| 【発明の名称】 |
V溝測定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井出 浩樹
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| 【要約】 |
【課題】光ファイバーを固定するためのV溝の形状測定結果より、これらの位置関係を迅速,高精度に算出するV溝測定方法を提供する。
【解決手段】V溝の側面の直線近似を以下の条件を満たすまで繰り返すアルゴリズムを有するデータ解析手法を用いた構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 V溝の側面の直線近似を以下の条件を満たすまで繰り返すアルゴリズムを有するデータ解析手法を用いたV溝測定方法; (1)近似範囲内の近似誤差が所要精度内にある。 (2)前記V溝に固定される略円柱部材の、近似直線との接触点が、前記近似範囲内にある。 但し、(1)を満たさないときは前記近似範囲を狭め、(2)を満たさないときは前記接触点の前後に前記近似範囲を取り直すものとする。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ファイバーコネクタ及びコネクタ成型用金型に形成されるV溝の測定方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、光ファイバー同士を接続するためのコネクタにおいては、これにより正確な位置関係で接続が行われるようにするために、図7に斜視図で示すように、基板3上に並設された複数のV溝2にそれぞれ光ファイバー1を固定するという構造が採用されている。尚、同図では左右及び後部を省略している。この場合、そのV溝に対して、例えば光ファイバーの中心がどこに来るかといった位置関係、さらには各光ファイバー間の位置関係が重要となる。そのため、実際に光ファイバーをV溝に載置してその位置の測定を行う事も可能であるが、光ファイバー自体にも形状誤差が存在するため、V溝に対する光ファイバーの標準的な位置関係を知る事はできない。 【0003】そこで、例えば特公平6−79098号公報に記載されている如く、比較的測定が容易な接触式の形状測定機を用いてV溝の形状測定を行い、その測定結果から光ファイバーが接触する面の近似直線を求め、これにより位置関係を特定するという事が行われている。これは、形状測定機の触針をV溝の長手方向に対して垂直に移動させ、V溝1本当たり20点以上の表面上の点を測定し、これらの測定値の中からV溝のエッジ部分及び溝底部分をそれぞれ少なくとも10μm以上の長さに渡って除去し、有効測定長が40μm以上の測定データをもとにして、最小二乗法等の計算手法により、V溝の側面形状を直線で形成される形状として算出するものである。 【0004】また、その他の方法として、例えば特開平6−185982号公報に記載されている如く、V溝に所定形状のピン或いは球を置き、画像センサで反射照明により観察し、その出力信号を画像処理してピン或いは球のセンタ位置を求めるという事が行われている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特公平6−79098号公報に記載されているような方法では、近似区間が長くなると、V溝側面のうねりや歪みによって近似性が悪くなり、光ファイバーの位置関係にミクロン単位の誤差を生じる可能性がある。具体的には、例えば図8(a)に示すように、最小二乗法等の計算手法により算出された破線で示す近似直線laに対し、解析による接触点aで接触する破線の円で示す解析による光ファイバー位置1aが導き出されたとしても、V溝側面の実際の形状はlbのように大きくうねっており、実際の接触点bで接触する実線の円で示す実際の光ファイバー位置1bは、解析による光ファイバー位置1aに対して大きくずれているという事が考えられる。 【0006】このような事態を避けるために、近似区間を或程度短く取る必要があるが、この場合、図8(b)に示すように、データの選び方によっては近似直線la及び実際の形状lbに対し、各接触点a,bがそれぞれ近似範囲Nから外れ、実際の光ファイバー位置1bが解析による光ファイバー位置1aに対して更にずれてしまう恐れがある。このようにして、V溝の形状を把握する事を目的とした場合、光ファイバーの位置関係を知るためには、測定データを近似する等の処理が必要となり、計算誤差が乗ってしまう。 【0007】また、上記特開平6−185982号公報に記載されているような方法では、実際に光ファイバーのダミーであるピンや球をV溝に載置してその位置を測定する事になるので、そのダミー自体にも形状誤差があるため、その分だけ測定精度が落ちる。また、この方法では、通常、画像処理等を用いて測定を行うが、その画像処理による誤差がある上に、ダミーとしてピンを用いる場合は、その上端を測定する事になるため、その分だけ測定精度が落ちる。さらに、全体として測定作業に手間がかかる。 【0008】本発明は、このような問題点に鑑み、光ファイバーを固定するためのV溝の形状測定結果より、これらの位置関係を迅速,高精度に算出するV溝測定方法を提供する事を目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明では、V溝の側面の直線近似を以下の条件を満たすまで繰り返すアルゴリズムを有するデータ解析手法を用いた構成とする。 (1)近似範囲内の近似誤差が所要精度内にある。 (2)前記V溝に固定される略円柱部材の、近似直線との接触点が、前記近似範囲内にある。 但し、(1)を満たさないときは前記近似範囲を狭め、(2)を満たさないときは前記接触点の前後に前記近似範囲を取り直すものとする。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のV溝測定方法で用いる接触式の形状測定機による測定時の構成を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、光ファイバーを支持するためのV溝2が複数本互いに平行に配設されたガラス材等より成る基板3が、ステージ4上に載置されている。一方、形状測定機の本体5より側方に延びるアーム6の先端からは、触針7が下方に延びている。測定時には、触針7を降ろしてV溝2に接触させながら、これをV溝2の長手方向に対して垂直方向である側方に矢印で示すように相対移動させ、V溝2の形状を測定する。 【0011】測定箇所は、主に各V溝2の中央付近であるが、必要に応じて両端或いはその他複数箇所を測定する場合もある。触針7は、側方に移動するにつれて、V溝2の形状に沿って上下動するので、これを本体5に内蔵されている図示しない歪ゲージやレーザー測長器等により検出し、電気的に変換して形状測定データとする。 【0012】尚、このような形状測定機による測定は従来より行われているものであり、この接触式に限らずその他の方式、例えばCCDカメラでV溝形状を撮影し、これを画像処理するといった方法を用いても良い。また、V溝2の長手方向に対する垂直方向を見いだす方法としては、同じくCCDカメラでV溝2の長手方向と触針7の相対移動方向を比較する方法や、ステージ4を所定の角度だけ正確に回転させ、三角測量の要領で垂直方向を把握するもの等がある。 【0013】図2は、本発明のV溝測定方法における、形状測定データの解析の原理を模式的に示す図である。また、図3は形状測定データの解析のアルゴリズムの流れを示すフローチャートである。図2において、まず、V溝2に断面が円形状の破線で示す光ファイバー1が載置される場合を想定する。そして、V溝2の両側面2a,2b上でそれぞれ近似範囲N1,N2を取り、それぞれの近似範囲における近似直線l1,l2を求める。これらの近似直線は、各近似範囲における形状測定データをもとに、最小二乗法により算出したものである。 【0014】これら近似範囲の設定は、最初は例えば上記従来の技術で示したように、V溝のエッジ部分及び溝底部分をそれぞれ少なくとも10μm以上の長さに渡って除去し、有効測定長が40μm以上の測定データとなるようにしても良い。尚、同図のRは光ファイバー1の半径を示しており、ここではV溝に固定される光ファイバーの半径の設計値或いは平均値等を想定している。 【0015】以下、図3のフローチャートに従って、形状測定データの解析の手順を説明する。解析が開始されると、ステップ#5において、近似直線l1,l2をそれぞれ光ファイバー1の半径RだけV溝2の内側へ平行移動した直線l′1,l′2の交点をC点とする(図2参照)。次に、ステップ#10において、Cから直線l′1,l′2にそれぞれ下ろした垂線の交点(足)s1,s2がそれぞれ近似範囲N1,N2内に存在するか否かを判定し、存在すればステップ#15に移行する。 【0016】ステップ#15において、各近似直線における最小二乗法による二乗平均誤差が、所要の精度を満たしているか、即ち製品として要求されている精度に見合っているか否かを判定し、精度を満たしていればステップ#20に移行し、C点を光ファイバー1の中心として解析を終了する。 【0017】ステップ#10において、垂線の足s1,s2がそれぞれ近似範囲N1,N2内に存在しなければ、ステップ#25に移行し、そのs1,s2の前後に近似範囲N1,N2を取り直して近似直線l1,l2を再計算し、ステップ#5に戻る。また、ステップ#15において、二乗平均誤差が所要の精度を満たしていなければ、ステップ#30に移行し、その近似直線の近似範囲を狭めた後、ステップ#5に戻る。 【0018】この近似範囲を狭める具体的な手法としては、形状測定データより把握されるV溝2の側面2a或いは2bの表面粗さや表面うねりの状況に応じて、例えば現在の近似範囲の何割かになるようにその範囲を狭めるという事が行われる。このようにして、V溝の形状測定データに基づく光ファイバーの接触点及び中心を、必要な精度まで追い込んで特定する。 【0019】図4は、実際に表面うねりのあるV溝を測定した結果を近似した際の、光ファイバー位置の算出結果の一例を示す図である。同図(a)に示すように、本発明における形状測定データの解析法による光ファイバーの中心C1と、図2で説明した最初の近似範囲の全形状データについて直線近似した場合の光ファイバーの中心C2との位置を比較すると、上下に0.7μm、左右に0.4μmの誤差が生じている事が分かる。 【0020】このとき、*1で示される光ファイバーとV溝の接触点付近を拡大した同図(b)を観察すると、実際の測定データをつないだ曲線(測定値)と、上記全形状データでの形状の近似との間には相当のズレが見られ、さらに、全形状データで近似した場合の光ファイバー位置と、本発明における形状測定データの解析法による光ファイバー位置との間にも、相当の誤差が生じている事が分かる。そして、本発明における解析法による光ファイバー位置の方が、実際の測定データをつないだ曲線に対する接触状態に明らかに近い事が分かる。これにより、本発明のV溝測定方法が有効である事が裏付けられる。 【0021】図5は、他のV溝測定方法の一例を示す斜視図であり、ここでは別の構成の形状測定機を使用している。同図(a)において、矢印Zで示すZ軸方向に駆動を行うZステージ11上の可動部11aには、同じくZ軸方向に摺動自在にアーム14が取り付けられており、その下端には触針15が下方に延びている。また、矢印Xで示すX軸方向に駆動を行うXステージ12上の可動部12aには、Z軸方向の周りに回転自在にθステージ13が取り付けられており、その上面には基板3が載置されている。触針15のX軸,Z軸方向の動きは、図示しないレーザー測長器を用いて高精度に測定される。 【0022】基板3付近の破線の円で示すA部を拡大したものが同図(b)である。同図(b)に示すように、触針15の下端には光ファイバーと同径の真球度の高い球16が取り付けられており、これを基板3上に並設されたV溝2の長手方向に対して垂直方向であるX軸方向に、矢印Bで示すようにXステージ12により相対移動させ、V溝2をトレースする。尚、X軸方向がV溝2の長手方向に対して垂直方向となるようにする調整は、θステージ13により行われる。 【0023】図6は、本例の測定原理を模式的に示す図である。同図に示すように、触針15の下端に取り付けられた球16により、基板3上に並設されたV溝2の長手方向に対して垂直方向であるX軸方向に、矢印Bで示すようにV溝2をトレースすると、球16の中心Oは、破線で示す測定軌跡Lを描く。ここで、寸法線で示す球16の半径Rは、光ファイバーの半径でもあるので、測定軌跡Lの各V溝2における最下点O1を、光ファイバーの中心位置として確定する。 【0024】本例では、直線近似や画像処理等を用いずに光ファイバーの位置関係を直接把握する事ができるため、複雑な計算処理や解析を必要とせずに、高精度な測定が可能となる。また、測定作業は、形状測定機を用いてトレースするだけで済むので、短時間で測定を行う事ができる。さらに、一つの球で全てのV溝を測定するので、上記従来の技術で示した光ファイバーのダミーを使用する場合のように、ダミー同士の形状誤差等の影響を受ける事はない。 【0025】尚、特許請求の範囲で言う略円柱部材は、実施形態における光ファイバーに対応している。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、光ファイバーを固定するためのV溝の形状測定結果より、これらの位置関係を迅速,高精度に算出するV溝測定方法を提供する事ができる。 【0027】つまり、従来の単純な直線近似の場合、V溝の形状精度が悪いと、算出された光ファイバー位置と実際の光ファイバー位置とは、大きく外れる可能性があるが、本発明の場合、直線近似に用いたデータの範囲内での近似誤差が所要精度を満たしている事と、接触点が近似範囲内にあるという事の2点が保証されるため、V溝に固定される光ファイバーの位置が高精度に算出される。 【0028】また、V溝で重要なのは光ファイバーの位置関係である。本発明を用いれば、或程度側面のうねり等を許容できるため、V溝の形状が悪い場合でも光ファイバーの位置が合えば良いと考えれば、測定結果のフィードバックから通常よりも少ない加工補正で光ファイバー位置を所要精度内に収める事ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006079 【氏名又は名称】ミノルタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月8日(1998.12.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085501 【弁理士】 【氏名又は名称】佐野 静夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−171237(P2000−171237A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−348378 |
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