| 【発明の名称】 |
トルクセンサ |
| 【発明者】 |
【氏名】三輪 守孝
【氏名】倉知 秀哉
【氏名】石橋 誠
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| 【要約】 |
【課題】トルク伝達軸の製造工程の増加や磁気異方性部表面の寸方誤差を大きくさせることなく、磁気異方性部の磁壁の減少と磁壁の移動を制限することにより不可逆的な磁気現象の原因を低減させ、ヒステリシスを低減させる。
【解決手段】永久磁石12、13によってトルク伝達軸1の磁気異方性部2、3に常時直流磁界を印加し、磁気異方性部の磁壁の減少と磁壁の移動を制限する。永久磁石の用いる替わりに励磁コイル4a、5aに直流電流を流すこととしてもよい。また、トルク伝達軸1を磁化することとしてもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トルク伝達軸の外周面に第1及び第2の磁気異方性部を、このトルク伝達軸にトルクが負荷されたときに一方が圧縮され且つ他方が引張られるように形成し、これら第1及び第2の磁気異方性部の外周側に、第1及び第2の検出コイルと、正弦波交流電圧が印加されて検出コイルを励磁する互いに直列接続した第1及び第2の励磁コイルとを、磁気異方性部の透磁率の変化を検出コイルの一端の電圧の変化に変換するように配設し、両検出コイルの一端の電圧の差からトルクの方向と大きさを表す信号電圧を生成するようにしたトルクセンサにおいて、前記第1及び第2の磁気異方性部に直流磁界を常時印加する直流磁界印加手段を備えたことを特徴とするトルクセンサ。 【請求項2】 請求項1に記載のトルクセンサであって、前記直流磁界印加手段が永久磁石であることを特徴とするトルクセンサ。 【請求項3】 請求項1に記載のトルクセンサであって、前記直流磁界印加手段が、前記励磁コイルに直流電流を流す直流分用オフセット電源であることを特徴とするトルクセンサ。 【請求項4】 トルク伝達軸の外周面に第1及び第2の磁気異方性部を、このトルク伝達軸にトルクが負荷されたときに一方が圧縮され且つ他方が引張られるように形成し、これら第1及び第2の磁気異方性部の外周側に、第1及び第2の検出コイルと、正弦波交流電圧が印加されて検出コイルを励磁する互いに直列接続した第1及び第2の励磁コイルとを、磁気異方性部の透磁率の変化を検出コイルの一端の電圧の変化に変換するように配設し、両検出コイルの一端の電圧の差からトルクの方向と大きさを表す信号電圧を生成するようにしたトルクセンサにおいて、前記トルク伝達軸を磁化したことを特徴とするトルクセンサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この出願の発明は、トルクセンサに関し、特に、磁歪式のトルクセンサに関するものである。 【0002】 【従来の技術】公知のトルクセンサの1つとして、トルク伝達軸の外周面に第1及び第2の磁気異方性部を、このトルク伝達軸にトルクが負荷されたときに一方が圧縮され且つ他方が引張られるように形成し、これら第1及び第2の磁気異方性部の外周側に、第1及び第2の検出コイルと、高周波電源により所定周波数(10〜50kHz程度)の正弦波交流電圧が印加されて検出コイルを励磁する互いに直列接続した第1及び第2の励磁コイルとを、磁気異方性部の透磁率の変化を検出コイルの一端の電圧の変化に変換するように配設し、両検出コイルの一端の電圧の差からトルクの方向と大きさを表す信号電圧を生成するようにした磁歪式のトルクセンサがある。 【0003】特開平2−221830号公報には、上記トルクセンサについて、トルク伝達軸の磁気異方性部の表面にショットピーニング等を施し、磁壁の減少と磁壁の移動を制限することにより不可逆的な磁歪現象の原因を低減させ、ヒステリシスを低減させることが開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トルク伝達軸の磁気異方性部の表面にショットピーニング等を施すことからトルク伝達軸の製造工程が多くなり、製造コストが高くなる。また、磁気異方性部表面の寸法誤差がショットピーニングを施すことによって拡大し、検出感度のばらつきの幅が大きくなるという不具合がある。 【0005】この出願の発明は、上記の如き不具合を発生させることなく、磁気異方性部の磁壁の減少と磁壁の移動を制限することにより不可逆的な磁気現象の原因を低減させ、ヒステリシスを低減させることを主たる目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発明は、トルク伝達軸の外周面に第1及び第2の磁気異方性部を、このトルク伝達軸にトルクが負荷されたときに一方が圧縮され且つ他方が引張られるように形成し、これら第1及び第2の磁気異方性部の外周側に、第1及び第2の検出コイルと、正弦波交流電圧が印加されて検出コイルを励磁する互いに直列接続した第1及び第2の励磁コイルとを、磁気異方性部の透磁率の変化を検出コイルの一端の電圧の変化に変換するように配設し、両検出コイルの一端の電圧の差からトルクの方向と大きさを表す信号電圧を生成するようにしたトルクセンサにおいて、前記第1及び第2の磁気異方性部に直流磁界を常時印加する直流磁界印加手段を備えたことを特徴とするトルクセンサである。 【0007】この出願の請求項2の発明は、請求項1に記載のトルクセンサであって、前記直流磁界印加手段が永久磁石であることを特徴とするトルクセンサである。 【0008】この出願の請求項3の発明は、請求項1に記載のトルクセンサであって、前記直流磁界印加手段が、前記励磁コイルに直流電流を流す直流分用オフセット電源であることを特徴とするトルクセンサである。 【0009】この出願の請求項4の発明は、トルク伝達軸の外周面に第1及び第2の磁気異方性部を、このトルク伝達軸にトルクが負荷されたときに一方が圧縮され且つ他方が引張られるように形成し、これら第1及び第2の磁気異方性部の外周側に、第1及び第2の検出コイルと、正弦波交流電圧が印加されて検出コイルを励磁する互いに直列接続した第1及び第2の励磁コイルとを、磁気異方性部の透磁率の変化を検出コイルの一端の電圧の変化に変換するように配設し、両検出コイルの一端の電圧の差からトルクの方向と大きさを表す信号電圧を生成するようにしたトルクセンサにおいて、前記トルク伝達軸を磁化したことを特徴とするトルクセンサである。 【0010】 【発明の実施の形態】図1はこの出願の発明に係るトルクセンサの検出部を示し、図2はその検出回路を示す。図1において、磁性材製のトルク伝達軸1の外周面には、軸線の方向と所定の角度(例えば45度)をなして互いに反対方向に傾斜する多数の短い磁性材製の帯からなる第1磁気異方性部2及び第2磁気異方性部3が転造等の機械加工により形成されている。第1磁気異方性部2の帯と第2磁気異方性部3の帯が互いに反対方向に傾斜されていることにより、トルク伝達軸1にトルクが負荷されたときには第1磁気異方性部2、3の何れか一方の帯に圧縮歪が発生すると共にその他方の帯に引張り歪が発生する。 【0011】磁気異方性部2の外周側には、励磁コイル4a及び該励磁コイル4aの外周側の検出コイル4bが配設されている。同様に、磁気異方性部3の外周側にも、励磁コイル5a及び該励磁コイル5aの外周側の検出コイル5bが配設されている。これらコイルの外周側には軟磁性材製のヨーク6が配設されている。 【0012】図2に示すように、励磁コイル4a、5aは高周波電源8に対して互いに直列に接続され、高周波電源8により所定周波数の正弦波交流電圧が励磁コイル4a、5aに印加される。トルク伝達軸1にトルクが負荷されると、磁気異方性部2の透磁率と磁気異方性部3の透磁率が互いに反対側に変化(増加又は減少)し、これにより磁気結合関係にあるコイル4a、4bのインダクタンスと磁気結合関係にあるコイル5a、5bのインダクタンスが互いに反対側へ変化(増加又は減少)し、検出コイル4bの一端の電圧V1及び検出コイル5bの一端の電圧V2が変化する。これらの電圧V1、V2は差動増幅回路8に入力し、電圧V2から電圧V1を差し引いた電圧に比例した電圧が差動増幅回路8から出力される。この電圧は、同期検波回路9、フィルタ回路10、直流増幅回路11を経て、トルク伝達軸1に負荷されたトルクに比例する信号電圧Vrとして出力される。 【0013】ここで、この出願の発明に従い、ヨーク6の軸方向両端部には径方向の両端に着磁した永久磁石12、13が配設され、永久磁石12、13により磁気異方性部2、3に直流磁界が印加されている。磁気異方性部2、3に直流磁界が常時印加されることによって、磁気異方性部2、3における磁壁の減少と磁壁の移動が拘束され、不可逆的な磁歪現象が減少され、トルクセンサのヒステリシスが低減する。 【0014】磁気異方性部2、3に直流磁界が印加されることによる効果を図3のB(残留磁束密度)−H(保持力)のカーブのグラフにより説明する。図3において、直流磁界を印加しない状態ではB−Hカーブのヒステリシスの大きい領域aを用いるので、トルクの印加により、トルク伝達軸の磁気異方性部では不可逆的な領域の磁壁移動による磁歪現象と可逆的な領域の回転磁場による磁歪現象が存在している。そのため、トルクをゼロに戻しても不可逆的な領域の磁壁の移動が元の状態には戻らず、センサ出力のヒステリシスとして現れてくる。直流磁界を印加した状態では、ヒステリシスの小さい領域bを用いるので、トルクの印加により、トルク伝達軸の磁気異方性部では不可逆的な領域の磁壁移動による磁歪現象と可逆的な領域の回転磁場による磁歪現象の割合が変化してセンサ出力にヒステリシスを発生させる不可逆的な領域の磁壁移動による磁歪現象の割合が小さくなり、ヒステリシスも小さくなる。実験によれば、直流磁界を印加しないときのヒステリシスが3.85%FSであったものが、直流磁界を印加したときには1%FSに低減した。 【0015】永久磁石は、図4に示すように、トルク伝達軸1に配設することとしてもよい。図4において、トルク伝達軸1は、磁気異方性部2、3を有する中央部1aと、非磁性材製の端部1b、1cとで構成され、軸方向に着磁された永久磁石15、16が中央部1aと端部1b、1cのそれぞれとの接合部に設置されている。 【0016】また、トルク伝達軸の磁気異方性部に直流磁界を常時印加する手段として、励磁コイルに直流電流を流すようにしてもよく、その例を図5に示す。図5においては、図2の構成に、高周波電源8と直列の直流分オフセット電源17が追加されている。 【0017】更に、トルク伝達軸の磁気異方性部に直流磁界を常時印加する替わりに、トルク伝達軸に飽和磁気を印加することによって磁気異方性部を含むトルク伝達軸を磁化させることとしてもよい。 【0018】 【発明の効果】以上に説明したように、この出願の発明に係るトルクセンサは、トルク伝達軸の製造工程の増加や磁気異方性部表面の寸方誤差を大きくさせることなく、磁気異方性部の磁壁の減少と磁壁の移動を制限することにより不可逆的な磁気現象の原因を低減させ、ヒステリシスを低減させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年6月24日(1998.6.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−9557(P2000−9557A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月14日(2000.1.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−177699 |
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