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【発明の名称】 厚み欠陥検査装置及びその検査方法
【発明者】 【氏名】前之園 克美

【氏名】板垣 忠司

【要約】 【課題】透明な被検査物の厚みの均一性についての欠陥を容易かつ確実に検査することができる厚み欠陥検査装置及びその検査方法を提供する。

【解決手段】エリアセンサ2のフォーカス位置を基準パターン1とし、透明フィルム3を通してその基準パターン1を撮像し、透明フィルム3の厚みの変化に応じた撮像パターンの歪みの度合をパターンマッチングによって検出する。また、光源4の配置箇所は、透明フィルム3からの反射光がエリアセンサ2に取込まれない位置とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基準パターンと、前記基準パターンを透明な被検査物を通して撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された撮像パターンの変形量に基づいて、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を行う欠陥検査手段とを具備することを特徴とする厚み欠陥検査装置。
【請求項2】 前記基準パターンの背面側に光源を配置し、この光源からの照射光を前記基準パターン及び前記透明な被検査物を通して前記撮像手段側に進行させることを特徴とする請求項1記載の厚み欠陥検査装置。
【請求項3】 前記基準パターンと前記透明な被検査物との間に光源を配置し、前記基準パターンからの反射光を前記透明な被検査物を通して前記撮像手段側に進行させることを特徴とする請求項1記載の厚み欠陥検査装置。
【請求項4】 前記基準パターンは二次元的に行列配置された格子模様であり、前記撮像手段はエリアセンサであることを特徴とする請求項1記載の厚み欠陥検査装置。
【請求項5】 前記基準パターンは前記撮像手段の走査方向に対して直交する1列配置された格子模様であり、前記撮像手段はラインセンサであることを特徴とする請求項1記載の厚み欠陥検査装置。
【請求項6】 前記基準パターンは図形であり、前記変形量はパターンマッチングにより検出されることを特徴とする請求項1記載の厚み欠陥検査装置。
【請求項7】 前記欠陥検査手段は、前記撮像手段によって撮像された撮像パターンを面積の等しい複数の検出エリアに区分するとともに、これら区分された各検出エリアにおける輝度情報を積算する輝度情報積算部と、前記輝度情報積算部により積算された複数の検出エリア相互の積算輝度情報を順次減算する輝度情報減算部と、前記輝度情報減算部によって減算された減算結果に基づき、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥を検出する欠陥検出部とを具備していることを特徴とする請求項4記載の厚み欠陥検査装置。
【請求項8】 基準パターンを透明な被検査物を通して撮像し、撮像された撮像パターンの変形量に基づいて、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を行うことを特徴とする厚み欠陥検査方法。
【請求項9】 前記基準パターンを二次元的に等間隔に行列配置された格子模様とし、前記撮像手段によって撮像された撮像パターンを面積の等しい複数の検出エリアに区分するとともに、これら区分された各検出エリアにおける輝度情報を積算し、積算された複数の検出エリア相互の積算輝度情報を順次減算して、その減算結果に基づき、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥を検出することを特徴とする請求項8記載の厚み欠陥検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば透明なフィルム等の被検査物の厚みが均一性を欠くような場合を欠陥として検出する厚み欠陥検査装置及びその検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シート状のフィルム等の被検査物は、異物、孔、汚れ等の欠陥を検査することで、製品の良否が判定されている。この場合、被検査物に光源からの光を照射させつつ、被検査物を一定の速度で送りながら、エリアセンサやラインセンサ等によって被検査物を撮像し、この撮像情報を画像処理して異物、孔、汚れ等の欠陥を検査している。
【0003】ちなみに、上記のシート状のフィルム等の被検査物の良否を検査する装置に関連する技術として、例えば特公平7−99355号公報に示される検査装置が知られている。これは、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタ等の斑を検査するものであって、センサによって得られた被検査物の輝度情報から斑を強調させる演算処理を行い、この強調した輝度情報の変化量に応じて斑を検査するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先行技術に示される検査方法により、シート状のフィルム等の被検査物の厚みの良否を検査する場合、半透明なものにあっては、センサによって撮像された輝度情報の輝度の変化から被検査物の厚みの良否を検査することは可能である。この場合、被検査物に背面から光を当てることにより、厚みに応じて光の透過率が異なるため、その透過率の変化に応じて被検査物の厚みの良否を検査することができる。
【0005】ところが、透明な被検査物の厚みの良否を検査する場合、仮に被検査物に背面から光を当てたとしても、厚みに応じた光の透過率の変化が極めて小さいために、センサによって撮像された輝度情報の輝度の変化が小さくなり、被検査物の厚みの均一性の良否を検査することは不可能となっている。
【0006】ちなみに、透明な被検査物に対し斜め方向から光を当てて被検査物の厚みを検査することはある程度可能ではあるが、被検査物の送り時に被検査物にバタ付き等が生じるため、厚みに応じた光の反射率の変化が被検査物のバタ付きによる影響を受けてしまうという問題があった。
【0007】また、被検査物に対して照射した反射光を目視により確認する方法もあるが、これは熟練を要するばかりか、見落しをも生じるため、被検査物の厚みの欠陥を確実に検査することは不可能となっている。
【0008】この発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたもので、透明な被検査物の厚みの均一性についての欠陥を容易かつ確実に検査することができる厚み欠陥検査装置及びその検査方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明の厚み欠陥検査装置は、基準パターンと、前記基準パターンを透明な被検査物を通して撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された撮像パターンの変形量に基づいて、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を行う欠陥検査手段とを具備することを特徴としている。
【0010】ここで、透明な被検査物としては、例えばフィルムやガラス板等のように、光を透過する平面状の透明体である。また、基準パターンと透明な被検査物との間隔は、特に限定されるものではないが、基準パターンと透明な被検査物との間隔によって、被検査物の画像情報に生じる被検査物の厚みの変化(非均一性)に応じた歪みの度合が変化するため、例えばセンサと基準パターンとの間隔をLとしたとき、基準パターンと透明な被検査物との間隔を1/3・Lとすることが好ましい。
【0011】このような構成では、撮像手段(センサ)のフォーカス位置を基準パターンとし、透明な被検査物を通してその基準パターンを撮像すると、被検査物の厚みの変化に応じて撮像パターンに歪みが生じるため、その変形量(歪み)の程度を検出することにより、被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を行うことができる。この変形量(歪み)の程度は、基準パターン上に設けられた線の変形、変位、あるいはこれらに伴う基準パターン上の所定領域の面積変化などを検出することにより検出できる。また、パターンについて相関などのパターンマッチングなどを適用することもできる。なお、帯状の透明な被検査物の厚みの欠陥検査を行う場合にあっては、その被検査物を所定の速度で一方向に送ることにより、順次被検査物の先端から後端にかけて効率よく厚みの欠陥検査を行うことができる。
【0012】また、本発明に係る厚み欠陥検査装置は、前記基準パターンの背面側に光源を配置し、この光源からの照射光を前記基準パターン及び前記透明な被検査物を通して前記撮像手段(センサ)側に進行させることを特徴としている。ここで、光源としては、可視光線を発するものであればよく、例えば蛍光灯や白熱電球等を用いることができる。
【0013】このような構成では、基準パターンの背面側に光源を配置することで、センサにより、基準パターン及び透明な被検査物を通過した光を取込むことができ、透明な被検査物の厚みの欠陥検査を確実に行うことができる。この理由は、透明な被検査物からの反射光が取込まれないので、例えば帯状の被検査物を所定の速度で一方向に送りつつ厚みの欠陥検査を行うに際して、その被検査物の送り時のバタ付きよる影響を受けないためである。
【0014】また、本発明に係る厚み欠陥検査装置は、前記基準パターンと前記透明な被検査物との間に光源を配置し、前記基準パターンからの反射光を前記透明な被検査物を通して前記撮像手段側に進行させることを特徴としている。
【0015】このような構成では、上記と同様に、撮像手段には透明な被検査物の反射光が取込まれないので、被検査物の送り時によるバタ付きよる影響を受けず、透明な被検査物の厚みの欠陥検査を確実に行うことができる。
【0016】また、本発明に係る厚み欠陥検査装置において、前記基準パターンは二次元的に等間隔に行列配置された格子模様であり、前記撮像手段はエリアセンサであることを特徴としている。
【0017】ここで、基準パターンの各格子模様の寸法を小さくすることで、微細な被検査物の厚みの変化を検査することは可能であるが、その寸法を小さくしすぎると、パターンマッチングに要する時間が長引くため、例えばセンサの分解能を0.1〜0.5mmとしたとき、5×5mm程度が好ましい。
【0018】このような構成では、撮像手段をエリアセンサとすることで、撮像範囲を広くすることができるため、透明な被検査物を通しての基準パターンの取込み時間を短くすることができるとともに、基準パターンを撮像した撮像パターンの格子模様のエッジ部分の歪みによって被検査物の厚みの変化をとらえることができる。
【0019】また、本発明に係る厚み欠陥検査装置において、前記基準パターンは前記撮像手段の走査方向に対して直交する1列配置された格子模様であり、前記撮像手段はラインセンサであることを特徴としている。
【0020】このような構成では、撮像手段をラインセンサとすることで、基準パターンを撮像した撮像パターンにおける検出エリアの幅をラインセンサの視野に応じて変えることができるとともに、撮像パターンの格子模様の歪みによって被検査物の厚みの変化をとらえることができる。
【0021】また、本発明に係る厚み欠陥検査装置において、前記基準パターンは図形であり、前記変形量はパターンマッチングにより検出されることを特徴としている。ここで、図形は、幾何学模様であったり、人物の顔や絵等を用いることができる。
【0022】このような構成では、図形である基準パターンを撮像した撮像パターンに被検査物の厚みの変化に応じた歪みが生じるため、上記同様に、透明な被検査物の厚みの欠陥検査を確実に行うことができる。
【0023】また、本発明に係る厚み欠陥検査装置の欠陥検査手段において、前記欠陥検査手段は、前記撮像手段によって撮像された等間隔に配列された格子状の撮像パターンを面積の等しい複数の検出エリアに区分するとともに、これら区分された各検出エリアにおける輝度情報を積算する輝度情報積算部と、前記輝度情報積算部により積算された複数の検出エリア相互の積算輝度情報を順次減算する輝度情報減算部と、前記輝度情報減算部によって減算された減算結果に基づき、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥を検出する欠陥検出部とを具備していることを特徴としている。
【0024】ここで、輝度情報積算部は、画像上で面積の大きさが等しく区画された複数の検出エリアの輝度情報を積分処理によって求めることができる。また、検出エリアの面積(大きさ)は任意であるが、被検査物の厚みの均一性欠陥の検出精度を上げる場合には、その検出エリアを小さくすることが好ましい。輝度情報減算部は、輝度情報積算部によって積算された各検出エリアの輝度情報を順次減算して微分処理することにより、変形量の大きさを検出することができる。この微分処理を施すことで、被検査物の厚みの欠陥の度合が極めて小さい場合であっても、確実にその欠陥を検出することができる。さらに、被検査物の厚みの均一性についての欠陥を検出する欠陥検出部は、変形量の許容範囲を示すしきい値を有し、このしきい値を輝度情報減算部の減算結果と比較する。このしきい値は、それぞれ製品の良否を判定する許容範囲に応じて変更可能である。
【0025】このような構成では、撮像手段によって撮像された撮像パターンから輝度情報積算部が1検出エリア毎の輝度情報を積分して求める。そして輝度情報減算部がそれぞれ隣合う各検出エリア毎に、輝度情報の減算処理による微分処理を行うと、欠陥検出部がその微分処理によって得られた値としきい値とを比較し、微分処理結果がしきい値を越える場合に厚み欠陥(均一性についての欠陥)を判断し、透明な被検査物の厚み欠陥検出(非均一性検出)を行う。これにより、自動的な欠陥検出が可能となることから、従来のような目視検査による熟練を必要としないばかりか、欠陥の見落し等も防止することができる。
【0026】また、本発明に係る厚み欠陥検査方法は、基準パターンを透明な被検査物を通して撮像し、撮像された撮像パターンの変形量に基づいて、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を行うことを特徴としている。
【0027】このような検査方法では、撮像手段(センサ)のフォーカス位置を基準パターンとし、透明な被検査物を通してその基準パターンを撮像するとともに、透明な被検査物の厚みの変化に応じた撮像パターンの歪みの度合を撮像パターンの変形量を検出することにより、被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を行うことができる。
【0028】また、本発明に係る厚み欠陥検査方法は、前記基準パターンを二次元的に等間隔に行列配置された格子模様とし、前記撮像手段によって撮像された撮像パターンを面積の等しい複数の検出エリアに区分するとともに、これら区分された各検出エリアにおける輝度情報を積算し、積算された複数の検出エリア相互の積算輝度情報を順次減算して、その減算結果に基づき、前記被検査物の厚みの均一性についての欠陥を検出することを特徴としている。
【0029】このような検査方法では、上述したように、自動的な欠陥検出が可能となることから、従来のような目視検査による熟練を必要とせず、被検査物の厚みの欠陥を確実に検査することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の厚み欠陥検査装置の一実施の形態を示す図、図2は、基準パターンの一例を示す平面図、図3は、欠陥検査手段を示すブロック図、図4は、図1の厚み欠陥検査装置による厚み欠陥の検査方法を示すフローチャートである。
【0031】図1に示す厚み欠陥検査装置は、基準パターン1とエリアセンサ2とを備え、これら基準パターン1とエリアセンサ2との間を一定の速度で送られる透明な被検査物としての透明フィルム3の厚みの欠陥検査を行う構成となっている。
【0032】エリアセンサ2のフォーカスは、基準パターン1に合わせられている。基準パターン1の背面側には、光源4が配置されており、光源4からの透過光が基準パターン1及び透明フィルム3を経てエリアセンサ2側に進行するようになっている。これにより、エリアセンサ2には、透明フィルム3からの反射光が取込まれないようになっている。
【0033】ここで、基準パターン1と透明フィルム3との間隔は、特に限定されるものではないが、基準パターン1とエリアセンサ2との間隔をLとしたとき、1/3・Lとすることが望ましい。これは、適切な歪みの度合を得るための間隔であり、基準パターン1と透明フィルム3との間隔を1/3・Lより小さくすると、後述する撮像パターン1aにおいて、透明フィルム3の厚みの変化に応じた歪みの度合が大きくなり、逆にその間隔を1/3・Lより大きくすると、透明フィルム3の厚みの変化に応じた歪みの度合が小さくなるためである。
【0034】基準パターン1は、図2に示すように、二次元的に等間隔に行列配置された格子模様とされている。また、各格子模様の斜線部Aと白抜き部Bにおけるそれぞれの寸法は、特に限定されるものではないが、例えば5×5mmとすることでエリアセンサ2における分解能に応じた後述の撮像パターン1aが得られる。
【0035】ここで、透明フィルム3の厚みの許容範囲は、透明フィルム3の厚みを1mmとしたとき、本実施の形態では、±10%としている。この範囲を超えた箇所に対しては厚み欠陥として検出されるが、その詳細は後述する。また、同図における撮像パターン1aにおいて、波線a,bで示すものは、透明フィルム3の厚みの変化に応じた歪み(変形)を示すものである。この歪みは、透明フィルム3の厚みの変化に応じた光の屈折率の相違によってもたらされるものであって、特に撮像パターン1aの斜線部Aや白抜き部Bのエッジ部分に生じ易いものである。また、波線aは水平方向の歪みを示し、波線bは垂直方向の歪みをそれぞれ示している。
【0036】さらに、上記のエリアセンサ2における分解能にあっては、特に限定されるものではないが、各格子模様の斜線部A及び白抜き部Bを1検出エリアとしたとき、0.1〜0.5mmとすることが望ましい。
【0037】エリアセンサ2によって撮像された撮像パターン1aに基づいて厚み欠陥検査を行う欠陥検査手段は、図3に示すように、輝度情報積算部5a、輝度情報減算部5b、欠陥検出部5cとを備えて構成されている。
【0038】輝度情報積算部5aは、図2の撮像パターン1aを面積が等しい複数の検出エリアに区画し、これら複数の検出エリア毎に輝度情報を積分する。すなわち、上記の基準パターン1の格子模様の斜線部Aと白抜き部Bに相当する(x1,y1+y2)を1検出エリアとしたとき、それぞれの検出エリア毎に輝度情報を積分して積分値Σ11,Σ21,Σ31,Σ41・・・Σmnを求める。
【0039】輝度情報減算部5bは、輝度情報積算部5aにより、各検出エリアで積分された輝度情報を順次減算し、減算値である(Σ11−Σ21),(Σ21−Σ31),(Σ31−Σ41)・・・(Σm-1,n-1 −Σmn)を求める微分処理を行うものである。なお、積分、微分処理により、透明フィルム3の厚みの欠陥の度合が極めて小さい場合であっても、確実にその欠陥を検出することができる。
【0040】欠陥検出部5cは輝度情報減算部5bによって求められた減算値(微分処理結果)より、変形量の大きさが所定値(しきい値)より大きいか否かを判定し、透明フィルム3の厚みの均一性(厚みが均一にできているか否か)についての欠陥検出を行うものである。すなわち、輝度情報減算部5bによって求められた値(厚さの変化比率に対応する)の絶対値がしきい値(変化比率において±10%)以下であれば、透明フィルム3の厚みが許容範囲内であると判定され、その誤差が±10%を超えている場合には、透明フィルム3の厚みが許容範囲外、すなわちNGと判定される。
【0041】続いて、以上のような構成の厚み欠陥検査装置による透明フィルム3の厚み欠陥検出方法を、図4を用いて説明する。
【0042】まず、透明フィルム3を通してエリアセンサ2により、基準パターン1を撮像し、図2に示した撮像パターン1aを得た後、各検出エリアの輝度情報を積分によって求める(ステップ401)。すなわち、上述したように、基準パターン1の格子模様の斜線部Aと白抜き部Bに相当する(x1,y1+y2)を1つの検出エリアとしたとき、それぞれの検出エリアを積分して積分値Σ11,Σ21,Σ31,Σ41・・・Σmnを求める。
【0043】次いで、隣合う各検出エリア毎に、(Σ11−Σ21),(Σ21−Σ31),(Σ31−Σ41)・・・(Σm-1,n-1 −Σmn)とした減算処理を行い、微分値を求める(ステップ402)。次に、その求めた微分値(減算値)の絶対値と、しきい値とを比較し、透明フィルム3の厚み欠陥検出を行う(ステップ403)。
【0044】ここで、(ステップ402)で求めた微分値の絶対値がしきい値より小さい場合は、透明フィルム3の厚みが許容範囲(例えば厚さの変化比率が±10%)内であると判定され、そのしきい値を超えている場合には、透明フィルム3の厚みが許容範囲外、すなわちNGと判定される。
【0045】図5は、図1のエリアセンサ2をラインセンサ2Aに変えた場合の他の実施の形態を示す図である。
【0046】同図に示す基準パターン1Aは、斜線部Aと白抜き部Bを縦に交互に配列した格子模様となっている。各格子模様の斜線部Aと白抜き部Bにおけるそれぞれの寸法は、特に限定されるものではないが、上記同様に、例えば5×5mmとされている。
【0047】また、透明フィルム3を通しラインセンサ2Aによって撮像された撮像パターン1bは、同図に示すように、ストライプ状のパターンとなる。同図における撮像パターン1bにおいて、波線aで示すものは、透明フィルム3の厚みの変化に応じた歪みを示すものである。この歪みは、上述したように、透明フィルム3の厚みの変化に応じた光の屈折率の相違によってもたらされるものであり、波線aは水平方向の歪みを示している。
【0048】そして、ラインセンサ2Aによって撮像された撮像パターン1bに基づき、図3に示した輝度情報積算部5a、輝度情報減算部5b、欠陥検出部5cとを備えて構成される欠陥検査手段5により、透明フィルム3の厚みの欠陥検査が行われる。
【0049】すなわち、ラインセンサ2Aにより透明フィルム3を通した基準パターン1Aの撮像パターン1bを得た後、各検出エリアの輝度情報を積分によって求める。ここでは、撮像パターン1bにおける各検出エリアを設定するために、例えばラインセンサ2Aのスキャンレートによって走査幅Vを設定している。そして、上述したように、基準パターン1Aの格子模様の斜線部Aと白抜き部Bに相当する(x1,y1+y2)を1つの検出エリアとし、それぞれの検出エリアを積分して積分値Σ11,Σ21,Σ31,Σ41・・・Σmnを求める。
【0050】次いで、隣合う各検出エリア毎に、(Σ11−Σ21),(Σ21−Σ31),(Σ31−Σ41)・・・(Σm-1,n-1 −Σmn)とした減算処理を行い、その減算値としきい値とを比較することで、透明フィルム3の厚み欠陥の検出が行われる。
【0051】すなわち、微分処理された値がしきい値以下であれば、上述したように、透明フィルム3の厚みが許容範囲内であると判定され、その値がしきい値を超えている場合には、透明フィルム3の厚みが許容範囲外、すなわちNGと判定される。なお、しきい値は、例えば厚さの不均一性が±10%となる値に設定されている。
【0052】このように、以上の各実施の形態では、エリアセンサ2及びラインセンサ2Aのフォーカス位置を基準パターン1,1Aとし、透明な被検査物である透明フィルム3を通してその基準パターン1,1Aを撮像するとともに、透明フィルム3の厚みの変化に応じた撮像パターンの歪みの度合を撮像パターンの変形によって検出するようにしたので、透明フィルム3の厚みの欠陥検査を容易かつ確実に行うことができる。
【0053】また、光源4の配置箇所を、基準パターン1,1Aの背面側あるいは基準パターン1,1Aと透明フィルム3との間とし、エリアセンサ2及びラインセンサ2Aには透明フィルム3からの反射光が取込まれないようにしたので、透明フィルム3の送り時のバタ付きよる影響を受けず、透明フィルム3の厚みの欠陥検査を確実に行うことができる。
【0054】なお、図1に示した厚み欠陥検査装置においては、光源4を基準パターン1の背面側に配置した場合について説明したが、この例に限らず、例えば図6に示すように、透明フィルム3の背面側でかつ基準パターン1の表面を照射する位置に配置してもよい。
【0055】この場合も、上記同様に、エリアセンサ2及びラインセンサ2Aには透明フィルム3からの反射光が取込まれないので、透明フィルム3の送り時のバタ付きよる影響を受けず、透明フィルム3の厚みの欠陥検査を確実に行うことができる。
【0056】また、以上の各実施の形態の説明から明らかなように、透明フィルム3の厚みに変化が生じた場合には、図2及び図5で説明した撮像パターン1a,1bに歪みが生じることから、上述した格子模様に限らず、例えば図7に示すような幾何学模様の基準パターン1Bを用いることができる。さらには、このような幾何学模様の基準パターン1Bに限らず、人物の顔や絵等の図形による他の基準パターンを用い、相関などによる、そのパターンと画像パターンとのパターンマッチングにより、厚さの均一性についての検査を行うことも可能である。
【0057】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の厚み欠陥検査装置によれば、センサのフォーカス位置を基準パターンとし、透明な被検査物を通してその基準パターンを撮像すると、透明な被検査物の厚みの変化に応じて撮像パターンに歪みが生じるため、パターンマッチングによってその歪みの度合を検出することにより、被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を容易かつ確実に行うことができる。
【0058】また、本発明の厚み欠陥検査方法によれば、センサのフォーカス位置を基準パターンとし、透明な被検査物を通してその基準パターンを撮像するとともに、透明な被検査物の厚みの変化に応じた撮像パターンの歪みの度合を検出することにより、被検査物の厚みの均一性についての欠陥検査を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000221018
【氏名又は名称】東芝エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成10年7月2日(1998.7.2)
【代理人】 【識別番号】100061697
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 元 (外3名)
【公開番号】 特開2000−18922(P2000−18922A)
【公開日】 平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願番号】 特願平10−187479