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【発明の名称】 プレスブレーキの曲げ角度検出方法および曲げ角度検出装置
【発明者】 【氏名】山田 幸浩

【要約】 【課題】計測対象ワークに投光された撮像線が短く、光線の投射面積が小さい場合であっても、さまざまに写る雑像の中で正確にワークに写る投射像を抽出することが可能であるプレスブレーキの曲げ角度検出装置および曲げ角度検出方法を提供する。

【解決手段】ワークWの曲げ加工前に撮影された第1撮影画像と曲げ加工完了後に撮影された第2撮影画像とをそれぞれXY画像に割当てて画像のある画素とない画素の2通りに分ける。こうして得られたa画像およびb画像の同座標軸における画素を比較して論理演算表に基づいて論理演算処理を行い、ワークに投射される撮影画像を構成する画素像(c画像)のみを抽出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワーク表面に線状投光像を投射し、このワーク表面の線状投光像を撮像して画像処理を行うことによりワークの曲げ角度を検出するプレスブレーキの曲げ角度検出方法において、(a)ワークの曲げ加工中に第1の線状投光像を撮像する第1工程,(b)この第1の線状投光像を撮像してから所定時間経過後に第2の線状投光像を撮像する第2工程,(c)第1および第2の線状投光像をそれぞれXY座標軸上の画素に割り当て、色相または明度の違いにより前記画素を2通りに分ける第3工程,(d)第1および第2の線状投光像の同座標軸における画素を比較して論理演算を行い、新規の画像を作成する第4工程および(e)前記新規の画像から曲げ角度を演算する第5工程よりなることを特徴とするプレスブレーキの曲げ角度検出方法。
【請求項2】 前記第1の線状投光像はワークの曲げ加工前に撮像されるものであり、第2の線状投光像はワークの曲げ加工完了後に撮像されるものである請求項1に記載のプレスブレーキの曲げ角度検出方法。
【請求項3】 前記第1および第2の線状投光像は、ワークの曲げ加工中に所定時間間隔で繰り返し撮像されるとともに、それらが撮像される毎に新規画像が作成されるものである請求項1に記載のプレスブレーキの曲げ角度検出方法。
【請求項4】 ワーク表面に線状投光像を投射する投光手段と、このワーク表面の線状投光像を撮像する撮像手段とを有するプレスブレーキの曲げ角度検出装置において、(a)前記投光手段により曲げ加工中のワーク表面に投射され、前記撮像手段により撮像された第1の線状投光像を記憶する第1メモリ,(b)この第1の線状投光像を撮像してから所定時間経過後に撮像される第2の線状投光像を記憶する第2メモリ,(c)第1および第2の線状投光像をそれぞれXY座標軸上の画素に割り当て、色相または明度の違いにより前記画素を2通りに分けて、各線状投光像の同座標軸における画素を比較して論理演算処理を行う論理演算処理部、(d)この論理演算処理部における論理演算処理によって作成された新規の画像を記憶する第3メモリおよび(e)この第3メモリに記憶された新規の画像からワークの曲げ角度を演算する曲げ角度演算部を備えることを特徴とするプレスブレーキの曲げ角度検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状のワークを所要角度に折り曲げる際に曲げ角度を検出する曲げ角度検出方法および曲げ角度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プレスブレーキ等の曲げ加工機における曲げ角度検出装置として、例えば特開平7−239221号公報に記載されるように、ワーク表面にスリット光ないし複数のスポット光を投射するとともに、ワーク表面に描かれる像を撮像手段に取り込んで、画像処理によって曲げ角度を検出するようにした曲げ角度検出装置が提案されている。
【0003】この曲げ角度検出装置においては、前記撮像手段により撮像された画像が公知の画像処理技術を用いて適切な閾値で二値化され、1画素幅になるまで細線化され、こうして細線化された1画素幅の連線が1画素を単位とする点(x,y)の集合として表現される。このように得られた点列画像から最小自乗法等により直線式ax+by+c=0を計算し、求められた直線の長さが望ましい所定値(例えば画面の1/2)を超えると得られた直線をワーク上の抽出すべき点と判断し、画面上での直線の傾きおよび位置を算出してワークの曲げ角度が検出される。
【0004】また、前記公報には、複数の曲げ箇所を有するワークを取り扱う場合等において、画像上で必要とする直線のみを抽出する直線抽出装置も記載されている。この直線抽出装置においては、前記スリット光がワークの折り曲げ外面および下金型の一部に掛かるように投射され、前記撮像手段の視野の領域に下金型が写るようにして、この撮像手段により撮像された画像が前述のようにして点(x,y)の集合として表現される。こうして得られた点列画像から何本かの直線よりなる図形が抽出され、画面下端に掛かる直線につながる次の直線を取り出すことにより目的とする直線部分が抽出されている。
【0005】また、本発明に関する先行技術として、特公平4−18926号公報においては、撮像装置が金型の側方に配置され、ワーク(板材)が曲げ加工機に供給されていない状態の撮像情報がAメモリに、ワークが供給された状態の撮像情報がBメモリにそれぞれ格納され、これら撮像情報が二値化信号に変換されて減算処理されて得られたワークの撮影情報を基にワークの曲げ角度を検出するように構成された曲げ角度検出装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特開平7−239221号公報に記載の曲げ角度検出装置では、例えば脚長の短いワークの曲げ角度を検出する場合には、ワークに投光された撮像線とパンチ(上金型)に投光された撮像線との2種類の線分が認識されるが、ワークの脚長が短いためワークの撮像線の長さが望ましい所定値より小さくなり、パンチに投光された撮像線を測定すべき線分と誤って認識してしまい、正しいワークの曲げ角度が測定できないという問題点がある。
【0007】また、前述の画像上で必要とする直線のみを抽出する直線抽出装置では、例えば下金型に段差がある場合は、その下金型の撮像線として2本の線分が得られ、下金型に投光された撮像線を測定すべき線分と誤って認識してしまうという問題点がある。また、例えばワークが波状形のトタン板等である場合にも、そのワークの撮像線として複数の線分もしくは1本の直線が抽出されてしまい、正確なワークの撮像線が得られないという問題点がある。また、例えば下金型の撮像線とワークの撮像線との境界が不明確な場合には、1本の直線からなる図形が抽出される等測定すべき直線の抽出が困難であるという問題点がある。
【0008】一方、本願発明に関連する技術として挙げた特公平4−18926号公報に記載の曲げ角度検出装置は、ワークが供給されていない状態の背景(例えば、金型など)を減算してワーク側方の撮像情報を得るものであり、時間経過とともに形状が変化するワークの特性を用いてワークに写る画像を抽出するものとは本質的に異なるものである。
【0009】本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、計測対象ワークに投光された撮像線が短く、光線の投射面積が小さい場合であっても、さまざまに写る雑像の中で正確にワークに写る投射像を抽出することが可能であるプレスブレーキの曲げ角度検出装置および曲げ角度検出方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述された目的を達成するために、第1発明によるプレスブレーキの曲げ角度検出方法は、ワーク表面に線状投光像を投射し、このワーク表面の線状投光像を撮像して画像処理を行うことによりワークの曲げ角度を検出するプレスブレーキの曲げ角度検出方法において、(a)ワークの曲げ加工中に第1の線状投光像を撮像する第1工程,(b)この第1の線状投光像を撮像してから所定時間経過後に第2の線状投光像を撮像する第2工程,(c)第1および第2の線状投光像をそれぞれXY座標軸上の画素に割り当て、色相または明度の違いにより前記画素を2通りに分ける第3工程,(d)第1および第2の線状投光像の同座標軸における画素を比較して論理演算を行い、新規の画像を作成する第4工程および(e)前記新規の画像から曲げ角度を演算する第5工程よりなることを特徴とするものである。
【0011】第1発明においては、ワークの曲げ加工中にワーク表面に投射された第1の線状投光像が撮像され、この第1線状投光像が撮像されてから所定時間経過後に前記ワーク表面に投射された第2の線状投光像が撮像される。これら第1および第2の線状投光像がそれぞれXY座標軸上の画素に割り当てられて色相または明度の違いにより2通りの画素に分けられる。
【0012】次いで、これら第1および第2線状投光像の同座標軸における画素が比較されて論理演算処理が行われる。この論理演算処理により第2線状投光像から第1および第2線状投光像の両方の同座標軸に存在する画素と第1線状投光像のみに存在する画素とが消去された新規な画像が作成される。すなわち、前記論理演算処理により、第1線状投光像と第2線状投光像とを比較して動いた像(ワークWに投射された像のみ)を構成する新規画像が作成される。こうして作成された新規画像に基づいて、ワークの曲げ角度が演算される。
【0013】第1発明によれば、ワークの曲げ加工中に動く画像、すなわち計測対象となるワークに投射される線状投光像のみを抽出することができ、そのワーク表面が平坦状でない場合であってもワーク表面に投射された正確な画像を抽出できるため、ワークの曲げ角度を正確に検出することができる効果を奏する。
【0014】第1発明において、前記第1の線状投光像はワークの曲げ加工前に撮像されるものであり、第2の線状投光像はワークの曲げ加工完了後に撮像されるものであるのが好ましい。これにより、2つの画像の撮像,画像処理によりワークの曲げ加工完了後にワークに投射された画像のみを抽出でき、ワークの曲げ角度を正確に検出することができる。
【0015】また、第1発明において、前記第1および第2の線状投光像は、ワークの折り曲げ加工中に所定時間間隔で繰り返し撮像されるとともに、それらが撮像される毎に新規画像が作成されるものであるのが好ましい。こうすることによりワークの曲げ加工中にワーク以外のものが動いた場合であっても、そのものの動きはワークの動きに比べて遅く前記撮影画像の取り込み間隔では動いていないものとみなされる。したがって、より正確にワークWに投射された画像のみを構成する画素像を抽出することができるとともに、より正確なワークの曲げ角度を検出することができる効果を奏する。
【0016】第2発明によるプレスブレーキの曲げ角度検出装置は、ワーク表面に線状投光像を投射する投光手段と、このワーク表面の線状投光像を撮像する撮像手段とを有するプレスブレーキの曲げ角度検出装置において、(a)前記投光手段により曲げ加工中のワーク表面に投射され、前記撮像手段により撮像された第1の線状投光像を記憶する第1メモリ,(b)この第1の線状投光像を撮像してから所定時間経過後に撮像される第2の線状投光像を記憶する第2メモリ,(c)第1および第2の線状投光像をそれぞれXY座標軸上の画素に割り当て、色相または明度の違いにより前記画素を2通りに分けて、各線状投光像の同座標軸における画素を比較して論理演算処理を行う論理演算処理部、(d)この論理演算処理部における論理演算処理によって作成された新規の画像を記憶する第3メモリおよび(e)この第3メモリに記憶された新規の画像からワークの曲げ角度を演算する曲げ角度演算部を備えることを特徴とするものである。
【0017】この第2発明は、第1発明による曲げ角度検出方法を具体的に実施するための装置に関わるものである。第2発明においては、ワークの曲げ加工中にワーク表面に投射された第1の線状投光像が撮像され、この第1線状投光像が撮像されてから所定時間経過後に前記ワーク表面に投射された第2の線状投光像が撮像され、これら第1および第2線状投光像がそれぞれ第1メモリおよび第2メモリに記憶される。
【0018】これら第1および第2の線状投光像は、論理演算処理部に入力されそれぞれXYの座標軸上の画素に割り当てられて色相または明度の違いにより2通りの画素に分けられる。これら第1および第2線状投光像の同座標軸における画素が比較されて論理演算処理され、両方の同座標軸に存在する画素と第1線状投光像のみに存在する画素とが消去された新規の画像、すなわち第1線状投光像撮影後第2線状投光像が撮影される間に動いた像(ワークに投射された像のみ)を構成する新規の画像が作成される。この新規の画像は第3メモリに記憶され、その新規の画像に基づいて前記曲げ角度演算部によりワークの曲げ角度が演算される。
【0019】第2発明によれば、ワークの曲げ加工中に動く画像、すなわち計測対象となるワークに投射される線状投光像のみを抽出することができ、そのワーク表面が平坦状でない場合であってもワーク表面に投射された正確な画像を抽出できるため、ワークの曲げ角度を正確に検出することができる効果を奏する。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明によるプレスブレーキの曲げ角度検出方法および曲げ角度検出装置の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0021】図1には、本発明の第1実施例に係る曲げ角度検出装置を備えるプレスブレーキの概略正面図(a),概略平面図(b)および概略側面図(c)が示されている。図2には、前記プレスブレーキの部分拡大側面図が示されている。
【0022】第1実施例の曲げ角度検出装置を備えるプレスブレーキ1は、架台2上のダイ保持装置3に固定されている下金型(ダイ)4と、このダイ4に対位してその上方に昇降自在に設けられているラム5の下部にパンチ保持装置6を介して取り付けられる上金型(パンチ)7とを備えている。
【0023】前記ラム5は、その上部でかつフレーム8に取り付けられる2つの駆動装置(図示省略)により昇降するようにされている。また、前記フレーム8の一方側面には、前記駆動装置を制御するサーボアンプ等の制御機器が内蔵された制御盤9が取り付けられ、他方側面には後述する画像読取装置10から入力される画像処理を行う画像処理装置11が取り付けられている。前記フレーム8の上面には、旋回可能なアーム12が取り付けられ、このアーム12の先端にワークWの曲げデータ等の入出力およびそれらデータを基に曲げ角度検出を行うNC装置13が取り付けられている。
【0024】前記パンチ7とダイ4との間に金属板からなるワークWを挿入し、このワークWをダイ4上に載置した状態でラム5を下降させてそのワークWをパンチ7とダイ4とで挟圧することによって、このワークWの折り曲げ加工が行われる。なお、前記フレーム8の前面には前記ダイ7の後部に向けて突出するようにバックストップ8aが取り付けられており、このバックストップ8aの突出長さを予め設定し、そのバックストップ8aにワークWの一端を当接させて前記折り曲げ加工を行うことにより折り曲げ位置が決められる。
【0025】前記架台2の前後部(前記ダイ4を挟んで両側)には画像読取装置10が取り付けられている。この画像読取装置10はそれぞれレーザ発振器14およびCCDカメラ15を有し、このレーザ発振器14により前記ワークWに投射されたスリット光の像が前記CCDカメラ15により撮影されるように構成されている。このCCDカメラ15により撮影された画像は、前記画像処理装置11に入力される。
【0026】前記画像処理装置11は、図3にそのブロック図が示されるように、前記CCDカメラ15により撮影された画像を記憶させる2つのメモリA,B(本発明における第1メモリ,第2メモリに相当する。)と、前記メモリA,Bに記憶された画像をそれぞれXY座標軸上の画素に割り当てて、同座標軸における画素を比較して論理演算処理を行う演算部16と、前記演算結果の画像データを格納するメモリCと、このメモリC(本発明における第3メモリに相当する。)に格納される画像データを映し出す表示部17とを備えている。前記メモリCに格納された画像データは、前記NC装置13に入力されるように構成されている。
【0027】前記NC装置13は、前記メモリCから入力された画像データに基づいて曲げ角度を演算する曲げ角度演算部(図示省略)を有し、この曲げ角度演算部からの曲げ角度データに基づいて前記ラム5の下限位置が算出されるとともに、ラムの任意位置での作動もしくは停止命令の出力がされる。
【0028】このように構成される曲げ角度検出装置を用いてワークの曲げ角度を検出する曲げ角度検出方法は、図4にダイ4の前面(後面)側のワークW表面と画像読取装置10との模式図が示されるように、まず、前記レーザ発振器14からワークW表面にスリット光が投射され、このスリット光が前記CCDカメラ15に撮影される。なお、図示されるように前記ワークWを載置するダイ4の高さが高い場合等は、前記CCDカメラ15の視界内にダイ4に投射されるスリット光も入る場合がある。また、前記ダイ4の後面側の画像読取装置10においては、バックストップ8aにもスリット光が投射されることがあり、前記CCDカメラ15の視界内にそのバックストップ8aに写るスリット光が入る場合がある。
【0029】続いて、図5(a)にワークWの曲げ加工前に前記CCDカメラ15により撮影された第1撮影画像(ワークWの画像部分については点線で示す)およびワークWの曲げ加工完了後に撮影された第2撮影画像(実線で示す)とが同一画面内に示されている。図示されるようにワークWの曲げ加工前と完了後とでは、ダイ4およびバックストップ8aに投射されたスリット光の撮影画像4’,8a’は移動しないのに対してワークWに投射されたスリット光の撮影画像W’がワークWの曲げ加工に伴って移動するのが明らかである。なお、これら第1撮影画像と第2撮影画像とは、それぞれ前記メモリAおよびメモリBに格納される。
【0030】前記メモリAに格納された第1撮影画像およびメモリBに格納された第2撮影画像は、前記演算部16に入力されて図5(b)に示されるXY座標軸上の画素に割り当てられ、撮影画像のある画素とない画素の2通りに分けられる。こうして前記各画素に割り当てられた第1撮影画像(以下、a画像という。)および第2撮影画像(以下、b画像という。)が図6(a)(b)に示されている。
【0031】前記演算部16では、a画像とb画像とのそれぞれ同座標軸における画素が比較され、論理演算が行われて、ワークWの折れ曲がりに伴って移動する撮影画像すなわちワークWの撮影画像のみを構成する画素像(以下、c画像という。)(図6(c))が抽出される。前記論理演算処理は、図6(d)に示される論理演算表に基づいて行われる。なお、この論理演算表は、論理式Band(AnorB)=Cで示される(nor:排他的論理和、A,B,C:a,b,c画像を構成する画素)。
【0032】こうして得られたc画像は、前記メモリCに入力されて記憶されるとともに、表示部17に映し出される。また、このc画像は、前記NC装置に画像データとして入力され、この画像データを基に公知の画像処理技術を用いて直線化され画面上での直線の傾きおよび位置が算出され、予め設定されている曲げ角度データに基づいてワークWの曲げ角度が検出される。
【0033】次いで、前記ワークWの曲げ加工の動作について、図7に示されるフローチャートにより順次説明する。
S1〜S3:まず、ワークWをダイ4とパンチ7との間にセットし、NC装置13からの指令に基づき制御盤9内の制御機器により駆動装置を作動させ、ラム5の下降を開始させ、パンチ7がワークWに近接するまで(遅速位置に到達するまで)ラム5を速下降させる。
S4〜S6:ラム5が遅速位置に到達した時点で、CCDカメラ15により第1撮影画像が取り込まれてメモリAに記憶され、前記ラム5の遅下降を開始する。このラム5は、ワークWの折り曲げ完了まで(下限位置に達するまで)遅下降が続けられる。
S7:前記ラム5が下限位置に到達した時点で、CCDカメラ15により第2撮影画像が取り込まれてメモリBに記憶される。
S8:次いで、前記演算部16にメモリAの第1撮影画像とメモリBの第2撮影画像が入力され、これら第1および第2撮影画像がそれぞれXY座標軸上の画素に割り当てられて撮影画像のある画素とない画素との2通りに分けられ、それぞれの同座標軸における画素が比較されて論理演算処理が行われる。こうしてワークWに投射される撮影画像を構成する画素のみ(c画像)が抽出される。
S9:前記c画像の画像データがNC装置13に入力されて直線化され、その直線の傾きおよび位置が算出され、予め設定されている曲げ角度データに基づいてワークWの曲げ角度が演算される。
S10〜S12:前記ワークWの曲げ角度検出後、前記駆動装置によりラム5が上限位置に到達するまで上昇される。こうしてワークWの曲げ加工の一連の作業が終了する。さらに、続ける場合にはS1〜S11の操作が繰り返される。
【0034】第1実施例によれば、ワークWの曲げ加工中に動く画像、すなわち計測対象となるワークWに投射されるスリット光の撮影画像のみを抽出することができる。こうして、CCDカメラ15の視界内にある計測対象物であるワークW以外の画像を取り除くことができるとともに、前記ワークW表面が平坦状でない場合であってもワークWの正確な画像を抽出できるため、ワークWの曲げ角度を正確に検出することができる効果を奏する。
【0035】第1実施例においては、第1撮影画像がワークWの曲げ加工前の撮影画像とされているが、ワークWにパンチ7が接触する前の状態の撮影画像であってもよく、ワークWにパンチ7が接触してワークWが折れ曲がった状態の撮影画像であってもよい。したがって、図7のフローチャートにおいては、ラム5が遅速位置に到達後、遅下降が行われる前に第1撮影画像が取り込まれているが、これに限らず、前記第1撮影画像の取り込みはラム5の下限位置に到達する以前であればラム5の遅下降中もしくは速下降中に行われてもよい。
【0036】また、図5,6はワークW,バックストップ8aおよびダイ4に写されたスリット光がCCDカメラ15の視界に入る場合を想定して説明されているが、レーザ発振器14やCCDカメラ15等それぞれの位置関係によりCCDカメラ15の視界にワークWのみの画像が撮影されることがあり、この場合も同様の作用効果を得ることができる。
【0037】続いて、第2実施例に係る曲げ角度検出方法は、前記曲げ角度検出装置を用いて行われ、前記CCDカメラ15より第1撮影画像が取り込まれてメモリAに記憶され、前記第1撮影画像が取り込まれて所定時間(本実施例では0.1秒)経過後に第2撮影画像が取り込まれてメモリBに記憶され、前記第1および第2撮影画像の取り込みは前記ラム5が下限位置に到達するまで繰り返し行われる。
【0038】前記メモリAおよびメモリBに記憶された各撮影画像は、それらが取り込まれる毎に前記演算部16に入力され、第1実施例と同様に論理演算処理が行われて新規画像(c画像)が作成され、前記表示部17に映し出される。前記c画像は、第2撮影画像が取り込まれた時点のワークWに投射された撮影画像のみを構成する画素像であり、前記表示部17にはラム5が下限位置に到達するまでの前記ワークWのみの画素像が刻々と変化する様子が映し出されている。
【0039】前記ラム5が下限位置に到達した場合、前記ラム5の下限位置到達時に撮像された第2撮影画像とその直前(本実施例では、ラムの下限位置到達時の0.1秒前)に撮影された第1撮影画像とにより作成されたc画像の画像データがNC装置13に入力される。こうして入力された画像データは、公知の画像処理技術を用いて直線化され画面上での直線の傾きおよび位置が算出される。この直線の傾きおよび位置により、予め設定されている曲げ角度データに基づいてワークWの曲げ角度が検出される。
【0040】次いで、この第2実施例における前記ワークWの曲げ加工の動作について、図8に示されるフローチャートにより順次説明する。
S21〜S22:まず、ワークWをダイ4とパンチ7との間にセットし、NC装置3からの指令に基づき制御盤9内の制御機器により駆動装置を作動させ、ラム5の下降を開始させる。
S23〜S26:次いで、前記CCDカメラ15により第1撮影画像が取り込まれてメモリAに記憶され、その第1撮影画像が取り込まれて所定時間(本実施例では、0.1秒)経過後に第2撮影画像が取り込まれてメモリBに記憶される。これら第1および第2撮影画像が前記演算部16に入力されて論理演算処理が行われて前記c画像が作成されて表示部17に映し出される。前記ラム5が下限位置に達するまで、前記操作が繰り返される。
S27:前記操作が繰り返され、前記ラム5が下限位置に到達した時点で撮像された第2撮影画像とその直前(本実施例では、ラムの下限位置到達時の0.1秒前)に撮影された第1撮影画像とにより作成されたc画像の画像データがNC装置13に入力される。こうして入力された画像データは、公知の画像処理技術を用いて直線化され画面上での直線の傾きおよび位置が算出される。この直線の傾きおよび位置により、予め設定されている曲げ角度データに基づいてワークWの曲げ角度が検出される。
S28〜S30:第1実施例と同様に、前記ワークWの曲げ角度検出後前記駆動装置によりラム5が上限位置に到達するまで上昇されてワークWの曲げ加工の一連の作業が終了する。さらに、続ける場合にはS21〜S30の操作が繰り返される。
【0041】第2実施例によれば、第1撮影画像と第2撮影画像との取り込み間隔が短くされているため、例えばワークWが曲げられる際にダイ4が若干動いた場合であってもそのダイ4の動きはワークWの動きに比べて遅く前記撮影画像の取り込み間隔ではダイ4は動いていないものとみなされ、より正確にワークWに投射された画像のみを構成する画素像を抽出することができ、ワークWの曲げ角度をより正確に検出することができる効果を奏する。その他、第1実施例と同様の効果を奏する。
【0042】また、第2実施例においては、第1撮影画像と第2撮影画像との取り込み間隔が0.1秒とされているが、この間隔をさらに短縮することにより、センサ等を設けることなくパンチ7がワークWに当接した瞬間を検知することができる。
【0043】前記各実施例においては、第1および第2撮影画像がXY画素の割り当てられて撮影画像のある画素とない画素との2通りに分けられているが、これらは各撮影画像の色相または明度により2通りに分けられていてもよい。
【0044】前記各実施例においては、レーザ発振器からワークにスリット光が投射されているが、これに限らず、例えば線状のスポット光が投射されていてもよい。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【出願日】 平成10年7月2日(1998.7.2)
【代理人】 【識別番号】100097755
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 勉
【公開番号】 特開2000−18931(P2000−18931A)
【公開日】 平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願番号】 特願平10−187340