| 【発明の名称】 |
撮像装置,光学式測定装置および光学式検査装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河田 東輔
|
| 【要約】 |
【課題】投影図法上の正確な像が取得できる撮像装置を得る。
【解決手段】撮像装置10を平行光発生部52と撮像部50とを備えたものとする。平行光発生部52は、オリフィス152のピンホール174から放射状に放射される照明光を凹面鏡148により平行光に変換し、ビームスプリッタ150により直角に反射させて、撮像対象物180の周囲を下から上へ垂直に通過させる。撮像部50においては、撮像対象物180の周囲を通過した平行光がビームスプリッタ72により反射され、凹面鏡70に、それの光軸に平行な方向から入射する。凹面鏡70はその平行光を焦点に集光させる。この焦点に集光させられた光のみが、その焦点にあるオリフィス74のピンホール80を通過して放射状に広がる。この光がレンズ系76により平行光に変換され、その平行光により形成される像がCCD82により撮像される。それにより、投影図法上の正確な像が取得できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹面鏡と、その凹面鏡の光軸上にその光軸に対して傾斜して配設されたビームスプリッタと、前記凹面鏡側から見てビームスプリッタの透過方向と反射方向とのいずれか一方に配設され、撮像対象物をほぼ前記凹面鏡の焦点の位置に支持する撮像対象物支持装置と、前記透過方向と反射方向との他方における前記凹面鏡の焦点に対して前記ビームスプリッタとは反対側に設けられ、その焦点を通過して放射状に広がる光を実質的な平行光に変換するレンズ系と、そのレンズ系により変換された平行光によって形成される画像を撮像する撮像素子と、その撮像素子に入射する光を、前記凹面鏡にその凹面鏡の光軸に実質的に平行に入射する光に制限する制限手段とを含むことを特徴とする撮像装置。 【請求項2】 前記制限手段が、前記凹面鏡の焦点の位置に位置するピンホールを有するオリフィスを含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 さらに、前記撮像対象物支持装置に対して前記ビームスプリッタとは反対側に設けられ、前記撮像対象物の明るくかつ実質的に均一な背景を形成する明背景形成装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 【請求項4】 さらに、前記撮像対象物支持装置を間にして前記ビームスプリッタとは反対側に設けられ、撮像対象物支持装置を透過し、撮像対象物の周辺を通過してビームスプリッタに入光する平行光を投光する平行光発生装置を含み、その平行光発生装置が前記制限手段として機能することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の撮像装置。 【請求項5】 前記平行光発生装置が、前記撮像対象物支持装置を間にして第1ビームスプリッタとしての前記ビームスプリッタとは反対側に設けられた第2ビームスプリッタと、前記撮像対象物支持装置から見て前記第2ビームスプリッタの反射方向に、第1凹面鏡としての前記凹面鏡とは別に設けられた第2凹面鏡と、その第2凹面鏡から見て前記第2ビームスプリッタの透過方向における第2凹面鏡の焦点位置に設けられ、第2ビームスプリッタに向かって放射状に広がる照明光を放射する点光源とを含むことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。 【請求項6】 前記点光源が、前記第2凹面鏡の焦点位置に設けられたピンホールを備えた、第1オリフィスとしての前記オリフィスとは別の第2オリフィスと、その第2オリフィスに対して前記第2ビームスプリッタとは反対側に設けられ、オリフィスに向かってほぼ平行な照明光を投光する平行光源と、その平行光源からの光を前記第2オリフィスのピンホールを経て前記第2ビームスプリッタに向かって放射状に広がる照明光に変換する、前記第1レンズ系とは別の第2レンズ系とを含むことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 【請求項7】 前記第1凹面鏡,第1ビームスプリッタ,第1オリフィス,第1レンズ系と、前記第2凹面鏡,第2ビームスプリッタ,第2オリフィス,第2レンズ系とがそれぞれ、前記撮像対象物支持装置による前記撮像物支持位置に対して面対称に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の撮像装置と、その撮像装置により撮像された画像を表す画像データを処理することにより前記撮像対象物の位置,回転角度,寸法の少なくとも1つを取得する画像処理装置とを含むことを特徴とする光学式測定装置。 【請求項9】 前記画像処理装置が、前記撮像素子により撮像された画像のデータを記憶する画像データ記憶手段と、2個の点を直線状に結んで成るシークラインを複数本有する測定テンプレートのデータを記憶する測定テンプレートデータ記憶手段と、その測定テンプレートデータ記憶手段の測定テンプレートを前記画像データ記憶手段の画像データの表す画像が存在する画面に重ね、前記複数本のシークラインの各々の上において光学的特性の急変する点であるエッジ点の座標を演算するエッジ点座標演算手段とを含むことを特徴とする請求項8に記載の光学式測定装置。 【請求項10】 前記画像処理装置がさらに、一定の距離を隔てた2個の点を一対とするポイントペアを複数組有する捜索テンプレートのデータを記憶する捜索テンプレートデータ記憶手段と、その捜索テンプレートデータ記憶手段の捜索テンプレートを前記画像データ記憶手段の画像データの表す画像が存在する画面に重ねた場合に、前記複数組のポイントペアを構成する各対の点の光学的特性値の相違状態が設定状態以上である場合には、それら各対の点が、前記画像の光学的特性が急変する部分であるエッジの両側に位置する適合状態にあるとし、前記複数のポイントペアのうち設定量以上のものが適合状態にあれば、撮像対象物は捜索テンプレートに適合する捜索対象物であると判定する判定手段と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の光学式測定装置。 【請求項11】 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の撮像装置と、その撮像装置により撮像された画像を表す画像データを処理することにより前記撮像対象物の欠陥を検出する画像処理装置とを含むことを特徴とする光学式検査装置。 【請求項12】 前記画像処理装置が、前記撮像装置により撮像された画像のデータである画像データを記憶する画像データ記憶手段と、その画像データ記憶手段に記憶された画像データにより表される画像の光学的特性が急変する部分であるエッジと交差しないことが予定されたネガティブシークラインを設定するネガティブシークライン設定手段と、その設定されたネガティブシークラインがエッジと交差する場合には前記撮像対象物に欠陥があると判定する判定手段とを含むことを特徴とする請求項11に記載の光学式検査装置。 【請求項13】 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の撮像装置と、その撮像装置により撮像された画像を表す画像データを処理することにより前記撮像対象物の位置および回転角度を取得し、かつ、その取得した位置および回転角度のデータと予め付与された欠陥検出用データとに基づいて撮像対象物の欠陥を検出する画像処理装置とを含むことを特徴とする光学式検査装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は対象物を撮像し、画像データで表される画像を得る撮像装置、その撮像装置により撮像された画像のデータを処理することにより撮像対象物の位置(基準座標面上における位置),回転角度(基準回転位置からの回転角度),寸法等を測定する光学式測定装置、および撮像された画像のデータを処理することにより撮像対象物の欠陥検査を行う光学式検査装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】本出願人は、この種の撮像装置,光学式測定装置および光学式検査装置を開発し、特許出願した。まだ公開されていない特願平10−9085号および特願平10−162459号がそれである。特願平10−9085号に記載の撮像装置は、■一平面をなす反射面と、■その反射面と光軸が直交する状態で配置され、反射面からの平行光を焦点に集光する第一レンズ系と、■それら反射面と第一レンズ系との間の位置に撮像対象物を支持する撮像対象物支持装置と、■前記第一レンズ系に対して前記反射面とは反対側の位置に設けられ、第一レンズ系の光軸に対して傾斜し、光の一部を透過させ、残りを反射する反射面を有するビームスプリッタと、■そのビームスプリッタの反射面に対して前記第一レンズ系の焦点とは面対称の位置に設けられたオリフィスと、■そのオリフィスに対して前記ビームスプリッタとは反対側に設けられた光源と、■前記第一レンズ系の焦点に焦点を有し、第一レンズ系により集光されるとともに前記ビームスプリッタを通過した光を平行光線に変換する第二レンズ系と、■その第二レンズ系により平行光線に変換された光により形成される像を撮像する撮像素子とを含むように構成される。 【0003】光源とオリフィスとにより構成される点光源から放射状に投光される光は、ビームスプリッタの反射面で反射されて第一レンズ系に向かうが、点光源はビームスプリッタの反射面に対して、第一レンズ系の焦点と面対称の位置にあるため、第一レンズ系にとっては自身の焦点から放射状に投光された光と同じことになり、第一レンズ系によって平行光に変換され、撮像対象物支持装置に支持された物体(物体自体が撮像対象物である場合と、物体表面の一部が撮像対象物である場合とがある。以下、撮像対象物支持装置に支持された物体を特に必要がない限り単に物体と称することとする)および反射面に当てられる。反射面による反射光と物体表面による反射光とがビームスプリッタに入射し、一部はそれの反射面により点光源の方へ戻されるが、残りはビームスプリッタを通過して第二レンズ系に至り、反射面による反射光と、物体表面による反射光のうち第一レンズ系の光軸に平行なもの(反射面に直角なもの)は、平行光に変換され、撮像センサに入射する。光源およびオリフィスにより構成される点光源を、実際に第一レンズ系の焦点に設置しようとすれば、上記反射面や物体表面からの反射光が、オリフィスおよび光源により遮られて撮像センサに入射せず、物体およびその周辺の画像が得られないことになるが、本態様におけるようにビームスプリッタを使用すれば、この問題を解消することができるのである。 【0004】なお、第一,第二レンズ系はそれぞれ1枚のレンズにより構成されても複数枚のレンズにより構成されてもよい。また、例えば、第二レンズ系と撮像センサとの間に反射面を設け、第二レンズ系により平行光に変換された光が反射面で反射されて撮像センサに入射させられるようにしたり、第一レンズ系の焦点と第二レンズ系との間に反射面を設け、第一レンズ系からの光がその反射面で反射された後に、第二レンズ系により平行光に変換されるようにしたりすることができる。第一レンズ系についても同様のことが可能である。このように、反射面により光の向きを任意に変えることができ、この場合にはレンズ系の光軸も光と共に屈曲すると考えることとする。本態様の光学式測定装置においては、反射面,撮像対象物支持装置,第一レンズ系,第二レンズ系および撮像センサが、一直線上に配置されることは不可欠ではないのである。 【0005】上記のように、反射面およびその手前に置いた物体に、反射面と直交する平行光を当て、反射面において反射され、物体の周囲を通過した平行光により形成される像を撮像すれば、物体の正確な投影像を得ることができ、その投影像を処理すれば、透視図法ないし投影図法上の正確な寸法を得ることができる。平行光は物体と反射面との両方に当てられるため、反射面で反射された光のみならず、物体の表面で反射された光も撮像面に到達し、物体の表面像を形成するが、物体の表面がたとえ研削面であっても、微細な凹凸が存在するため、反射面に直角な平行光の一部が反射面に直角な方向に反射されるに過ぎない。それに対し、反射面を鏡面とすれば、反射面に直角な平行光の殆ど全部が反射面に直角な方向に反射される。したがって、物体の表面の像に比較して反射面の像を圧倒的に明るくすることは容易であり、容易に物体の輪郭線を特定することができる。反射面により反射されて物体の周囲を通過した平行光により形成される物体のシルエット像が得られるのであり、そのシルエット像を処理することにより、物体の外のり寸法(貫通した開口があればその開口の内のり寸法も)を求めることができるのである。ただし、物体の表面からの反射光の、反射面に直角な方向の成分が多い場合には、物体の表面も撮像されるため、物体表面に記載された文字,記号等のキャラクタ、表面に形成された凹部や傷の正確な投影像も取得することができ、必要があればこれらの寸法や位置も正確に測定することができる。そして、物体および反射面に平行光を当てる光学系も、物体および反射面からの平行反射光により形成される像を撮像面に結像させる光学系も物体と同じ側に設けることができるため、撮像装置全体をコンパクトに構成することが可能になる。 【0006】また、特願平10−9085号に記載の光学式測定装置は、上記撮像装置と、それにより撮像された画像に基づいて前記対象物の前記反射面に平行な方向の位置,反射面に直角な軸線まわりの回転角度、および反射面に平行な方向の寸法の少なくとも1つを演算する画像処理装置とを含むように構成される。この光学式測定装置は、測定対象物すなわち撮像対象物に接触することなく、位置,回転角度,寸法を測定することができるため、ゴム等軟らかい材料から成る測定対象物を支障なく測定できる。さらに、画像処理装置を、撮像により取得された画像内における測定対象物(撮像対象物)の像の位置や回転角度(基準回転位置からの回転角度)のいかんを問わず寸法を求め得るものとすれば、測定対象物(物体)を平らな支持面に単純に載置すればよく、測定対象物の測定装置へのセットを容易に行うことができ、測定の能率を向上させることができる。本光学式測定装置における画像処理装置の一例は、捜索テンプレートおよび測定テンプレートを使用するものである。すなわち、画像処理装置が、マスタ捜索テンプレートデータ記憶手段,マスタ測定テンプレートデータ記憶手段,捜索テンプレート自動設定手段,捜索物判定手段,測定テンプレート自動設定手段およびエッジ点座標演算手段を含むように構成されるのである。マスタ捜索テンプレートは、一定の距離を隔てた2個の点を一対とするポイントペアを複数組有するものであり、マスタ捜索テンプレートデータ記憶手段はそのマスタ捜索テンプレートのデータを記憶するものである。マスタ測定テンプレートは、測定シークラインを複数本有するものであり、マスタ測定テンプレートデータ記憶手段はそのマスタ測定テンプレートのデータを記憶するものである。捜索テンプレート自動設定手段は、マスタ捜索テンプレートデータ記憶手段に記憶されたマスタ捜索テンプレートのデータを、種々の位置および回転角度に移動させて複数の捜索テンプレートを自動で設定するものである。捜索物判定手段は、捜索テンプレート自動設定手段により設定された複数の捜索テンプレートを順次、画像データ記憶手段の画像データの表す画像が存在する画面に重ねた場合に、捜索テンプレートの複数組のポイントペアを構成する各対の点の光学的特性値の相違状態が設定状態以上である場合には、その対の2点が、画像の光学的特性が急変する部分であるエッジの両側に分かれて位置する適合状態にあるとし、複数のポイントペアのうち設定量以上のものが適合状態にあれば、撮像対象物は捜索テンプレートに適合する捜索対象物であると判定するものである。測定テンプレート自動設定手段は、撮像対象物が捜索テンプレートに適合する捜索対象物であると判定された際の捜索テンプレートのデータと、マスタ測定テンプレートデータ記憶手段に記憶されたマスタ測定テンプレートデータとに基づいて、測定テンプレートを自動で設定するものである。エッジ点座標演算手段は、測定テンプレート自動設定手段により設定された測定テンプレートを画像データ記憶手段の画像データの表す画像が存在する画面に重ね、複数本の測定シークラインの各々の上における測定対象物(撮像対象物,捜索対象物)のエッジ点の座標を演算するものである。エッジ点は、エッジと測定シークラインとの交点である。エッジは、画像データにより表される画像内において光学的測定が急変する部分であり、測定対象物の輪郭線に対応する。エッジは多くの場合閉曲線となるが、閉曲線とはならない場合もある。測定対象物が大きくて撮像装置の視野内におさまらない場合、測定対象物が物体の一部である場合等がその例である。 【0007】光学式検査装置は、特願平10−162459号に記載されている。この光学式検査装置の画像処理装置は、撮像装置により撮像された画像のデータである画像データを記憶する画像データ記憶手段に加えて、ネガティブシークライン設定手段および判定手段を含むように構成される。ネガティブシークラインはエッジと交差しないことが予定されたシークラインであり、ネガティブシークライン設定手段はそのネガティブシークラインを設定するものである。そして、判定手段は、設定されたネガティブシークラインがエッジと交差する場合には撮像対象物に欠陥があると判定するものである。前記光学式測定装置における測定テンプレートのシークラインはエッジと交差することが予定されており、その意味でポジティブシークラインと称すべきものであるが、エッジと交差しないことが予定されたネガティブシークラインを利用すれば、撮像対象物支持装置に支持された物体の表面の傷、外側面の切欠,ばり等の欠陥を容易に検出することができる。例えば、四角形の部品の水平な表面に傷があるか否かを検査する場合には、その表面の輪郭線の内側に多数のネガティブシークラインを設定し、それらネガティブシークラインのいずれかがエッジと交差するか否かを調べるのである。明るい像となる表面に暗い像となる傷や汚れが存在すれば、それら傷や汚れの輪郭線がエッジとなる。ネガティブシークラインは、上記のように、表面の輪郭線の内側に設定されるものであるから、通常はエッジと交差しないのであるが、表面に傷や汚れが存在し、ネガティブシークラインがそれら傷や汚れと交差すれば、ネガティブシークラインはエッジと交差することになる。したがって、ネガティブシークライン上にエッジ点、すなわち輝度の変化が大きい点が存在するか否かを調べれば、検査対象表面に傷や汚れが存在するか否かを調べることができるのである。また、上記四角形の部品の物体の外側面に切欠があるか否かは、その物体の輪郭線の直ぐ内側に、その輪郭線に沿ってネガティブシークラインを設定すれば、検出することができる。同様に、物体の輪郭線の直ぐ外側にネガティブシークラインを設定すればばりを検出することができる。本光学式検査装置においては、傷,汚れ,切欠,ばり等の欠陥を撮像対象物と考えることも、欠陥を有する物体を撮像対象物と考えることもできる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用および効果】本発明は、上記先に開発された撮像装置,光学式測定装置および光学式検査装置を改良すること、特に撮像装置によって取得される画像の精度を向上させること、ならびに、それによって光学式測定装置の測定精度を向上させ、光学式検査装置の信頼性を向上させることを課題としてなされたものである。本発明によって、下記各態様の撮像装置,光学式測定装置,光学式検査装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、各項に記載の特徴の組合わせの可能性の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下のものに限定されると解釈されるべきではない。 (1)凹面鏡と、その凹面鏡の光軸上にその光軸に対して傾斜して配設されたビームスプリッタ(ハーフミラーを含む)と、前記凹面鏡側から見てビームスプリッタの透過方向と反射方向とのいずれか一方に配設され、撮像対象物をほぼ前記凹面鏡の焦点の位置に支持する撮像対象物支持装置と、前記透過方向と反射方向との他方における前記凹面鏡の焦点に対して前記ビームスプリッタとは反対側に設けられ、その焦点を通過して放射状に広がる光を実質的な平行光に変換するレンズ系と、そのレンズ系により変換された平行光によって形成される画像を撮像する撮像素子と、その撮像素子に入射する光を、前記凹面鏡にその凹面鏡の光軸に実質的に平行に入射する光に制限する制限手段とを含むことを特徴とする撮像装置(請求項1)。撮像対象物は、撮像対象物支持装置に支持される物体自体である場合と、その物体の一部である場合とがある。後者の場合には、撮像対象物支持装置は、物体を支持することにより結果的に撮像対象物を支持することになるのである。撮像対象物支持装置に支持された物体は、前面側から照明されても、背面側から照明されてもよい。前面側から照明される場合には、物体の前面により反射された光が、ビームスプリッタを透過し、あるいはビームスプリッタにより反射されて凹面鏡に入射する。凹面鏡は、それの光軸に平行な方向から入射した光を焦点に集光させる性質を有しているため、物体の前面によりあらゆる方向に放射状に反射された光のうち、凹面鏡の光軸に平行な成分光のみが焦点に集光させられる。したがって、その焦点の位置に、下記 (2)項に記載のように、ピンホールを有するオリフィスを配設し、焦点に集光させられた成分光のみの通過が許容されるようにすれば、凹面鏡にそれの光軸に平行に入射した成分光のみがレンズ系に入射することとなる。オリフィスが制限手段を構成することになるのであり、このオリフィスを通過して放射状に広がる光がレンズ系により平行光に変換され、撮像素子に入射して画像を形成する。ただし、ピンホールはできる限り小さく形成されるものの、大きさが0というわけにはゆかず、焦点近傍に集光させられる成分光、すなわち凹面鏡の光軸に対して僅かに傾いた方向に反射された成分光もピンホールを通過して撮像素子に入射する。その結果、撮像素子の撮像面には、凹面鏡の光軸に実質的に平行な成分光により像が結ばれることとなり、この像が撮像装置により撮像される。したがって、撮像素子はレンズ系の焦点の位置に配設されることが望ましい。撮像対象物支持装置により支持された物体が背面側から照明される場合にも、凹面鏡の焦点の位置にピンホールを有するオリフィスを配設しておけば、物体の周囲を通過して凹面鏡に入射する光のうち、凹面鏡の光軸に平行に入射する成分光(撮像対象物支持装置の中心線に平行な成分光)により、撮像素子の撮像面に画像が形成され、物体のシルエット像が取得される。この場合、物体の周囲を通過する光が、撮像対象物支持装置の中心線に平行な成分光の他に、中心線に対して傾いた方向の成分光を含んでいても、その傾いた方向の成分光が撮像素子の撮像面に入射することはオリフィスにより阻止される。したがって、 (5)項に記載の明背景形成装置や (6)項に記載の均一照明装置を使用して撮像対象物のシルエット像を取得しても、そのシルエット像は凹面鏡にそれの光軸に実質的に平行な方向から入射した成分光のみによって形成されることとなる。それに対し、物体の周囲を通過する光自体が、撮像対象物支持装置の中心線に平行な成分光のみから成るようにすれば、凹面鏡に入射するのはそれの光軸に平行な成分光のみとなるため、凹面鏡の焦点の位置にオリフィスを設けることは必ずしも必要ではなくなる。物体の周囲を通過する光が、撮像対象物支持装置の中心線に平行な成分光のみから成るようにする手段が、制限手段を構成することになるのである。物体を、撮像対象物支持装置の中心線に平行な成分光のみから成る光で照明するためには、例えば、 (7)項や (8)項に記載の平行光発生装置を使用すればよい。なお、平行光発生装置を使用する場合でも、オリフィスを設けることは有効である。平行光発生装置を使用して、物体の周囲を通過する光が撮像対象物支持装置の中心線に平行な成分光のみから成るようにしても、光の回折によって、凹面鏡にそれの光軸に対して傾斜した方向から入射する成分光が生じ、その成分光が撮像素子の撮像面に入射することを避け得ないからである。制限手段は、撮像素子に入射する光を、結果的に凹面鏡にそれの光軸に実質的に平行に入射する光に制限することができるものであればよいのであるが、光の回折を考慮すれば、できる限り撮像素子に近い位置に設けられることが望ましいことになる。平行光発生装置とオリフィスとは、共に制限手段として機能するものであり、両方を設ければ特に正確な画像が得られる。以上説明したように、本項に記載の態様の撮像装置においては、凹面鏡の光軸に実質的に平行な成分光によって画像が形成されるため、得られる撮像対象物の像は実質的に透視図法ないし投影図法上の正確な像となる。先に開発した特願平10−9085号に記載の撮像装置においては、撮像対象物支持装置に支持された物体の周囲を反射面に向かって通過し、反射面により反射されて再び物体の周囲を逆向きに通過した、反射面に実質的に直角な方向の成分光により撮像素子の撮像面に画像が形成されるため、物体のシルエット像の外側輪郭線は正規の輪郭線より大きめに、内側輪郭線(物体に形成された貫通孔の輪郭線)は小さめに撮像されることを避け得ない。そして、これが撮像対象物の像の精度を低下させ、光学式測定装置の測定精度の低下、あるいは光学式検査装置の信頼性の低下の原因となっていたが、本態様の撮像装置においては、撮像対象物支持装置に支持された物体のシルエット像を形成する成分光が物体の周囲を1回通過するのみであるため、撮像対象物の像の精度を向上させることが容易である。また、本態様の撮像装置は安価に製造し得る利点を有している。特願平10−9085号に記載の撮像装置においては、撮像対象物の情報を含む反射面に直角な成分光を1点に集光させるために、レンズ系が使用されていたため、撮像対象物が大きい場合には、大径のレンズ系が必要となっていたのに対し、レンズ系の代わりに凹面鏡が使用されているからである。平行な成分光を一点に集光させ、それを再び平行な成分光として撮像素子に精度のよい画像を撮像させるためには、レンズ系の収差を小さくすることが必要であり、大径のレンズ系であって収差の小さいものを製作するためには複数のレンズを組み合わせることが必要である上、それでも収差を小さくすることが困難であるのに対し、凹面鏡は1個の無収差のものを容易に製作し得るのである。 (2)前記制限手段が、前記凹面鏡の焦点の位置に位置するピンホールを有するオリフィスを含む (1)に記載の撮像装置。 (3)前記オリフィス,レンズ系および撮像素子が前記ビームスプリッタの反射方向に設けられた (1)項または (2)項に記載の撮像装置。 (4)前記撮像対象物支持装置が前記ビームスプリッタの反射方向に設けられた(1)項または (2)項に記載の撮像装置。 (5)さらに、前記撮像対象物支持装置に対して前記ビームスプリッタとは反対側に設けられ、前記撮像対象物の明るくかつ実質的に均一な背景を形成する明背景形成装置を含む (1)ないし (4)項のいずれか1つに記載の撮像装置(請求項3)。明背景形成装置からは放射状に光が放射されるが、その放射状の光のうち、前述のように凹面鏡の光軸に実質的に平行な成分光によって、撮像対象物のシルエット像が撮像素子の撮像面上に形成される。 (6)前記明背景形成装置が、前記撮像対象物支持装置に向かって実質的に均一な照明光を放射する照明装置である (5)項に記載の撮像装置。明背景形成装置は、乱反射面によっても構成することができるが、照明装置自体により明背景形成装置を構成する方がエネルギ効率がよい。 (7)さらに、前記撮像対象物支持装置を間にして前記ビームスプリッタとは反対側に設けられ、撮像対象物支持装置を透過し、撮像対象物の周辺を通過してビームスプリッタに入光する平行光を投光する平行光発生装置を含み、その平行光発生装置が前記制限手段として機能する (1)ないし (4)項のいずれか1つに記載の撮像装置(請求項4)。平行光発生装置により発生させられた平行光により撮像対象物を背面側から照明する場合には、凹面鏡の光軸に実質的に平行ではない無用の成分光が撮像対象物の周辺に殆ど存在しないようにすることができるため、品質の高い画像を容易に得ることができる。例えば、撮像対象物が球体である場合、明背景形成装置からあらゆる方向に放射される光によって背面側から照明されれば、その照明光の一部は、球体の前側の半球面(明背景形成装置とは反対側の半球面)の一部にも当たり、そこで反射されて凹面鏡に向かう。この光の中には凹面鏡の光軸に平行な成分光も含まれており、これはピンホールを通過して撮像素子に入射するため、球体のシルエット像が理論上のシルエット像より小さくなってしまうことになる。それに対して、球体が平行光発生装置により発生させられた平行光によって背面側から照明される場合は、その球体の前側の半球面に平行光が当たることはない。したがって、球体の正確なシルエット像が得られるのである。撮像対象物が例えば直方体形のものであっても、直方体の角部に丸みが付けられていれば、その丸み部に関して同様の事態が発生する。また、明背景形成装置から放射される光は、ごく一部(凹面鏡の光軸に実質的に平行な成分光)のみが画像の取得に有効に利用される。それに対して、平行光発生装置により撮像対象物を背面側から照明すれば、照明光の全部がシルエット像形成に有効に利用されるため、効率よく画像を形成することができる。 (8)前記平行光発生装置が、前記撮像対象物支持装置を間にして第1ビームスプリッタとしての前記ビームスプリッタとは反対側に設けられた第2ビームスプリッタと、前記撮像対象物支持装置から見て前記第2ビームスプリッタの反射方向に、第1凹面鏡としての前記凹面鏡とは別に設けられた第2凹面鏡と、その第2凹面鏡から見て前記第2ビームスプリッタの透過方向における第2凹面鏡の焦点位置に設けられ、第2ビームスプリッタに向かって放射状に広がる照明光を放射する点光源とを含む (7)項に記載の撮像装置(請求項5)。本態様によれば、平行光を容易に発生させることができる。 (9)前記点光源が、前記第2凹面鏡の焦点位置に設けられたピンホールを備えた、第1オリフィスとしての前記オリフィスとは別の第2オリフィスと、その第2オリフィスに対して前記第2ビームスプリッタとは反対側に設けられ、オリフィスに向かってほぼ平行な照明光を投光する平行光源と、その平行光源からの光を前記第2オリフィスのピンホールを経て前記第2ビームスプリッタに向かって放射状に広がる照明光に変換する、前記第1レンズ系とは別の第2レンズ系とを含む (8)項に記載の撮像装置(請求項6)。 (10)前記第1凹面鏡,第1ビームスプリッタ,第1オリフィス,第1レンズ系と、前記第2凹面鏡,第2ビームスプリッタ,第2オリフィス,第2レンズ系とがそれぞれ、前記撮像対象物支持装置による前記撮像物支持位置に対して面対称に配置された (9)項に記載の撮像装置(請求項7)。本態様によれば、撮像装置と平行光発生装置とを対称の構成とすることができ、装置全体をコンパクトに構成することができるとともに、部品の共用により製造コストを低減させることができる。 (11)さらに、前記ビームスプリッタの前記凹面鏡の光軸に対する傾斜角度を調節する傾斜角度調節装置を含む (1)ないし(10)項のいずれか1つに記載の撮像装置。傾斜角度調節装置を設ければ、撮像装置の製造誤差をビームスプリッタの傾斜角度の調節により打ち消し、あるいは軽減することができ、安価な撮像装置により精度の高い画像を得ることができる。 (12)前記傾斜角度調節装置が、前記ビームスプリッタを、当該撮像装置の本体である装置本体に、前記凹面鏡の光軸に対して直角な回動軸線の回りに回動可能に取り付ける取付軸と、前記ビームスプリッタに、前記取付軸の軸線と直交する方向に長く形成された長穴と、前記装置本体に被支持軸部が、前記取付軸の軸線と平行な回転軸線のまわりに回転可能に保持され、その被支持軸部に対して偏心した偏心軸部において前記長穴に嵌入させられており、回転操作されることにより前記ビームスプリッタを前記取付軸の軸線のまわりに回動させる偏心操作部材とを含む(11)項に記載の撮像装置。本態様によれば、傾斜角度調節装置を安価に構成することができる。 (13)さらに、前記オリフィス,レンズ系および撮像素子の、それらの光軸に平行な方向の位置を調節する位置調節装置を含む (1)ないし(12)項のいずれか1つに記載の撮像装置。位置調節装置を設ければ、撮像装置の製造誤差をオリフィス,レンズ系および撮像素子の軸方向の位置の調節により打ち消し、あるいは軽減することができ、安価な撮像装置により精度の高い画像を得ることができる。 (14)前記位置調節装置が、前記オリフィス,レンズ系および撮像素子を保持する撮像素子等保持部材と、当該撮像装置の本体である装置本体に、前記凹面鏡の光軸に平行に設けられて前記撮像素子等保持部材を案内するガイドと、前記装置本体と前記撮像素子等保持部材との両方と相対回転可能に係合し、それら装置本体および撮像素子等保持部材との係合の少なくとも一方は雄ねじと雌ねじとによる螺合であって、回転操作されることにより撮像素子等保持部材を前記ガイドに沿って移動させる調節ねじ部材とを含む(13)項に記載の撮像装置。本態様によれば、位置調節装置を安価に構成することができる。 (15) (1)ないし(14)項のいずれか1つに記載の撮像装置と、その撮像装置により撮像された画像を表す画像データを処理することにより前記撮像対象物の位置,回転角度,寸法の少なくとも1つを取得する画像処理装置とを含む光学式測定装置(請求項8)。本態様によれば、撮像対象物の位置,回転角度,寸法等を精度よく測定し得る光学式測定装置が得られる。 (16)前記画像処理装置が、前記撮像素子により撮像された画像のデータを記憶する画像データ記憶手段と、2個の点を直線状に結んで成るシークラインを複数本有する測定テンプレートのデータを記憶する測定テンプレートデータ記憶手段と、その測定テンプレートデータ記憶手段の測定テンプレートを前記画像データ記憶手段の画像データの表す画像が存在する画面に重ね、前記複数本のシークラインの各々の上において光学的特性の急変する点であるエッジ点の座標を演算するエッジ点座標演算手段とを含む(15)項に記載の光学式測定装置(請求項9)。上記「光学的特性値」とは、例えば、輝度,色相等である。また、「エッジ点」とはシークラインとエッジとの交点のことである。エッジは、画像の光学的特性が急変する部分であり、撮像対象物が撮像対象物支持装置に支持されている物体全体である場合にはその物体の輪郭線に対応し、撮像対象物が撮像対象物支持装置に支持されている物体の表面のキャラクタ,凹部,傷等である場合にはそれらキャラクタ等輪郭線に対応する。本態様の光学式測定装置において、撮像素子により撮像が行われるときは通常、撮像面が多数の画素に分解され、1画素のそれぞれについて画像データが作成されて画像データ記憶手段に記憶される。「画像データの表す画像」とは、画像データに基づいて得られる画像であり、画素を単位とし、光学的特性値が画素毎に得られる画像でもよく、あるいは画素を単位とせず、光学的特性値が任意の点において得られる画像でもよい。前者の一例は、多数の光電変換素子を備え、各光電変換素子の受光状態に応じた電気信号を発生させる撮像素子により得られた各光電変換素子毎の電気信号の集合として観念される画像であり、画像は光電変換素子が配列された撮像面上に物理的に形成された画像であるということができる。その意味でこの画像を物理画像と称し、物理画像が存在する画面(撮像面と一致している)を物理画面と称することとする。物理画像のデータは、各光電変換素子毎の電気信号のデータを各光電変換素子の位置と関連付けて記憶手段に記憶させることにより保存され、再現され得る。また、物理画像を表す画像データは実際に存在しており、その意味で物理画像は、後述の仮想画像との対比において実在画像と称することもでき、実在画像が存する画面は実在画面と称することができる。実在画像を表す画像データは、各光電変換素子毎の電気信号の大きさ自体を表すアナログデータあるいはデジタルデータでもよく、例えば256段階の離散値で表される多段階のデジタルデータ(階調データと称する)でもよく、光電変換素子毎の電気信号がしきい値を超えるか否かにより2値化された2値化データでもよい。画素を単位とせず、光学的特性値が任意の点において得られる画像の一例は、上記物理画面の各光電変換素子の電気信号のデータが各光電変換素子の中央の点の光学的特性値を表すと見なし、それら多数の点の光学的特性値を満たす曲面を想定した場合に、その曲面を規定する連続的な光学的特性値の集合として観念される画像である。この画像の画像データは例えば上記曲面を表す式のデータとして保存することも可能であり、この画像データも実在画像の一種であることになる。それに対して、上記曲面のデータを予め求めておく代わりに、画面上の任意の点が指定された場合に、その点のみの光学的特性値を各点が指定される毎に演算によって求めることも可能である。この場合には画像は実際には存在せず、存在すると仮想されているに過ぎないため、仮想画像と称し、仮想画像が存在する画面を仮想画面と称することとする。「測定テンプレートを画面に重ね、」とは、例えば、物理画面上において測定テンプレートデータにより指定される画素に対応する画像データを画像データ記憶手段から読み出すことであり、あるいは仮想画面上にシークラインにより指定される点の画像データ(光学的特性値)を物理画面の画像データに基づいて演算することである。撮像対象物が撮像対象物支持装置に支持された物体全体である場合は、その物体の輪郭線の内側がエッジ内、その物体の周辺がエッジ外あるいは背景となり、撮像対象物が物体表面に形成されたキャラクタ,凹部,傷等である場合には、それらを囲む物体表面がエッジ外あるいは背景となる。いずれにしても、撮像対象物に対応する画像データと背景に対応する画像データとの間には相違がある。逆に言えば、背景との間に相違がある場合でなければ、画像処理により撮像対象物に関する情報を取得することができない。撮像対象物とその周辺とでは上記のように光学的特性値に差があるため、エッジ点において光学的特性値が急変する。したがって、物理画面上で画素毎に得られる光学的特性値の変化を求めることにより、また、仮想画面上で光学的特性値の変化勾配を求めることによりエッジ点を決定することができる。物理画面上においてはエッジ点が画素単位で求められるが、仮想画面上においてはシークライン上の任意の点においてエッジ点が求められ、画像処理の分解能を必要に応じて高くすることができる。本態様によれば、撮像対象物のエッジ点を得ることができる。それにより、例えば、撮像対象物の形状が予め判っている場合には、比較的少ないシークラインの設定で撮像対象物の寸法,位置,回転角度等を算出することができる。また、撮像対象物の形状が予め判っていなくても、シークラインの数を多くし、多数のエッジ点が得られるようにすれば、エッジ点の集合から形状を求め、寸法,位置,回転角度等を求めることが可能になる。撮像対象物支持装置が、撮像対象物を正確な位置および回転角度で位置決めする位置決め装置を備えるものであり、撮像対象物の寸法もほぼ一定である場合には、測定テンプレートは一義的に決まる。しかし、撮像対象物支持装置が位置決め装置を備えないものである場合には、撮像対象物の位置および回転角度が一義的に決まらない。その場合には光学式測定装置を、測定テンプレートに加えて、次項に記載の捜索テンプレートを使用するものとすることが必要となる。 (17)前記画像処理装置が、一定の距離を隔てた2個の点を一対とするポイントペアを複数組有する捜索テンプレートのデータを記憶する捜索テンプレートデータ記憶手段と、その捜索テンプレートデータ記憶手段の捜索テンプレートを前記画像データ記憶手段の画像データの表す画像が存在する画面に重ねた場合に、前記複数組のポイントペアを構成する各対の点の光学的特性値の相違状態が設定状態以上である場合には、それら各対の点が、前記画像の光学的特性が急変する部分であるエッジの両側に位置する適合状態にあるとし、前記複数のポイントペアのうち設定量以上のものが適合状態にあれば、撮像対象物は捜索テンプレートに適合する捜索対象物であると判定する判定手段と、を含む(15)項または(16)項に記載の光学式測定装置(請求項10)。本態様の光学式測定装置の画像処理装置における「画像データの表す画像が存在する画面」も、前項に記載の光学式測定装置の画像処理装置におけると同様に、物理画面ないし実在画面であっても、仮想画面であってもよい。エッジは多くの場合閉曲線となり、各ポイントペアの2点の一方はエッジ内に位置し、他方はエッジ外に位置することとなる。そのため、厳密さを要しない場合には、「エッジ内,エッジ外」の表現を用いることとするが、エッジが閉曲線とならない場合もあるため、厳密さを要する場合には、「各ポイントペアの2点がエッジの両側に位置する」との表現を用いることとする。捜索テンプレートデータは、ポイントペアを構成する2個の点の画面上における位置を規定するデータであり、「捜索テンプレートを画像データの表す画像が存在する画面に重ねる」とは、画面が物理画面の場合、捜索テンプレートデータにより指定された各位置にある画素の画像データを画像データ記憶手段から読み出して光学的特性値を得ることである。また、画面が仮想画面である場合は、捜索テンプレートを仮想画面上に置いたと想定し、捜索テンプレートデータにより指定される仮想画面上の各点の光学的特性値を物理画像のデータから演算で求めることである。この場合の物理画像データは、各光電変換素子毎の電気信号の大きさ自体を表すアナログデータあるいはデジタルデータか、階調データであることが必要であり、2値化データでは意味がない。前述のように、エッジにおいて光学的特性が急変するため、ポイントペアの一方の点が撮像対象物のエッジ内に位置し、他方の点がエッジ外(背景内)にあれば、換言すれば、ポイントペアの一方の点に対応する画像データが撮像対象物を表すデータであり、他方の点に対応するデータが背景を表すデータであれば、ポイントペアを構成する2個の点の光学的特性値の相違状態が設定状態以上になるはずであり、相違状態が設定状態以上ではないポイントペアの組の数(または率)が予め定められた設定数(または設定率)以下である場合には、その撮像対象物が捜索対象物であると判定することができる。また、そのようなポイントペアの組を探すことにより、画面上において撮像対象物の像を探すことができる。「光学的特性値が設定状態以上」とは、輝度や色相等の差が設定値以上であることや、輝度や色相等の比率が設定値以上であること等である。捜索テンプレートを物理画面に重ねて光学的特性値を求める場合、画像データはアナログデータや階調データ(以下、階調データ等と称する)でもよく、2値化データでもよい。階調データ等であれば、ポイントペアの2個の点の一方の値と他方の点の値との差が設定値以上であること、あるいは両値の比率が設定比率以上であることが光学特性値の相違状態が設定状態以上であることになる。2値化データであれば、ポイントペアの2個の点の一方の値が0であり、他方の値が1であれば光学的特性値の相違状態が設定状態以上であることになる。撮像対象物(捜索対象物)の位置がほぼ一定である場合には、捜索テンプレートは一定の位置で画面に重ね合わされればよいが、撮像対象物の位置と回転角度との少なくとも一方が不定である場合には、判定手段は、捜索テンプレートの位置と回転角度との少なくとも一方を、判定結果が肯定になるか、予め定められた変更限度に達するまで変更しつつ判定を繰り返すものとされる。捜索テンプレートが変更される場合、位置や回転角度の異なる複数の捜索テンプレートが予め準備されても、標準位置および標準回転角度の標準捜索テンプレートのみが準備され、一般的な位置や回転角度の捜索テンプレートは必要に応じて座標変換により作成されてもよい。「変更限度」とは、例えば、画像処理対象部を捜す捜索領域が設定されている場合に、それ以上捜索テンプレートの位置を変更すれば捜索テンプレートが捜索領域からはみ出してしまう位置に達したことや、捜索テンプレートの位置が予め定められている回数変更されたこと等である。本態様の光学式測定装置の好適な利用分野の一つは、立体形状の測定対象物の寸法検査である。寸法検査においては、測定対象物としての撮像対象物の寸法がほぼ一定であるため、捜索テンプレートの使用に適しているのである。撮像対象物支持装置を測定対象物を一定の位置に位置決めして支持するものとすれば、測定対象物の像に捜索テンプレートを重ね合わせることが容易となって、特に能率よく検査を実行することができる。本態様の光学式測定装置の別の好適な利用分野は、電気回路組立ラインである。例えば、電気部品装着装置においては、プリント基板等の装着対象材に装着される電気部品やプリント基板に設けられた基準マーク等が撮像対象物とされ、スクリーン印刷機においては、スクリーンに設けられた基準マークや印刷用透孔等が撮像対象物とされる。また、撮像対象物は、物体全体の輪郭に限らず、部分が撮像対象物にされることもある。例えば、角形のチップではチップそのものが撮像対象物であるが、リードや半田バンプ等を有する電気部品においては、それらリードや半田バンプ等を有する本体が撮像対象物とされる他、1本のリードや1個の半田バンプが撮像対象物とされることもある。本体の輪郭の外側に位置するリード等は勿論、内側に位置するリード,半田バンプ等、他の部材の輪郭の内側に位置する物が撮像対象物とされることもあるのである。後者の場合、捜索テンプレートは、物体全体の輪郭の内側に位置する物の輪郭を捜索対象として作成されるとともに、物理画面上あるいは仮想画面上において、物体全体の輪郭の像の内側であって、内側に位置する物の物理画像あるいは仮想画像の形成が予定される位置に重ねられ、撮像対象物が捜索される。以上の説明から明らかなように、本態様によれば、画像データおよび捜索テンプレートを用いて捜索対象物の有無や撮像対象物が捜索対象部であるか否かを知ることができる。ポイントペアを構成する2個の点の光学的特性値の算出および比較をポイントペアの数だけ行うことにより判定することができ、処理を容易にかつ迅速に行うことができる。また、捜索テンプレートと測定テンプレートとの両方が使用される場合には、撮像対象物が複数の捜索テンプレートの一つにより捜索対象物であると判定されれば、その捜索テンプレートのデータとマスタ測定テンプレートのデータとにより、捜索対象物であるとされた撮像対象物を測定対象物として測定するための測定テンプレートを設定することができ、測定対象物(撮像対象物)を正確に位置決めする必要のない光学式測定装置が得られる。 (18)前記画像処理装置がさらに、前記捜索テンプレートを、前記捜索対象物を規定する捜索対象物規定データに基づいて自動的に設定する捜索テンプレート自動設定手段を含む(17)項に記載の光学式測定装置。捜索対象物の位置および回転角度がほぼ一定である場合には、捜索対象物規定データに基づいて捜索テンプレートが1個設定されるようにすればよい。しかし、捜索対象物の位置,回転角度の少なくとも一方が一定ではない場合には、その一定ではないものが基準の状態にある場合についてマスタ捜索テンプレートが設定され、そのマスタ捜索テンプレートに上記位置および回転角度のうち一定ではないものに対応する変更が施されて、少なくとも1つの捜索テンプレートが設定されるようにすることが必要となる。本態様においては、捜索テンプレートが自動で設定されるため、作業者が設定する必要がなく、使用が容易でかつ高能率の光学式測定装置が得られる。 (19)前記画像処理装置がさらに、前記捜索テンプレートに基づいて前記測定テンプレートを自動で設定する測定テンプレート自動設定手段を含む(17)項または(18)項に記載の光学式測定装置。捜索対象物の位置および回転角度がほぼ一定である場合には、捜索テンプレートが一義的に決まるため、測定テンプレートも一義的に決まる。しかし、捜索対象物の位置,回転角度の少なくとも一方が一定でない場合には、捜索テンプレートが複数設定され、それらのいずれかによって撮像対象物が捜索対象物であると判定される。したがって、測定テンプレートは、撮像対象物が捜索対象物であると判定された捜索テンプレートに基づいて自動設定されることになる。有効な測定テンプレートを簡単に得ることができ、測定対象物(撮像対象物,捜索対象物)の位置,回転角度,寸法等の測定を迅速に行うことが可能となる。 (20)前記画像処理装置がさらに、一つの測定テンプレートを用いた測定対象物の位置,回転角度および寸法の少なくとも1つの測定結果に基づいて、再測定のための新たな測定テンプレートである再測定テンプレートを自動で設定する再測定テンプレート自動設定手段を含む(19)項に記載の光学式測定装置。一つの測定テンプレートを用いた測定対象物の位置,回転角度および寸法の少なくとも1つの測定結果に基づいて再測定テンプレートが設定されるようにすれば、再測定テンプレートを上記一つの測定テンプレートより測定対象物とのずれの小さいものとすることができ、ずれの小さい測定テンプレートにより測定を行う方が高い精度を得ることができる。 (21)前記撮像素子が、多数の光電変換素子を備え、各光電変換素子の受光状態に応じた電気信号を発生させるものであり、前記画像データ記憶手段がそれら各光電変換素子の電気信号のデータを、各光電変換素子の位置と関連付けて記憶するものであり、かつ、前記画像処理装置がさらに、画像データ記憶手段の画像データにより形成される物理画面に対応して想定される仮想画面上の任意の点を指定する点指定手段と、その点指定手段による点指定毎に前記物理画面上の光学的特性値のデータに基づいて指定された点の光学的特性値を演算する仮想点データ演算手段とを含む(16)ないし(20)項のいずれか1つに記載の光学式測定装置。(16)ないし(20)項のいずれかに係る画像処理装置において撮像装置により撮像が行われるときは通常、撮像面が多数の画素に分解され、画素のそれぞれについて画像データが作成されて画像データ記憶手段に記憶される。画像データにより表される画像は、画素を単位とし、光学的特性値が画素毎に得られる画像でもよく、あるいは画素を単位とせず、光学的特性値が任意の点において得られる画像でもよい。この任意の点の画像データを予め求めておく代わりに、画面上の任意の点が指定された場合に、その点のみの光学的特性値を各点が指定される毎に演算によって求めることも可能である。本態様の画像処理装置はこの仮想画像,仮想画面を利用する態様であり、記憶容量の比較的小さい画像データ記憶手段を使用しながら、迅速にかつ高精度で測定対象物の測定や検査対象物の欠陥検査を行うことができる。 (22)前記エッジ点座標演算手段が、前記シークライン上に設定された複数の分割点の光学的特性値を取得する分割点特性値取得手段と、その分割点特性値取得手段により取得された分割点の光学的特性値に基づいてシークライン上における光学的特性値の最も急激な変化点をエッジ点として捜索するエッジ点捜索手段とを含む(16)ないし(21)項に記載の光学式測定装置。 (23)前記複数の分割点のピッチが前記光電変換素子のピッチより小さい(22)項に記載の光学式測定装置。 (24) (1)ないし(14)項のいずれか1つに記載の撮像装置と、その撮像装置により撮像された画像を表す画像データを処理することにより前記撮像対象物の欠陥を検出する画像処理装置とを含む光学式検査装置(請求項11)。本態様によれば、撮像対象物の欠陥を高い信頼性を以て検査し得る光学式検査装置が得られる。 (25)前記画像処理装置が、前記撮像装置により撮像された画像のデータである画像データを記憶する画像データ記憶手段と、その画像データ記憶手段に記憶された画像データにより表される画像の光学的特性が急変する部分であるエッジと交差しないことが予定されたネガティブシークラインを設定するネガティブシークライン設定手段と、その設定されたネガティブシークラインがエッジと交差する場合には前記撮像対象物に欠陥があると判定する判定手段とを含む(24)項に記載の光学式検査装置(請求項12)。本態様の光学式検査装置によれば、撮像対象物支持装置に支持された物体の表面に存在する傷や汚れ、物体の外側面に存在する切欠,ばり等の欠陥を、ネガティブシークラインを利用して迅速に検出することができる。ネガティブシークラインは、エッジと交差しないことが予定されているシークラインである。そのネガティブシークラインがエッジと交差すれば、物体の表面あるいは外周の予定されていない部分にエッジが存在するということであり、欠陥が存在すると推定することができるのである。なお、欠陥の検査は、撮像対象物支持装置に支持された物体全体についてのみならず、物体の一部についても行うことができる。物体自体が検査対象物とされる場合も、物体の一部が検査対象物とされる場合もあるのである。 (26)前記画像処理装置がさらに、前記撮像対象物の位置,回転角度,寸法の少なくとも1つを測定する測定手段を含み、前記ネガティブシークライン設定手段が測定手段により測定された前記位置,回転角度,寸法の少なくとも1つに基づいて前記ネガティブシークラインを設定する(25)項に記載の光学式検査装置。ネガティブシークラインは前述のように、エッジと交差しないことが予定されたシークラインであるから、傷や汚れ等の欠陥検査に使用される場合には、検査対象物の位置,回転角度,寸法等が既知であることが必要である。検査対象物が正確な寸法を有し、かつ正確な位置および回転角度に位置決めされる場合には、測定手段を省略することが可能であるが、検査対象物の寸法が不正確であったり、検査対象物が正確な位置や回転角度に位置決めされない場合には、ネガティブシークラインの設定に先立って検査対象物(対象物が検査対象物であるか否かが未定である状態では撮像対象物)の位置,回転角度,寸法のうち、不正確であるものが測定されることが必要となる。換言すれば、測定手段を含む画像処理装置によれば、位置,回転角度,寸法等が一定しない検査対象物の欠陥も支障なく検査できるのである。 (27)前記画像処理装置がさらに、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データにより表される画像の光学的特性が急変する部分であるエッジと交差することが予定されたポジティブシークラインを設定するポジティブシークライン設定手段を含む(25)項または(26)項に記載の光学式検査装置。ネガティブシークラインとポジティブシークラインとを併用すれば、一方のみを使用する場合に比較して、対象物の検査の信頼性と能率との少なくとも1つを向上させることができる。 (28) (1)ないし(14)項のいずれか1つに記載の撮像装置と、その撮像装置により撮像された画像を表す画像データを処理することにより前記撮像対象物の位置および回転角度を取得し、かつ、その取得した位置および回転角度のデータと予め付与された欠陥検出用データとに基づいて撮像対象物の欠陥を検出する画像処理装置とを含む光学式検査装置(請求項13)。前記(15)項に記載の測定の特徴と、(24)項に記載の検査の特徴とを合わせて有する光学式検査装置であり、測定に関しては前記(16)ないし(23)項の特徴を採用することができ、検査に関しては前記(25)ないし(27)項に記載の特徴を採用することができる。画像処理装置に、上記欠陥検出手段に加えて、画像データの処理により撮像対象物の寸法を取得し、その取得した寸法を基準寸法とを比較して寸法検査を行う寸法検査手段を設けることも可能である。なお付言すれば、(15)項に記載の測定に関する特徴、(24)項に記載の検査に関する特徴、および本項の特徴は、前記 (1)項に記載の撮像装置に関する特徴とは独立に採用することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明を立体形状の対象物(撮像の際は撮像対象物、測定の際は測定対象物、検査の際は検査対象物となる。以下、それぞれの場合に適した呼称を使用する)の撮像、位置,回転角度および寸法の測定、寸法検査および欠陥検査を行う装置に適用した場合の一実施形態を図面に基づいて説明する。本装置は、本発明の一実施形態である撮像装置および光学式測定装置を含むとともに、本発明に係る光学式検査装置の一実施形態である。本光学式検査装置は、図1〜8に示す撮像装置10と、図12に示す画像処理装置12,モニタテレビ14および入力装置16とを含んでいる。入力装置16は、キーボード18,マウス20,フットスイッチ22等を含んでいる。画像処理装置12は、入力装置16から入力される情報,指令等に応じて作動し、撮像装置10により撮像された画像のデータを処理して検査対象物の寸法を測定し、その測定寸法を基準寸法と比較して合否の判定を行う。また、検査対象物表面に傷や汚れ等の欠陥があるか否か、外周部に欠け等の欠陥があるか否かの検査も行う。撮像された画像,測定された寸法,判定結果および欠陥の有無等は表示装置としてのモニタテレビ14に表示される。さらに、モニタテレビ14の表示内容を記録媒体としての記録用紙に印刷する印刷装置を画像処理装置12に接続することも可能である。 【0010】画像処理装置12の作動に必要な情報の入力はキーボード18およびマウス20を使用して行われるが、作動開始指令等の単純な指令はキーボード18,マウス20およびフットスイッチ22のいずれからも入力可能であり、特に多数の検査対象物の検査を連続的に行う場合には、フットスイッチ22により作動開始指令を入力すれば、両手を検査対象物の交換等別の作業に使用することができ、便利である。さらに、検査の結果、検査対象物が不合格であった場合には、画像処置装置に内蔵のブザーが作動するようになっており、オペレータはモニタテレビ14を常時注視している必要がなく、本光学式検査装置はこの点でも使い勝手のよいものとなっている。 【0011】次に、撮像装置10について説明する。撮像装置10は図8に概念的に示す構成を有し、具体的には図1〜7に示す構造を有している。図1〜3において、符号30は装置本体を示す。装置本体30は複数の部材が組み立てられて成り、全体として矩形の箱状をなしている。装置本体30の第1の部材は垂直に立ち上がった支持壁32であり、その支持壁32の垂直な一側面に支持壁34が固定されている。それら両支持壁32,34の下端にベースプレート36が固定されるとともに、支持壁32の中央部にフレーム38が固定されている。支持壁32,34の上端にカバー部材40が固定されるとともに、支持壁32と平行なカバー部材42が固定され、1つの側面のみが開放された箱状の構造物が構成されている。なお、図1においては、カバー部材42が除かれ、位置のみが二点鎖線で示されている。また、支持壁32は、図2から明らかなように、それ自体が浅い箱状の部材であり、内部には図示を省略する補強のリブが複数形成されている。図2においては、カバー部材40とビームスプリッタ72とが省略されている。 【0012】この装置本体30内に、撮像部50と平行光発生部52とが構成されている。撮像部50は、フレーム38と2枚のガラス板54,56とを有する撮像対象物支持装置58を備えている。フレーム38に、それを上下方向に貫通する貫通孔60が形成され、その貫通孔60(図2参照)の上方と下方の開口部に2枚のガラス板54,56が配設されているのである。フレーム38にはそれを、支持壁32およびカバー部材42に直角な方向に貫通する貫通孔62も形成されており、支持壁32およびカバー部材42にもその貫通孔62に対応する開口64,66が形成されている。平行光発生部52は、後述の構成により、フレーム38の貫通孔60を下から上へ向かう平行光(図8参照)を発生させる。したがって、カバー部材42の開口66から物体を挿入して下側のガラス板54上に載せれば、その物体は背面側(下面側)から平行光により照明されることとなる。本撮像装置10においては物体のシルエット像が撮像されるのであり、物体全体が撮像対象物であることになる。なお、支持壁32の開口64は、撮像対象物が長い場合でも、それのフレーム38への挿入を許容するために形成されているものである。 【0013】撮像部50は、上記撮像対象物支持装置58の他に、凹面鏡70,ビームスプリッタ72,オリフィス74,レンズ系76およびCCDカメラ78(図2参照)を備えている。凹面鏡70は放物面鏡であり、光軸に平行に入射する光を焦点に向かって反射する。凹面鏡70は支持壁34に固定されており、それの焦点の位置にオリフィス74のピンホール80(図8参照)が位置させられている。これら凹面鏡70とオリフィス74との間の位置にビームスプリッタ72が配設されている。ビームスプリッタ72は、前記フレーム38の貫通孔60の中心線と、凹面鏡70の光軸との交点の位置に、それら中心線および光軸に対して45度傾斜した姿勢で支持壁32に支持されている。ビームスプリッタ72は入射した光の一部は透過させ、残りの部分は反射するものであり、図8に示すように、平行光発生部52において発生させられ、フレーム38の貫通孔60を通過した平行光のうちの、ビームスプリッタ72によって反射されたものが凹面鏡70に入射する。この光は、実質的に凹面鏡70の光軸に平行な方向から凹面鏡70に入射するため、凹面鏡70の焦点に集光される。 【0014】この集光した光は、オリフィス74のピンホール80を通過し、放射状に広がった後、レンズ系76により平行光に変換される。レンズ系76の焦点が凹面鏡70の焦点と一致させられているからである。オリフィス74は、凹面鏡70に入射する光(すなわち撮像対象物の周囲を通過した光)のうち、凹面鏡70の光軸に平行なもののみを通過させ、他の方向の光は通過させない機能を果たすものであり、その機能はピンホール80の直径が小さいほど鋭くなる。ピンホール80が面積のない理論的な点であれば、厳密に平行光のみのがピンホール80を通過することとなるが、現実には微小な面積を有するものとせざるを得ず、光軸に対して微小角度傾斜した方向の光もピンホール80を通過し、それら実質的に凹面鏡70の光軸に平行な光により、CCDカメラ78の撮像素子としてのCCD82(図2,図8参照)の撮像面に画像が形成される。したがって、鮮明な画像を得るためには、レンズ系76の、ピンホール80の位置にある焦点とは反対側の焦点の位置にCCD82を配置することが必要である。CCD82は、多数の光電変換素子(電荷結合素子)が格子状に形成されたものであり、各光電変換素子に入射した光の強さに応じた電気信号を、各光電変換素子の位置に対応させて取り出し可能なものである。 【0015】上記オリフィス74およびレンズ系76は、共通の筒体内に組み込まれて一体的な光学系を構成している。本実施例装置においては、図5,6,7に示すように、長,中,短と長さが3段階に異なる筒体90,92,94内に組み込まれて、視野が小,中,大と3段階に異なる3種類の光学系96,98,100が準備されており、目的に合わせて選択的に装置本体30に取り付けられる。その意味において、以下、光学系96,98,100を交換レンズと称することとする。これら交換レンズ96,98,100は、ブラケット102を介して装置本体30に取り付けられ、その後端にCCDカメラ78が螺合により着脱可能に取り付けられる。 【0016】凹面鏡70への平行光の入射方向は正確に凹面鏡70の光軸に平行であることが必要であり、また、オリフィス74のピンホール80は正確に凹面鏡70の焦点の位置にあることが必要であるため、ビームスプリッタ72の傾斜角度を調節する傾斜角度調節装置108と、交換レンズ96等の軸方向位置を調節する位置調節装置110とが設けられている。 【0017】傾斜角度調節装置108は、図4に示すように、取付軸112,偏心操作部材114および長穴116を含んでいる。取付軸112は前記支持壁32に直角に固定され、ビームスプリッタ72を、前記フレーム38の貫通孔60の中心線と凹面鏡70の光軸との両方に直角な回動軸線のまわりに回動可能に支持している。偏心操作部材114は、支持壁32に取付軸112の軸線に平行な軸線のまわりに回転可能に保持された被支持軸部118とそれに対して偏心した偏心カム部120とを備え、偏心カム部120がビームスプリッタ72に形成された長穴116に嵌入させられている。長穴116は、ビームスプリッタ72の回動軸線と直交する方向に長く形成されており、偏心カム120は、その長穴116にその長穴116の幅方向には実質的に相対移動不能に嵌入させられているため、偏心操作部材114が回転操作されるにつれてビームスプリッタ72が取付軸112の軸線である回動軸線のまわりに回動し、凹面鏡70の光軸に対する傾斜角度が調節される。角度調節後、ビームスプリッタ72はボルト122により支持壁32に固定される。 【0018】位置調節装置110は、図2に最も明瞭に示されているように、前記ブラケット102の他、キー126,キー溝128,調節ねじ部材130,調節ねじ部材保持部材132等を含んでいる。キー126は装置本体30に凹面鏡70の光軸に平行に固定されてガイドを形成しており、このキー126にブラケット102のキー溝128が嵌合されている。また、ブラケット102は複数本のボルト134により装置本体30に固定されるが、それらボルト134は緩められた状態で、ブラケット102の装置本体30に対する相対移動を許容しつつ装置本体30からの過大な浮き上がりを防止する。以上によって、ブラケット102の移動が凹面鏡70の光軸に平行な方向に規制されている。調節ねじ部材130は、装置本体30に固定されてその一部をなす調節ねじ部材保持部材132に回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されるとともに、雄ねじ部138においてブラケット102の雌ねじ部140に螺合されている。したがって、調節ねじ部材130が回転操作されるにつれて、ブラケット102がキー126に沿って移動し、その結果、ブラケット102に保持されている交換レンズ96等およびCCDカメラ78の軸方向の位置が調節される。オリフィス74のピンホール80が丁度凹面鏡70の焦点の位置に位置する状態となったとき、ボルト134が締めつけられて、交換レンズ96等の位置が固定される。なお、調節ねじ部材は、ねじの向きあるいはピッチが違う2つの雄ねじ部を有し、それぞれの雄ねじ部においてブラケット102および装置本体30と螺合するものとすることも可能である。 【0019】次に、平行光発生部52について説明する。平行光発生部52は、レンズ系76およびCCDカメラ78の代わりに、光源装置146が設けられている以外は、上記撮像部50と面対称に構成されている。凹面鏡148,ビームスプリッタ150およびオリフィス152が、それぞれ撮像部50の前記凹面鏡70,ビームスプリッタ72およびオリフィス74と、撮像対象物支持装置58の上下方向の中央を通る水平面を対称面とする面対称の位置に配設されているのである。さらに、平行光発生部52にも前記傾斜角度調節装置108および位置調節装置110と同じ構成の傾斜角度調節装置158および位置調節装置160が設けられている。 【0020】上記光源装置146は、光源としてのハロゲンランプ170、それの光を導くグラスファイバ172、およびグラスファイバ172の先端からほぼ平行に放射される光をオリフィス152のピンホール174に集光させるレンズ系としてのボールレンズ176を含んでいる。ボールレンズ176により集光させられた光はピンホール174を通過して放射状に広がる。光源装置146が点光源として機能するのである。ピンホール174から放射された光の一部はビームスプリッタ150により反射されるが、残りはビームスプリッタ150を透過して凹面鏡148に入射する。ピンホール174は凹面鏡148の焦点に位置させられているため、ピンホール174から放射された光は凹面鏡148により、凹面鏡148の光軸に平行な平行光に変換される。この平行光がビームスプリッタ150により前記撮像対象物支持装置58に向かって反射される。 【0021】本撮像装置は以上のように構成されているため、平行光発生部52において発生させられた平行光が、撮像対象物支持装置58を下から上へ貫通穴60の中心線に平行に通過する。したがって、撮像対象物支持装置58のガラス板54上に撮像対象物180(図8参照)を載せておけば、平行光の一部は撮像対象物180に遮られ、残りは撮像対象物180の周囲を通過する。この通過した光によって、前述のようにCCDカメラ78のCCD82に画像が形成されるのであるが、この画像は暗い撮像対象物180の像と明るい背景の像とから成る。撮像対象物180のシルエット像が得られるのであり、背景の明るい像は撮像対象物180の周囲を通過した平行光により形成されるため、撮像対象物180のシルエット像は透視図法ないし投影図法で描かれた図面の図形と正確に同じ寸法となる。図66に示すように、通常の光学系182を通してCCD184により撮像対象物180を撮像した場合には、撮像対象物180の光学系182から遠い部分の画像が、近い部分の画像に比較して小さく撮像されてしまう。もし、光学系182から遠い部分が二点鎖線で示すように、光学系182からの距離が他の部分と同じ位置にあれば、もっと大きな画像として取得されるのに対し、小さく撮像されてしまうのである。この問題は、撮像対象物180の光学系182に対向する面が光学系182の光軸に直角な一平面でない限り発生し、また、一平面であっても、その一平面の位置が一定しない限り発生し、三次元形状の検査対象物の寸法測定を不可能にする。それに対し、本撮像装置10によればこの問題が解消され、三次元形状の撮像対象物180であっても透視図法ないし投影図法で描かれた図面と同じ画像が取得されるため、この画像に基づいて寸法を求めれば、透視図法ないし投影図法上の寸法を取得することができる。 【0022】以上説明した撮像装置10に代えて図9に示す撮像装置190を使用することも可能である。この撮像装置190は、撮像装置10における平行光発生部52を明背景形成装置の一種である均一照明装置192に変えたものである。均一照明装置192は、例えば、多数の発光ダイオードを格子上に配列した光源を乳白色の拡散板によって覆ったものとすることができる。多数の発光ダイオードから放射された光が拡散板内で拡散させられ、拡散板の表面からあらゆる方向に均一に放射される。したがって、撮像対象物180の周囲を通過する光は種々の方向の成分光を含むことになるが、前述のように、ピンホール80を有するオリフィス74は、凹面鏡70へそれの光軸に平行な方向から入射した成分光を選択的に通過させる機能を有しているため、撮像素子としてのCCD82には、撮像対象物180の、透視図法ないし投影図法で描かれた図面の図形と正確に同じ寸法となる。 【0023】図10に示す撮像装置200を使用することも可能である。この撮像装置200は上記撮像装置190における撮像対象物180(すなわち撮像対象物支持装置)とオリフィス74,レンズ系76およびCCDカメラ78との位置を入れ換えたものである。撮像装置190においては、撮像対象物支持装置が凹面鏡70の側から見てビームスプリッタ72の反射方向に配設され、オリフィス74等が透過方向に配設されていたが、図10の撮像装置200においては、撮像対象物支持装置がビームスプリッタ72の透過方向に配設され、オリフィス74等が反射方向に配設されているのである。この構成の撮像装置200によっても透視図法ないし投影図法上の画像を得ることができる。 【0024】図11に示す撮像装置204を使用することも可能である。この撮像装置204は、プリント配線板に電気回路を装着してプリント回路板を組み立てる電気部品装着システムにおいて、電気部品保持部材としての吸着ノズル206に保持された撮像対象物としての電気部品208の位置および回転角度を測定するために構成されたものである。吸着ノズル206は紫外線放射器210からの紫外線を受けて可視光線を放射する蛍光板212(可視光線を乱反射する乱反射板を使用することも可能である)を備えている。本撮像装置204は、蛍光板212(あるいは乱反射板)を明背景形成装置として使用し、撮像対象物(電気部品208)の正確なシルエット像を取得するものなのである。 【0025】以上図面に基づいて説明した撮像装置はすべて撮像対象物のシルエット像を取得するものであったが、平行光発生部52,均一照明装置192,蛍光板212等に代えて、撮像対象物を前面側から照明装置により照明して正面像を取得することも可能である。その一例は、図11の撮像装置204において、紫外線放射器210を可視光線を放射するリングライトに変更したものである。紫外線放射器210とリングライトとの両方を設けておき、選択的に使用することにより、撮像対象物としての電気部品208のシルエット像も正面像も取得できるようにすることも可能である。撮像対象物の正面像を取得すれば、それの表面上に存在する凹部,突部、表面上に印刷されたキャラクタ、表面上に生じた傷,汚れ等の欠陥の像を得ることができる。 【0026】次に、画像処理装置12について説明する。画像処理装置12は、上記のようにしてCCDカメラ78により取得された画像のデータを処理し、撮像対象物180の外側や内側の輪郭線に基づいて、撮像対象物180の寸法,位置,基準回転位置からの回転角度等を求める。また、撮像対象物180の表面に存在するキャラクタ,図形,凹部,傷,汚れ等の輪郭線に基づいて、キャラクタ,図形,凹部等を識別し、傷,汚れ等欠陥を検出する。この画像処理は複雑であるので、後にまとめて詳述することとし、ここでは省略する。画像処理装置12は、さらに、上記のように求めた寸法,位置,回転角度等のデータを基準データと比較して合否の判定を行い、その判定結果を、求めた寸法,位置,回転角度等の値と共にモニタテレビ14に表示させる。また、撮像対象物180の表面に存在するキャラクタ,図形,凹部等の識別結果や、傷,汚れ等欠陥の検出結果もモニタテレビ14に表示させる。 【0027】この画像処理装置12は、本来、電気部品供給装置から供給される電気部品を、吸着ヘッド等の部品保持ヘッドにより保持し、搬送して、プリント基板等の回路基材に装着する電気部品装着装置用の画像処理装置として開発されたものである。電気部品装着装置においては、部品保持ヘッドによる電気部品の保持位置や保持方位(基準回転位置からの回転角度で表され、以下、回転角度と称する)を検出し、あるいは基材支持装置により支持された回路基材の位置や回転角度を検出し、それらの誤差を修正した上で、電気部品を回路基材に装着することが行われており、そのために、電気部品や回路基材の基準マークを撮像する撮像装置が必要であり、これら撮像装置の画像処理装置として開発されたものなのである。しかし、一般的な工業製品の位置,回転角度,寸法の測定や検査、欠陥の有無の検査にも使用が可能である。 【0028】画像処理装置12はコンピュータを主体とするものであり、図13に示すように、CPU254,DRAM(ダイナミックラム)256,SRAM(スタティックラム)258,PROM(プログラマブルロム)260,漢字ROM262,フレームグラバメモリ264,および4面分のオーバレイ表示メモリ266を有し、これらは基板267上の図示しない内部バスによって互に接続されている。 【0029】上記内部バスにはまた、2チャンネルのシリアルインタフェース270が接続され、入力装置16が接続されている。入力装置16は、テンキー,アルファベットキー等を有する前記キーボード18を主体とし、光学式検査装置全体の運転に必要な情報,指令と共に、画像処理対象物(物体の全体でも一部でもよい)の種類,個数等,画像処理に必要な情報を入力する装置である。バスにはまた、イーサネットインタフェース274およびメモリカードインタフェース276が接続されている。 【0030】イーサネットインタフェース274は電気部品装着装置等の、画像処理装置以外の部分を制御するコンピュータとの間で通信を行うためのインタフェースである。画像処理装置12には、オプションの制御機器を接続可能であり、イーサネットインタフェース274はP1コネクタ268を介してデータ交換を行うのである。また、電気部品装着装置の各種駆動装置を制御する制御装置も、コンピュータを主体として画像処理装置12とは別に設けられ、図示しない外部バスを介してP1コネクタ268に接続される。この別の制御装置は本発明とは関連が薄いため図示および説明は省略する。メモリカードは、画像処理を行うために予め作成されたプログラムが記憶されたものであり、画像処理装置12にセットされれば、CPU254がPROM260を使用してメモリカード内のプログラムやプログラムの実行に必要なデータをメモリカードインタフェース276を介して読み出し、DRAM256に記憶させる。 【0031】バスには更に、CCDカメラインタフェース280が接続され、これに前記光学式検査装置のCCDカメラ78(または電気部品装着装置のCCDカメラ78)が接続される。CCDカメラ78により得られた画像のデータである画像データは、CCDカメラインタフェース280を介してフレームグラバメモリ264に格納される。前述のように、フレームグラバメモリ264は4つ設けられており、例えば、連続して撮像される4個の撮像対象物180の画像データが各フレームグラバメモリ264に順次格納される。 【0032】バスには更に、テレビインタフェース286が接続され、モニタテレビ14が接続されている。モニタテレビ14はカラー表示およびモノクロ表示の両方が可能である。前述のように、撮像対象物180の撮像により得られた4つのモノクロ画像の画像データが、フレームグラバメモリ264に並列的に格納されるようになっており、一方オーバレイ表示メモリ266は、画像を16色のカラーで表示するカラー画像データを記憶し得るメモリを4面分備えている。モニタテレビ14には、上記4つのモノクロ画像のいずれか1つに、上記4面分のカラー画像のうちモノクロ画像に対応するものが重ねて表示され、画像処理の経過や結果が表示される。この同じモニタテレビ14に、入力装置16を用いて入力されたデータもカラーで表示される。この表示時に漢字ROM262が使用される。 【0033】以下、CCDカメラ78の撮像により得られた画像データの処理について説明する。画像処理のためのプログラムやデータは前述のようにメモリカードに記憶されており、メモリカードがセットされれば読み出されてDRAM256に記憶される。メモリカードから読み出される画像処理プログラムを図14ないし図16にそれぞれ示す。これらのプログラムの実行により、画像処理対象物(撮像対象物)の寸法,位置,回転角度等の測定、寸法の検査ならびに欠陥の有無の検査が行われる。 【0034】図14に示すプログラムは事前処理プログラムである。事前処理プログラムは、一検査プログラムの立ち上げ時、すなわち事前処理プログラムのDRAM256への格納後に実行される。まず、一検査プログラムの実行に必要なすべての画像処理対象物のうちの1つについて、パターンマッチングを行うか否かが判定され、行うのであればマスタ捜索テンプレートに基づいて捜索テンプレートが生成されてDRAM256に記憶される。同様の処理がすべての画像処理対象物について順次行われる。 【0035】上記マスタ捜索テンプレートは2個の点を一対とするポイントペアを複数組有し、それらポイントペアを規定する座標面(マスタ捜索テンプレート座標面と称する)が画像処理装置12の基準座標面と一致しているものである。すなわち、マスタ捜索テンプレート座標面の原点および座標軸の方向が、CCDカメラ78の視野の中心に原点が設定された基準座標面の原点および座標軸の方向と一致しているのである。マスタ捜索テンプレートは、画像処理対象物の形状,寸法に基づいて予め作成されてメモリカードに記憶されており、事前処理プログラムと共にDRAM256に読み込まれる。 【0036】図17に、画像処理対象物が正方形の部分である場合のマスタ捜索テンプレートの設定データの一例を示し、そのデータによって設定されるマスタ捜索テンプレート300を図18に示す。図17のデータ中、第7,8,10,11行のデータおよび第5行のhs(ハーフスパン)=5.5がマスタ捜索テンプレートの設定データである。Pairとは、ポイントペアを構成する2個の点の延長線上において、画像処理対象物の中心線に対して対称に別のポイントペアを設定することを意味する。例えば、図18に示す(7),(8),(10),(11) の各ポイントペア302に対して(7) ´,(8)´,(10) ´,(11) ´の各ポイントペア302が設定されるのである。これらポイントペア302に付された括弧付の数字は、図17における行番号と一致している。また、304は画像処理対象物である。 【0037】マスタ捜索テンプレートは、寸法,位置,回転角度のいずれにも誤差のないマスタ画像処理対象物について、各組のポイントペアを構成する2個の点の一方が画像処理対象物の内側に、他方が外側に位置し、かつ、それらポイントペアの2個の点の中点がマスタ画像処理対象物のエッジ(輪郭線)上に位置するように作成される。それを図に示せば、図18に示すようになるのである。なお、一般的には、ポイントペアの2個の点の中点がマスタ画像処理対象物のエッジ上に位置することは不可欠ではなく、2個の点がそれぞれ画像処理対象物のエッジより内側と外側とに指定されればよい。また、図18に示す例の場合、ポイントペア302の2個の点のうちの一方の点が別のポイントペア302の一方の点と共通にされているが、これも不可欠なことではない。さらに、図18においては、いずれの点がポイントペア302を構成するかを判り易く示すために、ポイントペア302を構成する2個の点が直線でつながれているが、この直線は説明の都合上の線であって実際に直線のデータが設定されるわけではない。 【0038】図21に、画像処理対象物が、一部が切り欠かれた図22の円板306である場合のマスタ捜索テンプレートのデータを示す。このマスタ捜索テンプレート308においては、円周部分に設けられた(15)〜(17)のポイントペア310は(15)´〜(17)´のポイントペア310とペアにされているが、その他のポイントペア310は他のポイントペアとペアにされてはいない。 【0039】光学式検査装置においては、画像処理対象物が、例えば撮像対象物180の像の全体とされ、検査されるべき複数種類の撮像対象物180についてのマスタ捜索テンプレートデータが予め作成されてメモリカードに記憶されており、画像処理実行時にはDRAM256に格納される。そのため、捜索テンプレートの生成時には、捜索テンプレートを生成すべき撮像対象物180の種類に応じてマスタ捜索テンプレートデータがDRAM256から読み出される。マスタ捜索テンプレートは前述のように回転角度が0度の捜索テンプレートであり、マスタ捜索テンプレートが設定角度範囲内において図20に二点鎖線で示すように設定ピッチで回転させられることにより、複数種類の捜索テンプレートが生成され、そのデータがDRAM256に格納される。 【0040】この捜索テンプレートの生成角度範囲および設定ピッチをそれぞれ指定するデータは、図17に示すように、マスタ捜索テンプレートのデータと共に記憶されている。第15行のpitchA=4.5 が設定ピッチのデータであり、第16行のstartA=-45および第17行のendA=45 が捜索テンプレートの生成角度範囲を規定するデータである。捜索テンプレートを生成する角度範囲およびピッチは撮像対象物180に応じて設定される。例えば、撮像対象物180が撮像対象物支持装置58のガラス板54上に載置される際の回転角度が大きくずれることが予想される場合には、生成角度範囲が広くされるのである。因みに、図14に示す事前処理プログラムの例では、生成角度範囲が−45度から+45度とされ、設定ピッチが5度とされている。 【0041】1つの撮像対象物180についての捜索テンプレートの生成が終了すれば、プログラムの実行は最初に戻り、次の撮像対象物180についてパターンマッチングを行うか否かの判定および行うのであれば捜索テンプレートの生成が行われる。パターンマッチングを行わない場合にはプログラムの実行は始めに戻り、次の撮像対象物180についてパターンマッチングを行うか否かの判定が行われる。全部の撮像対象物180についてパターンマッチングを行うか否かの判定,パターンマッチングを行う撮像対象物180についての捜索テンプレートの生成が行われたならば図14のプログラムの実行は終了する。 【0042】次に、図15に示す実行処理プログラムを説明する。このプログラムは、CCDカメラ78により撮像対象物180が撮像され、画像データがフレームグラバメモリ264に格納された後に実行される。まず、撮像対象物180が四角形物等、パターンマッチングのみで処理可能であれば、図16に示すパターンマッチングプログラムに従って画像処理が行われる。 【0043】次に、画像処理対象物が、QFP(クウォード フラットパッケージ),PLCC(プラスティック リーデッド チップ キャリア),SOP(スモールアウト ライン パッケージ)等多数のリードを備えて形状が複雑な電気部品、BGA(ボール グリッド アレイ)の半田バンプ等画像処理対象物の数が多いもの、太陽電池のグリッドパターンのように画像処理対象物の形状が複雑なもの、形状が単純な円や四角形ではない機械部品、画像処理のためにパターンマッチングを組み合わせたパターンマッチングマネージャを作動させる必要があるものであるか否かが判定される。パターンマッチングの組合わせについては後述する。 【0044】パターンマッチングマネージャ作動の必要がなければ、仮想画面上での画像処理を行うべきか否かが判定され、判定の結果がNOであれば物理画面上での画像処理を行うべきか否かが判定される。物理画面は、光学的特性値が画素毎に求められて画像データが実在する画像の画面であり、仮想画面は、画素に拘束されない任意の点の光学的特性値が必要に応じて演算によって求められる画面である。上記パターンマッチングおよびパターンマッチングマネージャはいずれも、後に説明するように、仮想画面上で行われる処理であるが、本実施形態においては、これらの他に、パターンマッチングによらないで仮想画面上と物理画面上とでそれぞれ画像処理を行い得るようにされている。上記「仮想画面上での画像処理を行うべきか否か」および「物理画面上での画像処理を行うべきか否か」の判定は、パターンマッチングまたはパターンマッチングマネージャの画像処理を行うことが指令されているか否かの判定なのである【0045】図16に示すパターンマッチングプログラムを説明する。まず、サーチウインドウが設定され、画像処理対象物を捜索する捜索領域が設定される。サーチウインドウの設定は、CCDカメラ78の撮像面の一部あるいは全部を座標値によって指定することにより行われる。画像処理対象物が何であるかは、作業手順中のデータにより判っており、撮像面に形成される画像処理対象物の像の位置はおおよそ判るため、サーチウインドウは位置に多少のずれがあっても画像処理対象物を包含するに適した十分な大きさに設定される。このようにすれば捜索領域が狭くて済み、短時間で捜索することができる。 【0046】フルセットのパターンマッチング処理は、捜索対象部を捜索する捜索ステップ,捜索対象部のおおよそのエッジ点を捜索する再捜索ステップ,捜索対象部のエッジ点を演算する測定ステップ,測定ステップを繰り返し行う再測定ステップおよび検査ステップの5つのステップを含む。通常は5つのステップ全部の終了によりパターンマッチングが終了する。1つでも異常のステップがあれば、次のステップは実行されず、直ちにパターンマッチングが終了させられる。 【0047】まず、捜索ステップを説明する。捜索ステップにおいては、DRAM256から捜索テンプレートが1つずつ順次読み出され、図24に示すように画像処理対象物の像320と背景(画像処理対象物以外の部分の意であって、画像処理対象物が部品表面の凹部等である場合には部品表面の像が背景となる)とを含む画像が存在する画面321に重ねられ、捜索テンプレート322の複数のポイントペア324を構成する2個の点(以下、ポイントペア構成点と称する)の光学的特性値(本実施形態では輝度)が演算される。図17に示す例では、回転角度が−45度の捜索テンプレートから順に読み出される。 【0048】ポイントペア構成点は仮想画面上の点であり、ポイントペア構成点の輝度は物理画面上の複数の画素の画像データとしての輝度から補間演算により求められる。捜索テンプレートのデータにより指定された仮想画面上の点の光学的特性値が物理画面の画像データに基づいて求められるのであり、これを視覚的に表したのが図24であって、請求項10にいう「捜索テンプレートを画像データの表す画像が存在する画面に重ねる」とはこのことを意味する。図24の画面321は仮想画面であり、この画面321内の画像対象物の像320はこの位置に存在すると仮想されているのみで、実際にこの像320を表す画像データは存在しない。他の図に関しても同様である。 【0049】ポイントペア構成点の輝度の補間演算は、例えばX,Y座標面上における4×4個の制御点の画像データによって規定される双3次スプライン曲面等の曲面を使用して行うことも可能であるが、本実施形態においては、ポイントペア構成点に隣接する4個の画素の画像データに基づいて、最も単純な線形補間により行われる。図25において(u0 ,v0 )はポイントペア構成点、f(u0 ,v0 )はポイントペア構成点の輝度、(u´,v´),(u´+1,v´),(u´,v´+1),(u´+1,v´+1)はそれぞれ線形補間に使用される4個の画素の中心位置、f(u´,v´),f(u´+1,v´),f(u´,v´+1),f(u´+1,v´+1)は4個の画素の各輝度であり、ポイントペア構成点の輝度は(1)式によって演算される。 f=(u0 ,v0 )=f(u´,v´)(1−α)(1−β)+f(u´+1,v´)α(1−β)+f(u´,v´+1)(1−β)β+f(u´+1,v´+1)αβ・・・・・・・(1) 【0050】上記演算は図26に示す物理画面/仮想画面変換ドライバ380によって行われる。図に示すように、物理画面/仮想画面変換ドライバ380は、一般的な画像処理アプリケーションソフトウエア382とは別に構成されており、画像処理アプリケーションソフトウエア382において、物理画面384上の画像データに基づいて仮想画面386上の画像データを演算する必要が生じる度に、物理画面/仮想画面変換ドライバ380が呼び出されて、仮想画面386上の画像データの演算が行われるのである。 【0051】各対のポイントペア324の2個の構成点について輝度が演算される毎に、それら2個のポイントペア構成点の輝度が比較される。CCDカメラ78によるシルエット像の撮像時には、画像処理対象物(撮像対象物180)に対応する部分と背景に対応する部分とでは固体撮像素子の電荷量に差が生ずる。画像処理対象物の像が暗く、背景が明るくなるのである。そのため、2個のポイントペア構成点の一方が画像処理対象物のエッジ内に位置し、他方の点がエッジ外に位置するのであれば、2個のポイントペア構成点の輝度に予め設定された設定値以上(設定値が正の場合)または設定値以下(設定値が負の場合)の差が生ずる。 【0052】上記輝度差の設定値はマスタ捜索テンプレートデータと共に記憶されている。例えば、図17においては第5行に記述されているように設定値diffが20に設定されている。この場合には、2個のポイントペア構成点のうち、画像処理対象物のエッジ内のポイントペア構成点の輝度がエッジ外のポイントペア構成点の輝度より20階調以上小さければ、設定値以上の差があると判定される。逆に、設定値diffが−20に設定されていれば、画像処理対象物のエッジ外のポイントペア構成点の輝度がエッジ内のポイントペア構成点の輝度より20階調以上小さければ、設定値以上の差があると判定される。いずれの場合もそれら2個のポイントペア構成点は画像処理対象物のエッジを跨いでおり、適合状態にあることになる。この場合に、「2個のポイントペア構成点が設定輝度差条件を満たす」と表現することとする。 【0053】(1) 画像処理対象物が捜索対象部ではなく、2個のポイントペア構成点がエッジを跨いでいない、(2) 供給ミスにより撮像対象物180が検査対象物支持板72上に載置されていない、あるいは(3) 固体撮像素子にごみ等が付着して画像データが得られない等の理由により、2個のポイントペア構成点が設定輝度差条件を満たさず、適合状態にあるとは言えないことがある。この状態をポイントペアのフェールと称する。捜索テンプレートに適合する捜索対象部が存在しないと判定するためのフェール数は予め設定されている。例えば、図17においては、第3行に示すようにフェール数は0に設定されており、全部のポイントペアについて2個のポイントペア構成点が設定輝度差条件を満たさなければ、捜索テンプレートに適合する捜索対象部が存在するとは判定されないようになっている。 【0054】フェール数が1以上に設定されているとすれば、複数組のポイントペアのうち設定輝度差条件を満たさないポイントペアが設定フェール数を越える数あれば、捜索テンプレートに適合する捜索対象部は存在しないと判定される。−45度の回転角度において捜索対象部が存在すると判定されれば、捜索ステップは終了し、再捜索ステップが実行されるが、存在しないと判定されれば、回転角度が異なる捜索テンプレートが読み出されて捜索対象部が捜索される。 【0055】捜索対象部が存在すると判定されるまで、複数種類の捜索テンプレートが順次読み出され、捜索対象部が捜索される。全種類の捜索テンプレートを用いて捜索しても、捜索テンプレートに適合する捜索対象部が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートの位置をずらして捜索が行われる。X軸方向とY軸方向とにそれぞれ一定ピッチずつずらされ、各位置においてそれぞれ回転角度の異なる複数種類の捜索テンプレートを用いて捜索対象部が捜索されるのである。 【0056】この移動ピッチは予め設定され、マスタ捜索テンプレートを規定するデータと共にメモリカードに記憶されている。図17において第13行および14行に示されているpitchX=2.2, pitchY=2.2が移動ピッチである。まず、Y軸方向に設定ピッチ移動させられる。具体的には、複数種類の捜索テンプレートの各ポイントペアの座標がY軸方向を正方向へ設定ピッチ分ずれるように座標変換が行われるのである。この捜索テンプレートを用いて捜索対象部の捜索が行われる。この位置において回転角度の異なる全種類の捜索テンプレートを用いても捜索対象部が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートがX軸方向を正方向へ設定ピッチ分ずらされる。さらにここでも捜索対象部が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートはY軸方向を負方向へ設定ピッチ分ずらされる。ここでも捜索対象部が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートは更にY軸方向を負方向へ設定ピッチ分ずらされ、さらにここでも捜索対象部が存在するとの判定が得られなければ、次に捜索テンプレートはX軸方向を負方向へ設定ピッチ分ずらされる。捜索テンプレートはサーチウインドウ内を角形の螺旋形を描くように移動させられるのである。 【0057】捜索テンプレートを移動させても捜索対象部が存在するとの判定を得ることができず、座標変換を行ったとき、サーチウインドウからはみ出すポイントペアが生ずるに至れば、捜索テンプレートの移動は不可能であって捜索テンプレートに適合する捜索対象部は存在しないと判定され、捜索ステップは異常終了される。前記モニタテレビ14に異常発生が表示されるとともに、異常の発生が記憶される。画像処理対象物が検査対象物180である場合には、画像処理結果が異常であると判定された検査対象物180の検査対象物支持板72への載置位置がオペレータによりチェックされ、載置位置が大きく外れておれば、位置の修正が行われ、大きく外れていなければ、検査対象物180は予定されたものではないと判断されて、排除される。 【0058】図24に示す画像処理対象物の像320のように全部のポイントペア324の2個のポイントペア構成点が像320のエッジの内側と外側とにあり、設定輝度差条件が満たされれば、そのときの捜索テンプレートの位置および回転角度がDRAM256に記憶され、再捜索ステップが実行される。再捜索ステップにおいては、図27に示すように再捜索テンプレート328を用いて画像処理対象物の像320のエッジ点が、再捜索テンプレート328の座標面である再捜索テンプレート座標面(捜索テンプレート座標面と同じである)上において捜索される。再捜索テンプレート328は、複数本のシークライン330を含む。シークライン330は、捜索ステップにおいて画像処理対象物の像320を見つけた捜索テンプレートに基づいて設定される。ポイントペアの2個のポイントペア構成点がシークライン330の両端をそれぞれ規定する点とされるのである。 【0059】設定された複数本のシークライン330のそれぞれについて画像処理対象物の像320のエッジ点が捜索される。この意味において、再捜索テンプレート328は測定テンプレートと考えることもできる。この捜索は、図28に示すように、予め定められたピッチ(例えば0.05mm)でシークライン330を分割し、複数の分割点P1〜P15の各々についてそれぞれ輝度を演算することにより行われる。このピッチは、CCDカメラ78の固体撮像素子332の対角線より短い長さに設定されている。そのため、1個の固体撮像素子332の中に分割点が3個ないし4個含まれることとなる。分割点も仮想画面上の点であり、捜索ステップにおけると同様に線形補間が行われ、分割点P1〜P15の輝度が演算される。 【0060】線形補間によって演算された15個の分割点P1〜P15の各輝度の一例を図29に示す。なお、輝度値は正の値で表され、輝度値取得対象物が明るいほど値は大きくなる。本実施形態の撮像装置10は、画像処理対象物としての検査対象物180に背面側から平行光を照射し、検査対象物180の周囲を通過した平行光に基づいて像を取得するようにされており、以下の説明は画像処理対象物が暗くて輝度値が小さく、背景は明るくて輝度値が大きいものとして行う。線形補間によって演算された輝度値からは、図32のグラフに示すように、どこで輝度が最も大きく変化するかが判らない。そのため、差分フィルタを用いて輝度値の微分値を求める。図30に示す差分フィルタを用いて微分値を求めた結果を図33のグラフに示す。この差分フィルタは、シークラインを規定する一方の点から他方の点に向かって、隣接する2個の点のうち上流側に位置する点の輝度を負の値とし、下流側に位置する点を正の値とし、それら2個の値の和を求めるフィルタである。この微分値は分割点の値ではなく、図33のグラフにおいては、輝度微分値の得られる位置が隣接2分割点の中央位置である「.5」で示されている。このグラフから明らかなように、輝度変化の大小は判るが、どこが最大であるかは判らない。なお、演算方向に応じて、すなわち画像処理対象物の内側にある分割点から画像処理対象物の外側(背景内)にある分割点に向かって演算を行うか、逆に行うかにより、輝度微分値の符号が逆になる。前者の場合は輝度微分値が正の値になり、輝度微分値が最大の位置が輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置である(変化勾配の絶対値が最大の位置の輝度微分値を極大値と称する)。後者の場合は輝度微分値が負の値になり、輝度微分値が最小の位置が輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置である(変化勾配の絶対値が最大の位置の輝度微分値を極小値と称する)。図33および次に説明する図34のグラフに示す輝度微分値は、前者の演算により得られた値である。 【0061】それに対し、図31に示す差分フィルタを用いて微分を行えば、図34のグラフに示すように、f8.5の位置に輝度微分値の極大値177が得られ、この位置が輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置であることが判る。図31に示す差分フィルタは、シークライン上に設定された分割点のうちの1つに対して、その分割点を含んで演算方向において上流側の4個の分割点をいずれも負の値とし、下流側において連続する4個の分割点の輝度値をいずれも正の値とし、それらの和を求めるフィルタである。 【0062】固体撮像素子のエッジ点に対応する部分に汚れ等が付着して電荷量に変化が生ずれば、エッジ点ではない位置において輝度微分値の極大値あるいは極小値が得られることがあるが、そのような位置における輝度の変化勾配の絶対値は小さい。それに対しエッジ点近傍においては、画像処理対象物と背景との明るさに顕著な差があって輝度の変化勾配の絶対値が大きい。そのため、設定値を設け、変化勾配の絶対値が最も大きい位置の輝度微分値が、エッジ点近傍について得られた値であるか否かを判定し、前者の場合を排除する。この設定値は、輝度微分値が正の値で得られる場合には正の値で設定され、輝度微分値の極大値が設定値以上であるか否かが判定され、極大値が設定値以上であれば、その極大値はエッジ点近傍の位置に得られた値であって、エッジ点の演算に用いることができると判定され、エッジ点の演算が行われる。また、輝度微分値が負の値で得られる場合には、設定値は負の値で設定され、輝度微分値の極小値が設定値以下であるか否かが判定され、極小値が設定値以下であれば、その極小値をエッジ点の演算に用いることができると判定される。換言すれば、輝度微分値の極大値が設定値より小さく、あるいは極小値が設定値より大きくてエッジ点が演算されないことが再捜索ステップにおけるシークラインのフェールである。 【0063】図17に示す例においては、図32および図33に示す例と同様に、画像処理対象物の内側にある分割点から外側にある分割点に向かって輝度微分値の演算を行うように決められており、輝度値の変化勾配の絶対値が最も大きい位置において輝度微分値は最大になり、その極大値がエッジ点近傍において得られた値であるか否かを判定する設定値は、正の値、すなわち第5行に示すようにll=200とされている。本例では画像処理対象物の方が背景より暗いため、輝度微分値が正の値で求められるとともに、その値が200以上でなければ、エッジ点の位置の演算が行われないようにされている。 【0064】また、図17に示すように、どのような差分フィルタを用いて演算を行うかも予め決められている。この差分フィルタ係数Nは(2)式に従って演算される。 N=gUnit/分割点間ピッチ・・・・・・・(2) ただし、gUnit は固体撮像素子の対角線の長さである。 【0065】差分フィルタを用いて微分が行われ、輝度微分値の極大値(または極小値)が得られれば、輝度の変化勾配の絶対値が最大の位置、すなわちエッジ点が下記の式に従って求められる。なお、(3)式および(4)式は、N=4の場合を例に取った式であり、fmax ,f(max-4) 〜f(max-1) ,f(max+1) 〜f(max+4) はそれぞれ、輝度微分値(fmax は極大(小)値)である。「f」は、図34に示すように、数字が付されてシークライン上の輝度微分値の取得位置を表すが、(3),(4)式においては、fに付された数字により指定される位置の輝度微分値を表す。fmax は輝度微分値が極大(小)の位置(図33に示す例ではf8.5)の輝度微分値であり、f(max-1) ,f(max-2) ,f(max-3) ,f(max-4) はそれぞれ、演算方向においてfmax より上流側の4個所(図33に示す例ではf7.5 ,f6.5 ,f5.5 ,f4.5 )の各輝度微分値であり、f(max+1) ,f(max+2),f(max+3) ,f(max+4はそれぞれ、演算方向においてfmax より下流側の4個所(図33に示す例ではf9.5 ,f10.5,f11.5,f12.5) の各輝度微分値である。 dl=fmax ×4 −(f(max-1) +f(max-2) +f(max-3) +f(max-4) )・・・・・・・(3) dr =fmax ×4 −(f(max+1) +f(max+2) +f(max+3) +f(max+4) )・・・・・(4) edgePitch =(dl×N)/(dl+dr)−N/2・・・・・・(5) エッジ点=(輝度微分値極大(小)値点ピッチ数+edgePitch)×分割点ピッチ・・・・・(6) (3)式および(4)式はN=4の場合の式であるが、一般的には、dlを求める場合、極大(小)値点の輝度微分値にNを掛けた値から、演算方向において極大(小)値点より上流側のN個の点の各輝度微分値の和が引かれ、drを求める場合、極大(小)値点の輝度微分値にNを掛けた値から、極大(小)値点より下流側のN個の点の各輝度微分値の和が引かれる。なお、図29に示す演算結果を図31に示す差分フィルタを用いて微分を行った場合にエッジ点を求めるとき、(6)式の輝度微分値極大(小)値点ピッチ数は、8.5である。 【0066】エッジ点の演算時には、まず、線形補間により分割点の輝度が演算され、差分フィルタ係数Nに従って微分が行われた後、(3)〜(6)式に従って演算が行われて輝度の最大変化位置、すなわちエッジ点が求められる。図28に示すシークライン330の場合、(6)式の演算結果は0.403mmになり、シークライン330の分割点P1から0.403mmの位置にエッジ点があることが判る。 【0067】このようにして複数本のシークライン330の各々についてエッジ点が演算される。シークライン330のフェール数(ポイントペア302のフェール数が設定数以下である場合には捜索テンプレートに適合する捜索対象部が存在すると判定されるようにされている場合には、ポイントペア302のフェール数とシークライン330のフェール数との和)が設定数以下であれば正常であると判定されて測定ステップが実行され、設定数を越えるフェールがあれば異常終了される。異常発生時の処理は捜索ステップと同じである。図17においては第3行に示すようにfail Countが0に設定されており、フェールが1つでもあれば再捜索ステップは異常終了させられる。 【0068】フェール数が設定数以下であり、再捜索ステップが正常に終了すれば、次に測定ステップが実行される。再捜索テンプレートは、捜索ステップにおいて捜索対象部ありと判定した捜索テンプレートに基づいて設定されており、シークライン330上においてエッジ点を見つけることはできるが、エッジ点とシークライン330の中点(図27に×印を付して示し、以下、アイデアルポイントと称する)との間にはずれがあるのが普通である。前記ポイントペアを構成する2個の点は、捜索対象部に寸法,位置,回転角度のずれがなければそれら2個の点の中点が捜索対象部のエッジ上に位置するように設定されており、アイデアルポイントとエッジ点とが一致するはずであるが、実際には画像処理対象物にはずれがあり、アイデアルポイントと演算により得られたエッジ点とにはずれが生ずるのである。 【0069】そのため、再捜索ステップが異常なく実行されれば、次に測定ステップが実行され、エッジ点の位置が演算される。測定ステップにおいては、まず、図35に示すような測定テンプレート336が自動設定される。測定テンプレート336は、複数のシークライン338を有しており、予め設定されたマスタ測定テンプレートのデータと、上記再捜索ステップにおける再捜索テンプレート座標面の基準座標面に対する相対位置のデータと、再捜索テンプレート座標面上におけるエッジ点の演算結果とに基づいて設定される。 【0070】マスタ測定テンプレートデータは、前記図17に例示するように、マスタ捜索テンプレートデータ等と共に記憶されている。図17の第20行〜33行のデータが測定ステップ実行のためのデータであり、第21行のhs=3.5,第23行〜27行および第29行〜33行のデータがマスタ測定テンプレートデータである。このデータにより得られるマスタ測定テンプレート340を図19に示す。342はシークラインである。マスタ測定テンプレート340は同じ電気部品用のマスタ捜索テンプレートより多くのシークラインを有している。なお、画像処理対象物が一部が切り欠かれた円板306の場合には、図23に示すように複数のシークライン346を有するマスタ測定テンプレート344が設定される。 【0071】測定テンプレートのシークラインの一部あるいは全部がペアにされている。シークラインの延長線上に、画像処理対象物の中心線に対して対称に別のシークラインが設定されているのである。これらペアにされたシークラインをペアシークラインと称する。測定テンプレートは、マスタ測定テンプレートデータの座標変換によって設定される。再捜索テンプレートの座標面(この再捜索テンプレートの座標面は、捜索ステップにおいて画像処理対象物が捜索テンプレートに適合する捜索対象部であると判定された際の捜索テンプレートの捜索テンプレート座標面と共通である)の基準座標面に対する相対位置および相対回転角度と、再捜索テンプレート座標面に対する画像処理対象物の相対位置および相対回転角度(これらは再捜索ステップにおいて演算されたエッジ点の座標値に基づいて演算されるが、この演算については後に説明する)とに対応する座標変換を、マスタ測定テンプレートデータ(基準座標面と一致するマスタ測定テンプレート座標面において設定されている)に施して設定されるのである。 【0072】測定テンプレートの自動設定が終了したならば、その測定テンプレートの各シークライン上のエッジ点の演算が、再捜索ステップにおけるそれと同様に行われる。シークライン上に一定ピッチで分割点が設定され、分割点毎に線形補間によって輝度が演算されるとともに、差分フィルタが用いられて輝度微分値が演算されるとともにエッジ点が演算されるのである。測定ステップにおいても、許容されるフェールの数が設定されている。ここにおけるフェールは、再捜索ステップにおけると同様に、シークラインについてエッジ点が演算されないことを意味する。フェール数が設定数以下であれば正常とされ、次に再測定ステップが実行される。また、フェール数が設定数を越える数あれば測定ステップは異常終了させられる。異常発生時の処理は捜索ステップにおけると同じである。 【0073】再測定ステップにおいては再測定テンプレートが設定され、エッジ点が演算される。再測定テンプレートは、測定テンプレートおよび測定ステップにおいて演算されたエッジ点に基づいて自動設定される。測定ステップにおいて得られたエッジ点に基づき、アイデアルポイントがエッジ点上に位置すると予想される位置へ測定テンプレートが座標変換により回転移動させられるのである。再測定ステップにおけるエッジ点の演算も再捜索ステップにおけると同様に行われる。 【0074】再測定ステップにおける異常の判定は、測定ステップについて設定された許容フェール数が用いられ、エッジ点の得られないシークラインが設定数より多くあれば異常であって画像処理が終了される。異常発生時の処理は捜索ステップにおけると同じである。設定数以下であれば正常終了され、次にオブジェクトベクトル、すなわち画像処理対象物の寸法,位置,回転角度が演算される。再測定ステップの実行回数が多いほどアイデアルポイントとエッジ点とのずれが少なくなり、エッジ点の検出精度が向上する。再測定ステップの設定回数は予め設定されて記憶されている。なお、2回目以降の再測定ステップの実行に用いられる再測定テンプレートは、その直前の再測定ステップ実行時における再測定テンプレートとその再測定ステップにおけるエッジ点の演算結果とから自動設定される。 【0075】再測定ステップが正常に終了すれば、測定された画像処理対象物の寸法と基準寸法との差が演算され、その演算結果が許容誤差範囲と比較されて、許容誤差範囲内であれば合格、許容誤差範囲外であれば不合格と判定される。基準寸法および許容誤差範囲は、各画像処理対象物に対して予め定められ、メモリカードに格納されている。したがって、メモリカードが画像処理装置12に読み込まれれば、DRAM256に記憶され、寸法検査においてはこれら基準寸法および許容誤差範囲が使用される。 【0076】上記寸法検査が正常に終了すれば、続いて欠陥の有無の検査である検査ステップが実行される。図17の最下部に例示するように、前記マスタ捜索テンプレートデータおよびマスタ測定テンプレートデータと共にマスタ検査テンプレートデータがDRAM256に記憶されている。このマスタ検査テンプレートデータにより表されるマスタ検査テンプレートは図57に示すものであり、このマスタ検査テンプレートデータと、再測定ステップの実行により測定された画像処理対象物の位置および回転角度のデータとに基づいて検査テンプレートデータが作成され、検査ステップが実行されるのである。なお、図57に示すマスタ検査テンプレートは、正方形の画像処理対象物304の右辺に切欠とばりとの欠陥が存在するか否かを検査するための2本のネガティブシークライン350,352と多数本のポジティブシークライン354とを含むものである。ポジティブシークライン354は本来右向きの矢印で表されるべきものであるが、図示の都合で単純な線分で表されている。検査ステップの詳細については後に説明する。 【0077】モニタテレビ14には、画像処理の経過が表示される。例えば、捜索ステップの実行時には、フレームグラバメモリ264に格納されている画像データ(例えば、4つの検査対象物304を撮像した4セットの画像データの1セット)に基づいて画像処理対象物(検査対象物304)の像と背景とを含む画像がモノクロ表示され、その上に捜索テンプレートの角度が設定ピッチずつ変えられるとともに角形の螺旋状に位置が変えられる様子がカラー表示され、作業者に処理の進行状況が示される。 【0078】モニタテレビ14は、自動選択表示モードと手動選択表示モードとの2つのモードで表示が可能なものとされており、自動選択表示モードに設定されている場合には、画像処理経過の表示と、入力装置16からの入力に関連した入力関連データとの両方が、入力関連データを優先させつつ表示される。したがって、自動選択表示モードに設定されている状態で、入力装置16によりデータが入力されれば、上記画像処理経過の表示から自動的に入力関連データの表示に切り換えられる。手動表示選択モードにおいては、画像処理経過の表示と入力関連データの表示とのうち、オペレータの手動操作によって選択された方のみの表示が行われる。 【0079】次に、画像処理対象物のオブジェクトベクトルの演算について説明する。以下に説明する演算を行うためのオブジェクトベクトル演算プログラムはメモリカードに記憶されており、メモリカードの画像処理装置12へのセット時にDRAM256に移される。寸法,位置,回転角度は指定がある場合に演算される。例えば、図17の例においては、第5行および第21行のvf=PAのPが位置(Position) ,Aが角度(Angle) を表し、位置および回転角度を演算することが指定されている。 【0080】寸法演算は例えば次の場合に必要になる。■画像処理対象物の寸法が必要な場合、■画像処理対象物を、捜索対象部に似ているが捜索対象部ではないものと識別したい場合、■エッジ測定にフェールがあり、かつ、位置測定精度を確保したい場合等である。■は、例えば、形状が同じで寸法が少し異なる電気部品を区別することが必要な場合である。■の場合に寸法演算が必要になるのは、フェールがある場合には、後述のようにフェールを考慮して画像処理対象物の位置を求めるために寸法が必要であるからである。本実施形態においても、上記■〜■のいずれにも該当しない場合には寸法演算は行われないが、寸法演算の必要がある場合には、位置および回転角度の演算に先立って行われる。 【0081】以下、画像処理対象物が四角形の検査対象物304であり、寸法,位置,角度の演算が指定されており、かつ、フェールがある場合を例に取って説明する。まず、寸法演算を説明する。寸法演算は、寸法演算に使う旨の指示があるペアシークラインを用いて行われる。換言すれば、いずれのシークラインにも寸法演算に使う旨の指示がない場合,指示があってもシークラインがペアシークラインでない場合には寸法演算が行われないのである。1つのテンプレート内にシークラインについて寸法演算を行う旨の指定が1つもないときにはフラグが0にセットされ、1つでも指定があればフラグが1にセットされることにより、寸法演算を行うか否かが判定される。このようにすれば、寸法演算が不要である場合に、複数本のシークラインの一つ一つについて寸法演算に使うことが指示されているか否かを判定することなく寸法演算不要を知ることができ、処理時間が短くて済む。 【0082】寸法演算の最初はサイズファクタの演算である。サイズファクタは、画像処理対象物の寸法の、測定テンプレート座標面(測定テンプレートの設定座標面)のX軸方向とY軸方向とのそれぞれにおける過大率である。X軸方向の寸法過大率は、図36に四角形物358を示すように、X軸方向に平行に設定された複数組のペアシークラインの各組のシークラインのエッジ点間の距離(測定スパンと称する)をペアシークラインのアイデアルポイント(図中×印が付された点)間の距離(本来のスパンと称する)で除した値を平均することにより求められる。また、Y軸方向の寸法過大率は、Y軸方向に設定された複数組のペアシークラインの各組のペアシークラインの測定スパンを本来のスパンで除した値を平均することにより求められる。なお、図36に破線で示すのは、フェールが生じたシークラインであり、フェールの生じたシークラインを含むペアシークラインについては、寸法過大率は演算されない。これらX軸方向の寸法過大率およびY軸方向の寸法過大率をそれぞれ、四角形物358のX軸方向,Y軸方向の各本来のスパンに掛けることにより寸法が演算される。 【0083】複数本のシークラインのいずれか1つにでもフェールがあれば、フェールのないシークラインの全部についてアイデアルポイントをサイズファクタで補正した点であるサイズポイントが演算される。図37に例を示すように、Y軸方向にほぼ平行なシークラインについては、アイデアルポイントのY座標値にY軸方向の寸法過大率を掛けることによりサイズポイントのY座標値が演算され、図示は省略するが、X軸方向に平行なシークラインについては、アイデアルポイントのX座標値にX軸方向の寸法過大率を掛けることにより演算される。 【0084】また、前述のように、サイズファクタの演算はX軸およびY軸に平行なシークラインであってペアにされているもののみを使用して行われるが、この得られたサイズファクタを用いたサイズポイントの演算等は、X軸ともY軸とも平行ではないシークラインについても行われる。傾斜したシークラインについてのサイズポイントの演算および以下の演算は、後述の円形の画像処理対象物(検査対象物)におけるサイズポイントの演算等と実質的に同じである。 【0085】次いで、エッジ点とサイズポイントとの差Diffが演算される。サイズポイントは、寸法誤差を有する画像処理対象物に対して、その寸法誤差を承認した上で改めて測定テンプレートを設定し直したと考えた場合のアイデアルポイントに相当する。したがって、上記エッジ点とサイズポイントとの差Diffはエッジ点の位置ずれ量そのものを表していることになる。差Diffの演算は、エッジ点の座標値からサイズポイントの座標値を引くことにより行われるため、差Diffが正の値である場合にはエッジ点が測定テンプレート座標面上において正側へずれていることになるのである。 【0086】このようにフェールがある場合にサイズポイントを演算するのは、画像処理対象物の位置の演算に対するフェールの影響を小さくし、演算誤差を小さくするためである。例えば、画像処理対象物の寸法が本来の寸法より大きいが位置ずれはない場合に、演算誤差ペアシークラインを構成する一方のシークラインにフェールがあり、他方のシークラインにフェールがないとすれば、サイズポイントを演算せず、アイデアルポイントのままで演算を行った場合には、フェールのない側においてエッジ点とアイデアルポイントとの差の和がフェールのある側より大きくなり、実際には位置ずれはないにもかかわらず画像処理対象物がフェールのないシークライン側にずれているとの演算結果が出されてしまうため、これを回避するためにサイズポイントの演算を行うのである。 【0087】次に位置および回転角度の演算を説明する。光学式検査装置においては検査対象物304の外のり寸法あるいは内のり寸法のみが取得されればよい場合が多いが、画像処理対象物が、検査対象物304の表面に記載されたキャラクタや、検査対象物304の表面に発生している傷等である場合や、電気部品装着装置において吸着ヘッドに保持された電気部品208である場合には、それらの位置や回転角度の測定が必要となることがしばしばある。回転角度の演算は、0度,90度,180度,270度のシークラインであって、かつ、回転角度の演算に使用することが指示されているシークラインに基づいてのみ行われる。また、0度と180度、90度と270度との各処理は一括して行われる。 【0088】位置および回転角度は、回転中心RCについて演算される。回転中心RCとはコンピュータの演算上の中心であり、オペレータが画像処理対象物の中心として指定する指定中心DCとは異なる場合もあり、一致する場合もある。指定中心DCは、検査対象物180の平面形状に中心点がある場合にはその中心点とされるのが普通であるが、中心点がない場合には勿論、中心点がある場合でも他の点が指定中心DCとされても差し支えない。画像処理対象物が電気部品208である場合には、その電気部品208を回路基材に装着するプログラムの作成に当たり、画像処理対象物の基準とされる点が指定中心DCとされる。また、前記マスタ捜索テンプレート座標面,マスタ測定テンプレート座標面等の原点が指定中心DCに置かれ、さらに、後述するように、指定中心DCについて電気部品208の水平面内における位置修正量が演算される。 【0089】まず、図38に示す直線Lを例に取り、位置および回転角度の演算を説明する。直線Lには本来は4本のシークラインが設定されていたが1本がフェールしたか、あるいは当初から3本のシークラインが設定されていたかにより、3本のシークラインSL1 ,SL2 ,SL3 について上記差Diffが演算されたとすれば、回転中心RCは左側の2本のシークラインSL1 ,SL2 寄りに設定される。回転中心RCは、一方の側の複数本のシークラインと回転中心RCとの各距離の和(シークラインが1本の場合、そのシークラインと回転中心RCとの距離)の絶対値と、他方の側の複数本のシークラインと回転中心との距離の和(シークラインが1本の場合、そのシークラインと回転中心RCとの距離)の絶対値とが等しくなる位置に設定される。換言すれば、回転中心RCの一方の側を正,他方の側を負とすれば、全部のシークラインまでの距離の和が0になる位置に回転中心RCが設定されるのである。回転角度(ラジアン)は、(7)式によって演算される。 回転角度=(AO・A′+BO・B′+CO・C′)/(AO2 +BO2 +CO2 )・・・・・・・・・(7) ただし、AO:回転中心RCとシークラインSL1 との距離BO:回転中心RCとシークラインSL2 との距離CO:回転中心RCとシークラインSL3 との距離A′:シークラインA上における差DiffB′:シークラインB上における差DiffC′:シークラインC上における差Diffまた、回転中心RCの位置は、(8)式によって演算される。 (A´+B´+C´)/3・・・・(8) 【0090】差Diffと、エッジ点の回転中心からの距離を用いて複数のシークラインの各々について角度を演算し、それらを平均することによっても角度を得ることができるが、その場合、例えば、凹凸があって1個所でも角度が大きく外れればその誤差が最終的な角度の値に大きな影響を与える。それに対し、上記(7)式に従って角度を演算すれば、特定のエッジ点の誤差の影響を小さくすることができ、回転角度の演算精度を向上させることができる。 【0091】複数本のシークラインのいずれかにフェールがあり、エッジ点が得られない場合には、図39に示すように、指定中心DCと回転中心RCとにずれが生ずる。SL2 がフェールのあったシークラインである。一般に、指定中心DCは画像処理対象物の中心に設定され、シークラインはその指定中心DCに対して対称に設定されるため、シークラインにフェールが生じ、それに対応した回転中心RCの設定が行われれば、指定中心DCと回転中心RCとにずれが生じるのである。回転中心RCは前述のように、回転中心RCの一方の側を正とし、他方の側を負とすることにより、複数のシークラインの各エッジ点と回転中心RCとの距離の和が0になるように設定されることから(9)式が成立し、この(9)式とから(10)式が得られ、回転中心RCと指定中心DCとのずれvが演算される。 t0 +t1 +t3 =0・・・・・・(9) (s0 −v)+{s0 +(s1 −s0 )−v}+{s0 +(s3 −s0 )−v} =0・・・・・・・(10) ただし、t0 :回転中心RCとシークラインSL0 との距離t1 :回転中心RCとシークラインSL1 との距離t3 :回転中心RCとシークラインSL3 との距離s0 :指定中心DCとシークラインSL0 との距離s1 :指定中心DCとシークラインSL1 との距離s3 :指定中心DCとシークラインSL3 との距離【0092】図40に示すように、シークラインが矩形の画像処理対象物の互に平行な2本の辺について設定されている場合、(11)式が成立し、回転中心RCと指定中心DCとのずれ量vは(12)式に基づいて演算される。 t0 +t1 +t2 +t3 +t4 +t5 =0・・・・・・(11) s0 +{s0 +(s1 −s0 )}+{s0 +(s2 −s0 )}+{s0 +(s3 −s0 )}+{s0 +(s4 −s0 )}+{s0 +(s5 −s0 )}−6v=0・・・・・・(12) 【0093】図41に示す画像処理対象物の場合、(13)式が成立し、回転中心RCと指定中心DCとのずれvは(14)式に基づいて演算される。 t0 +t1 +t2 +t3 +t4 =0・・・・・・(13) s0 +{s0 +(s1 −s0 )}+{s0 +(s2 −s0 )}+{s0 +(s3 −s0 )}+{s0 +(s4 −s0 )}−5v=0・・・・・・(14) 【0094】図42に示すように、シークラインが互に直角な2方向に設定されている場合にはX軸方向およびY軸方向に関してそれぞれ(15)式および(16)式が成立し、回転中心RCと指定中心DCとのX軸方向,Y軸方向の各位置ずれvx ,vyは、それぞれ(17)式および(18)式に基づいて演算される。 t0 +t1 +t2 +t3 +t4 +t5 =0・・・・・・(15) t6 +t7 +t8 +t9 +t10+t11=0・・・・・・(16) s0 +{s0 +(s1 −s0 )}+{s0 +(s2 −s0 )}+{s0 +(s3 −s0 )}+{s0 +(s4 −s0 )}+{s0 +(s5 −s0 )}−6vx =0・・・・・・(17) s6 +{s6 +(s7 −s6 )}+{s6 +(s8 −s6 )}+{s6 +(s9 −s6 )}+{s6 +(s10−s6 )}+{s6 +(s11−s6 )}−6vy =0・・・・・・(18) 【0095】X軸方向について(17)式に基づいて回転中心RCX の指定中心DCに対するX軸方向の位置ずれvx を演算し、それに基づいて回転中心RCX が求められる。Y軸方向について(18)式に基づいて回転中心RCY の指定中心DCに対するY軸方向の位置ずれvy を演算し、それに基づいて回転中心RCy が求められる。回転中心RCX を通り、シークライン設定座標のY軸に平行な直線と、回転中心RCY を通り、X軸に平行な直線との交点が図42に示す画像処理対象物の回転中心RCである。 【0096】シークラインが互に直角な2方向に設定されている画像処理対象物の別の例を図43に示す。この画像処理対象物については(19)式および(20)式が成立し、回転中心RCと指定中心DCとのX軸方向,Y軸方向の各ずれvx ,vy は、それぞれ(21)式および(22)式に基づいて演算される。ただし、図43に示す画像処理対象物は、回転中心RCと指定中心DCとにずれがなく、vx =vy =0であって、シークラインと回転中心RCおよび指定中心DCとの距離は同じであるとして図示されており、したがって、(19)式および(20)式と、(21)式および(22)式とにおいて同じ符号が使用されている。 s0 +s1 +s2 +s3 =0・・・・・・(19) s4 +s5 +s6 +s7 =0・・・・・・(20) s0 +{s0 +(s1 −s0 )}+{s0 +(s2 −s0 )}+{s0 +(s3 −s0 )}−4vx =0・・・・・・(21) s4 +{s4 +(s5 −s4 )}+{s4 +(s6 −s4 )}+{s4 +(s7 −s4 )}−4vy =0・・・・・・(22) 【0097】回転角度を演算するために、図44に示す角度ファクタが予め設定されている。角度ファクタは、シークラインの位置および極性によって決定される。図44に示す角度ファクタをXY座標上で示せば図45に示すようになる。 【0098】図46に回転中心RCおよび角度ファクタを用いて画像処理対象物の位置および回転角度を演算する例を示す。回転角度は(23)式,(24)式に従って演算される。(23)式におけるd0 t0 ないしd4 v1 の正負の符号は角度ファクタによって決められている。(23)式で演算される回転角度は、画像処理対象物の測定テンプレート座標面に対する回転角度である。また、回転中心RCのX軸方向の位置ずれΔx,Y軸方向の位置ずれΔyはそれぞれ(25)式,(26)式により演算される。これら位置ずれΔx,Δyは、回転中心RCの実際の位置の本来あるべき位置からのずれ量である。 回転角度=(−d0 t0 −d1 t1 +d2 t2 +d3 v0 −d4 v1 )/ta ・・・・・(23) ta =t02+t12+t22+v02+v12・・・・(24) Δx=(d3 +d4 )/2・・・・・・・・・(25) Δy=(d0 +d1 +d2 )/3・・・・・・(26) ただし、d0 ,d1 ,d2 ,d3 ,d4 はそれぞれ、5本のシークラインにおけるエッジ点のサイズポイントからのずれ量である。 【0099】画像処理対象物が矩形であり、図47に示すように矩形の像258のX軸,Y軸にそれぞれ平行な2辺に各々シークラインが設定されている場合の回転角度および回転中心RCの位置ずれΔx,Δyの演算を(27)式〜(29)式に示す。 回転角度=(−d0 t0 +d1 t1 +d2 t2 −d3 t3 +d4 v0 −d5 v1 −d6 v2 +d7 v3 )/(t02+t12+t22+t32+v02+v12+v22+v32)・・・・・(27) Δx=(d4 +d5 +d6 +d7 )/4・・・・・・(28) Δy=(d0 +d1 +d2 +d3 )/4・・・・・・(29) d0 〜d3 は回転中心RCからの距離がt0 〜t3 のシークライン上におけるエッジ点とサイズポイントとのずれ量であり、d4 〜d7 は回転中心RCからの距離がv0 〜v3 のシークライン上におけるエッジ点とサイズポイントとのずれ量である。 【0100】上記各式が回転角度および位置ずれΔx,Δyの演算式として妥当なものであることを数学的に証明する代わりに、具体的に数値を代入して妥当性を示す。図48に示す形状の画像処理対象物が、回転中心RCのまわりに−0.1(ラジアン)回転するとともに、回転中心RCがY軸方向に5mm、X軸方向に0mmずれた場合を想定する。この場合に、t0 =30mm,t1 =20mm,t2 =50mm,v0 =30mm,v1 =30mmとすれば、sin θ=θと見なしてよい程に回転角度が小さい限り、d0 =+8mm,d1 =+7mm,d2 =0mm,d3 =−3mm,d4 =+3mmとなるはずである。また、ta =t02+t12+t22+v02+v12を演算すれば5600(mm2 )が得られる。これらの値を(30), (31) ,(32)式に代入すれば、下記の通り、回転角度および回転中心RCの位置ずれΔx,Δyがそれぞれ、−0.1ラジアン,5mmおよび0mmと求まり、式の妥当性が確かめられる。 回転角度={−(8×30}−(7×20)+(0×50)+(−3×30)−(+3×30)}/5600=−0.1・・・・(30) Δx=(−3+3)/2=0・・・・・・・(31) Δy=(8+7+0)/3=5・・・・・・(32) 【0101】以上のようにして演算されるのは回転中心RCの回転角度および位置ずれであるが、画像処理対象物が電気部品208である場合には、その電気部品208の回路基材への装着作業の実行上必要なのは指定中心DCの回転角度および位置ずれであるため、回転中心RCの回転角度および位置ずれから指定中心DCのそれらを演算することが必要である。ただし、回転角度は回転中心RCについても指定中心DCについても同じであるため演算の必要はなく、位置ずれのみについて演算を行えばよい。画像処理対象物に回転角度誤差がなく、単純にX軸方向とY軸方向とに位置ずれΔx1 ,Δy1 を生じたのみであれば、回転中心RCの位置ずれも指定中心DCの位置ずれも共にΔx1 ,Δy1 となる。しかし、画像処理対象物に回転角度誤差Δθが生じた場合には、図49に示すように回転中心RCからX軸方向およびY軸方向にそれぞれvx ,vy だけ離れた位置にある指定中心DCの位置ずれは、(Δx1 −Δθ×vy ),(Δy1 +Δθ×vx )となる。 【0102】ここで演算された回転角度Δθおよび位置ずれ(Δx1 −Δθ×vy ),(Δy1 +Δθ×vx )は画像処理対象物の指定中心DCの測定テンプレート座標面に対する回転角度および位置ずれであるが、測定テンプレート座標面自体が図50に示すように基準座標面に対して回転角度θおよび位置ずれΔx2 ,Δy2 を有しているのが普通である。そして、基準座標は一般にCCDカメラ78の光軸、すなわち視野の中心に原点を有する座標面として設定され、また、部品姿勢検出位置においては吸着ノズル206の軸線がCCDカメラ78の光軸と一致するように位置決めされる。この場合には、上記測定テンプレート座標面の基準座標面に対する回転角度θおよび位置ずれΔx2 ,Δy2 は、測定テンプレート座標面の吸着ノズル206の軸線に対する回転角度および位置ずれであることになる。したがって、画像処理対象物としての電気部品の指定中心DCの吸着ノズル206の軸線に対する回転角度および位置ずれはそれぞれ、θ+Δθ,Δx2 +(Δx1 −Δθ×vy )cos θ,Δy2 +(Δy1 +Δθ×vx )sin θとなる。 【0103】フェールがある場合には回転中心の座標,回転中心から各シークラインまでの距離,回転中心と指定中心との位置ずれ等の値が前述のように演算されるが、フェールがない場合はこれらの値は各画像処理対象物とテンプレートとの組合わせに対してそれぞれ一定の値に決まるため、これらの値がデフォルト値としてメモリカードに格納されており、このデフォルト値を用いて上記各演算が行われる。なお、寸法の演算が指定されておらず、すべてのシークラインがペアにされており、かつ、フェールもない場合には、サイズポイントの演算が省略されて、サイズポイントに代えてエッジ点とアイデアルポイントとの差が演算され、その演算結果に基づいて位置および回転角度が演算されるようにしてもよい。この場合には、サイズに誤差があっても、ペアシークラインを構成する2本のシークライン同士で寸法誤差の影響を打ち消し合い、位置の演算結果に影響を及ぼさないからである。さらに、フェールがある場合でも、位置ずれの演算が指定されていない場合はサイズポイントが不要であり、演算を省略してもよい。 【0104】次に、画像処理対象物がプリント基板の基準マーク等のように円形や円形の一部が切り欠かれた形状のものである場合について説明する。基準マークはプリント基板に付され、基準マークの撮像に基づいてプリント基板の位置誤差および回転角度誤差が算出される。したがって、基準マークの回転角度を演算する必要はない。また、円形や円形の一部が切り欠かれた画像処理対象物の位置ずれの演算も矩形の画像処理対象物の位置ずれの演算と共通する部分が多いが、位置ずれの演算に特殊性がある。以下、この点について説明する。 【0105】まず、図51〜図53に基づいて円形の像360のシークラインにフェールがある場合を説明する。ここでは、図51に示すように、破線で示す0度のシークラインがフェールのシークラインであり、また、円形の像360が、本来の寸法(図中二点鎖線で示す大きさ)より大きいものとする。円形の像360についても始めに寸法演算が行われる。寸法演算においては、矩形の像358の場合と同様にサイズファクタが演算される。シークラインが図51に示すように45度間隔で放射状に8本設定されているとすれば、X軸方向,Y軸方向の各サイズファクタsizeFX,sizeFYはそれぞれ、sizeXM=sizeYM=0,baseXM=baseYM=0の初期設定を行った上で、(33)式〜(35)式によって演算される。 for(i=0; i<n;i++){sizeXM+=(測定スパン〔i〕/本来のスパン〔i〕)*|cos 角度〔i〕|;baseXM+=|cos 角度〔i〕|;sizeYM+=(測定スパン〔i〕/本来のスパン〔i〕)*|sin 角度〔i〕|;baseYM+=|sin 角度〔i〕|}; ・・・(33) sizeFX=(sizeXM)/baseXM ; ・・・・・(34) sizeFY=(sizeYM)/baseYM ; ・・・・・(35) ただし、(33)式はC言語で記述されており、for(i=0; i<n;i++)は、i番目のシークラインについての{ }内の演算を、iを0からn−1まで1ずつ変化させつつ行った結果の総和を意味する。また、nはペアシークライン数であり、図51の例では4であるため、(33)式の演算に当たってiは0から3まで順次変えられることとなるが、このiがフェールのシークラインを含むペアシークラインを指定する値になった場合には、演算が行われることなく次のペアシークラインを指定する値に変えられるようになっている。したがって、図51の例では0度のシークラインを含むペアシークライン以外の3対のペアシークラインについて(33)式の演算が行われることとなる。 【0106】円の場合、シークラインが放射状に設定されるため、X軸およびY軸に対して傾斜したシークラインが存在し、これらシークラインはX軸方向とY軸方向との両方について寸法過大率の成分を有する。そのため、(33)〜(35)式においては、各シークライン上における寸法過大率のX軸方向の成分とY軸方向の成分とが求められ、それぞれ成分比率に応じてサイズファクタの決定に寄与させられるようになっている。この演算によって得られるsizeFXおよびsizeFYは、それぞれX軸方向とY軸方向との寸法過大率である。寸法誤差がX軸方向とY軸方向とで異なる比率で生ずる場合に対処するために、両方向で別個にサイズファクタが演算されるようになっているのである。 【0107】次に、サイズポイントが演算される。まず、図53に示すようにアイデアルポイントとサイズポイントとの差であるpairDiffが(36)〜(43)式((36),(37)式はC言語で記述されている)によって演算され、 得られたpairDiffとアイデアルポイントとからサイズポイントが算出され、更にエッジポイントを用いてサイズポイントとエッジポイントとのずれDiffが演算されるのである。 ΔLx =pairRadius*cos θ*(sizeFX −1); ・・(36)ΔLy =pairRadius*sin θ*(sizeFY −1); ・・(37) ΔLx ≧0かつΔLy ≧0の場合pairDiff=√{(ΔLx )2 +(ΔLy )2 }; ・・(38)ΔLx <0かつΔLy <0の場合pairDiff=−√{(ΔLx )2 +(ΔLy )2 }; ・・(39)ΔLx <0かつΔLy ≧0であって|ΔLx |≧|ΔLy |の場合pairDiff=−√{(ΔLx )2 −(ΔLy )2 }; ・・(40)ΔLx <0かつΔLy ≧0であって|ΔLx |<|ΔLy |の場合pairDiff=√{−(ΔLx )2 +(ΔLy )2 }; ・・(41)ΔLx ≧0かつΔLy <0であって|ΔLx |≧|ΔLy |の場合pairDiff=√{(ΔLx )2 −(ΔLy )2 }; ・・(42)ΔLx ≧0かつΔLy <0であって|ΔLx |<|ΔLy |の場合pairDiff=−√{−(ΔLx )2 +(ΔLy )2 }; ・・(43)【0108】前述のように、円形の像360は回転角度を演算する必要がなく、位置のみが演算される。位置を演算するにあたり、まず、位置ファクタ(posFactor) が(44)式に従って演算される。< | |