| 【発明の名称】 |
改良体の計測システム及び計測方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】二宮 正
【氏名】保岡 哲治
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 計測対象となる改良体内に配置される電極取付体と、該電極取付体に取り付けられた一対の電流電極と、該一対の電流電極に電気接続された電源と、前記電極取付体に取り付けられた電位電極と、該電位電極に電気接続された電圧計と、前記計測対象となる改良体内に前記電極取付体が配置された状態で計測された前記電流電極間の電流及び前記電位電極間の電位差を用いて単位長さ当たりの抵抗を求める演算手段とを備え、該演算手段を、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係と前記計測対象となる改良体付近で計測された地山比抵抗とを用いて該計測対象となる改良体の出来高を算出するように構成したことを特徴とする改良体の計測システム。 【請求項2】 計測対象となる改良体内に電極取付体を配置し、該電極取付体に取り付けられた一対の電流電極を介して通電を行って該電流電極間の電流を計測するとともに前記電極取付体に取り付けられた電位電極を用いて該電位電極間の電位差を計測し、前記電流電極間の電流及び前記電位電極間の電位差を用いて単位長さ当たりの抵抗を求める一方、前記計測対象となる改良体付近の地山比抵抗を計測し、しかる後に、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係を用いて前記単位長さ当たりの抵抗から前記計測対象となる改良体の出来高を算出することを特徴とする改良体の計測方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地盤内に造成された改良体の出来高を計測するシステム及びその計測方法に関する。 【0002】 【従来の技術】地盤改良やトンネル先受け等を目的として地盤内に改良体が造成されることがある。例えば、軟弱な地盤を改良する地盤改良工法においては、噴射ノズルを回転させながら所定の硬化剤を地盤内に高圧噴射することによって地盤への硬化剤注入を行うとともに、その噴射エネルギーで地山の切削並びに地山との混合攪拌を行う高圧噴射攪拌工法が知られており、かかる工法によれば、軟弱地盤内にパイル状の改良体を造成することができる。また、山岳トンネル工法においては、トンネル掘削に先だってトンネル外周にアーチ状に地山改良体を形成するトンネル先受け工法(フォアパイリング工法)が知られており、かかる工法によれば、切羽前方地山を補強することが可能となる。 【0003】ところで、地盤改良等を行った後、造成された改良体の出来高、すなわち大きさや径あるいは断面積等が意図した通りのものになっているかどうかを確認することは重要な事項であるが、その確認方法としては、本工事に先だって試験工事を行い、該試験工事で造成された改良体の出来高をその周囲を掘り返すことによって直接計測する方法を採用する方が一般的である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このような試験工事による計測方法は、弾性波、超音波などを用いた計測方法よりも計測データの信頼性が高いという長所を有する反面、本工事とは別に試験工事を行わねばならないため、工期やコストの面で不利になるという問題を生じていた。また、現場が狭くて試験工事ができない、試験工事を行う場所と本工事を行う場所の地質構造が一致するとは限らない等の問題も生じていた。 【0005】本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、試験工事を行うことなく信頼性の高いデータを得ることが可能な改良体の計測システム及び計測方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る改良体の計測システムは請求項1に記載したように、計測対象となる改良体内に配置される電極取付体と、該電極取付体に取り付けられた一対の電流電極と、該一対の電流電極に電気接続された電源と、前記電極取付体に取り付けられた電位電極と、該電位電極に電気接続された電圧計と、前記計測対象となる改良体内に前記電極取付体が配置された状態で計測された前記電流電極間の電流及び前記電位電極間の電位差を用いて単位長さ当たりの抵抗を求める演算手段とを備え、該演算手段を、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係と前記計測対象となる改良体付近で計測された地山比抵抗とを用いて該計測対象となる改良体の出来高を算出するように構成したものである。 【0007】また、本発明に係る改良体の計測方法は請求項2に記載したように、計測対象となる改良体内に電極取付体を配置し、該電極取付体に取り付けられた一対の電流電極を介して通電を行って該電流電極間の電流を計測するとともに前記電極取付体に取り付けられた電位電極を用いて該電位電極間の電位差を計測し、前記電流電極間の電流及び前記電位電極間の電位差を用いて単位長さ当たりの抵抗を求める一方、前記計測対象となる改良体付近の地山比抵抗を計測し、しかる後に、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係を用いて前記単位長さ当たりの抵抗から前記計測対象となる改良体の出来高を算出するものである。 【0008】本発明に係る改良体の計測システム及び計測方法においては、まず、計測対象となる改良体内に電極取付体を配置する。電極取付体をどのように配置するかは任意であるが、例えば改良体が完全に固化しないうちに挿入する、改良体が固化してから挿入孔を穿孔し、該挿入孔内に挿入するなどの方法が考えられる。 【0009】次に、電極取付体に取り付けられた一対の電流電極を介して通電を行って該電流電極間の電流を計測するとともに、電極取付体に取り付けられた電位電極を用いて該電位電極間の電位差を計測する。 【0010】次に、計測された電流電極間の電流及び電位電極間の電位差を用いて単位長さ当たりの抵抗を求める。 【0011】一方、上述の手順とは別に、計測対象となる改良体付近の地山比抵抗を計測しておく。かかる地山比抵抗の計測にあたっては、改良体を造成後、その近傍箇所を計測位置としてもよいし、改良体を造成する前にその造成予定箇所を計測位置としてもよい。 【0012】次に、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係を参照することによって、既に算出した単位長さ当たりの抵抗から計測対象となる改良体の出来高、すなわち断面積、大きさ、直径等を算出する。 【0013】単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係を予め作成するにあたっては、実験による方法と解析による方法との2つが考えられる。前者においては、さまざまな比抵抗を持つ地山にさまざまな大きさの改良体を実際に造成し、その周囲を掘り返して改良体を計測するとともに、そのときの単位長さ当たりの抵抗を上述したと同様に求めるようにすればよい。また、後者においては、例えば軸対象FEMモデルを作成し、かかるモデルに対して地山の比抵抗をパラメータとして解析を行うようにすればよい。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る改良体の計測システム及び計測方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。 【0015】図1は、本実施形態に係る改良体の計測システムの全体図である。同図でわかるように、本実施形態に係る改良体の計測システム1は、計測対象となる改良体内に配置される中空円筒状の電極取付体3と、該電極取付体の材軸に沿ってその外面に取り付けられた環状の電極41、42、43、・・・・4nと、該電極に切換器5を介して電気接続された直流電源6及び電圧計7と、これら各機器を制御する演算手段としての演算制御部8とを備える。 【0016】電極取付体3は、例えば硬質塩化ビニル、FRP、プレキャストコンクリート等の非導電性部材で構成するのがよいが、電極41、42、43、・・・・4n並びに周囲に形成される造成体との電気的非接触が確保されるのであれば、導電体である鋼管等で構成してもかまわない。 【0017】直流電源6は、直流電流を流すことができるようになっていればよいが、直流とみなせるほど長い周期で電源の極性を切り替えて矩形波(交替直流)を出力することができるものでもよい。 【0018】切換器5は、演算制御部8の制御下において、電極41、42、43、・・・・4nのうち、所望の2つの電極を一対の電流電極4a、4bとして選択するとともに、残りの電極のうち、所望の電極、例えば、一対の電流電極4a、4bの間に配列された2つの電極を電位電極4c、4dとして選択できるようになっている。 【0019】演算制御部8は、かかる切換器5を制御して一対の電流電極4a、4bを直流電源6に、一対の電位電極4c、4dを電圧計7にそれぞれ電気接続するとともに、かかる状態で直流電源6を作動させて電流電極4a、4b間に電圧を印加することにより、図2に示すように電極取付体3の周囲に造成された改良体11に通電し、かかる状態で計測された電流電極4a、4b間の電流及び電位電極4c、4d間の電位差を用いて単位長さ当たりの抵抗を求めるようになっている。演算制御部8は、例えばパーソナルコンピュータで構成することが可能である。なお、電流電極4a、4b間の電流は、例えば直流電源6に内蔵された電流計(図示せず)で計測するようにすればよい。 【0020】また、演算制御部8は、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係、並びに計測対象となる改良体11付近で計測された地山比抵抗とを用いて該改良体11の出来高を算出するようになっている。 【0021】本実施形態に係る改良体の計測システム1及び計測方法においては、まず、図3に示すように、地盤21に改良体11を造成し、しかる後に該改良体内に電極取付体3を挿入する。電極取付体3は、例えば改良体11が完全に固化しないうちに挿入するようにすればよい。改良体11の造成工法については、高圧噴射工法やアースオーガを用いた攪拌工法などが考えられるが、ここではどの工法で造成するのかは問わない。 【0022】次に、電極取付体3に取り付けられた一対の電流電極4a、4bを介して通電を行って該電流電極間の電流Iを計測するとともに、電極取付体3に取り付けられた電位電極4c、4dを用いて該電位電極間の電位差Vを計測する。 【0023】次に、計測された電流電極間の電流I及び電位電極間の電位差Vを用いて単位長さ当たりの抵抗Rを求める。すなわち、電位電極4c、4d間の距離をdとすると、単位長さ当たりの抵抗Rは、R=V/(I・d)となる。 【0024】一方、上述の手順とは別に、計測対象となる改良体11付近の地山の比抵抗を計測しておく。地山の比抵抗を計測するにあたっては、例えば改良体11を造成する前にその造成予定箇所を計測位置としていわゆるウェンナー法を用いて計測すればよい。 【0025】次に、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係を参照することによって、既に算出した単位長さ当たりの抵抗Rから計測対象となる改良体11の出来高、例えばその直径をを算出する。 【0026】単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係については、例えば造成体を円筒体とするとともに該造成体とその周囲に拡がる地山とを造成体の材軸を中心とした軸対象FEMモデルとしてモデル化し、かかるFEMモデルに対して地山の比抵抗をパラメータとした解析を行うことで得られる。なお、解析を行うにあたり、造成体の比抵抗が入力データとして当然必要になるが、軟弱地盤とモルタルとの攪拌混合なのか、モルタルのみの充填注入なのかによって造成された改良体の比抵抗にはそれなりの差が生じる。したがって、造成体の解析上の比抵抗については、工法を考慮して適宜定めるようにする。 【0027】図4は、地山比抵抗が58Ω・m、300Ω・m、及び無限大の3つのケースについて単位長さ当たりの抵抗(Ω/m)と改良体の直径(cm)との関係を上述した軸対象FEMモデルを用いて求めた解析結果を示したグラフである。 【0028】かかるグラフを参照して改良体11の直径を算出するには、例えば現場で計測された地山の比抵抗が300Ω・m、単位長さ当たりの抵抗Rが24Ω/mだとすると、改良体11の直径は、20cmであると算出できる。 【0029】なお、図4に示したような解析結果は、例えば図示しない記憶装置に参照テーブルのような形で記憶しておき、必要なときに該記憶装置から演算制御部8で読み出すとともに、現地で計測された単位長さ当たりの抵抗Rが解析結果に存在しないときには、解析結果を適宜補間するのがよい。 【0030】以上説明したように、本実施形態に係る改良体の計測システム及び計測方法によれば、電流電極4a、4b間の電流I及び電位電極4c、4d間の電位差Vを用いて単位長さ当たりの抵抗Rを求める一方、計測対象となる改良体11付近の地山比抵抗を計測し、しかる後に、さまざまな地山比抵抗をパラメータとして予め作成された単位長さ当たりの抵抗と改良体の出来高との関係を用いて上述の単位長さ当たりの抵抗Rから改良体11の出来高を算出するようにしたので、従来の弾性波探査や超音波探査よりも高い精度で、しかも弾性波や超音波の受発信装置を設置する手間をかけることなく、改良体の出来高を効率よくしかも正確に計測することが可能となる。 【0031】また、従来のように本工事とは別途試験工事を行う必要がなくなるので、地盤改良工事等の工期やコストを大幅に低減することが可能となるとともに、言うなれば供試体を対象としていたにすぎない試験工事とは違い、あくまで本設の改良体の出来高を非破壊でしかも硬化剤注入直後に計測することができるので、造成範囲が当初の目標よりも小さいことが明らかになった場合には硬化剤の再注入を行うといった対策を施すことも可能となり、地盤改良工事等の施工品質を大幅に向上させることができる。 【0032】また、本実施形態に係る改良体の計測システムによれば、電極取付体3の外面にその材軸に沿って電極41、42、43、・・・・4nを多数配列するとともに該電極を切換器5を介して直流電源6及び電圧計7に電気接続し、該切換器を、電極41、42、43、・・・・4nのうち、所望の電極を一対の電流電極4a、4b及び電位電極4c、4dとして任意に選択できるように構成したので、地山の比抵抗や改良体の性状に適した電流電極や電位電極の切換えを瞬時に行うことが可能となる。 【0033】本実施形態では特に言及しなかったが、上述した単位長さ当たりの抵抗を算出するための電流Iや電位差Vの計測は、改良体11の硬化の進行具合とは無関係に行うことが可能であり、現場で計測されるときの改良体11の比抵抗と解析に用いた改良体の比抵抗とが対応さえしておれば足りる。 【0034】また、本実施形態では、本発明を地盤改良工法に適用した例で説明したが、本発明は、地盤内に改良体が造成されるすべての場合に適用することが可能である。例えば、地下構造物の防護工、地盤強化、トンネルの先受け工等にも適用することが可能であるし、図5に示すように、トンネル掘削において切羽31前方に空洞32の存在が確認された場合、掘削に伴う土砂の崩壊を防止すべく、該空洞に予めグラウト33の注入を行うことがあるが、かかるグラウト33の造成範囲を計測する際にも本発明を適用することができる。 【0035】すなわち、同図に示すように、グラウト機36には、本実施形態と同様の切換器5、直流電源6、電圧計7及び演算制御部8を内蔵した制御装置37を設置してあり、直流電源6及び電圧計7は、本実施形態と同様、切換器5を介して電極取付体35に取り付けた電極41、42、43、・・・・4nに電気接続してある。 【0036】計測を行うにあたっては、まず、グラウト33内に電極取付体35を挿入し、しかる後に本実施形態と同様の手順で単位長さ当たりの抵抗Rを算出してグラウト33の出来高を計測すればよい。なお、本変形例では、電極取付体35は、グラウト注入管としての機能を兼ね備えたものである。 【0037】また、本実施形態では、地山の比抵抗の違いや工法の違いにも対応できるように、切換器5を設けて電流電極及び電位電極の位置や間隔を変更できるようにしたが、基本的には、電流電極及び電位電極はそれぞれ一対あれば足り、切換器5も不要である。 【0038】また、本実施形態では、電極取付体3を中空円筒状とし、該中空空間内に計測ケーブルを通すようにしたが、これに代えて電極取付体を棒状体とし、その棒状体の周面に沿って計測ケーブルを配置するようにしてもよいことは言うまでもない。 【0039】 【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明に係る改良体の計測システム及び請求項2の発明に係る改良体の計測方法によれば、従来の弾性波探査や超音波探査よりも高い精度で、しかも弾性波や超音波の受発信装置を設置する手間をかけることなく、改良体の出来高を効率よくしかも正確に計測することが可能となる。また、従来のように本工事とは別途試験工事を行う必要がなくなるので、地盤改良工事等の工期やコストを大幅に低減することが可能となる。 【0040】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000549 【氏名又は名称】株式会社大林組
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| 【出願日】 |
平成10年7月28日(1998.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099704 【弁理士】 【氏名又は名称】久寶 聡博
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| 【公開番号】 |
特開2000−46510(P2000−46510A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−212247 |
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