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【発明の名称】 フローセンサ故障判定装置及びその方法
【発明者】 【氏名】小田 清志

【氏名】山浦 路明

【要約】 【課題】サーモパイルにダスト等が付着してフローセンサが故障した場合にそのフローセンサが故障したことを容易に判定でき、これによって、流体の流量の誤計測をなくすフローセンサ故障判定装置及びその方法を提供する。

【解決手段】マイクロフローセンサ1のマイクロヒータ4が流体を加熱すると、マイクロヒータ4の加熱と並行して、上流側サーモパイル8は、マイクロヒータ4による加熱前の流体の温度を検出し、下流側サーモパイル5は、マイクロヒータ4による加熱後の流体の温度を検出する。そして、第1の電圧測定部35は、下流側サーモパイル5の両端電極間の電圧を測定し、第2の電圧測定部37は、上流側サーモパイル8の両端電極間の電圧を測定し、故障判定部43は、第1の電圧測定部35で測定された両端電極間の電圧に基づく抵抗値及び第2の電圧測定部37で測定された両端電極間の電圧に基づく抵抗値に基づきマイクロフローセンサ1の故障の有無を判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体を加熱するヒータ、このヒータに対して前記流体の上流側に配置され、前記流体の温度を検出する上流側サーモパイル、及び前記ヒータに対して前記流体の下流側に配置され、前記流体の温度を検出する下流側サーモパイルを有するフローセンサと、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれで検出された熱起電力信号の差値に基づき流体の流速または流量を計測する計測手段と、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定する抵抗測定手段と、この抵抗測定手段で測定された抵抗値に基づき前記フローセンサの故障の有無を判定する故障判定手段と、を備えることを特徴とするフローセンサ故障判定装置。
【請求項2】 前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルに一定電流を流す定電流駆動手段と、前記下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第1の電圧測定手段と、前記上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第2の電圧測定手段とを備え、前記抵抗測定手段は、前記第1の電圧測定手段で得られた電圧に基づき前記下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、前記第2の電圧測定手段で得られた電圧に基づき前記上流側サーモパイルの抵抗値を測定することを特徴とする請求項1記載のフローセンサ故障判定装置。
【請求項3】 前記ヒータに電流を流して加熱している時には前記計測手段が流速または流量を計測し、前記ヒータに電流を流さず加熱していない時には前記故障判定手段が前記フローセンサの故障の有無を判定するように、制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフローセンサ故障判定装置。
【請求項4】 前記故障判定手段により前記フローセンサが故障していると判定された場合には、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のフローセンサ故障判定装置。
【請求項5】 フローセンサのヒータにより流体を加熱し、前記ヒータに対して前記流体の上流側に配置された前記フローセンサの上流側サーモパイルにより前記流体の温度を検出し、前記ヒータに対して前記流体の下流側に配置された前記フローセンサの下流側サーモパイルにより前記流体の温度を検出する検出ステップと、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれで検出された熱起電力信号の差値に基づき流体の流速または流量を計測する計測ステップと、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定する抵抗測定ステップと、測定された抵抗値に基づき前記フローセンサの故障の有無を判定する故障判定ステップと、を含むことを特徴とするフローセンサ故障判定方法。
【請求項6】 前記下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第1の電圧測定ステップと、前記上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第2の電圧測定ステップとを含み、前記抵抗測定ステップは、前記第1の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき前記下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、前記第2の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき前記上流側サーモパイルの抵抗値を測定することを特徴とする請求項5記載のフローセンサ故障判定方法。
【請求項7】 前記ヒータに電流を流して加熱している時には流速または流量を計測し、前記ヒータに電流を流さず加熱していない時には前記フローセンサの故障の有無を判定するように、制御する制御ステップを含むことを特徴とする請求項5または請求項6記載のフローセンサ故障判定方法。
【請求項8】 前記フローセンサが故障していると判定された場合には、その旨を報知する報知ステップを含むことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載のフローセンサ故障判定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流量計測として用いることができる流速センサ(以下、フローセンサと称する。)のサーモパイルにダスト、ドレン、結露が付着してフローセンサが故障した場合に、そのフローセンサの故障の有無を判定するフローセンサ故障判定装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来の熱型のマイクロフローセンサの構成図を示す。マイクロフローセンサ1は、Si基板2、ダイアフラム3、ダイアフラム3上に形成された白金等からなるマイクロヒータ4、マイクロヒータ4の下端でダイアフラム3上に形成された下流側サーモパイル5、マイクロヒータ4に図示しない電源から駆動電流を供給する電源端子6A,6B、マイクロヒータ4の上端でダイアフラム3上に形成された上流側サーモパイル8、上流側サーモパイル8から出力される第1温度検出信号を出力する第1出力端子9A,9B、下流側サーモパイル5から出力される第2温度検出信号を出力する第2出力端子7A,7B、基準電圧を得るための抵抗15,16、この抵抗15,16からの基準信号を出力する出力端子17A,17Bを備える。
【0003】上流側サーモパイル8、及び下流側サーモパイル5は、熱電対から構成されている。この熱電対は、p++−Si及びALにより構成され、冷接点と温接点とを有し、熱を検出し、冷接点と温接点との温度差により熱起電力が発生することにより、温度検出信号を出力するようになっている。
【0004】このように構成されたマイクロフローセンサ1によれば、マイクロヒータ4が、外部からの駆動電流により加熱を開始し、ガス等の流体がPからQに向かって流れると、マイクロヒータ4が発生した熱は、流体を媒体として下流側サーモパイル4に伝達されることになる。
【0005】これにより、下流側サーモパイル5は、マイクロヒータ4から伝達された熱を検出し、冷接点と温接点との熱起電力が発生することにより、第2出力端子7A,7Bに第2温度検出信号を出力する。すなわち、下流側サーモパイル5は、マイクロヒータ4による加熱された後の流体の温度を検出し、第2温度検出信号を出力する。
【0006】また、上流側サーモパイル8は、周囲温度、すなわち、マイクロヒータ4による加熱される前の流体の温度熱を検出し、冷接点と温接点との熱起電力が発生することにより、第1出力端子9A,9Bに第1温度検出信号を出力する。
【0007】このため、上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号と下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号との差信号に基づいて流体の流量を算出することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に示す従来のマイクロフローセンサに、例えば、ダスト、ドレン等が付着した場合や結露が発生した場合には、上流側サーモパイル8から出力される第1温度検出信号の値や、下流側サーモパイル5から出力される第2温度検出信号の値が変化して、正確な流速中流量を計測できないという故障が発生し、ひどいときにはそのまま破壊してしまうことがあった。このため、第1温度検出信号及び第2温度検出信号に基づき流体の流量を計測するため、流体の流量を誤計測することになるという問題点があった。
【0009】本発明は、サーモパイルにダスト、ドレン、結露が付着してフローセンサが故障した場合にそのフローセンサが故障したことを容易に判定することができ、これによって、流体の流量の誤計測をなくすことができるフローセンサ故障判定装置及びその方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項1の発明のフローセンサ故障判定装置は、流体を加熱するヒータ、このヒータに対して前記流体の上流側に配置され、前記流体の温度を検出する上流側サーモパイル、及び前記ヒータに対して前記流体の下流側に配置され、前記流体の温度を検出する下流側サーモパイルを有するフローセンサと、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれで検出された熱起電力信号の差値に基づき流体の流速または流量を計測する計測手段と、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定する抵抗測定手段と、この抵抗測定手段で測定された抵抗値に基づき前記フローセンサの故障の有無を判定する故障判定手段とを備えることを特徴とする。
【0011】請求項1の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、ヒータが流体を加熱すると、ヒータの加熱と並行して、上流側サーモパイルは、流体の温度を検出し、下流側サーモパイルは、流体の温度を検出する。そして、計測手段は、上流側サーモパイル及び下流側サーモパイルのそれぞれで検出された熱起電力信号の差値に基づき流体の流速または流量を計測する。そして、抵抗測定手段が、上流側サーモパイル及び下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定すると、故障判定手段は、抵抗測定手段で測定された抵抗値に基づきフローセンサの故障の有無を判定する。
【0012】従って、サーモパイルにダスト、ドレン、結露が付着してフローセンサが故障した場合に、そのフローセンサが故障したことを容易に判定することができ、これによって、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【0013】請求項2の発明のフローセンサ故障判定装置では、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルに一定電流を流す定電流駆動手段と、前記下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第1の電圧測定手段と、前記上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第2の電圧測定手段とを備え、前記抵抗測定手段は、前記第1の電圧測定手段で得られた電圧に基づき前記下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、前記第2の電圧測定手段で得られた電圧に基づき前記上流側サーモパイルの抵抗値を測定することを特徴とする。
【0014】請求項2の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、第1の電圧測定手段が下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定し、第2の電圧測定手段が上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定すると、抵抗測定手段は、第1の電圧測定手段で得られた電圧に基づき下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、第2の電圧測定手段で得られた電圧に基づき上流側サーモパイルの抵抗値を測定する。従って、この抵抗値によりフローセンサの故障の有無の判定が容易に行える。
【0015】請求項3の発明のフローセンサ故障判定装置では、前記ヒータに電流を流して加熱している時には前記計測手段が流速または流量を計測し、前記ヒータに電流を流さず加熱していない時には前記故障判定手段が前記フローセンサの故障の有無を判定するように、制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0016】請求項3の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、制御手段は、ヒータに電流を流して加熱している時には計測手段が流速または流量を計測し、ヒータに電流を流さず加熱していない時には故障判定手段がフローセンサの故障の有無を判定するように、制御するため、流量計測が行えるとともに、フローセンサの故障の有無判定が容易に行える。
【0017】請求項4の発明のフローセンサ故障判定装置では、前記故障判定手段により前記フローセンサが故障していると判定された場合には、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0018】請求項4の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、故障判定手段によりフローセンサが故障していると判定された場合には、報知手段がその旨を報知するため、フローセンサが故障していると認識でき、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【0019】請求項5の発明のフローセンサ故障判定方法は、フローセンサのヒータにより流体を加熱し、前記ヒータに対して前記流体の上流側に配置された前記フローセンサの上流側サーモパイルにより前記流体の温度を検出し、前記ヒータに対して前記流体の下流側に配置された前記フローセンサの下流側サーモパイルにより前記流体の温度を検出する検出ステップと、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれで検出された熱起電力信号の差値に基づき流体の流速または流量を計測する計測ステップと、前記上流側サーモパイル及び前記下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定する抵抗測定ステップと、測定された抵抗値に基づき前記フローセンサの故障の有無を判定する故障判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】請求項5の発明のフローセンサ故障判定方法によれば、フローセンサのヒータにより流体を加熱し、ヒータに対して流体の上流側に配置されたフローセンサの上流側サーモパイルにより流体の温度を検出し、ヒータに対して流体の下流側に配置されたフローセンサの下流側サーモパイルにより流体の温度を検出し、上流側サーモパイル及び下流側サーモパイルのそれぞれで検出された熱起電力信号の差値に基づき流体の流速または流量を計測し、上流側サーモパイル及び下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定し、測定された抵抗値に基づきフローセンサの故障の有無を判定するため、サーモパイルにダスト、ドレン、結露が付着してフローセンサが故障した場合に、そのフローセンサが故障したことを容易に判定することができ、これによって、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【0021】請求項6の発明のフローセンサ故障判定方法では、下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第1の電圧測定ステップと、前記上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定する第2の電圧測定ステップとを含み、前記抵抗測定ステップは、前記第1の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき前記下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、前記第2の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき前記上流側サーモパイルの抵抗値を測定することを特徴とする。
【0022】請求項6の発明のフローセンサ故障判定方法によれば、下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定し、上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定し、第1の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、第2の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき上流側サーモパイルの抵抗値を測定する。従って、この抵抗値によりフローセンサの故障の有無の判定が容易に行える。
【0023】請求項7の発明のフローセンサ故障判定方法では、前記ヒータに電流を流して加熱している時には流速または流量を計測し、前記ヒータに電流を流さず加熱していない時には前記フローセンサの故障の有無を判定するように、制御する制御ステップを含むことを特徴とする。
【0024】請求項7の発明のフローセンサ故障判定方法フローセンサ故障判定方法によれば、ヒータに電流を流して加熱している時には流速または流量を計測し、ヒータに電流を流さず加熱していない時にはフローセンサの故障の有無を判定するように、制御するため、流量計測が行えるとともに、フローセンサの故障の有無判定が容易に行える。
【0025】請求項8の発明のフローセンサ故障判定方法は、フローセンサが故障していると判定された場合にはその旨を報知する報知スプを含むことを特徴とする。
【0026】請求項8の発明のフローセンサ故障判定方法によれば、フローセンサが故障していると判定された場合には、その旨を報知手段により報知するため、フローセンサが故障していると認識でき、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフローセンサ故障判定装置及びその方法の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0028】<第1の実施の形態>図1は第1の実施の形態のフローセンサ故障判定装置の構成図である。図2は第1の実施の形態のフローセンサ故障判定装置に設けられたマイクロフローセンサの構成図である。図3は第1の実施の形態のマイクロフローセンサの断面図である。
【0029】第1の実施の形態のフローセンサ故障判定装置は、マイクロフローセンサに有する上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5の抵抗値の温度ドリフト等が比較的小さいことに着目し、サーモパイルにダスト、ドレンの付着や結露が発生した場合に、サーモパイルの抵抗値が大きく変化することを見出し、サーモパイルの抵抗値を監視することにより、マイクロフローセンサの故障判定を行うことを特徴とするものである。
【0030】図2に示すマイクロフローセンサ1は、図6に示すマイクロフローセンサに対して、下流側サーモパイル5にダスト21が付着している点が異なるのみで、その他の部分は図5に示すマイクロフローセンサの同一構成であるので、ここでは、その部分の説明は省略する。
【0031】また、図3に示すように、Si基板2には、ダイアフラム3が形成されており、このダイアフラム3には、マイクロヒータ4、上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5が形成されている。
【0032】フローセンサ故障判定装置は、図1に示すように、マイクロフローセンサ1内の下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号(熱起電力信号)とマイクロフローセンサ1内の上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号(熱起電力信号)との差信号を増幅する差動アンプ33と、下流側サーモパイル5の両端電極間の電圧を測定し測定された電圧値に対応する抵抗値を得る第1の電圧測定部35と、上流側サーモパイル8の両端電極間の電圧を測定し測定された電圧値に対応する抵抗値を得る第2の電圧測定部37と、マイクロコンピュータ40とを備えて構成される。
【0033】マイクロコンピュータ40は、差動アンプ33から出力される第2温度検出信号と第1温度検出信号との差信号に基づき、流体の流量を算出する流量算出部41と、第1の電圧測定部35からの下流側サーモパイル5の電圧値に基づく抵抗値と第2の電圧測定部37からの上流側サーモパイル8の電圧値に基づく抵抗値とに基づきマイクロフローセンサ1の故障の有無を判定する故障判定部43とを備えて構成される。
【0034】さらに、フローセンサ故障判定装置は、故障判定部43によりマイクロフローセンサ1が故障と判定された場合に、マイクロフローセンサ1が故障したことを報知するための発光ダイオード(LED)45及びブザー47を有して構成される。
【0035】次に、図4に示すフローチャートを参照して、第1の実施の形態のフローセンサ故障判定装置により実現されるフローセンサ故障判定方法を説明する。
【0036】まず、外部からのパルス信号による駆動電流により、マイクロヒータ4を加熱すると(ステップS11)、下流側サーモパイル5から第2温度検出信号が出力され、上流側サーモパイル8から第1温度検出信号が出力される(ステップS13)。
【0037】次に、差動アンプ33は、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅して(ステップS15)、流量算出部41は、差動アンプ33からの差信号に基づき流体の流量を算出する(ステップS17)。
【0038】さらに、第1の電圧測定部35は、下流側サーモパイル5の両端電極間の電圧を測定し、第2の電圧測定部37は、上流側サーモパイル8の両端電極間の電圧を測定する(ステップS18)。
【0039】そして、故障判定部43は、第1の電圧測定部35からの下流側サーモパイル5の電圧値に基づく抵抗値と第2の電圧測定部37からの上流側サーモパイル8の電圧値に基づく抵抗値との少なくとも一方の抵抗値が異常かどうかを判定する(ステップS19)。
【0040】ここで、抵抗値が異常である場合としては、例えば、図2に示すように、ダスト21が下流側サーモパイル5に付着した場合に、下流側サーモパイル5の抵抗値が大きく変化するため、下流側サーモパイル5の抵抗値があらかじめ定められた基準抵抗値に対して大きく変化する場合である。
【0041】この場合には、下流側サーモパイル5からの第1温度検出信号が異常な値となり、流体の流量を正確に計測することができなくなるため、マイクロフローセンサ1による流量計測が異常と判定し(ステップS21)、発光ダイオード(LED)45を点灯したり、ブザー47を鳴動させることで、マイクロフローセンサ1が故障したことを報知する(ステップS23)。
【0042】なお、ダスト21が下流側サーモパイル5に付着する代わりに、ダスト21が上流側サーモパイル8に付着した場合にも、上流側サーモパイル8の抵抗値が予め定められた基準抵抗値に対して大きく変化するため、マイクロフローセンサ1による流量計測が異常と判定することができる。
【0043】このように第1の実施の形態のフローセンサ故障判定装置によれば、サーモパイルにダスト、ドレンの付着や結露があった場合には、ダスト等の付着があったことをサーモパイルの抵抗値変化を検知し、この抵抗値変化が異常であるかどうかによって、流体の流量計測が正常に行われていないことを判定できるようになる。
【0044】これにより、マイクロフローセンサー1が故障したまま、流体の流量を誤って計測することがなくなった。また、マイクロフローセンサが故障したり、あるいは、破壊していれば、故障したマイクロフローセンサを良品のマイクロフローセンサと交換すればよい。
【0045】また、サーモパイルにダストが付着する代わりに、サーモパイルにドレンや結露が発生した場合であっても、マイクロフローセンサ1の故障を判定することができる。
【0046】<第2の実施の形態>次に本発明の第2の実施の形態のフローセンサ故障判定装置及びその方法を説明する。図5は第2の実施の形態のフローセンサ故障判定装置の構成図である。
【0047】第2の実施の形態のフローセンサ故障判定装置は、図5に示すように、差動アンプ33と、下流側サーモパイル5の両端抵抗を測定する第1の抵抗測定部35aと、上流側サーモパイル8の両端抵抗を測定する第2の抵抗測定部37aと、マイクロコンピュータ40aとを備えて構成される。
【0048】マイクロコンピュータ40aは、流量算出部41と、第1の抵抗測定部35aからの下流側サーモパイル5の抵抗値と第2の抵抗測定部37aからの上流側サーモパイル8の抵抗値とに基づきマイクロフローセンサ1の故障の有無を判定する故障判定部43と、マイクロヒータ4を駆動するヒータ駆動回路53を制御するためのヒータ駆動回路制御部51と、このヒータ駆動回路制御部51からの制御信号によりスイッチ部57の切替制御を行うスイッチ切替部55とを備えて構成される。
【0049】スイッチ部57は、第1のスイッチ58、第2のスイッチ60を有する。第1のスイッチ58は、スイッチ切替部55からの切替信号により、マイクロヒータ4に電流を流して加熱している時には、接片59を端子bに接続し、マイクロヒータ4に電流を流さず加熱していない時には接片59を端子cに接続するようになっている。
【0050】第2のスイッチ60は、スイッチ切替部55からの切替信号により、マイクロヒータ4に電流を流して加熱している時には接片61を端子eに接続し、マイクロヒータ4に電流を流さず加熱していない時には、接片61を端子fに接続するようになっている。
【0051】このように構成された第2の実施の形態のフローセンサ故障判定装置によれば、差動アンプ33は、下流側サーモパイル5からの第2温度検出信号と上流側サーモパイル8からの第1温度検出信号との差信号を増幅し、流量算出部41は、差動アンプ33からの差信号に基づき流体の流量を算出する。第1の抵抗測定部35aは、下流側サーモパイル5の両端抵抗を測定し、第2の抵抗測定部37aは、上流側サーモパイル8の両端抵抗を測定する。
【0052】そして、故障判定部43は、第1の抵抗測定部35aからの下流側サーモパイル5の抵抗値と第2の抵抗測定部37aからの上流側サーモパイル8の抵抗値との少なくとも一方の抵抗値が異常かどうかを判定する。
【0053】ここで、例えば、下流側サーモパイル5からの第1温度検出信号が異常な値となる場合には、流体の流量を正確に計測することができなくなる。このため、マイクロフローセンサ1による流量計測が異常と判定し、LED45を点灯したり、ブザー47を鳴動させることで、マイクロフローセンサ1が故障したことを報知する。
【0054】このように第2の実施の形態のフローセンサ故障判定装置によっても、第1の実施の形態のフローセンサ故障判定装置の効果と同様な効果が得られる。また、マイクロヒータ4に電流を流して加熱している時には、第1のスイッチ58は、接片59を端子bに接続し、第2のスイッチ60は、接片61を端子eに接続するため、流量算出部41により流速または流量を計測することができる。また、マイクロヒータ4に電流を流さず加熱していない時には、第1のスイッチ58は、接片59を端子cに接続し、第2のスイッチ60は、接片61を端子fに接続するため、故障判定部43がフローセンサ1の故障の有無を判定する。従って、流量計測が行えるとともに、フローセンサ1の故障の有無判定が容易に行える。
【0055】なお、本発明は第1の実施の形態及び第2の実施の形態のフローセンサ故障判定装置及びその方法に限定されるものではない。第2の実施の形態では、第1の抵抗測定部35a及び第2の抵抗測定部37aにより下流側サーモパイル5、上流側サーモパイル8の抵抗値を測定したが、例えば、下流側サーモパイル5及び上流側サーモパイル8のそれぞれの両端に電流計を接続し、この電流計によりサーモパイルに流れる電流を測定し、測定された電流値が異常であるか否かによって、マイクロフローセンサ1の故障を判定するようにしてもよい。
【0056】このほか、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々変形して実施可能であるのは勿論である。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、抵抗測定手段が、上流側サーモパイル及び下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定すると、故障判定手段は、抵抗測定手段で測定された抵抗値に基づきフローセンサの故障の有無を判定する。
【0058】従って、サーモパイルにダスト、ドレン、結露が付着してフローセンサが故障した場合に、そのフローセンサが故障したことを容易に判定することができ、これによって、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【0059】請求項2の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、第1の電圧測定手段が下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定し、第2の電圧測定手段が上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定すると、抵抗測定手段は、第1の電圧測定手段で得られた電圧に基づき下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、第2の電圧測定手段で得られた電圧に基づき上流側サーモパイルの抵抗値を測定する。従って、この抵抗値によりフローセンサの故障の有無の判定が容易に行える。
【0060】請求項3の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、制御手段は、ヒータに電流を流して加熱している時には計測手段が流速または流量を計測し、ヒータに電流を流さず加熱していない時には故障判定手段がフローセンサの故障の有無を判定するように、制御するため、流量計測が行えるとともに、フローセンサの故障の有無判定が容易に行える。
【0061】請求項4の発明のフローセンサ故障判定装置によれば、故障判定手段によりフローセンサが故障していると判定された場合には、報知手段がその旨を報知するため、フローセンサが故障していると認識でき、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【0062】請求項5の発明のフローセンサ故障判定方法によれば、上流側サーモパイル及び下流側サーモパイルのそれぞれの抵抗値を測定し、測定された抵抗値に基づきフローセンサの故障の有無を判定するため、サーモパイルにダスト、ドレン、結露が付着してフローセンサが故障した場合に、そのフローセンサが故障したことを容易に判定することができ、これによって、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【0063】請求項6の発明のフローセンサ故障判定方法によれば、下流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定し、上流側サーモパイルの両端電極間の電圧を測定し、第1の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき下流側サーモパイルの抵抗値を測定し、第2の電圧測定ステップで得られた電圧に基づき上流側サーモパイルの抵抗値を測定する。従って、この抵抗値によりフローセンサの故障の有無の判定が容易に行える。
【0064】請求項7の発明のフローセンサ故障判定方法によれば、ヒータに電流を流して加熱している時には流速または流量を計測し、ヒータに電流を流さず加熱していない時にはフローセンサの故障の有無を判定するように、制御するため、流量計測が行えるとともに、フローセンサの故障の有無判定が容易に行える。
【0065】請求項8の発明のフローセンサ故障判定方法によれば、フローセンサが故障していると判定された場合には、その旨を報知手段により報知するため、フローセンサが故障していると認識でき、流体の流量の誤計測をなくすことができる。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【出願日】 平成11年5月10日(1999.5.10)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−321107(P2000−321107A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−128778