| 【発明の名称】 |
光ファイバセンサを用いた歪み計測方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】栗井 正人
【氏名】緒方 和也
【氏名】平尾 秀夫
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| 【要約】 |
【課題】土砂・地盤崩落あるいは人工構造物、建築物崩壊等の予兆を自動的にかつリアルタイムにて効率良く行うことを可能とする。
【解決手段】光ファイバ心線1aからなり、複数箇所に光ファイバ心線1aを巻き付けたファイバ巻き付け部31を有する光ファイバセンサ1を地盤Gの概ね深度方向へ配設して地盤Gと一体化させる。光ファイバセンサ1へ測定光を入射させる光パルス試験器と、光パルス試験器をコントロールするとともにデータ処理を行うコンピュータとを有する歪み計測装置部を設ける。光パルス試験器から光ファイバセンサ1へ光を入射させ、入射光の周波数からずれたブリルアン散乱光の有無を検出することにより、光ファイバセンサ1が土砂の変位によって伸び歪みが生じたことを検出するとともに伸び歪みが光ファイバセンサ1のどのファイバ巻き付け部31間の区間にて生じているかを検出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地盤や構造物等の被計測物にあるいは該被計測物に沿って配設した光ファイバ心線(1a)よりなる光ファイバセンサ(1)へ測定光を入射し、この光ファイバセンサの区間毎における伸び歪みをこの光ファイバセンサからのブリルアン散乱光の有無から検出し、この検出結果から前記被計測物の変位の有無及び変位の位置を前記区間毎に求めることを特徴とする光ファイバセンサを用いた歪み計測方法。 【請求項2】 前記光ファイバセンサを、前記被計測物である地盤(G)に、概ね深度方向へ配設し、前記地盤の深度方向の変位の有無及びその位置を前記区間毎に求めることを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法。 【請求項3】 前記光ファイバセンサを、前記被計測物である地盤に、その法面方向へ配設し、前記地盤の法面方向の変位の有無及びその位置を前記区間毎に求めることを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバを用いて地盤や構造物等の変位を検出する光ファイバセンサを用いた歪み計測方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】土砂・岩盤崩落あるいは人工構造物、建築物崩落の危険を回避するには、巡視等を頻繁に行って状況を把握している。しかしながら、測量等を人手に頼ることは効率が悪いため、近年ではその状況を自動的にかつリアルタイムで計測する技術が検討されている。この計測技術としては、例えば、歪みセンサ等を対象物に設置し、その変化量を計測することが考えられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記計測方法は、あくまでもポイント計測であり、対象物を面的に計測することもできない。もし、面的に計測するならば、歪みセンサを多数設置することとなり、コストが膨大になってしまう。また、防災のための計測を要する地域では、山間部等の気象変化の激しい地域であることが多く、従来の歪みセンサ等の電気的センサでは、落雷等による誘導電流の影響を受けて、故障しやすいという欠点がある。さらに、近年、光線路の試験方法のうち、光ファイバの長手方向の歪み量の連続的な分布を高精度に観測する方法として、非線型光学現象の一つであるブリルアン散乱光の周波数シフト量が光ファイバの歪みに依存することを利用した手法が開発され、様々なセンシングの用途への応用が期待されているが、自然の土砂、岩盤の歪みあるいは人工構造物、建築物等の歪みを効率的に計測するために実用化された光ファイバセンサの構造は少ない。 【0004】この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、土砂・地盤崩落あるいは人工構造物、建築物崩壊等の予兆を自動的にかつリアルタイムにて効率良く計測することが可能な光ファイバセンサを用いた歪み計測方法を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法は、地盤や構造物等の被計測物にあるいは該被計測物に沿って配設した光ファイバ心線よりなる光ファイバセンサへ測定光を入射し、この光ファイバセンサの区間毎における伸び歪みをこの光ファイバセンサからのブリルアン散乱光の有無から検出し、この検出結果から前記被計測物の変位の有無及び変位の位置を前記区間毎に求めることを特徴としている。つまり、光ファイバセンサの区間毎におけるブリルアン散乱光の有無を検出することにより、光ファイバセンサの伸び歪みが検出されるとともに、どの区間における伸び歪みであるかが検出される。即ち、この光ファイバセンサの伸び歪み及びその位置を検出することにより、地盤あるいは構造物等の被計測物における変位の有無及び変位位置の把握が可能となり、土砂、岩盤の崩落や構造物の崩壊等の予測を行うことが可能となる。 【0006】請求項2記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法は、請求項1記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法において、前記光ファイバセンサを、前記被計測物である地盤に、概ね深度方向へ配設し、前記地盤の深度方向の変位の有無及びその位置を前記区間毎に求めることを特徴としている。このように、地盤の概ね深度方向へ光ファイバセンサを配設するので、地盤中における土砂の変位の有無及びその位置を容易に把握することが可能となり、土砂崩れの位置及びその規模の予測が行える。 【0007】請求項3記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法は、請求項1記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法において、前記光ファイバセンサを、前記被計測物である地盤に、その法面方向へ配設し、前記地盤の法面方向の変位の有無及びその位置を前記区間毎に求めることを特徴としている。即ち、地盤の法面方向へ光ファイバセンサを配設するので、土砂崩れの位置の予測及びその面積の予測を広範囲にて行うことが可能となる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法の実施の形態を図によって説明する。図1に示すものは、光ファイバセンサを用いた歪み計測装置であり、符号1は、光ファイバ心線を有する光ファイバセンサである。これら光ファイバセンサ1は、光クロージャ2へ直接あるいは光成端箱3を介して接続されており、この光クロージャ2は、多心の光ケーブル4を介して屋内に設置された歪み計測装置部5の光成端箱6に接続されている。 【0009】歪み計測装置部5は、光成端箱6に光コネクタ付きコード11によって接続された心線選択装置12と、この心線選択装置12に接続された光パルス試験器13と、この光パルス試験器13をコントロールするとともにデータ処理を行うコンピュータ14とを有している。 【0010】この歪み計測装置によれば、心線選択装置12によって選択された光ファイバセンサ1へ光パルス試験器13によって測定光が入射されるようになっている。そして、光ファイバセンサ1にて、伸び歪みが生じると、この伸び歪み部分にて、図2に示すように、入射光の周波数からずれたブリルアン散乱光が発生し、このブリルアン散乱光からなる反射光が光パルス試験器13にて検出されるようになっている。つまり、このブリルアン散乱光を検出することにより、光ファイバセンサ1の伸び歪みの有無及び歪みの位置である光ファイバセンサ1への外力の作用位置を割り出すようになっている。なお、このブリルアン散乱光の入射光に対する周波数のシフト量は、光ファイバセンサ1が無歪みの状態でも、約1MHz/℃程度の温度依存性を持つため、数十℃を越えるような大きい温度変化が生じる場合には、温度分布を計測することができるセンサ等と併用し、計測データを補正する必要がある。 【0011】次に、上記光ファイバセンサを用いた歪み計測方法の実施の形態例を説明する。 (第1実施形態例)図3に示すように、この例では、光ファイバセンサ1を地盤(被計測物)Gの概ね深度方向へ埋設して上下端を固定している。ここで、この光ファイバセンサ1は、図4に示すように、長手方向へ間隔をあけてファイバ巻き付け部31を設けた構造とされており、これらファイバ巻き付け部31にて、光ファイバセンサ1を構成する光ファイバ心線1aが所定寸法だけリール等に巻き付けられて余長部分31aが確保されている。この光ファイバセンサ1を地盤Gへ設置する場合は、まず、地盤Gをボーリングし、このボーリング孔へ光ファイバセンサ1を配設し、このボーリング孔と光ファイバセンサ1との隙間に、地盤Gの土質に近い充填材を充填して周囲と一体化させる。なお、充填材としては、ボーリングの際に生じた土砂を用い、この土砂をボーリング孔へ埋め戻しても良い。また、このファイバ巻き付け部31同士の間、つまりファイバ巻き付け部31の設置個所O間である区間では、光ファイバ心線1aが細径の金属パイプ32に通され、この金属パイプ32と光ファイバ心線1aとが密着した構造とされ地盤Gからの土砂圧が金属パイプ32を介して確実に伝達されるようになっている。 【0012】そして、この構造の光ファイバセンサ1を敷設した地盤Gにおいて、深度方向と交差する方向にずれが生じると、その土砂圧が、ファイバ巻き付け部31の設置個所0間である区間の光ファイバ心線1aへ加わり、この区間にて伸び歪みが生じ、その伸び歪みが歪み計測装置部5にて検出され、その位置が区間毎に計測されるようになっている。 【0013】このように、この実施の形態例によれば、崩落危険土塊を有する急峻な地盤Gに光ファイバセンサ1を概ね深度方向へ埋設することにより、地盤Gの深度方向でのずれ及びその位置を検出することができ、土砂崩れの前兆をいち早く検出することができる。なお、ファイバ巻き付け部31の間隔、つまり、各区間の間隔を任意に調整することにより、土砂圧発生位置の検出精度、即ち、深度分解能を容易に調整することができる。また、ファイバ巻き付け部31は、必要に応じて、融着接続部等の接続部を設けることができ、光ファイバセンサ1を延長することができるようになっている。 【0014】(第2実施形態例)図5に示すように、この例では、歪み計測装置の光ファイバセンサ1を、崩落危険土塊を有する区域に沿った安定地盤Gに設け、その長手方向1の複数箇所にて数mの間隔をあけて地盤Gに固着している。これら光ファイバセンサ1の地盤Gへの固着箇所O間の各区間における光ファイバセンサ1には、連結ワイヤー42を接続しており、この連結ワイヤー42の端部を崩落危険土塊に外付けブイ43によって固定している。 【0015】そして、この例によれば、崩落危険土塊にて地盤Gが面方向、特に法面方向へずれると、図6に示すように、この崩落危険土塊に外付けブイ43によって固定された連結ワイヤー42が引っ張られ、これにより、光ファイバセンサ1の、引っ張られた連結ワイヤー42が接続された部分に歪みが生じる。つまり、この歪みが生じた固着箇所O間からなる各区間を歪み計測装置部5によって計測することができ、この各区間毎に連結ワイヤー42によって連結された外付けブイ43の固定位置にて地盤Gの面方向への変位が生じたことを検出することができる。 【0016】このように、この第3実施形態例によれば、光ファイバセンサ1が、直接土砂圧を検知して地盤Gの変位を検出するのではなく、土塊に固定された外付けブイ43の移動によって光ファイバセンサ1に外力を印加させることにより地盤Gの変位を面的に検出するようになっている。そして、この例によれば、外付けブイ43を広範囲にかつ任意の位置に選択することができるので、地盤Gの変位を、広範囲にてかつあらゆる場所にて監視することができる。つまり、集中監視したいエリアあるいは散漫監視で充分なエリアに対してフレキシブルに対応させることができる。 【0017】しかも、光ファイバセンサ1を地盤Gへ埋め込む場合と比較して、光ファイバセンサ1及び外付けブイ43の設置を容易に行うことができる。また、外付けブイ43を規則的にマッピングすれば、歪みデータの二次元平面表示(歪み等高線などの表示)を行うことができる。さらには、光ファイバセンサ1を複数本設置すれば、計測点をさらに増やすことができ、計測エリアの拡大を容易に行うことができる。 【0018】なお、上記の例では、外付けブイ43を地表固定としたが、土塊に内蔵固定、つまり土塊中へ埋設することも可能であり、このように、土塊に内蔵固定することにより、地盤Gの深度方向における変位の計測も可能である。なお、光ファイバセンサ1は、被計測地盤Gの歪みが連結ワイヤー42によって確実に伝達されるように、光ファイバ心線1aの周囲のケーブル被覆を光ファイバ心線1aに密着させた構造としておく。 【0019】(第3実施形態例)図7に示すように、この例では、崩落危険土塊を含んだ区域全体に、歪み計測装置の光ファイバセンサ1を格子状に張り巡らせたもので、これら光ファイバセンサ1の交点をアンカー51によって地盤Gへ固着している。なお、光ファイバセンサ1は、敷設部分の周囲が、安定地盤へ固定されてケーブル固定箇所52とされている。なお、各アンカー51によって地盤Gへ固着された固着箇所O間からなる各区間は、数m以上の間隔があけられている。 【0020】そして、この例によれば、崩落危険土塊にて地盤Gにずれが生じ、図8に示すように、固着箇所OのA点付近の地盤Gが変位すると、図9に示すように、A点での変位がA点の周囲の固着箇所Oに影響を及ぼすこととなる。具体的には、A点がB点側へ変位すると、A−B間等では、光ファイバセンサ1が縮み、また、A−D間、A−C間、A−E間等では、光ファイバセンサ1が伸びることとなり、これらの区間での光ファイバセンサ1に歪みが発生する。そして、A点の変位によるA点周囲での地盤Gへの固着箇所O間の区間にて光ファイバセンサ1の歪みを検出することにより、崩落危険土塊におけるA点付近の地盤Gの変位及びその位置を計測することができる。 【0021】このように、この第3実施形態例によれば、光ファイバセンサ1の交点上の各固着箇所O間の各区間の光ファイバセンサ1の歪みを計測することにより、二次元平面の動態観測をより精密に行うことができる。これにより、崩落平面を高精度にて予想することができ、また、その規模(土砂量)や変位方向の解析を行うこともできる。また、光ファイバセンサ1の敷設は、特殊な作業、工具を用いることなく行うことができるので、設置コストも安価に抑えることができる。なお、この場合も、被計測物である地盤Gの歪みが光ファイバセンサ1に確実に伝達されるように、光ファイバ心線1aの周囲のケーブル被覆を光ファイバ心線1aに密着させた構造としておく。 【0022】なお、上記第1〜第3実施形態例は互いに組み合わせても良く、これらを組み合わせることにより、崩落危険土塊における土砂圧を3次元的に計測することができ、ひいては土砂、岩盤の崩落の3次元的な規模の予測を行うことができる。 【0023】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法によれば、下記の効果を得ることができる。請求項1記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法によれば、光ファイバセンサの区間毎におけるブリルアン散乱光の有無を検出することにより、極めて容易に光ファイバセンサの伸び歪みを検出することができるとともに、どの区間における伸び歪みであるかを検出することができる。つまり、この光ファイバセンサの伸び歪み及びその位置を検出することにより、地盤あるいは構造物等の被計測物における変位の有無及び変位位置を確実に把握することができ、土砂、岩盤の崩落や構造物の崩壊等の予測を行うことができる。また、従来のように、歪みセンサ等を多数設置する場合と比較して、低コストにて歪みの計測を行うことができ、また、落雷等による誘導電流の影響を受けることもなく、山間部等の気象変化の激しい地域でも問題なく行うことができる。 【0024】請求項2記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法によれば、地盤の概ね深度方向へ光ファイバセンサを配設するので、地盤中における土砂の変位の有無及びその位置を容易に把握することができ、土砂崩れの位置及びその規模や方向の予測を行うことができる。 【0025】請求項3記載の光ファイバセンサを用いた歪み計測方法によれば、地盤の法面方向へ光ファイバセンサを配設するので、土砂崩れの位置の予測及びその面積や方向の予測を広範囲にて行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005186 【氏名又は名称】株式会社フジクラ
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| 【出願日】 |
平成10年7月27日(1998.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−46528(P2000−46528A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−211647 |
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