| 【発明の名称】 |
非接触式寸法測定方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】玉石 善一
【氏名】石川 吉彦
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| 【要約】 |
【課題】従来は装置が実際に使用される製鉄所等のような周囲に水,蒸気,種々の煙,塵埃が飛散している劣悪な環境においては誤測定が多く、また反射光を受光する構成においては、測定対象自体からの反射光の悪影響もあった。
【解決手段】中心の位置が予め判明している鋼管3を光ビームで走査する照射部2Sと、鋼管3の存在位置を通過した後の光ビームを受光する受光部2Rと、この受光部2Rによる受光結果から光ビームが遮断された場合の遮断開始位置Ni 及び遮断終了位置Pi を設定値THと比較して検出する比較部27と、この比較部27が検出した遮断開始位置Ni 及び遮断終了位置Pi の内の、鋼管3の中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて鋼管3の外径Dを演算する外径演算部33とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円柱状または円筒状である測定対象物の中心軸と直交する走査面内で光ビームを平行に走査し、光ビームの前記測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて前記測定対象物の走査面上での外径を測定する非接触式寸法測定方法において、前記測定対象物の中心位置が既知である場合に、中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて前記測定対象物の走査面上での外径を測定することを特徴とする非接触式寸法測定方法。 【請求項2】 円柱状または円筒状である測定対象物の中心軸と直交する走査面内で光ビームを平行に走査し、走査された光ビームを走査時と同一経路へ反射させ、反射光の前記測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて前記測定対象物の走査面上での外径を測定する非接触式寸法測定方法であって、前記測定対象物の中心位置及び最小外径が既知である場合に、中心の位置に最も近く、且つ最小外径よりも外側である遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて前記測定対象物の走査面上での外径を測定することを特徴とする非接触式寸法測定方法。 【請求項3】 円柱状または円筒状の測定対象物の中心軸と直交する走査面内で平行に光ビームを走査する走査部と、走査された光ビームを受光する受光部と、該受光部による受光結果から光ビームの前記測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置を検出する検出部と、前記測定対象物の中心の位置が予め与えられており、前記検出部が検出した遮断開始位置及び遮断終了位置の内の前記測定対象物の中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて前記測定対象物の走査面上での外径を演算する演算部とを備えたことを特徴とする非接触式寸法測定装置。 【請求項4】 円柱状または円筒状の測定対象物の中心軸と直交する走査面内で平行に光ビームを走査する走査部と、走査された光ビームを走査時と同一経路へ反射させる反射鏡と、該反射鏡により反射された反射光を受光する受光部と、該受光部による受光結果から反射光の前記測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置を検出する検出部と、前記測定対象物の中心の位置及び最小外径が予め与えられており、前記検出部が検出した遮断開始位置及び遮断終了位置の内の前記測定対象物の中心の位置に最も近く、且つ最小外径よりも外側の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて前記測定対象物の外径を演算する演算部とを備えたことを特徴とする非接触式寸法測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はレーザビーム等の光ビームを使用して非接触で物体の外形寸法、特に円柱状または円筒状の物体の外径を測定する方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】製造ラインから円柱状または円筒状の形状で流れ出てくる物体、たとえば熱間圧延機から出てくる鋼管,鋼塊,線材等の外径を計測することは、品質管理の面から重要である。 【0003】従来、上述のような目的の装置は種々考案されて実用化されているが、基本的には図10,図11に示されているような構成が採られている。図10はそのような装置の側面(測定対象物体を測定方向から見た状態)を、図11は同じく正面(測定対象物体をその移動方向の下流側から見た状態)をそれぞれ示している。 【0004】参照符号1は圧延機を示しており、圧延後の鋼管3を図10の右側へ向けて排出する。参照符号2は鋼管3の外径を測定するための計測装置を示しており、図11に示されているように、鋼管3を挟んでその両側に対向して配置された照射部2Sと受光部2Rとで構成されている。照射部2Sからは光ビーム、たとえばレーザビームが照射されて平行に走査される。走査されたレーザビームは鋼管3が存在する空間を通過し、受光部2Rで受光される。なお、図10及び図11において受光部2Rが配置されている位置に平面の反射鏡を配置しておき、照射部2Sから走査されたレーザビームを走査時と同一経路で照射部2S側へ反射するようにした反射鏡を配置し、照射部2Sに受光部2Rの機能を兼ねさせるようにしてもよい。 【0005】図12は上述の計測装置2の内部構成例を示すブロック図であり、前述の照射部2S内に必須の要素と、受光部2Rに必須の要素と、その他の要素とに分かれている。なお、その他の要素は照射部2S内,受光部2R内のいずれかに纏めて、または分散して、あるいは全く別の位置に纏めて配置することも可能である。 【0006】照射部2Sには、レーザ発振器21と、発振されたレーザビームを走査するポリゴンミラー22と、このポリゴンミラー22を回転させるモータMと、ポリゴンミラー22で走査されたレーザビームを平行光として測定対象である鋼管3の方向へ反射する放物面鏡である反射鏡23とが少なくとも備えられている。なお、ポリゴンミラー22は一般的には6面程度の正多面鏡であり、モータMにより定速回転される。また、受光部2Rには、レーザビームを受光する受光素子26と、照射部2Sから照射されたレーザビームを反射及び集束して受光素子26へ入射させる放物面鏡である反射鏡25とが少なくとも備えられている。 【0007】受光素子26は受光結果を電気信号、たとえば電圧信号に変換して比較部27へ出力する。比較部27には適宜の設定値(閾値)THが予め設定されており、受光素子26から入力された信号値とこの設定値THとを比較する。比較部27による比較結果は、入力信号の値が設定値THより大きい状態(明部、より具体的にはレーザビームが遮断されていない状態)から小さい状態(暗部、より具体的にはレーザビームが遮断されている状態)に変化した場合にそれを立ち下がりエッジとして検出し、パルス状の信号Aとして立ち下がりエッジ記憶部31へ出力し、逆に入力信号の値が設定値THより小さい状態から大きい状態に変化した場合にそれを立ち上がりエッジとして検出し、パルス状の信号Bとして立ち上がりエッジ記憶部32へ出力する。 【0008】両エッジ記憶部31,32には、時間パルス発生器28が発生する一定周波数のカウントパルスをカウンタ29がカウントした結果のカウント値が与えられている。このカウンタ29から与えられているカウント値は、立ち下がりエッジ記憶部31では比較部27から信号Aが与えられた時点においてカウント値N1 として記憶され、立ち上がりエッジ記憶部32では比較部27から信号Bが与えられた時点においてカウント値P1 として記憶される。そして、両エッジ記憶部31,32に記憶されたカウント値N1 , P1 は外径演算部33に与えられる。 【0009】外径演算部33には上述の両エッジ記憶部31,32に記憶されたカウント値N1 ,P1 を使用して測定対象である鋼管3の外径を演算する。 【0010】なお、照射部2Sでは、ポリゴンミラー22の各鏡面に対応して1個のパルス状のリセット信号RSを発生してカウンタ29に与えている。従って、ポリゴンミラー22が定速回転している状態においてはリセット信号RSは一定周期で発生される。 【0011】図13はポリゴンミラー22の一面によるレーザビームの走査において発生する信号の状態を示すタイミングチャートであり、図13(a)は受光素子26による受光量、換言すれば受光素子26から出力される信号の状態を、図13(b) はリセット信号RSの状態を、図13(c) はカウンタ29から出力されるカウント値をそれぞれ示している。なお、図13(a) 及び(b) においては、縦軸は受光レベルを、横軸は時間をそれぞれ表わし、図13(c) においては、縦軸はカウント値を、横軸は時間をそれぞれ表わしている。 【0012】外径演算部33は図13(c) に示されているカウント値N1 及びP1 を得て測定対象である鋼管3の外径を演算する。なお、図13(c) に示されているカウンタ29が発生するカウント値は時間情報である。通常、この時間情報と距離との関係は反射鏡23及び25が放物面鏡であるため必ずしも直線対応はしていない。従って、時間情報であるカウンタ29のカウント値と、照射部2Sから受光部2Rへ照射されるレーザビームの走査方向(レーザビームと直行する方向)の距離との関係は予めキャリブレーションしておく必要がある。 【0013】測定対象である鋼管3の外径Dは下記式にて求められる。 D=X(P1 )−X(N1 ) 但し、X(P1 ):カウント値P1 の距離換算値X(N1 ):カウント値N1 の距離換算値【0014】ところで、上述の図13に示されている信号の状態は理想的な、換言すれば理論上の状態である。これに対して、実際の製鉄所等のような周囲に水,蒸気,種々の煙,塵埃が飛散している劣悪な環境においては受光素子26での受光状態は図14(a) に示されているように、本来はほぼ一定の受光量があるべき部分において水,蒸気,種々の煙,塵埃による遮光のために受光量が低下する。従って、本来は図14(b) に示されている鋼管3によるレーザビームの遮断が開始されて受光素子26での受光量が設定値TH以下に低下した時点のカウント値N4 が立ち下がりエッジ記憶部31に、またその後の鋼管3によるレーザビームの遮断が終了して受光素子26での受光量が設定値TH以上に上昇した時点のカウント値P4 が立ち上がりエッジ記憶部32にそれぞれ記憶されるべきであるにも拘わらず、実際には図14(b)に示されているように、最初に受光素子26での受光量が設定値TH以下に低下した時点のカウント値N1 が立ち下がりエッジ記憶部31に、またその直後に受光素子26での受光量が設定値TH以上に上昇した時点のカウント値P1 が立ち上がりエッジ記憶部32にそれぞれ記憶されることになる。このため、外径演算部33での鋼管3の外径の演算結果は誤った結果が得られてしまう。 【0015】ところで、測定対象である鋼管3に対して受光部2Rを照射部2Sと同一の側に配置し、これらと鋼管3を挟んで対向する位置に反射鏡を配置した場合は、照射部2Sから照射されたレーザビームが測定対象である鋼管3によっても反射される。図14(a) にはそのような場合の鋼管3からの反射光量を破線にて示してある。横軸(時間軸)方向の中央部に凸状に示されている部分がそれである。この鋼管3からの反射光の受光素子26による受光量が設定値THを超えない場合には問題は生じないが、図14(a) に示されているように受光量が設定値THを超える場合には図14(b) に示されているように、立ち下がりエッジN0 及び立ち上がりエッジP0が検出されることになる。 【0016】以上のような、装置が実際に使用される劣悪な環境においては正確な測定が現実的には行ない得ないと言う事情に鑑みて、たとえば実開昭57-199808 号公報には異物による誤測定を防止することを主たる目的とした「光学的非接触寸法測定器」が提案されている。この測定器は、所定の寸法範囲と毎回の計測値とを比較し、外れた場合はその計測値を除去する回路と、所定の回数計測を行なって平均値を測定値とする回路とを備えている。 【0017】また、たとえば特開昭50-60252号公報には、塵埃または温度の影響を受けることなく、常時安定した外径計測を行なうことを主たる目的とした「線材などの外径測定装置」も提案されている。この装置は、平行光線の光源と受光器との間に一定の周期で光路を横切る孔を有する光チョッパを配置し、光チョッパの孔が光路を横切る際に、受光器が被測定線材によって遮光され、入射する光量によって外径を計測する。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】上述の実開昭57-199808 号公報に開示されている装置では、劣悪な環境条件においては平均値を得るために非常に多数回の計測を反復する必要が生じ、また測定精度が格段に低下すると言う問題があった。このため、製鉄所において圧延機から連続的に排出される鋼管の外径をリアルタイムで計測するというような用途には不向きである。 【0019】一方、特開昭50-60252号公報に開示されている装置では、視野を小さくして塵埃,蒸気,水などが視野内に入ることを極力回避しようとしているが、ある程度以上に大きな物体の計測には不向きであり、また視野内に異物が入った場合にはまったく計測が出来なくなると言う問題があった。 【0020】更に、図14(a) に破線にて示されているように、反射光を受光するような構成では、測定対象自体からの反射光による影響も生じる。 【0021】本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、装置が実際に使用される製鉄所等のような周囲に水,蒸気,種々の煙,塵埃が飛散している劣悪な環境においても、特別な回路,装置を用いることなく、短時間で、より望ましくはリアルタイムで正確な測定を行ない得る非接触式寸法測定方法及び装置の提供を目的とする。 【0022】また、反射光を受光する構成においては、測定対象自体からの反射光の影響をも排除し得る非接触式寸法測定方法及び装置の提供を目的とする。 【0023】 【課題を解決するための手段】本発明に係る非接触式寸法測定方法は、円柱状または円筒状である測定対象物の中心軸と直交する走査面内で光ビームを平行に走査し、光ビームの測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の走査面上での外径を測定する非接触式寸法測定方法であって、測定対象物の中心位置が既知である場合に、中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の走査面上での外径を測定することを特徴とする。 【0024】このような本発明の非接触式寸法測定方法では、中心の位置が予め判明している円柱状または円筒状の測定対象物の外径を測定する場合に、測定対象物の中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を測定するため、塵埃等で光ビームが遮断された場合の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を誤測定することは回避される。 【0025】また本発明に係る非接触式寸法測定方法は、円柱状または円筒状である測定対象物の中心軸と直交する走査面内で光ビームを平行に走査し、走査された光ビームを走査時と同一経路へ反射させ、反射光の測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の走査面上での外径を測定する非接触式寸法測定方法であって、測定対象物の中心位置及び最小外径が既知である場合に、中心の位置に最も近く、且つ最小外径よりも外側である遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の走査面上での外径を測定することを特徴とする。 【0026】このような本発明の非接触式寸法測定方法では、中心の位置及び最小外径が予め判明している円柱状または円筒状の測定対象物の外径を測定する場合に、測定対象物の中心の位置に最も近く、且つ最小外径よりも外側の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を測定するため、塵埃等で光ビームが遮断された場合の遮断開始位置及び遮断終了位置は勿論のこと、測定対象物自体による反射光の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を誤測定することは回避される。 【0027】本発明に係る非接触式寸法測定装置は、円柱状または円筒状の測定対象物の中心軸と直交する走査面内で平行に光ビームを走査する走査部と、走査された光ビームを受光する受光部と、この受光部による受光結果から光ビームの測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置を検出する検出部と、測定対象物の中心の位置が予め与えられており、検出部が検出した遮断開始位置及び遮断終了位置の内の測定対象物の中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の走査面上での外径を演算する演算部とを備えたことを特徴とする。 【0028】このような本発明の非接触式寸法測定装置では、中心の位置が予め判明している円柱状または円筒状の測定対象物の外径を測定する場合に、演算部が測定対象物の中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を演算するため、塵埃等で光ビームが遮断された場合の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を誤って演算するような事態は回避される。 【0029】また本発明に係る非接触式寸法測定装置は、円柱状または円筒状の測定対象物の中心軸と直交する走査面内で平行に光ビームを走査する走査部と、走査された光ビームを走査時と同一経路へ反射させる反射鏡と、この反射鏡により反射された反射光を受光する受光部と、この受光部による受光結果から反射光の測定対象物による遮断開始位置及び遮断終了位置を検出する検出部と、測定対象物の中心の位置及び最小外径が予め与えられており、検出部が検出した遮断開始位置及び遮断終了位置の内の測定対象物の中心の位置に最も近く、且つ最小外径よりも外側の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を演算する演算部とを備えたことを特徴とする。 【0030】このような本発明の非接触式寸法測定装置では、中心の位置及び最小外径が予め判明している円柱状または円筒状の測定対象物の外径を測定する場合に、演算部が測定対象物の中心の位置に最も近く、且つ最小外径よりも外側の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を演算するため、塵埃等で光ビームが遮断された場合の遮断開始位置及び遮断終了位置、及び測定対象物自体による反射光の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を誤って演算するような事態は回避される。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。 【0032】図1は本発明に係る非接触式寸法測定装置の第1の実施の形態の内部構成例を示すブロック図であり、前述の図10及び図11に示されている従来の一般的な装置と基本的には同様の構成を有している。 【0033】なお、本発明に係る非接触式寸法測定装置は、前述の図10及び図11に示されている従来の一般的な装置と同様に、測定対象である鋼管3を挟んで照射部2Sと受光部2Rとが対向して配置されている。また、照射部2Sからは光ビーム、たとえばレーザビームが照射されて平行に走査され、鋼管3が存在する空間を通過したレーザビームが受光部2Rで受光されることも従来技術と同様である。更に、受光部2Rが配置されている位置に平面の反射鏡を配置しておき、照射部2Sが配置されている位置に受光部を配置するようにしてもよいことも従来技術と同様である。また更に、本発明の非接触式寸法測定装置の構成要素は照射部2S内に必須の要素と、受光部2Rに必須の要素と、その他の要素とに分かれており、その他の要素は照射部2S内または受光部2Rのいずれかに纏めて、または分散して、あるいは全く別の位置に纏めて配置することが可能であることも従来技術と同様である。 【0034】照射部2Sには、レーザ発振器21と、発振されたレーザビームを走査するポリゴンミラー22と、このポリゴンミラー22を回転させるモータMと、ポリゴンミラー22で走査されたレーザビームを平行光として測定対象である鋼管3の方向へ反射する放物面鏡である反射鏡23とが少なくとも備えられている。なお、ポリゴンミラー22は一般的には6面程度の正多面鏡であり、モータMにより定速回転される。また、受光部2Rには、レーザビームを受光する受光素子26と、照射部2Sから照射されたレーザビームを反射及び集束して受光素子26へ反射させる放物面鏡である反射鏡25とが少なくとも備えられている。 【0035】受光素子26は受光結果を電気信号、たとえば電圧信号に変換して比較部27へ出力する。比較部27には適宜の設定値(閾値)THが予め設定されており、受光素子26から入力された信号値とこの設定値THとを比較する。比較部27による比較結果は、入力信号の値が設定値THより大きい状態(明部、より具体的にはレーザビームが遮断されていない状態)から小さい状態(暗部、より具体的にはレーザビームが遮断されている状態)に変化した場合にそれを立ち下がりエッジとして検出し、パルス状の信号Aとして立ち下がりエッジ記憶部31へ出力し、逆に入力信号の値が設定値THより小さい状態から大きい状態に変化した場合にそれを立ち上がりエッジとして検出し、パルス状の信号Bとして立ち上がりエッジ記憶部32へ出力する。 【0036】立ち下がりエッジ記憶部31には参照符号31-1乃至31-nにて示されているn個の記憶部が、また立ち上がりエッジ記憶部32には参照符号32-1乃至32-nにて示されているn個の記憶部がそれぞれ備えられている。 【0037】両エッジ記憶部31,32には、時間パルス発生器28が発生する一定周波数のカウントパルスをカウンタ29がカウントした結果のカウント値が与えられている。このカウンタ29から与えられているカウント値は、立ち下がりエッジ記憶部31では比較部27から信号Aが与えられる都度、カウント値N1 ,N2 ,N3 …として各記憶部31-1乃至31-nに順次的に記憶され、また立ち上がりエッジ記憶部32では比較部27から信号Bが与えられる都度、カウント値P1 ,P2 ,P3 …として各記憶部32-1乃至32-nに順次的に記憶される。そして、両エッジ記憶部31,32に記憶されたカウント値N1 ,N2 ,N3 …及びP1 ,P2 ,P3 …は外径演算部33に与えられる。 【0038】外径演算部33には上述の両エッジ記憶部31,32に記憶されたカウント値N1 ,N2 ,N3 …及びP1 ,P2 ,P3 …の他に、測定対象である鋼管3の中心位置に対応するカウンタ29のカウント値C(以下、鋼管中心カウント値Cと言う) が予め与えられており、これらの数値を使用して測定対象である鋼管3の外径を演算する。 【0039】なお、照射部2Sでは、ポリゴンミラー22の各鏡面に対応して1個のパルス状のリセット信号RSを発生してカウンタ29に与えている。従って、ポリゴンミラー22が定速回転している状態においてはリセット信号RSは一定周期で発生される。 【0040】図2は本発明の非接触式寸法測定装置においてポリゴンミラー22の一面の走査により発生する信号の状態を示すタイミングチャートであり、図2(a)は受光素子26による受光量、換言すれば受光素子26から出力される信号の状態を、図2(b) ははカウンタ29から出力されるカウント値をそれぞれ示している。なお、図2(a) においては、縦軸は受光レベルを、横軸は時間をそれぞれ表わし、図2(c)においては、縦軸はカウント値を、横軸は時間をそれぞれ表わしている。また、R1,R2はそれぞれリセット信号RSのタイミングを示している。 【0041】ところで、本発明装置が使用される実際の製鉄所等のような周囲に水,蒸気,種々の煙,塵埃が飛散している劣悪な環境においては受光素子26での受光状態は図2(b) に示されているように、本来はほぼ一定の受光量があるべき部分において水,蒸気,種々の煙,塵埃による遮光のために受光量が低下する。従って、本発明装置では図2(b) に示されている受光素子26での受光量が設定値TH以下に低下した時点のすべてのカウント値N1 , N2 , N3 …を立ち下がりエッジ記憶部31の各記憶部31-1乃至31-nに順次的に記憶し、また受光素子26での受光量が設定値TH以上に上昇した時点のすべてのカウント値P1 , P2 , P3 …を立ち上がりエッジ記憶部32の各記憶部32-1乃至32-nに順次的に記憶し、これらの得られたすべてのカウント値に基づいて外径演算部33での鋼管3の外径の演算が行われる。 【0042】なお、図2(b) に示されているカウンタ29が発生するカウント値は時間情報である。通常、この時間情報と距離との関係は反射鏡23及び25が放物面鏡であるため必ずしも直線対応はしていない。従って、時間情報であるカウンタ29のカウント値と、照射部2Sから受光部2Rへ照射されるレーザビームの走査方向(レーザビームと直行する方向)の距離との関係は予めキャリブレーションしておく必要がある。 【0043】図3乃至図5は外径演算部33による鋼管3の外径を演算する際の処理手順、換言すれば本発明の非接触式寸法測定方法の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して説明する。 【0044】まず、外径演算部33は演算に使用すべき立ち下がりエッジNi を選択し (ステップS11)、次に演算に使用すべき立ち上がりエッジPi を選択する (ステップS12)。立ち下がりエッジNi の選択処理の手順は図4のフローチャートに、立ち上がりエッジPi の選択処理の手順は図5のフローチャートにそれぞれ示されている。 【0045】立ち下がりエッジNi の選択は以下の手順で行なわれる。まず、カウンタjを”1"に初期化し (ステップS21)、立ち下がりエッジ記憶部31の各記憶部31-1乃至31-nに記憶されているカウント値N1 , N2 , N3 …の内のカウント値N1 を予め与えられている鋼管中心カウント値Cと比較し (ステップS22)、カウント値N1 が鋼管中心カウント値Cより小である場合は (ステップS22 で"YES" )、カウンタjを”1”インクリメントし (ステップS23)、ステップS22 へ処理を戻す。従って、次はカウント値N2 が鋼管3の鋼管中心カウント値Cと比較される。 【0046】以上のステップS22 とS23 とのループ処理が反復されると、立ち下がりエッジ記憶部31の各記憶部31-1乃至31-nに記憶されているカウント値N1 , N2 , N3…が鋼管中心カウント値Cと順次比較されてゆき、やがて鋼管中心カウント値Cよりも小ではない(等しいか大)カウント値Nj が見つかる (ステップS22 で”NO" )。従って、その直前のカウント値Nj-1 が鋼管中心カウント値Cより小さく、且つ最も大きいカウント値の立ち下がりエッジであることが判るので、それをカウント値Ni として選択する (ステップS24)。図2(b) に示されている例ではN4 が演算に選択された立ち下がりエッジのカウント値になる。 【0047】立ち上がりエッジPi の選択は以下の手順で行なわれる。まず、カウンタjを”1"に初期化し (ステップS31)、立ち上がりエッジ記憶部32の各記憶部32-1乃至32-nに記憶されているカウント値P1 , P2 , P3 …の内のカウント値P1 を鋼管中心カウント値Cと比較し (ステップS32)、カウント値P1 が鋼管中心カウント値Cより小である場合は (ステップS32 で”NO" )、カウンタjを”1”インクリメントし (ステップS33)、ステップS32 へ処理を戻す。次はカウント値P2が鋼管3の鋼管中心カウント値Cと比較される。 【0048】以上のステップS32 とS33 とのループ処理が反復されると、立ち上がりエッジ記憶部32の各記憶部32-1乃至32-nに記憶されているカウント値P1 , P2 , P3…が鋼管中心カウント値Cと順次比較されてゆき、やがて鋼管中心カウント値Cよりも大であるカウント値Pj が見つかる (ステップS32 で”YES")。従って、そのカウント値Pj が鋼管中心カウント値Cより大きく、且つ最も小さいカウント値の立ち上がりエッジであることが判るので、それをカウント値Pi として選択する (ステップS34)。図2(b) に示されている例ではP4 が演算に選択された立ち上がりエッジのカウント値になる。 【0049】以上のようにして演算に使用すべき立ち下がりエッジNi 及び立ち上がりエッジPi が選択されると、外径演算部33は測定対象である鋼管3の外径Dを下記式にて求める (ステップS13)。 D=X(Pi )−X(Ni ) 但し、X(Pi ):カウント値Pi の距離換算値X(Ni ):カウント値Ni の距離換算値【0050】図6は本発明に係る非接触式寸法測定装置の第2の実施の形態の内部構成例を示すブロック図であり、反射光を受光して測定を行なうように構成されている。この第2の実施の形態では、照射部と受光部とが照射・受光部2SR として一体に構成されている。具体的には、照射・受光部2SR の反射鏡23により鋼管3が存在する方向へ照射されたレーザビームが平面鏡である反射鏡RFにより 180度方向へ反射されて照射時と同光路を逆行して再度照射・受光部2SR の反射鏡23に入射し、ポリゴンミラー22からレーザ発振器21へ至る。ただし、この第2の実施の形態では、レーザ発振器21とポリゴンミラー22との間にビームスプリッタ30が配置されており、ポリゴンミラー22からレーザ発振器21へ向かう反射光はビームスプリッタ30により分離されて受光素子26に受光される。 【0051】上述以外の構成は前述の図1に示されている第1の実施の形態と基本的には同様の構成を有しており、異なる点は外径演算部33に鋼管中心カウント値Cの他に鋼管3の最小外径Dmin(以下、鋼管最小外径Dminと言う)が予め与えらており、測定対象の鋼管3の外径を演算する基準となる立ち下がりエッジNi 及び立ち上がりエッジPi の選択処理の手順の際に使用されることである。 【0052】ここで、上述の外径演算部33に予め鋼管最小外径Dminを設定する理由について説明する。図7は本発明の非接触式寸法測定装置の第2の実施の形態においてレーザビームの一回、換言すればポリゴンミラー22の一面の走査により発生する信号の状態を示すタイミングチャートであり、図7(a)は受光素子26による受光量、換言すれば受光素子26から出力される信号の状態を、図7(b) ははカウンタ29から出力されるカウント値をそれぞれ示している。なお、図7(a) においては、縦軸は受光レベルを、横軸は時間をそれぞれ表わし、図7(c) においては、縦軸はカウント値を、横軸は時間をそれぞれ表わしている。また、R1,R2はそれぞれリセット信号RSのタイミングを示している。 【0053】この第2の実施の形態では第1の実施の形態とは異なり、鋼管3からの反射光も受光素子26により受光されるため、図7(b) に示されているようにその立ち上がりエッジP0 及び立ち下がりエッジN0 が鋼管3の外径の範囲内において検出される。従って、それらを排除する必要があるが、そのために上述の鋼管最小外径Dminが使用される。 【0054】ここで、図7(b) に示されている”C−K”及び”C+K”を下記式により定める。 X(C)−X(C−K)=Dmin/2−dX(C+K)−X(C)=Dmin/2−d但し、X(C):鋼管中心カウント値Cの距離換算値X(C−K):カウント値C−Kの距離換算値X(C+K):カウント値C+Kの距離換算値Dmin:鋼管最小外径d:予め設定された定数【0055】従って、図7(b) に示されているように、カウント値C−Kは鋼管3の両外側の内のカウント値が小さい方の位置と鋼管中心カウント値Cとのほぼ中間の位置に、カウント値C+Kは鋼管3の両外側の内のカウント値が大きい方の位置と鋼管中心カウント値Cとのほぼ中間の位置になる。このようなカウント値C−K及びC+Kを使用することにより、第2の実施の形態では鋼管3自体からの反射光の影響を排除することを可能とする。 【0056】以下にこの第2の実施の形態の外径演算部33による演算手順を説明するが、全体の手順は図3に示されているフローチャートと同様であり、立ち下がりエッジNi の選択 (ステップS11)、及び立ち上がりエッジPi の選択 (ステップS12)の処理手順が異なる。 【0057】図8及び図9は第2の実施の形態の外径演算部33による鋼管3の外径を演算するために必要な立ち下がりエッジNi の選択 (ステップS11)、及び立ち上がりエッジPi の選択 (ステップS12)の処理手順を示すフローチャートである。 【0058】立ち下がりエッジNi の選択は以下の手順で行なわれる。まず、カウンタjを”1"に初期化し (ステップS41)、立ち下がりエッジ記憶部31の各記憶部31-1乃至31-nに記憶されているカウント値N1 , N2 , N3 …の内のカウント値N1 をカウント値C−Kと比較し (ステップS42)、カウント値N1 がカウント値C−Kより小である場合は (ステップS42 で"YES" )、カウンタjを”1”インクリメントし (ステップS43)、ステップS42 へ処理を戻す。従って、次はカウント値N2がカウント値C−Kと比較される。 【0059】以上のステップS42 とS43 とのループ処理が反復されると、立ち下がりエッジ記憶部31の各記憶部31-1乃至31-nに記憶されているカウント値N1 , N2 , N3…がカウント値C−Kと順次比較されてゆき、やがてカウント値C−Kよりも小ではない(等しいか大)カウント値Nj が見つかる (ステップS42 で”NO" )。従って、その直前のカウント値Nj-1 がカウント値C−Kより小さく、且つ最も大きいカウント値の立ち下がりエッジであることが判るので、それをカウント値Ni として選択する (ステップS44)。図7(b) に示されている例ではN4 が演算に選択された立ち下がりエッジのカウント値になる。 【0060】立ち上がりエッジPi の選択は以下の手順で行なわれる。まず、カウンタjを”1"に初期化し (ステップS51)、立ち上がりエッジ記憶部32の各記憶部32-1乃至32-nに記憶されているカウント値P1 , P2 , P3 …の内のカウント値P1 をカウント値C+Kと比較し (ステップS52)、カウント値P1 がカウント値C+Kより小である場合は (ステップS52 で”NO" )、カウンタjを”1”インクリメントし (ステップS53)、ステップS52 へ処理を戻す。次はカウント値P2 がカウント値C+kと比較される。 【0061】以上のステップS52 とS53 とのループ処理が反復されると、立ち上がりエッジ記憶部32の各記憶部32-1乃至32-nに記憶されているカウント値P1 , P2 , P3…がカウント値C+Kと順次比較されてゆき、やがてカウント値C+Kよりも大であるカウント値Pj が見つかる (ステップS52 で”YES")。従って、そのカウント値Pj がカウント値C+Kより大きく、且つ最も小さいカウント値の立ち上がりエッジであることが判るので、それをカウント値Pi として選択する (ステップS54)。図7(b) に示されている例ではP4 が演算に選択された立ち上がりエッジのカウント値になる。 【0062】以上のようにして演算に使用すべき立ち下がりエッジNi 及び立ち上がりエッジPi が選択されると、外径演算部33は測定対象である鋼管3の外径Dを前述の第1の実施の形態の場合と同様にステップS13 において求める。 【0063】 【発明の効果】以上に詳述したように本発明の非接触式寸法測定方法及び装置によれば中心の位置が予め判明している測定対象物の外径を測定する場合に、測定対象物の中心の位置に最も近い遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を測定するため、塵埃等で光ビームが遮断された場合の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を誤測定することは回避される。このため、装置が実際に使用される製鉄所等のような周囲に水,蒸気,種々の煙,塵埃が飛散している劣悪な環境においても、特別な回路,装置を用いることなく、短時間で正確な測定を行なうことが可能になる。 【0064】また本発明の非接触式寸法測定方法及び装置によれば、中心の位置及び最小外径が予め判明している測定対象物の外径を測定する場合に、測定対象物の中心の位置に最も近く、且つ最小外径よりも外側の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を測定するため、塵埃等で光ビームが遮断された場合の遮断開始位置及び遮断終了位置、及び測定対象物自体による反射光の遮断開始位置及び遮断終了位置に基づいて測定対象物の外径を誤測定することは回避される。このため、装置が実際に使用される製鉄所等のような周囲に水,蒸気,種々の煙,塵埃が飛散している劣悪な環境においても、特別な回路,装置を用いることなく、短時間で正確な測定を行なうことが可能になると共に、測定対象自体からの反射光の影響をも排除し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002118 【氏名又は名称】住友金属工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月2日(1998.7.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078868 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 登夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−18924(P2000−18924A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−187961 |
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