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【発明の名称】 流量メ―タの調整装置
【発明者】 【氏名】土田 泰秀

【氏名】唐沢 進太郎

【要約】 【課題】流量計測用の羽根車の回転状態の調整を簡単に行うことができる流量メータの調整装置を提案すること。

【解決手段】水道メータ1は、相互に接続された第1および第2の管2、3の内部に流量計測用の軸流式の羽根車5が回転自在に配置された構造となっている。この羽根車5を取り囲む管2、3の内周面には、羽根車5の回転特性を調整するための突起7、8が形成されている。第1および第2の管2、3は、円周方向に長いボルト孔25、35に通した締結用ボルトによって相互に接続されているので、相対的に回転させることができる。双方の管2、3を相対回転させると、突起7、8を相対的にずらすことができ、このずれ量を調整することにより羽根車5に流入する水流の方向を変更して、羽根車の回転特性を所望の特性となるように調整できる。このように、双方の管2、3を相対回転させるという簡単な作業により羽根車5の回転状態を調整できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体管内に配置した流量計測用の羽根車の回転状態を調整するために、当該羽根車に隣接した前記流体管内の部位に配置した回転調整部材を有する流量メータの調整装置において、第1および第2の管を接続することにより前記流体管が構成されており、これら第1および第2の管の接続部分の内周面の一部には、それぞれ、前記回転調整部材としての突起あるいは溝が形成されており、前記第1および第2の管は、円周方向の相対位置を変更可能な状態で、接続手段により相互に接続されていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項2】 請求項1において、前記接続手段は、前記第1および第2の管を相互に締結固定するための締結用ボルトと、これら第1および第2の管に開けたボルト孔とを備え、当該ボルト孔は、円周方向に長い長孔であることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項3】 請求項2において、前記第1および第2の管の接続部分の外周面の一部には、これらの管の円周方向の相対位置関係を表す指標が形成されていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項4】 請求項2において、前記第1および第2の管の接続部分の合わせ面には、芯合わせ用の溝または突起が形成されていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項5】 請求項2において、前記第1および第2の管の接続部分の合わせ面には、円周方向の相対回転角度位置を規定するための放射状に延びる複数の突起あるいは溝が形成されていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項6】 流体管内に配置した流量計測用の羽根車の回転状態を調整するために、当該羽根車に隣接した前記流体管内の部位に配置した回転調整部材を有する流量メータの調整装置において、前記回転調整部材は、前記流体管内周面における前記羽根車の上流側の部位に形成した突起、および、当該突起よりも上流側の前記流体管内に装着した整流器を含んでおり、この整流器は、前記突起に対する前記流体管円周方向の相対位置を変更可能な状態で、前記流体管に取り付けられていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項7】 請求項6において、前記整流器はビスによって前記流体管に取り付けられており、当該整流器には前記流体管円周方向に長いビス孔が形成されていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項8】 請求項6において、前記整流器は差込みカップリング方式により前記流体管に取り付けられていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項9】 請求項6において、前記整流器と前記流体管には、それぞれ、合わせ面が形成されており、これらの合わせ面には、芯合わせ用の溝または突起が形成されていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【請求項10】 請求項6において、前記整流器と前記流体管には、それぞれ、合わせ面が形成されており、これらの合わせ面には、円周方向の相対位置を規定するための放射状に延びる複数の突起あるいは溝が形成されていることを特徴とする流量メータの調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水道メータ等に代表される流量メータに関するものである。さらに詳しくは、流体管内に配置した流量計測用の羽根車の回転状態を調整するために、当該羽根車に隣接した前記流体管内の部位に配置した回転調整部材を有する流量メータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水道メータは、一般的に、流体管の内部に流量に応じて回転する羽根車を備え、この羽根車の回転を磁気センサによって検出し、検出出力に基づき流量を演算する構成となっている。
【0003】羽根車が流量に応じて予め定められた回転数で回転するように、羽根車の上流側の流体管内部には、整流器、抵抗板等が取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、整流器、抵抗板等を取り付けることにより、羽根車が所望の回転特性で回転するように調整することは面倒な作業であり、各種の形状の抵抗板等の取り付け取り外しを作業を繰り返すことにより、最も適した抵抗板等を選択して取り付ける必要がある。
【0005】本発明の課題は、整流器、抵抗板等を用いた羽根車の回転調整作業を簡単に行うことの可能な流量メータの調整装置を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は、流体管内に配置した流量計測用の羽根車の回転状態を調整するために、当該羽根車に隣接した前記流体管内の部位に配置した回転調整部材を有する流量メータの調整装置において、第1および第2の管を接続することにより前記流体管が構成されており、これら第1および第2の管の接続部分の内周面の一部には、それぞれ、前記回転調整部材としての突起あるいは溝が形成されており、前記第1および第2の管は、円周方向の相対位置を変更可能な状態で、接続手段により相互に接続されていることを特徴としている。
【0007】この構成の流量メータにおいては、前記第1および第2の管を相対的に回転させると、それぞれに形成されている回転調整部材としての突起あるいは溝の相対位置が変化する。この結果、これらの部分を経由して流れる流体の流れが変化して、これらの下流側に位置している羽根車の回転状態が変化する。よって、前記第1および第2の管の円周方向の相対位置を調整することにより、羽根車の回転状態を所望の特性となるように調整できる。
【0008】ここで、第1および第2の管を相対回転可能に接続するための接続手段としては、前記第1および第2の管を相互に締結固定するための締結用ボルトと、これら第1および第2の管に開けたボルト孔とを備え、当該ボルト孔が、円周方向に長い長孔である構成を採用することができる。
【0009】また、これら第1および第2の管の相対回転位置、換言すると、回転調整部材としての溝あるいは突起の相対位置を、外側から分かるようにするためには、前記第1および第2の管の接続部分の外周面の一部に、これらの管の円周方向の相対位置関係を表す指標を形成した構成を採用することが望ましい。
【0010】次に、前記第1および第2の管の相対回転位置を調整するに当たり、双方の管に芯ずれが起きることがないようにするためには、前記第1および第2の管の接続部分の合わせ面に、芯合わせ用の溝または突起を形成しておくことが望ましい。例えば、同心状の円形突起あるいは溝を形成しておくことが望ましい。
【0011】また、前記第1および第2の管の相対回転位置を規定するためには、前記第1および第2の管の接続部分の合わせ面に、円周方向の相対回転角度位置を規定するための放射状に延びる複数の突起あるいは溝を形成しておくことが望ましい。
【0012】一方、本発明は、流体管内に配置した流量計測用の羽根車の回転状態を調整するために、当該羽根車に隣接した前記流体管内の部位に配置した回転調整部材を有する流量メータの調整装置において、前記回転調整部材は、前記流体管内周面における前記羽根車の上流側の部位に形成した突起、および、当該突起よりも上流側の前記流体管内に装着した整流器を含んでおり、この整流器は、前記突起に対する前記流体管円周方向の相対位置を変更可能な状態で、前記流体管に取り付けられていることを特徴としている。
【0013】この場合においても、前記整流器の取り付け位置を円周方向に微調整することにより、当該整流器と流体管内周面に形成した突起との相対位置が変化するので、これらの部分を経由する流体流が変化し、従って、その下流側に位置している羽根車の回転状態も変化する。
【0014】前記整流器を、円周方向に調整可能な状態で流体管に取り付けるための機構としては、ビスと、当該整流器に形成した前記流体管円周方向に長いビス孔からなる構成を採用することができる。
【0015】この代わりに、前記整流器を差込みカップリング方式(バイヨネット方式)により前記流体管に取り付けるようにしてもよい。
【0016】また、前記整流器と前記流体管には、それぞれ、合わせ面が形成されており、これらの合わせ面には、芯合わせ用の溝または突起が形成されている構成を採用することができる。
【0017】さらに、前記整流器と前記流体管には、それぞれ、合わせ面が形成されており、これらの合わせ面には、円周方向の相対位置を規定するための放射状に延びる複数の突起あるいは溝が形成されている構成を採用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を適用した水道メータの実施例を説明する。
【0019】(第1の実施例)図1は第1の実施例に係る水道メータの正面図および端面図である。これらの図に示すように、水道メータ1は、上流側の第1の管2と、下流側の第2の管3とが4本の締結用ボルト4によって接続された構造となっている。これら第1および第2の管2、3の接続部分には、大径のフランジ21、31が形成されており、これらの円環状の合わせ面22、32がOリング(図2参照)を介して密着している。本例では、第2の管3の側からケーブル1aが引き出されており、不図示の計測ユニットの側に接続されている。
【0020】図2は水道メータの概略縦断面図、切断位置が異なる概略縦断面図、および締結ボルトを省略した状態の端面図である。これらの図に示すように、第1および第2の管2、3の接続部分の内部には、軸流式の羽根車5が同軸状態に配置されている。本例では、第1および第2の管2、3のそれぞれの内周面から半径方向の内側に突出させた軸受け部23、33の間に、羽根車5が回転自在の状態で支持されている。
【0021】この羽根車5の下流側の端部にはマグネット51が内蔵されており、このマグネット51に対峙している第2の管3の軸受け部33の内部には磁気センサ6が取り付けられている。羽根車5が回転すると、マグネット51によって回転磁界が発生し、この磁界の磁気変化が磁気センサ6により電気信号として検出され、検出信号はケーブル4を介して不図示の計測ユニットに送出され、当該計測ユニットにおいて検出信号に基づき流量が演算される。かかる検出機構は公知であるので、本明細書においてはこれ以上の説明は省略する。
【0022】ここで、図2(B)から分かるように、第1および第2の管2、3の接続部分の内周面24、34には、それぞれ、管軸方向に延びる4本の突起7、8が羽根車5の回転調整部材として形成されている。回転調整部材としての突起は円周方向の全周に形成してもよいし、突起の代わりに溝であってもよい。双方の突起7、8を、相互に整列している状態から図2(B)において矢印で示す円周方向に相対的にずらしていくと、ずれ量に応じて、当該部分を通過する水流の方向が変化し、この結果、これらの突起7、8の下流側に位置している羽根車5に対する水流の流入方向が変わり、当該羽根車5の回転状態が変化する。よって、これらの突起7、8の相対的なずれ量を調整することにより、羽根車5が所望の回転特性で回転するように調整することができ。
【0023】本例では、第1および第2の管2、3を接続するための4本の締結ボルト4を通すために双方のフランジ21、31にそれぞれ形成されているボルト孔25、35を、図2(C)に示すように、円周方向に長い長孔としてある。
【0024】また、本例では、これら第1および第2の管2、3の相対回転位置、すなわち、双方の突起7、8のずれ量を表示するために、図1(A)に示すように、双方のフランジ21、31の外周面には、当該ずれ量を表示するための目盛り26、36がそれぞれ形成されている。この目盛り26、36としては、各種の表示形態のものを採用することができる。例えば、ノギスのような副尺タイプ、単目盛りタイプ等が考えられる。
【0025】このように構成した本例の水道メータ1において、羽根車5の回転特性を調整するためには、第1および第2の管2、3を相対的に回転させ、それらの内周面に形成されている回転調整部材としての突起7、8の相対位置を変更すればよい。従って、従来のように、所望の特性が得られる形状あるいは寸法の抵抗板等を選択して管内に取り付けるという面倒な調整作業が不要となる。
【0026】ここにおいて、双方の管2、3を相対回転させる場合に、双方の管の芯ずれが起きないようにするためには、双方の管2、3の合わせ面22、32に、芯合わせ用の嵌合突起および嵌合溝を形成しておくことが望ましい。
【0027】例えば、図3(A)に示すように、第1の管2の合わせ面22には円弧状の溝27を形成し、他方の第2の管の合わせ面32には当該溝に嵌まり込むと共に当該溝内に沿ってしゅう動可能な円弧状の突起37を形成しておけばよい。円弧状の溝、突起の代わりに、円形の溝および突起を形成してもよい。
【0028】また、双方の管2、3の相対回転位置を確実に固定するためには、双方の合わせ面に回転位置規定用の嵌合突起、溝を形成しておくことが望ましい。例えば、図3(B)に示すように、第1の管2の合わせ面22には一定の角度で形成された放射状の嵌合突起28を形成し、第3の管3の合わせ面32にも同内の角度で放射状の嵌合溝38を形成しておけばよい。
【0029】(第2の実施例)図4(A)、(B)は本発明の第2の実施例に係る水道メータの概略縦断面図および端面図であり、図5はそのA−Aに沿って切断した部分の概略横断面図である。
【0030】本例の水道メータ10では、流体管11の内周面から半径方向の内側に突出した軸受け部12によって、流量計測用の羽根車13の下流側の端部が回転自在に支持され、当該羽根車13の上流側の端部が流体管11に取り付けた整流器14の下流側端面によって回転自在に支持された構造となっている。
【0031】羽根車13の下流側の端部にはマグネット15が埋め込まれており、このマグネット15に対峙させて、磁気センサ16が配置され、ここからの検出信号がケーブル17を介して不図示の計測ユニットに送出されるようになっている。
【0032】ここで、整流器14は、羽根車13の一端を回転自在に支持している軸受け部141と、この上流側に取り付けられている板状の羽根部142(図5参照)と、この羽根部142の上流側に取り付けられている円環部143とを備え、円環部143には直径方向に延びるリブ144が形成されている。整流器14は、その円環部143の下流側の円環状端面145を、流体管11の側の円環状段面111に対して、4本の固定用のビス18によって固定することにより、流体管11に取り付けられている。
【0033】この整流器14の下流側の軸受け部141を取り囲んでいる流体管11の内周面の部位には、直径方向に対峙している一対の突起112、113が形成されている。
【0034】これら整流器14および突起112、113を経由することにより、水流の方向は所定の方向に変更されて、羽根車13の側に流入する。従って、羽根車13の回転特性は、これら整流器14と突起112、113の相対位置関係、特に、板状の羽根部142と突起112、113との円周方向の相対位置関係を調整することにより、調整することができる。
【0035】本例においては、整流器14を流体管11に固定しているビス18のビス孔146として、円周方向に長い長孔としてある(図4(B)参照)。従って、整流器14の流体管11に対する取り付け位置を円周方向に調整することが簡単にできる。整流器14を円周方向に回転すると、その板状の羽根部142と、流体管内周面に形成した突起112、113との相対位置関係が変わり、この結果、これらを流れる水流の方向が変わるので、羽根車13の回転特性を所望の状態となるように調整できる。
【0036】なお、本例においても、整流器14および流体管11の合わせ面である円環状端面145および円環状段面111に、それぞれ芯合わせ用の嵌合溝および突起を形成しておくことができる。
【0037】また、これらの合わせ面に、相対回転角度位置を規定するための放射状の嵌合突起および溝を形成しておくことができる。
【0038】次に、整流器14を流体管11に対して円周方向の取り付け位置を調整可能に取り付けるための機構としては、差込みカップリング方式(バヨネット方式)を採用することができる。図6には、この方式により整流器14が流体管11に取り付けられた構造の水道メータを示してある。この場合には、整流器14の外周面には例えば半径方向の外方に突出した一対の突起14a、14bを形成し、流体管11の内周面には、これらの突起14a、14bを管軸方向に押し込み、次に回転させることにより係合可能な溝11a、11bを形成しておけばよい。その他の構造は図4、5に示す水道メータと同一であるので、対応する箇所には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0039】なお、上記の各例は水道メータに関するものであるが、本発明は水道メータ以外の流量メータに対しても同様に適用できることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流量メータの調整装置においては、羽根車の回転調整部材として第1の管および第2の管のそれぞれに形成した突起あるいは溝を採用し、これらの管を相対回転可能な状態で相互に接続した構成を採用している。従って、これらの管を相互に回転させることにより、それぞれに形成した突起あるいは溝の相対位置が円周方向にずれるので、当該ずれ量を調整することにより、羽根車の回転特性を所望の特性に調整できる。よって、羽根車の回転調整作業が簡単になる。
【0041】また、第1および第2の管の外面にこのような相対ずれ量を表示可能な指標を形成してあるので、調整作業が容易になる。
【0042】さらに、第1および第2の管の合わせ面には芯ずれ防止用の嵌合溝および突起を形成してあるので、調整時の芯ずれを防止できる。同様に、双方の合わせ面には双方の管の回転角度位置を規定するための嵌合突起および溝を形成してあるので、所望の回転角度状態で相互の管を接続することが容易になる。
【0043】一方、本発明の流量メータでは、整流器を流体管に対して円周方向に相対回転可能な状態で当該流体件に取り付けてある。従って、整流管を回転させることにより、羽根車の回転特性を所望の特性に調整することができるので、このような羽根車の回転調整が簡単になる。
【出願人】 【識別番号】000222657
【氏名又は名称】東洋計器株式会社
【出願日】 平成11年1月19日(1999.1.19)
【代理人】 【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎 (外1名)
【公開番号】 特開2000−205902(P2000−205902A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−10209