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【発明の名称】 画像測定装置
【発明者】 【氏名】鵜戸 章平

【要約】 【課題】画像測定装置における境界付近の検出精度を容易に向上させること。

【解決手段】この画像測定装置は、カラー画像を各画素が3次元カラーベクトルとして表示できるパラメータからなる画像データに変換する手段と、変換された画像データを格納する手段と、画像データの中から抽出すべき範囲を指定する指定手段と、指定手段によって指定された範囲の格納手段に格納されたデータからカラーベクトルの変化量を求める手段とを備える。このカラーベクトルの変化量の最大値は、エッジあるいは画像取得手段と被写体との間の焦点距離を求めるのに用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カラー画像を各画素が3次元カラーベクトルとして表示できるパラメータからなる画像データに変換する手段と、変換された画像データを格納する手段と、画像データの中から抽出すべき範囲を指定する指定手段と、指定手段によって指定された範囲の格納手段に格納されたデータからカラーベクトルの変化量を求める手段とを備えることを特徴とする画像測定装置。
【請求項2】 前記カラーベクトルは、カラー画素のRGBカラーモデルの赤色、緑色、青色成分を3次元のベクトル成分であることを特徴とする請求項1記載の画像測定装置。
【請求項3】 前記カラーベクトルは、カラー画素のHSVカラーモデルの色相、彩度、明度を3次元のベクトル成分であることを特徴とする請求項1記載の画像測定装置。
【請求項4】 前記カラーベクトルは、カラー画素のYUVカラーモデルの輝度、赤み、青みを3次元のベクトル成分であることを特徴とする請求項1記載の画像測定装置。
【請求項5】 前記カラーベクトルの変化量は、カラーベクトル変化量=((R1−R0)2 +(G1−G0)2 +(B1−B0)2 )1/2で表され、R,G,Bはカラーベクトルを構成する異なる成分であり、添字は、各差分を求める画素データであることを特徴とする請求項2〜4記載の画像測定装置。
【請求項6】 前記カラーベクトルの変化量の最大値は、エッジを示していることを特徴とする請求項1〜5記載の画像測定装置。
【請求項7】 前記カラーベクトルの変化量の最大値は、画像取得手段と被写体との間の焦点距離を示していることを特徴とする請求項1〜5記載の画像測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像測定装置に関し、たとえば、エッジ検出や焦点距離の検出のような境界検出を行う画像測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像処理装置においては、輪郭を検出するために、輝度情報によるしきい値もしくは画素間の微分により被測定物のエッジを検出することにより輪郭を検出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方法では、たとえば、輝度情報に基づいて被測定物のエッジを検出する場合、被測定物の中には境界付近の色が異なるけれども輝度が同じであるためエッジを検出できない場合がある。それ故、この発明の課題は、エッジのような境界の検出精度を従来よりも容易に向上させることができるようにした画像測定装置が提供される。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために、この発明によれば、カラー画像を各画素が3次元カラーベクトルとして表示できるパラメータからなる画像データに変換する手段と、変換された画像データを格納する手段と、画像データの中から抽出すべき範囲を指定する指定手段と、指定手段によって指定された範囲の格納手段に格納されたデータからカラーベクトルの変化量を求める手段とを備えることを特徴とする画像測定装置が提供される。
【0005】この場合、カラーベクトルは、カラー画素のRGBカラーモデルの赤色、緑色、青色成分を3次元のベクトル成分であるか、カラー画素のHSVカラーモデルの色相、彩度、明度を3次元のベクトル成分であるか、カラー画素のYUVカラーモデルの輝度、赤み、青みを3次元のベクトル成分である。
【0006】そして、この発明によって得られるカラーベクトルの変化量は、カラーベクトル変化量=((R1−R0)2 +(G1−G0)2 +(B1−B0)2 )1/2で表される。ここで用いられるR,G,Bは、カラーベクトルを構成する異なる成分であり、添字は、各差分を求める画素データである。そして、この発明によって特徴づけられるカラーベクトルの変化量の最大値は、エッジあるいは画像取得手段と被写体との間の焦点距離を求めるのに用いられる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、この発明による画像測定機の一実施の形態を示しており、同図において、ビデオカメラ等のカラー画像取得手段1で取得した画像は、ビデオデコーダ等の画像データ変換手段2によって画像データに変換される。この画像データ変換手段2によって画像から変換された画像データは、たとえば図2のような構成の画素をアセンブルした画素データ構成であって、1画素は、赤成分(R)、緑成分(G)青成分(B)に分解されている。
【0008】また、それぞれの成分(R,G,B)は、8ビット(256階調)からなり、全部で24ビットで1画素データを構成するようになっている。そして、これらの画素で構成される画素データ変換手段2の出力である画像データは、画像データ格納手段3に格納される。
【0009】ここで、図3を用いて画像構成を説明すると、画像は、横m+1列、縦n+1行(行、列いずれも”0”から始まるため、最後が、mもしくはnになると、その総数はm+1、n+1になるため)の画素で構成されており、1画素は、P(列、行)の表示で表わされる。たとえば、画像の左上端の画素はP (0,0)で表され、右下端の画素は、P (m,n)として表わされ、その結果、画像は図3のようにP (0,0)からP (m,n)の画素が整列して配列されていることになる。
【0010】このような画像構成を考慮して、画素データ抽出座標指示手段4により境界あるいはエッジ検出のための抽出すべき画素範囲が座標に基づいて指示される。たとえば、図4の画素抽出範囲で示されるように、画像全範囲の中で水平な範囲を指定する場合には、抽出画素の行の左端と右端の座標が指示される。
【0011】この画素データ抽出座標指示手段4の出力は、画素データ抽出座標生成手段5に送られ、ここで、指示された範囲に基づいて抽出される画素の座標が生成される。指示された範囲が図4に示されるような水平な範囲では、図5に斜線で示されるように、P (1,1)、P (2,1)、P (3,1)、P (4,1)・・・・の画素が選択される。そして、生成された範囲に含まれる画素数とそれらの画素の座標は画素データ抽出座標格納手段6へ順番に格納される。
【0012】たとえば、P (1,1)の座標は、X (0)←1、Y (0)←1、P (2,1)の座標は、X(1)←2、Y (1)←1、P (3,1)の座標は、X (2)←3、Y (2)←1、・・・・のようにXとYの配列に順番に格納される。なお、垂直および斜めの範囲についてもその両端の画素座標を指示することで抽出範囲を指示できることは容易に理解できるであろう。
【0013】また、図1に戻って、エッジ検出手段7は、画素データ抽出座標格納手段6に格納された座標を元に、画像データ格納手段3から提供される画素データを抽出しながら、境界すなわちエッジ位置を検出する。
【0014】このエッジ検出手段7の処理の概要を説明すると、1画素は、赤成分(R)、緑成分(G)、青成分(B)の値をパラメータとする3次元のカラーベクトルで表わされ、隣の画素のカラーベクトルとの変化量が最大の画素位置を境界すなわちエッジ個所とする。
【0015】図6は、エッジ検出手段7の処理を示すフローチャートである。以下エッジ検出手段7の処理についてこのフローチャートのステップ72〜87を用いて詳細に説明する。
【0016】まず、ステップ72において、カラーベクトルの変化量の最大を格納する変数MAXを初期化して「0」にする。ついで、ステップ73において、カラーベクトルの変化量の最大の位置または番号(MAX INDEX)を初期化して「-1」にする。つぎにステップ74に移る。ステップ74で変数iを「0」とし、ステップ75から86までのループ処理に移る。
【0017】これらのステップ75〜85に示される処理は、抽出データ数から1だけ引いた回数だけ繰り返される。ステップ75においては、画像データ抽出座標格納手段6に格納されている座標データX(i) ,Y(i) に基づいて画像データ格納手段3から1画素P (X(i) ,Y(i))が抽出される。そして、ステップ76において、赤成分(R)、緑成分(G)、青成分(B)に分解され、これらの成分がエッジ検出手段7に内蔵されたレジスタ(R0,G0,B0 )に代入される。
【0018】つぎに、ステップ77において、所定の係数(KR ,KG ,KB )を上述した各成分R0,G0,B0 にそれぞれに乗算される。通常これらの係数(KR ,KG ,KB )は、人間の輝度感度と一致させるようにKR =0.30,KG =0.59,KB =0.11の値が用いられる。これでカラーベクトル(R0,G0,B0 )が求められる。このカラーベクトルと各成分との関係は、図7に示される。
【0019】図6のステップ78〜80は、隣接する次の画素、すなわちX,Y配列の(i+1)の位置にあるP(X(i+1),Y(i+1))について同じようなカラーベクトルを求める処理である。そして、ステップ79において得られたカラーベクトルの各成分の値(R1,G1,B1 )に所定の係数(KR ,KG ,KB )が掛け合わされ(ステップ80)、それによって得られた値が再度レジスタ(R1 ,G1 ,B1 )に格納される。図8は、このカラーベクトルと各成分との関係を示している。
【0020】次に、ステップ81〜84を用いてカラーベクトルの変化量Dを求める。図9は、カラーベクトルの変化を示す。本来ならば、下式でその変化を求めるが、全画素から変化量が最大値の位置を求めるだけであり、演算時間の短縮のためステップ81のように平方根を採らずに値を求める。
カラーベクトル変化量D=((R1−R0)2 +(G1−G0)2 +(B1−B0)2 )1/2R0 :座標P(X(i),Y(i))の赤成分R1 :隣接画素座標P(X(i+1),Y(i+1))の赤成分G0 :座標P(X(i),Y(i))の緑成分G1 :隣接画素座標P(X(i+1),Y(i+1))の緑成分B0 :座標P(X(i),Y(i))の青成分B1 :隣接画素座標P(X(i+1),Y(i+1))の青成分【0021】ステップ82〜84は、抽出された全画素からカラーベクトルの変化量の最大(MAX)を求め、その位置(何番目)の画素であるか求める処理である。抽出された全画素について上述した処理を行ない、エッジ検出手段7は最後に得られた最大値の画素座標、すなわちX(MAX INDEX),Y(MAXINDEX)を出力する。この座標は、エッジ座標表示手段8で表示される。
【0022】なお、上述した実施の形態1においては、R,G,Bの色成分を用いたけれども、HSVカラーモデルの色相、彩度、明度をベクトル成分としても上述した処理と同様のステップを経て処理され、同様の効果が得られることになる。また、YUVカラーモデルの輝度、赤み、青みをベクトル成分としても同様であることはもちろんである。
【0023】実施の形態2焦点位置検出装置に応用した実施例の構成が図10に示される。同図において、ビデオカメラ等のカラー画像取得手段1は、被測定物の直上に上下方向に移動可能に配置されている。
【0024】まず、ビデオカメラ等のカラー画像取得手段1で取得した画像は、ビデオデコーダ等の画像データ変換手段2によって画像データに変換される。この画像データ変換手段2によって画像から変換された画像データは、前述した実施の形態1と同様に、図2のような構成の画素をアセンブルした画素データ構成であって、1画素は、赤成分(R)、緑成分(G)、青成分(B)に分解されている。
【0025】また、それぞれの成分(R,G,B)は、8ビット(256階調)からなり、全部で24ビットで1画素データを構成するようになっている。そして、これらの画素で構成される画素データ変換手段2の出力である画像データは、画像データ格納手段3に格納される。
【0026】これらの画素で構成される画像データの画素構成は、実施の形態1に同じであり、この画素構成に基づいて焦点範囲指示手段101に基づいて抽出する画素範囲を指示する。この指示は、図11の焦点範囲で示すように、矩形範囲の左上端の座標(X S ,Y S )と右下端の座標(X E ,Y E )を特定することによって行われる。
【0027】指示された矩形範囲に基づいて、カラーベクトル変化量最大検出手段102は、画像データ格納手段3から画像データを抽出しながらカラーベクトル変化量の最大値を検出する。図12は、X S =1,Y S =1,X E =4,Y E =4とした場合の抽出される画素を示した図であり、斜線部が抽出される画素を示している。
【0028】図13は、カラーベクトル変化量最大検出手段102の処理を示すフローチャートである。以下にカラーベクトル変化量最大検出手段102の処理をフローチャートのステップ131〜162を用いて詳細に説明する。
【0029】以下の処理においては、1画素の赤成分(R)、緑成分(G)、青成分(B)の値をパラメータとする3次元のカラーベクトルが用いられる。図14は、対象画素P(i,j)に対しカラーベクトル変化量を求める画素を示した。対象画素からのカラーベクトルの変化量をそれぞれ演算し、そのうち最大の値を対象画素の変化量とする。最終的には、矩形範囲全体からカラーベクトルの変化量の最大値(MAX)を求め出力する。
【0030】以下カラーベクトル変化量最大検出手段の処理についての詳細を説明する。まず、ステップ131において、カラーベクトルの変化量の最大を格納する変数MAXを「0」に初期化する。ついで、ステップ132において、「Y S 」が jレジスタに格納され、ステップ133において、「X S+1 」がiのレジスタに格納される。ステップ132,133および158,159,160,161は、ループ処理であり、指示された矩形範囲についてステップ134〜157までの処理を繰り返す。
【0031】ステップ134においては、画像データ格納手段3から対象1画素P(i,j)が抽出され、ステップ135において、抽出された対象画素が赤成分(R)、緑成分(G)青成分(B)に分解され、それぞれの成分はR,G,Bがレジスタに格納される。
【0032】ステップ136においては、所定の係数KR ,KG ,KB がR,G,Bのそれぞれに乗算され、それらの値R(0),G(0),B(0)に代入される。通常これらの係数(KR ,KG ,KB )は、人間の輝度感度と一致させるようにKR=0.30,KG =0.59,KB =0.11を用いている。これでカラーベクトル(R(0),G(0),B(0))が求められる。
【0033】ステップ137〜139は、右隣の画素P(i+1,j)について同じようにカラーベクトル(R(1),G(1),B(1))を求める処理である。また、ステップ140〜142は、左下隣の画素P(i−1,j+1)について同じようにカラーベクトル(R(2),G(2),B(2))を求める処理である。ステップ143〜145は、下隣の画素P(i,j+1)について同じようにカラーベクトル(R(3),G(3),B(3))を求める処理である。さらに、ステップ146〜148は、右下隣の画素P(i+1,j+1)について同じようにカラーベクトル(R(4),G(4),B(4))を求める処理である。
【0034】ステップ149〜155は、隣接する画素のうちカラーベクトルの変化量の最大を求める処理である。カラーベクトル変化量は、本来ならば下式でその変化を求めるが、実施の形態1と同様に演算時間の短縮のため、ステップ151のように変化量の二乗を求める。
【0035】カラーベクトル変化量D=((R1−R0)2 +(G1−G0)2 +(B1−B0)2 )1/2R0 :対象画素の赤成分R1 :隣接画素の赤成分G0 :対象画素の緑成分G1 :隣接画素の緑成分B0 :対象画素の青成分B1 :隣接画素の青成分MAX Pに、対象画素に対する最大変化量が格納される。
【0036】ステップ156,157は、矩形範囲についてカラーベクトルの変化量の最大を求める処理である。変数MAXに最大値が代入される。矩形範囲全体について処理が終了したら、ステップ162において、カラーベクトルの変化量の最大を出力する。
【0037】なお、この実施の形態2において、焦点位置は、焦点位置検出手段103によってカラー画像取得手段1をステージ106に垂設された支持ガイド107に沿って駆動手段105を上下移動させ、位置検出手段104と先のカラーベクトル変化量最大検出手段102から得られる値に基づいて焦点位置を検出する。通常カラーベクトル変化量最大値と垂直位置の関係は、図15のようになっており、カラーベクトル変化量最大値の最上点を焦点位置とする。
【0038】なお、上述した実施の形態2においては、R,G,Bの色成分を用いたけれども、HSVカラーモデルの色相、彩度、明度をベクトル成分としても上述した処理と同様のステップを経て処理され、同様の効果が得られることになる。また、YUVカラーモデルの輝度、赤み、青みをベクトル成分としても同様であることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明による画像測定装置を用いれば、カラー画像を各画素が3次元カラーベクトルとして表示できるパラメータからなる画像データに変換する手段と、変換された画像データを格納する手段と、画像データの中から抽出すべき範囲を指定する指定手段と、指定手段によって指定された範囲の格納手段に格納されたデータからカラーベクトルの変化量を求める手段とを備え、このような構成にすることにより、エッジを検出するための境界検出精度を容易に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
【出願日】 平成11年1月18日(1999.1.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−205843(P2000−205843A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−8696