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【発明の名称】 エンボスキャリアテ―プに収納した電子部品の検査方法及び検査装置
【発明者】 【氏名】宮内 勉

【要約】 【課題】キャリアテープに収納した電子部品のリードフレームなどの検査物の変形や、大きさを画像処理のためのカメラを通して誤検知することなく簡便に対応できる検査方法及び装置を提供する。

【解決手段】本発明の方法は、検査物とカメラとの間に配置されたマスキング部材でキャリアテープの視野内のエンボス部底面の周囲を覆い、エンボス部側壁に映る検査物の虚像をカットする。また、本発明の装置は、検査物とカメラとの間に、視野内のエンボス部底面の周囲を覆うように、二対の互いに対向する棒状のマスキング部材3,3’、5、5’が配置され、このマスキング部材には、それぞれ長手方向に溝孔4,4’、14、14’が設けられ、交差するマスキング部材の溝孔を合わせ、その溝孔にピンを挿通係合させて、各マスキング部材を連結し、マスキング部材を前後又は左右に移動させて、カメラの読み取り視野面積の調整を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンボスキャリアテープに収納した電子部品等の検査物の変形や大きさを、カメラで取り込んだ画像で検査する方法であって、検査物とカメラとの間に配置されたマスキング部材で視野内のエンボス部底面の周囲を覆い、エンボス部側壁に映る検査物の虚像をカットすることを特徴とする、エンボスキャリアテープに収納した電子部品の検査方法。
【請求項2】 エンボスキャリアテープに収納した電子部品等の検査物の変形や大きさを、カメラで取り込んだ画像で検査する装置であって、検査物とカメラとの間に、視野内のエンボス部底面の周囲を覆うように、二対の互いに対向する棒状のマスキング部材が配置され、このマスキング部材には、それぞれ長手方向に溝孔が設けられ、交差するマスキング部材の溝孔を合わせ、その溝孔にピンを挿通係合させて、各マスキング部材を連結し、マスキング部材を前後又は左右に移動させて、カメラの読み取り視野面積の調整を行うことを特徴とする、エンボスキャリアテープに収納した電子部品の検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品搬送用エンボスキャリアテープ(以下、キャリアテープという。)に収納された電子部品を検査物とし、検査物の大きさや変形等を画像処理のためのカメラを通して確認するための検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】キャリアテープは、熱可塑性樹脂シートにエンボス部が成形され、エンボス部の両側又は片側にスプロケット孔を有する。また、エンボス部に底孔が設けられる場合もある。
【0003】キャリアテープのエンボス部には、電子部品が収納され、エンボス部の上面にトップテープを熱溶融もしくは加圧により貼付け封止されるが、このトップテープの貼付けの前後に、収納された電子部品のリードフレームに、上下左右方向の変形や、異物などが付着する場合があった。従来、このような不良品となる電子部品を見つけるために、カメラを用いて画像処理することが知られていたが、キャリアテープのエンボス部側壁に反射した虚像も同時に映り込まれて誤検知されることが多く、照明装置、レンズ、キャリアテープ等の個々に改善を施すことで対処していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、画像処理のためのカメラによる誤検知をなくすための照明装置、レンズ、キャリアテープの改善は、根本的なものがいまだなく、各使用者が種々の照明装置、レンズ、キャリアテープ等を一つ一つ検討して行っているのが現状であるため、時間と費用がかかってしまう。そこで、本発明の課題は、キャリアテープに収納した電子部品のリードフレームなどの検査物の変形や、大きさを画像処理のためのカメラを通して誤検知することなく簡便に対応できる検査方法と装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の検査方法は、検査物とカメラとの間に配置されたマスキング部材で視野内のエンボス部底面の周囲を覆い、エンボス部側壁に映る検査物の虚像をカットする。
【0006】また、本発明の検査装置は、検査物とカメラとの間に、視野内のエンボス部底面の周囲を覆うように、二対の互いに対向する棒状のマスキング部材が配置され、このマスキング部材には、それぞれ長手方向に溝孔が設けられ、交差するマスキング部材の溝孔を合わせ、その溝孔にピンを挿通係合させて、各マスキング部材を連結し、マスキング部材を前後又は左右に移動させて、カメラの読み取り視野面積の調整を行っている。
【0007】一対のマスキング部材は、その基部がガイドレール上を移動するように構成して、マスキング部材間の幅を簡単かつスムーズに変更できるようにすると良い。本発明の検査装置は、従来の照明装置、レンズ、キャリアテープをそのまま使用して、上記マスキング部材を用いることで十分に対応でき、かつ検査物が代わり、キャリアテープのエンボス部の大きさが異なっても、マスキング部材を前後又は左右に移動させることで、カメラの読み取り視野面積の大きさを任意に設定できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のキャリアテープの検査装置の実施の形態を、図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明の検査装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1の平面図である。図3は、図2のA−A線の断面図であり、キャリアテープの断面図を含んだものである。
【0009】本発明の装置は、図1、図2に示すようにガイドレール1とその上を移動するスライドガイドブロック2,2’及び二対の対向する棒状のマスキング部材3,3’、5,5’からなり、スライドガイドブロック2,2’には、X軸方向のカメラの読み取り視野面積、すなわち、画像処理対象範囲を制御するためマスキング部材3,3’の基部が、押しネジ(図示せず)により、それぞれ固定されている。また、マスキング部材3,3’には、長手方向に移動用の溝孔4,4’が設けられ、このマスキング部材3,3’は、ガイドレール1上をスライドガイドブロック2,2’に取り付けられたサーボモーター(図示せず)により移動し、マスキング部材3,3’の間を任意の幅に設定できるようになっている。
【0010】さらに、マスキング部材3,3’と直角にY軸方向の画像処理対象範囲を制御するための一対の棒状のマスキング部材5,5’が取り付けられ、そこにも移動用の溝孔14,14’が設けられている。マスキング部材3,3’とマスキング部材5,5’は、マスキング部材3,3’に設けられた溝孔4,4’とマスキング部材5,5’に設けられた溝孔14、14’に挿通係合させたピン6(図2)によりそれぞれ連結され、マスキング部材3,3’、5,5’を前後または左右に移動させることにより、X軸、Y軸方向に対して画像処理対象範囲を任意に設定できる。設定後は留め具(図示せず)によりマスキング部材は固定され、レンズを通して画像処理に使用される。
【0011】図3は、図2のA−A線で切断したときのマスキング部材3,3’とキャリアテープ7との位置関係を示す模式的な断面図を示すが、画像処理による誤検知の主要因であるエンボス部8の側壁9への検査物の虚像の映り込みを完全に防ぐために、望ましくは、マスキング部材3,3’の内側の軸片の幅10,10’をエンボス部8の開口縁と底面部外縁との間隔11,11’より大きくすることで側壁への映り込みを視野内から完全に排除することができる。
【0012】また、内側の軸片の幅10,10’が、エンボス部8の開口縁と底面部外縁との間隔11,11’より小さい場合でもエンボス側壁への映り込みが画像処理に影響を及ぼさないほど薄くすることが可能となったり、もしくは画像処理対象範囲を側壁を含まない底面部付近にのみ限定することで映り込みを防止できる。
【0013】なお、図では、マスキング部材5,5’を、マスキング部材3,3’とピン6を介して固定したものを示したが、マスキング部材3,3’と同様に、ガイドレール上を移動するスライドガイドブロックにマスキング部材5,5’の基部を固定可能に移動させ、マスキング部材間の幅を自由に変えて設定できるようにしても良い。この場合には、溝孔4,4’、14,14’およびピン6は必要としない。また、各マスキング部材は、内側辺縁部の長手方向にミリ単位等の印をつけ、画像処理対象範囲を正確に規定できるようにしても良い。
【0014】本発明の検査装置の設置位置は、可能な限り収納された部品に接近させた方が好ましいためキャリアテープもしくはトップテープに近ければ近い程よく、好ましくはキャリアテープもしくはトップテープから0.5mm以下に設定するのが良い。0.5mmを超えると画像処理に使用する照明装置からの光りが回り込み、マスキングの効果が期待できない場合が生じることがある。
【0015】本発明の検査装置は、通常、マスキング部材を前後左右に移動させて、エンボス部底面の周囲を覆うように配置して、エンボス部に収納された検査物をカメラで読み取り画像処理するが、電子部品のリードフレームの変形や、異物などの付着を検査する場合には、リードフレーム部のみを検出するように、マスキング部材でリードフレーム部の周囲を覆って、画像に取り込むようにしても良い。本発明の検査装置は、1個のキャリアテープに対しての装置であるが、複数個同時に処理するために、マスキング部材を2個以上連続して使用できるようにマスキング部材3,3’、5,5’を複数個、連設しても良い。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。図1、図2に示す検査装置を用いて、キャリアテープに収納した電子部品のリードフレームの変形確認を実施した。
【0017】[実施例1]ポリスチレン製のキャリアテープに良品と確認された電子部品500個と、リードフレームが左右方向に対して曲がっているもの500個、リードフレームが上下方向に対して曲がっているもの(一般的に、コプラナリティーと呼ばれている)500個をランダムに収納し、画像処理による検査を実施した。その結果、良品と判断された電子部品は500個、不良品と判断された電子部品は1,000個であり、誤検知はなく、100%画像処理が可能であった。一方、本発明の検査装置を使用しない方法で同様の画像処理をしたところ、良品と判断された部品は485個、不良品と判断された部品は1,015個であり、本発明の検査装置の有効性が確認できた。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法および検査装置によれば、画像処理に適していない従来の照明装置、レンズ、キャリアテープを使用しても画像処理にて誤検知することなく簡便に対応できる。
【出願人】 【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
【出願日】 平成11年1月26日(1999.1.26)
【代理人】 【識別番号】100062823
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 亮一 (外2名)
【公開番号】 特開2000−213923(P2000−213923A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−16645