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【発明の名称】 熱電対装置
【発明者】 【氏名】大江 憲保

【氏名】田辺 博司

【氏名】堀口 幹夫

【氏名】古城 靖彦

【氏名】高山 定和

【氏名】梶田 慎道

【要約】 【課題】測温応答性を改善するのに有利な熱電対装置を提供すること。

【解決手段】熱電対装置は、先端が閉鎖された挿入孔2を備え耐熱性をもつ材料で形成された外側保護管1と、外側保護管1の挿入孔2に挿入され熱電対挿入孔60を備え電気絶縁性をもつ材料で形成され絶縁管6と、熱電対挿入孔60に挿入され先端側に測温接点73を備えた熱電対71,72とをもつ。外側保護管1の挿入孔2の内壁面と絶縁管6の先端6kの外壁面との間には、伝熱保護層8が配置されている。伝熱保護層8は、熱伝導性が良好な金属で形成されるか、または金属を主要成分とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】先端が閉鎖された挿入孔を備え耐熱性をもつ材料で形成された外側保護管と、前記外側保護管の挿入孔に挿入され熱電対挿入孔を備え電気絶縁性をもつ材料で形成され絶縁管と、前記絶縁管の熱電対挿入孔に挿入され先端側に測温接点を備えた熱電対とをもつ熱電対装置であって、前記外側保護管の挿入孔の内壁面と前記絶縁管の先端の外壁面との間には、熱伝導性が良好な金属で形成されまたは金属を主要成分とする伝熱保護層が配置されていることを特徴とする熱電対装置。
【請求項2】請求項1において前記伝熱保護層は有底円筒状をなすキャップ形状であることを特徴とする熱電対装置。
【請求項3】請求項1または2において前記伝熱保護層は白金で形成されていることを特徴とする熱電対装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は測温用の熱電対装置に関する。本発明は、例えば、金属溶湯(鋳鉄溶湯、鋳鋼溶湯、銅溶湯、アルミ溶湯、亜鉛溶湯など)やガスの温度を測定する際に使用できる。
【0002】
【従来の技術】従来より、測温用の熱電対装置が提供されている(特開昭60−198423号公報など)。この熱電対装置は、先端が閉鎖された挿入孔を備え耐熱性をもつ材料で形成された外側保護管と、外側保護管の挿入孔に挿入され熱電対挿入孔を備え電気絶縁性をもつ材料で形成され絶縁管と、絶縁管の熱電対挿入孔に挿入され先端側に測温接点を備えた熱電対とをもつ。
【0003】熱電対の測温接点により、金属溶湯などの測温対象物の温度を測定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この熱電対装置においては、測温の際の時定数は大きく、測温応答性は必ずしも満足できるものではなかった。本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、測温応答性を改善するのに有利な熱電対装置を提供することを課題とするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱電対装置は、先端が閉鎖された挿入孔を備え耐熱性をもつ材料で形成された外側保護管と、外側保護管の挿入孔に挿入され熱電対挿入孔を備え電気絶縁性をもつ材料で形成され絶縁管と、絶縁管の熱電対挿入孔に挿入され先端側に測温接点を備えた熱電対とをもつ熱電対装置であって、外側保護管の挿入孔の内壁面と絶縁管の先端の外壁面との間には、熱伝導性が良好な金属で形成されまたは金属を主要成分とする伝熱保護層が配置されていることを特徴とするものである。
【0006】本発明装置によれば、外側保護管の挿入孔の内壁面と絶縁管の先端の外壁面との間には、伝熱保護層が配置されている。伝熱保護層は、熱伝導性が良好な金属で形成されまたは金属を主要成分とするため、熱伝導性が良好でないアルミナなどのセラミックス材料とは異なり、熱伝導性が良く、熱電対の測温点による測温応答性が改善される。
【0007】更に、伝熱保護層は、熱電対、特に熱電対の測温接点を包囲しているため、測温接点をもつ熱電対を保護する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明装置によれば、挿入孔の内壁面と絶縁管の先端の外壁面との間には、熱伝導性が良好な金属で形成されまたは金属を主要成分とする伝熱保護層が配置されている。伝熱保護層は熱伝導性が良いため、前記したように、熱電対による測温応答性を高めるのに有利となる。伝熱保護層は、熱電対の先端や測温接点を包囲するキャップ形状に形成できる。伝熱保護層は薄肉の有底円筒キャップ形状が好ましいが、厚肉の有底円筒キャップ形状であっても良い。
【0009】使用の際の熱などによって、外側保護管の構成材料と熱電対とが反応するおそれがある場合がある。あるいは、外側保護管の構成材料から発生するガスと熱電対とが反応するおそれがある場合がある。これらの場合には、前記したように、伝熱保護層が、熱電対、特に熱電対の測温接点を包囲して保護する役割を果たすことも期待できる。
【0010】上記した伝熱保護層を構成する金属としては、熱伝導率、耐高温性、ガスバリヤ性、耐破損性等の性質の確保を考慮し、熱電対装置の使用環境などに応じて選択でき、例えば、白金系、金系等の貴な金属系を採用できる。あるいは場合によっては、鉄系、ニッケル系、ステンレス鋼系、チタン系、銅系、アルミ系、モリブデン系、コバルト系等も採用できる。伝熱保護層を構成する金属は、純度が高い金属であっても良いし、合金であっても良い。
【0011】本発明装置で用いる熱電対としては、測温できるものであれば良く、使用条件によって選択でき、白金-白金ロジウム系であっても、アルメル-クロメル系であっても、クロメル-コンスタンタン系であっても、鉄-コンスタンタン系であっても、銅-コンスタンタン系であっても良い。本発明装置においては、伝熱保護層と外側保護管とは接触していても良い。あるいは、伝熱保護層と外側保護管との間に隙間が形成されていても良い。伝熱保護層と絶縁管とは接触していても良い。あるいは、伝熱保護層と絶縁管との間には隙間が形成されていても良い。
【0012】外側保護管は、耐熱性をもつ材料で形成されている。外側保護管を構成する材料としては、サーメット材料、セラミックス材料などを採用できる。サーメット材料は、金属相に粒子状の耐火物相を分散させて構成されている。本発明装置によれば、測温接点をもつ熱電対を備えた絶縁管の先端部が外側保護管の挿入孔の先端側に挿入されている。
【0013】本発明装置の好ましい態様によれば、外側保護管は、外側保護管の先端側の外径が外側保護管の基端側の外径よりも小さくされた径小筒部を備えている構成を採用できる。この場合には、外側保護管の先端の周壁の肉厚が薄くなるため、熱電対による測温応答性を高めるのに一層有利となる。本発明装置は、測温対象物に外側保護管の先端部を接触させ、測温対象物の温度を測定する。測温対象物としては、金属溶湯などの液体、雰囲気ガスなどの気体、金属物や耐火物等の固体などを採用できる。
【0014】金属溶湯等の液体を本発明装置によって測温する場合には、金属溶湯等の液体の液面に上方から、本発明装置の先端を浸漬させても良い。あるいは、金属溶湯などの液体を貯留している容器の壁部(例えば底部や側壁部)から、本発明装置の先端を浸漬させても良い。
【0015】
【実施例】(第1実施例)以下、図1,図2を参照して第1実施例を説明する。本実施例に係る熱電対装置においては、有底円筒パイプ状をなす外側保護管1が軸長方向に延設されて設けられている。外側保護管1は、耐熱性をもつ材料の1種であるサーメット材料により形成されている。サーメット材料は、金属相に粒子状の耐火物相を分散させて構成されている。本実施例では、モリブデン相に粒子状のジルコニア相を分散させて構成されている。つまりMo相−ZrO2相の混合材料で構成されている。これは耐溶損性、耐高温性、熱伝導性等の特性の確保を考慮したものである。外側保護管1は外壁面1aをもつ。
【0016】外側保護管1の内部には、横断面円形状の挿入孔2が軸長方向に沿って延設されて形成されている。外側保護管1の挿入孔2の先端は、閉鎖部10により閉鎖されている。閉鎖部10は、ほぼ球状面をもつ外壁面10aと、ほぼ球状面をもつ内壁面10cとを備えている。外側保護管1の肉厚t1は、外側保護管1の閉鎖部10の肉厚t2とほぼ相応しており、外側保護管1における肉厚変動を抑制している。
【0017】外側保護管1の挿入孔2は、外側保護管1の先端1k側に設けられた径小孔20と、径小孔20に連通する主孔25とで構成されている。径小孔20と主孔25とは同軸的に形成されている。径小孔20の内径をD1として示す。主孔25の内径をD2として示す。径小孔20の内径D1は、主孔25の内径D2よりも小さい。径小孔20の長さをL1として示す。L1にわたり、径小孔20の内径は実質的に同一とされているが、場合によっては、先端から離れるにつれて内径が僅かに拡径するように僅かに傾斜していても良い。
【0018】主孔25のうち径小孔20に連続する側には、径小孔20に向かうにつれて内径が次第に縮径する円錐壁面27が形成されている。円錐壁面27は、後述する絶縁管6の先端6kを径小孔20に挿入する際のガイド作用を期待できる。円錐壁面27に中間保護管9の軸端が当接すれば、中間保護管9を挿入孔2内にそれ以上進入させることができず、中間保護管9の進入量が規制される。
【0019】外側保護管1の先端1kを除いた外周面には、流動性をもつキャスタブル材料(例えばアルミナ耐火材料)を外側保護管1に鋳包んで固化成形した円筒状の保護スリーブ3が被覆されている。保護スリーブ3は内周面3aと外周面3bと端面3cとをもつ。保護スリーブ3から突出している外側保護管1の軸長は、L2として示されている。外側保護管1の先端1kの外径をE1として示す。保護スリーブ3の外径をE2として示す。なお、外側保護管1の外径E1は外側保護管1の全長にわたりほぼ同一にできる。保護スリーブ3の外径E2は保護スリーブ3の全長にわたりほぼ同一にできる。
【0020】図1に示すように、保護スリーブ3の基端3m側には、円筒状の固定金具4が同軸的に被覆されている。固定金具4は、耐高温性に優れた金属(例えばステンレス鋼)で形成されている。固定金具4の周壁に形成した通孔4aに挿入したビス4cを保護スリーブ3に係止している。固定金具4には、中央孔5aをもつ金属パイプ5が同軸的に連設されている。金属パイプ5は、耐高温性に優れた金属(例えばステンレス鋼)で形成されている。金属パイプ5には電気コネクタ52が保持されている。
【0021】絶縁管6は電気絶縁性をもつ材料(例えばアルミナ耐火材料)で形成されている。図2において絶縁管6の外径をD4として示す。絶縁管6には、互いに独立して軸長方向に沿って並走された2個の熱電対挿入孔60が形成されている。絶縁管6の熱電対挿入孔60にはワイヤ状の熱電対71,72(白金-白金ロジウム)が個々に挿入されており、熱電対71,72の途中部が互いに短絡することは防止されている。熱電対71,72の先端側には、両者を接合した測温接点73が設けられている。熱電対71,72の基端は電気コネクタ52に接続されている。
【0022】本実施例においては、図2に示すように、測温接点73をもつ熱電対71,72を備えた絶縁管6は、中間保護管9の中央孔9a内に挿入されている。そして絶縁管6は中間保護管9と共に外側保護管1の挿入孔2内に挿入されている。図2に示すように、絶縁管6の先端6kは、中間保護管9の一端開口9cから先方に突き出しており、外側保護管1の先端1k側の径小孔20に挿入されて配置されている。
【0023】本実施例においては、外側保護管1の挿入孔2の径小孔20の内壁面と絶縁管6の先端6kの外壁面との間には、伝熱保護層として機能する伝熱金属キャップ8が配置されている。伝熱金属キャップ8は、貴な金属である白金を用いて、有底の円筒パイプ形状をなすように形成されている。白金は薄肉形状への塑性変形が容易であり、更に、セラミックス材料と異なり、機械的性質が脆くなく、耐高温性に優れており、熱伝導率も高い。更にガスバリヤ性も高い。
【0024】伝熱金属キャップ8の外径は軸長にわたりほぼ同一にでき、内径も軸長にわたりほぼ同一にできる。例えば、伝熱金属キャップ8の外径は約3.6mm、内径は約3.2mm、従って伝熱金属キャップ8の周壁の肉厚は薄く、伝熱金属キャップ8の軸長は径小孔20の軸長に対応するように約30mm〜60mmにできる。
【0025】図2に示すように、伝熱金属キャップ8の先端は閉鎖部80で閉鎖されている。伝熱金属キャップ8の閉鎖部80の近傍に、熱電対71,72の測温接点73が位置している。従って、熱電対71,72の測温接点73が外側保護管1に直接的に接触することは抑えられている。本実施例では、上記した外側保護管1の挿入孔2の径小孔20の内径D1は約4mm、主孔25の内径D2は約10mm、径小孔20の長さL1は約50mm、外側保護管1の突出長L2は約70mm、外側保護管1の先端1kの外径E1は約24mm、保護スリーブ3の外径E2は約40mmにできる。
【0026】本実施例装置は、使用の際には、外側保護管1の先端1kを測温対象物に接触させ、測温対象物の温度を測定する。測温対象物としては、金属溶湯などの液体、雰囲気ガスなどの気体がある。金属溶湯等の液体を本実施例装置によって測温する場合には、金属溶湯等の液体の液面に上方から、本実施例装置の外側保護管1の先端1kを浸漬させても良い。あるいは、金属溶湯などの液体を貯留している容器(溶解炉、取鍋、タンデッシュなど)の底部に本実施例装置を取付け、本実施例装置の外側保護管1の先端1kを金属溶湯などの液体に浸漬させても良い。
【0027】以上の説明から理解できるように本実施例においては、外側保護管1の挿入孔2の径小孔20の内壁面と絶縁管6の先端6kの外壁面との間には、金属製で熱伝導性が良好な円筒パイプ形状の伝熱金属キャップ8が配置されている。故に、熱電対71,72の測温接点73による測温応答性を高めるのに有利となる。つまり測温における時定数の短縮を図るのに有利となる。
【0028】更に、伝熱金属キャップ8は金属である白金で形成されているため、セラミックス材料とは異なり、脆くなく、薄肉であっても容易に破損することはない。故に測温接点73の耐久性向上に有利である。使用の際の熱などによって、外側保護管1の構成材料と熱電対71,72とが反応するおそれがある。あるいは、外側保護管1の構成材料から発生するガスと熱電対71,72とが反応するおそれがある。これらの場合には、熱電対71,72の先端や測温接点73を伝熱金属キャップ8が包囲して保護しているため、伝熱金属キャップ8が熱電対71,72、測温接点73の劣化を抑える役割を果たすことも期待できる。そのため熱電対71,72、測温接点73の耐久性向上、長寿命化を図り得る。
【0029】本実施例においては、外側保護管1の挿入孔2の先端側は、内径が大きい主孔25ではなく、内径が小さい径小孔20であるため、径小孔20の内壁面と絶縁管6との外壁面との隙間幅を小さくすることができる。そのため、余分な隙間空間が低減または消失する。よって、熱電対71,72の測温接点73による測温応答性を向上させるのに貢献できる。つまり測温における時定数の短縮を図るのに有利となる。例えば、外側保護管1の径小孔20の内壁面と絶縁管6の先端6kの外壁面との間に詰める装填物(例えば耐火材料の粉末)を低減または廃止することもできる。
【0030】ところで、外側保護管1の挿入孔2の内径を挿入孔2の全長にわたりD1としつつ、挿入孔2を真っ直ぐに形成しようとすることは、製造工程上容易ではない。外側保護管1の製造工程における歪、反りなどの影響があるからである。この場合には、全長にわたり内径がD1と小さい挿入孔は、高精度では真っ直ぐとなりにくい。このような歪みや反りが発生した挿入孔に絶縁管6を挿入する操作が困難となる。
【0031】この点本実施例においては、外側保護管1の挿入孔2を先端側の径小孔20と主孔25とに分け、主孔25の内径をD2と大きくしつつ、径小孔20の内径D1のみを小さくしている方式が採用されている。そのため、上記したような絶縁管6の挿入が困難となる不具合を回避するのに有利となる。
(第2実施例)以下、第2実施例を図3,図4参照して説明する。
【0032】第2実施例は第1実施例と基本的には同様の構成である。従って同一機能を奏する部位には同一の符号を付する。本実施例においても、前記した実施例の場合と同様に、外側保護管1の挿入孔2の径小孔20の内壁面と絶縁管6の先端6kの外壁面との間には、貴な金属である白金を用いて形成された円筒パイプ形状をなす伝熱保護層として機能する伝熱金属キャップ8が配置されている。故に熱電対71,72の測温接点73による測温応答性を高めるのに有利となる。
【0033】更に本実施例においても、伝熱金属キャップ8は白金製であり、耐高温性に優れており、熱伝導率も高く、ガスバリヤ性も高い。この伝熱金属キャップ8が熱電対71,72の先端や測温接点73を包囲して保護しているため、伝熱金属キャップ8が熱電対71,72の劣化を抑える役割を果たすことを期待できる。加えて本実施例においては、外側保護管1の挿入孔2の先端側は、内径が小さな径小孔20であるため、熱電対71,72の測温接点73による測温応答性を高めるのに一層有利となる。
【0034】また本実施例においては図4に示すように、外側保護管1の先端1kには、円錐外壁面14を介して径小筒部15が同軸的に形成されている。径小筒部15の軸長はL4として示されている。径小筒部15の外径はE4として示されている。外側保護管1の基端側の外径はE1cとして示されている。径小筒部15の外径E4は、外側保護管1の基端側の外径E1cよりも小さくされている。この結果、外側保護管1の先端1kの周壁の肉厚が薄くなるため、外側保護管1の先端1kの熱容量が低減される。そのため、外側保護管1の先端1kを介しての熱電対71,72の測温接点73への熱伝達が早く行われる。故に、熱電対71,72による測温応答性を一層高めるのに有利となる。つまり測温における時定数の短縮を図るのに有利となる。
【0035】更に本実施例においては、図3に示すように金属パイプ5には高さ合わせ用のストッパリング55が設けられている。本実施例においては、図4において、外側保護管1の径小筒部15の外径E4は約12mm、径小筒部15の軸長L4は約50mm、径小孔20の内径D1は約4mm、主孔25の内径D2は約10mm、径小孔20の長さL1は約50mm、外側保護管1の突出長L2は約70mmにできる。
【0036】(他の例)伝熱保護キャップ8と絶縁管6との間の隙間、外側保護管1と伝熱保護キャップ8との間の隙間の少なくとも一方に、アルミナ粉末粒子を収容しても良い。アルミナ粉末粒子は熱伝導性が良好であるため、測温応答性の向上に貢献できる。アルミナ粉末粒子の純度が高い方が、熱電対を劣化させる性質をもつシリコンなどの不純物が低減されるため、好ましく、例えば、重量比で99.7%にできる。上記したアルミナ粉末粒子の平均粒径は適宜選択でき、300μm以下、200μm以下、100μm以下にできる。なお不純物があると、低融点化したり、高温で組織が変質したりし易くなり、周りの材料に固着し易くなる傾向がある。
【0037】上記した伝熱保護キャップ8は白金を用いて形成されているが、これに限らず、使用環境に応じて、炭素鋼系、合金鋼系、ステンレス鋼系、ニッケル系、銅系、アルミ系等の他の金属で形成されていても良いものである。上記した伝熱保護キャップ8は有底形状キャップ形状であるが、これに限らず、上記した白金などの金属で形成したテープや箔などの帯状物を用い、帯状物を絶縁管6の先端、あるいは、測温接点73等に巻回し、これにより伝熱保護層を構成しても良いものである。
【0038】その他、本発明装置は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で必要に応じて適宜変更して実施できるものである。例えば、前記したL1はL2よりも大きくすることもできる。上記した寸法サイズは上記した値や範囲に限定されるものではなく、また上記した材料に限定されるものではなく、使用状況に応じて適宜選択できることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】本発明装置によれば、外側保護管の挿入孔の内壁面と絶縁管の先端との間には、熱伝導率が良好である伝熱保護層が配置されているため、熱電対による測温応答性の向上を図ることができる。本発明装置によれば、使用の際の熱などによって、外側保護管の構成材料と熱電対とが反応して熱電対が劣化するおそれがある場合、あるいは、外側保護管の構成材料から発生するガスと熱電対とが反応して熱電対が劣化するおそれがある場合であっても、熱電対の先端や測温接点を伝熱保護層が包囲して保護しているため、熱電対が劣化することを抑える役割を果たす。
【出願人】 【識別番号】599009846
【氏名又は名称】社団法人日本強靭鋳鉄協会
【識別番号】000000103
【氏名又は名称】株式会社池貝
【識別番号】599008366
【氏名又は名称】株式会社堀口鋳工所
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
【出願日】 平成11年1月20日(1999.1.20)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
【公開番号】 特開2000−213994(P2000−213994A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−12522