| 【発明の名称】 |
変位測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】豊島 伸朗
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| 【要約】 |
【課題】部品点数が少なく簡単な構成で微少変位を高精度に計測する。
【解決手段】光源2の波長以下の周期で配列された開口部が設けられたパターン部32を有するスケール3に光源2からの光を照射し、パターン部32でから生じるエバネッセント波を散乱体3で散乱し、散乱光を集光して検出し、スケール3の微少な移動量に対し大きな信号強度の変化を検出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源とスケールと散乱体とレンズ及び受光素子を有し、スケールは光源の波長以下の周期で配列された開口部を有し、散乱体はスケールの光源と反対側の表面近傍で、光源から出射する光の波長又は波長より短い距離の近接場に設けられ、スケールからのエバネッセント波を散乱し、レンズは散乱体で散乱した光を受光素子に集光することを特徴とする変位測定装置。 【請求項2】 上記散乱体はスケールの表面を摺動するスライダに取付けられた請求項1記載の変位量測定装置。 【請求項3】 上記散乱体はスケールに設けられた開口部の長手方向と平行な方向に伸びた形状を有する請求項1又は2記載の変位測定装置。 【請求項4】 上記散乱体はスケールに設けられた開口部の周期の整数倍の間隔で複数設けられている請求項3記載の変位測定装置。 【請求項5】 上記散乱体は光源から出射する光の波長以下のピッチで並べたスリットを有する請求項1又は2記載の変位測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、各種測長機器や計測装置,工作機械,複写機などにおいて、移動体の移動量を検出する変位測定装置、特に微少変位の検出精度の向上に関するものである。 【0002】 【従来の技術】工作機械,複写機等において移動体の変位量を測定するために光学式のエンコーダが使用されている。例えば従来の光電式リニアエンコーダは、図9の斜視図に示すように、光源51からの光をコリメートレンズ52によって平行光線にして一定の格子定数の光学格子を有し相対移動するスケール53へ投射する。このスケール53を透過した光を移動方向を認識するためのインデックススケール54を透過させて2組の光検出器55a,55bへと導く。このインデックススケール54は、スケール53と同じ幅で1/4ピッチだけ位相をずらした2組の格子を有し、それぞれを透過した光を光検出器55a,55bで検出すると、スケール53の1ピッチ分の相対的な移動に応じて、位相が90度異なる2組の1周期の正弦波が得られる。この移動量に対応した周期的な信号を用いて移動体であるスケール53の移動量を検出し、さらに移動方向を弁別する。 【0003】このような光学式エンコーダは比較的簡単な構成で移動体の変位量を測定できるが、光の波動性の問題から回折や波長により限定され、ナノメータオーダの変位量を検出しようとすると、複雑な信号処理を加えるなどの必要があり結果的に装置全体として小型化することは困難である。これに対して、エバネッセント波を利用してナノメーターオーダーの変位量を検出する変位測定装置が例えば特開平6−281414号公報に開示されている。この変位測定装置は、図10の断面図に示すように、光導波路61の端面に設けた微少開口62を有する反射膜63に半導体レーザ等のレーザ光源64からレーザ光を照射し、これと相対変位する基準格子65との近接場相互作用の変化を光導波路61を介して光検出器66で検出するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】特開平6−281414号公報に示された変位測定装置は、光導波路61の微少な領域にレーザ光源64や光検出器66などの素子を組み込むため、その作成は容易でなかった。また、微少開口62を介した近接場相互作用の反射光を検出するため、信号光が微弱であり、さらに同一の光導波路61中にレーザ光源64と光検出器66の両方を設けているため、信号光以外の光が光検出器66に入り測定精度が低下してしまうおそれがある。 【0005】この発明はかかる短所を改善し、部品点数が少なく簡単な構成で微少変位を高精度に計測することができる変位測定装置を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明に係る変位測定装置は、光源とスケールと散乱体とレンズ及び受光素子を有し、スケールは光源の波長以下の周期で配列された開口部を有し、散乱体はスケールの光源と反対側の表面近傍で、光源から出射する光の波長又は波長より短い距離の近接場に設けられ、スケールからのエバネッセント波を散乱し、レンズは散乱体で散乱した光を受光素子に集光することを特徴とする。 【0007】上記散乱体はスケールの表面を摺動するスライダに取付けると良い。 【0008】また、上記散乱体はスケールに設けられた開口部の長手方向と平行な方向に伸びた形状を有することが望ましい。 【0009】さらに、上記散乱体をスケールに設けられた開口部の周期の整数倍の間隔で複数設けると良い。 【0010】また、上記散乱体を光源から出射する光の波長以下のピッチで並べたスリットを有するように構成しても良い。 【0011】 【発明の実施の形態】この発明の変位測定装置は、半導体レーザ素子からなる光源とスケールと散乱体とレンズ及び受光素子を有する。スケールは透明基板と、透明基板の一方の表面に形成されたパターン部を有する。パターン部は透明材料からなる保護膜の表面上に金属などの遮光性を有する材料で遮光部が形成され、遮光部の中央部に周期的に形成されたストライプパターンの開口部を有し、移動体と共にともに光源の光軸と直交する方向に移動する。ストライプパターンの開口部の周期は、光源から出射するレーザ光の波長よりも短く形成されている。散乱体は針状に形成され、先端をスケールに向けて光源と反対側のスケールのパターン部表面のごく近傍で、光源から出射するレーザ光の波長又は波長より短い距離である近接場に設けられ、光源からの光がスケールに照射されたときに、スケールのパターン部から生じるエバネッセント波を散乱する。レンズは散乱体で散乱した散乱光を受光素子6に集光する。受光素子は集光した光を検出してスケールの移動量に応じた周期的な電気信号を出力する。 【0012】 【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成図である。図に示すように、変位測定装置1は半導体レーザ素子からなる光源2とスケール3と散乱体4とレンズ5及び受光素子6を有する。スケール3は、図2の断面図に示すように、透明基板31と、透明基板31の一方の表面に形成されたパターン部32を有する。パターン部32は透明材料からなる保護膜33の表面上に金属などの遮光性を有する材料で遮光部34が形成され、図3の平面図に示すように、遮光部34の中央部に周期的に形成されたストライプパターンの開口部35を有し、移動体と共に光源2の光軸と直交する方向に移動する。ストライプパターンの開口部35の周期は、光源2から出射するレーザ光の波長よりも短く形成されている。このスケール3は例えばフォトレジストを用い金属膜をパターニングして形成する。散乱体4は、針状に形成され、先端をスケール3に向けて光源2と反対側のスケール3のパターン部32表面のごく近傍で、光源2から出射するレーザ光の波長又は波長より短い距離である近接場に設けられ、光源2からの光によりスケール3のパターン部32から生じるエバネッセント波を散乱する。レンズ5は散乱体4で散乱した光を受光素子6に集光する。受光素子6はフォトダイオード等からなり、集光した光を検出してスケール3の移動量に応じた周期的な電気信号に変換する。 【0013】上記のように構成された変位測定装置1で光源2から出射する光をスケール3に照射すると、スケール3に照射された光により、スケール3のパターン部32の背面の光の波長程度の距離の領域である近接場にエバネッセント場という局所電磁場を生じ、エバネッセント波を生じさせる。このエバネッセント波は、エバネッセント場の領域に設けられた針状の散乱体4により散乱され、エバネッセント波の強度に対応した散乱光を生じる。エバネッセント波の強度分布はスケール3のパターン部32に形成された開口部35のストライプパターンに対応する。したがってスケール3を光源2の光軸と直交する方向に移動すると、スケール3の移動量に応じてエバネッセント波の強度分布が変化し、散乱体4で散乱した散乱光の強度変化が生じる。この散乱光をレンズ5で受光素子6に集光することにより、受光素子6からスケール3の移動量に応じて周期的に変化する電気信号を得ることができる。このようにしてエバネッセント波の強度分布の変化を検出することにより、光の回折の影響を超えた高分解能でスケール3の移動量を検出することができる。 【0014】上記のようにエバネッセント波を散乱体4で散乱させてエバネッセント波の強度分布の変化を検出するためには、散乱体4をスケール3のパターン部32の背面の光の波長程度の距離の領域である近接場に常時安定して配置しておく必要がある。一方、スケール3の平坦性とスケール3が移動する際のブレなどが光の波長程度あると、散乱体3の先端がスケール3に衝突して先端を破損したり、散乱体3が近接場からはずれる可能性がある。そこで、図4に示すように、スケール3のパターン部32の表面に接触して摺動する摺動部7を表面に有し、透明な材質からなるスライダ8の表面に散乱体4を取付ける。このスライダ8を、図5に示すように、支持体9によりスケール3側に押圧して、スライダ8の摺動部7が常にスケール3のパターン部32の表面に接触させることにより、散乱体4を移動するスケール3のパターン部32背面の近接場に常時安定して配置することができる。 【0015】また、上記のように針状に形成した散乱体4でエバネッセント光を散乱させた場合、散乱光の強度は非常に微弱である。一方、受光素子6で検出された信号のS/Nを上げるためには、できるだけ散乱光の強度が大きい方が望ましい。そこで、図6の斜視図に示すように、散乱体4aをスケール3の開口部35と平行な方向に伸びた三角柱形状とし、この三角柱形状の散乱体4aの先端部分でエバネッセント光を散乱させると良い。このようにしてエバネッセント光の散乱させる部分を拡大することにより、受光素子6で受光する散乱光の強度を増大させて受光素子6で検出された信号のS/Nを向上させ、スケール3の移動量をより精度良く測定することができる。 【0016】上記実施例は散乱体4aを1個設けた場合について説明したが、図7の断面図に示すように、スライダ8の表面に三角柱形状の散乱体4aを、スケール3の開口部35のストライプパターンのピッチの整数倍のピッチで複数個、例えば4個設け、複数個の散乱体4aでスケール3からのエバネッセント光を散乱させるようにしても良い。このように散乱体4aをスケール3の開口部35のストライプパターンのピッチの整数倍のピッチで設け、各散乱体4aをスケール3に対して同じ位置関係で揃え、複数の場所でエバネッセント光を散乱させることができ、散乱光の強度をより効率良く増加させることができる。また、複数個の散乱体4aのピッチを小さくすることにより、散乱光の強度をより高めることができる。 【0017】上記実施例は三角柱形状の散乱体4aをスケール3のパターン部32表面のごく近傍に設けた場合について説明したが、図8の断面図に示すように、スケール3の開口部35のストライプパターンと同様なストライプパターンのスリット41を光源2から出射する光の波長以下のピッチで並べた散乱体4bを使用しても良い。このように光の波長以下のピッチのストライプパターンのスリット41を有する散乱体4bを使用することにより、スケール3からのエバネッセント光を効率良く散乱することができ、十分な散乱光を受光素子6に導いて、受光素子6で検出された信号のS/Nをより向上させることができる。また、散乱体4bを例えばフォトレジストを用い金属膜をパターニングすることにより簡単に作製することができる。 【0018】 【発明の効果】この発明は以上説明したように、光源の波長以下の周期で配列された開口部が設けられたパターン部を有するスケールに光源からの光を照射し、パターン部でから生じるエバネッセント波を散乱体で散乱し、散乱光を集光して検出し、スケールの移動量を測定するようにしたから、スケールの微少な移動量に対し大きな信号強度の変化を検出することができ、複雑な信号処理を用いることなしにナノメータオーダでスケールの移動量を測定することができる。 【0019】また、散乱体をスケールの表面を摺動するスライダに取付けることにより、散乱体を移動するスケールのパターン部背面の近接場に常時安定して配置することができ、スケールの移動量を安定して測定することができる。 【0020】さらに、散乱体をスケールに設けられた開口部の長手方向と平行な方向に伸びた形状に形成してエバネッセント光の散乱させる部分を拡大することにより、受光素子で受光する散乱光の強度を増大させ、受光素子で検出された信号のS/Nを向上させてスケールの移動量をより精度良く測定することができる。 【0021】また、散乱体をスケールに設けられた開口部の周期の整数倍の間隔で複数設けることにより、散乱光の強度をより効率良く増加させることができ、受光素子の検出信号のS/Nをより向上させることができる。 【0022】さらに、散乱体として光源から出射する光の波長以下のピッチで並べたスリットを有するように構成することにより、複数の散乱体を高密度に並べて配列することができ、散乱光の強度をより増大して受光素子の検出信号のS/Nをさらに向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成11年1月21日(1999.1.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093920 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 俊郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−213910(P2000−213910A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月4日(2000.8.4) |
| 【出願番号】 |
特願平11−12605 |
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