| 【発明の名称】 |
低測定圧プロ―ブ |
| 【発明者】 |
【氏名】野本 徹志
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、測定圧がオーバートラベル時の力も含めて小さい、低測定圧プローブを提供することである。
【解決手段】上記課題を解決する本発明の低測定圧プローブは、プローブフィーラーを備える可動部材と、該可動部材を支持する固定部材と、前記可動部材を前記固定部材に指示された安静位に押圧する押圧力発生手段と、前記プローブフィーラーの被測定物との接触を検知し検出信号を発する検出手段と、該検出信号の入力によって前記押圧力を制御する押圧力制御手段とを有することを特徴とする低測定圧プローブである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プローブフィーラーを備える可動部材と、該可動部材を支持する固定部材と、前記可動部材を前記固定部材に指示された安静位に押圧する押圧力発生手段と、 前記プローブフィーラーの被測定物との接触を検知し接触検出信号を発生する検出手段と、該接触検出信号に応じて前記押圧力発生手段を制御する押圧力制御手段とを有することを特徴とする低測定圧プローブ。 【請求項2】 請求項1に記載の低測定圧プローブにおいて、前記押圧力発生手段にはリニアソレノイドを含むと共に、前記押圧力制御手段は、前記リニアソレノイドの励磁を制御することを特徴とする低測定圧プローブ。 【請求項3】 請求項1に記載の低測定圧プローブにおいて、前記押圧力発生手段にはリニアモータを含むと共に、前記押圧力制御手段は、前記リニアモータの駆動を制御することを特徴とする低測定圧プローブ。 【請求項4】 請求項3に記載の低測定圧プローブにおいて、前記押圧力制御手段は、前記接触検出信号に応じて、前記リニアモータが可動部の自重とほぼ等しく、且つ前記可動部材が前記安静位から離れる方向の軸推力を発生するように制御することを特徴とする低測定圧プローブ。 【請求項5】 請求項1に記載の低測定圧プローブにおいて、前記押圧力発生手段はエアシリンダを含むと共に、前記押圧力制御手段は、前記エアーシリンダに供給する圧縮空気の供給先を制御することを特徴とする低測定圧プローブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主に三次元座標測定機に使用されるタッチトリガー式プローブのに関し、特に測定圧が低いタッチトリガー式プローブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】三次元座標測定機は、互いに直角に配設された3組の直線運動案内機構によって、被測定物の測定点との接触を検出するタッチトリガー式プローブのプローブヘッドが、測定可能空間を移動し、且つ、該プローブヘッドの位置を三次元座標値として検出する測定機である。更に、前記検出された三次元座標値はコンピュータに入力され、所望の被測定物寸法が、所定の演算処理によって算出される。即ち、プローブフィーラーを接触させた被測定物上の点の三次元座標値(プローブフィーラーを接触させた時の前記プローブヘッドの位置と対応している)が測定点としてコンピュータに入力される。この座標値入力は、プローブがプローブフィーラーと被測定物とが接触した事を検知し座標値読み取り指令信号を発する事によりなされる。 【0003】図8は従来のプローブのプローブヘッドの外観図である。全体を図示しない三次元測定機のプローブヘッド取り付け部10にプローブヘッド1が取り付けられている。前記プローブヘッド取り付け部10は、互いに直角に配設された3組の直線運動案内機構によって測定可能空間内を移動自在である。プローブヘッド1の下部には被測定物と接触するフィーラー球2aを有するプローブフィーラー2が突き出している。 【0004】図9は図8のプローブヘッド1の構造を示す斜視図である。被測定物に接触するフィーラー球2aが固設された軸からなるプローブフィーラー2が可動部材3に取り付けられている。該可動部材3から3本のアーム4が等角間隔で水平方向に延び、プローブヘッド1本体の図示しない部分に2本ずつ固設されたピン5によって形成されたV型溝に夫々支承されている。 【0005】プローブヘッド1本体の壁面の、可動部材3の上方部分1Aに設けられたネジ孔1Bには測定圧調節部材7がねじ込まれている。可動部材3と測定力調節部材7との間にはコイルばね6が配置され、その弾発力によってアーム4を前記V型溝に押しつけている。なお、図9ではコイルばね6と測定圧調節部材7との間にコマ8を介在させている。測定圧調節部材7のねじ込み位置を調節しコイルばね6の圧縮量を調節することによって被測定物に作用する測定圧を調節することができる。 【0006】アーム4と前記V型溝を構成するピン5とは6組の電気接点を構成している。前記6組の電気接点は電線9によって直列に接続されており、前記電気接点の何れかが離れる瞬間にこれを検知し、接触信号、即ち座標値読み取り指令信号を発生するように構成された図示しないプローブインターフェース回路を有する制御部に接続されている。 【0007】フィーラー球2aが被測定物に接触すると前記電気接点が離れ、接触検出信号が発せられる。この時、被測定物にはコイルばね6の弾発力に抗して可動部材3を微少量変位させる力が作用する。この力は一般的に十数グラム〜数十グラムである。接触検出信号発生後の三次元座標測定機の動き(オーバートラベル)によって、可動部材3はコイルばね6を更に圧縮しつつ変位するので、被測定物にはより大きな力がプローブフィーラー2を介して作用する。前記フィーラー球2aが被測定物に接触した時から、フィーラー球2aが被測定物から離れるまでの間に被測定物に作用する力が測定圧である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】前記測定圧のために、プローブフィーラーの変形や被測定物が剛性が低い材質や薄い板形状の場合の被測定物の変形のために正確な寸法が測れない、硬度が低い材質の被測定物の表面を傷つけるなどの不都合が発生する恐れがある。そして、前記測定圧を小さくする為に、測定圧の発生源であるコイルばねの出力を小さくすると、フィーラー球と被測定物との接触が解除されフィーラー球が元の位置に復したときの位置の再現性が低下し、測定精度が低下するという問題点があった。 【0009】更に、測定圧を小さくすると、被測定物にフィーラー球を接触させるために三次元測定機を駆動してプローブヘッドを移動させる間に、該移動に伴って発生する振動によって前記電気接点の接触が離れ、誤信号を発生するという問題点もあった。また、プローブヘッドはプローブヘッド取り付け部に対する姿勢、即ちプローブフィーラーの突出方向を変えて取り付けるアダプタを介して取り付けることがあるが、プローブヘッドの姿勢を傾斜させると前記6組の電気接点の中に接触が不安定な接点が発生することがあるので、プローブヘッドの使用姿勢が制約される等の不都合が生ずる。上述のような不具合が発生しないように測定圧調節部材の位置を調節すると前記測定圧は十数グラム以上となる。 【0010】フィーラー球の被測定物への接触を検出する手段を、より高い検出感度で検出する検出手段、例えばプローブフィーラーを高周波で振動するピエゾ素子に固設してフィーラー球2aを微少振動させ、フィーラー球2aが被測定物に接触したときの前記振動の変化を検出する検出器として、接触検出時の測定圧を低減したプローブも知られている。しかしながら、このプローブに於いても、オーバートラベルによって大きな測定圧が作用する欠点は解決されていない。 【0011】上述の如く、従来のプローブは、測定圧、特にオーバートラベル時の力が大きく、正確な寸法が測れない、被測定物の表面を傷つける恐れがある、更にはプローブヘッドの使用姿勢に制限があるなどのと言う不都合があった。本発明の目的は、測定圧がオーバートラベル時の力も含めて小さい、低測定圧プローブを提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の低測定圧プローブは、プローブフィーラー(2)を備える可動部材(3)と、該可動部材を支持する固定部材(5)と、前記可動部材を前記固定部材に支持された安静位に押圧する押圧力発生手段(6、20、60)と、前記プローブフィーラーの被測定物との接触を検知し接触検出信号を発する接触検出手段(40、41)と、該接触検出信号の入力によって前記押圧力を制御する押圧力制御手段(50、70)とを有することを特徴とする低測定圧プローブである。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の低測定圧プローブはプローブヘッドと制御部とで構成される。図1に、本発明の第1の実施の形態例のプローブのプローブヘッドの構造の概要を示す。本実施の形態例のプローブヘッド100は、前記従来のプローブヘッドと類似の構成を持つ電気接点開閉部110と、測定圧を発生する測定圧発生手段120とから構成されている。電気接点開閉部110の構成は前記従来のプローブヘッドと同様であるので同じ構成部分には同一符号を付して説明を省略する。 【0014】前記従来のプローブヘッドにおいては、コイルばね6の可動部材3と反対側(図の上方)の端部は、プローブヘッドの本体の壁面2Aに設けられた測定圧調節部材7によってコイルばね6の軸方向に位置を調節自在なコマ8に当接していたが、本実施の形態例では、コイルばね6の上方には押圧力発生手段としてリニアソレノイド20がプローブヘッド100の本体に固設されている。リニアソレノイド20はコイル21とコイル21への励磁によって図の上下方向に移動するコア22とで構成されている。 【0015】コイル21が所定の方向に励磁されると、そのコア22は上端に設けられたフランジ23がコイル21の端面に当接するまで図の下方に移動する。図1はこの時の状態を示してる。この時、コア22の下端部のフランジ24がコイルばね6を押して圧縮し、コイルばね6がその弾発力によって可動部材3をそれぞれ2本のピン5で形成するV溝と該V溝に当接する3本のアーム4とで決定される安静位に押圧する。したがって、アーム4とピン5とで構成される電気接点が導通されると共に、フィーラー球2aの位置が高精度に再現される。以下、可動部材3を安静位に押圧する力を押圧力という。 【0016】前記測定圧は、コイルばね6の弾発力と可動部材3等で構成された可動部の自重との合計の値に応じた値となる。しかしながら、可動部材3等の自重はできるだけ軽量に設計されており、特に小型のプローブヘッドの場合にはコイルばね6の弾発力に比べ小さくその影響は無視し得るので、以下、かような場合についてはコイルばね6の弾発力に注目して説明する。 【0017】また、この時のコイルばね6の弾発力は、プローブヘッドの移動に伴って発生する振動に起因する誤信号を発生することのない大きさとされている。リニアソレノイド20は、その軸推力がコイルばね6の前記弾発力よりも大きいものが選定されている。コイル21への励磁方向を前記と逆方向にすると、コア22はフランジ24がコイル21の下面に当接する位置まで押し上げられる。図2にこの時の状態を示す。図2と図1との差異はコア22の位置のみであるので、図1と同じ構成に同一符号を付して説明を省略する。この状態では、フランジ24はコイルばね6から離れている。即ち、可動部3を安静位に押圧する力は可動部材3等の自重F2となる。前記自重F2は前記弾発力F1に比較して格段に小さいが、前記電気接点は導通している。 【0018】図3は、図1の実施の形態例のプローブの全体構成を示すブロック図である。同図において、30は図1のアーム4とピン5とで構成された、直列に接続された電気接点を示す。130はプローブヘッド100の電気接点30の開放/閉鎖を示す信号S1を受け、リニアソレノイド20の励磁を制御する制御部であり、前記電気接点のいづれかが離れた瞬間を検知してフィーラー球2aが 被測定物に接触したことを検出し接触検出信号S2を生成する検出回路40と、前記接触検出信号S2によってソレノイド20のコイル21の励磁の方向を逆方向とする制御回路50とで構成されている。 【0019】検出回路40と制御回路50とはそれぞれ三次元測定機のシステム制御手段としての演算手段140に接続されている。図示しないが三次元測定機の座標検出手段が演算手段140に接続されており、前記接触検出信号S2が発生したときの座標値が演算手段140に読み込まれるようになっている。三次元測定機が起動されると演算手段140は、まず制御手段50を介してリニアソレノイド20を所定の方向に励磁する。すると、リニアソレノイド20のコイル22がフランジ23がコイル21の上端面に当接するまで下方に移動する。その結果、可動部材3が前記コイルばね6の弾発力F1で安静位に押圧され、前記電気接点30が確実に導通する。従来のプローブヘッドのコイルばねは、測定圧調節部材7でこの状態に調節されている。 【0020】フィーラー球2aが被測定物に接触すると、プローブフィーラー2を介して可動部材3が変位し前記電気接点30のいずれかが開放されて前記ON/OFF信号S1が接点開放を示す信号S1Aとなる。前記信号S1Aを受けた検出回路40から接触検出信号S2が演算手段140に入力され、三次元測定機の座標値が演算手段140に読み込まれる。同時に、前記接触検出信号S2は制御回路50に入力され、制御回路50はリニアソレノイド20の励磁の方向を逆転させる。 【0021】すると、コア22はフランジ24がコイル21の下面に当接するまで上方に移動する。従って、可動部3を安静位に戻そうとする力は前記自重F2に減少する。この間、被測定物に作用する力、即ち測定圧は、コイルばね6の最小出力に基づく大きさであるから例えば2〜3グラム以下と小さく、特にオーバートラベル時は可動部3等の自重F2のみに基づく力であるからさらに極めて小さく、且つ測定圧の増加もない。 【0022】フィーラー球2aが被測定物から離れると前記自重による力F2によって可動部材3は安静位に戻され、前記電気接点30の導通が回復し、前記ON/OFF信号S1は接点閉鎖を示す信号S1Bとなる。該信号S1Bを受けた検出回路40は制御回路50に電気接点30の導通回復を示す信号を出力する。この信号は演算手段140には出力されない。制御回路50は再びリニアソレノイド20を前記所定の方向に励磁する。その結果、可動部3は圧縮されたコイルばね6の弾発力F1によって安静位に押圧される。そして、フィーラー球2aは高い再現性をもって元の位置に復する。 【0023】なお、コア22がフランジ24がコイル21に当接する位置に移動し、可動部材3を安静位に戻す力が前記自重F2のみであるときの前記電気接点30の導通が不安定である場合には、フランジ24がコイル21に当接した状態でもコイルばね6がわずかに圧縮され、小さな弾発力を発生するようにしても良い。測定圧がその分増加するが、それでもなお、従来のプローブに比べ十分小さくすることができる。 【0024】また、前記電気接点30が開放されたとき、コイル21の励磁方向を逆転させる代わりに、コイル21の励磁を切るようにすることもできる。コア22はコイルばね6の弾発力で押し上げられ、コイルばね6は自由高さの状態となる。したがって、可動部材3を安静位に戻す力は前記可動部材3等の自重F2とコア22の自重の合計、即ち可動部の自重の合計となる。このようにすると、コイル21を励磁する時間が短くなるのでリニアソレノイド20の発熱が抑えられると共に、可動部材3を安静位に戻す力が若干大きくなるので前記電気接点30の導通の確保が容易になる。 【0025】本実施の形態例のリニアソレノイド20、制御回路50はそれぞれリニアモータ、同用制御回路とすることができる。リニアモータの固定子(励磁コイル)、可動子(永久磁石)がそれぞれリニアソレノイドの励磁コイル21、コア22に対応する。リニアモータの可動子はその上下移動範囲の任意の位置に移動しその位置を保持することができる。リニアモータの位置を、フランジ24が固定子の下面に当接したときにコイルばね6が自由高さの状態、即ち圧縮量=0となるように設定し、制御回路はフィーラー球2aと被測定物との接触によって生成される接触検出信号S2に応じてリニアモータの励磁を切るか、可動子をコイルばね6をわずかに圧縮する位置に移動させる。 【0026】さらに、前記コイルばね6をわずかに圧縮する位置は、制御回路に設定された前記可動子の位置を指令する設定値を変更することによってプローブヘッドのプローブヘッド取り付け部への取り付け姿勢に応じて調整することができる。コイルばね6の弾発力を、プローブヘッドの取り付け姿勢に応じて、誤信号を発生しない最低限の大きさとすることができるので、より小さい測定圧を得ることができる。 【0027】また、リニアモータの移動子を可動部材3に直接固定し、前記制御回路によるリニアモータの励磁制御を、前記電気接点30が閉じているとき、可動部材3がリニアモータの軸推力で安静位に押圧されると共に、前記電気接点30が開放されたとき前記リニアモータへの励磁を切るようにしても良い。フィーラー球2aが被測定物から離脱すると可動部材3の自重によって電気接点30が再度導通し、リニアモータが励磁され、リニアモータが発生する押圧力で可動部材3が安静位に押圧されるので、フィーラー球2aは高い再現性で元の位置に復する。 【0028】あるいは、前記電気接点30が開放されたとき、可動部材3等の自重と可動子の自重との和、即ち可動部の自重に等しいか、わずかに小さい可動部材3等を上方に引き上げる軸推力を発生するようにすることもできる。そして、前記電気接点30の開放から所定の時間後に可動子への励磁を切る。したがって、フィーラー球2aが被測定物から離脱すると可動部材3の自重によって電気接点30が再度導通し、リニアモータが励磁され、リニアモータが発生する押圧力で可動部材3が安静位に押圧されるので、フィーラー球2aは高い再現性で元の位置に復する。 【0029】前記所定の時間は、通常の作業におけるフィーラー球2aと被測定物との接触から離脱までの時間より大きく設定する。前記可動コイルへの励磁を切るタイミングは、前記接触検出信号S2に基づいて演算手段140が読み込んだ座標値とプローブの現在位置を表す座標値とに基づいてフィーラー球2aと被測定物とが接触中であるか否かを判断し、該判断に基づいて決めても良い。 【0030】なお、リニアモータの軸推力はコイルへの励磁電流の大きさに応じた大きさとなるので、前記励磁電流を制御することによって可動部材3の安静位への押圧力や可動部材3を上方に引き上げる力の大きさを変化させ、測定圧調節することができる。この構成は、オーバートラベル時に被測定物に作用する力を最小とすることができる。特に、後述するピエゾ素子を用いてフィーラー球2aと被測定物との接触を検出するようにしたものと組み合わせると、被測定物への接触検出時の作用力、オーバートラベル時の前記作用力共に、極めて小さくすることができ、効果的である。 【0031】第2の実施の形態例のプローブのプローブヘッド200の構造を図4に示す。図2に示した第1の実施の形態例のプローブヘッドとは押圧力発生手段のみが異なるので、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。図4はリニアソレノイド20が励磁されていない状態を示している。本実施の形態例では、リニアソレノイド20のコア22の下端25が可動部材3の上面に当接しており、コア上端のフランジ23がコイルばね6によって押圧されている。コイルばね6の圧縮量は従来のプローブと同様の構成からなる測定圧調節部材8によって調節可能である。したがって、リニアソレノイド20が励磁されていないとき、可動部材3はコイルばね6の弾発力F1によって安静位に押圧され、電気接点が導通している。 【0032】リニアソレノイド20が所定の方向に励磁されると、コア22はコイルばね6を圧縮しつつ上方に移動し可動部材3とコア22の下端25との当接が離れる。その結果、移動部材3を安静位に押圧する力は可動部材3等の自重F2のみとなる。しかし、電気接点の導通は保たれている。本実施の形態例のプローブの全体構成は図3に示した第1の実施の形態例と同様であるが、動作が若干異なる。この点を説明する。 【0033】三次元測定機が起動されても演算手段140は制御手段50を介してリニアソレノイド20を励磁しない。したがって、前述のように可動部材3はコイルばね6の弾発力F1で安静位に押圧されており電気接点30は導通を保つ。フィーラー球2aが被測定物に接触すると、プローブフィーラー2を介して可動部材3が変位し前記電気接点30のいずれかが開放されて接触検出信号S2が検出回路40から演算手段140に入力され、三次元測定機の座標値が演算手段140に読み込まれる。 【0034】同時に、前記接触検出信号S2は制御回路50に入力され、制御回路50はリニアソレノイド20の励磁をONする。すると、コア22はコイルばね6の弾発力に抗してフランジ24がコイル21の下面に当接するまで押し上げる。従って、コア22の下端部25は可動部材3から離れる。その結果、測定圧は可動部材3等の自重に基づく小さな値の力、例えば2〜3グラムとなる。 【0035】フィーラー球2aが被測定物から離れると可動部材3は可動部材3等の自重により安静位に戻り、前記電気接点30の接触が回復し、再びリニアソレノイド20の励磁が切られ、可動部材3は圧縮されたコイルばね6の弾発力F1によって安静位に押圧される。そして、フィーラー球2aは高い再現性をもって元の位置に復する。 【0036】なお、フィーラー球2aが被測定物から離脱したときの電気接点30の再導通が不安定であれば、可動部材3とフランジ24との間にわずかな弾発力を発生するコイルばねを介在させ、再導通を確実なものとしても良い。本実施の形態例では、リニアソレノイド20の励磁が、フィーラー球2aと被測定物とが接触している間、即ち電気接点の導通が切断されている間のみとなるので、励磁によるリニアソレノイドの発熱を最小とすることができる。 【0037】本実施の形態例のリニアソレノイド、制御回路も第1の実施の形態例と同様、それぞれリニアモータ、同用制御回路とすることができる。第3の実施の形態例を図5示す。本実施の形態例のプローブヘッド300では押圧力発生手段としてエアーシリンダ60が用いられている。エアーシリンダ60のポートP1に圧縮空気が供給されるとピストンロッド61が可動部材3の方向に繰り出される。ピストンロッド61の先端に設けたフランジ62によって圧縮されたコイルばね6を介して可動部材3を安静位に押圧する。ポートP2に圧縮空気が供給されるとピストンロッド61が引き込まれ、コイルばね6は圧縮されていない状態となる。 【0038】エアーシリンダ60にその作動力がコイルばね6の弾発力に比して小さものを選定すればピストンロッド61はコイルばね6の弾発力でシリンダ内に押し込まれるのでポートP2への圧縮空気の供給は必要としない。図6は、図5の実施の形態例のプローブの全体構成を示すブロック図である。図3のブロック図と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。制御部330のエアー制御部70は検出回路40からの接触検出信号S2を受けて圧縮空気の供給するエアーシリンダ60のポートを切り換えるポート切り換え弁を備える。 【0039】三次元測定機が起動されると演算手段140は、まずエアー制御部70を介してエアーシリンダ60のポートP1に圧縮空気を供給する。すると、ピストンロッド61が繰り出され、可動部材3が前記コイルばね6の弾発力F1で安静位に押圧され、前記電気接点が確実に導通する。フィーラー球2aが被測定物に接触すると、プローブフィーラー2を介して可動部材3が変位し前記電気接点のいずれかが開放されて接触検出信号S2が検出回路40から演算手段140に入力され、三次元測定機の座標値が演算手段140に読み込まれる。同時に、前記接触検出信号S2がエアー制御部70に入力され、エアーシリンダ60への圧縮空気の供給がP2に切り換えられる。すると、ピストンロッド61はエアーシリンダ内に引き込まれ、コイルばね6の弾発力はなくなる。従って、可動部3を安静位に戻そうとする力は前記自重F2に減少する。 【0040】この時、被測定物に作用する力、即ち測定圧は可動部3等の自重F2のみに基づく力であるから、例えば2〜3グラム以下と極めて小さい。オーバートラベルに伴う測定圧の増加もない。フィーラー球2aが被測定物から離れると前記自重による力F2によって可動部3は安静位に戻され、前記電気接点の接触が回復する。そして再び圧縮空気の供給先がポートP1に切り換えられ、可動部3は圧縮されたコイルばね6の弾発力F1によって安静位に押圧される。そして、フィーラー球2aは高い再現性をもって元の位置に復する。 【0041】なお、圧縮空気がポートP2に供給されピストンロッド61が引き込まれて、可動部材3を安静位に戻す力が前記自重F2のみであるときの前記電気接点の導通が不安定である場合には、この状態においてコイルばね6をピストンロッド61の下端面がコイル22をわずかに圧縮され、小さな弾発力を発生するものとしても良い。測定圧がその分増加するが、それでもなお、従来のプローブに比べ十分小さくすることができる。 【0042】上記いずれの場合も、フィーラー球2aを高周波で微少振動させるピエゾ素子を介して可動部材3に固設し、フィーラー球2aが被測定物に接触したときの前記振動の状態変化を検出して接触検出信号S2としても良い。前記振動の状態変化は例えばピエゾ素子に入力する駆動信号S11の変化によって検出することができる。 図7は図4のプローブに前記構成を適用した場合であり、同図(a)はプローブヘッド210の構成、同図(b)はプローブ全体の構成を示したものである。既述の構成と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。 【0043】図7のプローブは図4のプローブに対して、プローブヘッド210は可動部材3とプローブフィーラ2との間に設けられたピエゾ素子80をさらに有する。制御部230は第2の検出回路41をさらに有する。第2の検出回路41からの高周波駆動信号S11によってフィーラー球2aを微少振動させる。前記第2の検出回路41は前記駆動信号S11の変化を監視し、その変化によってフィーラー球2aと被測定物との接触を検知し前記接触検出信号S2と同様の接触検出信号S12を制御回路50と演算手段140に出力する。 【0044】制御回路50はリニアソレノイド20の励磁をONする。すると、コア22はコイルばね6の弾発力に抗してフランジ24がコイル21の下面に当接するまで押し上げる。従って、コア22の下端部25は可動部材3から離れる。その結果、測定圧は可動部材3等の自重に基づく小さな値の力、例えば2〜3グラムとなる。前記駆動信号S11の変化に基づく接触検出は極めて高感度なので、接触検出時の測定圧は前述した実施の形態例に比べ、さらに大幅に低減される。 【0045】フィーラー球2aが被測定物から離れるとプローブフィーラー球2aの振動の状態が元に復し前記駆動信号S11が元に復する。前記駆動信号S11が元に復したことを検出した制御回路50は、リニアソレノイド20の励磁を切る。したがって、コア22はコイルばね6の弾発力によってフランジ23がコイル21の上面に当接するまで押し下げられ、可動部材3はコイルばね6の弾発力によって安静位に押圧される。そして、フィーラー球2aは高い再現性をもって元の位置に復する。 【0046】電気接点30及び検出回路40は、三次元測定機がモータ駆動である場合に安全を確保するために設けても良いもので、必須ではない。この電気接点30及び検出回路40による接触検出信号S2も演算手段140に入力されが、三次元測定機の動作を制御する信号としてのみ用いられ、座標値読み取り信号としては用いられない。但し、かような三次元測定機のオーバートラベルによるプローブフィーラーを介した可動部材3の動きを可能とする機構は必要である。 【0047】なお、フィーラー球と被測定物との接触検出手段及び可動部の安静位への押圧力発生手段並びにその制御手段は、ここに例示した手段に限定される物ではなく、同様の効果を有する多くの既知手段を用いる事が出来る事は言うまでもない。例えば、前記電気接点の導通時に可動部材を安静位に押圧するコイルばねを圧縮する圧縮手段と、前記コイルばねを圧縮された状態に係止する係止手段と、フィーラー球と被測定物とが接触した時に生成される接触検出信号によって前記係止を外す掛け外し手段で構成される機構を含む構成とすることもできる。 【0048】また、本発明のプローブが使用される装置は三次元測定機に限定されず、例えば工作機械のカッターに代えて本発明のプローブを取り付ければ、カッターのセッティングや加工物寸法の計測を行うことができる。 【0049】 【発明の効果】以上のような構成、作用であるから、三次元測定機による測定に於いて、被測定物に作用する力を接触検出に必要な最低限の大きさにとどめる事が可能となり、プローブヘッドの使用姿勢も制限されない。その結果、被測定物の変形、損傷を避け、高精度の測定が可能となる。また、フィーラー球が被測定物に接触するまでは、可動部材は圧力制御手段によって発生する比較的大きな力で安静位に押圧されているので、プローブヘッド位置の移動中に発生する振動などに起因する誤信号を発生することもない。 【0050】更に、測定力が小さいことによってフィーラー球への接触方向によって測定力の大きさが異なる、測定力の方向性も小さくなり、精度の高い測定が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004112 【氏名又は名称】株式会社ニコン
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| 【出願日】 |
平成11年1月11日(1999.1.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−205856(P2000−205856A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−4028 |
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