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【発明の名称】 発光位置標定装置
【発明者】 【氏名】藤田 通則

【氏名】高場 康幸

【要約】 【課題】従来の発光位置標定装置は、弾丸の弾着点及び空中破裂点での発光位置を把握するために人間が表示器の画面に表示された発光源の画面上の位置を把握し、発光源の位置に対しレーザ距離測定器の照準位置の中心になるように操作し、その時の方位及び垂直の角度と発光源までの距離と発光位置標定装置の位置を用い極座標処理を行い、発光源の位置を標定していた。

【解決手段】赤外線撮像器から得られた画像情報を光源検出器で検出、画像処理により表示器の画面にシンボルを表示し、レーザ距離測定器から得た測定距離情報と、レチクル中心に照準して得られた角度情報と、位置入力器から得られた位置情報とを、位置演算器に取り込んで光源位置を標定し、標定情報を表示する表示器で構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発光源の画像を得る撮像器と、前記撮像器で得られた画像から発光源の発光状態の変化に基づいて所定の発光源を検出し、検出された発光源の画像における位置を取得する発光源検出手段と、前記撮像器の視軸方向を移動する雲台と、前記撮像器の視軸方向を測定する角度測定手段と、前記雲台によって移動される前記撮像器の視軸方向の移動量を打ち消すように前記発光源検出手段で検出された発光源の画像における位置を移動させた位置にシンボル表示するとともに、前記撮像器で得られた画像を表示する表示器と、前記撮像器の位置を入力する位置入力手段と、前記表示器に表示されたシンボルが表示画像内の基準位置に表示されるように前記雲台の移動量を調整し、調整後の前記角度測定手段からの撮像器の視軸方向および前記位置入力手段からの撮像器の位置に基づいて発光源の位置を標定する位置標定算出手段とを備えた発光位置標定装置。
【請求項2】 前記表示画像内の基準位置と前記シンボルの表示位置との偏差を測定する偏差量算出手段と、前記偏差量算出手段で算出された偏差量に基づいて前記雲台を駆動する駆動器とを備えたことを特徴とする請求項1記載の発光源位置標定装置。
【請求項3】 前記表示器は、表示画像内の基準位置を方位角と垂直角を示すレチクルの中心に表示し、かつ前記発光源を示すシンボル位置を方位角と垂直角で表示することを特徴とする請求項1もしくは2に記載の発光源位置標定装置。
【請求項4】 前記表示器は、表示画像内の基準位置を緯線および経線を示すレチクルの中心に表示し、かつ前記発光源を示すシンボル位置を緯線および経線で表示することを特徴とする請求項1もしくは2に記載の発光源位置標定装置。
【請求項5】 前記表示器は、前記位置標定算出手段で標定された発光源発光位置と発光時刻を表形式で表示することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発光源位置標定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾丸の弾着に伴う弾着点及び空中破裂点での発光位置を離隔した所から標定する発光位置標定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火砲の射撃時、正確な射撃諸元を火砲に与えても射撃時点における大気温度、大気圧、風向風量、標高等の影響が複雑に絡み合っているため、目標位置に正確に弾着するもしくは目標位置で正確に空中破裂することはない。これを解決するため、砲弾の弾着点もしくは空中破裂点を正確に標定し、射撃諸元を正確に把握した上で修正して再度射撃を行う必要がある。
【0003】従来の発光位置標定装置は、砲弾の弾着点及び空中破裂点を把握するために人間が表示器の画面に表示された砲弾の爆発に伴う発光現象における発光源の画面上の位置を把握し、発光源の位置に対しレーザ距離測定器の照準位置の中心になるように操作し、その時の方位及び垂直の角度と発光源までの距離と発光位置標定装置の位置を用い極座標処理を行い、弾着位置を標定していた。
【0004】弾丸の弾着及び空中破裂の発光源の発光特性は、瞬時に生成し消滅するものであり、通常0.1秒程度で生成〜消滅の発光現象を終了する。従来の装置では、人間が発光源を表示器の画面上で把握する必要があるが、上記のように、対象とする発光源は通常0.1秒程度で生成〜消滅の発光現象を終了するため、見逃さずに正確に画像上の位置を把握し、発光源までの距離を測定することが困難であった。また、特に弾丸の空中破裂は、空間での正確な発光位置を把握することが望まれている。特に、試射では、正確な全弾丸の空中破裂点の位置標定により、正確な射撃諸元算定基礎データを得る必要があるが、上記のように、対象とする発光源は空中において通常0.1秒程度で生成〜消滅の発光現象を終了するため、全弾丸の発光位置を見逃さずに正確に画像上の位置を把握することが困難であった。特に、弾丸の空中破裂の発光源は、レーザ反射率が小さく破裂点までの距離を測定するのが困難であった。
【0005】図8及び図9は従来の発光位置標定装置の外観及び機能構成図を示す。1は光源を撮像する赤外線撮像器、3は発光位置標定装置と光源との距離を測定するレーザ距離測定器、4は赤外線撮像器1とレーザ距離測定器3を搭載した雲台、5は赤外線撮像器1とレーザ距離測定器3を搭載した雲台4の基準方位及び水平基準とのなす角度を測定する角度測定器、6は発光位置標定装置の位置を入力する位置入力器、7はレーザ距離測定器3から得られた距離値と角度測定器5から得られた角度値と位置入力器6から得られた位置とを用い、発光源の位置を極座標演算する位置演算器、8は標定結果を示す表示器、9は雲台の方位方向の調整と調整量を検知する方位調整つまみ、10は雲台の垂直方向の調整と調整量を検知する垂直調整つまみ。また、11は赤外線撮像器1の方位角方向の光軸をレーザ距離測定器3の光軸に合わせる光軸方位角調整つまみ、12は赤外線撮像器1の高低角方向の光軸をレーザ距離測定器3の光軸を合わせる光軸高低角調整つまみ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の発光位置標定装置は、人間が表示器の画面に表示された発光源の画面上の位置を把握していたため、瞬時に生成し消滅する発光源を見逃さずに正確に画像上の位置を特定することが極めて困難であった。例えば、人間が表示器画面を常時凝視していても0.1秒程度の発光現象を見逃さずに補足できるとは限らず、更に、発光源を補足しても基準方位角線からの方位角偏差量と基準垂直角線からの垂直角偏差量を看読、記憶する必要があるが、人間の看読能力と記憶力には不確かさがあり、また個人差もあるという問題点が存在していた。
【0007】また、従来の発光位置標定装置は、発光位置の特定において人間が介在する必要があるため、無人化ができず、かつ、標定を行う速度が遅いという問題点があった。
【0008】この発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、弾丸の弾着に伴う弾着点の位置を、また、空中破裂点での発光位置を離隔した所から標定する発光位置標定装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る発光位置標定装置は、発光源の画像を得る撮像器と、前記撮像器で得られた画像から発光源の発光状態の変化に基づいて所定の発光源を検出し、検出された発光源の画像における位置を取得する発光源検出手段と、前記撮像器の視軸方向を移動する雲台と、前記撮像器の視軸方向を測定する角度測定手段と、前記雲台によって移動される前記撮像器の視軸方向の移動量を打ち消すように前記発光源検出手段で検出された発光源の画像における位置を移動させた位置にシンボル表示するとともに、前記撮像器で得られた画像を表示する表示器と、前記撮像器の位置を入力する位置入力手段と、前記表示器に表示されたシンボルが表示画像内の基準位置に表示されるように前記雲台の移動量を調整し、調整後の前記角度測定手段からの撮像器の視軸方向および前記位置入力手段からの撮像器の位置に基づいて発光源の位置を標定する位置標定算出手段とを備えたものである。
【0010】第2の発明に係る発光位置標定装置は、第1もしくは第2の発明において、前記表示画像内の基準位置と前記シンボルの表示位置との偏差を測定する偏差量算出手段と、前記偏差量算出手段で算出された偏差量に基づいて前記雲台を駆動する駆動器とを備えたものである。
【0011】第3の発明に係る発光位置標定装置は、第1もしくは第2の発明において、前記表示器は、表示画像内の基準位置を方位角と垂直角を示すレチクルの中心に表示し、かつ前記発光源を示すシンボル位置を方位角と垂直角で表示するものである。
【0012】第4の発明に係る発光位置標定装置は、第1もしくは第2の発明において、前記表示器は、表示画像内の基準位置を緯線および経線を示すレチクルの中心に表示し、かつ前記発光源を示すシンボル位置を緯線および経線で表示するものである。
【0013】第5の発明に係る発光位置標定装置は、第1もしくは第2の発明において、前記表示器は、前記位置標定算出手段で標定された発光源発光位置と発光時刻を表形式で表示するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1及び図2はこの発明の実施の形態1を示す外観図及び機能構成図である。図において1及び3〜12は上記従来の発光位置標定装置と同一のものである。2は赤外線撮像器1からの画像で、発光源が発生する発光状態情報から弾着位置で発光する発光源を検出する光源検出器である。
【0015】ここで、この発明の実施の形態1の動作を説明する。赤外線撮像器1は標定する発光源の出現が予想される弾着点または空中破裂点とこの周辺を撮像する。光源検出器2は赤外線撮像器1からの画像信号をフレーム単位でメモリーに記憶し、記憶された前フレームの画像と現在得られている画像信号からの現フレームの画像との差をとった輝度の差より高輝度領域の抽出を行い、抽出された高輝度領域の最大輝度及び高輝度領域の画素数及び高輝度領域の重心座標の時間的な変化を計測する。例えば、発光源が出現すると、計測された発光源情報を予め設定したデータと比較して発光源として検出し、検出した発光源のフレームの重心位置座標の計測データを計算処理し、計算された位置をメモリーに記憶するとともに、表示器8の画面上の発光源の位置をシンボル表示する。発光源の位置がシンボル表示されたら、人間は発光源のシンボル位置に表示器8の画面内の基準位置、すなわちレーザ距離測定器3の照準点が合致するように雲台4を指向するため、方位調整つまみ9及び垂直調整つまみ10を操作する。このとき、シンボルは、空間上に固定しなければならないため方位調整つまみ9及び垂直調整つまみ10の操作により各調整つまみ9,10の移動量とメモリーに記憶された発光源の位置に基づいて照準点とは反対方向に照準点との偏差分シンボルを動かす。例えば、照準点をシンボルに合致するように照準点位置とシンボルの方位偏差量を方位調整つまみ9により調整する。同様にして垂直偏差量を垂直調整つまみ10により調整する。この偏差の調整量を表示画面上での反対方向の移動量として計算処理することにより雲台の動作方向とは反対方向にシンボルを動かすことができる。人間は、発光源のシンボル位置とレーザ距離測定器3の照準点が合致した状態で、レーザ距離測定器3を操作し、発光位置標定装置と発光源の距離値を測定し、位置演算器7に入力する。また、角度測定器5から得られる方位角度値及び垂直角度値と位置入力器6から得られる発光位置標定装置の位置を位置演算器7に入力する。位置演算器7は上記距離値と方位角度値及び垂直角度値とあらかじめ特定されている発光位置標定装置の位置から極座標演算を行い、発光源の位置を標定する。
【0016】実施の形態2.図3及び図4はこの発明の実施の形態2を示す外観図及び機能構成図である。図において1〜12は上記この発明の実施の形態1と同一のものである。13は光源検出器2から得られた発光源の画像上の位置と画像内の基準位置、すなわちレーザ距離測定器3の照準点との偏差量を算出する偏差量算出器、14及び15は偏差量算出器13からの方向角度及び垂直角度の偏差修正量に基づき、雲台の方向角度及び垂直角度を駆動する方向駆動器14及び垂直駆動器15である。
【0017】ここで、この発明の実施の形態2の操作方法を説明する。赤外線撮像器1は標定しようとする発光源の出現が予想される弾着点または空中破裂点とこの周辺を撮像する。光源検出器2は赤外線撮像器1からの画像信号をフレーム単位でメモリーに記憶し、記憶された前フレームの画像と現在得られている画像信号からの現フレームの画像との差をとった輝度の差より高輝度領域の抽出を行い、抽出された高輝度領域の最大輝度及び高輝度領域の画素数及び高輝度領域の重心座標の時間的な変化を計測する。例えば、発光源が出現すると、計測された発光源情報を予め設定したデータと比較して発光源として検出し、検出した発光源のフレームの重心位置座標の計測データを計算処理することにより表示器8の画面上に発光源の位置をシンボル表示する。この偏差を表示画面上での反対方向の移動量として計算処理することにより雲台の動作方向とは反対方向にシンボルを動かすことができる。偏差量算出器13は光源検出器2から得られた発光源の画像上の位置とレーザ距離測定器3の照準点との偏差量を算出し、方向駆動器14及び垂直駆動器15に方向角度及び垂直角度の修正情報を出力し、雲台は発光源の位置に対しレーザ距離測定器3の照準点が一致した状態となる。この状態でレーザ距離測定器3により、発光位置標定装置と発光源の距離値を測定し、位置演算器7に入力する。また、角度測定器5から得られる方位角度値及び垂直角度値と位置入力器6から得られる発光位置標定装置の位置を位置演算器7に入力する。位置演算器7は上記距離値と方位角度値及び垂直角度値と発光位置標定装置の位置から極座標演算を行い、発光源の位置を標定する。
【0018】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形態3における表示器8の表示例を示すものである。図において16は照準点、17はレチクル(EL)、18はレチクル(AZ)、19は方位角(AZ)、垂直角(EL)における発光源シンボル位置、これによって、発光源の位置を赤外線撮像器の画像を通して直接確認することができるので、発光源の情報を人間の目で直観的に把握することができる。また、レチクル17,18の交点近傍、すなわちレチクル中心に発光源のシンボル位置を合わせやすいように、発光源のシンボルは円で表示してある。例えば、シンボル位置19がシンボル位置19bに移動したときに、レチクル中心である照準点16とのずれがはっきりとわかる。
【0019】実施の形態4.図6はこの発明の実施の形態4における表示器8の表示例を示すものである。図において20は緯度グリッド(N)、21は経度グリッド(E)、22は緯度グリッド(N)と経度グリッド(E)における発光源シンボル位置、これによって、発光源の位置を直交座標系で直接確認することができるので、発光源の情報を人間の目で直観的に把握することができる。
【0020】実施の形態5.図7はこの発明の実施の形態5における表示器8の表示例を示すものである。図において23は時刻、24は発光源の座標位置、図では、発光時刻順に座標位置を表形式に表示した表示例である。これによって、発光源の時間変化に対応した情報の変化を数値で読み取ることができる。これは、方位角、垂直角による表示等を併用してもより。
【0021】なお、本実施の形態におけるシンボル形状や、座標系、表の表示の仕方はあくまでも一例であって、他の表示方法で行われてもよい。
【0022】
【発明の効果】第1の発明によれば、発光源から発生する発光源情報を検出する発光源検出手段を検出する光源検出器を備えることにより、0.1秒程度の発光現象を見逃さずに補足できることになり、人間の看読能力と記憶力の不確かさの欠点を補える効果がある。
【0023】第2の発明によれば、偏差量算出器を用いることにより、発光源標定の省人化・無人化を図ることが可能になる。
【0024】第3から5の発明によれば、発光源の標定結果を表示手段に表示させることにより、発光源の標定に関する結果の確認が分かりやすくなる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年3月12日(1999.3.12)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−258122(P2000−258122A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−66196