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【発明の名称】 被加工板の表面検査システム
【発明者】 【氏名】矢部 友祥

【要約】 【課題】連続加工ラインにおいて、独立して走行する長尺の被加工板の各工程における出来上がり状況を、精度良く検査することが可能な長尺の被加工板の表面検査システムを提供すること。

【解決手段】走行する長尺の被加工板1の表面を検査するシステムであって、被加工板1をデジタルカメラ10で撮像し、該被加工板1の進行方向に対して交差する方向のライン画像データを抽出し、該ライン画像データを連結合成した合成画像を表示すると共に、加工状態を評価する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長尺の被加工板を撮像するデジタルカメラと、該デジタルカメラの出力から前記被加工板の進行方向に対して交差する方向のサンプリングラインにおけるライン画像データを抽出する画像データ抽出手段と、該画像データ抽出手段からの前記ライン画像データを連結合成する画像データ合成手段と、を備えることを特徴とする被加工板の表面検査システム。
【請求項2】 前記画像データ抽出手段は、前記デジタルカメラの撮像範囲における対角線の交点を通り前記被加工板の長尺方向に略直交するラインをサンプリングラインとすることを特徴とする請求項1記載の被加工板の表面検査システム。
【請求項3】 前記被加工板の走行速度を測定する速度測定手段を備え、前記画像データ合成手段は、前記速度測定手段によって測定される板の走行速度に基づいて前記被加工板全体での前記ライン画像データの位置情報を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の被加工板の表面検査システム。
【請求項4】 前記被加工板の斜行度を測定する斜行度測定手段を備え、前記画像データ抽出手段は、前記斜行度測定手段によって測定される板の斜行度に基づいて前記サンプリングラインを変更することを特徴とする請求項2記載の被加工板の表面検査システム。
【請求項5】 前記斜行度測定手段は、前記デジタルカメラの撮像範囲内の1の直線と前記被加工板の周囲線との2つの交点の間隔に基づいて前記板の斜行度を測定することを特徴とする請求項4記載の被加工板の表面検査システム。
【請求項6】 前記斜行度測定手段は、前記被加工板の走行異常を検出することを特徴とする請求項4記載の被加工板の表面検査システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築板等の長尺被加工板の表面検査システムに関し、詳しくは、加工ラインに投入された被加工板の表面の仕上り状態を自動検査するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、建築板の連続塗装ラインでは、塗装すべき多数の原板が1枚ずつ所定の時間間隔で加工ラインに投入され、続いて、裏面塗装→乾燥、下塗り→乾燥、中塗り→乾燥、上塗り→乾燥、クリヤ塗装→乾燥などの順序だった各加工工程を経て、最終塗装建築板ができ上がってくるようになっている。各塗装工程を通過したり、各乾燥工程を通過したりした後の建築板表面は、各々の加工工程の結果といえる固有の表面色に着色されて出てくるが、各加工段階で検査が行われることはほとんどなく、検査工程は、加工を終えた最終段階に設けられており、最終塗装済建築板に対して検査を行うのが通常である。したがって、途中の加工工程における加工の出来不出来については、作業者の目によって観察判断するしかないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、被加工板の加工途中の段階で検査が行われにくい理由の一つとして、次のような理由が考えられる。それは、最終の検査工程では、建築板は、もう既に加工を終えているので、例えば、その両端部をガイドに沿うように最適な速度で定位置を正確に走行させることは可能であって、その直上位置に設置した検査用TVカメラによって建築板表面を撮像するようにすることができる。
【0004】これに対して、加工途中においては、高速(40〜60m/分程度)で独立して走行する個々の建築板の走行ラインとして、定位置を走行するよう規制する制御手段を走行ライン全体に設けようとすれば、莫大な設備費用を要することになる。更に、一つの加工工程から次の加工工程に移動するにあたって、工場レイアウトの関係上、方向転換を余儀なくされるような場合も多々あり、そのような場合には、変速走行も頻繁に行われる。このような場合、各工程での検査のためにのみ定速度、定位置を走行させるということは困難である。被加工板が一時的に静止するような場所があれば、複数のデジタルカメラなどによって、長尺被加工板の全表面画像を撮像して、画像データとして取得することもできるが、そのような静止する場所に限定されるということは、各工程の検査に対応することはできないことになる。
【0005】一般的に言って、検査用TVカメラが使用できる分野としては、定速で連続走行するシート状体のものを観察するような分野、あるいは、板の走行異常状態を監視するような監視分野が考えられるが、上記のように、各加工工程における加工の出来不出来をある程度の正確さで観察する必要がある場合には、その利用は困難である。
【0006】走行する被加工板の表面を観察するためには、(1)観察対象物である被加工板は、高速で走行している状態にあること、(2)その被加工板の走行においては、変速される場面があること、(3)必ずしも、被加工板は搬送ラインの定位置を走行するとは限らないこと、(4)検査対象物である被加工板は2〜3mという長尺なものであること等、検査状況としては好適とはいえない条件があることを十分に考慮して、板の表面画像データを取得する技術を確立する必要がある。
【0007】一方、1枚1枚について被加工板の各加工段階における加工の出来上り状態を作業者に観察させようとすることは、省力化を進める中にあって採用困難であり、たとえ重要な工程に限って観察させるものとしても、常時そのような観察を継続させることは負担が大き過ぎるし、特に走行する建築板のような長尺の被観察対象物に対しては、人の目の観察力もそれほど信頼度が高くないという問題もある。本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、連続加工ラインにおいて、独立して走行する長尺の被加工板の各工程における出来上がり状況を、精度良く観察することが可能な長尺の被加工板の表面検査システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の被加工板の検査システムは、長尺の被加工板を撮像するデジタルカメラと、該デジタルカメラの出力から前記被加工板の進行方向に対して交差する方向のサンプリングラインにおけるライン画像データを抽出する画像データ抽出手段と、該画像データ抽出手段からの前記ライン画像データを連結合成する画像データ合成手段と、を備えるものである。
【0009】また、前記画像データ抽出手段は、前記デジタルカメラの撮像範囲における対角線の交点を通り前記被加工板の長尺方向に略直交するラインをサンプリングラインとすることで、レンズによる撮像において像のゆがみの影響を最も受けにくい。
【0010】さらに、前記被加工板の走行速度を測定する速度測定手段を備え、前記画像データ合成手段は、前記速度測定手段によって測定される板の走行速度に基づいて前記被加工板全体での前記ライン画像データの位置情報を決定することで、被加工板が変速、蛇行走行する場合でも高精度の画像データを得ることができる。また、前記被加工板の斜行度を測定する斜行度測定手段を備え、前記画像データ抽出手段は、前記斜行度測定手段によって測定される板の斜行度に基づいて前記サンプリングラインを変更することで、被加工板が斜行走行する場合でも高精度の画像データを得ることができる。
【0011】また、前記斜行度測定手段は、前記デジタルカメラの撮像範囲内の1の直線と前記被加工板の周囲線との2つの交点の間隔に基づいて前記板の斜行度を測定することで、他の検出手段を用いることなく簡単に斜行度を検出することができる。また、前記斜行度測定手段は、前記被加工板の走行異常を検出することで、被加工板の走行異常を報知することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、被加工板として建築板をイメージして説明するが、あらゆる長尺被加工板に適用できることはいうまでもない。図1は、本発明の一実施の形態の表面検査システムの全体概要を示す図である。搬送基台2上に搬送ローラ群3が設けられ、走行する被加工板1は搬送ローラ群3上に乗り搬送される。各搬送ローラ表面は、黒色に塗装または黒色テープが巻かれており、更に、搬送基台2の上面は黒色に塗装又は黒色板を貼り付けることにより黒色の背景4としている。搬送ローラ群3の間には投光器と受光器よりなる光電スイッチ群5が配置されている。
【0013】被加工板1の上方には45度の方向に傾斜した照明体6が設けられている。この照明体6は、前面の透明板7と、この背後に配置された複数の蛍光灯8と、内面が白色の反射カバー9とで構成されている。蛍光灯8は昼光色が好ましい。被加工板1と照明体6との間にデジタルカメラ10が配置されている。このデジタルカメラ10は照明体6の中央(被加工板1の進行方向に対して)にあり、かつ被加工板1の幅方向の中心の上方に配置されている。デジタルカメラ10の前部にはフード11が取り付けられている(図1(c)参照)。
【0014】デジタルカメラ10は、150万画素程度の高精度のものが好ましい。デジタルカメラ10は、電子スチルカメラとも呼ばれ、光の強弱を電気信号の強弱に変換する小さな素子の集まりであるCCDに入力光を照射し、シャッタが切られるとその信号が一斉に外部に転送されるものが知られている。CCDから吐き出された信号は、その強弱に応じて数値化され、これをCPUが処理してフルカラー画像に復元することができる。それをJPEGフォーマットなどの画像データとして半導体メモリカード(不揮発性メモリであるEEPROMなどが使用される)などに記録するようになっている。
【0015】また、CCDには、画素の情報を一気に読み出すプログレッシブスキャンと呼ばれるスキャン方式と、画素の情報を1ラインおきに2回に分けて読み出すインターレススキャン方式があるが、本発明においては前者の方式を採用する。この方式によれば、物理的なシャッタがなくても使える上、1万分の1秒という高速なシャッタも切れる。実際の使用にあたっては、例えば1/4〜1/1000秒の間の適当な電子シャッタ速度を選択する。また、カラーの再現については、画素単位で特定の光成分しか透過できないカラーフィルタを貼り付け、得られた信号を合成することでフルカラーイメージを再現しているが、この場合のカラーフィルタとしては、例えば、原色フィルタ(R,G,B)が使用される。
【0016】図2は、被加工板1の走行速度計測の原理を説明する図である。被加工板1を長手方向に対して4分割し(分割数は任意であるがこの数を増やす程測定精度が向上する)、被加工板1の長さの1/4に近い距離L毎に光電スイッチ5を配置している。この光電スイッチ5は、被加工板1の進行方向(矢印方向)の後部側からSW1,SW2,SW3,SW4,SW5とする。
【0017】SW1によって板の先端部1aの通過が検出された時点からパルスカウンタ27b(図11参照)が動作し、次のSW2によって板の先端部1aが検出されるまでのパルス数P1 をカウントし、これを計測区間M1におけるパルス数P1 として記録する。記録したパルス数P1 から所要時間T1 が分かるので、計測区間M1 における板速度v1 は、v1 =L/T1 〔m/sec〕 (1)
となる。同様にして各計測区間M2 ,M3 ,M4 についても板速度v2 ,v3 ,v3 が求められる。
【0018】図3は、走行する被加工板1をデジタルカメラ10により撮像する状態を説明する図である。図3(a)は、被加工板1が正常に走行している場合の撮像状態を示しており、搬送ゾーン(搬送ローラ群3で構成)13上で被加工板1の中心ライン15は仮想管理走行センターライン14に合致した状態で矢印方向に走行している。12はデジタルカメラ10の方形の撮像範囲であって、その後端ラインが、撮像開始検出ラインを兼ねた斜行検出ライン12aであり、この斜行検出ライン12aと被加工板1の左角部1L及び右角部1Rとの交点が、各々左側斜行判定ポイントA及び右側斜行判定ポイントBとなる。また、方形の撮像範囲12の対角線交点が、画像データサンプリングライン16の中点、すなわち、センターポイントCPとなっている。そして、画像データサンプリングライン16は、必ずこのセンターポイントCPを通るものとしており、検出された斜行度に応じてセンターポイントCPを中心として回動するように画像データサンプリングライン16が変更されるようになっている。この位置はレンズによる撮像において像のゆがみの影響を最も受けにくい部分でもある。
【0019】図3(b)は被加工板1が斜行状態、すなわち、仮想管理走行センターライン14と被加工板1の中心ライン15がある角度でずれている状態で走行している場合の撮像状態を示している。該図において、P'−Q'のライン(斜行ライン)1601はセンターポイントCPを通る直線であって、後述するように撮像範囲12内における位置は左側斜行判定ポイントA及び右側斜行判定ポイントBによって規定される(図4で詳述する)。
【0020】図4は、被加工板1の斜行度の検出の原理を説明する図である。斜行度θは、画像データサンプリングライン16に対する斜行ライン1601のずれ角度で表される。また、正常走行の被加工板1の交点A、B間の距離(板幅)をTとし、斜行した被加工板1における左端縁と撮像範囲12との交点をA'、同右端縁と撮像範囲12との交点をB'、このA'とB'間の距離をT'とする。したがって、T'>Tとなる。図の三角形ΔA'HB'において、T'COSθ=T、したがって、θ=COS-1T/T' (2)
となる。
【0021】斜行走行時の画像データサンプリングラインは1601に変更され、この変更された画像データサンプリングライン1601を用い、被加工板1の表面と背景4との輝度差より被加工板1との交点SA,SBを求めれば、このSA,SBのライン17における画像データが板のライン画像データとなる。図5、図6及び図7は、被加工板1がデジタルカメラ10の撮像範囲12を通過するときの板の走行状態を示す図である。(a1)〜(a6)に示す走行状態は、被加工板1が正常(斜行度=0であること)の走行状態を示し、(b1)〜(b6)に示す走行状態は、斜行での走行状態を示し、それぞれ(a1)〜(a6)と(b1)〜(b6)とは走行位置が対応している。
【0022】図5(a1)においては、板の先端部1aは同時に斜行検出ライン12aに乗り、左側斜行判定ポイントA及び右側斜行判定ポイントBで同時に検出される。図5(b1)においては、右側斜行判定ポイントB'(ポイントA'点の場合もある)が最初に斜行検出ライン12a上に乗る。すなわち、ポイントB'の1点のみを検出することで斜行であると判定できる。なお、これらの位置は被加工板1の表面の輝度と背景4の輝度との差によって検出される(以下も同じ)。
【0023】図5(a2)及び図5(b2)は、板の先端部1aが画像データサンプリングライン16の直前まで到達した状態である。図5(b2)において、左側斜行判定ポイントA'で左角部1Lが検出されたとき、ポイントA'とB'とから式(2)によって斜行度θ(図4参照)が測定される。図6(a3)においては、板の先端部1aが画像データサンプリングライン16に同時に到達し、図6(a4)においては、画像データサンプリングライン16を通過している。図6(b3)においては、右角部1R点が最初に画像データサンプリングライン16上に乗り、図6(b4)において、画像データサンプリングライン16を通過している。
【0024】図7(a5)においては、板の後端部1bが画像データサンプリングライン16の直前に同時に到達し、図7(a6)においては、画像データサンプリングライン16を通過している。図7(b5)においては、板の後端部1bが画像データサンプリングライン16の直前に到達し、図7(b6)において、画像データサンプリングライン16を通過している。
【0025】上記図5〜図7において、被加工板1は撮像範囲12に突入した状態そのままで走行していくことを前提としている。すなわち、板の後端部1bが撮像範囲12に入った場合には、もはや斜行度の計算ができなくなるのであるが、その場合には最終的に計算された斜行度は板の後端部1bが画像データサンプリングライン16に乗るまで継続されるものとして取り扱っても実用上問題はない。
【0026】図8は、画像データサンプリングラインの決定と必要画像データの抽出を説明する図である。図8(a)において、撮像範囲12の中央の矩形領域を撮像管理範囲12cとする。図8(b)において、輝度点A0 ,B0 の同時検出により正常走行であることが分かり、この輝度点A0 ,B0 が画像データサンプリングラインPQ上に到達してこれが検出されたとき、A1 −B1 上の画像データをサンプリングする(図6(a3)参照)。また、図8(c)において、輝度点B1 が画像データサンプリングラインPQ上に先に到達してこれが検出されたとき、輝度点A0 ,B0 によって検出された斜行度に基づいてA1 −B1 上の画像データをサンプリングする(図4、図6(b3)参照)。
【0027】図9は、被加工板1の異常走行判定の例を説明する図である。図9(a)は斜行度θが許容値を越えているが、斜行度θが測定できる場合の例、(b)は左角部1L又は右角部1Rの斜行方向変位位置が0であって、点P−B1 の距離T1が許容値より短く、斜行度θが測定できない場合の例、(c)は左角部1L又は右角部1Rの斜行方向変位位置が許容値を越え、斜行度θが測定できない場合の例を各々示している。
【0028】撮像範囲12内において、被加工板1の斜行方向が変わるような場合(すなわち蛇行状態)でも、所定の斜行許容範囲内であれば、画像データサンプリングが行われる。許容範囲を越えた斜行状態や蛇行状態であることが検出された場合には、後述するように被加工板1は異常走行状態にあるとして、画像データのサンプリングは中断される。また、画像データサンプリングライン16から板の後端部1bが外れた場合にも、同じく、画像データサンプリングは中断される。
【0029】図10は、被加工板1の全体画像のデータを合成する模式図である(図2参照)。該図において、i1 〜i18は板画像のラインデータ、t1 〜t4 は各計測区間M1 〜M4 における走行時間、TPはサンプリングタイミングパルスである。図の例は、画像データサンプリングライン16に板の先端部1aが到達してからの板速度が順に、v1 <v2 <v3 ≒v4 の場合を示している。このように、板画像のラインデータi1〜i18の隣接間隔を板速度が速いときには密に、遅いときは疎になるようにして板の画像データとする。なお、図は極端な例であり、実際のデータサンプリング場所は、等速走行に到達する少し前からとなり、このような補正を行うことにより、長尺板に対してサンプリングしたデータのその正確な位置情報が加味された画像データを取得することが可能となる。
【0030】図11は、本発明の一実施の形態の表面検査システムの全体構成を示す図である。シャッタタイミングコントロール手段20はデジタルカメラ10のシャッタタイミングをコントロールすると共に、全体板画像データ合成手段29にシャッタタイミングデータを供給する。静止画像連続記録手段21は、撮像管理矩形領域12cについて静止画像を連続記録する。斜行検出手段22は、正常走行と斜行走行と異常走行とを判別する。斜行度計算手段23は、斜行の度合いを計算する。画像データサンプリングライン決定手段24は、斜行度に基づいて画像データサンプリングラインを決定する。画像データサンプリングライン抽出手段25は、画像データサンプリングライン16上の画像データを抽出する。サンプリングライン画像データの記録手段26は、抽出した画像データを記録する。走行速度計算手段27は、メモリ27a及びパルスカウンタ27bを有し、光電スイッチ群5によって被加工板1を検出して被加工板1の変速を検出する。走行速度データ記録手段28は、走行速度データを記録する。全体板画像データ合成手段29は、抽出され記録された画像データから板全体画像を合成する。合成画像データ記録手段30は、合成された画像データを記録する。合成画像の画面表示処理及び異常判定手段31は、記録された合成画像を表示制御し、異常の有無を判定する。システムコントローラ32は、システム全体を制御する。異常走行判定手段33は、被加工板1の異常走行を判定する。異常走行報知手段34は、被加工板1の異常走行時にそのことを報知する。キーボード35及びディスプレイ36は通常のコンピュータが有するものである。
【0031】図12は、システムコントローラ32の制御動作を説明するフロー図である。先ず、システム電源ONか否かを判断し(ステップS1)、NOであればシステム電源ONになるまで待機する。YESであれば初期設定を行う(ステップS2)。
【0032】次にステップS3で、静止板画像データ連続取得制御(図13で詳述する)としてシャッタコントロール等のカメラ制御を行う。ステップS4で、板走行状態監視制御(図14及び図15で詳述する)として斜行走行や異常走行を検出する。ステップS5で、板走行速度計測制御(図16で詳述する)として、被加工板1の変速を検出する。ステップS6で、取得板画像データの抽出加工処理(図17で詳述する)として必要なライン画像データを抽出し、板全体画像として合成する。ステップS7で、合成画像の画面表示処理(図18で詳述する)として、すでに加工されたものの中から指定された番号の板の画像と、加工された直後の板の画像と、その1つ前に加工された板の画像を併せて表示する。ステップS8で、異常報知処理として走行異常を報知すると共に、画像を評価して加工異常を報知する。ステップS9で、システム運転を停止するか否かを判断し、NOであればステップS3に戻り、YESであればフローを終了する。
【0033】図13は、ステップS3の静止板画像データ連続取得制御の詳細な動作を説明するフロー図である。シャッタタイミングコントロール手段20からシャッタタイミングパルスをデジタルカメラ10に供給し(ステップS10)、ステップS11で、板の先端部1aが撮像範囲12に入ったか否かを判断する。すなわち、斜行検出ライン12a(図4参照)上に板の先端部1aが乗ったことを、ステップS4の板走行状態監視制御によって判断する。撮像範囲12に入っていないときは待機し、撮像範囲12に入ったと判断された場合はステップS12に進み、デジタルカメラ10の撮像を開始し、サンプリングタイミングパルスTPに従い記録メディアにデータを出力する。
【0034】ステップS13において、撮像管理矩形領域12c(図8参照)について静止画像(記録メディア上の各画素のRGBデータ)の連続記録を実行する。ステップS14において、板の後端部1bが画像データサンプリングライン16を通過したか否かが判断され、通過していない場合は通過するまで待機し、通過した場合はデジタルカメラ10の撮像を停止し、記録メディアへの出力を停止する(ステップS15)。
【0035】図14及び図15は、ステップS4の板走行状態監視制御の詳細な動作を説明するフロー図である(図5〜図7参照)。ステップS20で、斜行検出ライン12aに板の先端部1aが乗ったか否かを判断し、NOであれば乗るまで待機し、YESであればデジタルカメラ10の撮像開始を指示し(ステップS21)、ステップS22で、検出点(A又はB)の数が1個か2個かを判断し、1個の場合は斜行と判断してステップS23に進み、2個の場合は正常走行と判断して図15のステップS39に進む。
【0036】ステップS23では、検出点がセンターライン14(図3参照)の右側か左側かを判断し、右側の場合ステップS24に進み、左側の場合ステップS25に進む。ステップS24では、板先端部の左角部1Lが斜行検出ライン12a上に乗ったか否かを判断し、YESであればステップS26に進み、NOであれば乗るまで待機する。ステップS25では板先端部の右角部1Rが斜行検出ライン12a上に乗ったか否かを判断し、YESであればステップS26に進み、NOであれば待機する。ステップS26で式(2)により斜行度θを計算し、画像データサンプリングライン16を決定し(ステップS27)、画像データサンプリングライン抽出手段25へ決定データを出力し(ステップS28)、ステップS29に進む。
【0037】ステップS29で板先端部の右角部1Rが画像データサンプリングライン16上に乗ったか否かを判断し、NOであれば待機し、YESであれば図15に進んで異常走行判定を行い(ステップS30、図9参照)、異常がなければステップS31に進み、異常があるときは、異常走行報知指示を行い(ステップS31、これはステップS8でもある)、システムを停止するか否かを判断し(ステップS32)、YESでシステム停止の指示があればシステム停止処理を行い、NOで停止の指示がなければステップS31に戻って異常報知を継続する。ステップS34で、画像データサンプリングライン16上の必要データの抽出を指示し、ステップS35において板の後端部1bが斜行検出ライン12aを通過したか否かを判断し、NOであれば通過するまで待機し、YESで通過すれば現画像データサンプリングライン16を維持し(ステップS36)、ステップS37で板の後端部1bが画像データサンプリングライン16を通過したか否かを判断し、NOであれば通過するまで待機し、YESで通過すればデータ抽出停止を指示して(ステップS38)、ステップS5に戻る。
【0038】ステップS39で、板の先端両角部1L,1Rが画像データサンプリングライン16上に乗ったか否かを判断し(図6(a3)参照)、NOであれば乗るまで待機し、YESで乗れば画像データサンプリングライン16上の必要データの抽出を指示し(ステップS40)、ステップS35に進む。
【0039】図16は、ステップS5の板走行速度計測制御の詳細な動作を説明するフロー図である。ステップS50で、最初の位置にある光電スイッチSW1がONか否かを判断し、NOであればONになるまで待機し、YESであればサンプリングタイミングパルスTPのカウントをスタートする(ステップS51)。ステップS52でSW2がONか否かを判断し、NOであればONになるまで待機し、YESであれば現カウント値を記録する(このカウント値をC1とする)(ステップS53)。以下、同様にして、ステップS54でSW3がONか否かを判断し、NOであれば待機し、YESであれば現カウント値を記録し(C2)(ステップS55)、ステップS56でSW4がONか否かを判断し、NOであれば待機し、YESであれば現カウント値を記録し(C3)(ステップS57)、ステップS58でSW5がONか否かを判断し、NOであれば待機し、YESであれば現カウント値を記録する(C4)(ステップS59)。
【0040】記録した各カウント値(C1〜C4)を元に各計測区間における走行速度を計算し(ステップS60)、各計算速度を元にシャッタ速度(シャッタ→シャッタ間の時間のこと)に応じた走行距離を計算する(ステップS61)。ステップS62で、シャッタ速度換算距離データを、計測順番号を付して順に記録し、ステップS63で計測順番の出力指示があるか否かを判断し、NOであればステップS62に戻って記録を継続し、YESであれば計測順番データの出力を行い(ステップS64)、ステップS65でシャッタ速度換算距離データの出力指示があるか否かを判断し、NOであればステップS62に戻って記録を継続し、YESであればシャッタ速度換算距離データを出力して(ステップS66)、ステップS6に戻る。
【0041】図17は、ステップS6の取得板画像データの抽出加工処理の詳細な動作を説明するフロー図である。ステップS70で画像データサンプリングラインの決定データの入力があったか否かを判断し、NOであれば入力されるまで待機し、YESで入力があればステップS71に進み、決定された画像データサンプリングライン16より板画像ラインデータ(図10参照)を抽出し、計測順番データの出力を指示し(ステップS72)、ステップS73で計測順番データの入力があるか否かを判断し、NOであればステップS72に戻って計測順番データの出力を継続し、YESで入力があればステップS74に進む。
【0042】ステップS74で、抽出した板画像ラインデータに計測番号i1,i2,i3‥‥‥を付して順に記録し、シャッタ速度換算距離データの出力を指示し(ステップS75)、ステップS76でシャッタ速度換算距離データの入力があるか否かを判断し、NOであればステップS75に戻ってシャッタ速度換算距離データの出力を継続し、YESで入力があれば、入力されたシャッタ速度換算データを元に記録した板画像ラインデータをディスプレイ画面に表示できる状態に順に配列加工していく(ステップS77)。
【0043】ステップS78で1枚の板画像データ合成が完成したか否かを判断し、NOであればステップS77に戻ってデータの配列加工を継続し、YESでデータ合成が完成すれば合成画像データに番号を付して記録していき(ステップS79)、ステップS7に戻る。
【0044】図18は、ステップS7の合成画像の画面表示処理の詳細な動作を説明するフロー図である。ステップS80で加工済板の画像データ出力のための指定番号の入力(キーボード35より入力)があるか否かを判断し、NOで指定番号の入力がなければステップS81に進み、1番目の加工済の合成画像データを合成画像記録手段30より読み出し(画像データP1)、ステップS83に進む。ステップS80でYESで指定番号の入力があれば、ステップS82に進み、指示番号の加工済の合成画像データを合成画像記録手段30より読み出す(画像データP1)。ステップS83で合成画像記録手段30の最新の記録データである板の合成画像データを読み出す(画像データP3)。ステップS84でそのP3より1つ前の合成画像データを読み出す(画像データP2)。
【0045】ステップS85では、ステップS81〜84で読み出された3つの画像データP1,P2,P3を画面表示データに加工し(図19参照)、ステップS86で3つの画像データの比較(RGB値の相互比較又は基準値との比較等)による異常判定を行って異常情報を報知し、併せて加工データをディスプレイ36に表示して(ステップS87)、ステップS8に戻る。
【0046】図19は、検査した被加工板1の画面表示例を示す図である。指定した番号の加工済板の合成画像データP1、加工された直後の板の合成画像データP3、その1つ前に加工した板の合成画像データP2を上から順に表示している。板の上下左右を正しく接合させた状態で表示し、かつ、実部は除去して柄部のみを表示する。各板画像ラインデータinの同一番号のラインをそろえて表示する。下部には走行異常18、加工異常メッセージ19を表示する。
【0047】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれば、走行する被加工板の全体像を、デジタルカメラを使用してサンプリングした1本1本の修正静止画像ライン上の画像データを連結させることによって合成し評価するので、連続加工ラインにおいて、独立して走行する長尺被加工板の各工程における出来上がり状況を、肉眼に頼ることことなく精度良く検査することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000110860
【氏名又は名称】ニチハ株式会社
【出願日】 平成11年3月25日(1999.3.25)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2000−275023(P2000−275023A)
【公開日】 平成12年10月6日(2000.10.6)
【出願番号】 特願平11−81811