| 【発明の名称】 |
姿勢測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】木佐貫 義勝
【氏名】三木 一生
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| 【要約】 |
【課題】人体やダミーの局部的な変形のみならず全体姿勢の変化に関する位置・回転角情報も合わせて計測することにより、人体あるいはダミーの姿勢変化が高精度に計測可能な姿勢計測装置を提供すること。
【解決手段】本第1実施形態の姿勢測定装置は、人体またはダミーに装着された帯状弾性薄板部材1と、該帯状弾性薄板部材1の長手方向に複数配設されたひずみ検出用ゲージ2と、前記帯状弾性薄板部材1の少なくとも一ヶ所の位置を検出する位置検出手段3と、前記ひずみ検出用ゲージ2で計測したひずみと前記位置検出手段3で計測した位置情報に基づき人体またはダミーの姿勢を演算する演算手段4とからなる姿勢測定装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人体またはダミーの脊柱近傍に装着された帯状弾性薄板部材と、該帯状弾性薄板部材の長手方向に複数配設され各部のひずみを検出するひずみ検出用センサと、前記帯状弾性薄板部材の少なくとも一ヶ所の位置を検出する位置検出手段と、前記各ひずみ検出用センサによって計測された前記各部のひずみと前記位置検出手段によって計測された前記帯状弾性薄板部材の位置情報に基づき前記人体またはダミーの脊柱の変形量を演算することにより、前記人体またはダミーの姿勢を演算する演算手段とからなることを特徴とする姿勢測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突試験において、人体姿勢変化の時間履歴を計測することを目的とした人体姿勢測定装置に関するものであり、特に鞭打ち傷害の一因と考えられる脊柱変形の測定を主たる目的として、人体あるいはダミーに装着して使用することが出来る姿勢測定装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】人体局部の形状および姿勢を計測するための装置としては、特開平2−143104、ダミー腹部曲げひずみ計測装置(特開平8−122009)やダミー胸部変形計測装置(SAE892426)およびダミー腹部変形計測装置(SAE892440,902317)などがある。 【0003】上記従来のダミー腹部曲げひずみ計測装置(特開平8−122009)においては、図14に示すように複数のひずみ検出用ゲージGを長手方向に間隔をおいて配設した帯状弾性薄板部材TBを用いて、人体局部の形状および姿勢変化を計測するものである。 【0004】前記従来装置における前記帯状弾性薄板部材TBの端は、図14に示すように規定位置に固定されている。よって前記帯状弾性薄板部材TBの形状変化は、規定位置を原点OとしたX−Y座標系において求められる。 【0005】一方図15は、上記従来のダミー腹部曲げひずみ計測装置(特開平8−122009)において示されている曲げひずみ計測装置を、ダミー衝突試験への適用を試みた場合の試験状況を示すものである。 【0006】このようなダミー試験では、衝突時のダミーDの姿勢変化を計測し、エアバックやシートベルトなどの安全装置の性能向上を図るために行う。図15に示されるダミー衝突試験では、上記従来のダミー腹部曲げひずみ計測装置(特開平8−122009)においてダミーの腹部に配設して腹部の変性を計測していた前記曲げひずみ計測装置の帯状弾性薄板部材TBをダミーDの背部に装着して試験を行っている。 【0007】車両VがバリアBRに衝突した際にダミーDは慣性の影響により、シートベルトの抗力に対抗しながら、図15中S1の位置からS2の位置に姿勢変化を伴いながら移動する。車両VにOcを原点とするXc−Yc座標系を設定すると、前記薄板部材TBの固定点OはOe0からOe1へと移動する。 【0008】また、図16に示すようにダミーDは衝突後シートS上を移動すると共に姿勢が運転姿勢から前屈姿勢へと変化することから、ダミーDの固定点Oに設定したX−Y座標系は、X−Y軸交点の紙面垂直方向を回転軸として角度θだけ回転する。 【0009】曲げひずみ計測装置は、前記帯状弾性薄板部材TBに接着したひずみゲージGを用い、前記帯状弾性薄板部材TBの長手方向のひずみを計測し、計測したひずみを基に薄板部材TBの形状変化を演算により求める。上記演算により求められた薄板部材TBの形状は、固定点Oを原点とするX−Y座標系での座標値である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】前記特開平8−122009の曲げひずみ計測装置を用いた上記ダミー試験においては、Xc−Yc座標系でのX−Y座標系の移動量および回転量は計測されていないため、実際にはダミーDが移動および回転運動をした場合においても、前記薄板部材TBの形状演算結果によっては姿勢変化がないものとなる場合がある。すなわち、例えば図17(Xc−Yc座標系で表示)に示す衝突時刻t0からt4のようにX−Y座標系が平行移動した場合には、演算結果はダミーDに姿勢の変化が生じていないという演算結果となる。 【0011】また前記薄板部材TBが、形状変化を伴わずにX−Y座標系が回転した場合も、上述の平行移動の場合と同様にダミーDに姿勢変化が生じていないという演算結果になる。このため、エアバックやシートベルトなどの安全装置の評価が精度良く行えないという問題が生じる。 【0012】一方、図18は、上記ダミー衝突試験の問題を確認するために行った試験結果の一例である。試験では、被験者Tの背部に曲げひずみ計測装置TBを装着し、直立姿勢から前屈姿勢に姿勢を変化させた。図18に示すように被験者が90度に前屈した状態においても、計測装置の出力は、僅かに前屈した程度の出力しか出力されておらず実際の姿勢変化と異なっている。なお、直立姿勢時の出力は、背部の湾曲のため後方に反り返ったような出力となっている。 【0013】以上から明かなように、上記人体またはダミーの局部変形を計測するために上述した曲げひずみ計測装置TBのみを用いた上記従来装置においては、姿勢変化を伴う脊柱の変形の計測は、困難であった。 【0014】本願発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、人体やダミーの局部的な変形のみならず全体姿勢の変化に関する位置・回転角情報も合わせて計測することにより、人体あるいはダミーの姿勢変化が高精度に計測可能な姿勢計測装置を提供することを目的としている。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載)の姿勢測定装置は、人体またはダミーの脊柱近傍に装着された帯状弾性薄板部材と、該帯状弾性薄板部材の長手方向に複数配設され各部のひずみを検出するひずみ検出用センサと、前記帯状弾性薄板部材の少なくとも一ヶ所の位置を検出する位置検出手段と、前記各ひずみ検出用センサによって計測された前記各部のひずみと前記位置検出手段によって計測された前記帯状弾性薄板部材の位置情報に基づき前記人体またはダミーの脊柱の変形量を演算することにより、前記人体またはダミーの姿勢を演算する演算手段とからなるものである。 【0016】 【発明の作用】上記構成より成る本発明の姿勢測定装置は、人体またはダミーの脊柱近傍に装着された帯状弾性薄板部材の長手方向に複数配設されたひずみ検出用センサによって前記帯状弾性薄板部材の各部のひずみが検出され、前記位置検出手段によって前記帯状弾性薄板部材の少なくとも一ヶ所の位置が検出され、前記演算手段によって前記各ひずみ検出用センサによって計測された前記各部のひずみと前記位置検出手段によって計測された前記帯状弾性薄板部材の位置情報に基づき前記人体またはダミーの脊柱の変形量を演算することにより、前記人体またはダミーの脊柱の局部的な姿勢変化および前記人体またはダミーの脊柱の全体の移動および回転を演算することによって、前記人体またはダミーの脊柱の姿勢を演算するものである。 【0017】 【発明の効果】上記作用を奏する本発明の姿勢測定装置は、前記演算手段によって前記各ひずみ検出用センサによって計測された前記各部のひずみと前記位置検出手段によって計測された前記帯状弾性薄板部材の位置情報に基づき前記人体またはダミーの脊柱の変形量を演算することにより、前記人体またはダミーの脊柱の局部的な姿勢変化および前記人体またはダミーの脊柱の全体の移動および回転を演算するので、前記人体またはダミーの脊柱の高精度な姿勢計測を可能にするという効果を奏する。 【0018】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。 【0019】(第1実施形態)本第1実施形態の姿勢測定装置は、図1に示されるように人体またはダミーに装着された帯状弾性薄板部材1と、該帯状弾性薄板部材1の長手方向に複数配設されたひずみ検出用ゲージ2と、前記帯状弾性薄板部材1の少なくとも一ヶ所の位置を検出する位置検出手段3と、前記ひずみ検出用ゲージ2で計測したひずみと前記位置検出手段3で計測した位置情報に基づき人体またはダミーの姿勢を演算する演算手段4とからなるものである。 【0020】本第1実施形態の姿勢測定装置は、図1に示されるように前記ひずみ計測用のゲージ2を多数配置した前記帯状弾性薄板部材1により、該帯状弾性薄板部材1を密着させた局部の変形状態が計測される。 【0021】一方前記位置検出手段3により前記帯状弾性薄板部材1の少なくとも一ヶ所以上で、人体あるいはダミーの移動量および回転角θが計測される。 【0022】人体あるいはダミーの姿勢変化を得るためには、前記帯状弾性薄板部材1のひずみを基に演算したX−Y座標系で表される座標値Px,Pyを、Xc−Yc座標系の座標値Pcx,Pcyに変換する必要がある。 【0023】このため先ず前記帯状弾性薄板部材1の変形状態を表す各座標値を回転角θを用いて変換する。この変換は、数1を用いて行うことができる。 【数1】
ただし、Px,Py; X−Y座標系での座標値Px,Py; 変換後の座標値θ; 位置検出手段で求めた回転角【0024】次ぎに変換した座標値をさらに数2を用いて変換し、Xc−Yc座標系における座標値を求める。 【数2】
ただし、Δx,Δy; 位置検出手段で求めた移動量【0025】以上の演算処理を繰り返すことにより、人体あるいはダミーの局部の姿勢変化である脊柱変形の時間履歴を得ることが可能となる。図2に本第1実施形態の姿勢計測装置において行われる処理内容および手順の例をチャート図で示す。 【0026】上記作用を有する第1実施形態の姿勢測定装置は、前記帯状弾性薄板部材1を用いて人体あるいはダミーの局部的な姿勢変化を計測し、前記位置検出手段3により人体あるいはダミー全体の移動・回転を計測し、それらの計測結果を合わせて姿勢を求めることから、高精度な姿勢計測が可能になるという効果がある。 【0027】(第2実施形態)第2実施形態の姿勢測定装置は、前記第1実施形態において、前記位置検出手段3が、加速度計あるいはジャイロの少なくとも何れかから成るものである。 【0028】本第2実施形態の人体姿勢測定装置は、前記位置検出手段3を構成する加速度計あるいはジャイロによって検出された出力を積分することにより、前記帯状弾性薄板部材1の移動量および回転角を計測するものである。 【0029】上記作用を有する第2実施形態の姿勢測定装置は、前記位置検出手段3を加速度計あるいはジャイロの少なくとも何れかから構成することにより、前記位置検出手段3によって得られる効果に加え、前記位置検出手段3の小型化が可能になるとともに、例えば、実車を用いた衝突試験において本第2実施形態の姿勢測定装置を利用することが可能になるという効果がある。 【0030】(第3実施形態)第3実施形態の姿勢測定装置は、前記第1実施形態において、複数の前記ひずみ検出用ゲージ2を長手方向に間隔をおいて配設する前記帯状弾性薄板部材1が、部材幅方向に少なくとも一ヶ所以上の切れ込みを入れた部材からなるものである。 【0031】本第3実施形態の姿勢測定装置は、前記複数のひずみ検出用ゲージ2を長手方向に配設するための前記帯状弾性薄板部材1の部材幅方向に少なくとも一ヶ所以上の切れ込みを入れることにより、該帯状弾性薄板部材1が、部材厚み方向に変形可能であることに加え、幅方向にも変形可能とするものである【0032】上記作用を有する第3実施形態の姿勢測定装置は、以下のような効果がある。計測時に前記帯状弾性薄板部材1を例えば、人体あるいはダミーの脊柱に装着した場合に脊柱が実際には2以上の自由度を有しているため、前記帯状弾性薄板部材1の幅方向にも変形力が加わる。一方該帯状弾性薄板部材1は、薄板部材からなることから厚み方向に対しては大きな変形が可能であるが、幅方向に対しては変形が困難かあるいは僅かな変形した行うことができない。 【0033】しかし本第3実施形態においては、前記帯状弾性薄板部材1の幅方向に切れ込みを入れることにより、部材の変形自由度が増し、上述の変形力により、部材が破損したり計測精度が低下するなどの弊害が取り除かれ、高精度な姿勢計測が可能となる。 【0034】以下本発明の実施例につき、図面を用いて具体的に説明する。 【0035】(第1実施例)第1実施例の姿勢測定装置は、被験者による衝突模擬試験に本装置を適用した例であり、図3ないし図7を用いて説明する。 【0036】上記衝突模擬試験は、後突事故による鞭打ち傷害解析を目的としたものであり、特に脊柱の変形に着目した試験である。 【0037】図4は、人体の直立状態における脊柱の形状を表した図である。該図4に示すように通常人体の脊柱は、湾曲しておりS字に近い形状となっている。後突事故時には衝突の衝撃により脊柱の形状が湾曲状態から真っ直ぐな状態に急激に変化するため、鞭打ち等の傷害に影響があると考えられている。 【0038】このような脊柱の変形を計測するために、被験者の背部皮膚表面に脊柱に沿うように帯状弾性薄板部材としてのひずみ量検出センサ11を配設する。該ひずみ量検出センサ11は、ひずみ検出用ゲージ21を長手方向に間隔をおいて複数配設した帯状弾性薄板部材110で構成されている。 【0039】皮膚表面に前記ひずみ量検出センサ11を密着させる際には、屈曲時の背部皮膚面の長さ変化を考慮する必要がある。例えば、後頭部と仙骨部付近(図4中a,b点)にマーキングをし2点の間隔を計測すると、体形の影響があるものの一例では、直立状態から45度前屈した場合に2〜3cm,90度前屈した場合には5〜9cm程度間隔が広くなる。 【0040】また、図4のように自然体で直立した状態と背を意識的に伸ばした状態では、4cm程度間隔が狭くなる。このため前記ひずみ量検出センサ11の全体を背部皮膚に固定してしまうと、前記ひずみ量検出センサ11が過大な引張り・圧縮力を受け破損する。よって、本第1実施例では前記ひずみ量検出センサ11の一端aを固定し、他端bを自由端とした。 【0041】また前記ひずみ量検出センサ11を脊柱形状にできるだけ沿って密着させるため、取り付けに際しては皮膚表面にさや10を取りつけた。該さや10は、前記ひずみ量検出センサ11の移動時の滑動抵抗が小さくなるようテフロン樹脂製のものを用いている。さらに前記さや10の取りつけ位置も脊柱の変形形状を考慮し、形状変化が大きな部分に複数取り付けた。 【0042】前記ひずみ量検出センサ11の固定端a点には、図3に示すように固定端aの位置変化を位置検出装置31で計測するために加速度計311とジャイロ312が取り付けてある。加速度計311とジャイロ312の出力を積分することにより、前記ひずみ量検出センサ11の固定端aのXc−Yc軸各方向の移動量と回転角θを求める。 【0043】位置演算回路41は、演算用CPU410と、メモリ411と、および入出力回路412とから成っている。前記入出力回路412は、前記加速度計311とジャイロ312および信号処理用コンピュータ42と信号線により接続されている【0044】前記ひずみ量検出センサ11に貼着されている前記ひずみ検出用ゲージ21は、アクティブゲージが1枚のホイーストンブリッジの1ゲージ法からなるブリッジ回路220に接続されている。該ブリッジ回路220の出力端子は信号変換器43に接続されている。 【0045】前記信号変換器43は、増幅器431およびA/D変換器432とからなっており、入力端子は、前記ブリッジ回路220と接続されており出力端子は前記信号処理用コンピュータ42と接続されている。 【0046】前記信号処理用コンピュータ42は、演算用CPU420と、メモリ421と、入出力回路422と、表示用モニタ423とおよびデータ入力用のキーボード424とから成っている。 【0047】衝突試験の際には、図3に示されるように前記ひずみ量検出センサ11を取り付けた被験者Tが衝突模擬試験装置5の試験用シート51に着座する。前記衝突模擬試験装置5は、試験用シート51と、シート移動装置52および制御回路53から成っており、前記試験用シート51を、所定の速度で移動した後、急減速することにより後突事故を模擬する。 【0048】前記シート移動装置52は、電動モータとスクリューネジ(ボールネジ)から成っており、前記電動モータの回転運動を前記スクリューネジにより直線運動に変換することにより前記試験用シート51を移動させる。よって、該試験用シート51の移動速度は電動モータの回転数を制御することにより変更可能であり、前記試験用シート51は床面に配設されたレールを所定の速度で移動し、ストッパにより停止する。 【0049】衝突模擬試験装置5の前記制御回路53は、前記位置検出装置31および信号処理用コンピュータ42と信号線によって接続されており、衝突試験時に制御信号Siを出力する。 【0050】以下に衝突試験を行う際の手順に従って、人体姿勢測定装置の動作を説明する。 【0051】試験を行うに当たっては、まず前記ひずみ量検出センサ11を被験者Tに取り付けるために、被験者Tの背部皮膚表面に脊柱に沿ってさや10を接着テープで取り付ける。前記さや10の取り付け位置は、前記ひずみ量検出センサ11が脊柱にできるだけ沿い、さらに脊柱変形時に該ひずみ量検出センサ11が滑らかに移動するように、脊柱の変形が大きな部位を選び、少なくとも3箇所以上に接着されている。 【0052】前記ひずみ量検出センサ11は、零調整を行った後に前記さや10に挿入する必要がある。零調整は、平板に前記ひずみ量検出センサ11を沿わせて行う。零調整後前記ひずみ量検出センサ11を前記さや10内に挿入し、前記ひずみ量検出センサ11の端を接着テープにより固定する。 【0053】前記ひずみ量検出センサ11によって計測されたひずみは、前記信号変換器43によりディジタルデータとして前記信号処理用コンピュータ42に取り込まれる。 【0054】一方前記位置演算回路41においては、前記加速時計311とジャイロ312の出力を積分処理し、前記ひずみ量検出センサ11の固定端a点の移動量および回転量を演算処理して求め、前記信号処理用コンピュータ42に出力する。 【0055】前記信号処理用コンピュータ42では、前記信号変換器43からのディジタルデータに変換されたひずみデータを基に帯状弾性薄板部材110の変形形状を演算する。 【0056】前記帯状弾性薄板部材110の変形形状の演算は、以下のように行われる。前記帯状弾性薄板部材110に取り付けられた前記ひずみ検出用ゲージ21で計測した部材長手方向のひずみ分布は、例えば図9のようになる。脊柱が変形すると密着させた部材も変形するため、前記ひずみ検出用ゲージ21の出力が変化する。 【0057】脊柱の変形量が大きくなると前記ひずみ出力は大きくなり、変形量が小さいとひずみ出力も小さくなる。前記帯状弾性薄板部材110における曲げひずみ量と曲率の関係は、図6に示されるものであることから、数3を用いて前記ひずみ分布を曲率分布に変換できる。 【数3】
ε;ひずみ,K;変換係数,R;曲率半径【0058】次に、前記帯状弾性薄板部材110の前記曲率と前記帯状弾性薄板部材110の形状の関係は図11に示されるものであることから、数4を用いて、曲率分布から前記帯状弾性薄板部材110の変形形状を求めることができる。 【数4】
Δx;X軸方向移動量,Δy;Y軸方向移動量,θα;回転角,ds;微小移動量【0059】図7に示されるの関係から求めた前記帯状弾性薄板部材110の変形形状は、固定端aを原点OとしたX−Y座標系の値であることから、前記被験者Tの脊柱形状が変化せずに移動あるいは回転した場合には姿勢変化が計測できない。このため前記帯状弾性薄板部材110で計測した固定点aの移動量および回転量を用いて、前記帯状弾性薄板部材110の座標値を衝突模擬試験装置に固定された座標系の座標値に変換する。この変換は、上記数1および数2を用いて行う。 【0060】以上のようにして本第1実施例の姿勢測定装置は、前記ひずみ量検出用センサ11によって計測されたひずみ量から演算により求めた前記被験者Tの姿勢を、前記位置検出装置31によって計測された移動量と回転角で補正することから、衝突試験時の前記被験者Tの姿勢変化を高精度に計測することができるという優れた効果がある。 【0061】すなわち第1実施例の姿勢測定装置は、被験者Tである人体またはダミーの局部形状の計測と全体姿勢の計測を同時に行い、それらの計測結果を基に人体の姿勢を演算して求めることから、従来計測が困難であった人体またはダミー姿勢の高精度な姿勢計測が可能となる。 【0062】また本第1実施例の姿勢測定装置は、上述したような人体姿勢の高精度計測により、例えば、本装置をシートベルトやエアバックなどの安全装置の評価、改良に利用することが出来ると共に、鞭打ち症などの傷害発生メカニズムの解析などに利用することが可能となる。 【0063】(第2実施例)第2実施例の姿勢測定装置は、ダミーDを用いた車両Vによる衝突試験に本発明の姿勢測定装置を適用した点と、加速度計、ジャイロおよび位置演算回路からなる位置検出装置32A、32Bをひずみ量検出センサ12の固定端および自由端にそれぞれ取り付けた点が、前記第1実施例との相違点であり、以下図8および図9を用いて相違点を中心に説明する。 【0064】前記位置検出装置32A、32Bは、図8に示されるように加速度計321、322、ジャイロ323、324および位置演算回路325、326とから成っており、前記加速度計321およびジャイロ323は前記ひずみ量検出センサ12の上端の固定端に取り付けられており、前記加速度計322およびジャイロ324は前記ひずみ量検出センサ12の下端の自由端に取り付けられている。また前記位置演算回路325、326は、信号処理用コンピュータ44と信号線により接続されている。 【0065】前記位置演算回路325、326は、フィルタ回路3251、3261、積分回路3252、3262およびA/D変換器3253、3263とから成っており、前記加速度計321、322およびジャイロ323、324の出力信号から所定の周波数成分の信号のみを抽出し、それを時間積分する。時間積分の回数によって移動速度、移動量、角速度および回転角が得られる。これらの値をA/D変換器3253、3263によりディジタル値とした後、前記信号処理コンピュータ44に出力される。 【0066】前記信号処理用コンピュータ44は、前記位置演算回路325、326と信号線により接続されており、前記ディジタル値に変換された移動速度、移動量、角速度および回転角が入力される。前記信号処理用コンピュータ44は、演算処理用CPU441、メモリ442、入出力回路443とからなっている。該入出力回路443には、上述の位置演算回路325、326からのディジタル入力値に加え、信号変換器24からひずみ検出用ゲージ22で計測したひずみデータのディジタル値が入力される。また、衝突検出センサ6も接続されている。 【0067】前記衝突検出センサ6は、加速度計61とコンパレータ62とからなっており、前記加速度計61の出力が前記コンパレータ62に入力されている。前記衝突検出センサ6は、車両Vの前方に取り付けられており、該車両VがバリアBRに衝突した際の減速加速度Adを検出し、減速加速度Adが規定値Apを越えた時点で衝突信号Scが出力される。 【0068】前記ひずみ量検出センサ12は、前記第1実施例の場合と同様に、さや120を用いてダミーDの脊柱に沿って粘着される。前記ダミーDを用いた衝突試験を行う際には、前記ひずみ量検出センサ12の零調整を行った後、前記さや120に挿入する。前記ひずみ量検出センサ12を粘着した後、前記ダミーDを前記車両VのシートSに着座させる。 【0069】同様に前記位置検出装置32A、32Bの前記加速計321、322およびジャイロ323、324も調整を行った後、前記ひずみ量検出センサ12の固定部材および自由端にそれぞれ取り付けられる。 【0070】前記ひずみ量検出センサ12および前記位置検出装置32A、32Bからの信号線は、前記信号処理用コンピュータ44に接続されており、計測信号が該信号処理用コンピュータ44にディジタル値として入力される。 【0071】前記信号処理用コンピュータ44は、前記位置検出装置32A、32Bおよび信号変換器24での計測値を基に、前記ダミーDの姿勢を一定時間間隔で演算する。演算結果は、前記信号処理用コンピュータ44のメモリ442に記憶され、試験後、外部コンピュータに転送される。 【0072】記憶時のメモリアドレスは衝突信号Scが入力されるまで更新されず、衝突信号Scが入力された時点から順次更新され、所定のアドレスに達した時点で更新が停止される。 【0073】前記衝突信号Scは、前記位置演算回路325、326にも入力され、該位置演算回路325、326は、前記衝突信号Scが入力された時点で前記積分回路3252、3262を初期化する。これにより前記ひずみ量検出センサ12の固定端および自由端にそれぞれ取り付けられた上下の前記位置検出装置32A、32Bによって計測される移動量および回転角は、衝突後の変化成分が主体となり、DC成分のドリフトの影響を小さくすることができる。 【0074】本第2実施例の姿勢測定装置は、上下の前記位置検出装置32A、32Bを前記ひずみ量検出センサ12の前記固定端と自由端に取り付けたことから、信号処理用コンピュータ44で姿勢変化を演算する際の演算精度を向上させることができるという効果を奏する。 【0075】すなわち姿勢変化の演算は、前述のように前記ひずみ量検出センサ12で計測したひずみデータを用いて、前記信号処理用コンピュータ44において行う。よって、ひずみデータにノイズが重畳した場合は、演算した変形量が実際の変形量と異なってしまう。しかし、前記ひずみ量検出センサ12の両端に前記位置検出装置32A、32Bを取り付けることにより該ひずみ量検出センサ12の両端の座標が求まることから、図9に示されるように、これを前記信号処理用コンピュータ44の演算によって求めた前記ひずみ量検出センサ12の座標と比較することより誤差の有無が分かる。 【0076】誤差が生じている場合は、前記ひずみ量検出センサ12で計測したひずみに対して補正を行う。補正の方法としては幾つかの方法があるが、例えば、前記ひずみ量検出センサ12に貼着された各ひずみ検出用ゲージによって計測されたひずみデータをスプライン関数や最少2乗法などを用いて処理する方法がある。 【0077】一般に前記ひずみ量検出センサ12で計測したひずみの計測値すべてに対してノイズが重畳することは少なく、特定のひずみ検出用ゲージでの計測値にノイズが重畳する場合が多い。よって、複数のひずみ検出用ゲージの測定値を例えばスプライン関数のような連続した関数で近似することにより、ノイズの影響を低減できる。 【0078】以上のように第2実施例の姿勢測定装置は、前記位置検出装置32A、32Bと前記ひずみ量検出センサ12に貼着された各ひずみ検出用ゲージ22によって計測されたひずみから求めた座標値を比較するため、前記第1実施例に比べて姿勢変化の計測精度を向上させることが可能になる。 【0079】また本第2実施例の姿勢測定装置は、前記位置検出手段3を前記加速度計321、322および前記ジャイロ323、324によって構成することにより、前記位置検出装置32A、32Bによって得られる効果に加え、前記位置検出装置32A、32Bの小型化が可能になるとともに、例えば、実車を用いた衝突試験において本第2実施例の姿勢測定装置を利用することが可能になるという効果がある。 【0080】(第3実施例)第1および第2実施例においては、本発明の姿勢測定装置を車両安全に関する試験に適用した適用例について示したが、本第3実施例の姿勢測定装置は、その他に医学およびスポーツ分野に適用するものであり、以下図10ないし図13を用いて説明する。 【0081】医学分野における適用の一例としては脊柱変形傷害の定量解析がある。脊柱変形傷害は、脊柱が前後方向あるいは左右方向に湾曲するために、臓器あるいは神経系に機能不全が生じる傷害である。現状では、X線写真等によって変形状況の観察が行われているが計測精度の面で問題があるとされている。 【0082】このような解析においては図10ないし図13に示されるように、ひずみ量検出センサ13を患者Pの脊柱に沿ってさや130を用いて取り付ける。T字状に配設されたひずみ量検出センサ131、132は部材厚みおよび幅方向のいずれの方向に対しても自由に変形できるよう、帯状弾性薄板部材1310および1320にジグザグ状に切り込み142が設けられている。このような切り込み142を設けることにより、前後左右方向に対して変形の自由度が与えられる。該切り込みは、帯状弾性薄板部材を真直にした状態において、ひずみ検出用ゲージ間を結んだ中心線を超えて入れる必要がある。 【0083】前記ひずみ検出用ゲージ231、232は、アクティブゲージが1枚のホイーストンブリッジの1ゲージ法からなるブリッジ回路241および242に接続されている。前記ブリッジ回路241および242の出力端子は、信号変換器251および252にそれぞれ接続されている。 【0084】該信号変換器251および252は、増幅器2511および2512にそれぞれ接続されている。前記信号変換器251および252は、前記増幅器2511および2521とA/D変換器2512および2522とからなっており、入力端子は前記ブリッジ回路241および242と接続されており、出力端子は信号処理用コンピュータ45と接続されている【0085】前記信号処理用コンピュータ45は、演算用CPU451と、メモリ452と、入出力回路453と、表示用モニタ454およびデータ入力用のキーボード455とから成っている。 【0086】前記ひずみ量検出センサ131および132は、図11ないし図13に示す前記さや130によって前記患者Pの脊柱に沿って取り付けられている。前記さや130は、分割された複数の部材からなり、背部には接着テープにより密接される。また、前記さや130は、前記ひずみ量検出センサ131および132が滑らかに移動できるよう低摩擦材で製作されている。低摩擦材としては、例えばテフロン樹脂のようなものを用いることが出来る。 【0087】前記患者Pの脊柱変形傷害の程度を計測する際には、前記ひずみ量検出センサ131および132を平板に沿わせた状態で零調整を行った後、患者Pの脊柱に沿った背部に予め密接させておいた前記さや130に挿入する。 【0088】前記ひずみ量検出センサ131および132を挿入後、前記信号変換器251および252によりディジタル信号に変換されたひずみデータを前記信号処理用コンピュータ45に取り込んだ後に演算処理し、帯状弾性薄板部材1310および1320の変形量が求められる。 【0089】求めた変形量は、前記さや130が脊柱にそって取り付けられていることから、脊柱の変形状態に対応したものである。このようにして求められた変形量を正常人の脊柱の計測結果と比較することにより、変形傷害の程度を知ることができる。 【0090】上記作用を奏する本第3実施例の姿勢測定装置は、T字状に配設された前記ひずみ量検出センサ131、132を構成する前記帯状弾性薄板部材1310および1320にジグザグ状に切り込み142が設けて部材厚みおよび幅方向のいずれの方向に対しても自由に変形できるようにするとともに、前記ひずみ量検出センサ131、132をT字状に配設されているので、従来計測が困難であった脊柱の3次元変形状況の精確な計測を可能にし、脊柱変形傷害の定量解析を行うことを可能にするという効果を奏する。 【0091】また本第3実施例においては、T字状に配設された前記帯状弾性薄板部材1310および1320の幅方向に切れ込みを入れることにより、部材の変形自由度が増し、上述の変形力により部材が破損したり、計測精度が低下するなどの弊害が取り除かれる。 【0092】上述の実施形態および実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。 【0093】なお上記第2実施例においては、上下の前記位置検出装置32A、32Bで計測した座標値との比較を行ったが、他に既知の座標値があればそれらの座標値と比較を行うことも可能である。 【0094】また上記本第3実施例では患者Pの姿勢を例えば自然直立状態に限定した例を示したが、運動状態における変形量を計測するためには、第1および第2実施例に示したような位置検出手段を付加する必要がある。 【0095】さらにスポーツ分野への利用として水泳や投てき種目の動作解析において、本発明の人体姿勢測定装置の利用が可能である。すなわち例えばバタフライでの泳法解析に本発明を利用することができる。このためには、ひずみ量検出センサを防水処理する。このような泳法解析は還流型の水槽で行うことから、センサと信号処理コンピュータの間は、防水ケーブルを用いて接続することが出来る。 【0096】これまで泳法解析は、ビデオを用いた方法が主であったが、本発明では定量的に、しかも時間履歴の計測が可能であることから、従来にない解析が可能となり競技能力の向上に大きく貢献できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003609 【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
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| 【出願日】 |
平成11年1月27日(1999.1.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083046 【弁理士】 【氏名又は名称】▲高▼橋 克彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−213907(P2000−213907A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月4日(2000.8.4) |
| 【出願番号】 |
特願平11−19184 |
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