| 【発明の名称】 |
画像処理方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河田 東輔
|
| 【要約】 |
【課題】複数のシークラインを備えた測定テンプレートを使用する画像処理方法の汎用性を高める。
【解決手段】画像処理対象物360のエッジ361の実質的に直線と見なし得る直線部362と直交する複数のシークライン364を設定する。それらシークライン364の各々と直線部362との交点である実エッジ点の基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値を求める。この累積値を平行距離の二乗和で割り、画像処理対象物360の基準寸法に対する寸法変化率を得る。また、エッジ点偏差と、画像処理対象物360の回転中心と各シークライン364との各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値を求める。この累積値を垂直距離の二乗和で割り、画像処理対象物360の回転角度を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像処理対象物の実際の寸法の基準寸法からの変化量に関連する量である寸法変化関連量を取得する画像処理方法であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定し、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値に基づいて前記寸法変化関連量を取得することを特徴とする画像処理方法。 【請求項2】 一点からそれぞれ前記シークラインの各々に平行に延び、各シークラインの前記基準エッジ点上において各シークラインと直交する直線に到る平行ベクトルの総和が0である点を、前記寸法中心として取得することを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。 【請求項3】 前記寸法変化関連量が、前記エッジ点偏差と平行距離との積の累積値を平行距離の二乗の総和で除した寸法変化率を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。 【請求項4】 画像処理対象物の基準回転位置からの回転角度を取得する画像処理方法であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定し、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の回転中心と各シークラインとの各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値に基づいて前記回転角度を取得することを特徴とする画像処理方法。 【請求項5】 画像処理対象物の実際の寸法の基準寸法からの変化量に関連する量である寸法変化関連量と、基準回転位置からの回転角度とを取得する画像処理方法であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定し、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各シークラインの各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値に基づいて前記寸法変化関連量を取得する寸法変化関連量取得ステップと、前記エッジ点偏差と、画像処理対象物の回転中心と各シークラインとの各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値に基づいて前記回転角度を取得する回転角度取得ステップとを含み、かつ、前記寸法変化関連量取得ステップにおいて取得された寸法変化関連量に基づいて前記回転角度取得ステップの複数のシークラインが設定されることを特徴とする画像処理方法。 【請求項6】 画像処理対象物の実際の寸法の基準寸法からの変化量に関連する量である寸法変化関連量を取得する画像処理装置であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定するシークライン設定手段と、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値を取得する累積値取得手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。 【請求項7】 画像処理対象物の基準回転位置からの回転角度を取得する画像処理装置であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定するシークライン設定手段と、そのシークライン設定手段により設定された複数のシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の回転中心と各シークラインとの各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値を取得する累積値取得手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理方法および装置に関するものであり、特に、画像処理対象物の寸法,位置,回転角度等の取得に関するものである。 【0002】 【従来の技術】本出願人は、未公開の特許出願である特願平10−187569号等において、光学式検査装置を提案した。これは、物体の一部または全部を検査対象物とし、検査対象物を撮像装置により撮像し、得られた画像のデータを画像処理装置により処理して、検査対象物の有無,寸法,位置,回転角度等を検査するものである。この種の検査装置においては、検査対象物が画像処理対象物となり、それの有無,寸法,位置,回転角度等が調べられる。そのために、画像に捜索テンプレート,測定テンプレート等が重ねられ、捜索テンプレートのポイントペアや測定テンプレートのシークラインと画像処理対象物のエッジとの相対位置関係が調べられる。 【0003】画像処理対象物のエッジは、その両側で輝度等の光学的特性が急変する線であり、例えば、検査対象物のシルエット像が画像処理対象物である場合には、エッジの内側の輝度が外側の輝度に比較して著しく小さくなる。ポイントペアは、2個の点が一対とされたものであり、それら2個の点の一方がエッジの一方の側に位置し、他方がエッジの他方の側に位置すれば、それらポイントペアは適合状態にあると判定される。ポイントペアがエッジに沿って複数対設定され、それら複数対のうち予め定められた数のポイントペアが適合状態にあれば、画像処理対象物は捜索テンプレートにより捜索されている物であると判定される。シークラインは、エッジの複数の直線部と直交するように設定され、各シークラインとエッジとの交点であるエッジ点が取得され、それらエッジ点とシークライン上に設定されている基準エッジ点との相対位置に基づいて、画像処理対象物の寸法,位置,回転角度等が取得される。このように、捜索テンプレートを使用すれば、画像処理対象物の位置の変動が大きい場合にも画像処理対象物を容易に捜索することができ、また、測定テンプレートを使用すれば、画像処理対象物の寸法,位置,回転角度等を短時間で取得(測定)することができる。 【0004】しかしながら、先に提案した画像処理装置においては、寸法の測定が、ペアシークラインのみを使用して行われ、回転角度の測定が、測定テンプレートを規定する座標面の座標軸に平行なシークラインのみを使用して行われるようになっていた。上記ペアシークラインとは、同一直線上に位置し、向きが互いに逆である2本のシークラインが一対とされたものである。画像処理対象物が四角形,円形等単純な形状のものである場合、あるいは形状は複雑であっても、エッジに軸対称形状の部分が多い場合や座標軸に平行な部分が多い場合には、それで十分なのであるが、画像処理対象物の中にはこれらの条件を満たさない形状のものもあり、その意味で、先に提案した画像処理装置は汎用性に欠けるうらみがあった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】本発明は、以上の事情を背景とし、複数のシークラインを備えた測定テンプレートを使用する画像処理装置の汎用性を高めることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の画像処理方法および装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。 (1)画像処理対象物の実際の寸法の基準寸法からの変化量に関連する量である寸法変化関連量を取得する画像処理方法であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定し、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値に基づいて前記寸法変化関連量を取得することを特徴とする画像処理方法(請求項1)。上記寸法変化関連量は、実際の寸法の基準寸法からの変化量である寸法変化量自体でもよいが、寸法変化量を基準寸法で除した寸法変化率等他の量であってもよい。寸法変化量と1対1の対応関係にある量であればよいのである。また、上記寸法中心は、画像処理対象物が任意の方向に小距離移動し、あるいは小角度回転しても、エッジ点偏差と平行距離との積の累積値が変化しない点であり、上記小距離および小角度は、すべてのシークラインが対応する直線部と直交すると見なし得る距離および角度である。本寸法変化関連量取得方法によれば、シークラインが測定テンプレート座標面等の座標軸に平行である必要はなく、またペアシークラインである必要もない。したがって、エッジが軸対称形状でもなく、座標軸に平行な部分が多くもない一般的な形状の画像処理対象物の寸法変化関連量でも取得することができ、シークラインを備えた測定テンプレートを使用する画像処理方法の汎用性が向上する効果が得られる。 (2)一点からそれぞれ前記シークラインの各々に平行に延び、各シークラインの前記基準エッジ点上において各シークラインと直交する直線に到る平行ベクトルの総和が0である点を、前記寸法中心として取得する (1)項に記載の画像処理方法(請求項2)。本態様に従えば寸法中心を容易に取得することができる。 (3)前記寸法変化関連量が、前記エッジ点偏差と平行距離との積の累積値を平行距離の二乗の総和で除した寸法変化率を含む (1)項または (2)項に記載の画像処理方法(請求項3)。上記寸法変化率を使用すれば、寸法中心からの距離が大きい部分ほど寸法補正の影響を大きくすることができ、複数のシークライン上における寸法変化量を単純に平均して補正量とする場合に比較して、寸法補正を合理的に行うことができる。 (4)画像処理対象物の基準回転位置からの回転角度を取得する画像処理方法であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定し、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の回転中心と各シークラインとの各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値に基づいて前記回転角度を取得することを特徴とする画像処理方法(請求項4)。上記回転中心は、画像処理対象物が任意の方向に小距離移動しても、エッジ点偏差と垂直距離との積の累積値が変化しない点である。また、上記小距離は、すべてのシークラインが対応する直線部と直交すると見なし得る距離である。本回転角度取得方法によれば、シークラインが測定テンプレートを規定する座標面の座標軸に平行である必要はなく、一般的な形状の画像処理対象物の回転角度を取得することができ、測定テンプレートを使用する画像処理方法の汎用性が向上する効果が得られる。 (5)一点からそれぞれ前記シークラインの各々を含む直線に垂直な方向に、各直線に到るまで延びる垂直ベクトルの総和が0である点を、前記回転中心として取得する (4)項に記載の画像処理方法。本態様に従えば回転中心を容易に取得することができる。 (6)前記回転角度を、前記エッジ点偏差と垂直距離との積の累積値を垂直距離の二乗の総和で除して取得する (4)項または (5)項に記載の画像処理方法。本態様に従えば回転角度を容易に取得することができる。 (7)画像処理対象物の実際の寸法の基準寸法からの変化量に関連する量である寸法変化関連量と、基準回転位置からの回転角度とを取得する画像処理方法であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定し、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各シークラインの各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値に基づいて前記寸法変化関連量を取得する寸法変化関連量取得ステップと、前記エッジ点偏差と、画像処理対象物の回転中心と各シークラインとの各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値に基づいて前記回転角度を取得する回転角度取得ステップとを含む画像処理方法。前記 (2), (3), (5)および (6)項の少なくとも1つの特徴を本態様の画像処理方法に適用することができる。本項の発明によれば前記 (1)項の発明の効果と(4)項の発明の効果との両方を得ることができる。しかも、寸法変化関連量を取得するための処理と、回転角度を取得するための処理とは共通部分が多いため、短い処理時間で大きな成果を得ることができる。 (8)前記寸法変化関連量取得ステップにおいて取得された寸法変化関連量に基づいて前記回転角度取得ステップの複数のシークラインが設定される (7)項に記載の画像処理方法(請求項5)。本態様によれば、回転角度取得ステップにおけるフェイルの発生率を低下させることができる。 (9)画像処理対象物の基準位置からの変位である画像処理対象物変位を取得する画像処理方法であって、画像処理対象物の実際の寸法中心の基準寸法中心からの変位に基づいて画像処理対象物変位を取得することを特徴とする画像処理方法。ユーザによって画像処理対象物の代表点として指定される指定点と、基準寸法中心とが同一である場合には、実際の寸法中心の基準寸法中心からの変位がそのまま画像処理対象物の変位になる。指定点と基準寸法中心とが異なる場合には、実際の寸法中心の基準寸法中心からの変位と、画像処理対象物の回転角度とに基づいて指定点の変位を演算することができる。本態様によれば、寸法変化関連量取得のための寸法中心を利用して画像処理対象物の変位を容易に取得することができる。 (10)画像処理対象物の基準位置からの変位である画像処理対象物変位を取得する画像処理方法であって、画像処理対象物の実際の回転中心の基準回転中心からの変位に基づいて画像処理対象物変位を取得することを特徴とする画像処理方法。ユーザによって画像処理対象物の代表点として指定される指定点と、基準回転中心とが同一である場合には、実際の回転中心の基準回転中心からの変位がそのまま画像処理対象物の変位になる。指定点と基準回転中心とが異なる場合には、実際の回転中心の基準回転中心からの変位と、画像処理対象物の回転角度とに基づいて指定点の変位を演算することができる。本態様によれば、回転角度取得のための回転中心を利用して画像処理対象物の変位を容易に取得することができる。 (11)画像処理対象物の実際の寸法の基準寸法からの変化量に関連する量である寸法変化関連量を取得する画像処理装置であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定するシークライン設定手段と、それらシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値を取得する累積値取得手段とを含む画像処理装置(請求項6)。前記 (2), (3), (9)および(10)項の少なくとも1つの特徴を本態様の画像処理装置に適用することができる。本態様の画像処理装置によれば、前記 (1)項に記載の画像処理方法を実施することができる。 (12)画像処理対象物の基準回転位置からの回転角度を取得する画像処理装置であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定するシークライン設定手段と、そのシークライン設定手段により設定された複数のシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の回転中心と各シークラインとの各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値を取得する累積値取得手段とを含む画像処理装置(請求項7)。前記 (5), (6), (9)および(10)項の少なくとも1つの特徴を本態様の画像処理装置に適用することができる。本態様の画像処理装置によれば、前記 (4)項に記載の画像処理方法を実施することができる。 (13)画像処理対象物の実際の寸法の基準寸法からの変化量に関連する量である寸法変化関連量と、画像処理対象物の基準回転位置からの回転角度とを取得する画像処理装置であって、画像処理対象物のエッジの実質的に直線と見なし得る直線部と直交する複数のシークラインを設定するシークライン設定手段と、そのシークライン設定手段により設定された複数のシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の寸法中心から、各基準エッジ点までの各シークラインに平行な方向の距離である平行距離との積の累積値を取得する第一累積値取得手段と、前記シークライン設定手段により設定された複数のシークラインの各々と前記直線部との交点である実エッジ点の、各シークライン上に予定された基準エッジ点からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差と、画像処理対象物の回転中心と各シークラインとの各シークラインに垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値を取得する第二累積値取得手段とを含む画像処理装置。前記 (2), (3), (5), (6), (8)〜(10)項の少なくとも1つの特徴を本態様の画像処理装置に適用することができる。本態様の画像処理装置によれば、前記(7)項に記載の画像処理方法を実施することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明を立体形状の対象物(撮像の際は撮像対象物、測定の際は測定対象物、検査の際は検査対象物となる。以下、それぞれの場合に適した呼称を使用する)の寸法,位置および回転角度の測定、ならびに寸法検査を行う光学的測定装置に適用した場合の一実施形態を図面に基づいて説明する。本光学式測定装置は、図1〜8に示す撮像装置10と、図9に示す画像処理装置12,モニタテレビ14および入力装置16とを含んでいる。入力装置16は、キーボード18,マウス20,フットスイッチ22等を含んでいる。画像処理装置12は、入力装置16から入力される情報,指令等に応じて作動し、撮像装置10により撮像された画像のデータを処理して、測定対象物の寸法変化関連量、基準位置からの位置変化、基準回転位置からの回転角度等を取得し、また、寸法変化に基づいて寸法の合否判定を行う。寸法変化は寸法誤差を包含するが、それに限定されるわけではなく、予定された寸法の変化をも包含する。そして、寸法変化関連量は寸法変化量自体でもよいが、本実施形態においては、実際の寸法から基準寸法を差し引いた寸法変化量の基準寸法に対する比率であり、寸法変化率と称することとする。また、位置変化は位置ずれ(位置誤差)を包含するが、それに限定されるわけではなく、予定された位置の変化をも包含する。測定結果および検査結果は表示装置としてのモニタテレビ14に表示される。さらに、モニタテレビ14の表示内容を記録媒体としての記録用紙に印刷する印刷装置を画像処理装置12に接続することも可能である。 【0007】画像処理装置12の作動に必要な情報の入力はキーボード18およびマウス20を使用して行われるが、作動開始指令等の単純な指令はキーボード18,マウス20およびフットスイッチ22のいずれからも入力可能であり、特に多数の測定対象物の測定を連続的に行う場合には、フットスイッチ22により作動開始指令を入力すれば、両手を測定対象物の交換等別の作業に使用することができ、便利である。さらに、測定対象物の測定が不可能であり、あるいは寸法検査の結果が不合格であった場合には、画像処置装置に内蔵のブザーが作動するようになっており、オペレータはモニタテレビ14を常時注視している必要がなく、本光学式測定装置はこの点でも使い勝手のよいものとなっている。 【0008】次に、撮像装置10について説明する。撮像装置10は図8に概念的に示す構成を有し、具体的には図1〜7に示す構造を有している。図1〜3において、符号30は装置本体を示す。装置本体30は複数の部材が組み立てられて成り、全体として矩形の箱状をなしている。装置本体30の第1の部材は垂直に立ち上がった支持壁32であり、その支持壁32の垂直な一側面に支持壁34が固定されている。それら両支持壁32,34の下端にベースプレート36が固定されるとともに、支持壁32の中央部にフレーム38が固定されている。支持壁32,34の上端にカバー部材40が固定されるとともに、支持壁32と平行なカバー部材42が固定され、1つの側面のみが開放された箱状の構造物が構成されている。なお、図1においては、カバー部材42が除かれ、位置のみが二点鎖線で示されている。また、支持壁32は、図2から明らかなように、それ自体が浅い箱状の部材であり、内部には図示を省略する補強のリブが複数形成されている。図2においては、カバー部材40とビームスプリッタ72とが省略されている。 【0009】この装置本体30内に、撮像部50と平行光発生部52とが構成されている。撮像部50は、フレーム38と2枚のガラス板54,56とを有する撮像対象物支持装置58を備えている。フレーム38に、それを上下方向に貫通する貫通孔60が形成され、その貫通孔60(図2参照)の上方と下方の開口部に2枚のガラス板54,56が配設されているのである。フレーム38にはそれを、支持壁32およびカバー部材42に直角な方向に貫通する貫通孔62も形成されており、支持壁32およびカバー部材42にもその貫通孔62に対応する開口64,66が形成されている。平行光発生部52は、後述の構成により、フレーム38の貫通孔60を下から上へ向かう平行光(図8参照)を発生させる。したがって、カバー部材42の開口66から物体を挿入して下側のガラス板54上に載せれば、その物体は背面側(下面側)から平行光により照明されることとなる。本撮像装置10においては物体のシルエット像が撮像されるのであり、物体全体が撮像対象物であることになる。なお、支持壁32の開口64は、撮像対象物が長い場合でも、それのフレーム38への挿入を許容するために形成されているものである。 【0010】撮像部50は、上記撮像対象物支持装置58の他に、凹面鏡70,ビームスプリッタ72,オリフィス74,レンズ系76およびCCDカメラ78(図2参照)を備えている。凹面鏡70は放物面鏡であり、光軸に平行に入射する光を焦点に向かって反射する。凹面鏡70は支持壁34に固定されており、それの焦点の位置にオリフィス74のピンホール80(図8参照)が位置させられている。これら凹面鏡70とオリフィス74との間の位置にビームスプリッタ72が配設されている。ビームスプリッタ72は、前記フレーム38の貫通孔60の中心線と、凹面鏡70の光軸との交点の位置に、それら中心線および光軸に対して45度傾斜した姿勢で支持壁32に支持されている。ビームスプリッタ72は入射した光の一部は透過させ、残りの部分は反射するものであり、図8に示すように、平行光発生部52において発生させられ、フレーム38の貫通孔60を通過した平行光のうちの、ビームスプリッタ72によって反射されたものが凹面鏡70に入射する。この光は、実質的に凹面鏡70の光軸に平行な方向から凹面鏡70に入射するため、凹面鏡70の焦点に集光される。 【0011】この集光した光は、オリフィス74のピンホール80を通過し、放射状に広がった後、レンズ系76により平行光に変換される。レンズ系76の焦点が凹面鏡70の焦点と一致させられているからである。オリフィス74は、凹面鏡70に入射する光(すなわち撮像対象物の周囲を通過した光)のうち、凹面鏡70の光軸に平行なもののみを通過させ、他の方向の光は通過させない機能を果たすものであり、その機能はピンホール80の直径が小さいほど鋭くなる。ピンホール80が面積のない理論的な点であれば、厳密に平行光のみのがピンホール80を通過することとなるが、現実には微小な面積を有するものとせざるを得ず、光軸に対して微小角度傾斜した方向の光もピンホール80を通過し、それら実質的に凹面鏡70の光軸に平行な光により、CCDカメラ78の撮像素子としてのCCD82(図2,図8参照)の撮像面に画像が形成される。したがって、鮮明な画像を得るためには、レンズ系76の、ピンホール80の位置にある焦点とは反対側の焦点の位置にCCD82を配置することが必要である。CCD82は、多数の光電変換素子(電荷結合素子)が格子状に形成されたものであり、各光電変換素子に入射した光の強さに応じた電気信号を、各光電変換素子の位置に対応させて取り出し可能なものである。 【0012】上記オリフィス74およびレンズ系76は、共通の筒体内に組み込まれて一体的な光学系を構成している。本実施例装置においては、図5,6,7に示すように、長,中,短と長さが3段階に異なる筒体90,92,94内に組み込まれて、視野が小,中,大と3段階に異なる3種類の光学系96,98,100が準備されており、目的に合わせて選択的に装置本体30に取り付けられる。その意味において、以下、光学系96,98,100を交換レンズと称することとする。これら交換レンズ96,98,100は、ブラケット102を介して装置本体30に取り付けられ、その後端にCCDカメラ78が螺合により着脱可能に取り付けられる。 【0013】凹面鏡70への平行光の入射方向は正確に凹面鏡70の光軸に平行であることが必要であり、また、オリフィス74のピンホール80は正確に凹面鏡70の焦点の位置にあることが必要であるため、ビームスプリッタ72の傾斜角度を調節する傾斜角度調節装置108と、交換レンズ96等の軸方向位置を調節する位置調節装置110とが設けられている。 【0014】傾斜角度調節装置108は、図4に示すように、取付軸112,偏心操作部材114および長穴116を含んでいる。取付軸112は前記支持壁32に直角に固定され、ビームスプリッタ72を、前記フレーム38の貫通孔60の中心線と凹面鏡70の光軸との両方に直角な回動軸線のまわりに回動可能に支持している。偏心操作部材114は、支持壁32に取付軸112の軸線に平行な軸線のまわりに回転可能に保持された被支持軸部118とそれに対して偏心した偏心カム部120とを備え、偏心カム部120がビームスプリッタ72に形成された長穴116に嵌入させられている。長穴116は、ビームスプリッタ72の回動軸線と直交する方向に長く形成されており、偏心カム120は、その長穴116にその長穴116の幅方向には実質的に相対移動不能に嵌入させられているため、偏心操作部材114が回転操作されるにつれてビームスプリッタ72が取付軸112の軸線である回動軸線のまわりに回動し、凹面鏡70の光軸に対する傾斜角度が調節される。角度調節後、ビームスプリッタ72はボルト122により支持壁32に固定される。 【0015】位置調節装置110は、図2に最も明瞭に示されているように、前記ブラケット102の他、キー126,キー溝128,調節ねじ部材130,調節ねじ部材保持部材132等を含んでいる。キー126は装置本体30に凹面鏡70の光軸に平行に固定されてガイドを形成しており、このキー126にブラケット102のキー溝128が嵌合されている。また、ブラケット102は複数本のボルト134により装置本体30に固定されるが、それらボルト134は緩められた状態で、ブラケット102の装置本体30に対する相対移動を許容しつつ装置本体30からの過大な浮き上がりを防止する。以上によって、ブラケット102の移動が凹面鏡70の光軸に平行な方向に規制されている。調節ねじ部材130は、装置本体30に固定されてその一部をなす調節ねじ部材保持部材132に回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されるとともに、雄ねじ部138においてブラケット102の雌ねじ部140に螺合されている。したがって、調節ねじ部材130が回転操作されるにつれて、ブラケット102がキー126に沿って移動し、その結果、ブラケット102に保持されている交換レンズ96等およびCCDカメラ78の軸方向の位置が調節される。オリフィス74のピンホール80が丁度凹面鏡70の焦点の位置に位置する状態となったとき、ボルト134が締めつけられて、交換レンズ96等の位置が固定される。なお、調節ねじ部材は、ねじの向きあるいはピッチが違う2つの雄ねじ部を有し、それぞれの雄ねじ部においてブラケット102および装置本体30と螺合するものとすることも可能である。 【0016】次に、平行光発生部52について説明する。平行光発生部52は、レンズ系76およびCCDカメラ78の代わりに、光源装置146が設けられている以外は、上記撮像部50と面対称に構成されている。凹面鏡148,ビームスプリッタ150およびオリフィス152が、それぞれ撮像部50の前記凹面鏡70,ビームスプリッタ72およびオリフィス74と、撮像対象物支持装置58の上下方向の中央を通る水平面を対称面とする面対称の位置に配設されているのである。さらに、平行光発生部52にも前記傾斜角度調節装置108および位置調節装置110と同じ構成の傾斜角度調節装置158および位置調節装置160が設けられている。 【0017】上記光源装置146は、光源としてのハロゲンランプ170、それの光を導くグラスファイバ172、およびグラスファイバ172の先端からほぼ平行に放射される光をオリフィス152のピンホール174に集光させるレンズ系としてのボールレンズ176を含んでいる。ボールレンズ176により集光させられた光はピンホール174を通過して放射状に広がる。光源装置146が点光源として機能するのである。ピンホール174から放射された光の一部はビームスプリッタ150により反射されるが、残りはビームスプリッタ150を透過して凹面鏡148に入射する。ピンホール174は凹面鏡148の焦点に位置させられているため、ピンホール174から放射された光は凹面鏡148により、凹面鏡148の光軸に平行な平行光に変換される。この平行光がビームスプリッタ150により前記撮像対象物支持装置58に向かって反射される。 【0018】本撮像装置は以上のように構成されているため、平行光発生部52において発生させられた平行光が、撮像対象物支持装置58を下から上へ貫通穴60の中心線に平行に通過する。したがって、撮像対象物支持装置58のガラス板54上に撮像対象物180(図8参照)を載せておけば、平行光の一部は撮像対象物180に遮られ、残りは撮像対象物180の周囲を通過する。この通過した光によって、前述のようにCCDカメラ78のCCD82に画像が形成されるのであるが、この画像は暗い撮像対象物180の像と明るい背景の像とから成る。撮像対象物180のシルエット像が得られるのであり、背景の明るい像は撮像対象物180の周囲を通過した平行光により形成されるため、撮像対象物180のシルエット像は透視図法ないし投影図法で描かれた図面の図形と正確に同じ寸法となる。図44に示すように、通常の光学系182を通してCCD184により撮像対象物180を撮像した場合には、撮像対象物180の光学系182から遠い部分の画像が、近い部分の画像に比較して小さく撮像されてしまう。もし、光学系182から遠い部分が二点鎖線で示すように、光学系182からの距離が他の部分と同じ位置にあれば、もっと大きな画像として取得されるのに対し、小さく撮像されてしまうのである。この問題は、撮像対象物180の光学系182に対向する面が光学系182の光軸に直角な一平面でない限り発生し、また、一平面であっても、その一平面の位置が一定しない限り発生し、三次元形状の測定対象物の寸法等の測定を不可能にする。それに対し、本撮像装置10によればこの問題が解消され、三次元形状の撮像対象物180であっても透視図法ないし投影図法で描かれた図面と同じ画像が取得されるため、この画像に基づいて寸法を求めれば、透視図法ないし投影図法上の寸法を取得することができる。 【0019】以上説明した撮像装置10に代えて、本出願人の未公開の出願である特願平10−9085号,特願平10−162459号および特願平10−187569号の明細書または図面に記載されている別の形態の撮像装置等を採用することも可能である。また、撮像対象物のシルエット像を取得するもののみならず、撮像対象物を前面側から照明装置により照明して正面像を取得する撮像装置を採用してもよい。撮像対象物の正面像を取得すれば、それの表面上に存在する凹部,突部、表面上に印刷されたキャラクタ、表面上に生じた傷,汚れ等の欠陥の像を得ることもでき、これらを測定対象物とすることもできる。 【0020】次に、画像処理装置12について説明する。画像処理装置12は、上記のようにしてCCDカメラ78により取得された画像のデータを処理し、撮像対象物180の外側や内側の輪郭線に基づいて、撮像対象物180の寸法変化関連量,位置ずれ,基準回転位置からの回転角度等を求めるのであるが、この画像処理は複雑であるので、後にまとめて詳述することとし、ここでは省略する。画像処理装置12は、さらに、上記のように求めた寸法変化関連量を基準データと比較して合否の判定を行い、その判定結果を、求めた寸法変化関連量の値と共にモニタテレビ14に表示させる。 【0021】この画像処理装置12は、電気部品供給装置から供給される電気部品を、吸着ヘッド等の部品保持ヘッドにより保持し、搬送して、プリント基板等の回路基材に装着する電気部品装着装置用の画像処理装置としても使用可能である。電気部品装着装置においては、部品保持ヘッドによる電気部品の保持位置や保持方位(基準回転位置からの回転角度で表される)を検出し、あるいは基材支持装置により支持された回路基材の位置や回転角度を検出し、それらの誤差を修正した上で、電気部品を回路基材に装着することが行われており、そのために、電気部品や回路基材の基準マークを撮像する撮像装置が必要であり、これら撮像装置の画像処理装置として使用可能なのである。 【0022】画像処理装置12はコンピュータを主体とするものであり、図10に示すように、CPU254,DRAM(ダイナミックラム)256,SRAM(スタティックラム)258,PROM(プログラマブルロム)260,漢字ROM262,フレームグラバメモリ264,および4面分のオーバレイ表示メモリ266を有し、これらは基板267上の図示しない内部バスによって互に接続されている。 【0023】上記内部バスにはまた、2チャンネルのシリアルインタフェース270が接続され、入力装置16が接続されている。入力装置16は、テンキー,アルファベットキー等を有する前記キーボード18を主体とし、光学式測定装置全体の運転に必要な情報,指令と共に、画像処理対象物(物体の全体でも一部でもよい)の種類,個数等,画像処理に必要な情報を入力する装置である。バスにはまた、イーサネットインタフェース274およびメモリカードインタフェース276が接続されている。 【0024】イーサネットインタフェース274は電気部品装着装置等の、画像処理装置以外の部分を制御するコンピュータとの間で通信を行うためのインタフェースである。画像処理装置12には、オプションの制御機器を接続可能であり、イーサネットインタフェース274はP1コネクタ268を介してデータ交換を行うのである。また、電気部品装着装置の各種駆動装置を制御する制御装置も、コンピュータを主体として画像処理装置12とは別に設けられ、図示しない外部バスを介してP1コネクタ268に接続される。この別の制御装置は本発明とは関連が薄いため図示および説明は省略する。メモリカードは、画像処理を行うために予め作成されたプログラムが記憶されたものであり、画像処理装置12にセットされれば、CPU254がPROM260を使用してメモリカード内のプログラムやプログラムの実行に必要なデータをメモリカードインタフェース276を介して読み出し、DRAM256に記憶させる。 【0025】バスには更に、CCDカメラインタフェース280が接続され、これに前記光学式測定装置のCCDカメラ78(または電気部品装着装置のCCDカメラ78)が接続される。CCDカメラ78により得られた画像のデータである画像データは、CCDカメラインタフェース280を介してフレームグラバメモリ264に格納される。前述のように、フレームグラバメモリ264は4つ設けられており、例えば、連続して撮像される4個の撮像対象物180の画像データが各フレームグラバメモリ264に順次格納される。 【0026】バスには更に、テレビインタフェース286が接続され、モニタテレビ14が接続されている。モニタテレビ14はカラー表示およびモノクロ表示の両方が可能である。前述のように、撮像対象物180の撮像により得られた4つのモノクロ画像の画像データが、フレームグラバメモリ264に並列的に格納されるようになっており、一方オーバレイ表示メモリ266は、画像を16色のカラーで表示するカラー画像データを記憶し得るメモリを4面分備えている。上記4つのモノクロ画像のいずれか1つに、上記4面分のカラー画像のうちモノクロ画像に対応するものが重ねて表示され、画像処理の経過や結果が表示される。例えば、後述の捜索テンプレートや測定テンプレートの角度が設定ピッチずつ変えられるとともに角形の螺旋状に位置が変えられる様子がカラー表示され、作業者に処理の進行状況が示されるのである。 【0027】同じモニタテレビ14に、入力装置16を用いて入力されたデータもカラーで表示される。この表示時に漢字ROM262が使用される。モニタテレビ14は、自動選択表示モードと手動選択表示モードとの2つのモードで表示が可能なものとされており、自動選択表示モードに設定されている場合には、画像処理経過の表示と、入力装置16からの入力に関連した入力関連データとの両方が、入力関連データを優先させつつ表示される。したがって、自動選択表示モードに設定されている状態で、入力装置16によりデータが入力されれば、上記画像処理経過の表示から自動的に入力関連データの表示に切り換えられる。手動表示選択モードにおいては、画像処理経過の表示と入力関連データの表示とのうち、オペレータの手動操作によって選択された方のみの表示が行われる。 【0028】以下、CCDカメラ78の撮像により得られた画像データの処理について説明する。画像処理のためのプログラムやデータは前述のようにメモリカードに記憶されており、メモリカードがセットされれば読み出されてDRAM256に記憶される。メモリカードから読み出される画像処理プログラムを図11ないし図13にそれぞれ示す。これらのプログラムの実行により、画像処理対象物(撮像対象物)の寸法変化関連量,位置ずれ,回転角度等の測定、ならびに寸法の検査が行われる。 【0029】図11に示すプログラムは事前処理プログラムである。事前処理プログラムは、検査プログラムの立ち上げ時、すなわち事前処理プログラムのDRAM256への格納後に実行される。まず、検査プログラムの実行に必要なすべての画像処理対象物のうちの1つについて、パターンマッチングを行うか否かが判定され、行うのであればマスタ捜索テンプレートに基づいて捜索テンプレートが生成されてDRAM256に記憶される。同様の処理がすべての画像処理対象物について順次行われる。 【0030】上記マスタ捜索テンプレートは2個の点を一対とするポイントペアを複数組有し、それらポイントペアを規定する座標面(マスタ捜索テンプレート座標面と称する)が画像処理装置12の基準座標面と一致しているものである。すなわち、マスタ捜索テンプレート座標面の原点および座標軸の方向が、CCDカメラ78の視野の中心に原点が設定された基準座標面の原点および座標軸の方向と一致しているのである。マスタ捜索テンプレートは、画像処理対象物の形状,寸法に基づいて予め作成されてメモリカードに記憶されており、事前処理プログラムと共にDRAM256に読み込まれる。 【0031】図14に、画像処理対象物が正方形の物である場合のマスタ捜索テンプレートの設定データの一例を示し、そのデータによって設定されるマスタ捜索テンプレート300を図15に示す。図14のデータ中、第7,8,10,11行のデータおよび第5行のhs(ハーフスパン)=5.5がマスタ捜索テンプレートの設定データである。Pairとは、ポイントペアを構成する2個の点の延長線上において、画像処理対象物の中心線に対して対称に別のポイントペアを設定することを意味する。例えば、図15に示す(7),(8),(10),(11) の各ポイントペア302に対して(7) ´,(8)´,(10) ´,(11) ´の各ポイントペア302が設定されるのである。これらポイントペア302に付された括弧付の数字は、図14における行番号と一致している。また、304は画像処理対象物である。 【0032】マスタ捜索テンプレートは、寸法,位置,回転角度のいずれにも誤差のないマスタ画像処理対象物について、各組のポイントペアを構成する2個の点の一方が画像処理対象物の内側に、他方が外側に位置し、かつ、それらポイントペアの2個の点の中点がマスタ画像処理対象物のエッジ(輪郭線)上に位置するように作成される。それを図に示せば、図15に示すようになるのである。なお、一般的には、ポイントペアの2個の点の中点がマスタ画像処理対象物のエッジ上に位置することは不可欠ではなく、2個の点がそれぞれ画像処理対象物のエッジより内側と外側とに指定されればよい。また、図15に示す例の場合、ポイントペア302の2個の点のうちの一方の点が別のポイントペア302の一方の点と共通にされているが、これも不可欠なことではない。さらに、図15においては、いずれの点がポイントペア302を構成するかを判り易く示すために、ポイントペア302を構成する2個の点が直線でつながれているが、この直線は説明の都合上の線であって実際に直線のデータが設定されるわけではない。 【0033】光学式測定装置においては、画像処理対象物が、例えば撮像対象物180の像の全体とされ、検査されるべき複数種類の撮像対象物180についてのマスタ捜索テンプレートデータが予め作成されてメモリカードに記憶されており、画像処理実行時にはDRAM256に格納される。そのため、捜索テンプレートの生成時には、捜索テンプレートを生成すべき撮像対象物180の種類に応じてマスタ捜索テンプレートデータがDRAM256から読み出される。マスタ捜索テンプレートは前述のように回転角度が0度の捜索テンプレートであり、マスタ捜索テンプレートが設定角度範囲内において図17に二点鎖線で示すように設定ピッチで回転させられることにより、複数種類の捜索テンプレートが生成され、そのデータがDRAM256に格納される。 【0034】この捜索テンプレートの生成角度範囲および設定ピッチをそれぞれ指定するデータは、図14に示すように、マスタ捜索テンプレートのデータと共に記憶されている。第15行のpitchA=4.5 が設定ピッチのデータであり、第16行のstartA=-45および第17行のendA=45 が捜索テンプレートの生成角度範囲を規定するデータである。捜索テンプレートを生成する角度範囲およびピッチは撮像対象物180に応じて設定される。例えば、撮像対象物180が撮像対象物支持装置58のガラス板54上に載置される際の回転角度が大きくずれることが予想される場合には、生成角度範囲が広くされるのである。因みに、図11に示す事前処理プログラムの例では、生成角度範囲が−45度から+45度とされ、設定ピッチが5度とされている。 【0035】1つの撮像対象物180についての捜索テンプレートの生成が終了すれば、プログラムの実行は最初に戻り、次の撮像対象物180についてパターンマッチングを行うか否かの判定および行うのであれば捜索テンプレートの生成が行われる。パターンマッチングを行わない場合にはプログラムの実行は始めに戻り、次の撮像対象物180についてパターンマッチングを行うか否かの判定が行われる。全部の撮像対象物180についてパターンマッチングを行うか否かの判定,パターンマッチングを行う撮像対象物180についての捜索テンプレートの生成が行われたならば図11のプログラムの実行は終了する。 【0036】次に、図12に示す実行処理プログラムを説明する。このプログラムは、CCDカメラ78により撮像対象物180が撮像され、画像データがフレームグラバメモリ264に格納された後に実行される。まず、撮像対象物180が四角形物等、パターンマッチングのみで処理可能であれば、図13に示すパターンマッチングプログラムに従って画像処理が行われる。 【0037】次に、画像処理対象物が、QFP(クウォード フラットパッケージ),PLCC(プラスティック リーデッド チップ キャリア),SOP(スモールアウト ライン パッケージ)等多数のリードを備えて形状が複雑な電気部品、BGA(ボール グリッド アレイ)の半田バンプ等画像処理対象物の数が多いもの、太陽電池のグリッドパターンのように画像処理対象物の形状が複雑なもの、形状が単純な円や四角形ではない機械部品等、画像処理のためにパターンマッチングを組み合わせたパターンマッチングマネージャを作動させる必要があるものであるか否かが判定される。パターンマッチングマネージャは本発明との関連が薄いため説明を省略する。 【0038】パターンマッチングマネージャ作動の必要がなければ、仮想画面上での画像処理を行うべきか否かが判定され、判定の結果がNOであれば物理画面上での画像処理を行うべきか否かが判定される。物理画面は、光学的特性値が画素毎に求められて画像データが実在する画像の画面であり、仮想画面は、画素に拘束されない任意の点の光学的特性値が必要に応じて演算によって求められる画面である。上記パターンマッチングおよびパターンマッチングマネージャはいずれも、後に説明するように、仮想画面上で行われる処理であるが、本実施形態においては、これらの他に、パターンマッチングによらないで仮想画面上と物理画面上とでそれぞれ画像処理を行い得るようにされている。上記「仮想画面上での画像処理を行うべきか否か」および「物理画面上での画像処理を行うべきか否か」の判定は、パターンマッチングまたはパターンマッチングマネージャの画像処理を行うことが指令されているか否かの判定なのである。 【0039】図13に示すパターンマッチングプログラムを説明する。まず、サーチウインドウが設定され、画像処理対象物を捜索する捜索領域が設定される。サーチウインドウの設定は、CCDカメラ78の撮像面の一部あるいは全部を座標値によって指定することにより行われる。画像処理対象物が何であるかは、作業手順中のデータにより判っており、撮像面に形成される画像処理対象物の像の位置はおおよそ判るため、サーチウインドウは位置に多少のずれがあっても画像処理対象物を包含するに適した十分な大きさに設定される。このようにすれば捜索領域が狭くて済み、短時間で捜索することができる。 【0040】フルセットのパターンマッチング処理は、捜索対象物を捜索する捜索ステップ,捜索対象物のおおよそのエッジ点を捜索する再捜索ステップ,捜索対象物(測定対象物)のエッジ点を演算する測定ステップ,測定ステップを繰り返し行う再測定ステップおよび検査ステップの5つのステップを含む。通常は5つのステップ全部の終了によりパターンマッチングが終了する。1つでも異常のステップがあれば、次のステップは実行されず、直ちにパターンマッチングが終了させられる。 【0041】まず、捜索ステップを説明する。捜索ステップにおいては、DRAM256から捜索テンプレートが1つずつ順次読み出され、図18に示すように画像処理対象物320の像と背景(画像処理対象物以外の部分の意であって、画像処理対象物が部品表面の凹部等である場合には部品表面の像が背景となる)とを含む画像が存在する画面321に重ねられ、捜索テンプレート322の複数のポイントペア324を構成する2個の点(以下、ポイントペア構成点と称する)の光学的特性値(本実施形態では輝度)が演算される。図14に示す例では、回転角度が−45度の捜索テンプレートから順に読み出される。 【0042】ポイントペア構成点は仮想画面上の点であり、ポイントペア構成点の輝度は物理画面上の複数の画素の画像データとしての輝度から補間演算により求められる。捜索テンプレートのデータにより指定された仮想画面上の点の光学的特性値が物理画面の画像データに基づいて求められるのであり、これを視覚的に表したのが図18であって、図18の状態を「捜索テンプレートを画像データの表す画像が存在する画面に重ねた状態」と認識することができる。図18の画面321は仮想画面であり、この画面321内の画像対象物320の像はこの位置に存在すると仮想されているのみで、実際にこの像を表す画像データは存在しない。他の図に関しても同様である。 【0043】ポイントペア構成点の輝度の補間演算は、例えばX,Y座標面上における4×4個の制御点の画像データによって規定される双3次スプライン曲面等の曲面を使用して行うことも可能であるが、本実施形態においては、ポイントペア構成点に隣接する4個の画素の画像データに基づいて、最も単純な線形補間により行われる。図19において(u0 ,v0 )はポイントペア構成点、f(u0 ,v0 )はポイントペア構成点の輝度、(u´,v´),(u´+1,v´),(u´,v´+1),(u´+1,v´+1)はそれぞれ線形補間に使用される4個の画素の中心位置、f(u´,v´),f(u´+1,v´),f(u´,v´+1),f(u´+1,v´+1)は4個の画素の各輝度であり、ポイントペア構成点の輝度は(1)式によって演算される。 f=(u0 ,v0 )=f(u´,v´)(1−α)(1−β)+f(u´+1,v´)α(1−β)+f(u´,v´+1)(1−β)β+f(u´+1,v´+1)αβ・・・・・・・(1) 【0044】上記演算は図20に示す物理画面/仮想画面変換ドライバ350によって行われる。図に示すように、物理画面/仮想画面変換ドライバ350は、一般的な画像処理アプリケーションソフトウエア352とは別に構成されており、画像処理アプリケーションソフトウエア352において、物理画面354上の画像データに基づいて仮想画面356上の画像データを演算する必要が生じる度に、物理画面/仮想画面変換ドライバ350が呼び出されて、仮想画面356上の画像データの演算が行われるのである。 【0045】各対のポイントペア324の2個の構成点について輝度が演算される毎に、それら2個のポイントペア構成点の輝度が比較される。CCDカメラ78によるシルエット像の撮像時には、画像処理対象物(撮像対象物180)に対応する部分と背景に対応する部分とでは固体撮像素子の電荷量に差が生ずる。画像処理対象物の像が暗く、背景が明るくなるのである。そのため、2個のポイントペア構成点の一方が画像処理対象物のエッジ内に位置し、他方の点がエッジ外に位置するのであれば、2個のポイントペア構成点の輝度に予め設定された設定値以上(設定値が正の場合)または設定値以下(設定値が負の場合)の差が生ずる。 【0046】上記輝度差の設定値はマスタ捜索テンプレートデータと共に記憶されている。例えば、図14においては第5行に記述されているように設定値diffが20に設定されている。この場合には、2個のポイントペア構成点のうち、画像処理対象物のエッジ内のポイントペア構成点の輝度がエッジ外のポイントペア構成点の輝度より20階調以上小さければ、設定値以上の差があると判定される。逆に、設定値diffが−20に設定されていれば、画像処理対象物のエッジ外のポイントペア構成点の輝度がエッジ内のポイントペア構成点の輝度より20階調以上小さければ、設定値以上の差があると判定される。いずれの場合もそれら2個のポイントペア構成点は画像処理対象物のエッジを跨いでおり、適合状態にあることになる。この場合に、「2個のポイントペア構成点が設定輝度差条件を満たす」と表現することとする。 【0047】(1) 画像処理対象物が捜索対象物ではなく、2個のポイントペア構成点がエッジを跨いでいない、(2) 供給ミスにより撮像対象物180が検査対象物支持板72上に載置されていない、あるいは(3) 固体撮像素子にごみ等が付着して画像データが得られない等の理由により、2個のポイントペア構成点が設定輝度差条件を満たさず、適合状態にあるとは言えないことがある。この状態をポイントペアのフェイルと称する。捜索テンプレートに適合する捜索対象物が存在しないと判定するためのフェイル数は予め設定されている。例えば、図14においては、第3行に示すようにフェイル数は0に設定されており、全部のポイントペアについて2個のポイントペア構成点が設定輝度差条件を満たさなければ、捜索テンプレートに適合する捜索対象物が存在するとは判定されないようになっている。 【0048】フェイル数が1以上に設定されているとすれば、複数組のポイントペアのうち設定輝度差条件を満たさないポイントペアが設定フェイル数を越える数あれば、捜索テンプレートに適合する捜索対象物は存在しないと判定される。−45度の回転角度において捜索対象物が存在すると判定されれば、捜索ステップは終了し、再捜索ステップが実行されるが、存在しないと判定されれば、回転角度が異なる捜索テンプレートが読み出されて捜索対象物が捜索される。 【0049】捜索対象物が存在すると判定されるまで、複数種類の捜索テンプレートが順次読み出され、捜索対象物が捜索される。全種類の捜索テンプレートを用いて捜索しても、捜索テンプレートに適合する捜索対象物が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートの位置をずらして捜索が行われる。X軸方向とY軸方向とにそれぞれ一定ピッチずつずらされ、各位置においてそれぞれ回転角度の異なる複数種類の捜索テンプレートを用いて捜索対象物が捜索されるのである。 【0050】この移動ピッチは予め設定され、マスタ捜索テンプレートを規定するデータと共にメモリカードに記憶されている。図14において第13行および14行に示されているpitchX=2.2, pitchY=2.2が移動ピッチである。まず、Y軸方向に設定ピッチ移動させられる。具体的には、複数種類の捜索テンプレートの各ポイントペアの座標がY軸方向を正方向へ設定ピッチ分ずれるように座標変換が行われるのである。この捜索テンプレートを用いて捜索対象物の捜索が行われる。この位置において回転角度の異なる全種類の捜索テンプレートを用いても捜索対象物が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートがX軸方向を正方向へ設定ピッチ分ずらされる。さらにここでも捜索対象物が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートはY軸方向を負方向へ設定ピッチ分ずらされる。ここでも捜索対象物が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートは更にY軸方向を負方向へ設定ピッチ分ずらされ、さらにここでも捜索対象物が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートはX軸方向を負方向へ設定ピッチ分ずらされる。捜索テンプレートはサーチウインドウ内を角形の螺旋形を描くように移動させられるのである。 【0051】捜索テンプレートを移動させても捜索対象物が存在するとの判定を得ることができず、座標変換を行ったとき、サーチウインドウからはみ出すポイントペアが生ずるに至れば、捜索テンプレートの移動は不可能であって捜索テンプレートに適合する捜索対象物は存在しないと判定され、捜索ステップは異常終了される。前記モニタテレビ14に異常発生が表示されるとともにブザーが作動させられ、かつ、異常の発生が記憶される。画像処理対象物が測定対象物180である場合には、画像処理結果が異常であると判定された測定対象物180のガラス板542への載置位置がオペレータによりチェックされ、載置位置が大きく外れておれば、位置の修正が行われ、大きく外れていなければ、測定対象物180は予定されたものではないと判断されて、排除される。 【0052】図18に示す画像処理対象物の像320のように全部のポイントペア324の2個のポイントペア構成点が像320のエッジの内側と外側とにあり、設定輝度差条件が満たされれば、そのときの捜索テンプレートの位置および回転角度がDRAM256に記憶され、再捜索ステップが実行される。再捜索ステップにおいては、図21に示すように再捜索テンプレート328を用いて画像処理対象物の像320のエッジ点が、再捜索テンプレート328の座標面である再捜索テンプレート座標面(捜索テンプレート座標面と同じである)上において捜索される。再捜索テンプレート328は、複数本のシークライン330を含む。シークライン330は、捜索ステップにおいて画像処理対象物の像320を見つけた捜索テンプレートに基づいて設定される。ポイントペアの2個のポイントペア構成点がシークライン330の両端をそれぞれ規定する点とされるのである。 【0053】設定された複数本のシークライン330のそれぞれについて画像処理対象物の像320のエッジ点が捜索される。この意味において、再捜索テンプレート328は測定テンプレートと考えることもできる。この捜索は、図22に示すように、予め定められたピッチ(例えば0.05mm)でシークライン330を分割し、複数の分割点P1〜P15の各々についてそれぞれ輝度を演算することにより行われる。このピッチは、CCDカメラ78の固体撮像素子332の対角線より短い長さに設定されている。そのため、1個の固体撮像素子332の中に分割点が3個ないし4個含まれることとなる。分割点も仮想画面上の点であり、捜索ステップにおけると同様に線形補間が行われ、分割点P1〜P15の輝度が演算される。 【0054】線形補間によって演算された15個の分割点P1〜P15の各輝度の一例を図23に示す。なお、輝度値は正の値で表され、輝度値取得対象物が明るいほど値は大きくなる。本実施形態の撮像装置10は、画像処理対象物としての検査対象物180に背面側から平行光を照射し、検査対象物180の周囲を通過した平行光に基づいて像を取得するようにされており、以下の説明は画像処理対象物が暗くて輝度値が小さく、背景は明るくて輝度値が大きいものとして行う。線形補間によって演算された輝度値からは、図26のグラフに示すように、どこで輝度が最も大きく変化するかが判らない。そのため、差分フィルタを用いて輝度値の微分値を求める。図24に示す差分フィルタを用いて微分値を求めた結果を図27のグラフに示す。この差分フィルタは、シークラインを規定する一方の点から他方の点に向かって、隣接する2個の点のうち上流側に位置する点の輝度を負の値とし、下流側に位置する点を正の値とし、それら2個の値の和を求めるフィルタである。この微分値は分割点の値ではなく、図27のグラフにおいては、輝度微分値の得られる位置が隣接2分割点の中央位置である「.5」で示されている。このグラフから明らかなように、輝度変化の大小は判るが、どこが最大であるかは判らない。なお、演算方向に応じて、すなわち画像処理対象物の内側にある分割点から画像処理対象物の外側(背景内)にある分割点に向かって演算を行うか、逆に行うかにより、輝度微分値の符号が逆になる。前者の場合は輝度微分値が正の値になり、輝度微分値が最大の位置が輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置である(変化勾配の絶対値が最大の位置の輝度微分値を極大値と称する)。後者の場合は輝度微分値が負の値になり、輝度微分値が最小の位置が輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置である(変化勾配の絶対値が最大の位置の輝度微分値を極小値と称する)。図27および次に説明する図28のグラフに示す輝度微分値は、前者の演算により得られた値である。 【0055】それに対し、図25に示す差分フィルタを用いて微分を行えば、図28のグラフに示すように、f8.5の位置に輝度微分値の極大値177が得られ、この位置が輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置であることが判る。図25に示す差分フィルタは、シークライン上に設定された分割点のうちの1つに対して、その分割点を含んで演算方向において上流側の4個の分割点をいずれも負の値とし、下流側において連続する4個の分割点の輝度値をいずれも正の値とし、それらの和を求めるフィルタである。 【0056】固体撮像素子のエッジ点に対応する部分に汚れ等が付着して電荷量に変化が生ずれば、エッジ点ではない位置において輝度微分値の極大値あるいは極小値が得られることがあるが、そのような位置における輝度の変化勾配の絶対値は小さい。それに対しエッジ点近傍においては、画像処理対象物と背景との明るさに顕著な差があって輝度の変化勾配の絶対値が大きい。そのため、設定値を設け、変化勾配の絶対値が最も大きい位置の輝度微分値が、エッジ点近傍について得られた値であるか否かを判定し、前者の場合を排除する。この設定値は、輝度微分値が正の値で得られる場合には正の値で設定され、輝度微分値の極大値が設定値以上であるか否かが判定され、極大値が設定値以上であれば、その極大値はエッジ点近傍の位置に得られた値であって、エッジ点の演算に用いることができると判定され、エッジ点の演算が行われる。また、輝度微分値が負の値で得られる場合には、設定値は負の値で設定され、輝度微分値の極小値が設定値以下であるか否かが判定され、極小値が設定値以下であれば、その極小値をエッジ点の演算に用いることができると判定される。換言すれば、輝度微分値の極大値が設定値より小さく、あるいは極小値が設定値より大きくてエッジ点が演算されないことが再捜索ステップにおけるシークラインのフェイルである。 【0057】図14に示す例においては、図26および図27に示す例と同様に、画像処理対象物の内側にある分割点から外側にある分割点に向かって輝度微分値の演算を行うように決められており、輝度値の変化勾配の絶対値が最も大きい位置において輝度微分値は最大になり、その極大値がエッジ点近傍において得られた値であるか否かを判定する設定値は、正の値、すなわち第5行に示すようにll=200とされている。本例では画像処理対象物の方が背景より暗いため、輝度微分値が正の値で求められるとともに、その値が200以上でなければ、エッジ点の位置の演算が行われないようにされている。 【0058】また、図14に示すように、どのような差分フィルタを用いて演算を行うかも予め決められている。この差分フィルタ係数Nは(2)式に従って演算される。 N=gUnit/分割点間ピッチ・・・・・・・(2) ただし、gUnit は固体撮像素子の対角線の長さである。 【0059】差分フィルタを用いて微分が行われ、輝度微分値の極大値(または極小値)が得られれば、輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置、すなわちエッジ点が下記の式に従って求められる。なお、(3)式および(4)式は、N=4の場合を例に取った式であり、fmax ,f(max-4) 〜f(max-1) ,f(max+1) 〜f(max+4) はそれぞれ、輝度微分値(fmax は極大(小)値)である。「f」は、図22に示すように、数字が付されてシークライン上の輝度微分値の取得位置を表すが、(3),(4)式においては、fに付された数字により指定される位置の輝度微分値を表す。fmax は輝度微分値が極大(小)の位置(図27に示す例ではf8.5)の輝度微分値であり、f(max-1) ,f(max-2) ,f(max-3) ,f(max-4) はそれぞれ、演算方向においてfmax より上流側の4個所(図27に示す例ではf7.5 ,f6.5 ,f5.5 ,f4.5 )の各輝度微分値であり、f(max+1) ,f(max+2),f(max+3) ,f(max+4はそれぞれ、演算方向においてfmax より下流側の4個所(図27に示す例ではf9.5 ,f10.5,f11.5,f12.5) の各輝度微分値である。 dl=fmax ×4 −(f(max-1) +f(max-2) +f(max-3) +f(max-4) )・・・・・・・(3) dr =fmax ×4 −(f(max+1) +f(max+2) +f(max+3) +f(max+4) )・・・・・(4) edgePitch =(dl×N)/(dl+dr)−N/2・・・・・・(5) エッジ点=(輝度微分値極大(小)値点ピッチ数+edgePitch)×分割点ピッチ・・・・・(6) (3)式および(4)式はN=4の場合の式であるが、一般的には、dlを求める場合、極大(小)値点の輝度微分値にNを掛けた値から、演算方向において極大(小)値点より上流側のN個の点の各輝度微分値の和が引かれ、drを求める場合、極大(小)値点の輝度微分値にNを掛けた値から、極大(小)値点より下流側のN個の点の各輝度微分値の和が引かれる。なお、図23に示す演算結果を図25に示す差分フィルタを用いて微分を行った場合にエッジ点を求めるとき、(6)式の輝度微分値極大(小)値点ピッチ数は、8.5である。 【0060】エッジ点の演算時には、まず、線形補間により分割点の輝度が演算され、差分フィルタ係数Nに従って微分が行われた後、(3)〜(6)式に従って演算が行われて輝度の最大変化位置、すなわちエッジ点が求められる。図22に示すシークライン330の場合、(6)式の演算結果は0.403mmになり、シークライン330の分割点P1から0.403mmの位置にエッジ点があることが判る。 【0061】このようにして複数本のシークライン330の各々についてエッジ点が演算される。シークライン330のフェイル数(ポイントペア302のフェイル数が設定数以下である場合には捜索テンプレートに適合する捜索対象物が存在すると判定されるようにされている場合には、ポイントペア302のフェイル数とシークライン330のフェイル数との和)が設定数以下であれば正常であると判定されて測定ステップが実行され、設定数を越えるフェイルがあれば異常終了される。異常発生時の処理は捜索ステップと同じである。図14においては第3行に示すようにfail Countが0に設定されており、フェイルが1つでもあれば再捜索ステップは異常終了させられる。 【0062】フェイル数が設定数以下であり、再捜索ステップが正常に終了すれば、次に測定ステップが実行される。再捜索テンプレートは、捜索ステップにおいて捜索対象物ありと判定した捜索テンプレートに基づいて設定されており、シークライン330上においてエッジ点を見つけることはできるが、エッジ点とシークライン330の中点(図21に×印を付して示し、以下、基準エッジ点と称し、この基準エッジ点との関係で、実際のエッジ点を、必要に応じて実エッジ点と称することとする)との間にはずれがあるのが普通である。前記ポイントペアを構成する2個の点は、捜索対象物に寸法,位置,回転角度のずれがなければそれら2個の点の中点が捜索対象物のエッジ上に位置するように設定されており、基準エッジ点と実エッジ点とが一致するはずであるが、実際には画像処理対象物にはずれがあり、基準エッジ点と演算により得られた実エッジ点とにはずれが生ずるのである。 【0063】そのため、再捜索ステップが異常なく実行されれば、次に測定ステップが実行され、エッジ点の位置が演算される。測定ステップにおいては、まず、図29に示すような測定テンプレート336が自動設定される。測定テンプレート336は、複数のシークライン338を有しており、予め設定されたマスタ測定テンプレートのデータと、上記再捜索ステップにおける再捜索テンプレート座標面の基準座標面に対する相対位置のデータと、再捜索テンプレート座標面上におけるエッジ点の演算結果とに基づいて設定される。 【0064】マスタ測定テンプレートデータは、前記図14に例示するように、マスタ捜索テンプレートデータ等と共に記憶されている。図14の第20行〜33行のデータが測定ステップ実行のためのデータであり、第21行のhs=3.5,第23行〜27行および第29行〜33行のデータがマスタ測定テンプレートデータである。このデータにより得られるマスタ測定テンプレート340を図16に示す。342はシークラインである。マスタ測定テンプレート340は同じ画像処理対象物用のマスタ捜索テンプレートより多くのシークラインを有している。 【0065】測定テンプレートのシークラインの一部あるいは全部がペアにされている。シークラインの延長線上に、画像処理対象物の中心線に対して対称に別のシークラインが設定されているのである。これらペアにされたシークラインをペアシークラインと称する。測定テンプレートは、マスタ測定テンプレートデータの座標変換によって設定される。再捜索テンプレートの座標面(この再捜索テンプレートの座標面は、捜索ステップにおいて画像処理対象物が捜索テンプレートに適合する捜索対象物であると判定された際の捜索テンプレートの捜索テンプレート座標面と共通である)の基準座標面に対する相対位置および相対回転角度と、再捜索テンプレート座標面に対する画像処理対象物の相対位置および相対回転角度(これらは再捜索ステップにおいて演算されたエッジ点の座標値に基づいて演算されるが、この演算については後に説明する)とに対応する座標変換を、マスタ測定テンプレートデータ(基準座標面と一致するマスタ測定テンプレート座標面において設定されている)に施して設定されるのである。 【0066】測定テンプレートの自動設定が終了したならば、その測定テンプレートの各シークライン上のエッジ点の演算が、再捜索ステップにおけるそれと同様に行われる。シークライン上に一定ピッチで分割点が設定され、分割点毎に線形補間によって輝度が演算されるとともに、差分フィルタが用いられて輝度微分値が演算されるとともにエッジ点が演算されるのである。測定ステップにおいても、許容されるフェイルの数が設定されている。ここにおけるフェイルは、再捜索ステップにおけると同様に、シークラインについてエッジ点が演算されないことを意味する。フェイル数が設定数以下であれば正常とされ、次に再測定ステップが実行される。また、フェイル数が設定数を越える数あれば測定ステップは異常終了させられる。異常発生時の処理は捜索ステップにおけると同じである。 【0067】再測定ステップにおいては再測定テンプレートが設定され、エッジ点が演算される。再測定テンプレートは、測定テンプレートおよび測定ステップにおいて演算されたエッジ点に基づいて自動設定される。測定ステップにおいて得られたエッジ点に基づき、基準エッジ点がエッジ点上に位置すると予想される位置へ測定テンプレートが座標変換により回転移動させられるのである。再測定ステップにおけるエッジ点の演算も再捜索ステップにおけると同様に行われる。 【0068】再測定ステップにおける異常の判定は、測定ステップについて設定された許容フェイル数が用いられ、エッジ点の得られないシークラインが設定数より多くあれば異常であって画像処理が終了される。異常発生時の処理は捜索ステップにおけると同じである。設定数以下であれば正常終了され、次にオブジェクトベクトル、すなわち画像処理対象物の寸法,位置,回転角度が演算される。再測定ステップの実行回数が多いほど基準エッジ点とエッジ点とのずれが少なくなり、エッジ点の検出精度が向上する。再測定ステップの設定回数は予め設定されて記憶されている。なお、2回目以降の再測定ステップの実行に用いられる再測定テンプレートは、その直前の再測定ステップ実行時における再測定テンプレートとその再測定ステップにおけるエッジ点の演算結果とから自動設定される。 【0069】再測定ステップが正常に終了すれば、測定された画像処理対象物の寸法変化関連量が許容範囲のデータと比較されて、許容範囲内であれば合格、許容範囲外であれば不合格と判定される。許容範囲は、各画像処理対象物に対して予め定められ、メモリカードに格納されている。したがって、メモリカードが画像処理装置12に読み込まれれば、DRAM256に記憶され、寸法検査においてはこの許容範囲が使用される。 【0070】以上の説明は、理解を容易にするために、測定対象物が単純な四角形の物である場合について行ったが、実際には、図30に例示する画像処理対象物360のように複雑な形状のものの測定も可能である。画像処理対象物360のエッジ361は、複数の直線部362を有し、これら複数の直線部362の各々に少なくとも1つのシークライン364が設定される。これらシークライン364は、画像処理対象物360が小距離平行移動したり、小角度回転したりしても直線部362から外れない位置に設定される。シークライン364は、マスタ再捜索テンプレート座標面やマスタ測定テンプレート座標面の座標軸に平行である必要はないし、ペアシークラインとされる必要もない。 【0071】以下、この画像処理対象物360を例として、画像処理装置12における画像処理対象物の寸法変化率,位置ずれ,回転角度の演算を説明する。この演算を行うための寸法等演算プログラムはメモリカードに記憶されており、メモリカードの画像処理装置12へのセット時にDRAM256に移される。寸法変化率,位置ずれ,回転角度はそれぞれ指定がある場合に演算される。例えば、図14の例においては、第5行および第21行のvf=PAのPが位置(Position) ,Aが角度(Angle) を表し、位置ずれおよび回転角度を演算することが指定されている。 【0072】寸法変化率の演算は例えば次の場合に必要になり、あるいは有効である。■画像処理対象物の寸法が必要な場合、■画像処理対象物を、捜索対象物に似ているが捜索対象物ではないものと識別したい場合、■寸法のばらつきが比較的大きい対象物について前記再捜索ステップ,測定ステップ等を行う際にフェイルが発生し難くしたい場合等である。■は、例えば、形状が同じで寸法が少し異なる電気部品を区別することが必要な場合である。■の場合において寸法測定が有効であるのは次の理由からである。シークラインの長さの割に、測定対象物の寸法のばらつきが大きいと、フェイルが発生し易くなる。それに対し、再捜索ステップ,測定ステップ,再測定ステップ等の少なくとも1つのステップの最初に寸法測定を行い、少なくともそのステップにおいては誤差を含む実際の寸法を基準寸法とみなして、そのステップを実行すれば、フェイルが発生する可能性を低くすることができるのである。上記■または■の場合にのみ寸法変化率の演算が行われるようにすることも可能であるが、ここでは、上記■の理由で寸法変化率の演算が行われるようになっており、再捜索ステップおよび測定ステップの最初に寸法変化率の演算が行われるものとする。 【0073】まず、寸法変化率の演算から説明する。画像処理対象物360については、前述のようにエッジ361の各直線部362と直交する複数のシークライン364が設定されている。そして、寸法変化率の演算は、複数のシークライン364の各々について、図31に示すように、それらシークライン364の各々の直線部362との交点である実エッジ点366の、各シークライン上に予定された基準エッジ点368からの方向を考慮したずれを表すエッジ点偏差370と、寸法中心372から、各シークライン364の基準エッジ点368までの各シークライン364に平行な方向の距離である平行距離との積の累積値に基づいて、寸法変化関連量の一種である寸法変化率を取得する方法で行われる。平行距離は、寸法中心372からシークライン364に平行に延びて、基準エッジ点368上においてシークライン364と直交する直線374に到る平行ベクトル376の大きさである。寸法変化率については後に説明する。 【0074】上記寸法中心372は、画像処理対象物360が任意の方向に小距離移動し、あるいは小角度回転しても、エッジ点偏差370と平行距離(平行ベクトル376の大きさ)との積の累積値が変化しない点であり、この寸法中心372は、図32に示すように、仮の寸法中心380からそれぞれ外向きに延びる複数の平行ベクトル376(ここでは単純化のためにA〜Dの4つのベクトルとされている)のベクトル和382(図33参照)が0となるように、仮の寸法中心380を移動させた点として取得することができる。 【0075】そのための具体的な演算は、例えば次のようにして行うことができる。図34に平行ベクトル376の一つを示す。この平行ベクトル376は極座標(r,θ)で表されるものとし、その平行ベクトル376に対して、仮の寸法中心380(すなわち平行ベクトル376の始端)を、X軸に平行な方向に単位距離移動させた場合の平行ベクトル376のrの増分drxrはdrxr=−cos(θ)となり、平行ベクトル376のX成分drx〔X〕およびY成分dry〔X〕はそれぞれ、drx〔X〕=drxr・cos(θ)=−cos(θ)・cos(θ) dry〔X〕=drxr・sin(θ)=−cos(θ)・sin(θ) だけ増加する。同様に、仮の寸法中心380を、Y軸に平行な方向に単位距離移動させた場合の平行ベクトル376のrの増分dryrはdryr=−sin(θ)となり、平行ベクトル376のX成分drx〔Y〕およびY成分dry〔Y〕はそれぞれ、drx〔Y〕=dryr・cos(θ)=−sin(θ)・cos(θ) dry〔Y〕=dryr・sin(θ)=−sin(θ)・sin(θ) だけ増加する。なお、これら増分drx〔X〕,dry〔X〕,drx〔Y〕,dry〔Y〕は、各シークラインに固有の値であるため、コンパイル時に演算され、シークライン構造体(シークラインに関するデータの集合)の対応箇所に代入されるようにすることができ、それによって、画像処理対象物の測定に要する時間を短縮することができる。 【0076】以上のようにして、すべての平行ベクトル376についての増分drx〔X〕,dry〔X〕,drx〔Y〕,dry〔Y〕を求めた後、すべての平行ベクトル376について、下記の合計値を演算する。 drx〔X〕の合計sumdrx〔X〕 dry〔X〕の合計sumdry〔X〕 drx〔Y〕の合計sumdrx〔Y〕 dry〔Y〕の合計sumdry〔Y〕 これら増分の合計値は、フェイルが発生しない限り各画像処理対象物に固有の値であるため、コンパイル時に演算され、シークライン構造体(シークラインに関するデータの集合)の対応箇所に代入されるようにすることができ、それによって、画像処理対象物の測定に要する時間を短縮することができる。フェイルが発生した場合には、その度に、フェイルが発生したシークライン364以外のすべてのシークラインに関して上記および下記の演算が実行されるようにすればよい。 【0077】上記のように、増分の合計の演算を行う一方、すべての平行ベクトル376のベクトル和382のX軸方向成分の大きさxxおよびY軸方向成分の大きさyyを求め、下記の連立方程式をx,yについて解けば、得られるx,yの値が、寸法中心372を得るために仮の寸法中心380をX軸方向およびY軸方向に移動させるべき距離および方向を表す。 xx=−(sumdrx〔X〕・x+sumdrx〔Y〕・y) yy=−(sumdry〔X〕・x+sumdry〔Y〕・y) 寸法中心372は、再捜索テンプレートおよび測定テンプレートの各々について求めることが必要である。 【0078】以上のようにして寸法中心372を取得すれば、図35に示すようにその寸法中心372から延びるすべての平行ベクトル376のベクトル和が、図36に示すように0になる。これら平行ベクトル376に対応するエッジ点偏差370(図35においては省略。図31参照)を求め、下記の式により寸法変化率kを求める。 k=(A・ΔA+B・ΔB+C・ΔC+D・ΔD)/(A2 +B2 +C2 +D2) ただし、A,B,・・・およびΔA,ΔB・・・は、ぞれぞれ図35に例示した平行ベクトル376(A〜D)の大きさおよび各平行ベクトル376に対応するエッジ点偏差である。 【0079】なお、平行ベクトル376は常に仮の寸法中心380から外方に向かうが、図35に例示するCの平行ベクトル376とそれに対応するシークライン364とのように、平行ベクトル376の方向とシークライン364の方向とが逆になる場合があり、この場合には平行距離の値がマイナスの値として扱われるようにすることが必要である。 【0080】上記のようにして取得される寸法変化率kは、画像処理対象物360の実際の寸法から基準寸法を引いて得られる寸法誤差の基準寸法に対する比率に相当する寸法誤差率とでも称すべきものであるため、基準寸法に寸法変化率kを掛ければ寸法誤差が得られ、(1+k)を掛ければ実際の寸法が得られる。 【0081】次に、回転角度の演算について説明する。回転角度の演算は、図30に例示したような複数のシークライン364の各々について、図37に示すように、それらシークライン364の各々の直線部362との交点である実エッジ点366の、基準エッジ点368からのエッジ点偏差370と、回転中心390と各シークライン364との各シークライン364に垂直な方向の距離である垂直距離との積の累積値に基づいて回転角度を取得する方法で行われる。垂直距離は、図38に示すように、回転中心390からシークライン364を含む直線392に到る垂直ベクトル394(図38においては単純化のためのE〜Hの4つのベクトルとされている)の大きさである。 【0082】上記回転中心390は、画像処理対象物360が任意の方向に小距離移動しても、エッジ点偏差370と垂直距離(垂直ベクトル394の大きさ)との積の累積値が変化しない点であり、この回転中心390は、図38の回転中心390が仮の回転中心であると仮定して図39に示すように、垂直ベクトル394のベクトル和400が0となるように、仮の寸法中心を移動させた点として取得することができる。そのための具体的な演算は、前記寸法中心372を求めるための演算と同様であるため、説明は省略する。 【0083】回転中心390が取得できれは、その回転中心390について、すべてのシークライン364に対する垂直ベクトル394およびエッジ点偏差370を求め、下記の式により回転角度α(ラジアン)を求める。 α=(E・ΔE+F・ΔF+G・ΔG+H・ΔH)/(E2 +F2 +G2 +H2) ただし、E,F,・・・およびΔE,ΔF・・・は、ぞれぞれ垂直ベクトルE,F,G,Hの大きさおよび各垂直ベクトルに対応するエッジ点偏差を表すものとする。このようにして演算される回転角度αは、画像処理対象物360が、回転中心390のまわりにシークライン364の正の方向(図38では反時計方向)に回転する場合に正の値となる。 【0084】以上の回転角度取得のための演算の説明は、単純化のために、画像処理対象物360に寸法誤差はないものとして行ったが、実質的な寸法誤差がある場合(例えば、設定範囲を越える寸法誤差がある場合)には、回転角度の演算に先立って行われる前記寸法測定によって取得された画像処理対象物360の寸法変化率を考慮してシークライン364が設定される。換言すれば、画像処理対象物360の実際の寸法を、基準寸法の代わりに使用して再捜索テンプレート,測定テンプレート等が設定されるのであり、それによって、寸法誤差(寸法変化量)の大きい画像処理対象物についても、再捜索ステップ,測定ステップ,再測定ステップ等においてフェイルが発生し難くなる。 【0085】次に位置ずれの測定について説明する。画像処理対象物360の位置ずれの測定は、画像処理対象物360上においてユーザにより指定された指定点の位置ずれを取得するものである。回転角度は、指定中心まわりのものでも回転中心まわりのものでも同じであるが、位置ずれは、回転中心と指定中心とが異なり、かつ、画像処理対象物が基準回転位置にない限り、回転中心のものと指定中心のものとは異なるため、実際の回転中心390の基準回転中心からの位置ずれに基づいて、指定中心の位置ずれを演算することが必要である。なお、指定点の位置ずれを、実際の寸法中心372の基準寸法中心からのずれに基づいて演算することも可能であるが、本光学式測定装置においては、実際の回転中心390の位置ずれに基づいて演算されるようになっている。 【0086】指定中心の位置ずれは、回転中心390の位置ずれおよび回転中心390まわりの回転角度から演算される。画像処理対象物の回転角度がΔθである場合には、図40に示すように回転中心390からX軸方向およびY軸方向にそれぞれvx ,vy だけ離れた位置にある指定中心404の位置ずれは、(Δx1 −Δθ×vy ),(Δy1 +Δθ×vx )となる。 【0087】ここで演算された回転角度Δθおよび位置ずれ(Δx1 −Δθ×vy ),(Δy1 +Δθ×vx )は画像処理対象物の指定中心404の測定テンプレート座標面に対する回転角度および位置ずれであるが、測定テンプレート座標面自体が図41に示すように基準座標面(基準座標面は一般にCCDカメラ78の光軸、すなわち視野の中心に原点を有する座標面として設定される)に対して回転角度θおよび位置ずれΔx2 ,Δy2 を有しているのが普通である。したがって、画像処理対象物360(図41においては単純化のために矩形で示されている)の基準座標面に対する回転角度および基準座標面の原点からの位置ずれはそれぞれ、θ+Δθ,Δx2 +(Δx1 −Δθ×vy )cos θ,Δy2 +(Δy1 +Δθ×vx )sin θとなる。 【0088】以上説明した画像処理対象物の位置ずれおよび回転角度の取得は、例えば、画像処理対象物(測定対象物)が電気部品装着装置の吸着ノズルに吸着された電気部品である場合に有効である。電気部品装着装置においては、電気部品の吸着ノズルによる保持位置と保持方位との誤差が修正されてプリント基板に装着されるため、電気部品の指定中心の吸着ノズルの軸線に対する位置ずれと、電気部品の吸着ノズルに対する相対回転角度を取得することが必要になるのである。 【0089】また、本光学式測定装置の、4つの画像処理対象物の画像処理を並行して行い得る機能も、電気部品装着装置のように、ごく短時間のうちに測定対象物の寸法変化率,位置ずれ,回転角度等を測定する必要がある場合に特に有効である。例えば、図42のタイムチャートに示すように、電気部品が一定のサイクルタイムTrで撮像位置に移動させられ、その位置に停止させられている間にCCDカメラによる撮像が行われる。撮像後、画像データはCCDカメラからフレームグラバメモリ264へ転送され、画像処理されるのであるが、画像データの転送と画像処理とは並行して行われる。 【0090】フレームグラバメモリ264は、4個分の電気部品の画像データを並列的に記憶し得るようにされており、そのため、処理時間が装着サイクルタイムより長い電気部品についても画像処理を行うことができる。画像処理は、画像処理結果が使用されるまでに終了すればよく、1個の電気部品の撮像から画像処理結果の使用までの間に他の電気部品が複数個装着されるのであれば、1装着サイクルタイムTrの間に画像処理を終了させることは不可欠ではなく、複数装着サイクルタイムの間に、そのサイクル数と同じ数の画像処理対象物の画像処理が行われればよい。本実施形態の画像処理装置12においては、1個の電気部品の撮像から装着までの間に他の3個の電気部品の装着が行われ、合計4個の電気部品の間では画像処理時間を融通し合うことが可能である。 【0091】電気部品には、例えば、角チップのように形状が単純でリードを有せず、所要画像処理時間が短いものもあれば、QFPのように多数のリードを有し、所要画像処理時間が長い電気部品もあり、所要画像処理時間が短い電気部品について余った時間を所要画像処理時間が長い電気部品の処理に使うことができるのである。全ての電気部品の画像処理が1装着サイクルタイム内に終了しなければならないとすれば、装着サイクルタイムは画像処理が予定されている複数種類の電気部品のうちで最も長時間を要するものに合わせて決定される必要があり、装着能率が低く抑えられてしまう。それに対して、本電気部品装着装置においては、4個の画像データが並列的にフレームグラバメモリ264に記憶され、4装着サイクルタイムの間にそれら画像データの処理が行われるため、4個の電気部品の各画像処理時間の合計が、画像処理が行われる電気部品の数倍の装着サイクルタイム以内であればよい。換言すれば、それら複数の電気部品の画像処理時間の平均が、1装着サイクルタイム以内であればよいのであり、装着サイクルタイムを短縮することができる。 【0092】その一例を図43に示す。図から明らかなように、1個の電気部品にそれぞれ要する画像処理時間Te1〜Te7には長短差があるが、4個ずつの画像処理時間の合計Tt1〜Tt4はそれぞれ、装着サイクルタイムTrの4倍より短い時間であり、その分だけ装着サイクルタイムTrを短くすることができるのである。 【0093】順次検査すべき検査対象物180が、複数種類混合して流れてくる場合にも同様の効果が得られる。順次検査される検査対象物180の検査に要する時間が互いに異なる場合に、フレームグラバメモリ264の数と同数の、順次検査される検査対象物180の各々の検査に要する時間の平均値に近いサイクルタイムで検査を実行することができるのである。さらに、順次検査される検査対象物180の種類が1種類で、検査に要する時間が同じであっても、検査対象物180の撮像時間間隔がまちまちの場合には、複数のフレームグラバメモリ264の効果が得られる。連続した複数個の検査対象物180の間で画像処理時間を融通し合うことができるからである。 【0094】以上説明したように、画像処理装置12においては、CCDカメラ78により撮像された検査対象物180等の画像のデータは、パターンマッチングやパターンマッチングマネージャによって処理されるのであるが、パターンマッチング,パターンマッチングマネージャは、捜索テンプレート,再捜索テンプレート,測定テンプレート,再測定テンプレートおよび検査テンプレートを用いて画像処理対象物を捜索し、エッジ点を演算するようにされており、テンプレートが設定された部分のみが捜索され、測定され、検査される。画像処理の必要な部分のみが処理され、画像処理の必要がない部分は画像データが得られても処理されないのである。そのため、短時間で画像処理を行うことができ、かつ、画像処理対象物に直接接触していない限り大抵の画像ノイズ(白点,黒点,しみ等)の影響を受けることなく画像処理を行うことができる。 【0095】しかも、捜索ステップにおいては2個のポイントペア構成点の輝度差等光学的特性値の差の状態によって適合状態にあるか否かが判定され、再捜索ステップ,測定ステップ,再測定ステップ,検査ステップにおいては、シークライン上における輝度等光学的特性値の変化勾配によってエッジ点が決定されるようになっている。そのため、QFPのように画像処理対象物が比較的大きく、照明にむらが生じ易い場合でも、照明に殆ど差がない部分同士の間で光学的特性値の比較が行われることとなり、照明の偏りの影響を受けることなく、正確に画像処理を行うことができる。 【0096】また、マスタ再捜索テンプレート,マスタ測定テンプレート等のシークラインは、それらを規定する座標面の座標軸に平行である必要はなく、またペアシークラインとされる必要もないため、複雑な形状の対象物の寸法等の測定や検査も容易に行うことができる。 【0097】その上、本実施形態においては、画像処理装置12が、測定対象物(検査対象物)の形状,寸法がほぼ決まっていることを利用し、捜索テンプレート,再捜索テンプレート328,測定テンプレート336,再測定テンプレート,検査テンプレート等を使用する特殊な処理により寸法等の測定や検査を行うものであるため、ごく短時間で処理を完了することができる。また、撮像対象物支持装置58が透明平板であるガラス板54を備えたものであり、かつ、撮像対象物の位置や回転角度に合わせて捜索テンプレート等が自動設定されるものであるため、撮像対象物(測定対象物,検査対象物)をガラス板54上に単純に載置すればよい。撮像対象物180の位置や回転角度を正確に決めなくても、画像処理装置12により寸法の測定や検査が行われるのであり、撮像対象物の撮像装置10へのセットが容易である。また、画像処理装置12に対する処理開始指令をフットスイッチで行うことが可能であるため、両手を他の目的に使用することができ、使い勝手がよい利点がある。さらに、撮像対象物を固定する必要がなく、かつ、非接触で寸法等の測定が可能であるため、ゴム,軟質合成樹脂等から成る製品の寸法測定,寸法検査を容易に行い得る。そのため、例えば、射出成形やプレス成形により製造される多量の製品の全数寸法検査すら可能である。また、貫通穴内径,穴間ピッチ,突起間ピッチ,円筒外径,フランジ間距離,軸長等予め定められた部位の寸法検査のみならず、加工もれや欠損等の検査も行い得る。 【0098】以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、画像処理装置12の、捜索ステップにおいて適合条件を満たすと判定された捜索テンプレートに基づいて再捜索テンプレートを設定する部分、または、DRAM256に記憶されているマスタ測定テンプレートと再捜索ステップの実行結果とに基づいて測定テンプレートを設定する部分が、シークライン設定手段を構成しており、画像処理装置12の、段落[0078]における(A・ΔA+B・ΔB+C・ΔC+D・ΔD)の演算を行う部分が、請求項6における累積値取得手段を構成し、段落[0083]における(E・ΔE+F・ΔF+G・ΔG+H・ΔH)の演算を行う部分が、請求項7における累積値取得手段を構成している。 【0099】さらに、画像処理装置12のフレームグラバメモリ264が画像データ記憶手段を構成し、DRAM256が捜索テンプレートデータ記憶手段および測定テンプレートデータ記憶手段を構成している。また、画像処理装置12の、パターンマッチングプログラムの捜索ステップ単独または捜索ステップと再捜索ステップとの両方を実行する部分が捜索物判定手段を構成している。画像処理装置12の、パターンマッチングプログラムの捜索ステップ,再捜索ステップ,測定ステップ,再測定ステップを実行する部分が測定手段を構成しており、そのうち、再捜索ステップ,測定ステップ,再測定ステップ等においてエッジ点の座標を演算する部分がエッジ点座標演算手段を構成している。画像処理装置12のパターンマッチングプログラムのうち、捜索ステップ,再捜索ステップ,測定ステップ,再捜索ステップにおいて輝度を演算すべき点を指定する部分が点指定手段を構成し、指定された点の輝度値の演算を行う部分が仮想点データ演算手段を構成している。画像処理装置12の、測定された画像処理対象物の寸法を基準寸法と比較して合否を判定する部分が寸法検査手段を構成している。 【0100】なお、上記実施形態において、再捜索ステップは1回行われていたが、2回以上行われるようにしてもよい。1回目の再捜索ステップにおいてフェイルが設定数以下であり、画像処理対象物のエッジ点が得られた後、更に再捜索テンプレートを設定して再捜索ステップを行うのであり、再捜索テンプレートは、前回の再捜索ステップにおいて用いられた再捜索テンプレートとエッジ点の演算結果とに基づいて、画像処理対象物とのずれがより少なくなる位置,角度で設定される。再捜索ステップが1回のみ行われるようにするより、複数回行われるようにする方が、次の測定ステップでフェイルが発生する確率が低下することが経験上判っている。この理由は定かではないが、捜索ステップにおいて画像処理対象物と捜索テンプレートとのずれが大きく、辛うじて捜索対象部が存在すると判定された場合には、再捜索テンプレートと画像処理対象物とのずれがかなり大きくなる可能性があり、この場合には次の測定ステップにおいて測定テンプレートと画像処理対象物とのずれも大きくなってフェイルが発生することがあるのに対し、再捜索ステップが2回以上行われれば、その確率が低下するためではないかと推測されている。 【0101】また、画像処理対象物の形状,おおよその位置,回転角度が予め判っていれば、捜索テンプレートによる捜索を行わなくてもシークラインをエッジ点の演算可能な位置に設定することができ、始めから測定テンプレートを用いてエッジ点を求めることができる。上記実施形態においては、再捜索テンプレートを用いて再捜索ステップを行った後、測定ステップが行われるようになっていたが、画像処理対象物の寸法誤差や形状欠陥が小さい場合には、捜索ステップの直後に測定ステップを実行させることも可能である。この場合、前記再捜索テンプレートを測定テンプレートとして使用することも可能であるが、シークライン数がさらに多いテンプレートを使用することが望ましい。 【0102】さらに、上記実施形態においてパターンマッチングにおける異常の判定は、プログラム中に設定された許容フェイル数を越えるフェイルがあるか否かにより行われていたが、例えば、フェイルが一つでもあれば異常と判定し、フェイルのない画像処理対象物についてのみオブジェクトベクトルの演算を行うプログラムと、少なくとも1つのフェイルを許容し、フェイルがあってもオブジェクトベクトルの演算を行うプログラムとを作成し、オペレータが選択し得るようにしてもよい。フェイルを許容しないプログラムは画像処理に要する時間が短くて済むため、状況によってはこのプログラムを選択し、検査対象物180の検査能率を高め、あるいは電気部品を1個装着するのに要する時間を短縮することができる。 【0103】上記実施形態においては、画像内のエッジ、すなわち光学的特性が急変する部分を捜すために、まず捜索テンプレートの各ポイントペアを構成する2点の光学的特性値が設定値以上異なる部分が捜され、次に測定テンプレートのシークライン(測定シークライン)上における光学的特性値の微分値が最大の部分が捜されてエッジ点とされるようになっていたが、測定テンプレートのシークライン上における光学的特性の微分値が設定値以上である部分が捜され、その部分がエッジであるとされるようにすることも可能である。その場合、1本のシークライン上に微分値が設定値以上である点が連続して現れる場合には、それらの中で最大のものがエッジ点とされるようにすればよい。 【0104】以上、本発明の一実施形態を詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000237271 【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年1月13日(1999.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079669 【弁理士】 【氏名又は名称】神戸 典和 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−205826(P2000−205826A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−7070 |
|