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【発明の名称】 流量計出力信号補正装置
【発明者】 【氏名】高本 正樹

【氏名】中尾 晨一

【氏名】小林 駿

【要約】 【課題】ガス流量計より得られるパルス信号を補正して、1パルス当たりの計量体積を一定にすることを目的にする。

【解決手段】流量計出力信号補正装置は入力パルス信号のパルス周期を検出するパルス周期検出部と、該パルス周期検出部より出力されたパルス周期の変動率を演算する変動率演算部と、該変動率演算部より出力されたパルス周期の変動率の逆数を演算する逆数演算部と、該逆数演算部より出力された変動率の逆数に上記パルス周期の平均値を乗算する平均値乗算部と、該平均値乗算部の出力信号に所定の係数を乗算する係数乗算部とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス流量計の回転ドラムの単位回転角度毎に1パルス発生するパルス発生器と、該パルス発生器からのパルス信号のパルス周期を演算するパルス周期演算部と、該パルス周期演算部より出力されたパルス周期の変動率を演算する変動率演算部と、該変動率演算部より出力されたパルス周期の変動率の逆数を演算する逆数演算部と、該逆数演算部より出力された変動率の逆数に上記パルス周期の平均値を乗算する平均値乗算部と、該平均値乗算部の出力信号に所定の係数を乗算する係数乗算部とを有し、上記ガス流量計の回転ドラムの1回転に対するパルス数が入力信号と出力信号では同一となるように構成されている流量計出力信号補正装置。
【請求項2】 請求項1記載の流量計出力信号補正装置において、上記パルス発生器と上記パルス周期演算部の間にパルス分周器を設け、上記係数乗算部の出力側にパルス逓倍器を設けたことを特徴とする流量計出力信号補正装置。
【請求項3】 請求項2記載の流量計出力信号補正装置において、上記ガス流量計の回転ドラムが1回転する間に、上記パルス逓倍器から出力されるパルス数は上記パルス分周器から出力されるパルス数に等しいことを特徴とする流量計出力信号補正装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容積式ガス流量計に関し、特に、ガス流量計の出力パルス信号を修正するための流量計出力信号補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4を参照して容積式ガス流量計の誤差を校正するための校正装置及び方法を説明する。この校正装置は、窒素ガスのような不活性ガスを収容するガスボンベ21とガスの圧力を調整する圧力調整弁23とガスの流量を一定に保持するためのソニックノズル25と被検ガス流量計27とを有し、更に、ガス流量計27の回転角度を計測するエンコーダ29とエンコーダ29の出力を入力してパルス信号を発生するパルス発生器31とを有する。パルス発生器31は、所定の回転角毎に1パルス生成する。被検ガス流量計27は湿式ガス流量計であってよい。
【0003】図5を参照して湿式ガス流量計、特に一般的に実用化されている4室型の湿式ガス流量計の構造の概略を説明する。湿式ガス流量計はケーシング200とその内部に回転可能に配置された回転ドラム210とを有する。ケーシング200の内部には仕切板201が設けられ、この仕切板201によって前室202と後室203に分けられている。ケーシング200の頂点には計量ガスのための入口204及び出口205が設けられ、それぞれ前室202と後室203に接続されている。
【0004】回転ドラム210は軸211に装着され、軸211の先端には目盛針212が装着されている。回転ドラム210はドラム筒210Aとドラムカバー210Bからなり、ドラム筒210Aには4枚の羽根が装着され、それによって4つの計量室が形成される。計量室と回転ドラム210の前室202は吹き込み管215によって接続されている。ケーシング200内には、液体209、通常、水が約3/5の高さに充填され、この液体に回転ドラム210が浸かっている。尚、図5Aに示すように、ガス計量中のケーシング200内の液面の高さは、前室202、回転ドラム210の計量室、後室203の順に高くなっている。即ち、大気圧に接する後室203の液面高さが最も高い。
【0005】入口204から入った計量ガスは、前室202、吹き込み管215、回転ドラム210の計量室、後室203及び出口205を経由して流れる。それによって回転ドラム210が回転する。こうして回転ドラム210の各計量室220に捕獲されたガスが液体209によって置換され順次排出される。ガス流量計には、回転ドラムの1回転当たりの計量体積に応じて、1L型、10L型等がある。
【0006】図6を参照して10L型のガス流量計の誤差を説明する。図6Aはガス流量計の計量体積を示し、図6Bはパルス発生器31より出力されたパルス信号の例である。本例では、回転ドラムが1回転する毎に、即ち、計量体積の10L毎に、1000パルスを発生する。即ち、回転ドラムが1回転すると、正確に1000パルスが発生し、正確に10Lが計量されると仮定する。
【0007】従って、計量体積の1L毎に100パルスを発生するはずである。しかしながら、実際には、図6Bに示すように、計量体積の1L毎に必ずしも100パルスが生成されない。例えば、最初の1Lでは、95パルス生成され、次の1Lでは92パルス生成され、次の1Lでは98パルス生成される。括弧内の数字は100パルスに対する偏差を示す。図6Cは1パルス当たりの計量体積(単位はリットル)である。
【0008】このような、1パルス当たりの計量体積の変動は、ガス流量計の出力に誤差が含まれるからであると考えられていた。例えば、回転ドラム等が正確に製造又は組立られていない場合である。製造精度が悪く、例えば、回転ドラムの形状に、対称性、真円度が欠如したり、回転ドラムとその軸が偏心している場合には、4室の計量体積が不均等となり、誤差が生ずる。
【0009】従来、ガス流量計の誤差として、上述の製造誤差又は組立誤差のみが考慮されていた。本発明者は、通過ガスの流速の変化に起因する誤差を除去することを考えた。そのために、本発明者は、先ず、湿式ガス流量計の回転角度と計量体積等の性能を解析した。
【0010】図7、図8及び図9を参照して4室型の湿式ガス流量計の解析結果を説明する。尚、以下の説明にて、製造誤差及び組立誤差は無視する。図7Aはパルス発生器31の出力信号であり、横軸は回転ドラムの回転角度θを示す。上述のように、エンコーダ29は、回転ドラムの回転角度を検出し、パルス発生器31は所定の回転角度毎に1パルスを生成する。例えば、1/10回転(36度)毎に100パルス発生し、1回転(360度)で1000パルス発生する。
【0011】図7B、図7C、図7D及び図7Eはそれぞれ、回転ドラムの回転角速度ω、回転ドラムの回転トルクτ、計量室の液面高さH、計量体積Vの各々の変動率である。これらの変動率は、平均値より大きいか又は小さいかを100分率(%)で表したものであり、ゼロは平均値である。横軸は、いずれも回転ドラムの回転角度θである。
【0012】図7Eの実線は、液面高さHの変化を無視した計量体積V’であり、破線は、液面高さHの変化を考慮した計量体積Vである。計量体積は回転ドラムの計量室に閉じ込められる計量ガスの体積によって決まる。回転ドラムの計量室の液面は、図5Aを参照して説明したように、大気に接する後室の液面より低い。即ち、計量室内の気圧は大気圧より大きくなる。従って、液面高さHの変化を考慮した計量体積Vは液面高さHの変化を無視した計量体積V’より大きい。
【0013】図示のように、これらの値は、回転ドラムが1回転する間に4つの正負のピーク値をとる。即ち、1周期が90度の周期的な変動を示す。これは、回転ドラムが4枚の羽根を有し、これらの羽根によって4つの計量室が形成されるからである。
【0014】図8及び図9を参照して説明する。図8は上述の解析に使用した3次元の模式図であり、回転ドラムに装着された4枚の羽根A、B、C、Dによって4つの計量室が形成されることを示す。ドラム筒210A及びドラムカバー210Bは省略されて描かれている。回転ドラム210は図示のように、液体209に浸かっており、ガスは図の後方から入り回転ドラム210を経由して図の前方に排出される。
【0015】図8Aは回転ドラムの回転角度がゼロの状態を示し、図8Bは回転ドラムの回転角度が42.13度の状態を示す。回転角度が42.13度になると、主計量室は密閉室となり、主計量室に流入するガス及びそれより流出するガスはゼロとなる。このような状態は死点と称され、回転角度が45度を少し過ぎるまで続く。回転角度が45度のとき、回転ドラムに作用するトルクは最小となる。死点は回転ドラムが1回転する間に4回、即ち、回転角度の90度毎に起きる。図9は、回転ドラムの回転角度が42.13度のとき、即ち、死点の開始時点の計量室の状態を示す。
【0016】図10を参照して説明する。図10は、回転ドラムが1/4回転(回転角度が90度)する間の回転ドラムの回転角速度ωの変動率、パルス信号、パルス周期T及び1パルス当たりの計量体積V/Tの変動率を示し、図7と同様に単位は100分率(%)である。横軸は時間である。
【0017】図10Aは図7Bの曲線の一部を拡大したものである。図示のように、回転ドラムの回転角速度ωは一定ではなく周期的に変化するから、図10Bに示すようにパルス周期Tは一定ではない。一方、図7Aに示したように、単位回転角当たりのパルス数は一定である。従って、図10Cに示すようにパルス周期Tは回転角速度ωに反比例する。
【0018】図10Dに示すように、1パルス当たりの計量体積V/Tは一定ではなく周期的に変化する。これは図7Eにも示したが、回転ドラムが1回転する間に単位回転角度当たりの計量体積Vが変化するからである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】通常、回転ドラムの1回転当たりの計量体積は正確に校正されている。しかしながら、上述のように、回転ドラムの1回転当たりの計量体積が正確であっても、所定の単位回転角当たりの計量体積は正確でない。従って、回転ドラムの回転数が丁度整数となる場合には、正確な計測値が得られるが、整数でない場合には正確な計測値は得られない。
【0020】図11を参照してこれを説明する。図11Aは図7Eと同様に、回転ドラムが1回転する毎に計量体積が周期的に変化することを示す。図示のように、計測の開始時点から終了時点までの回転ドラムの回転数が丁度整数の場合、例えば、1回転する場合には、その間に1パルス当たりの計量体積が変化しても、正確な計測値が得られる。
【0021】しかしながら、図11Bに示すように、計測の開始時点から終了時点までの回転ドラムの回転数が整数ではない場合、例えば、1回転より1/16回転だけ大きい場合には、正確な計測値は得られない。図示の斜線の部分に相当する積分量が誤差となる。
【0022】図4を参照して説明した容積式ガス流量計の校正方法では、パルス発生器及びエンコーダを使用したが、標準器であるガス流量計と被検ガス流量計を直列に接続して検定を行う校正方法が一般的に用いられている。この方法の場合、被検ガス流量計を整数回転させて標準器のガス流量計の出力パルス数を計数する。従って、標準器のガス流量計は非整数回転するため、測定値には標準器のガス流量計の誤差が含まれる。
【0023】従って、例えば、10L型湿式流量計では、計量体積が10リットルの整数倍の場合には正確な計測が可能であるが、計量体積を1リットルの分解能にて正確に計測することはできなかった。
【0024】従来、図6を参照した例のように、1パルス当たりの計量体積にバラツキが生ずるのは流量計の製造誤差又は組立誤差に起因すると考えられていた。
【0025】これは次のことを前提としている。回転ドラムが1回転する間に、単位回転角度当たりの計量体積は一定であり、従って、単位回転角度当たりに1パルス発生する場合、1パルス当たりの計量体積は一定となる。
【0026】しかしながら、図7、図10及び図11を参照して説明したように、製造誤差又は組立誤差がゼロであっても、1パルス当たりの計量体積は、回転ドラムが1回転する間に変動し、しかも、周期的に変化することが明らかとなった。
【0027】上述の解析は、回転ドラムによって計量されるガスの計量体積と出力パルスの関係である。回転ドラムによって計量されるガスの計量体積は、ガス流量計によって計量される計量体積とは異なる。ガス流量計の計量体積は、入口及び出口を流れるガスの流量であり、回転ドラムの計量体積に比べると、変動が極めて少ない。以下に、“回転ドラムの計量体積”と“ガス流量計の計量体積”をこのように異なるものとして区別して使用する。
【0028】ガス流量計の出力信号は回転ドラムの回転角度に基づいている。従って、ガス流量計の出力信号は、“回転ドラムの計量体積”を表し、“ガス流量計の計量体積”を正確に表していない。このように、“回転ドラムの計量体積”と“ガス流量計の計量体積”の間の偏差に起因して図11を参照して説明したような誤差が生ずる。
【0029】流量計の出力信号より“ガス流量計の計量体積”を正確に得るためには、次の2つの方法が考えられる。
(1)回転ドラムが1回転する間に1パルス当たりのガス流量計の計量体積の正確な値を実測し、回転ドラムの回転角度(位相)に対する1パルス当たりのガス流量計の計量体積の換算表を作成する。
(2)回転ドラムが1回転する間に1パルス当たりのガス流量計の計量体積が一定となるように、ガス流量計の出力パルスを補正する。
【0030】第1の方法は、流量計毎に1パルス当たりのガス流量計の計量体積を実測しなければならず時間と費用がかかる。実測値を得るには、例えば、ソニックノズル等の標準器を使用して所定の流速又は流量にて校正する必要がある。また、ガス流量計毎に回転ドラムの原点を設定する必要があり、原点検出用パルスを用いなければならない。原点検出用パルスとして、例えば、Z相付きエンコーダを設け、そのZ相を使用する。
【0031】一般的には、第1の方法によって回転ドラムの回転角度(位相)に対する1パルス当たりのガス流量計の計量体積の換算表を作成した場合、パルス数の増減によって出力信号を補正する。従って、測定精度を上げるには分解能が高いエンコーダを用いる。このようなエンコーダの価格は高く、改造する場合には改造費がかかる。
【0032】湿式ガス流量計の出力信号において誤差の原因となるものに、出力信号のノイズがある。このノイズは回転ドラム内の液面のバタツキ又は変動等に起因し、一般に、回転ドラムを通過する計量ガスの流量が大きくなると増加する。従って、パルス信号より計量体積等のデジタル値を求めるとノイズに起因して誤差が生ずる。
【0033】例えば、回転ドラムが整数回転した場合でも、液面のバタツキ又は変動等に起因したノイズが存在すると、計量体積に誤差が生ずる。このノイズの大きさは、ノイズを除去したパルスの変動率の2〜5倍に達することもある。
【0034】本発明は、上述の第2の方法を使用し、回転ドラムが1回転する間に、パルス数を変化させることなく、1パルス当たりの計量体積が一定となるように、流量計の出力信号を補正する流量計出力補正装置を提供することを目的とする。
【0035】本発明は、1パルス当たりの計量体積にバラツキがある場合に、パルス信号を修正して、1パルス当たりの計量体積のバラツキが小さいパルス信号を得る装置を提供することを目的とする。
【0036】本発明は、湿式ガス流量計の出力パルス信号より計量体積等のデジタル値を求める場合に、回転ドラム内の液面の変動等に起因するノイズによって誤差が生ずることがない装置を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明によると、流量計出力信号補正装置は、ガス流量計の回転ドラムの単位回転角度毎に1パルス発生するパルス発生器と、該パルス発生器からのパルス信号のパルス周期を演算するパルス周期演算部と、該パルス周期演算部より出力されたパルス周期の変動率を演算する変動率演算部と、該変動率演算部より出力されたパルス周期の変動率の逆数を演算する逆数演算部と、該逆数演算部より出力された変動率の逆数に上記パルス周期の平均値を乗算する平均値乗算部と、該平均値乗算部の出力信号に所定の係数を乗算する係数乗算部とを有し、上記ガス流量計の回転ドラムの1回転に対するパルス数が入力信号と出力信号では同一となるように構成されている。
【0038】上記パルス発生器と上記パルス周期演算部の間にパルス分周器を設け、上記係数乗算部の出力側にパルス逓倍器を設けた。従って、簡単な装置によって流量計出力信号のパルス信号を補正することができる。また、1パルス当たりの計量体積にバラツキがある場合に、パルス信号を修正して、1パルス当たりの計量体積のバラツキが小さいパルス信号を得ることができる。
【0039】本発明によると、回転ドラムの1回転当たりのパルス数は変化しないから、本発明の流量計出力信号補正装置を設けることによってガス流量計を標準器として使用することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1を参照して本発明の流量計出力信号補正装置の例を説明する。本発明の流量計出力信号補正装置は、入力パルス信号よりパルスを適当に割合で分周する分周器10と、入力パルス信号のパルス周期Tを検出しその平均値を演算するパルス周期演算部11と、パルス周期の変動率(%)を演算する変動率演算部13と、パルス周期の変動率の逆数を演算する逆数演算部15と、該逆数演算部15の出力にパルス周期Tの平均値TM を乗算する平均値乗算部17と、該平均値乗算部17の出力に所定の係数を乗算する係数乗算部19と、係数乗算部19からのパルス出力を逓倍する逓倍器20とを有する。
【0041】本発明の流量計出力信号補正装置は図4を参照して説明した従来のガス流量計の校正装置のパルス発生器31の出力側に取り付けられてよい。パルス発生器31からのパルス信号は分周器10を経由してパルス周期演算部11に供給される。尚、分周器10及び逓倍器20の動作は後に図3を参照して詳説する。
【0042】パルス周期演算部11はパルス周期を計測する。ここでパルス周期は、パルスの立ち上がり時から次のパルスの立ち上がり時までの時間間隔の意味である。パルス周期は適当な基準クロックを使用してデジタル値として表される。パルス周期演算部11は更にパルス周期の平均値T0 を演算する。
【0043】変動率演算部13は、分周されたパルス周期演算部11の出力より次の式によってパルス周期の変動率(%)を演算する。
【0044】
【数1】T0 ={(T−TM )/TM }×100【0045】T0 はパルス周期の変動率(%)、Tはパルス周期、TM はパルス周期Tの平均値である。逆数演算部15は、パルス周期の変動率T0 (%)の逆数を演算する。平均値乗算部17は、パルス周期の変動率の逆数1/T0 に平均値TM を乗算する。係数乗算部19は平均値乗算部17の出力に係数Kを乗算する。係数乗算部19の出力は次の式によって表される。
【0046】
【数2】TC =(TM /T0 )×K【0047】本例によると、係数乗算部19の出力に基づいてパルス信号を生成する。係数Kを適当な値に設定することによって、所望のパルス信号が得られる。こうして得られたパルス信号は、逓倍器20を経由して出力される。
【0048】逓倍器20の出力、即ち、数2の式によって得られるパラメータTC は、本例の流量計出力信号補正装置によって得られる出力パルスの周期を表す。
【0049】図2を参照して説明する。図2の曲線は、回転ドラムが1/4回転(回転角度が90度)する間の各演算部の出力値を示し、横軸は時間である。図2Aは変動率演算部13の出力であり、図10Cの曲線と同一である。図示のように、入力パルス信号のパルス周期Tは、周期的に変化する。
【0050】図2Bは実際のパルス信号を表し、図10Bと同様である。図2Cは逆数演算部15の出力であり、変動率演算部13の出力と逆の変化をする。図2Dは、平均値乗算部17の出力であり、逆数演算部15の出力より変動が小さい。係数乗算部19の出力は図2Dと同様になる。図2Eは、こうして補正されたパルス信号を示す。図2Bと比較すると、図2Eのパルスの周期は均一化されている。図2Fは、補正されたパルス信号の周期を表す。これは図2Aの入力パルス信号の周期より変動が小さい。
【0051】本例によると、係数乗算部19の出力によってパルス信号が生成される。従って、生成されたパルス信号の周期の変動は小さい。従って、本例によると、1パルス当たりの計量体積V/Tの変動は小さい。
【0052】こうして本例によると、入力パルス信号に比べて、1パルス当たりの計量体積V/Tの変動がより小さい出力パルス信号を得ることができる。即ち、ガス流量計の計量体積に対応したパルス信号が得られる。
【0053】図3を参照して、分周器10及び逓倍器20の動作を説明する。パルス発生器31の出力は図3Aに示すように、計量室の液面のバタツキ等に起因するノイズ等を含む。本例では、パルス発生器31からのパルス信号は先ず、分周器10によって分周される。それによって単位時間当たりのパルス数が、例えば、1/5、1/20等に減少する。こうしてパルス数を分周することによって図3Bに示すように、パルス信号に含まれるノイズ等が除去される。
【0054】上述のように、分周器10の出力は、パルス周期演算部11、変動率演算部13、逆数演算部15、平均値乗算部17及び係数乗算部19を経由して逓倍器20に供給される。逓倍器20によってパルス信号は適当な倍数、例えば、5倍、20倍等にに逓倍される。
【0055】好ましくは分周器10の分周率と逓倍器20の逓倍率は対応するように設定される。それによって、本例の流量計出力信号補正装置の出力の単位時間当たりのパルス数がパルス発生器31の出力信号と同一になる。
【0056】
【発明の効果】本発明によると、入力パルス信号において1パルス当たりの計量体積にバラツキがあっても、出力パルス信号では、1パルス当たりの計量体積のバラツキが小さくなる利点がある。
【0057】本発明によると、回転ドラムを整数回転させた場合でも非整数回転させた場合でも、正確な且つ再現性ある計量体積の値を得ることができる利点がある。
【0058】本発明によると、湿式ガス流量計を用いた校正装置において、計測時間の短縮及び計測精度の向上を達成することができる利点がある。
【0059】本発明によると、従来のパルス発生器を改造することなく、本発明の装置を設けることによって、回転ドラムの一回転中の精度を向上させることができる利点がある。
【0060】本発明によると、リアルタイムにて計量体積のパルス信号が得られるからガス流量計を積算式ガス流量計又は瞬間ガス流量計として使用することができる利点がある。
【0061】本発明によると、回転ドラムの1回転当たりのパルス数は変化しないから、本発明の流量計出力信号補正装置を設けることによって、ガス流量計を標準器として使用することができる利点がある。
【0062】本発明によると、回転ドラムの1回転当たりのパルス数は変化しないから、既に校正されたガス流量計であっても、本発明の流量計出力信号補正装置を設けることによって、ガス流量計の値付けをそのまま使用することができる利点がある。
【0063】本発明によると、簡単な流量計出力信号補正装置を設けるだけで、入力パルス信号を補正することができる利点がある。
【出願人】 【識別番号】000001144
【氏名又は名称】工業技術院長
【識別番号】598157812
【氏名又は名称】高本 正樹
【識別番号】599058338
【氏名又は名称】中尾 晨一
【識別番号】594114802
【氏名又は名称】株式会社シナガワ
【出願日】 平成11年4月26日(1999.4.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−304587(P2000−304587A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−118313