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【発明の名称】 画像認識による計測方法および計測装置および記録媒体
【発明者】 【氏名】四方 博実

【氏名】大庭 力之典

【要約】 【課題】撮像系から得られた入力画像の焦点ボケを自動的に検知することができる画像認識による計測方法を提供する。

【解決手段】一般に、レンズが焦点位置ズレを起こし、CCDエリア上の結像が焦点ズレを起こすと、焦点があっているときの結像(B0→A0)より、サイズが大きくなる(B1→A1)か、或は小さくなる(B2→A2)。また、対象物の輪郭が鈍る。即ち焦点ボケの入力画像は、対象物の輪郭が膨張するか収縮し、対象物と背景の境界近傍で濃度分布は(b)のように鋭いエッジ状をなしていたものが、(c)の実線のように鈍ったエッジ状になる。そこで基準マークのように予め決まったサイズの特定パターンをパターン画像として登録してある場合、基準とするパターン画像に対して、輪郭の膨張/収縮、並びに、対象物と背景の境界エッジのシャープネスを判定し、焦点ボケの検知を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パターンの基準画像に対して、入力画像の検出対象物のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを画像認識で判定し、焦点ボケを検知することを特徴とする画像認識による計測方法。
【請求項2】 前記パターンの基準画像に対して、さらに前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることを画像認識で判定し、焦点ボケを検知することを特徴とする請求項1に記載の画像認識による計測方法。
【請求項3】 前記入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いは、入力画像のパターンに対して境界パターンで縦方向、横方向でパターンマッチングを行って、パターンの境界を検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像認識による計測方法。
【請求項4】 前記入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いは、入力画像のパターンに対してコーナパターンでパターンマッチングを行って、パターンのコーナを検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像認識による計測方法。
【請求項5】 前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることは、入力画像のパターンの境界に対して境界パターンで縦方向、横方向で正規化相関法パターンマッチングを行って、パターンの境界近傍において生じる正規化相関係数の極大値まわりのパルス幅を測定することによって判定することを特徴とする請求項2又は3又は4に記載の画像認識による計測方法。
【請求項6】 前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることは、入力画像のパターンの近傍で、微分法を用いて勾配を求めることによって判定することを特徴とする請求項2又は3又は4に記載の画像認識による計測方法。
【請求項7】 前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることは、入力画像のパターンの近傍で、対象物の閾値と背景の閾値から、対象物と背景の間の中間濃度のベルト領域の幅を求ることによって判定することを特徴とする請求項2又は3又は4に記載の画像認識による計測方法。
【請求項8】 入力画像をもとに、位置決め、検出、計測、検査を行う時点で、前記入力画像の焦点ボケを同時にモニタリングして自動検出し、リアルタイムで焦点ボケ異常の警告を発することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載の画像認識による計測方法。
【請求項9】 パターンの基準画像に対して、入力画像の検出対象物のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを画像認識で判定する第1の判定部を備え、焦点ボケを検知することを特徴とする画像認識による計測装置。
【請求項10】 前記パターンの基準画像に対して、さらに前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることを画像認識で判定する第2の判定部を備え、焦点ボケを検知することを特徴とする請求項1に記載の画像認識による計測装置。
【請求項11】 前記第1の判定部は、前記入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを、入力画像のパターンに対して境界パターンで縦方向、横方向でパターンマッチングを行って、パターンの境界を検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像認識による計測装置。
【請求項12】 前記第1の判定部は、前記入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを、入力画像のパターンに対してコーナ部の対パターンでパターンマッチングを行って、パターンのコーナを検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像認識による計測装置。
【請求項13】 前記第2の判定部は、入力画像のパターンの境界に対して境界パターンで縦方向、横方向で正規化相関法パターンマッチングを行って、パターンの境界近傍において生じる正規化相関係数の極大値まわりのパルス幅を測定することを特徴とする請求項2又は3又は4に記載の画像認識による計測装置。
【請求項14】 前記第2の判定部は、入力画像のパターンの近傍で、微分法を用いて勾配を求めることを特徴とする請求項2又は3又は4に記載の画像認識による計測装置。
【請求項15】 前記第2の判定部は、入力画像のパターンの近傍で、対象物の閾値と背景の閾値から、対象物と背景の間の中間濃度のベルト領域の幅を求ることを特徴とする請求項2又は3又は4に記載の画像認識による計測装置。
【請求項16】 入力画像をもとに、位置決め、検出、計測、検査を行う時点で、前記入力画像の焦点ボケを同時にモニタリングして自動検出し、リアルタイムで焦点ボケ異常の警告を発することを特徴とする請求項9又は10又は11又は12又は13又は14又は15に記載の画像認識による計測装置。
【請求項17】 請求項1から請求項8のうちいずれかに記載の画像認識による計測方法を、コンピュターに実行させるプログラムを、記録したことを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板上のランド、はんだを認識、計測、検査したり、上記ランドのパターンをCADデータとして登録したり、プリント基板上の基準マークを認識してプリント基板を位置決めしたりする画像認識による計測技術に係り、特に画像処理装置の焦点ボケを自動的に検知して焦点調整のワーニングを出す画像認識による計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント基板に電子部品を実装するラインにおいては、基板の位置決め、クリームはんだ印刷検査、部品実装の検査、外観検査等に、画像処理による計測装置が多用されている。通常画像処理装置は、計測対象物をCCD(ChargeCoupled Device、電荷結合素子)カメラで撮像して、入力画像を画像メモリに取り込んで、画像処理ボードあるいはパーソナルコンピュータ等の画像処理ソフトウェアで画像認識を行う仕組みとなっている。
【0003】画像処理装置は光学系の処理装置であるので、レンズで焦点合わせをして、CCDエリア上に対象物の像を結像させる。焦点がずれると、入力画像が焦点ボケを起こして画像が劣化する。また、結像の焦点ズレは、CCDエリア上で結像の位置ズレを起こすので、位置誤差が発生する。焦点ボケは計測精度に与える影響が大きいので、焦点合わせは慎重に行われる。
【0004】各種検査装置や実装装置でプリント基板の位置決めを行うのに、プリント基板のコーナー等に設けた基準マーク(認識マーク)を画像認識して位置決めを行うので、基準マークの入力画像の焦点ボケが起こると、プリント基板の位置が定位置からずれてしまい、以降の実装や検査に全て位置ずれが発生する。
【0005】特に最近は、携帯電話に見られるように、基板のコンパクト化と部品実装の高密度化が著しく進み、位置決め、部品実装、実装検査において高い位置精度が要求されるようになり、焦点ボケによる僅かな位置ずれでも不良品の発生につながる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】計測装置がおかれているラインでは、自らの装置を含め、ラインの構成装置からくる振動が撮像系のレンズ焦点リングの位置ズレを誘起し、焦点ボケを引き起こす。基板の機種変更時に、初期設定として正確にレンズの焦点合わせを行うが、撮像系は常時ラインの振動にさらされており、焦点位置ズレは不可避の現象である。
【0007】しかし振動はランダムなノイズであるために、許容誤差以上の焦点ズレが起こる時期を予測することは困難である。焦点ズレは、機種変更後の早い時期に発生することもあれば、ある機種の間では軽微で無視できる程度のこともある。
【0008】従って、焦点ズレが発生した直後に、それを自動的に検知できれば、オペレータに異常アラームを発信することにより、オペレータは不良品の発生を最小限に止めることができる。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、撮像系から得られた入力画像の焦点ボケを自動的に検知することができる画像認識による計測方法および計測装置および記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記課題を解決するために、本発明の計測方法は、パターンの基準画像に対して、入力画像の検出対象物のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを画像認識で判定し、焦点ボケを検知することを特徴とし、また、前記パターンの基準画像に対して、さらに前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることを画像認識で判定し、焦点ボケを検知することを特徴としている。
【0011】また、前記入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いは、入力画像のパターンに対して境界パターンで縦方向、横方向でパターンマッチングを行って、パターンの境界を検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴とし、入力画像のパターンに対してコーナパターンでパターンマッチングを行って、パターンのコーナを検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴としている。
【0012】また、前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることは、入力画像のパターンの境界に対して境界パターンで縦方向、横方向で正規化相関法パターンマッチングを行って、パターンの境界近傍において生じる正規化相関係数の極大値まわりのパルス幅を測定することによって判定することを特徴とし、入力画像のパターンの近傍で、微分法を用いて勾配を求めることによって判定することを特徴とし、入力画像のパターンの近傍で、対象物の閾値と背景の閾値から、対象物と背景の間の中間濃度のベルト領域の幅を求ることによって判定することを特徴としている。
【0013】また本発明は、入力画像をもとに、位置決め、検出、計測、検査を行う時点で、前記入力画像の焦点ボケを同時にモニタリングして自動検出し、リアルタイムで焦点ボケ異常の警告を発することを特徴としている。
【0014】(2)また本発明の計測装置は、パターンの基準画像に対して、入力画像の検出対象物のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを画像認識で判定する第1の判定部を備え、焦点ボケを検知することを特徴とし、前記パターンの基準画像に対して、さらに前記検出対象物と背景の境界のエッジが鈍ることを画像認識で判定する第2の判定部を備え、焦点ボケを検知することを特徴としている。
【0015】また、前記第1の判定部は、前記入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを、入力画像のパターンに対して境界パターンで縦方向、横方向でパターンマッチングを行って、パターンの境界を検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴とし、前記第1の判定部は、前記入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮する度合いを、入力画像のパターンに対してコーナ部の対パターンでパターンマッチングを行って、パターンのコーナを検出し、パターンのサイズを計測することによって判定することを特徴としている。
【0016】また前記第2の判定部は、入力画像のパターンの境界に対して境界パターンで縦方向、横方向で正規化相関法パターンマッチングを行って、パターンの境界近傍において生じる正規化相関係数の極大値まわりのパルス幅を測定することを特徴とし、前記第2の判定部は、入力画像のパターンの近傍で、微分法を用いて勾配を求めることを特徴とし、前記第2の判定部は、入力画像のパターンの近傍で、対象物の閾値と背景の閾値から、対象物と背景の間の中間濃度のベルト領域の幅を求ることを特徴としている。
【0017】また本発明は、入力画像をもとに、位置決め、検出、計測、検査を行う時点で、前記入力画像の焦点ボケを同時にモニタリングして自動検出し、リアルタイムで焦点ボケ異常の警告を発することを特徴としている。
【0018】(3)さらに本発明の記録媒体は、前記いずれかに記載の画像認識による計測方法を、コンピュターに実行させるプログラムを、記録したことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明による計測方法の一実施形態を実施するためのブロック構成例を示す図である。図1において、1は計測対象を照明する照明装置、2はプリント基板上のランド、はんだ基準マーク等の計測対象物を撮像するカメラなどの撮像装置、3は撮像した画像を取り込む記憶装置(画像メモリ)、31は記憶装置(画像メモリ)3上のパターン画像等をストアする記憶装置(ハードディスク)、4は入力した画像についてソフトウェアによる画像処理により画像認識と計測を行う処理装置(CPU)、5は画像を表示する表示装置(ディスプレー)である。
【0020】次に本発明の原理を説明するために、焦点ずれ現象の特徴を図2とともに述べる。図2(a)は対象物、レンズおよびCCDエリア上の結像の関係を示し、図2(b)は焦点が合っているときの濃度分布断面を示し、図2(c)は焦点ボケのときの濃度分布断面を示している。
【0021】一般に、レンズが焦点位置ズレを起こし、CCDエリア上の結像が焦点ズレを起こすと、焦点があっているときの結像(B0→A0)より、サイズが大きくなる(B1→A1)か、或は小さくなる(B2→A2)。
【0022】また、対象物の輪郭がシャープさをなくし鈍る。即ち焦点ボケの入力画像は、対象物の輪郭が膨張するか収縮し、対象物と背景の境界近傍で濃度分布は図2(b)のように鋭いエッジ状をなしていたものが、図2(c)の実線のように鈍ったエッジ状になる。
【0023】従って、例えば基準マークのように予め決まったサイズの定型パターン(□、△、○等)をパターン画像として登録してある場合、基準とするパターン画像に対して、対象物の輪郭の膨張/収縮、並びに、対象物と背景の境界エッジのシャープネス(鋭いか鈍っているか)を判定すれば、焦点ボケの検知が可能である。
【0024】次に本実施形態のソフトウェア処理を説明する。本実施形態におけるソフトウェア処理は、(1)正規化相関係数Crが所定の閾値以下であるか否かを判定する第1ステップと、(2)正規化相関係数Crが所定の閾値以下のとき、入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮しているか否かを判定する第2のステップと、(3)入力画像の対象物と背景の境界エッジのシャープさを判定する第3のステップとから成る。以下、この順に処理手順の例を示す。
【0025】(1)正規化相関係数Crが所定の閾値以下であるか否かを判定する第1ステップ基準マークの位置検出は正規化相関法パターンマッチングで行うことが多い。予め基準マークのパターンをパターン画像(パターンマッチングするひながたとなる対象物を含んだ画像であり、対象物と背景を含めた画像)として登録しておき、基準マークを撮像した入力画像のサーチ枠内でパターン画像とのパターンマッチングを行う。
【0026】前記パターン画像に対して入力画像の対象物の輪郭が膨張/収縮する場合、パターン検出はできるが、正規化相関係数値Cr(≦1)は悪くなる。従って、焦点ボケ検知の第1ステップとして、Cr値≦所定の閾値<1であるか否かを調べる。
【0027】(2)正規化相関係数Crが所定の閾値以下のとき、入力画像のパターンの輪郭が膨張/収縮しているか否かを判定する第2のステップ前記第1ステップにおいて、正規化相関係数Crが 値以下であれば、次に第2ステップとして、パターンの原寸法に対する入力画像のパターンの輪郭の膨張/収縮の度合い(膨張収縮率)を調べる。その結果、膨張率>1 or 収縮率<1and 縦の膨張収縮率=横の膨張収縮率であれば、焦点ボケの可能性が強い。
【0028】ここで、輪郭の膨張/収縮の度合いを見る方法として、対をなす境界パターンで対象物を挟み付けるようにして対象物のサイズを測る方法がある(ノギス測定)。ノギス測定は図3に示すように、対象物の左辺、右辺に対応する一対の境界エッジパターン1、2を用意する。この境界エッジパターン1、2は対象物と背景の境界エッジ部分を切り出した要素パターンであり、対象物の濃度分布は図3(b)となり、境界エッジパターンの濃度分布は図3(c)となる。
【0029】そして、図3(b)(c)のように、横方向にスキャンして境界エッジパターンでパターンマッチングするとき、図3(d)のように、正規化相関係数値Cr1,Cr2はパルス状に変化しエッジのところでピークを持つ。即ち、正規化相関係数Cr1,Cr2が最大のところで、相対する境界エッジの位置が決まり、これから、対象物の幅が決まる。
【0030】このような境界エッジ検出を横方向だけでなく、縦方向にも行えば、縦横のサイズが求まって、膨張収縮率が決まり、焦点ボケの判定ができる。
【0031】また、輪郭の膨張/収縮の度合いを見る方法として、コーナの対パターンで対象物のサイズを計測する方法がある。図4(a)(b)は、任意の長方形(任意のアスペクト比・サイズ)の要素パターン組合せの例を示す図である。長方形の幅a、高さbはそれぞれ独立に可変であるので、部分パターン=対パターンのサブセットとして、辺上のサブセットを指定する。幅aを決めるサブセットとして、{set(A,B),set(C,D)}、高さbを決めるサブセットとして、{set(B,C),set(A,D)}をサブセット指定する。
【0032】また、図5に示すように、サイズ不定で相似の長方形パターンを検出する場合、サブセットの一方の要素パターン(コーナパターン)が検出に成功したかを見て、成功した場合に対の要素パターンを傾斜角θの対角線(結合軸)上に沿ってうごかしながらパターンマッチングする。対の要素パターンもパターンマッチングに成功したとき、対角線分長が一意的に定まり、ターゲットの相似パターンの検出ができたことになり、サイズ、位置も決まる。この場合、図5に示すように、要素パターンAの座標が(XA,YA)、要素パターンBの座標が(XC,YC)ならば、サイズはa=XC−XA,b=YC−YA,重心位置は((XA,XC)/2,(YA+YC)/2)となる。
【0033】また、図6に示すように、任意形状の長方形の場合は、4つの内のコーナ部分のどれか1つの要素パターンをサーチする。例えば、コーナAの要素パターンが検出されたとすると、長方形の辺(結合軸)に沿ってコーナB、Dの要素パターンのマッチングを行う。コーナB、Dの検出に成功すれば、長方形の幅a、高さbが決まり、長方形の形状、サイズ、位置が決定する。
【0034】(3)入力画像の対象物と背景の境界エッジのシャープさを判定する第3のステップ前記第2ステップの条件を満たした場合は、第3ステップとして、入力画像の対象物と背景の境界エッジのシャープネスを見る。境界エッジパターンは、横または縦のスキャン方向に沿って移動しながらパターンマッチングするプロセスにおいて、図3に示すように背景部にあってパターンマッチングする場合は、正規化相関係数Cr値は低いが、境界エッジパターンが対象物の輪郭エッジに近づくにつれてCr値が増加傾向となり、輪郭エッジ上で極大値となり、対象物内部に入り込むとCr値は減少傾向となる。輪郭エッジがシャープな場合Cr値はインパルス状に変化する(パルス幅が狭い)が、鈍っている場合は比較的シャープに変化する(パルス幅が狭い)が、鈍っている場合は比較的なだらかなパルス状に変化する(パルス幅が広い)ので、Cr値のパルス幅が所定の閾値より大きい場合、対象物の輪郭エッジの鈍りが分かり、焦点ボケの判定が可能となる。
【0035】また、第3ステップとしては、上記以外に、微分法で濃度分布の傾斜を求める方法がある。また、対象物/背景の分離をして境界線を抽出する際に、背景濃度閾値≦境界中間濃度≦対象物濃度閾値となるような、対象物/背景間の中間濃度のベルト領域の幅を求めてもよい。
【0036】次に本発明のより具体的な実施形態例を述べる。
【0037】(例1)正方形基準マーク正方形の基準マークのエッジ検出と焦点ボケ判定を行うのに、正方形パターンを特徴づける基本的な要素パターンを生成する。正方形の要素パターンは図7に示すように横方向の境界エッジパターン(左辺、右辺)、縦方向の境界エッジパターン(上辺、下辺)の4つである。パターンの境界の検出を行うために、対象部/背景の境界エッジのパターンマッチングを行うので、対象部と背景部を含む境界エッジパターンを作成する。
【0038】ここで、パターンの境界エッジ部分を境界エッジパターンとして定義、登録し、これら境界エッジパターンの自己相関係数を計算する処理手順と、境界エッジパターンと入力画像のパターンマッチング処理とを説明する。
【0039】(スキャン帯を設ける方法)
(1)境界エッジパターンの登録と自己相関係数を計算する処理手順先ず、図8のフローに示すように、上記パターン画像の枠内を所定の幅で図9(a),(b)に示すように縦横方向にスキャン帯(スキャンバンド)分割し(S11)、図10に示すようにスキャン帯分割で切り出した対象物の輪郭を、対象物と背景を含む境界エッジパターンとして定義する(S12)。
【0040】次に、上記指定した境界エッジパターンそれぞれについて対象物と背景の平均濃度を設定する(S13)。この場合、対象物と背景の濃度分布は図11に示すようにステップ関数で定義できる。
【0041】次に、上記境界エッジパターンそれぞれの自己相関係数を求め(S14)、これら境界エッジパターンと自己相関係数を、記憶装置3,31に記憶・登録する(S15)。
【0042】計測する対象物や用途、測定精度、計算時間に応じて、スキャン帯の分割と指定を行う。スキャン帯の分割数と境界エッジパターンサイズ(分割数)=1〜(枠の画素数)
(境界エッジパターンサイズ)=(画素サイズ)〜(パターンサイズ)
の範囲でとれる。スキャン帯分割は等分割でも不等分割でもよい。スキャン帯がある程度重なりあってもよい。縦横の分割は合わせても合わせなくともよい。
【0043】銅箔、金メッキの基準マークのように寸法精度のよい対象物は、スキャン帯分割後、代表的なスキャン帯を1〜数カ所程度指定し、境界エッジ位置検出を行えばよい。スキャン帯を狭くし境界エッジパターンのサイズを小さくすれば、局所的な境界エッジの位置検出を行うことになるが、パターンマッチングの処理時間をより短縮できる。スキャン帯の幅を広くし、境界エッジパターンのサイズを大きくすれば、平均的な境界エッジの位置検出を行うことになる。
【0044】はんだレベルの基準マークやクリームはんだ印刷のように対象物の輪郭形状が変化する場合は、スキャン帯分割後、全スキャン帯を指定し境界エッジ位置検出を行えば、対象物輪郭抽出が行える。スキャン帯を細分割し境界エッジパターンのサイズを小さくすれば、滑らかで精度の良い輪郭抽出が行える。
【0045】(2)境界エッジパターンと入力画像とのパターンマッチングパターンの境界エッジを検出するのに、予め、図9(a)(b)に示すように、サーチ枠内を横方向、縦方向にスキャン帯分割を行う。
【0046】横方向のスキャン帯を順次指定して、図9(a)に示すように、スキャン帯に沿って、左右の境界エッジパターンで部分パターンマッチングを行う。左側の境界エッジパターンは左から右へ、右側の境界エッジパターンは右から左に向けてスキャンしながらパターンマッチングを行い、左右の境界エッジの位置決めを行う。
【0047】横方向のスキャンが終われば、次に縦方向のスキャン帯を順次指定して、図9(b)に示すように、スキャン帯に沿って、上下の境界エッジパターンで部分パターンマッチングを行う。上側の境界エッジパターンは上から下へ、下側の境界エッジパターンは下から上に向けてスキャンしながらパターンマッチングを行い、上下の境界エッジの位置決めを行う。
【0048】上下左右の周囲の境界エッジの位置決めを行うことにより、基準マークの輪郭抽出あるいは境界の位置検出ができ、位置とサイズ(幅、高さ)の計測が可能となるので、マーク輪郭の膨張/収縮率が算定でき焦点ボケが判定できる。また、境界エッジのパターンマッチングで、正規化相関係数Crのパルスが鈍り具合で、エッジの鈍り具合が分かり、焦点ボケが判定できる。
【0049】また、スキャン帯方式は、スキャン帯の数だけパターンマッチングを行うので一種のインタバルサーチ(間引きサーチ)となり、また、スキャン帯上でエッジ検出した時点で処理を打ち切るので、通常のサーチ枠内全面パターンマッチングに比べて、パターンマッチングの処理時間を短縮できる。
【0050】図12に上記処理手順を示す。先ず、検出対象物が含まれる入力画像にサーチ枠の設定を行う(S21)。次に、このサーチ枠内入力画像に対して前記パターン画像をスキャン帯分割したときと同じ幅で分割し、図9(a),(b)に示すように横方向、縦方向にスキャン帯をつくる(S21′)。
【0051】次に、サーチ枠入力画像に対して指定スキャン帯(S22)に沿って境界エッジパターンでスキャンし(S23)、パターンマッチングする(S24)。次に、上記求めていた境界エッジパターンの自己相関係数、および、新たに求めた入力画像の自己相関係数、ならびに、境界エッジパターンと入力画像との相互相関係数を用いて正規化相関係数Crを計算し、計算された正規化相関係数Crと境界エッジパターン位置を記憶装置3に記憶する(S25)。
【0052】上記S23〜S25までの処理を、入力画像サーチ枠内の指定スキャン帯でのパターンマッチングが完了するまで行い(S26)、閾値以上の境界エッジパターンの正規化相関係数を保存する(S27)。そして、上記S22〜S27までの処理を、予め指定したスキャン帯が全て完了するまで行い(S28)、完了後に基準マークの境界検出、或は、輪郭抽出を行う(S29)。
【0053】(スキャン帯を設けない方法)対象物のエッジを検出するのに、上記のスキャン帯方式以外に、スキャン帯を設けずに上記の境界エッジパターンで入力画像のサーチ枠内をサーチする方法がある。例えば、左辺の境界エッジパターンでサーチ枠内全面をサーチすると、左辺のエッジ部分を検出するので、それらを連ねると左辺のエッジが抽出できる。上下左右の境界エッジパターンでエッジ検出を行うと、上下左右のエッジが抽出でき、対象物の輪郭が抽出できる。
【0054】(例2)三角形基準マークの場合(1)境界パターン通常、基準マークの三角形は正三角形である。正三角形パターンを特徴づける基本的な要素パターンとして、図13に示すように斜辺の境界エッジパターン(左横、右横)、底辺の境界エッジパターンの3つを用意する。斜辺の勾配はそれぞれ45°、−45°に設定する。三角形が正三角形以外の場合は、斜辺の勾配を決めることで、境界エッジパターンをつくれば良い。
【0055】(2)部分パターンマッチングサーチ枠内を横方向、縦方向にスキャン帯分割する。横方向のスキャンでは、左右の境界エッジパターンで部分パターンマッチングを行う。次に縦方向のスキャンでは、底辺の境界エッジパターンで部分パターンマッチングを行う。左辺、右辺、底辺の境界エッジの位置検出を行うことにより、正三角形の輪郭の抽出ができ、基準マークの位置とそのサイズも確定する。また、境界エッジパターンの正規化相関係数値Crのパルス変化の鈍りも分かるので、焦点ボケの判定が可能となる。
【0056】(例3)ランド矩形パターンの場合(1)境界エッジパターン任意の(任意のアスペクト比・サイズの)ランド矩形パターンを検出するために、図10で述べたように矩形パターンを特徴づける4つの境界エッジパターン(左辺、右辺、上底、下底)を要素パターンとして登録する。
【0057】(2)部分パターンマッチングサーチ枠内を横方向、縦方向にスキャン帯分割する。横方向のスキャンでは、左右の境界エッジパターンで部分パターンマッチングを行う。次に縦方向のスキャンでは、上下の境界エッジパターンで部分パターンマッチングを行う。上下左右の境界エッジの位置検出を行うことにより、任意のランド矩形形状の輪郭抽出ができ、ランドの位置とそのサイズも確定する。また、境界エッジパターンの正規化相関係数値Crのパルス変化の鈍りも分かるので、焦点ボケの判定が可能となる。
【0058】なお、本発明は、CPUのソフトウェア処理により、リアルタイムのパターンマッチングを実現し、専用の高速画像処理ボードを使用しないことで、システム構成の単純化とコストダウンを実現する。従って、上記の各手順をCPUに実行させるプログラムを、CPUが読取可能な記録媒体(例えば、フロッピーディスクやCD−ROMなど)に記録して配布することが可能である。
【0059】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、焦点ボケの生じた入力画像において、生じたボケの特徴を画像認識アルゴリズムで自動検出することにより、撮像装置のレンズの焦点ズレのような装置異常を即座に検知することができる。このため、焦点ズレのために、基準マークのような計測対象物の位置決め誤差が誘起され、実装ラインにおける不良品が大量に発生する事態を早期に回避することができる。また、焦点ズレの異常ケースについては原因が明確になるので、不良品発生の原因追及もより容易になる。
【出願人】 【識別番号】000209474
【氏名又は名称】谷電機工業株式会社
【出願日】 平成10年7月6日(1998.7.6)
【代理人】 【識別番号】100062199
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
【公開番号】 特開2000−18920(P2000−18920A)
【公開日】 平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願番号】 特願平10−189969