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【発明の名称】 陥凹材料の深さを測定するための非破壊的方法および装置
【発明者】 【氏名】スコット・ディー・ハル

【氏名】ウルリヒ・マンツ

【氏名】ケイ・ポール・マラー

【氏名】ヴェンカタチャラム・シー・ジャイブラカシュ

【要約】 【課題】半導体基板に形成されたトレンチ内に付着された陥凹半導体材料の深さを測定するための非破壊的方法を提供する。

【解決手段】陥凹半導体材料で充填したトレンチを含む半導体基板に赤外線を照射する。戻り信号のスペクトル内容を検出し、解析する。戻り信号のスペクトル内容を理論的サンプル・スペクトルと相関させ、それによって陥凹半導体材料の深さを決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】半導体基板に形成されたトレンチ内に付着された陥凹半導体材料の深さを測定するための非破壊的方法であって、前記陥凹半導体材料で充填された前記トレンチを含む前記半導体基板に赤外線を照射するステップと、戻り信号のスペクトル内容を検出し解析するステップと、前記戻り信号のスペクトル内容を理論的サンプル・スペクトルと相関させ、それによって前記陥凹半導体材料の深さを決定するステップとを含む方法。
【請求項2】前記陥凹半導体材料が多結晶シリコンであり、前記半導体基板が単結晶シリコンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】前記戻り信号のスペクトル内容の解析をフーリエ解析によって行う、請求項1に記載の方法。
【請求項4】前記赤外線が約2000cm-1と約5000cm-1の間の波長を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】前記陥凹半導体材料の深さが約0.5μmより大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項6】前記相関ステップが、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す曲線を、前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線と比較することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】前記戻り信号および前記理論的サンプル・スペクトルを表す前記曲線が、反射率と波長の関係を表す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】較正スペクトルを表す曲線が理想的である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】前記戻り信号のスペクトル内容を下記の数式1による理論的スペクトルと相関させて前記陥凹半導体材料の深さを決定し、【数1】

式中B(x)は2次多項式であり、mおよびkは定数であり、xは赤外線の波数であり、f(x)は前記陥凹半導体材料の屈折率および深さに比例する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】前記戻り信号の前記スペクトルを表す前記曲線および前記理論的サンプル・スペクトルを表す前記曲線を最小二乗法によりあてはめる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】前記理論サンプル・スペクトルを表す前記曲線が数学的に生成される2次多項式であり、前記方法がさらに、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】前記2次多項式が、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から数学的に生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】あてはめ波形曲線を数学的に生成するステップと、前記あてはめ曲線を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算することによって生成される曲線と比較するステップとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】あてはめ波形曲線を数学的に生成するステップと、前記あてはめ曲線を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線と比較するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から2次多項式を数学的に生成するステップと、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算するステップと、前記あてはめ波形と、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線とを正規化するステップと、前記あてはめ波形を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線と比較するステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】半導体基板に形成されたトレンチ内に付着された陥凹半導体材料の深さを測定するための装置であって、前記基板を赤外光源で照射し、前記基板から反射した戻り信号の変換を行う分光光度計と、理論的サンプル・スペクトルを生成し、前記戻り信号のスペクトル内容を前記理論的サンプル・スペクトルに相関させ、それによって前記陥凹半導体材料の深さを決定するプロセッサとを含む装置。
【請求項17】前記赤外光源が広帯域赤外線源である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】前記赤外線が約2000cm-1と約5000cm-1の間の波数を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項19】前記プロセッサが、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す曲線を前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線と比較する、請求項16に記載の装置。
【請求項20】前記サンプルからのスペクトル内容および前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線が強度対波長を表す、請求項19に記載の装置。
【請求項21】前記サンプルからのスペクトル内容および前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線を、前記陥凹半導体材料の深さに定期的に関連付ける、請求項19に記載の装置。
【請求項22】前記サンプルからのスペクトル内容および前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線が、前記半導体基板の材料の屈折率および前記陥凹半導体材料の深さに基づく、請求項19に記載の装置。
【請求項23】較正スペクトルを表す曲線が理想的である、請求項19に記載の装置。
【請求項24】前記プロセッサが、前記戻り信号のスペクトル内容を下記の数式2による理論的スペクトルと相関させて前記陥凹半導体材料の深さを決定し、【数2】

式中B(x)は2次多項式であり、mおよびkは定数であり、xは赤外線の波数であり、f(x)は前記陥凹半導体材料の屈折率および深さに比例する、請求項16に記載の装置。
【請求項25】前記プロセッサが、前記戻り信号のスペクトル内容を表す前記曲線と前記理論的サンプル・スペクトルとを最小二乗法により相関させる、請求項19に記載の装置。
【請求項26】前記理論的サンプル・スペクトルを表す前記曲線が、前記プロセッサによって数学的に生成される2次多項式であり、前記プロセッサがさらに前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算する、請求項21に記載の装置。
【請求項27】前記プロセッサが前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を数学的に生成する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】前記プロセッサがあてはめ波形曲線を数学的に生成し、次いで前記あてはめ曲線を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算することによって生成される曲線と比較する、請求項26に記載の装置。
【請求項29】前記プロセッサがあてはめ波形曲線を数学的に生成し、次いで前記あてはめ曲線を前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す曲線と比較する、請求項19に記載の装置。
【請求項30】前記プロセッサが前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から2次多項式を生成し、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算し、前記あてはめ波形および前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線を正規化し、かつ前記あてはめ波形を前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線と比較する、請求項29に記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の表面より下の陥凹材料の深さを測定するための非破壊的方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体基板に形成されたトレンチ内の陥凹半導体材料の深さを非破壊的に測定することに関する。本発明の非破壊的方法は、フーリエ変換赤外(FTIR)測定を用いて、半導体基板の表面より下の陥凹半導体材料の深さを検出する。本発明はまた、半導体基板における陥凹半導体材料の深さを測定するための装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】現在利用可能なデータプロセッサの高い処理速度は、大量の高速ランダム・アクセス・メモリによってサポートしなければならない。1メモリ・セル当たりのデバイス数が減少したため、必要な記憶域の多くはダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)によって提供される。DRAMは、単一の集積回路チップ上に設けることのできるメモリ・セルの数を著しく増加することを可能にする。
【0003】DRAMデバイスでは、原則的に1つのメモリ・セルにつき1つの記憶コンデンサを含むメモリ・セルが形成される密度が非常に重要である。これは、小型サイズのために各コンデンサの静電容量が非常に限られているからである。しかし、その静電容量は、記憶された電荷の有無を検出するために使用されるセンス増幅器の適切な動作マージンを達成するために、語線およびビット線の静電容量に比べて大きいものでなければならない。したがって、DRAMデバイスで利用されるトレンチは、非常に近接した間隔で配置しながら、比較的大きい深さに形成される。これらの同じ形状は、分離トレンチなど他のトレンチ構造にとっても重要である。
【0004】そのようなデバイスを製造する工程の特定の時点で、特定の材料を深いトレンチに付着することができる。例えば、多結晶シリコンをトレンチ内に付着することが望ましい場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、トレンチ内の陥凹材料の深さの測定は、無作為サンプルの断面化および顕微鏡結像によって破壊的にしか行うことができない。したがって、陥凹半導体の深さまたはトレンチ内に配置されたその他の材料の深さを決定するための実用的な非破壊的方法を提供することは、重要な進歩を意味することになるだろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板に形成されたトレンチ内の陥凹半導体材料の頂面の深さを測定するための非破壊的方法を提供する。本発明によると、破壊的に断面化することなく、陥凹半導体材料の深さを決定することができる。
【0007】詳しくは、本発明は、半導体基板に形成されたトレンチ内に付着した陥凹半導体材料の深さを測定する非破壊的方法に関する。この方法によると、陥凹半導体材料を充填したトレンチを含む半導体基板に赤外線を照射する。戻り信号のスペクトル内容を検出し、解析する。戻り信号のスペクトル内容を理論的サンプル・スペクトルと相関させ、それによって陥凹半導体材料の深さを決定する。
【0008】本発明はまた、半導体基板に形成されたトレンチ内に付着した陥凹半導体材料の深さを測定するための装置にも関する。この装置は、赤外光源で基板を照射し、基板から反射される戻り信号のフーリエ変換を行うフーリエ変換赤外分光光度計を含む。プロセッサは理論的サンプル・スペクトルを生成し、戻り信号のスペクトル内容を理論的サンプル・スペクトルと相関させ、それによって陥凹半導体材料の深さを決定する。
【0009】
【発明の実施の形態】ここで図面を参照すると、図1は特性を決定する際に本発明を利用することができる典型的な構造を示す。図1に示す構造は基板1を含む。一般に、基板は単結晶シリコンである。基板1内にはトレンチ3が形成されている。基板1の表面上に1層の材料5が付着されている。材料5の例として誘電体材料がある。
【0010】トレンチ3は材料7で充填することができる。材料7の組成は、工程の段階に応じて異なる。ある段階では、材料7はフォトレジストとすることができる。別のときには、材料7は多結晶シリコンとすることができる。本発明は様々な用途に利用することができるが、特に、トレンチ内の陥凹多結晶シリコン材の深さの測定に関係する。
【0011】図1に示すように、材料7の上面は、基板上の材料層5だけでなく基板1の上面よりも下に陥凹している。本発明は特に、多結晶シリコンまたはその他の材料が基板の上面より下に陥凹している深さ9を測定することに関係する。トレンチは、したがってトレンチを充填する任意の材料は、任意の特定の深さで幅11を有する。
【0012】簡略化のため、かつ本発明の理解をいっそう進めるために、以下の説明は、多結晶基板に形成されたトレンチ内に付着された陥凹多結晶シリコンを対象とする。言うまでもなく、本発明は他の構造の深さを測定するのにも適用できることを理解されたい。
【0013】多結晶シリコンと単結晶シリコンの特性が類似しているため、本発明は、単結晶基板におけるトレンチ内の陥凹多結晶シリコン材料の深さを決定するのに特に有用である。
【0014】一般的なFTIRシステムは、Bio−Rad Laboratories社からBio−Rad QS500の商品名で市販されている。図8は、FTIR機構の概略を示す。
【0015】詳しくは、FTIRシステムは、制御された赤外スペクトルを放射し、戻り信号のスペクトル内容を検出し、フーリエ解析によって解析する器械である。図8に示すように、広帯域赤外エネルギを放射するために赤外光源20が設けられる。例えば、赤外エネルギは約400と約4500の間の波数を持つことができる。そのような赤外エネルギの波長は、約25ミクロンから約2ミクロンの範囲内である。本発明に従って利用できる赤外光源の一例に、グローバー赤外光源がある。
【0016】干渉計は一般に、赤外光源20からサンプル22への経路内に配置される。干渉計は一般的に可動鏡24、固定鏡26、およびビームスプリッタ21を含む。干渉計は一般的に可動鏡24を利用して、強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを検出器25に生成する。これらのパターンは、検出される光の周波数または波数、またはサンプルの特徴あるいはその両方によって異なる。本発明に従って利用できる干渉計の一例にマイケルソン干渉計がある。
【0017】鏡26、27は、光源からサンプルへ光の経路を向かわせるために利用することができる。検出器25に達する戻り信号のフーリエ変換を実行するための回路機構(図示せず)を設けることができる。当業者なら、この開示を知れば、過度の実験なしにそうしたものを提供することができるはずなので、そのような回路機構の詳細な説明は必要ない。回路が行う操作は、実施形態に応じて変わることがある。データを解析するための様々なアルゴリズムについては後述する。
【0018】陥凹半導体材料の深さを測定する場合、波数約2000と約5000の間のスペクトル部分が、そうした情報を得るのに有用であることが明らかになった。このことについて考えられる理由の幾つかは次の通りである。シリコン基板は、波数約2000cm-1と約5000cm-1の間の光を透過する。さらに、トレンチ構造の水平方向の幅は、赤外光の波長より小さい。したがって、当該構造は一般的に赤外放射によって分解することができない。赤外光は基板のトレンチ・パターン形成領域内を、それが均質な薄膜内を透過するのと同様の方式で透過する。
【0019】薄膜の屈折率は、有効媒質理論によって計算することができる。トレンチ構造を測定するなど本発明の文脈では、「有効トレンチ層」の屈折率はシリコンの屈折率より低い。異なる光学的性質を有する層の界面を光が通過するとき、光の一部は反射する。
【0020】本発明の文脈において重要な界面は、トレンチの非充填領域と充填領域の間の界面、およびシリコン帳面とその上の誘電体層との間の界面を含む。どちらの界面からの反射光および陥凹深さも、フレネルの方程式を用いて計算することができる。約0.5μmを超える陥凹のように深い陥凹構造の場合、反射信号は振動を含む。
【0021】これらの振動の周波数は、陥凹の深さに比例する。本発明によると、陥凹材料の深さが異なると、スペクトルの2000から5000の波数部分で非常に異なるパターンを生じることが明らかになった。本発明によると、未知のサンプルに赤外光を照射し、戻り信号のスペクトル内容を解析する。次いで比較を行って、解析した戻り信号と最もよく一致する数学的に生成された理論的較正スペクトルを決定する。未知のスペクトルと最も緊密に一致する理論的スペクトルが、陥凹半導体材料の深さを示す。
【0022】実施形態によっては、実験的に決定されたものではなく、経験的に決定された較正スペクトルを利用することもできる。この場合、経験的に決定された曲線をライブラリに含めることができる。実験曲線を経験的に誘導された曲線と比較して、ここで詳細に説明する最小二乗法など適切な比較方法で最も良く適合するものを決定することができる。しかし、理論的に誘導された曲線を利用できることによって、本発明は、初期較正測定を行う必要や相関スペクトルをライブラリに維持する必要をなくすことができる。
【0023】本発明の一態様によると、比較を最大限に行うために、未知のサンプルのスペクトルおよび理論的較正スペクトルをどちらも約1700cm-1および約4200cm-1で切り捨てることができる。
【0024】FTIR操作の結果得られたデータは、様々な処理法に従って解析することができる。一実施形態によると、サンプルのスペクトルデータを解析して一致する数学的に生成された理論的スペクトルを見つけることは、数学的に生成された理論的スペクトルに対する未知のスペクトルの最小二乗比較によって実施することができる。例えば、各曲線に沿って対応する点(ai−bi2のSUM i=1〜i=nにより、最小和を見つけることができる。言い換えると、最小二乗あてはめ法は、各波数および各理論的スペクトルの差を計算し、各波数および各理論的スペクトルの差を二乗し、全ての波数および各理論的スペクトルの二乗を合計し、総和の最小値を決定するものである。最もよくあてはまる理論スペクトルおよび未知のサンプルの陥凹半導体の未知のサンプルの深さに対応するスペクトルについて最小値を見つける。言うまでもなく、希望するなら、共分散「COV」やUsers' Guide Microsoft(登録商標)Excelに記載されるような相関係数ρxyを計算するなど、他の相関法を使用することもできる。
【0025】共分散ツールは、データ点のそれぞれの平均値からの偏差の積の平均値を返す。共分散は2つのデータ範囲の関係の測度である。
【数3】

上式でμxはxデータの集合の平均値であり、μyはyデータの集合の平均値である。
【0026】相関ツールは、測定単位とは無関係になるようにスケーリングされた2つのデータ集合間の関係を評価する。母集団相関計算は、2つのデータ集合の共分散をそれらの標準偏差の積で割った値を返す。
【数4】

上式でσyはyデータ集合の標準偏差であり、σxはxデータ集合の標準偏差である。ここで、【数5】

かつ【数6】

である。
【0027】FTIR操作の結果得られるデータを解析するための本発明の一実施形態によれば、対応する波長に対する反射率測定値をプロットすることによって曲線を得る。戻りスペクトルから実験曲線をプロットした後、様々なステップを実行して実験データを解析し、理論モデルを生成して実験データと比較し、陥凹半導体材料の深さを決定することができる。これらのステップは、実験データから追加曲線を生成するステップを含むことができる。
【0028】一実施形態によれば、実験データを理論モデルと相関させることができる。一実施形態によれば、理論モデルは次式によって定義することができる。
【数7】

上式でB(x)は2次多項式、mおよびkは定数、xは赤外線の波数であり、f(x)は陥凹半導体材料の屈折率および深さに比例する。
【0029】約0.5μmを超える深さを有する陥凹など、陥凹1の測定では、深さの情報は振動の周波数から決定することができる。一般に、選択されたスペクトル範囲の赤外放射では、数周期の振動しか観察することができない。したがって、簡単な関数を使用して反射スペクトルを記述することができ、この関数は近似とすることができる。周波数を得るために正確な物理的モデルを必要としないので、スペクトルの様々な特徴を説明するためにあてはめパラメータを導入することができる。あてはめパラメータには、次のようなものが含まれる。
B(x):オフセットおよびスペクトルの非常に低い周波数変化に対する多項式背景、Mおよびk:様々な理由で波数と共に変化することができる振動の振幅、F(x):振動の周波数、およびφ:振動の位相のずれ。
【0030】図2に示すように、実験データから得られる波形R(x)に基づいて、2次多項式を生成することができる。図2に示す事例の場合、2次多項式は2次背景あてはめ多項式B'(x)を表す。図2では、多項式B'(x)は試験波形に重複して示され、最良の背景あてはめ多項式を表す。
【0031】試験データを解析する際に、試験波形R(x)からB'(x)を減算して正弦曲線(mx+k)sinf(x)を生成することができる。本発明の方法のこの実施形態の目標は、試験波形のB(x)が、試験波形から減算される数学的に生成された多項式B'(x)と等しくなることである。
【0032】関数B'(x)は様々な方法で生成することができる。一例によると、B'(x)は予測可能なパラメータに基づいて生成される。関数B'(x)およびB(x)のあてはめプロセスは、上で詳述した最小二乗解析により実行することができる。一例におけるあてはめは、背景および正弦関数に対し分離することができる。別の例では、あてはめは全てのパラメータを一度に含むことができる。B'(x)を生成し、それを試験データにあてはめた後、次いで、上で識別した関数R(x)に基づいて、陥凹材料の深さを決定することができる。
【0033】図3は、本発明に従って試験データに実行できる別の解析を示す。図3では、背景あてはめ多項式B'(x)を、試験サンプルを照射する結果得られた試験波形から減算した。図3に示す滑らかでない曲線は、試験波形からあてはめ多項式B'(x)を引いたもの、すなわちR(x)−B'(x)である。
【0034】図3に示された別の曲線は、(m'x+b')sin(f'(x)+φ)の形の記憶されているまたは数学的に生成されたあてはめ曲線である。2つの曲線は、図3に示すように重ね、それらを比較して最も良く適合する理論的曲線を大まかに決定することができる。より精密な比較は、あてはめプロセスを実行することによって行うことができる。上述の最小二乗法など、任意の適切なあてはめプロセスを利用することができる。
【0035】図4は、試験データを解析するための別の代替法を表す。図4に示す方法によれば、試験波形をあてはめ波形と比較する前に、試験波形から背景あてはめ多項式B'(x)を減算しない。この方法では、試験波形を、数学的に関数【数8】

として記述されるあてはめ波形に直接あてはめる。
【0036】この関数R'(x)は、図4では滑らかな曲線として示される。この関数では、B"(x)はB'(x)と全く同一ではない。これらの線に沿って、B"(x)は2次多項式あてはめによって完全に記述することができない。B"(x)とB'(x)の違いの1つの現われは、B"(x)を表すわずかに異なる背景曲線である。図4のB"(x)を、図3に示すB'(x)と比較されたい。曲線の違いの1つの理由は、B"(x)によって定義される背景曲線が、2次多項式によって完全に記述されていないためであろう。
【0037】上述しかつ図4に示した方法を、図5に示すようにさらに実行することができる。図5は、両方の波形をm'(x)で割ることによって正規化した後の試験波形R(x)および最適あてはめ曲線R'(x)を示す。背景多項式への試験波形のあてはめは一般に、陥凹材料の深さを決定するには不十分であるが、周波数f(x)として定義される波形の周期性は非常に重要である。曲線を正規化することによって、より高い波数の受容により大きい重みを与えることができ、より緊密なあてはめを決定することが可能になる。
【0038】優れたあてはめを得るためには、関数R(x)の全てのパラメータが必要である。しかし、f(x)だけでも深さの情報を含むことができる。f(x)を得る別の方法によると、フーリエ変換によってパワー・スペクトルを誘導する。周波数fは、周波数f0における最大波高値によって表される。
【0039】約0.5μmを超える深さを有する陥凹のように深い陥凹の場合、深さは振動の周波数から計算することができる。一方、浅い振動の場合、フレネル方程式を利用することができる。
【0040】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0041】(1)半導体基板に形成されたトレンチ内に付着された陥凹半導体材料の深さを測定するための非破壊的方法であって、前記陥凹半導体材料で充填された前記トレンチを含む前記半導体基板に赤外線を照射するステップと、戻り信号のスペクトル内容を検出し解析するステップと、前記戻り信号のスペクトル内容を理論的サンプル・スペクトルと相関させ、それによって前記陥凹半導体材料の深さを決定するステップとを含む方法。
(2)前記陥凹半導体材料が多結晶シリコンであり、前記半導体基板が単結晶シリコンである、上記(1)に記載の方法。
(3)前記戻り信号のスペクトル内容の解析をフーリエ解析によって行う、上記(1)に記載の方法。
(4)前記赤外線が約2000cm-1と約5000cm-1の間の波長を有する、上記(1)に記載の方法。
(5)前記陥凹半導体材料の深さが約0.5μmより大きい、上記(1)に記載の方法。
(6)前記相関ステップが、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す曲線を、前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線と比較することを含む上記(1)に記載の方法。
(7)前記戻り信号および前記理論的サンプル・スペクトルを表す前記曲線が、反射率と波長の関係を表す、上記(6)に記載の方法。
(8)較正スペクトルを表す曲線が理想的である、上記(7)に記載の方法。
(9)前記戻り信号のスペクトル内容を下記の数式1による理論的スペクトルと相関させて前記陥凹半導体材料の深さを決定し、【数9】

式中B(x)は2次多項式であり、mおよびkは定数であり、xは赤外線の波数であり、f(x)は前記陥凹半導体材料の屈折率および深さに比例する、上記(5)に記載の方法。
(10)前記戻り信号の前記スペクトルを表す前記曲線および前記理論的サンプル・スペクトルを表す前記曲線を最小二乗法によりあてはめる、上記(7)に記載の方法。
(11)前記理論サンプル・スペクトルを表す前記曲線が数学的に生成される2次多項式であり、前記方法がさらに、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算するステップを含む、上記(7)に記載の方法。
(12)前記2次多項式が、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から数学的に生成される、上記(11)に記載の方法。
(13)あてはめ波形曲線を数学的に生成するステップと、前記あてはめ曲線を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算することによって生成される曲線と比較するステップとをさらに含む、上記(11)に記載の方法。
(14)あてはめ波形曲線を数学的に生成するステップと、前記あてはめ曲線を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線と比較するステップとをさらに含む、上記(7)に記載の方法。
(15)前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から2次多項式を数学的に生成するステップと、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算するステップと、前記あてはめ波形と、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線とを正規化するステップと、前記あてはめ波形を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線と比較するステップとをさらに含む、上記(14)に記載の方法。
(16)半導体基板に形成されたトレンチ内に付着された陥凹半導体材料の深さを測定するための装置であって、前記基板を赤外光源で照射し、前記基板から反射した戻り信号の変換を行う分光光度計と、理論的サンプル・スペクトルを生成し、前記戻り信号のスペクトル内容を前記理論的サンプル・スペクトルに相関させ、それによって前記陥凹半導体材料の深さを決定するプロセッサとを含む装置。
(17)前記赤外光源が広帯域赤外線源である、上記(16)に記載の装置。
(18)前記赤外線が約2000cm-1と約5000cm-1の間の波数を有する、上記(16)に記載の装置。
(19)前記プロセッサが、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す曲線を前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線と比較する、上記(16)に記載の装置。
(20)前記サンプルからのスペクトル内容および前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線が強度対波長を表す、上記(19)に記載の装置。
(21)前記サンプルからのスペクトル内容および前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線を、前記陥凹半導体材料の深さに定期的に関連付ける、上記(19)に記載の装置。
(22)前記サンプルからのスペクトル内容および前記理論的サンプル・スペクトルを表す曲線が、前記半導体基板の材料の屈折率および前記陥凹半導体材料の深さに基づく、上記(19)に記載の装置。
(23)較正スペクトルを表す曲線が理想的である、上記(19)に記載の装置。
(24)前記プロセッサが、前記戻り信号のスペクトル内容を下記の数式2による理論的スペクトルと相関させて前記陥凹半導体材料の深さを決定し、【数10】

式中B(x)は2次多項式であり、mおよびkは定数であり、xは赤外線の波数であり、f(x)は前記陥凹半導体材料の屈折率および深さに比例する、上記(16)に記載の装置。
(25)前記プロセッサが、前記戻り信号のスペクトル内容を表す前記曲線と前記理論的サンプル・スペクトルとを最小二乗法により相関させる、上記(19)に記載の装置。
(26)前記理論的サンプル・スペクトルを表す前記曲線が、前記プロセッサによって数学的に生成される2次多項式であり、前記プロセッサがさらに前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算する、上記(21)に記載の装置。
(27)前記プロセッサが前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を数学的に生成する、上記(26)に記載の装置。
(28)前記プロセッサがあてはめ波形曲線を数学的に生成し、次いで前記あてはめ曲線を、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算することによって生成される曲線と比較する、上記(26)に記載の装置。
(29)前記プロセッサがあてはめ波形曲線を数学的に生成し、次いで前記あてはめ曲線を前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す曲線と比較する、上記(19)に記載の装置。
(30)前記プロセッサが前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から2次多項式を生成し、前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算し、前記あてはめ波形および前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線を正規化し、かつ前記あてはめ波形を前記戻り信号の前記スペクトル内容を表す前記曲線から前記2次多項式を減算した結果得られる曲線と比較する、上記(29)に記載の装置。
【出願人】 【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【識別番号】591209109
【氏名又は名称】シーメンス・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100086243
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 博 (外1名)
【公開番号】 特開2000−205833(P2000−205833A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−373599