トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 トルクドライバー用連結装置
【発明者】 【氏名】小針 譲二

【要約】 【課題】

【解決手段】トルクドライバーテスターTと所望のトルク値を設定するトルクドライバーDとを連結するトルクドライバー用連結装置10において、連結装置本体10’を多面体に形成するとともに、該多面体の各面10aに、ソケット係合部材11及び該ソケット係合部材の上部に取り付けられた受部12を配設したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】トルクドライバーテスターと所望のトルク値を設定するトルクドライバーとを連結するトルクドライバー用連結装置において、連結装置本体を多面体に形成するとともに、該多面体の各面に、ソケット係合部材及び該ソケット係合部材の上部に取り付けられた受部が配設されていることを特徴とする前記トルクドライバー用連結装置。
【請求項2】実際に使用するボルト、ネジ等の頭部と同じ形状及び大きさを有する受部が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のトルクドライバー用連結装置。
【請求項3】トルクドライバーテスターのソケットの回転軸線とトルクドライバーのドライバーアタッチメントの回転軸の軸線と一致する回転軸線を有するとともに、重心が、前記回転軸線上に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトルクドライバー用連結装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】一般に電気部品や機械部品等を所定の個所に取り付ける場合、取り付けようとする電気部品等を、ボルト、ネジ等を用いて取り付けている。このボルト、ネジ等を締め付ける際に、トルクドライバーが使用されている。これは、ボルト、ネジ等及び電気部品等の締め付け圧を管理して、過大な締め付け圧や、又は、過少の締め付け圧による締め付けを防止して、バラツキの無い信頼性のある電気部品や機械部品等の取り付けが行われるようにしている。そのために、トルクドライバーのトルク値を常にトルクドライバーテスターで測定し、管理している。
【0002】本発明は、上述したボルト、ネジ等を締め付ける際のトルクドライバーのトルク値を、トルクドライバーテスターにより測定、管理する際に使用される、トルクドライバーテスターとトルクドライバーとを連結するトルクドライバー用連結装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】以下に、図4及び図5を用いて、従来のトルクドライバー用連結装置について説明する。
【0004】D1は、一例としてのトルクドライバー本体であり、トルクドライバー本体D1は、ハンドルd1とアームd2と該アームd2の先端に取着された、正六角形状の凹部d3’が形成されているドライブd3とを有している。トルクドライバー本体D1に、使用するボルト、ネジ等に対応したドライバーアタッチメントを取り付けてトルクドライバーDが構成される。
【0005】Tは、トルクドライバーテスターであり、トルクドライバーテスターTの箱体t1の所定のパネルには、トルクの値をアナログ或いはデジタル表示する計測表示部t2と、後述するドライバーアタッチメントの一端が挿着される、正六角形状の凹部t3’を形成されたソケットt3が配設されている。なお、t4は、計測表示部t2の零アジャスト用ボリウムであり、t5は、計測表示部t2の零アジャスト設定リセットボタンであり、t6は、電源スイッチである。
【0006】1は、トルクドライバーテスターTのソケットt3の正六角形状の凹部t3’に挿着可能な、正六角柱状の嵌合部材である。2は、一端に、正六角柱状の嵌合部材1の一端が挿着可能な正六角形状の凹部2a’が形成され雌部2aを有するとともに、他端に、トルクドライバー本体D1のドライブd3の凹部d3’に嵌合される雄部2bを有する棒状のソケットビットであり、本実施例においては、ドライブd3の凹部d3’に対応して、正六角柱状に形成されている。
【0007】トルクドライバーDのトルクを測定する際には、トルクドライバーテスターTのソケットt3の正六角形状の凹部t3’に、嵌合部材1の一端を嵌合し、更に、トルクドライバーテスターTのソケットt3から出ている嵌合部材1の他端を、ソケットビット2の雌部2aの凹部2a’に挿着する。その後、ソケットビット2の雄部2bを、トルクドライバー本体D1のドライブd3の凹部d3’に嵌合するとともに、トルクドライバー本体Dを回転させて、そのトルクを、トルクドライバーテスターTに設置されているトルク計でトルクの値を計測して、トルクドライバーDのトルク値を設定していた。このように、従来、トルクドライバーテスターとトルクドライバーとを、嵌合部材1及びソケットビット2を用いて連結し、トルクドライバーDのトルク値を設定していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一つの製品を、ボルト、ネジ等を使用して組み立て完成するまでには、複数の種類のボルトやネジ等を必要とし、それに対応したトルクドライバーが必要となり、一つの製品の完成までには、何回もトルクドライバーの交換が余儀なくされ、作業性が悪くなるという問題がある。一方、一つのトルクドライバーを使用して、トルクドライバーのドライブd3の凹部d3’に、上記ボルトやネジ等に対応して、その都度、ドライバーアタッチメントD2を取り替えることは、トルクドライバーの設定トルクを狂わせることになるという問題がある。
【0009】また、トルクドライバーのトルクを測定する場合、トルクドライバーとソケットビットの関係は、実際の組立作業にトルクドライバーの先形状がボルト、ネジ等に対応した形状に代えても、テスターの計測においてはソケットビットは常にテスターに対し同一のもので対応しているので、実際とはトルクにおいて誤差が生じ近似値であって正しい値にならない。
【0010】本発明の目的は上記した従来のトルクドライバー用連結装置が有する課題を解決するとともに、より精度の高いトルクの設定が可能なトルクドライバー用連結装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するために、本発明は、トルクドライバーテスターと所望のトルク値を設定するトルクドライバーとを連結するトルクドライバー用連結装置において、第1には、連結装置本体を多面体に形成するとともに、該多面体の各面に、ソケット係合部材及び該ソケット係合部材の上部に取り付けられた受部を配設したものであり、第2には、実際に使用するボルト、ネジ等の頭部と同じ形状及び大きさを有する受部を取り付けたものであり、第3には、トルクドライバーテスターのソケットの回転軸線とトルクドライバーのドライバーアタッチメントの回転軸の軸線と一致する回転軸線を有するとともに、重心が、前記回転軸線上に位置するようにしたものである。
【0012】
【実施例】10は、トルクドライバー用連結装置であり、一例としての正六面体形状、即ち、立方体形状の連結装置本体10’の各面10aの中央部には、トルクドライバーテスターTのパネルに配設されたソケットt3の凹部t3’に嵌合可能な形状を有する多角柱状のソケット係合部材11が取着されている。本実施例においては、トルクドライバーテスターTのパネルに配設されたソケットt3の凹部t3’が、正六角形状に形成されているので、ソケット係合部材11は、正六角柱状に形成されている。連結装置本体10’の各面10aに取着されているソケット係合部材11は、同一形状で、同じ重さを有している。なお、ソケット係合部11は、一般に市販されている通常の六角状ナットでよい。この市販の六角状ナットを使用すると安価で且つ容易に製作できる。勿論、特別に切削等によりこれらを成作してもよい。
【0013】ソケット係合部11の上部には、トルクドライバー本体D1のドライブd3の凹部d3’に嵌合される、使用するボルト、ネジ等に対応したドライバーアタッチメントD2の係合部d4の先端に合う受部12が、取り外し自在に取り付けられている。この受部12は、実際に使用されるボルト、ネジ等の頭部と同じ形状及び同じ大きさに形成されている。例えば、受部12として、プラスネジの頭部12a、マイナスネジの頭部12b、六角孔を有するボルト頭部12c等に形成されている。このように、所望の受部12を、適宜、受部12に取り外し可能に取り付けることができるように構成されている。なお、d5は、トルクドライバー本体D1のドライブd3の凹部d3’に嵌合されるドライバーアタッチメントD2の頭部であり、本実施例においては、上記のドライブd3の凹部d3’に対応して、正六角柱状に形成されている。
【0014】次に、このトルクドライバー用連結装置10を用いたトルクドライバーテスターTの使用方法について説明する。
【0015】実際に使用するボルト、ネジ等の頭部と同じ形状及び大きさを有する受部12が取り付けられている連結装置本体10’の面10aと反対側に位置する面10aに取り付けられたソケット係合部材11を、トルクドライバーテスターTのパネルに配設されたソケットt3の凹部t3’に嵌合して、トルクドライバー用連結装置10をトルクドライバーテスターTに取り付ける。次に、トルクドライバーテスターTに取り付けられたトルクドライバー用連結装置10の上記の実際に使用するボルト、ネジ等の頭部と同じ形状及び大きさを有する受部12に、該受部12に対応した係合部d4を有するドライバーアタッチメントD2が取り付けられたトルクドライバーDの上記係合部d4を係合させるとともに、トルクドライバーDを回転させて、トルクドライバーテスターTの計測表示部t2を確認しながらトルクドライバーDを調整して所望のトルク値に設定する。
【0016】上述したようなトルクドライバーテスターTによるトルクドライバーDのトルク設定作業の際には、トルクドライバーテスターTのソケットt3の回転軸線と、トルクドライバーDの回転に伴って回転するトルクドライバー用連結装置10の回転軸線と、トルクドライバーDのドライバーアタッチメントD2の回転軸線とが、一致し、一直線となるように構成されているとともに、トルクドライバー用連結装置10の重心が、トルクドライバー用連結装置10の回転軸線上に位置するように構成されている。このように構成することにより、トルク設定作業の際に、トルクドライバー用連結装置10が偏心するようなことがなく、所望のトルク値の正確な設定が可能となる。トルクドライバー用連結装置10が偏心しないように、連結装置本体10’の各面10aに取着されたソケット係合部11に取り付けられる受部12は、同じ重さに構成することが好ましく、受部12の大きさや材質等が異なるために、受部12自体の重さが異なる場合には、適宜、ソケット係合部11や受部12に、重りを取着して、連結装置本体10’の各面10aに取着された受部12が、全て、同じ重さになるように調整することが、より、正確なトルク設定作業にとって好ましい。
【0017】上述した実施例には、トルクドライバー用連結装置10の連結装置本体10’を正六面体形状とした例が示されているが、トルク設定作業の際に、トルクドライバー用連結装置10の重心が、トルクドライバー用連結装置10の回転軸線上に位置するように構成されていればよく、正六面体や正二十面体等の形状に形成することができる。
【0018】本発明においては、上述したように、トルクドライバーテスターTとトルクドライバーDとを、トルクドライバー用連結装置10のみを介して連結するとともに、連結装置本体10’の多面体の各面10aに、ソケット係合部材11及び受部12が配設されているので、嵌合部材1及びソケットビット2を介して、トルクドライバーテスターTとトルクドライバーDとを連結するようにした従来のトルクドライバーDのトルク設定作業に比べ、その作業性が向上する。
【0019】また、本発明においては、実際に使用するボルト、ネジ等の頭部と同じ形状及び大きさを有する受部12が取り付けられているトルクドライバー用連結装置10を用いて、トルクドライバーDのトルク設定作業を行うようにしたので、製品の組み立てに使用されるボルト、ネジ等の締め付けトルクと、実質的に同じトルク値の設定を行うことができる。
【0020】更に、トルクドライバーテスターTのソケットt3の回転軸線と、トルクドライバーDの回転に伴って回転するトルクドライバー用連結装置10の回転軸線と、トルクドライバーDのドライバーアタッチメントD2の回転軸線とが、一致し、一直線となるように構成するとともに、トルクドライバー用連結装置10の重心が、トルクドライバー用連結装置10の回転軸線上に位置するように構成したので、トルク設定作業の際に、トルクドライバー用連結装置10が偏心するようなことがなく、従って、所望のトルク値の正確な設定が可能となる。
【0021】なお、上述した実施例においては、トルクドライバーとして、ドライバーアタッチメントに対し90度の角度に、トルクドライバーを設定するものについて説明したが、トルクドライバーは、これに限定することなく、ドライバーアタッチメントに対して直線状になるものでもよく、また、電動式、空気式或いは手動式であてもよく、要は、トルク調整が可能なものであればよい。
【0022】
【発明の効果】本発明は、上述ように構成されているので、以下に記載の効果を奏することができる。
【0023】トルクドライバー用連結装置の連結装置本体の多面体の各面に、ソケット係合部材及び受部を配設したので、従来のトルクドライバーのトルク設定作業に比べ、その作業性が向上する。
【0024】実際に使用するボルト、ネジ等の頭部と同じ形状及び大きさを有する受部を取り付けたので、製品の組み立てに使用されるボルト、ネジ等の締め付けトルクと、実質的に同じトルクの設定を行うことができる。
【0025】トルクドライバーテスターのソケットの回転軸線と、トルクドライバーの回転に伴って回転するトルクドライバー用連結装置の回転軸線と、トルクドライバーのドライバーアタッチメントの回転軸線とが、一致し、一直線となるように構成するとともに、トルクドライバー用連結装置の重心が、トルクドライバー用連結装置の回転軸線上に位置するように構成したので、トルク設定作業の際に、トルクドライバー用連結装置が偏心するようなことがなく、従って、所望のトルク値の正確な設定が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000130835
【氏名又は名称】株式会社サンコーシヤ
【出願日】 平成10年10月19日(1998.10.19)
【代理人】 【識別番号】100099542
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 保
【公開番号】 特開2000−121466(P2000−121466A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−296346