| 【発明の名称】 |
流量測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 伸一
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| 【要約】 |
【課題】電流源の電流値のばらつきに対応するため、ばらつきがあった場合でも端子電圧差が大きくならないようにし、高精度な流量測定装置の製造を容易にする。
【解決手段】感温抵抗体Rs1と抵抗R1の一端はc点で直列に接続されている。感温抵抗体Rs2と抵抗R2の一端はe点で直列に接続されている。電流源I1, I2電流値のばらつきは差電圧Vdiffの値にオフセットが加えられたようになる。そのため、b点とe点を接続していたものをb点とf点を接続する様に変更する。あるいは、a点とc点を接続していたものをa点とd点を接続するよう変更する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体中に配置される第1の感温抵抗体と、この第1の感温抵抗体より前記流体中の下流に配置される第2の感温抵抗体と、前記第1および第2の感温抵抗体を加熱する加熱装置と、前記第1の感温抵抗体に定電流を供給する第1の電流源と、前記第2の感温抵抗体に定電流を供給する第2の電流源と、を備えていて、前記第1の感温抵抗体と前記第2の感温抵抗体との端子電圧の差により前記流体の流量を測定する流量測定装置において、前記第1の感温抵抗体と直列に接続されている第1の抵抗と、前記第2の感温抵抗体と直列に接続されている第2の抵抗と、を備えていて、前記第1の電流源が直列に接続された前記第1の感温抵抗体および第1の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第1の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができ、かつ、前記第2の電流源が直列に接続された前記第2の感温抵抗体および第2の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第2の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができることを特徴とする流量測定装置。 【請求項2】 流体中に配置される第1の感温抵抗体と、この第1の感温抵抗体より前記流体中の下流に配置される第2の感温抵抗体と、前記第1および第2の感温抵抗体を加熱する加熱装置と、前記第1の感温抵抗体に定電流を供給する第1の電流源と、前記第2の感温抵抗体に定電流を供給する第2の電流源と、を備えていて、前記第1の感温抵抗体と前記第2の感温抵抗体との端子電圧の差により前記流体の流量を測定する流量測定装置において、前記第1の感温抵抗体と直列に接続された可変抵抗である第1の抵抗と、前記第2の感温抵抗体と直列に接続された可変抵抗である第2の抵抗と、を備えていることを特徴とする流量測定装置。 【請求項3】 流体中に配置される第1の感温抵抗体と、この第1の感温抵抗体より前記流体中の下流に配置される第2の感温抵抗体と、前記第1および第2の感温抵抗体を加熱する加熱装置と、前記第1の感温抵抗体に定電流を供給する第1の電流源と、前記第2の感温抵抗体に定電流を供給する第2の電流源と、を備えていて、前記第1の感温抵抗体と前記第2の感温抵抗体との端子電圧の差により前記流体の流量を測定する流量測定装置において、前記第1および第2の感温抵抗体のうち一方の感温抵抗体は他方の感温抵抗体より抵抗値が小さく、この抵抗値が小さい方の感温抵抗体には可変抵抗からなる第1の抵抗が直列接続されていることを特徴とする流量測定装置。 【請求項4】 前記第1および第2の抵抗は前記第1および第2の感温抵抗体の各一点に各々接続端子を設けることで前記第1および第2の感温抵抗体の一部を分割してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの一に記載の流量測定装置。 【請求項5】 前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流をI、ばらつきにより前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流の偏差をσ、前記第1および第2の感温抵抗体の各々の抵抗値Rsとしたときに、前記第1および第2の抵抗の各々の抵抗値はRs×3σ/I以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の流量測定装置。 【請求項6】 前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流をI、ばらつきにより前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流の偏差をσ、前記第1および第2の感温抵抗体の各々の抵抗値Rsとしたときに、前記第1および第2の感温抵抗体間の抵抗値の差をRs×3σ/I以下とし、前記第1抵抗の抵抗値はRs×3σ/I以下であることを特徴とする請求項3に記載の流量測定装置。 【請求項7】 第1および第2の抵抗は各々切断可能な短絡線で短絡されていることにより、前記第1の電流源が直列に接続された前記第1の感温抵抗体および第1の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第1の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができ、また、前記第2の電流源が直列に接続された前記第2の感温抵抗体および第2の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第2の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができることを特徴とする請求項1に記載の流量測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ガスメータ、フローメータなどとして用いられる感熱式の流量測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図7は、従来の流量測定装置の回路図である。図7において、I1,I2は電流源、Rs1,Rs2は感温抵抗体、S1,S2はスイッチ、C1はコンデンサ、R3は抵抗である。感温抵抗体Rs1は流体の下流側に、感温抵抗体Rs2は流体の上流側に配置される。抵抗R3は感温抵抗体Rs1に直列に接続されている。電流源I1と感温抵抗体Rs1はa点で接続されている。電流源I2と感温抵抗体Rs2はb点で接続されている。コンデンサC1の両端には各々スイッチS1,S2がc点、d点で接続されている。a点はスイッチS1により、コンデンサC1のc点側端子に接続される。b点はスイッチS2により、コンデンサC1のd点側端子に接続される。また、c点はスイッチS1によりe点に接続される。d点はスイッチS2によりf点に接続される。f点はGNDと接続される。 【0003】感温抵抗体Rs1,Rs2は抵抗値、抵抗温度係数、構造などが同じものを用いる。感温抵抗体Rs1とRs2には大きな抵抗温度係数を持つものを用いる。例えば白金を用いると抵抗温度係数は3300ppm/℃程度となる。感温抵抗体Rs1およびRs2は周囲の流体温度より高温な状態にする。高温にするには、他の熱源を感温抵抗体Rs1及ぴRs2の近傍に設置する、もしくは、感温抵抗体Rs1,Rs2に流す電流によるジュール熱の自己発熱などを利用する。この時、流体の流れが無い状態で感温抵抗体Rs1とRs2の発熱温度が等しくなるように熱する。例えば、感温抵抗体Rs1とRs2が同じ物で同様な環境においたとすると、電流源I1とI2の電流値を等しくし電力を供給すれば、Rs1とRs2の自己発熱は等しくなる。 【0004】次に、図7の回路の動作を説明する。電流源I1は感温抵抗体Rs1へ電流を供給し、電流源I2は感温抵抗体Rs2へ電流を供給する。電流源I1とI2の電流値は等しく設定する。感温抵抗体Rs1の端子電圧はa点に、感温抵抗体Rs2の端子電圧はb点に表れる。スイッチS1とS2は同期して動作する。スイッチS1がa点とc点を接続する時は、スイッチS2はb点とd点を接続し、スイッチS1がc点とe点を接続する時は、スイッチS2はd点とf点を接続する。 【0005】スイッチS1およびS2が感温抵抗体Rs1, Rs2側に接続された時、コンデンサC1ではa点とb点の電圧差分の電荷が貯えられる。その後、スイッチS1およびS2をe点f点側に接続すると、e点とf点間の電圧は、コンデンサC1の端子電圧、すなわちa点とb点の電圧差となる。e点とf点の電圧は、感温抵抗体Rs1とRs2の端子電圧値の違いを表している。Rs1とRs2の端子電圧はRs1とRs2の低抗値の違いを表している。 【0006】流体に流れがあると、感温抵抗体Rs1とRs2から熱を奪う。しかしながら、下流側にある感温抵抗体は上流側の感温低抗体から来る熱をうけるため、上流側の感温抵抗体よりも温度の奪われ方が少ない。これにより、感温抵抗体Rs1とRs2の抵抗値に違いが現れる。下流側の方が温度は高く低抗値も高い。この違いは流体の流れの速さと関係がある。つまり、e点とf点の電圧は流体の流れの速さを表す。この電圧を観測する事で流量測定が行われる。 【0007】抵抗R3は感温抵抗体Rs1と同じ電流源I1からの電流が流れる。これにより、抵抗R3には抵抗値と電流源I1からの電流による端子電圧が現れる。a点では感温抵抗体Rs1の端子電圧と抵抗R3の端子電圧が足された電圧が現れる。コンデンサC1には感温抵抗体Rs1とRs2の端子電圧の差に抵抗R3の端子電圧を加えた電圧が蓄えられる。これにより、感温抵抗体Rs1とRs2の端子電圧の差電圧がマイナスとなるような場合でも、抵抗R3の端子電圧により正電圧にシフトできる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】2つの感温抵抗体の差から流体の流量を求める流量測定装置では、流体の流れがない時に2つの感温抵抗体は同じ状態であることが望ましい。同じ状態とは互いに、抵抗値が等しい、抵抗温度係数が等しい、感温抵抗体とその回りとの熱的関係が等しい、温度が等しい、電流値が等しい、電流による自己発熱が等しい等である。また、ガスメーターに用いる場合は電池により長期間にわたる計測を行う。このため、電源電圧は電池の電圧3Vほどで動作する流量測定装置を提供する必要がある。 【0009】前記従来技術では、感温抵抗体Rs1とRs2へ別々の電流源I1,I2から電流を供給する事で電源電圧を低く抑えることができた。しかしながら、電流源を2つにしたことにより、電流源I1とI2の電流値にばらつきが生じ、感温抵抗体Rs1とRs2に同じ電流を供給することが難しくなった。電流値のばらつきが大きいと流体の流れがない時の感温抵抗体Rs1とRs2の端子電圧差が大きくなってしまう。端子電圧差が大きくなると、その状態に対応できるように回路の動作の余裕を大きくとって設計する必要が生じ、限られた電池電圧を余裕分に消費され高精度な流量測定が難しくなる。 【0010】本発明の目的は、電流源の電流値のばらつきに対応するため、ばらつきがあった場合でも端子電圧差が大きくならないようにし、高精度な流量測定装置の製造を容易にすることである。 【0011】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、流体中に配置される第1の感温抵抗体と、この第1の感温抵抗体より前記流体中の下流に配置される第2の感温抵抗体と、前記第1および第2の感温抵抗体を加熱する加熱装置と、前記第1の感温抵抗体に定電流を供給する第1の電流源と、前記第2の感温抵抗体に定電流を供給する第2の電流源と、を備えていて、前記第1の感温抵抗体と前記第2の感温抵抗体との端子電圧の差により前記流体の流量を測定する流量測定装置において、前記第1の感温抵抗体と直列に接続されている第1の抵抗と、前記第2の感温抵抗体と直列に接続されている第2の抵抗と、を備えていて、前記第1の電流源が直列に接続された前記第1の感温抵抗体および第1の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第1の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができ、かつ、前記第2の電流源が直列に接続された前記第2の感温抵抗体および第2の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第2の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができることを特徴とする流量測定装置である。 【0012】したがって、第1と第2の電流源の電流値のばらつきにより、第1と第2の感温抵抗体間の端子電圧差にオフセット電圧が現われても、このオフセット電圧を第1または第2の抵抗によりキャンセルすることができる。 【0013】請求項2に記載の発明は、流体中に配置される第1の感温抵抗体と、この第1の感温抵抗体より前記流体中の下流に配置される第2の感温抵抗体と、前記第1および第2の感温抵抗体を加熱する加熱装置と、前記第1の感温抵抗体に定電流を供給する第1の電流源と、前記第2の感温抵抗体に定電流を供給する第2の電流源と、を備えていて、前記第1の感温抵抗体と前記第2の感温抵抗体との端子電圧の差により前記流体の流量を測定する流量測定装置において、前記第1の感温抵抗体と直列に接続された可変抵抗である第1の抵抗と、前記第2の感温抵抗体と直列に接続された可変抵抗である第2の抵抗と、を備えていることを特徴とする流量測定装置である。 【0014】したがって、第1と第2の電流源の電流値のばらつきにより、第1と第2の感温抵抗体間の端子電圧差にオフセット電圧が現われても、このオフセット電圧を第1および第2の抵抗によりキャンセルすることができる。第1および第2の抵抗は可変抵抗であるため、オフセット電圧のキャンセルは正確に行うことができる。 【0015】請求項3に記載の発明は、流体中に配置される第1の感温抵抗体と、この第1の感温抵抗体より前記流体中の下流に配置される第2の感温抵抗体と、前記第1および第2の感温抵抗体を加熱する加熱装置と、前記第1の感温抵抗体に定電流を供給する第1の電流源と、前記第2の感温抵抗体に定電流を供給する第2の電流源と、を備えていて、前記第1の感温抵抗体と前記第2の感温抵抗体との端子電圧の差により前記流体の流量を測定する流量測定装置において、前記第1および第2の感温抵抗体のうち一方の感温抵抗体は他方の感温抵抗体より抵抗値が小さく、この抵抗値が小さい方の感温抵抗体には可変抵抗からなる第1の抵抗が直列接続されていることを特徴とする流量測定装置である。 【0016】したがって、第1と第2の電流源の電流値のばらつきにより、第1と第2の感温抵抗体間の端子電圧差にオフセット電圧が現われても、このオフセット電圧を第1および第2の抵抗によりキャンセルすることができる。第1および第2の抵抗は可変抵抗であるため、オフセット電圧のキャンセルは正確に行うことができる。また、請求項2に記載の発明と異なり、オフセット電圧をキャンセルする抵抗は第1の抵抗のみであるので、抵抗値の調節が容易である。 【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの一に記載の流量測定装置において、前記第1および第2の抵抗は前記第1および第2の感温抵抗体の各一点に各々接続端子を設けることで前記第1および第2の感温抵抗体の一部を分割してなることを特徴とする。 【0018】したがって、第1および第2の感温抵抗体とは別の抵抗として第1および第2の抵抗を用意する必要がないので、部品点数を削減することができる。 【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の流量測定装置において、前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流をI、ばらつきにより前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流の偏差をσ、前記第1および第2の感温抵抗体の各々の抵抗値Rsとしたときに、前記第1および第2の抵抗の各々の抵抗値はRs×3σ/I以下であることを特徴とする。 【0020】したがって、第1および第2の抵抗の各々の抵抗値をRs×3σ/I以下とすることで、第1と第2の電流源の電流値の相対的なばらつきに対応する第1および第2の抵抗の抵抗値を予め決定することができ、調整の際に抵抗値を求める必要が無くなり、流量測定装置の製造が容易となる。 【0021】請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の流量測定装置において、前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流をI、ばらつきにより前記第1および第2の感温抵抗体の各々に流れる電流の偏差をσ、前記第1および第2の感温抵抗体の各々の抵抗値Rsとしたときに、前記第1および第2の感温抵抗体間の抵抗値の差をRs×3σ/I以下とし、前記第1抵抗の抵抗値はRs×3σ/I以下であることを特徴とする。 【0022】したがって、第1および第2の感温抵抗体間の抵抗値の差をRs×3σ/I以下とし、第1および第2の抵抗の各々の抵抗値をRs×3σ/I以下とすることで、第1と第2の電流源の電流値の相対的なばらつきに対応する第1および第2の抵抗の抵抗値を予め決定することができ、調整の際に抵抗値を求める必要が無くなり、流量測定装置の製造が容易となる。 【0023】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の流量測定装置において、第1および第2の抵抗は各々切断可能な短絡線で短絡されていることにより、前記第1の電流源が直列に接続された前記第1の感温抵抗体および第1の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第1の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができ、また、前記第2の電流源が直列に接続された前記第2の感温抵抗体および第2の抵抗に定電流を供給できるようにも前記第2の感温抵抗体単体に定電流を供給できるようにも接続することができることを特徴とする。 【0024】したがって、短絡線を切断するかしないかにより調整が可能となるため、流量測定装置の製造が容易となる。 【0025】 【発明の実施の形態】[発明の実施の形態1]図1は、この発明の実施の形態1である流量測定装置1の回路図である。図1に示すように、Rs1,Rs2は感温低抗体、R1,R2は抵抗、I1,I2は電流源である。感温抵抗体Rs1(第1の感温抵抗体)と抵抗R1(第1の抵抗)の一端はc点で直列に接続されている。感温抵抗体Rs2(第2の感温抵抗体)と抵抗R2(第2の抵抗)の一端はe点で直列に接続されている。抵抗R1の他端はd点である。抵抗R2の他端はf点である。電流源I1はa点を通りc点と接続される。電流源I2はb点を通りe点と接続される。Vdiffはa点とb点の差電圧である。感温抵抗体Rs1とRs2は同じ構造で抵抗値が同じものを用いる。感温抵抗体Rs1とRs2の低抗温度係数は同じである。感温抵抗体Rs1とRs2は大きな抵抗温度係数をもつもの、例えば白金を用いた抵抗を用いている。感温抵抗体Rs1とRs2は流量測定の対象である流体中に設置され、感温抵抗体Rs1が上流側に感温抵抗体Rs2が下流側に設置される。その距離は互いに熱的な影響を与え合う事ができる距離とする。電流源I1(第1の電流源)とI2(第2の電流源)が供給する電流値は同じである。 【0026】次に、流量測定装置1の動作を説明する。感温抵抗体Rs1とRs2は流体の温度よりも高温になるように加熱する。例えば電流源I1およびI2からの電力により自己加熱する(加熱装置)。流体に流れがなく電流源I1とI2の電流値が同じで感温抵抗体Rs1とRs2の構造が同じならば、感温抵抗体Rs1とRs2は同じ温度となる。加熱する手段は電力による自己加熱ではなく、感温抵抗体Rs1,Rs2の近傍に他の熱源を設置することで実現してもよい。例えば他の電力によるヒータを感温抵抗体Rs1,Rs2それぞれから等距離となるよう設置する。 【0027】a点には感温抵抗体Rs1による電圧が現れる。感温抵抗体Rs1の低抗値と電流源I1の電流値によりa点の電圧は変化する。電流源I1が一定電流を流すと、a点の電圧は感温抵抗体Rs1の抵抗値の変化を示す事になる。感温抵抗体Rs1の抵抗値の変化は感温抵抗体Rs1の温度の変化を示す。b点も同様に電流源I2と感温抵抗体Rs2による電圧が現れる。 【0028】流体に流れがない場合、感温抵抗体Rs1とRs2は同じ温度になる。つまり、a点とb点の電圧は等しくなる。よって、差電圧Vdiffはゼロになる。流体に流れが生じると、感温抵抗体Rs1およびRs2の熱は流体により運び去られる。感温抵抗体Rs1とRs2は熱的な影響を与え合う事ができる距離に設置されている為、流体の下流にある感温抵抗体Rs2は上流にある感温抵抗体Rs1から運ばれた熱をうける。つまり、流体の下流にある感温抵抗体Rs2の温度の低下は上流にある感温抵抗体Rs1に比べ小さい。そして、感温抵抗体Rs1の温度の方が感温抵抗体Rs2の温度に比べ高くなる為、a点の電圧はb点より高くなる。つまり、差電圧Vdiffには正の電圧が生じる。また、流体が逆流すると感温抵抗体Rs1の温度の方が感温抵抗体Rs2の温度に比べ低くなる為、差電圧Vdiffには負の電圧が生じる。感温抵抗体Rs1とRs2の温度の差は流体の流れの速さと関係するため、差電圧Vdiffの大小を測定すると流体の速さと方向を知る事ができる。 【0029】感温抵抗体RslとRs2に約500Ωの白金薄膜を用いると、その温度係数は約3300ppm/℃である。その薄膜に電流1.8mAを供給すると約100℃ほど薄膜の温度は上昇する。この時a,b点の電圧は室温で約1.2Vほどとなった。そして、差電圧Vdiffの電圧は流体の速さに応じ約±80mV程度生じる。流速が速すぎる場合上流と下流の熱の奪われ方に差がなくなってしまうため、約±80mVの範囲の流速で流量測定を行う。ここで、実際に流量測定装置を製造する場合、感温抵抗体Rs1とRs2に完全に同じ特性のものを用意する事は難しく、必ずばらつきが生じる。これは電流源I1,I2に関しても同様であり、完全に同じ電流を発生することは難しい。差電圧Vdiffが80mVの時、感温抵抗体Rs1とRs2の抵抗値差に概略換算すると80mV/1.8mA=44Ωに相当する。80mvを電流源I1と12の電流値差に概略換算すると、80mV/(500Ω+500×3300ppm/℃×1OO℃)=120μAに相当する。 【0030】前記従来技術では感温抵抗体の低抗値のばらつきに対応する為、図7の抵抗R3を設置していた。しかし、これだけでは電流値のばらつきに対応できない。抵抗R1,R2は電流値のばらつきにも対応する為のものである。電流源I1,I2の電流値のばらつきは2〜3%生じる。1.8mAが+3%ずれると1.854mAとなる。電流源I1が1.854mAで電流源I2が1.8mmであったとすると、a点とb点の電圧の差は、(1.854mA−1.8mA)×(500Ω+500×3300ppm/℃)=36mVとなる。このとき、差電圧Vdiffは約36mV±80mVの範囲を変化する事になる。感温抵抗体Rs1とRs2の加熱に電力による自己加熱を用いている場合、電流源I1とI2の違いは感温抵抗体Rs1とRs2の加熱温度の差となって現れ、差電圧Vdiffに生じるばらつきはより大きなものとなるが、ここでは簡単のため概略の計算を行った。 【0031】電流値のばらつきは差電圧Vdiffの値にオフセットが加えられたようになる。そのため、流量測定装置1を製造した最初の調整で、このオフセット値を取り除く事が考えられる。先ほどの例のように電流源I1の電流が1.854mAで電流源I2の電流が1.8mAであったときに、b点とe点を接続していたものをb点とf点を接続する様に変更する。これにより電流源I2の電流は抵抗R2を通り感温抵抗体Rs2に供給される。この時、b点の電圧は、抵抗R2の端子電圧分だけ大きくなる。ここで、抵抗R2の抵抗値を20Ωとしていると、b点の電圧は20Ω×1.8mA=36mVだけ大きくなる。これにより、差電圧Vdiff の値はゼロに近づく。電流値のばらつきによる差電圧Vdiffのオフセットをキャンセルすることができる。同様に、電流源I1の電流が電流源I2の電流より小さくなった場合は、a点とc点を接続していたものをa点とd点を接続するよう変更すれば良い。 【0032】[発明の実施の形態2]図2は、この発明の実施の形態2である流量測定装置1の回路図である。この発明の実施の形態2の流量測定装置1が発明の実施の形態1のものと異なる点は、第1に、最初からb点とe点ではなくb点とf点が接続され、また、a点とc点ではなくa点とd点が接続されている点である。第2に、抵抗R1およびR2を可変抵抗器としている点にある。その他の構成は、発明の実施の形態1と同様であり、発明の実施の形態1と同一符号を用い、詳細な説明は省略する。 【0033】次に動作について説明する。そして、通常は抵抗R1及びR2の低抗値はゼロに設定する。電流源I1,I2の電流値のばらつきや感温低抗体Rs1,Rs2のばらつきに応じ、流体の流れがない時の差電圧Vdiffの電圧が最小となるよう抵抗R1及びR2の低抗値を設定する。例えば、発明の実施の形態1の場合と同様な電流値のばらつきがあった場合、抵抗R2を20Ωとなるよう設定する。 【0034】以上により、電流値のばらつきによる差電圧Vdiffのオフセットをキャンセルすることができる。また、抵抗R1及ぴR2を可変抵抗器としているので、発明の実施の形態1の場合に比べ、オフセット電圧のキャンセルは正確に行うことができる。 【0035】[発明の実施の形態3]図3は、この発明の実施の形態3である流量測定装置1の回路図である。この発明の実施の形態2の流量測定装置1が発明の実施の形態2のものと異なる点は、第1に、抵抗R2が設けられていないこと、第2に感温低抗体Rs1の抵抗値が感温低抗体Rs2に比べ小さいことである。その他の構成は、発明の実施の形態2と同様であり、発明の実施の形態2と同一符号を用い、詳細な説明は省略する。 【0036】次に動作を説明する。例えば発明の実施の形態1のように電流源I1およびI2の電流は1.8mAを標準とする。感温抵抗体Rs2は500Ωを標準値とする。感温抵抗体Rs1は標準値を470Ωとする。抵抗R1はO〜60Ωの可変ができるものとする。まず、抵抗R1を0Ωとし流体の流れがなくばらつきを考えない場合、感温抵抗体Rs1の抵抗値は感温抵抗体Rs2よりも小さいため、差電圧Vdiffは負の値となる。この時、抵抗R1の低抗値を大きくしてゆくと、抵抗R1を約30Ωとした時に差電圧Vdiffはゼロになる。電流のばらつきがあり電流源I1の電流値が電流源I2の電流値に比べ大きい場合、c点の電圧はb点に近づく事になる。このとき、感温抵抗体Rs1とRs2の差30Ωによるc点とb点の電圧差は、電流値のばらつきによるc点の電圧上昇分に比べ大きい確立が高い。電流源I1側の電流増によってもc点の電圧がb点より低い分を抵抗R1の端子電圧により補う。抵抗R1の抵抗値を0Ωから少しずつ大きくしていくと、差電圧Vdiffがゼロになるポイントがある。電流源I2の電流値が電流源I1の電流値に比べ大きい場合、c点の電圧はb点に比へさらに小さくなる。このときは、抵抗R1の抵抗値を大きくする事で差電圧Vdiffがゼロとなるポイントを探す事ができる。 【0037】[発明の実施の形態4]図4は、この発明の実施の形態4である流量測定装置の感温抵抗体Rs1,Rs2の平面図である。この発明の実施の形態4が発明の実施の形態1と相違する点は、感温抵抗体Rs1がd端からG1端で形成され、その抵抗パターンの途中のからc点を取り出していることである。これにより、感温抵抗体Rs1を図4のc点〜G1点間とし、抵抗R1を図4のd点〜c点間として用いる。同様に、f点〜e点間を抵抗R2として、e点〜G2点間を感温抵抗体Rs2として用いる。その他の構成は、発明の実施の形態1と同様であり、発明の実施の形態1と同一符号を用い、詳細な説明は省略する。 【0038】また、発明の実施の形態1では電流源I1,I2の電流差により抵抗R1またはR2を追加するようにしたが、本発明の実施の形態では基本の状態で抵抗R1と感温抵抗体Rs1を接続した状態として利用しても良い。つまり、基本的にd点〜G1点間を感温抵抗体Rs1、f点〜G2点間を感温抵抗体Rs2として用いる。電流源I1,I2の電流値のばらつきにより、感温抵抗体Rs1またはRs2の抵抗値を減じる形でc点〜G1点間またはe点〜G2点間を用いる。白金薄膜に限らず、巻き線抵抗体なども抵抗部の途中から端子を取り出す事で実現できる。 【0039】したがって、感温抵抗体Rs1またはRs2とは別の抵抗として抵抗R1,R2を用意する必要がないので、部品点数を削減することができる。 【0040】[発明の実施の形態5]流量測定装置の製造を容易にするためには電流源I1,I2のばらつきの許容値が大きい方が良いのは言うまでもない。しかし、電流源I1,I2のばらつきは、差電圧Vdiffのオフセットという形で現れ、高精度な流量測定の妨げになる。そこで、発明の実施の形態1,2,4では抵抗を感温抵抗体に接続し差電圧Vdiffのオフセットを除去した。しかし、電流源I1,I2の電流値を測定してから感温抵抗体Rs1,Rs2に接続する抵抗R1,R2の抵抗値を決めていては手順が多く量産に適なさい。 【0041】そこで、この発明の実施の形態5では、次のような手段を講じている。その他の構成は発明の実施の形態1と同様であり、発明の実施の形態1と同一符号を用い、詳細な説明は省略する。 【0042】すなわち、発明の実施の形態1の流量測定装置1において、電流源I1とI2の電流値の差ΔI=1−I2を考える。電流源I1,I2の製造ばらつきによりΔIは図5に示すような頻度で生じる。このときの標準偏差をσとする。そこで、例えば電流の差が±0以内に入らない場合に抵抗R1またはR2を追加する事を考える。発明の実施の形態1の場合と同様な条件を考えると、電流源I1,I2の電流は最大で±3%程度の相対精度である条件を想定し、σは約1.75(mA)×3%÷3=17.5(μA)と見積もる事ができる(正規分布では標準偏差σとして±3σ内99%以上の標本数が入る)。 【0043】ΔIが17.5(μA)のとき差電圧Vdiffに現れるオフセット分を見積もる。感温抵抗体Rs1及ぴRs2の低抗値は500Ωであり、簡単の為に発熱は考えないと、500(Ω)×17.5(μA)=8.75(mV)のオフセットが差電圧Vdiffに現れる。このオフセットを補正するために必要な抵抗R2の抵抗値は、8.75(mV)/1.75(mA)=5(Ω)となる。 【0044】そこで、あらかじめ電流源11,I2の電流値の差ΔIのばらつきのσがわかったならば、感温抵抗体Rs1およびRs2の抵抗値をRsとして、抵抗R1およびR2の抵抗値RはR=Rs×σ/Iとして設計しておく。するとΔIに±σ以上±2σ以下のずれが生じた場合、抵抗R1またはR2を利用することで±σ以内のずれと同等の差電圧Vdiffのオフセットに抑えることができる。つまり、抵抗R1およびR2の抵抗値は最大でもΔIが3σ生じた状態を考えれば、99%以上の場合で電流値の相対ばらつきを改善できることになる。よって、抵抗R1及ぴR2の抵抗値Rは、R=Rs×3σ/I以下の値として設計すれば電流値の相対ばらつきを補正するに十分である。 【0045】したがって、調整の際に抵抗R1,R2抵抗値を求める必要が無くなり、流量測定装置の製造が容易となる。 【0046】[発明の実施の形態6]この発明の実施の形態6の流量測定装置では、発明の実施の形態5と同様の理由により、各々の感温抵抗体Rs1,Rs2に流す電流値をI、ばらつきによる各々の感温抵抗体Rs1,Rs2への電流の差の偏差をσ、感温抵抗体Rs1,Rs2の抵抗値をRsとした場合、感温抵抗体Rs1,Rs2間の抵抗値の差をRs×3σ/I以下とし、小さい抵抗値をもつ方の感温抵抗体Rs1またはRs2の一端に接続した抵抗値可変の抵抗R1またはR2の低抗値をRs×3σ/1以下としており、電流源11,I2の電流値のばらつきを補正するには十分である。その他の構成は発明の実施の形態1と同様であり、発明の実施の形態1と同一符号を用い、詳細な説明は省略する。 【0047】したがって、調整の際に抵抗R1,R2抵抗値を求める必要が無くなり、流量測定装置の製造が容易となる。 【0048】[発明の実施の形態7]図6は、この発明の実施の形態7である流量測定装置1の回路図である。この発明の実施の形態7の流量測定装置1が発明の実施の形態1のものと異なる点は、b点とf点、a点とd点を接続し、また、d点とc点およびf点とe点を短絡する短絡線を設けている点にある。その他の構成は発明の実施の形態1と同様であり、発明の実施の形態1と同一符号を用い、詳細な説明は省略する。 【0049】すなわち、電流源I1とI2の電流値の差ΔI=I1−I2が正のばらつきを持つ場合、抵抗R2を短絡する短絡線を切断する。ΔIが負の場合、抵抗R1を短絡する短絡線を切断する。これにより、電流値の相対ばらつきによる差電圧Vdiffのオフセットを改善する。もちろん、ΔIが小さく短絡線を切断すると差電圧Vdiffのオフセットが逆に大きくなってしまう場合は切断しなくとも良い。 【0050】したがって、短絡線を切断するかしないかにより調整が可能となるため、流量測定装置1の製造が容易となる。 【0051】 【発明の効果】請求項1に記載の発明は、第1と第2の電流源の電流値のばらつきにより、第1と第2の感温抵抗体間の端子電圧差にオフセット電圧が現われても、このオフセット電圧を第1または第2の抵抗によりキャンセルすることができる。 【0052】請求項2に記載の発明は、第1と第2の電流源の電流値のばらつきにより、第1と第2の感温抵抗体間の端子電圧差にオフセット電圧が現われても、このオフセット電圧を第1および第2の抵抗によりキャンセルすることができる。第1および第2の抵抗は可変抵抗であるため、オフセット電圧のキャンセルは正確に行うことができる。 【0053】請求項3に記載の発明は、第1と第2の電流源の電流値のばらつきにより、第1と第2の感温抵抗体間の端子電圧差にオフセット電圧が現われても、このオフセット電圧を第1および第2の抵抗によりキャンセルすることができる。第1および第2の抵抗は可変抵抗であるため、オフセット電圧のキャンセルは正確に行うことができる。また、請求項2に記載の発明と異なり、オフセット電圧をキャンセルする抵抗は第1の抵抗のみであるので、抵抗値の調節が容易である。 【0054】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの一に記載の流量測定装置において、第1および第2の感温抵抗体とは別の抵抗として第1および第2の抵抗を用意する必要がないので、部品点数を削減することができる。 【0055】請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の流量測定装置において、第1および第2の抵抗の各々の抵抗値をRs×3σ/I以下とすることで、第1と第2の電流源の電流値の相対的なばらつきに対応する第1および第2の抵抗の抵抗値を予め決定することができ、調整の際に抵抗値を求める必要が無くなり、流量測定装置の製造が容易となる。 【0056】請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の流量測定装置において、第1および第2の感温抵抗体間の抵抗値の差をRs×3σ/I以下とし、第1および第2の抵抗の各々の抵抗値をRs×3σ/I以下とすることで、第1と第2の電流源の電流値の相対的なばらつきに対応する第1および第2の抵抗の抵抗値を予め決定することができ、調整の際に抵抗値を求める必要が無くなり、流量測定装置の製造が容易となる。 【0057】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の流量測定装置において、短絡線を切断するかしないかにより調整が可能となるため、流量測定装置の製造が容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー 【識別番号】000006932 【氏名又は名称】リコーエレメックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月10日(1999.3.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101177 【弁理士】 【氏名又は名称】柏木 慎史 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−258215(P2000−258215A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−62870 |
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