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【発明の名称】 合成樹脂製壜体の口部温度測定方法
【発明者】 【氏名】菅原 良二

【氏名】清水 一彦

【氏名】筒井 直樹

【要約】 【課題】合成樹脂製壜体への内容液の充填密封工程中における、キャップ外装状態での壜体口部の温度測定を可能にすることを技術的課題とし、もって充填密封工程中の壜体口部における殺菌状況を把握可能にする。

【解決手段】合成樹脂製壜体1の口部2外周面に削設した縦溝3に、温度センサー4を、少なくともその温度感知部6を溝内に位置させて固定し、この温度センサー4にデータコレクター8を接続した状態で、壜体1を内容液充填ラインに送って充填、キャッピング、殺菌等の所定の処理を行い、この処理工程中における口部2の温度情報をデータコレクター8に記録させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製壜体(1) の口部(2) 外周面の、該口部(2) に密に外装されるキャップ(9) で覆われる箇所に縦溝(3) を削設し、該縦溝(3) に温度センサー(4) を、前記口部(2) に対する前記キャップ(9) のキャッピングに支障を与えない状態で、少なくとも前記温度センサー(4) の温度感知部(6) を前記縦溝(3) 内に位置させて固定し、前記温度センサー(4) にデータコレクター(8) を接続した状態で、前記壜体(1) を内容液充填密封ラインに送って、充填、キャッピング、殺菌等の所定の処理を行い、該処理工程中における前記口部(2) の温度情報を前記データコレクター(8) に記録させる、合成樹脂製壜体の口部温度測定方法。
【請求項2】 縦溝(3) を口部(2) 上端面に開放させて削設し、温度センサー(4) の温度感知部(6) を、前記口部(2) 上端面相当部分に位置させた請求項1記載の合成樹脂製壜体の口部温度測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内容液充填密封工程中における、合成樹脂製壜体の口部温度測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、殺菌を必要とする清涼飲料等の内容液の、PETボトル、PPボトル等の合成樹脂製壜体への殺菌を達成しながらの充填密封は、次のような工程で行われている。
■非炭酸飲料の場合熱充填(85℃以上)→キャッピング→転倒殺菌→パストライズ(熱湯シャワーによる殺菌)→冷却■炭酸飲料の場合低温充填(5℃前後)→キャッピング→パストライズ→冷却【0003】従来、上記工程中における内容液の温度およびパストライザーのシャワー温度は、缶容器の殺菌時間測定用のデータトレーサー等により測定可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記充填密封工程において、熱充填もしくはパストライザーにより殺菌が必要なものについては、壜体口部(主にキャップとの嵌合部)に付着した内容液の腐敗が危惧されるが、口部にキャップが密に組付けられた状態で、この口部の温度を正確に測定することは不可能であったため、口部での殺菌状況を把握、確認することができない、と云う問題があった。
【0005】そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、合成樹脂製壜体への内容液の充填密封工程中における、キャップが密に組付けられた状態での壜体口部の温度測定を可能にすることを技術的課題とし、もって充填密封工程中の壜体口部における殺菌状況を把握可能にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明は、合成樹脂製壜体の口部外周面の、この口部に密に外装されるキャップで覆われる箇所に縦溝を削設すること、この縦溝に温度センサーを、口部に対するキャップのキャッピングに支障を与えない状態で、少なくとも温度センサーの温度感知部を縦溝内に位置させて固定すること、温度センサーにデータコレクターを接続した状態で、壜体を内容液充填密封ラインに送って、充填、キャッピング、殺菌等の所定の処理を行い、この処理工程中における口部の温度情報をデータコレクターに記録させること、にある。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、縦溝を口部上端面に開放させて削設し、温度センサーの温度感知部を、口部上端面相当部分に位置させたことを、加えたものである。
【0008】ここで、縦溝の「口部上端面相当部分」とは、口部上端面の延長面上に位置する部分を意味している。
【0009】口部温度測定用の温度センサーを、口部外周面に削設した縦溝に取り付けるので、温度センサーが口部に対するキャップのキャッピングに支障を与えない状態とするのが容易であり、キャップは、縦溝を設けない場合と同等に、口部の密封を確実に達成する。
【0010】また、縦溝は、キャップで覆われる口部外周面箇所に成形されているので、この縦溝内に位置する温度センサーの温度感知部に、パストライザーの熱湯が直接接触することはなく、これにより温度センサーは、キャップで覆われた壜体の口部の温度を正確に測定することになる。
【0011】従って、キャップが外装組付けされた状態であっても、温度センサーにより口部の温度を直接測定することができるので、内容液充填密封工程中における正確な口部温度を測定することができ、もって充填密封工程中の壜体口部における殺菌状況を正確に把握することができる。
【0012】請求項2記載の発明にあっては、温度センサーの温度感知部を、口部上端面相当部分、すなわちパストライザーによる加熱が最も行われ難いと思われるキャップによる口部のシール部分に位置させることができるので、内容液が付着残存するこの口部のシール部分の殺菌状況を正確に把握することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。まず、図1に示すように、PETボトル、PPボトル等の合成樹脂製壜体1の口部2外周面に、ハンドグラインダー等により、口部2に対するキャップ9の密な外装組付けに支障を与えない幅および深さの縦溝3を削設する(斜線で図示した部分)。
【0014】そして、この縦溝3に、図2に示すように、可撓性を有する本体部5の上端に温度感知部6を、下端に接続コード7を設けた温度センサー4を、少なくともその温度感知部6を縦溝3内に位置させて、接着剤等により固定する。
【0015】この温度センサー4としては、例えば理化電機工業(株)製の超小型センサーST−50等が好適である。
【0016】次に、温度センサー4の接続コード7に、耐水・耐熱性のケースに収納したデータコレクター8を接続した後、この壜体1をサンプルとして内容液充填密封ラインに送り、充填、キャッピング、殺菌等の所定の処理を行う。
【0017】充填密封理後の冷却終了後、データコレクター8を取り外し、得られた温度情報等のデータをコンピュータに転送してデータ処理を行い、充填密封工程中における口部2の加熱温度が、所定の殺菌条件を満たしているかどうかを確認し、壜体1の構造、寸法別、および内容液の種類別に応じたパストライザーの温度設定および時間設定を得る。
【0018】なお、温度センサー4の温度感知部6を縦溝3内の複数箇所に設けることにより、口部2のより正確な加熱温度分布を知ることができるが、この際、縦溝3の深さを大きくして、口部2の壁厚方向の加熱温度分布を知るのが、口部2の加熱状況をより正確に把握するのに有効である。
【0019】
【発明の効果】本発明は,上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。口部温度測定用の温度センサーを、口部外周面に削設した縦溝に取り付けることにより、キャップが密に外装組付けされた状態での口部の温度を直接測定することができるので、内容液充填密封工程中における正確な口部温度を測定することができ、もって充填密封工程中の壜体口部における殺菌状況を正確に把握することができる。
【0020】口部加熱状況をデータとして得ることができるので、壜体の構造、寸法別および内容液の種類別に応じたパストライザーの温度設定および時間設定を得ることができ、これによりパストライザーによる加熱処理を壜体の構造、寸法別および内容液の種類別に応じてパターン化することができ、もってパストライザーによる殺菌処理を確実で正確でそして容易なものとすることができる。
【0021】請求項2記載の発明にあっては、口部のシール部分の加熱状況を正確に知ることができるので、最も腐敗の発生し易い口部シール部分の確実な殺菌処理を得ることができ、もってきわめて高い安全性を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
【出願日】 平成10年6月26日(1998.6.26)
【代理人】 【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
【公開番号】 特開2000−9544(P2000−9544A)
【公開日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願番号】 特願平10−179937