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【発明の名称】 温度状態検出素子および温度状態検出装置
【発明者】 【氏名】藤原 祐二

【氏名】川端 太郎

【氏名】後藤 元臣

【氏名】村松 繁

【要約】 【課題】少数の温度検知体を用いて複数の検出対象体の温度状態を精度良く検出する。

【解決手段】シート状のポリマ素子によって構成した温度センサ103を、複数のコイルのそれぞれにシートの一部が接するように配置する。温度センサ103は検出回路110に接続されており、検出回路110は温度センサ103の抵抗値を検出する。ポリマ素子はシート状になっており、複数のコイルと複数の接点において接しているので、この温度センサはn個のポリマ素子103’−1〜103’−nを直列に接続したものとみなすことができる。そして、いずれかのポリマ素子103’が限界温度に達することによって、温度センサ103の全抵抗値が限界抵抗値を超えるので、温度センサ103に接したn個のコイル101−1〜101−nのいずれかが過熱状態となっていることを検出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温度変化に基づいて抵抗値が変化する温度検知体を備え、複数の検出対象体の温度状態を検出する温度状態検出素子であって、前記複数の検出対象体は前記温度検知体の一部分である部分検知体に各々近接配置され、前記複数の検出対象体のいずれかの温度変化に基づく当該検出対象体に近接した前記部分検知体の抵抗値の変化に伴って前記温度検知体の抵抗値が変化することを特徴とする温度状態検出素子。
【請求項2】 請求項1に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体の少なくとも一つが限界温度に至った場合に前記抵抗値が著しく変化することを特徴とする温度状態検出素子。
【請求項3】 請求項1に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体は、限界温度に至った場合に前記抵抗値が著しく変化する素子であり、前記温度検知体は、複数の前記素子を接続して構成されることを特徴とする温度状態検出素子。
【請求項4】 請求項2または3に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体は、前記検出対象体が正常動作する臨界温度における抵抗値に前記部分検知体の個数を乗じた値が、前記部分検知体の限界温度における抵抗値よりも小さいことを特徴とする温度状態検出素子。
【請求項5】 請求項2または3に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体は、前記検出対象体が正常動作する臨界温度における抵抗値を前記部分検知体の個数で除した値が、前記部分検知体の限界温度における抵抗値よりも大きいことを特徴とする温度状態検出素子。
【請求項6】 複数の検出対象体の温度状態を検出する温度状態検出装置であって、請求項1ないし5いずれかに記載の温度状態検出素子と、前記温度検知体の前記抵抗値の変化に基づいて前記複数の検出対象体の温度状態を検出する検出手段とを具備することを特徴とする温度状態検出装置。
【請求項7】 請求項1ないし5いずれかに記載の温度状態検出素子の検出結果に応じて前記複数の検出対象体への給電を制御することを特徴とする温度状態検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の検出対象体の温度状態を検出する温度状態検出素子および温度状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数の発熱体を有する装置において、発熱体の過熱から装置を保護するために、各発熱体が過熱状態であることを検出する種々の技術が提案されている。複数の発熱体を有する装置としては、例えば自動演奏ピアノのキードライブ部が挙げられる。自動演奏ピアノのキードライブ部は、一つ一つの鍵の回動端部の上下方向に対向配置されたコイル(発熱体)に、演奏データに基づく駆動電流を供給することによってプランジャが鍵の回動端部を突き上げる構成になっている。電流を供給することによって発熱する発熱体の過熱状態を検出する技術としては、検知体としてヒューズを基板上に配置するものが知られている。これは、過熱状態においては、コイルに供給される電流に異常が生じるという特性を利用したものであるが、必ずしも過熱状態に電流異常が生じるとは限らないため、過熱状態を精度よく検出することはできなかった。
【0003】このような問題は、温度検知体として温度ヒューズを発熱体の近傍に設置することによって解決することができるが、発熱体が広い範囲に設置されているような場合には、それぞれの発熱体の近傍に温度ヒューズを設置しなければないという不都合が生じる。従って、複数の発熱体を備えた装置であれば、発熱体の数に相当する温度ヒューズを設置しなければならず、大変費用がかかってしまう。例えば、自動演奏ピアノのキードライブ部であれば、88鍵それぞれに対応したプランジャを駆動するコイル各々の近傍に温度ヒューズを設置しなくてはならないず、回路構成も複雑になってしまう。また、このような多数のコイルは、広い範囲に渡って設置されており、多数の温度ヒューズを設置するためには、そのための広い設置スペースも必要になる。このような問題については、温度検知体として少数のサーミスタを所定の位置に設置することによって解決することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、少数のサーミスタを所定の位置に設置した場合には、ひとつのサーミスタによって複数の発熱体の過熱状態を検出しなくてはならず、複数の発熱体のサーミスタへの距離がそれぞれ異なってしまうため、均一な検出ができないという問題が生じる。すなわち、サーミスタが検知する発熱体の温度は距離が離れる程温度差が大きくなるので、近くに設置されている発熱体の過熱状態は高いしきい値で検出できるが、遠くに設置されている発熱体の過熱状態はしきい値を低くしなければ検出することができない。従って、近くに設置されている発熱体を基準としてしきい値を高く設定した場合は、遠くに設置されている発熱体の過熱状態を精度よく検出することができず、遠くに設置されている発熱体を基準としてしきい値を低く設定した場合は、近くに設置されている発熱体の過熱状態に対して過度に敏感に反応してしまうという問題が生じる。このように、従来から提案されている発熱体の過熱状態を検出する技術では、複数の発熱体について過熱を検出する場合には、発熱体の個数に対応した温度検知体を配置すれば回路構成を複雑になり、検出体の数を少なくすれば精度よく検出することができないという問題があった。
【0005】本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、少数の温度検知体を用いて複数の検出対象体の温度状態を精度良く検出できる温度状態検出素子および温度状態検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、温度変化に基づいて抵抗値が変化する温度検知体を備え、複数の検出対象体の温度状態を検出する温度状態検出素子であって、前記複数の検出対象体は前記温度検知体の一部分である部分検知体に各々近接配置され、前記複数の検出対象体のいずれかの温度変化に基づく当該検出対象体に近接した前記部分検知体の抵抗値の変化に伴って前記温度検知体の抵抗値が変化することを特徴とする。また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体の少なくとも一つが限界温度に至った場合に前記抵抗値が著しく変化することを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体は、限界温度に至った場合に前記抵抗値が著しく変化する素子であり、前記温度検知体は、複数の前記素子を接続して構成されることを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体は、前記検出対象体が正常動作する臨界温度における抵抗値に前記部分検知体の個数を乗じた値が、前記部分検知体の限界温度における抵抗値よりも小さいことを特徴とする。また、請求項5に記載の発明は、請求項2または3に記載の温度状態検出素子において、前記部分検知体は、前記検出対象体が正常動作する臨界温度における抵抗値を前記部分検知体の個数で除した値が、前記部分検知体の限界温度における抵抗値よりも大きいことを特徴とする。また、請求項6に記載の発明は、複数の検出対象体の温度状態を検出する温度状態検出装置であって、請求項1ないし5いずれかに記載の温度状態検出素子と、前記温度検知体の前記抵抗値の変化に基づいて前記複数の検出対象体の温度状態を検出する検出手段とを具備することを特徴とする。また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5いずれかに記載の温度状態検出素子の検出結果に応じて前記複数の検出対象体への給電を制御することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】1.実施形態の構成実施形態は、自動演奏ピアノのキードライブ部に設置された複数の発熱体(コイル)の過熱状態を一つの温度検知体(温度センサ)で検出するように構成されている。ここで、図1は、実施形態の構成を示す図であり、(a)および(b)は自動演奏ピアノのキードライブ部の断面図である。図1に示すように、電子ピアノのキードライブ部100には、各キー(鍵)に対応したプランジャを駆動する複数のコイル101−1〜101−nが、ヨーク102内に設置されている。温度センサ103は、コイル101−1〜101−nの過熱状態を検出するためのものであり温度検知体である。本実施形態では、温度センサ103として、温度が上がると抵抗値が増えるPTC(Positeve Temperature Coefficient)特性を有するポリマ素子を用いる。ポリマ素子はシート状であり、コイル101−1〜101−nのそれぞれにシートの一部が接するように配置することができるので、一つのポリマ素子によって複数のコイル101−1〜101−nの過熱状態を検出できるようになっている。図1に示すように、2列に配置されたコイル101−1〜101−nの中央に温度センサ103を設置し、各コイル101−1〜101−nと温度センサ102との間には熱伝導体104−1〜104−nを挿入して、コイル101−1〜101−nと温度センサ103との温度差を緩和している。
【0009】ここで、図2は、温度センサ103による過熱状態を検出するための電気的構成を示す図である。図2に示すように、温度センサ103は検出回路110に接続されており、検出回路110は、温度センサ103の抵抗値を検出するように構成されている。図2中”Rp”は、温度センサ103に用いるシート状のポリマ素子全体の抵抗値である。ポリマ素子はシート状になっており、コイル101−1〜101−nと複数の接点において接しているので、この温度センサ103は、図2に示すように、n個のポリマ素子103’−1〜103’−nを直列に接続したものとみなすことができる。そして、各ポリマ素子103’−1〜103’−nの抵抗値をRとすると、温度センサ103全体の抵抗値Rpは、各温度センサ103’−1〜103’−nの抵抗値RのN倍すなわち、Rp=N×Rとなる。
【0010】ここで、図3に、温度センサ103に用いるポリマ素子(各ポリマ素子103’−1〜103’−n、以下特定しない場合は103’)の抵抗−温度特性を示す。図3に示すグラフは、横軸が温度を示しており、縦軸は抵抗値を示している。図3を参照すると、常温A(℃)におけるポリマ素子103’の抵抗値はR(Ω)であり、ポリマ素子103’が限界温度T(℃)まで上昇すると、抵抗値はRt(Ω)となることがわかる。そして、限界温度T(℃)における抵抗値Rt(Ω)は、常温A(℃)におけるポリマ素子103’の抵抗値R(Ω)と比較すると十分に大きな値、すなわち、Rt>>Rとなっている。このように、温度センサ103は、ヨーク102内のすべてのコイル101−1〜101−nに接したポリマ素子103’−1〜103’−nを直列に接続したものとみなすことができるので、広い範囲にわたって設置された発熱体の過熱状態を、一つの温度センサ103によって検出できるようになっている。
【0011】2.実施形態の動作次に、上記構成を有する実施形態の動作について説明する。図2に示した検出回路110は、温度センサ103の抵抗値Rpを所定の時間間隔で検出し、検出された抵抗値Rpが予め設定した限界抵抗値Rcを超えた場合は、コイル101−1〜101−nのいずれかが過熱状態であると判定する。限界抵抗値Rcとしては、常温A(℃)における温度センサ103の全抵抗値N×R(Ω)よりも大きく、かつ、温度センサ103を構成するいずれかのポリマ素子103’−1〜103’−nの限界温度T(℃)における抵抗値Rt(Ω)よりも小さい値、すなわち、RcがRt>Rc>N×Rを満たす値が予め設定されている。
【0012】次に、図4は、時間の経過に伴うポリマ素子103’−1の温度(■)および抵抗値(■)の変化を示すグラフである。ここでは、説明を簡略化するため、図1に示したコイル101−1〜101−nのうち、コイル101−1が発熱した場合を例としている説明する。なお、コイル101−1以外のコイル101−2〜101−nの温度は常温から上昇せず、抵抗値はいずれもR(Ω)のまま変化しないものとして説明する。以下、図4に示した各検出時刻t0、t1、t2において検出回路110によって検出される抵抗値について説明する。
【0013】まず、検出時刻t0においては、コイル101−1は発熱しておらず、ポリマ素子103’−1の温度は常温A(℃)である。従って、検出時刻t0におけるポリマ素子103’−1の抵抗値はR(Ω)である。上述のように、ポリマ素子103’−1〜103’−nは直列に接続されており、その他のポリマ素子103’−2〜103’−nの抵抗値は、いずれもR(Ω)であるので、検出時刻t0における温度センサ103の全抵抗値Rpは、
となり、キードライブ部100は過熱状態ではないと判定される。
【0014】次に、検出時刻t1においては、コイル101−1が発熱し、ポリマ素子103’−1の温度がB(℃)まで上昇しており、このときの抵抗値はRb(Ω)となっている。しかしながら、検出時刻t1におけるポリマ素子103’−1の温度は、限界温度T(℃)には達していないので、ポリマ素子103’−1の抵抗値Rb(Ω)は、常温における抵抗値R(Ω)とほぼ等しい値となる。ポリマ素子103’の抵抗値は、図3に示すように、限界温度T(℃)を境に飛躍的に増加する特性を有するからである。従って、検出時刻t1における度センサ103の全抵抗値Rpは、
となり、キードライブ部100は過熱状態ではないと判定される。
【0015】次に、検出時刻t2においては、コイル101−1が発熱し、ポリマ素子103’−1の温度が限界温度T(℃)まで上昇しており、このときの抵抗値はRt(Ω)となっている。図5に、検出時刻t2における温度センサ103の状態を示す。図5に示すように、検出時刻t2における温度センサ103は、ポリマ素子103’−1の抵抗値がRt(Ω)であり、ポリマ素子103’−2〜103’−nの各抵抗値はR(Ω)である。従って、温度センサ103の全抵抗値Rpは、Rp=Rt+(R×(N−1))
となる。ここで、上述のように、Rt>Rcであるから、温度センサ103の全抵抗値Rp>限界抵抗値Rcとなり、キードライブ部100のいずれかのコイルが過熱状態であると判定される。
【0016】このように、いずれかのポリマ素子103’が限界温度T(℃)に達することによって、温度センサ103の全抵抗値Rpが限界抵抗値Rcを超えるので、シート状のポリマ素子(ポリマ素子103’を直列に接続したものと等価)を用いた一つの温度センサ103に接したn個のコイル101−1〜101−nのいずれかが過熱状態となっていることを検出することができる。従って、一つの温度検知体の検出値を認識できればよいので、回路構成も簡略化できる。また、いずれかのコイル101−1〜101−nが発熱し、いずれかの位置で抵抗値が変化しても、全体の抵抗値の変化の態様は同じであるから、個々の発熱体の過熱状態をほぼ等しく検出することができる。従って、発熱体からの距離に応じてしきい値を設定する必要がなく、検出するためのしきい値を細かく設定することができるようになり、性能限界を高め検出精度を上げることができるようになる。また、複数の発熱体の過熱状態を少数の温度検知体を用いて検出することができるので、多数の温度検知体を設置するためのスペースを必要としない。その上、万一温度センサを全体的に交換する場合には、温度ヒューズなどのようにばらばらではなく、温度センサは一つのユニットになっているので、一括して交換でき、交換が容易になる。
【0017】3.変形例なお、本発明は既述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような各種の変形が可能である。
【0018】上記実施形態では、複数の発熱体のうちの一つが発熱した場合を例として説明しているが、複数の発熱体が発熱した場合でも同様に過熱状態を検出することができることはいうまでもない。また、過熱状態に限らず、検出対象体が通常の温度状態よりも低い温度状態になったことを異常な温度状態として検出するようにしてもよい。また、温度センサ103において検知した抵抗値によって被検知体が正常動作する臨界温度に達したと判定するするための所定の基準となるしきい値の設定も、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、すべてのポリマ素子103’がR+αまでの上昇であれば、Rc>(R+α)×NとなるRcを設定しておけば、すべてのポリマ素子103’の温度が上昇して抵抗値がR+αになった場合でも、温度センサ103全体としては過熱状態が検出されないようにすることもできる。この場合は、抵抗値がR+αは、検出対象体(コイル)が正常動作する臨界温度における抵抗値となる。
【0019】上記実施形態においては、温度センサ103には、シート状のポリマ素子を用いて、各検出対象体に近接した一部分を部分検出体としているが、図6に示すように、複数のポリマ素子203−1〜203−nを熱伝導ゴム204などで挟むような構成にしてもよい。この場合において、各ポリマ素子203−1〜203−nを直列に接続すれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0020】上記実施形態では、温度センサ103を2列に配置したコイル101−1〜101−nの中央に設置してるが、これに限らず、図7に示すように、さまざまな位置に設置することが可能である。例えば、図7(a)に示すように、コイル101−1〜101−nの下側に位置するように、ヨーク102の下部に設置してもよいし、図7(b)に示すようにコイル101−1〜101−nの側面に位置するように、ヨーク102の内側に設置してもよい。また、上述したポリマ素子をテープ状にして、例えば図8に示すように、離れた位置に設置されたコイル101−1〜101−nに対して、温度センサ103の一部がそれぞれ接触するように温度センサ103を設置するようにすれば、熱伝導体を設ける必要がなくなる。
【0021】また、上記実施形態においては、温度検知体を構成する素子として、所定の温度状態において電気抵抗が増加するポリマ素子103’を用いているので、ポリマ素子103’を直列に接続しているが、所定の温度状態において電気抵抗が減少する素子を用いる場合は、素子を並列に接続した温度センサ103を用いてもよい。この場合は、常温A(℃)におけるポリマ素子103’の抵抗値はR(Ω)であり、ポリマ素子103’が限界温度T’(℃)まで下降すると、抵抗値はRt’(Ω)となる。そして、限界温度T’(℃)における抵抗値Rt’(Ω)は、常温A(℃)におけるポリマ素子103’の抵抗値R(Ω)と比較すると十分に小さな値、すなわち、Rt’<<Rとなっている。従って、常温A(℃)における温度センサ103の抵抗値Rpは、 1/Rp=(1/R)×N =N/R Rp=R/Nとなり、限界抵抗値Rcを、Rt’<Rc<R/Nとなるように設定すればよい。すなわち、ポリマ素子103’−1が限界温度T’(℃)に達した場合の温度センサ103の抵抗値Rpは、Rt<<Rであるので、 1/Rp=(1/Rt’)+((N−1)/R)
Rp=(Rt’×R)/(R+Rt’(N−1))
<Rt’<Rcとなるので、検出回路110において検出される温度センサ103の抵抗値Rpが限界抵抗値Rcを下回った場合には、検出対象体が正常動作する臨界温度に達したと判別することができる。
【0022】温度センサ103’において検知した抵抗値によって検出対象体が正常動作する臨界温度に達したと判定するための所定の基準となるしきい値の設定も、すべてのポリマ素子103’についてR−αまでの減少であれば、Rc<(R−α)/NとなるRcとすれば、すべてのポリマ素子103’の温度状態によって抵抗値がR−αになった場合でも、温度センサ103’全体としては臨界温度に達したとは検出されないようにすることもできる。
【0023】また、ポリマ素子203−1〜203−nに限らず所定の温度において抵抗値が急変する温度検知体であれば、サーミスタやヒューズを用いてもよい。要するに、複数の温度検知体を直列に接続した状態で使用する場合には、検出対象体(コイル)が正常動作する臨界温度における抵抗値(R+α)に素子の個数(N)を乗じた値((R+α)×N)が、温度検知体の限界温度における抵抗値(Rt)よりも小さい(Rt>(R+α)×N)温度検知体であればどのようなものでもよい。一方、複数の温度検知体を並列に接続した状態で使用する場合には、検出対象体(コイル)が正常動作する臨界温度における抵抗値(R−α)を素子の個数(N)を除した値((R−α)/N)が、温度検知体の限界温度における抵抗値(Rt’)よりも大きい温度検知体であればどのようなものでもよい。なお、上記実施形態のように、複数の素子を接続したものとして一つの素子を扱う場合も同様であり、この場合は、各検出対象体に近接した部分が各素子とみなされるので、素子の個数Nは検出対象体の個数に該当することになる。このように複数の素子を接続することによって一つの温度検知体を構成する場合は、必ずしも各検出対象体の数だけ素子を必要とはしない。一の温度検知体のいずれかの場所において部分的に変化する属性と所定の基準とに基づいて温度検知体全体として、検出対象体(コイル)が正常動作する臨界温度に達したか否かを検出できれば素子の数は問わない。
【0024】また、上記実施形態では、自動演奏ピアノのキードライブ部中のコイルを例に発熱体の説明をしているが、これに限らず広い範囲にある複数の検出対象体としては、例えば、ピアノのペダルドライブ部などを駆動するコイルでもよい。また、パイプオルガンのキードライブ、ペダルドライブ、ストップ(音栓)ドライブ、スエル(遮音板)ドライブ等の動く部分であってもよい。
【0025】さらに、図9に示すように、ポリマ素子103(温度検知体)をコイル101(検出対象体)の給電経路に介在させると、コイル101が過熱状態になった場合には、ポリマ素子103の抵抗値Rpが限界抵抗値Rcを越えるので、コイル101の入力電流が微少になる。このように、ポリマ素子103は、コイル101が過熱状態になった場合に給電を制限するためのヒューズとしても機能させることが可能である。また、検出回路110、210で検出される温度センサの抵抗値により、検出対象体の温度が臨界温度に達したと判別された場合に、検出対象体への給電を停止するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、少数の温度検知体を用いて複数の検出対象体の温度状態を精度良く検出することができる。
【出願人】 【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
【出願日】 平成11年4月8日(1999.4.8)
【代理人】 【識別番号】100098084
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 研二 (外1名)
【公開番号】 特開2000−241256(P2000−241256A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−101734