および第2の検知手段の位置変動が原因となって発生するトルク計測精度の低下を低減させることができる。
【0036】請求項11記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載のトルク計測装置において、被測定体の周方向に沿って装置本体を設置したことを特徴とするものである。
【0037】請求項11記載の発明によれば、装置本体を被測定体の周方向に沿って設置し、各装置本体から計測されるトルク値を平均化処理することによってトルクの計測精度を向上させることができる。
【0038】請求項12記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のトルク計測装置において、被測定体の軸方向に沿って装置本体を設置したことを特徴とするものである。
【0039】請求項12記載の発明によれば、装置本体を被測定体の軸方向に沿って設置することによって、軸方向に位置的なトルク変化を計測することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0041】[第1実施形態]図1は本発明に係るトルク計測装置の第1実施形態を示す構成図である。
【0042】図1に示すように、第1実施形態のトルク計測装置は、光線を照射する照射装置20と、この光線を第1および第2の光線に分岐し、各光線のビーム径を調整して被測定体に照射するビーム調整装置21と、被測定体の表面に取り付けて第1および第2の光線の反射状態を変化させる第1および第2の反射体22,23と、第1および第2の光線の反射光の強度変化を検知する第1および第2の検知装置24,25と、これら検知装置24,25の出力信号から回転周期を計算して被測定体のトルクを求める信号処理手段としての信号処理装置26とから大略構成されている。
【0043】照射装置20は、指向性を持つ光線を照射する光源で構成される。ここでは、波長632.8nmの連続光を照射するTEM00モードのHe−Neレーザとする。しかし、このHe−Neレーザに限定されることはなく、各種レーザが適用可能である。また、発光ダイオードやランプなどにレンズ,スリット,ピンホール,リフレクターを組合わせて特定方向に高強度の光線を照射することができるようにしたパルス点灯型または連続光型の光源も適用可能である。
【0044】照射装置20の光線は、ビーム調整装置21のビームスプリッター27によって反射光と透過光に分割される。反射光側には、レンズ29,31、ビームスプリッター33、集光レンズ35が同一光路上に順次設置され、その反射光は、レンズ29,31、ビームスプリッター33、集光レンズ35を経て被測定体37に照射される。一方、透過光側には、反射用のミラー28をレンズ30,32、ビームスプリッター34、集光レンズ36が同一光路上に順次設置され、ビームスプリッター27にて分割された透過光は、ミラー28で反射してレンズ30,32、ビームスプリッター34、集光レンズ36を経て被測定体37に照射される。
【0045】この場合、ビームスプリッター27,33,34は、波長板で構成することもできる。また、レンズ29およびレンズ31で構成される光学系は、40倍の拡大光学系であり、ビームエキスパンダーで代用することができる。同様に、レンズ30とレンズ32についてもビームエキスパンダーで代用することができる。集光レンズ35,36は、球面収差を補正可能なアクロマティックレンズで構成したり、アポクロマティックレンズなどのアプラナート、非球面レンズで構成することもできる。
【0046】第1および第2の反射体22,23は、被測定体37の回転毎に照射された光線を反射するように取り付けられ、これらの反射体22,23は、光線を高効率で反射するシール状ミラーとする。なお、これらの反射体22,23は、光線を高効率で反射する物質であれば、いかなるものでも適用可能である。
【0047】被測定体37は、例えば回転速度:3000rpmで回転する直径:850mmの回転機器が用いられ、負荷装置38によって被測定体37の片側端に負荷を与えることができるものとする。
【0048】なお、本実施形態では、微粒子,流体,気体などの微少粒子、自動車,航空機,船舶,列車などの移動物体、ねじれや伸縮が発生する機器を被測定体37とし、変位量,速度,加速度を測定することもできる。
【0049】第1および第2の反射体22,23による反射光は、アバランシュフォトダイオードによって構成した第1および第2の検知装置24,25によって検知され、これらの検知装置24,25には、光電子増倍管,フォトダイオードなどが適用可能である。そして、第1および第2の検知装置24,25の検知信号は、汎用型の計算機で構成した信号処理装置26に伝送される。この信号処理装置26は、第1および第2の検知装置24,25の出力変動に合わせて閾値を変えて検知信号を抽出する変動閾値設定手段を備えている。
【0050】以上のようにして構成された第1実施形態のトルク計測装置の作用について説明する。
【0051】照射装置20から照射されたビーム径0.65mmのレーザ光は、ビームスプリッター27によって反射する第1のレーザ光と透過する第2のレーザ光とに分離される。まず、第1のレーザ光に関しては、レンズ29およびレンズ31の拡大光学系によってビーム径が25mmに拡大される。この拡大された第1のレーザ光は、ビームスプリッター33を透過した後、集光レンズ35によって被測定体37の表面に照射される。この場合、第1のレーザ光のビーム径が、被測定体37の表面で焦点を結ぶように集光レンズ35の位置を微調整する。焦点のビーム径:Wは、式(3),(4)から計算することができる。
【数3】

【数4】

【0052】本実施形態では、λ=632,8nm,φ=25mm,f=50mmであり、ビーム径:W=1.6μmとなる。したがって、被測定体37の表面における第1のレーザ光は、ビーム径:W=1.6μmのガウス分布となる。
【0053】また、被測定体37に照射された第1のレーザ光は、被測定体37に取り付けた第1の反射体22に照射された場合には強く反射するものの、それ以外の被測定体37の表面における反射は極めて小さい。このため、回転毎に一定時間だけ第1のレーザ光の反射光を得ることができる。この反射光は反射体22で正反射して、照射された光線と同一の光路で集光レンズ35に入射する。この集光レンズ35によって、反射光のビーム径:φ’は、φ’=25mmになる。ここで、照射された光線のビーム径:φと反射光:φ’が同一の値であれば、被測定体37の表面で焦点が結ばれていることを確認可能となる。
【0054】そして、ビーム径:φ’=25mmとなった反射光は、ビームスプリッター33によって分離され、一方の光は、アバランシュフォトダイオードによって構成した第1の検知装置24に入射する。この第1の検知装置24では、回転毎に反射体22による強い反射光を一定時間だけ検知するため、図2に示すパルス形状の第1の検知信号39を得ることができる。なお、被測定体37の表面における第1のレーザ光のビーム径が、1.6μmと非常に小さいため、第1の検知信号39の立上がり時間は10ns程度となる。
【0055】一方、ビームスプリッター27を透過した第2のレーザ光は、ミラー28で直角に反射される。この後、第2のレーザ光は、第1のレーザ光と全く同様の作用を受け、レンズ30およびレンズ32の拡大光学系、ビームスプリッター34を透過した後、集光レンズ36によって被測定体37の表面で焦点を結び、ビーム径:1.6μmとなるように照射される。そして、第2の反射体23による反射光は、集光レンズ36によってビーム径:25mmになった後、ビームスプリッター34によって分離されて第2の検知装置25に入射する。この第2の検知装置24では、回転毎に反射体23の強い反射光を一定時間だけ検知するため、図2に示すパルス形状の第2の検知信号40を得ることができる。なお、被測定体37の表面における第2のレーザ光のビーム径が、第1のレーザ光と同様に1.6μmと非常に小さいため、第2の検知信号40の立上がり時間は10ns程度となる。さらに、信号処理装置26では、第1の検知信号39および第2の検知信号40を取り込み回転周期およびトルクを算出する。
【0056】ここで、回転周期は、図2に示すように第1の検知信号39の振幅に閾値を設定し、隣合う閾値の時間間隔から求める。第1および第2の検知信号39,40の振幅電圧は、検知信号毎に変化する場合がある。このため、閾値は、振幅電圧に対する割合で決定して振幅電圧の10%に設定する。この割合は、適当に決定することができる。本実施形態によって得られた回転周期の変化を図3に示す。また、回転周期は、第2の検知信号40から求めることもできる。
【0057】一方、第2の検知信号40の閾値を第1の検知信号39と同様に設定して第1および第2の検知信号39,40を比較すると、負荷装置38の負荷によって図2に示す遅れ時間が発生する。この結果、遅れ時間と式(1)を用いて回転毎のトルクを求めることができる。
【0058】このように本実施形態によれば、空間を伝送されて被測定体37に照射される第1および第2のレーザ光は、被測定体37の表面でビーム径が1.6μmとなる。この反射光を検知装置24,25によって検知すると、被測定体37には反射体22,23が取り付けられているため、立上がり時間が10ns程度の第1および第2の検知信号39,40を回転毎に得ることができる。そして、信号処理装置26では、検知信号39,40の時間的な振幅変動に合わせた閾値を設定することによって、図3に示す所定の精度で被測定体37の回転周期を計測することができる。そして、図2に示す遅れ時間と式(1)を用いて、回転毎のトルクを所定の高精度で求めることができる。
【0059】[第2実施形態]図4は本発明に係るトルク計測装置の第2実施形態を示す構成図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明する。以下の各実施形態も同様である。
【0060】図4に示すように、第2実施形態のトルク計測装置は、光線を照射する照射装置20と、この照射装置20の光線を伝送する光伝送装置41と、その光線を第1および第2の光線に分岐し、各光線のビーム径を調整して被測定体37に照射するビーム調整装置44と、被測定体37の表面に取り付けて第1および第2の光線の反射状態を変化させる第1および第2の低反射体51,52と、第1および第2の光線の反射光の強度変化を検知する第1および第2の検知装置24,25と、これら検知手段24,25の出力信号から回転周期を計算して被測定体37のトルクを求める信号処理装置26とから大略構成されている。
【0061】照射装置20の光線を伝送する光伝送装置41は、光線を光ファイバに入射させるレンズ42、光ファイバ43で構成する。この光ファイバ43は、例えばSI型単一モードであり、コア径:φf =5μm、開口数:0.11の石英ファイバとする。光ファイバ43のコア径は、可及的に小さい方が望ましい。また、光ファイバの種類に関しては、照射装置20のHe−Neレーザの光線を伝送できれば良いため、SI型やGI型、単一モードや多モードに限定されることなく、多成分系ファイバ,プラスチックファイバ,ポリマクラッドファイバなど各種のファイバが適用可能である。さらに、ビーム調整装置44に設置された光コネクタ45は、光ファイバ43を着脱可能な構造になっているため、状況に応じて必要な長さの光ファイバを接続することができる。
【0062】光コネクタ45によってビーム調整装置44に伝送された光線は、分岐コネクタ46によって光ファイバ47,48へ分岐される。光コネクタ45は、金属環を用いたバット結合(平面と平面との結合)で光ファイバ43とビーム調整装置44とを接合する。ここで、光コネクタ45は、上記の他にV溝を用いたバット結合、レンズによる伝送などでも構成することができる。また、光ファイバ47,48は、光ファイバ43と同一の光ファイバとする。分岐コネクタ46はプリズムで構成されており、二方向に分岐できるように構成されている。
【0063】光ファイバ47へ伝送されて出射する光は、レンズ49、ビームスプリッター33、集光レンズ35を経て被測定体37に照射される。一方、光ファイバ48へ伝送されて出射する光は、レンズ50、ビームスプリッター34、集光レンズ36を経て被測定体37に照射される。レンズ49,50は、球面収差を補正できるアクロマティックレンズで構成したり、アポクロマティックレンズなどのアプラナート、非球面レンズで構成することもできる。
【0064】第1および第2の低反射体51,52は、被測定体37の回転毎に一定時間の間だけ照射された光線を反射しないように取り付けられる。これら低反射体51,52は、被測定体37表面よりも反射率が極めて小さい黒色のビニル樹脂からなり、これらの低反射体51,52は、光線を吸収する物質であれば、いかなるものでも適用可能である。
【0065】以上のようにして構成された第2実施形態のトルク計測装置の作用について説明する。
【0066】照射装置20から照射された例えばビーム径0.65mmのレーザ光は、レンズ42によって光ファイバ43へ導光される。光ファイバ43によって伝送された光線は、光コネクタ45によってビーム調整装置44へ導かれる。そして、その光線は、分岐コネクタ46によって光ファイバ47,48へ均等に分岐される。光ファイバ47に伝送されて出射する第1のレーザ光は、まずレンズ49によって平行光にされる。この平行光となった第1のレーザ光は、ビームスプリッター33を透過した後、集光レンズ35によって被測定体37の表面に照射される。
【0067】この場合、第1のレーザ光のビーム径が、被測定体37の表面で焦点を結ぶように集光レンズ35の位置を微調整する。被測定体37の表面におけるビーム径:Wf は、近似的に式(5)から計算することができる。
【数5】

【0068】本実施形態では、レンズ49の開口数を光ファイバの開口数と同一とするためNAIN=0.11となる。NAOUT =0.25、φf =5μmであるため、ビーム径:Wf =2.2μmとなる。したがって、被測定体37の表面における第1のレーザ光は、ビーム径:Wf =2.2μmとなっている。
【0069】被測定体37に照射された第1のレーザ光は、被測定体37に取り付けた第1の低反射体51に照射された場合には反射しないが、それ以外の被測定体37の表面では反射される。このため、回転毎に一定時間だけ第1のレーザ光の反射光がない状態を得ることができる。反射光は、被測定体37の表面のスペックルパターンである。反射光が存在する場合は、照射された光線と同一の光路で集光レンズ35に入射する。そして、集光レンズ35によって、反射光のビーム径:φf ’は、φf ’=25mmになる。ここで、照射された光線のビーム径:φと反射光:φf ’が同一の値であれば、被測定体37の表面で焦点が結ばれていることを確認することができる。
【0070】ビーム径:φf ’=25mmとなった反射光は、ビームスプリッター33によって分離され、一方の反射光は、アバランシュフォトダイオードによって構成した第1の検知装置24に入射する。第1の検知装置24では、回転毎に一定時間だけ第1のレーザ光の反射光がない状態を検知するため図5に示すパルス形状の第1の検知信号53を得ることができる。被測定体37の表面における第1のレーザ光のビーム径が、2.2μmと非常に小さいため、第1の検知信号53の立下がり時間は10ns程度となる。
【0071】一方、分岐コネクタ46によって光ファイバ48へ分岐されて出射する第2のレーザ光は、第1のレーザ光と全く同様の作用を受け、レンズ50によって平行光となってビームスプリッター34を透過した後、集光レンズ36によって被測定体37の表面で焦点を結ぶように照射される。被測定体37の表面におけるビーム径は、2.2μmである。
【0072】被測定体37に照射された第2のレーザ光は、被測定体37の表面に照射された場合には反射光が存在し、低反射体52に照射された場合は反射光が存在しないので、回転毎に一定時間だけ第2のレーザ光の反射光がない状態を得ることができる。反射光が存在する場合は、照射された光線と同一の光路で集光レンズ36に入射する。そして、照射された光線と反射光のビーム径が同一の値であれば、被測定体37の表面で焦点が結ばれていることを確認することができる。反射光は、ビームスプリッター34によって分離され、一方の反射光は、アバランシュフォトダイオードによって構成した第2の検知装置25に入射する。この第2の検知装置25では、回転毎に一定時間だけ第2のレーザ光の反射光がない状態を検知するため、図5に示すパルス形状の第2の検知信号54を得ることができる。被測定体37の表面における第2のレーザ光のビーム径が、2.2μmと非常に小さいため、第1の検知信号53の立下がり時間は10ns程度となる。さらに、信号処理装置26では、第1の検知信号53及び第2の検知信号54を取り込み回転周期およびトルクを算出する。
【0073】ここで、回転周期は、図5に示すように第1の検知信号53の振幅に閾値を設定し、隣合う閾値の時間間隔から求める。第1および第2の検知信号53,54の振幅電圧は共に1V程度であるため、閾値は電圧値で固定して0.9Vとする。この閾値は、振幅電圧に応じて適当に決定することができる。本実施形態によって得られた回転周期の変化は、図6に示す前記第1の実施形態の測定結果とほぼ同様であった。また、回転周期は、第2の検知信号54から求めることもできる。
【0074】一方、第2の検知信号54の閾値を第1の検知信号53と同様に設定して第1および第2の検知信号53,54を比較すると、負荷装置38の負荷によって図5に示す遅れ時間が発生する。この結果、遅れ時間と式(1)を用いて回転毎のトルクを求めることができる。
【0075】このように本実施形態によれば、光ファイバ43によって照射装置20のレーザ光を機器内部や狭隘部へ伝送することができる。そして、第1および第2のレーザ光は、被測定体37の表面でビーム径が2.2μmとなる。この反射光を検知装置24,25によって検知すると、被測定体37には低反射体51,52が取り付けられているため、立上がり時間が10ns程度の第1および第2の検知信号53,54を回転毎に得ることができる。また、信号処理装置26では、その検知信号53,54の振幅電圧値から閾値電圧を固定設定することによって、図6に示す所定の精度で被測定体37の回転周期を計測することができる。さらに、図5に示す遅れ時間と式(1)を用いて回転毎のトルクを所定の高精度で求めることができる。
【0076】[第3実施形態]図7は本発明に係るトルク計測装置の第3実施形態を示す構成図である。
【0077】図7に示すように、第3実施形態のトルク計測装置は、レーザ光を照射する照射装置20と、このレーザ光を第1および第2のレーザ光に分岐し、各レーザ光のビーム径を調整して被測定体37に照射するビーム調整装置21、被測定体37の表面に取り付けて第1および第2のレーザ光の反射状態を変化させる第1および第2の反射体55,56と、第1および第2のレーザ光の反射光を検知する第1および第2の検知装置24,25と、これら検知装置24,25の出力信号に対して検知信号以外の信号成分を除去するフィルタリング装置57と、検知装置24,25の出力信号を相関処理して被測定体37のトルクを求める相関処理装置58とから大略構成されている。
【0078】第1および第2の反射体55,56は、図8に示すように、1cm×1cmの大きさに設定され、照射された光線を高効率で反射する帯状の反射部分と光線を高効率で吸収する帯状の吸収部分とが交互に配置されている。なお、その帯幅は数10μmのオーダーである場合もあり得る。ここで、反射部分はミラー状のアルミニウム薄膜、吸収部分は黒色のビニル樹脂からなる。反射部分の物質は、光線を高効率で反射する物質であればいかなるものでも適用可能であり、吸収部分の物質も、光線を吸収する物質であればいかなるものでも適用可能である。また、低反射物質を用いず、ミラー状のアルミニウム薄膜をエッチングまたはハーフエッチングすることによって低反射部分を構成することができる。エッチングの場合、エッチングによって剥き出しになった非測定体37の表面が低反射部分となる。ハーフエッチングの場合、ハーフエッチングされた部分では光が乱反射して正反射が小さくなるため、ハーフエッチング部分が低反射部分となる。そして、第1および第2の反射体55,56は、帯状の縞模様が被測定体37の回転軸と平行となるように配置され、回転毎の一定時間だけ反射光の強度が極端に変動するように取り付けられている。
【0079】第1および第2の検知装置24,25の検知信号は、フィルタリング処理を行うフィルタリング装置57、相関処理を行う相関処理装置58に伝送される。フィルタリング装置57および相関処理装置58は、汎用型の計算機で構成されている。フィルタリング装置57は、検知信号をサンプリング周波数:1GHzでデジタル化してフィルタリング処理を行う装置であり、LCRを用いたフィルタリング回路で構成することもでき、検知信号に対して直接フィルタリング処理を行うこともできる。また、相関処理装置58についても、相関器で構成することもできる。
【0080】以上のようにして構成された第3実施形態のトルク計測装置の作用について説明する。
【0081】照射装置20から照射されたビーム径0.65mmのレーザ光は、ビーム調整装置21のビームスプリッター27によって反射する第1のレーザ光と透過する第2のレーザ光とに分離される。この第1のレーザ光は、レンズ29およびレンズ31の拡大光学系によってビーム径が25mmとなる。そして、拡大された第1のレーザ光は、ビームスプリッター33を透過した後、集光レンズ35によって被測定体37の表面で焦点を結び、ビーム径が1.6μmとなるように照射される。
【0082】ここで、被測定体37に照射された第1のレーザ光が、第1の反射体55に照射された場合には、反射光が交互に強弱を繰り返す特有の反射状態となるが、それ以外の表面での反射は極めて小さい。このため、回転毎に一定時間だけ反射光が交互に強弱を繰り返す特有の反射状態となる。強い反射状態となった場合は、照射された光線と同一の光路で集光レンズ35に入射する。この集光レンズ35によって、反射光のビーム径:φ’は、φ’=25mmになる。照射された光線のビーム径:φと反射光:φ’が同一の値であれば、被測定体37の表面で焦点が結ばれていることを確認することができる。そして、ビーム径:φ’=25mmとなった反射光はビームスプリッター33によって分離され、一方の反射光は、アバランシュフォトダイオードによって構成した第1の検知装置24に入射する。
【0083】この第1の検知装置24では、この反射光を検知するものの、弱い反射状態になった場合には信号を検知しない。このような反射光の強弱が交互に繰り返されるため、図9に示すように櫛歯形状の第1の検知信号59を回転毎に得ることができる。なお、被測定体37の表面における第1のレーザ光のビーム径が1.6μmと非常に小さいため、第1の検知信号59の立上がりおよび立下がり時間は10ns程度となる。
【0084】一方、第2のレーザ光は、ミラー28で直角に反射された後、第1のレーザ光と全く同一の作用を受け、レンズ30およびレンズ32の拡大光学系、集光レンズ36によって被測定体37の表面で焦点を結び、ビーム径:1.6μmとなるように照射される。第2の反射体66の弱い反射状態に照射された場合は、反射光が存在しないが、強い反射状態に照射された場合は、照射された光線と同一の光路で集光レンズ36に入射する。そして、この集光レンズ36によってビーム径:25mmになった後、ビームスプリッター34によって分離されて第2の検知装置25に入射する。
【0085】この第2の検知装置25では、反射光の強弱が交互に繰り返されるため、図9に示す第1の検知信号と同様な櫛歯形状の第2の検知信号60を回転毎に得ることができる。なお、被測定体37の表面における第2のレーザ光のビーム径が1.6μmと非常に小さいため、第2の検知信号60の立上がりおよび立下がり時間は10ns程度となる。
【0086】さらに、第1の検知信号59および第2の検知信号60は、フィルタリング装置57および相関処理装置58に取り込まれて回転周期およびトルクが算出される。すなわち、まず、フィルタリング装置57では、サンプリング周波数:1GHzで第1および第2の検知信号59,60をデジタル値に離散化する。そして、デジタル値に離散化した第1および第2の検知信号59,60からノイズの周波数成分を除去する。この除去する周波数成分は、信号処理の対象となる反射体55による検知信号の周波数が数KHzであるため、50kHz以上の周波数成分とする。
【0087】次いで、デジタル化してノイズを除去された第1および第2の検知信号59,60は、相関処理装置58に伝送される。この相関処理装置58では、時間的に異なる2つの第1の検知信号59の相互相関関数から回転周期を求める。
【0088】本実施形態では、図10に示すように時間的に異なる二つのパルス信号を含む出力信号を抽出して関数:F(t)とする。相互相関関数:Φ(τ)の定義は、式(6)とする。
【0089】
【数6】

ここで、遅れ時間:τを0から増加させて相互相関関数:Φ(τ)の値を計算する。この計算は、図10に示す最初のパルス信号を時間的に遅れさせて次のパルス信号との重なり度合を調べる操作に相当する。遅れ時間:τが回転周期に近づくと、このパルス信号が次のパルス信号に一致するようになり、相互相関関数:Φ(τ)の値が大きくなる。この値は、双方のパルス信号が最も一致した場合に最大となり、この時の遅れ時間:τが回転周期となる。
【0090】さらに、本実施形態における相互相関関数:Φ(τ)の計算結果を図11に示す。この結果、回転周期は41.821255msとなる。この回転周期は、第1の検知信号59と同様にして第2の検知信号60から求めることもできる。
【0091】トルクは、第1の検知信号59と第2の検知信号60との相互相関関数から求める。本実施形態では、図12に示すように第1の検知信号59の出力信号を抽出して関数:G1 (t)とし、第2の検知信号60の出力信号を抽出して関数:G2 (t)とする。相互相関関数:Φi (τ)の定義は、式(7)とする。
【0092】
【数7】

ここで、遅れ時間:τを0から増加させて相互相関関数:Φi (τ)の値を計算する。この計算は、第1の検知信号59のパルス信号を時間的に遅れさせ、第2の検知信号60のパルス信号との重なり度合を調べる操作に相当する。第1の検知信号59のパルス信号と第2の検知信号60のパルス信号は同一形状の信号であるため、負荷装置38による負荷が存在しない場合、遅れ時間がなく一致する。一方、負荷装置38による負荷が存在する場合には、第2の検知信号60のパルス信号に遅れ時間が発生する。この遅れ時間は、時間的にずらした第1の検知信号59のパルス信号が第2の検知信号60のパルス信号と一致して相互相関関数:Φi (τ)が最大となった場合の遅れ時間:τである。
【0093】本実施形態における相互相関関数:Φi (τ)の計算結果を図13に示す。この結果、遅れ時間:τは、τ=111nsとなる。そして、この遅れ時間と式(1)を用いて回転毎のトルクを求めることができる。
【0094】このように本実施形態によれば、空間を伝送されて被測定体37に照射される第1および第2のレーザ光は、被測定体37の表面でビーム径が1.6μmとなる。そして、反射光を検知装置24,25によって検知すると、その反射光の強弱が極端に変動する反射体55によって、図9に示される立上がりおよび立下がり時間が10ns程度と非常に短い櫛歯形状の第1および第2の検知信号59,60を回転毎に得ることができる。この第1および第2の検知信号59,60に対し、周波数50kHz以上のノイズ成分をフィルタリング装置57で除去するため、ノイズ環境下であっても立上がりおよび立下がり時間が10ns程度の信号となる。
【0095】相関処理装置58では、立上がりおよび立下がり時間が10ns程度と非常に短く、複雑な櫛歯形状となった第1または第2の検知信号59または60を相関処理をすることによって、図11に示すように所定の高精度で被測定体37の回転毎の回転周期を計測することができる。さらに、第1の検知信号59と第2の検知信号60を相関処理することによって図13に示す遅れ時間を求め、この遅れ時間と式(1)を用いることによって、所定の高精度で回転毎のトルクを求めることができる。
【0096】なお、前記第1〜第3実施形態では、ビーム調整装置21,44、第1および第2の検知装置24,25が物理的に結合して固定されている。
【0097】[第4実施形態]図14は本発明に係るトルク計測装置の第4実施形態を示す構成図である。
【0098】図14に示すように、第4実施形態のトルク計測装置は、レーザ光を照射する照射装置20と、このレーザ光を第1および第2のレーザ光に分岐し、各レーザ光のビーム径を調整して被測定体37に照射する第1および第2の光送受信装置61,62と、被測定体37の表面に取り付けて第1および第2のレーザ光の反射状態を変化させる第1および第2の反射体65,66と、第1および第2のレーザ光の反射光を検知する第1および第2の検知装置24,25と、これら検知装置24,25の出力信号に対して検知信号以外の信号成分を除去するフィルタリング装置57と、検知装置24,25の出力信号を相関処理して被測定体37のトルクを求める相関処理装置58とから大略構成されている。
【0099】照射装置20のレーザ光は、第1の光送受信装置61のビームスプリッター27によって反射光と透過光に分割される。反射光は第1の光送受信装置61のレンズ29,31、ビームスプリッター33、集光レンズ35を経て被測定体37に照射される。透過光は、第2の光送受信装置62に入射してレンズ30で反射し、レンズ30,32、ビームスプリッター34、集光レンズ36を経て被測定体37に照射される。
【0100】また、第1の光送受信装置61には、第2の光送受信装置62の位置変動を計測する位置変動計測手段としての監視カメラ63が設置されている。この監視カメラ63は画像表示可能な装置であれば良く、ここではCCDカメラを使用している。そして、第2の光送受信装置62には、位置変動を認識するマーク64が設けられている。このマーク64は、監視カメラ63で簡単に認識できるものであれば良く、ここでは、縦1cm×横1cm×厚さ1cmのアルミニウム薄膜を使用している。また、第2の光送受信装置62に特有の傷を付けてマーク64の代用をすることもできる。
【0101】第1または第2の反射体65,66は、図15に示すように、光線を乱反射させる乱射領域と照射方向と同一方向へ反射させる反射領域とを有し、この反射領域は微少形状のリトロリフレクターで構成し、乱反射領域は微少形状の散乱反射板で構成されている。反射領域の物質は、照射方向と同一方向へ反射する物質であれば適用可能であり、乱反射領域の物質は、乱反射させる物質であれば適用可能である。
【0102】以上のようにして構成された第4実施形態のトルク計測装置の作用について説明する。
【0103】照射装置20から照射されたビーム径0.65mmのレーザ光は、第1の光送受信装置61のビームスプリッター27によって反射する第1のレーザ光と、透過して第2の光送受信装置62に入射する第2のレーザ光とに分離される。
【0104】第1の光送受信装置61の内部を進む第1のレーザ光は、レンズ29およびレンズ31の拡大光学系によってビーム径が25mmとなる。そして、拡大された第1のレーザ光は、ビームスプリッター33を透過した後、集光レンズ35によって被測定体37の表面で焦点を結び、ビーム径が1.6μmとなるように照射される。
【0105】被測定体37に照射された第1のレーザ光が、第1の反射体65に照射された場合には、反射と乱反射が交互に繰り返されるため特有の反射を示すようになる。しかし、それ以外の被測定体37の表面での反射は極めて小さい。このため、回転毎に一定時間だけ反射と乱反射を交互に繰り返す特有の反射を示すことになる。
【0106】反射状態となった場合には、照射された光線と同一の光路で集光レンズ35に入射する。この反射光のビーム径:φ’はφ’=25mmである。反射光はビームスプリッター33によって分離され、一方の反射光は、第1の検知装置24に入射する。この第1の検知装置24ではこの反射光を検知するが、乱反射状態になった場合には信号を検知しない。このような反射と乱反射が交互に繰り返されるため、図9と同様の櫛歯形状の第1の検知信号59を回転毎に得ることができる。被測定体37の表面における第1のレーザ光のビーム径が1.6μmと非常に小さいため、第1の検知信号59の立上がりおよび立下がり時間は10ns程度となる。
【0107】一方、第2の光送受信装置62に入射した第2のレーザ光は、ミラー28で直角に反射された後、第1のレーザ光と全く同一の作用を受け、レンズ30およびレンズ32の拡大光学系、集光レンズ36によって被測定体37の表面で焦点を結び、ビーム径:1.6μmとなるように照射される。第2の反射体66の乱反射領域に照射された場合は反射光が存在しないが、強い反射領域に照射された場合の反射光は、照射された光線と同一の光路で集光レンズ36に入射する。そして、集光レンズ36によってビーム径:25mmになった後、ビームスプリッター34によって分離されて第2の検知装置25に入射する。
【0108】この第2の検知装置25では、第2のレーザ光の反射と乱反射が交互に繰り返されるため、図9に示す第1の検知信号と同様な櫛歯形状の第2の検知信号60を回転毎に得ることができる。なお、被測定体37の表面における第2のレーザ光のビーム径1.6μmと非常に小さいため、第2の検知信号60の立上がりおよび立下がり時間は10ns程度となる。
【0109】さらに、第1の検知信号59および第2の検知信号60は、フィルタリング装置57および相関処理装置58に取り込まれて回転周期およびトルクが算出される。すなわち、フィルタリング装置57では、サンプリング周波数:1GHzで第1および第2の検知信号59,60をデジタル値に変換し、信号処理の対象となる反射体65による検知信号の周波数が数KHzであるため、50kHz以上の周波数成分を除去する。
【0110】また、相関処理装置58では、時間的に異なる2つの第1の検知信号59を用い、式(6)で定義した相互相関関数:Φ(τ)を計算することによって回転周期を求める。そして、トルクは、第1の検知信号59と第2の検知信号60を用い、式(7)で定義した相互相関関数:Φi (τ)を計算することによって求める。本実施形態の相互相関関数:Φ(τ)、Φi (τ)の計算結果は第3実施形態と同様であり、回転周期やトルクは、第3実施形態と同一の結果となる。
【0111】第1の光送受信装置61に設置された監視カメラ63は、第2の光送受信装置62に設けられたマーク64の位置変動を監視する。このマーク64の位置変動を監視することによって、周囲環境からの振動を衝撃による第1の光送受信装置61と第2の光送受信装置62との位置関係の変化を検知する。そして、振動や衝撃を受けた場合、回転速度やトルクは相関処理装置58に表示されず、振動または衝撃の検知が表示される。
【0112】一方、位置関係の変動を補正するため、第1の検知信号59と第2の検知信号60を用い、式(7)で定義した相互相関関数:Φi (τ)を計算し、振動や衝撃を受けた時の遅れ時間を求める。この遅れ時間は、負荷装置38によって生じる遅れ時間ではなく、振動や衝撃による第1の光送受信装置61と第2の光送受信装置62の位置関係の変動によって生じる遅れ時間:τ’である。したがって、位置関係が変化した場合は、式(7)で定義した相互相関関数:Φi (τ)を計算して遅れ時間:τ’を求め、位置関係の変化によって生じる遅れ時間:τ’の影響を考慮した式(8)に従ってトルク:Ft を求める。
【数8】

【0113】また、本実施形態のトルク計測装置を軸方向に沿って複数設けることによって、軸方向の位置的な回転速度やトルクの変化を計測することができる。
【0114】このように本実施形態によれば、空間を伝送されて被測定体37に照射される第1おらび第2のレーザ光は、被測定体37の表面でビーム径が1.6μmとなる。そして、第1および第2の送受信装置61,62によって反射光を検知すると、反射と乱反射が交互に繰り返す反射体65,66によって、図9に示すように立上がりおよび立下がり時間が10ns程度と非常に短い櫛歯形状の第1および第2の検知信号59,60を回転毎に得ることができる。
【0115】フィルタリング装置57では、この第1および第2の検知信号59,60に対し、周波数50kHz以上のノイズ成分を除去するため、ノイズ環境下であっても立上がりおよび立下がり時間が10ns程度の信号となる。
【0116】相関処理装置58では、立上がりおよび立下がり時間が10ns程度と非常に短く、複雑な櫛歯形状となった第1または第2の検知信号59または60を相関処理をすることによって、図11に示すように所定の高精度で被測定体37の回転毎の回転周期を計測することができる。さらに第1の検知信号59と第2の検知信号60を相関処理することによって図13に示すように遅れ時間を求め、この遅れ時間と式(1)を用いることによって、所定の高精度で回転毎のトルクを求めることができる。
【0117】そして、監視カメラ63とマーク64とによって、周囲環境からの振動や衝撃による第1および第2の光送受信装置61,62の位置変動を検知することができ、式(8)に従って位置変動による測定精度の低下を低減させることができる。
【0118】なお、本実施形態のトルク計測装置は、軸方向に複数設けることができるため、軸方向の位置的な回転速度やトルクの変化を計測することができる。
【0119】[第5実施形態]図16は本発明に係るトルク計測装置の第5実施形態を示す構成図である。
【0120】図16に示すように、第5実施形態のトルク計測装置は、レーザ光を照射する照射装置20と、このレーザ光を光ファイバ43に入射されるレンズ42と、光ファイバ43に入射したレーザ光を分岐する多分岐コネクタ69と、この多分岐コネクタ69に接続された光ファイバ70,71,72,73と、これらの光ファイバ70〜73にそれぞれ接続された第1,第2,第3,第4の光送受信装置74,75,76,77と、被測定体37の表面に取り付けて反射状態を変化させる第1および第2の反射体22,23と、光ファイバ70〜73に分岐した各レーザ光の検知信号を相関処理して被測定体37のトルクを求める相関処理装置58とから大略構成されている。
【0121】光ファイバ70,71,72,73は、光ファイバ43と同一の光ファイバであり、SI型単一モードであり、コア径:φf =5μm、開口数:0.11の石英ファイバとする。ファイバ光を分岐する多分岐コネクタ69はプリズムで構成されており、四方向に分岐できるように構成されている。
【0122】第1,第2,第3,第4の光送受信装置74,75,76,77は、ビーム調整手段および照射された光線の反射光を検知する検知手段を備えた第1の光送受信装置61で構成されている。そして、被測定体37の回転速度およびトルクは、第1または第2の光送受信装置74,75で構成される第1の測定系、第3および第4の光送受信装置76,77で構成される第2の測定系の計2系統で測定される。第1および第2の測定系は、被測定体37の円周方向に設置される。なお、光送受信装置74〜77を円周方向に複数設置して多系統で回転速度およびトルクを測定することが可能である。ここでは、原理的に同じであるため二系統とする。
【0123】第1および第3の光送受信装置74,76には、LED78,80が取り付けられている。そして、これらのLED光の位置変化を検出するため、対向する位置に設置した第2および第4の光送受信装置75,77には、位置変動計測手段としての縦横2次元のポジションセンサ79,81が取り付けられている。LED78,80は赤外線LEDとしたが、特にこれに限定されることはない。
【0124】以上のようにして構成された第5実施形態のトルク計測装置の作用について説明する。
【0125】照射装置20から照射されたビーム径0.65mmのレーザ光は、レンズ42によって光ファイバ43へ入射する。この入射した光線は、多分岐コネクタ69によって光ファイバ70,71,72,73へ均等に分岐される。
【0126】ここで、光ファイバ70に分岐した第1のレーザ光は、第1の光送受信装置74に入射する。この第1の光送受信装置74では、光送受信装置61と同様の作用を第1のレーザ光に施し、被測定体37の表面で焦点を結び、ビーム径が2.2μmとなるように照射される。そして、回転毎に反射体22の検知信号を得ることができる。この第1のレーザ光の検知信号は、図2に示すような立上がり時間が10ns程度のパルス信号となる。
【0127】一方、光ファイバ75に分岐した第2のレーザ光は、第2の光送受信装置75に入射する。この第2の光送受信装置75では、第1の光送受信装置74と同様の作用を第2のレーザ光に施し、回転毎に反射体23の検知信号を得ることができる。この第2のレーザ光の検知信号は、図2に示すような立上がり時間が10ns程度のパルス信号となる。
【0128】相関処理装置58では、この第1および第2のレーザ光の検知信号を用いて式(1)、式(6)、式(7)を計算し、第1および第2の光送受信装置74,75で構成される第1の測定系による回転速度:v1 ,トルク:F1 を求めることができる。
【0129】また、光ファイバ72,73によって分岐した第3および第4のレーザ光についても、第3および第4の光送受信装置76,77によって同様の処理がなされ、相関処理装置58において第2の測定系による回転速度:v2 ,トルク:F2を求めることができる。
【0130】そして、相関処理装置58では、第1の測定系および第2の測定系で得られた回転速度v1 ,v2 ,トルクF1 ,F2 に対し、系統数n=2として式(9)、式(10)で示す平均化処理を行って回転速度vave 、トルクFave を求める。
【数9】

【数10】

【0131】第2および第4の光送受信装置75,77に取り付けられたポジションセンサ79,81は、第1および第3の光送受信装置74,76に取り付けられたLED78,80から照射された光線を検知する。このポジションセンサ79,81は照射された光線の位置変動を検知することができるため、周囲環境による振動や衝撃が発生した場合、第1および第2の間、第3および第4の間の光送受信装置の位置変化を検知することができる。そして、振動や衝撃を受けた場合、回転速度やトルクは相関処理装置58に表示されず、振動または衝撃の検知が表示される。
【0132】位置関係が変化した場合は、第1および第2の測定系の各々で式(7)で定義した相互相関関係:Φi (τ)を計算して位置変動による遅れ時間:τ’を求め、式(8)に従って第1および第2の測定系のトルクF1 ,F2 を求める。そして、式(10)による平均化処理によってトルクFave を求めることができる。
【0133】このように本実施形態によれば光ファイバ43,70,71,72,73によって、照射装置20のレーザ光を機器内部や狭隘部へ伝送することが可能となる。そして、ファイバ伝送されて被測定体37に照射される第1,第2,第3,第4のレーザ光は、被測定体37の表面で焦点を結び、ビーム径が2.2μmとなる。
【0134】第1〜第4の光送受信装置74〜77によって、第1〜第4のレーザ光の反射光を検知すると、被測定体37に取り付けた反射体22,23によって、各光送受信装置では図2に示すような立上がり時間が10ns程度のパルス形状の検知信号を回転毎に得ることができる。
【0135】相関処理装置58では、式(6)に示す相互相関関数:Φ(τ)を計算して各光送受信装置から求まる回転速度を計算し、さらに式(9)に示す平均化処理を行うことによって、所定の高精度で被測定体37の回転毎の回転周期を計測することができる。また、式(7)に示す相互相関関数:Φi (τ)を計算し、さらに式(10)に示す平均化処理を行うことによって、所定の高精度で被測定体37の回転毎のトルクを計測することができる。
【0136】さらに、LED78,80およびポジション79,81によって、周囲環境からの振動や衝撃による第1〜第4の光送受信装置74〜77の位置変動を検知することができる。そして、式(8)、式(10)に従って、位置変動を補正して平均化処理を施すことによって、光送受信装置の位置変動によるトルクの測定精度の低下を低減させることができる。
【0137】また、本実施形態のトルク計測装置(装置本体)を被測定体の円周方向に沿って複数設置することにより、各装置本体から計測されるトルク値を平均値処理することで、トルクの計測精度を向上させることができる。
【0138】なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、上記第1〜第4実施形態では反射体、検知装置をそれぞれ2つずつ設置した場合について説明したが、これに限らず、各2つ以上の複数設置すればよい。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、機器内部や狭隘部での計測が可能な光ファイバ、または空間を伝送された照射された光線に対し、ビーム調整手段によって光線を複数の光線に分岐し、各光線のビーム径を数μmに調整して被測定体に照射することができる。
【0140】そして、被測定体には反射状態が変化する複数の反射手段が設けられているため、複数の検知手段では、立上がりおよび立下がり時間が急峻で波形形状が特有の複数のパルス信号を回転毎に得ることができる。複数のパルス信号の立上がりおよび立下がり時間は、複数の光線のビーム径が数μmであるために10ns程度になる。
【0141】信号処理手段では、立上がりおよび立下がり時間が急峻で波形形状が特有の複数のパルス信号に対し、複数の出力変動を考慮した信号処理、または相関処理を施すことによって、所望の10nsより高い測定精度で回転周期およびトルクを計測することができる。
【0142】また、ノイズを除去するフィルタリング手段、振動や衝撃による検知手段の位置変動を計測する位置変動計測手段によって、ノイズ,振動,衝撃などで発生する回転速度およびトルクの計測精度の低下を防止することができる。
【0143】さらに、本発明に係るトルク計測装置は、被測定体の軸方向に複数設置可能であるので、軸方向の位置的な回転速度やトルクの変化を計測することができる。また、被測定体の円周方向に複数設置して平均化処理することによって、回転速度やトルクの計測精度の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力株式会社
【出願日】 平成11年1月12日(1999.1.12)
【代理人】 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久 (外1名)
【公開番号】 特開2000−205977(P2000−205977A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−5688